JPH11334389A - 傾斜単気筒水冷式内燃機関 - Google Patents

傾斜単気筒水冷式内燃機関

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JPH11334389A
JPH11334389A JP13954698A JP13954698A JPH11334389A JP H11334389 A JPH11334389 A JP H11334389A JP 13954698 A JP13954698 A JP 13954698A JP 13954698 A JP13954698 A JP 13954698A JP H11334389 A JPH11334389 A JP H11334389A
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fuel tank
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internal combustion
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延広 渡辺
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜単気筒水冷式内燃機関において、従来、
本体の上方に配設していたラジエータや燃料タンク等の
周辺部材について、それぞれの容量と機能を確保しなが
らもコンパクト化や低コスト化を実現できるよう工夫す
る。 【解決手段】 燃料タンク7を縦長状にクランクケース
1の一側面に配設して防振支持し、クランク軸3の一端
に付設したフライホイル4に冷却ファン5を付設して、
ファンケース6にて覆い、その一部を切り欠いて、燃料
タンク7の壁の一部にて沿わせ、これらにて冷却ファン
5からの冷却風のボリュートガイドを形成し、該クラン
クケース1の上端及び傾斜状のシリンダブロック部1a
の上方においてラジエータ8を略水平状に配設し、その
上方をラジエータカバー10にて覆って、該ボリュート
ガイドからの冷却風を該ラジエータ8に案内するダクト
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単一の傾斜状シリ
ンダを有する傾斜単気筒水冷式内燃機関の本体部分の周
囲に付設される冷却器(ラジエータ)、燃料タンク、排
気マフラ等の配設構造であって、燃料タンクやラジエー
タの容量を確保しながら、コンパクト化や冷却効果の向
上を実現することを目的とする構造に関する。
【0002】
【従来の技術】単気筒水冷式内燃機関であって、クラン
クケースに(一体的に)傾斜シリンダを形成した構造の
ものについては、出願人が既に特許出願済みである。
【0003】また、単気筒水冷式内燃機関であって、水
平シリンダを有する構造のものにおいては、従来、シリ
ンダ上部に垂直状にラジエータを配設し、該ラジエータ
の前面に取り付けられる冷却ファンに対して、エンジン
のクランク軸等の回転軸より無端帯を巻装して駆動する
ものとしていたが、これでは全高が非常に大きくなると
ともに、無端帯の耐久性にも問題があり、無端帯が破損
すれば、ラジエータが稼働せず、オーバーヒートに陥っ
てしまう。
【0004】このような問題を解消すべく、従来、水平
シリンダの上方にラジエータを水平に配設するととも
に、冷却ファンは、ラジエータとは分離して、フライホ
イルの遠心力を利用すべく、フライホイルに付設するも
のとし、該フライホイルに付設した冷却ファンから該ラ
ジエータに冷却風を案内するカバー部材をフライホイル
上方に配設した構造が、実開昭57−2209にて開示
されている。この中で、機関本体の周囲に付設される燃
料タンク、或いは排気マフラ等の各種部品の配設位置も
開示されている。
【0005】この公報開示技術において、ラジエータは
冷却ファン上部から見て略同一の高さにあり、冷却ファ
ンより吹き出される冷却風は、冷却ファン及びフライホ
イルの上部よりラジエータまでの上方を略水平状に覆う
ファンケース内を略水平に流れ、ラジエータまで案内さ
れる。
【0006】また、この中で、燃料タンクは、ラジエー
タの上方にて略水平状に配設されている。更に、排気マ
フラは、シリンダヘッドの配置される側面の外側にて、
該シリンダヘッドより更に外側に突出して配設されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、傾斜単気筒
水冷式内燃機関の機関周囲に設ける各種部品をコンパク
トに配置して、全体をコンパクト化することを第一の課
題としている。これに鑑みて従来のこれらの部品の配置
構造を検討する。まず、前記従来技術の水平単気筒のの
内燃機関においては、ラジエータをクランクケース上方
に略水平状に配設する構造が開示されているが、ラジエ
ータに導入される冷却風が十分に通る箇所は、水平状の
シリンダの上端とラジエータ下面との隙間に開いた空間
であって、クランクケースの上端とラジエータ下面との
隙間は狭くなっており、十分な冷却風が通れなくなって
いる。また、冷却風量を確保すべく、冷却ファン及びラ
ジエータの上方のカバー部分は上方に大きく膨らませた
形状となっていて、複雑な構造となり、加工コストも高
くなる。
【0008】次に、燃料タンクに関しては、ラジエータ
の上方に配置されているので、機関全体が縦長の構造と
なり、コンパクト化を阻害する。更に、従来の燃料タン
クは横長状に略水平状に配設されているので、該機関を
傾斜状に設置する場合等で、タンク内の油面が傾斜する
と、すぐに油面が燃料タンクの燃料取入口より下位にな
り、空気の混入する頻度が高くなって出力の悪化に繋が
る。また、まだ十分に燃料が残っている時点で油面が燃
料取入口より下位になって、この時点で燃料を補給しな
ければならなくなり、無駄が多い。
【0009】また、排気マフラの配設位置も、側方に大
きく突出した状態となっており、側方のコンパクト化を
阻害するものとなっている。
【0010】また、本発明の第二の課題は、クランクケ
ースとシリンダ部分の冷却特性を高めることにある。従
来の前記公報記載の構造では、冷却ファンより吹き出さ
れた冷却風は、冷却ファン及びフライホイル部分の上方
に配設されたファンケースに沿って、クランクケース及
びシリンダの上方に配設されたラジエータに流れるよう
になっており、この冷却風をクランクケースの側面に十
分に当てる構造とはなっていない。即ち、冷却ファンか
ら吹き出す冷却風をクランクケースやシリンダの冷却に
十分に活用していない。
【0011】また、燃料タンク内に燃料が充填されてい
ると、燃料タンク自体が低温に保持されていて、その周
囲に配置されたものに対して冷却効果をもたらすが、前
記の従来技術では、燃料タンクはラジエータの上方にあ
り、その冷却効果を活用することができないばかりでな
く、ラジエータ排風により、燃料タンク自体が高温化す
るおそれがある。
【0012】また、第三に、燃料タンクやラジエータの
容量を確保しながらも、部品点数をできるだけ少なく、
簡単な構造で、燃料タンクやラジエータを確実に支持で
きる構造とすることを目的とする。この点で、燃料タン
クは、前記のように横長状に略水平状に配設した場合に
は、上下中央部分の側端部を締止したり、或いは、上下
端部を側方より固定したりしており、この場合に、燃料
タンクの上下高が大きいと、それだけ固定部分のステー
部材に堅牢な構造を必要とした。
【0013】この燃料タンクを、クランクケースの側面
に縦長状に配設すれば、容量を確保しながらもクランク
ケース上方空間より燃料タンクを削除でき、全高の短縮
を実現でき、また、その上下部を支持することで、それ
ほどの強度を必要とせずに燃料タンクを確実に支持でき
るが、クランクケースの側面部は、クランク軸の回転に
伴って、その回転方向の振動が生じるため、防振構造を
必要とする。
【0014】本発明は、第四に、エンジン本体(クラン
クケース)やラジエータ部より発生する騒音をできるだ
け外部に放出せず、低騒音を実現するものである。この
点において、従来、ラジエータ全体を覆うカバー部材
は、その上方に燃料タンクを配設する関係上、設けられ
ておらず、また、ラジエータもエンジン本体であるクラ
ンクケース上に直接的に取り付けられていて、ラジエー
タ部分から外部にエンジン振動音が放出されていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するため、次のような手段を用いるものであ
る。まず、第一に、クランクケースに傾斜状の単一シリ
ンダーを設けた傾斜単気筒水冷式内燃機関であって、ク
ランク軸の一端側に冷却ファン及びそれを覆うファンケ
ースが配設され、該クランク軸を水平に配置した場合
に、該傾斜シリンダと該クランクケースの上方にてラジ
エータが略水平状に配置され、該ファンケースは該冷却
ファンより該ラジエータまで略鉛直状に配置され、その
内部は、該冷却ファン全周域からの冷却風を該ラジエー
タに導入するボリュートガイドとなるよう構成する。
【0016】第二に、前記の傾斜単気筒水冷式内燃機関
の構成において、クランク軸方向に見て、前記傾斜シリ
ンダと反対側の前記クランクケース側面の外側に、燃料
タンクを縦長状に沿設する。
【0017】第三に、第二に述べた傾斜単気筒水冷式内
燃機関の構成において、前記ファンケースの一部を切り
欠いて開口部を設け、該開口部に前記燃料タンクの壁の
一部を沿わせ、該ファンケースと該燃料タンクの壁の該
一部とで、前記冷却ファンから前記ラジエータまでの冷
却風を案内するボリュートガイドを形成するよう構成す
る。
【0018】第四に、第一に述べた傾斜単気筒水冷式内
燃機関の構成において、排気マフラを、前記ラジエータ
の側方で、かつ前記傾斜シリンダ上のシリンダヘッドの
上方に配設し、エアクリーナを、該排気マフラの下方
で、かつ前記ファンケースの側方に配設する。
【0019】第五に、第一に述べた傾斜単気筒水冷式内
燃機関の構成において、前記ファンケースに連接して冷
却風ダクトを兼ねるラジエータカバーを設ける。
【0020】第六に、第二に述べた傾斜単気筒水冷式内
燃機関の構成において、前記燃料タンクの給油口を塞ぐ
キャップの位置を、前記ラジエータより上方とする。
【0021】第七に、第二に述べた傾斜単気筒水冷式内
燃機関の構成において、前記燃料タンクは、下部を前記
クランクケース、もしくは該クランクケースの側面に固
設した脚材に防振部材を介して取り付けられ、上部を該
クランクケースより立設した係合部材に係合させるとと
もに、該係合部材との間に防振部材を介装する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面をもとに説明する。なお、本発明に係る傾斜単気筒水
冷式内燃機関本体を単にエンジンと称し、これに燃料タ
ンク、冷却ファン、ファンケース、ラジエータ、ラジエ
ータカバー、排気マフラ、エアクリーナ等の周辺部材を
取り付け、更に、脚材を取り付けて設置可能とした状態
のものをエンジンユニットと称するものとする。
【0023】図1は本発明に係るエンジンユニットの正
面図、図2は同じく右側面一部断面図、図3は図2中の
X−X線矢視図、図4は燃料タンク7を取り外した状態
でのファンケース5、ラジエータカバー10、右側ステ
ー16の右断面図を含むエンジンユニットの右側面図、
図5は図4中Y−Y線矢視断面図、図6は図5中Z−Z
線矢視断面図、図7はクランク軸におけるフライホイル
の取付側を反転した実施例におけるエンジンの正面図、
図8は同じく後面図、図9は同じく右側面図、図10は
同じく左側面図である。
【0024】なお、本発明に係るエンジンは、クランク
ケースにシリンダを傾斜状に付設(一体状に形成)して
おり、クランク軸を、水平に配置した状態にも垂直に配
置した状態にも設置しうるが、本実施例では、クランク
軸を水平に配置した状態とすることを前提とする。
【0025】まず、図7乃至図10において、燃料タン
ク、ラジエータ、ファンケース、排気マフラ、エアクリ
ーナ等の周辺部材を取り除いた状態におけるエンジンの
外観が図示されている。この状態でのエンジンの構成に
ついて、図1乃至図6を参照しながら説明する。機関の
主本体であるクランクケース1は、一面が開口してお
り、この開口端は側蓋2にて閉塞されている。以後、側
蓋2の配設側を後面、クランクケース1における該側蓋
2に対向する面を前面として説明する。クランクケース
1には、正面視で図7の如く、左右一方(本実施例では
左側)にて上方傾斜状にシリンダブロック部1aを一体
状に形成している。
【0026】本エンジンはディーゼルエンジンであっ
て、シリンダブロック部1aの上端開口部にはシリンダ
ヘッド18を締結し、該シリンダヘッド18に燃料噴射
弁25及び点火プラグ26を内嵌している。該シリンダ
ヘッド18上には更に弁腕カバー19が付設されてい
て、図5の如く、該弁腕カバー19内に配設される弁腕
部27よりシリンダヘッド18内に動弁(吸気弁及び排
気弁)28・28が摺動自在に内嵌されている。
【0027】該クランクケース1と該側蓋2との内部に
て形成されるクランク室内においては、図5等の如く、
クランク軸3、バランサ軸31、カム軸32の回転軸
が、前後方向に、即ち互いに平行状に横架され、その前
端部及び後端部が、それぞれクランクケース1の前壁部
と側蓋2とにて軸支されている。
【0028】クランク軸3は、コンロッド30を介して
シリンダ部1a内に摺動自在に内嵌されるピストン29
に連結され、該ピストン29の往復摺動にて回転駆動さ
れ、これに伴って、ギア連結されたバランサ軸31、カ
ム軸32が従動する。バランサ軸31は該クランク軸3
と同一回転数で逆位相に回転して、単気筒故に生じるク
ランク軸3の回転に伴う振動を相殺する。カム軸32に
は、動弁駆動用カムと燃料噴射ポンプ駆動用カム、及び
燃料フィードポンプ駆動用カムが形成されており、回転
に伴って動弁27・27、燃料フィードポンプ22、及
び燃料噴射ポンプ23を駆動する。燃料フィードポンプ
22及び燃料噴射ポンプ23は、クランクケース1の左
側面に水平状に付設されており、該燃料噴射ポンプ23
より前記燃料噴射弁25に対し、燃料吐出管24を配管
している。
【0029】そして、クランク軸3の一端はクランクケ
ース1の前面より、他端は後面の側蓋2より、それぞれ
外側に突出しており、一端は出力軸として、他端はフラ
イホイル4を付設する端部として適用される。なお、い
ずれをフライホイル側に、いずれを出力側にしてもよ
く、図7乃至図10図示の外観図では、クランクケース
1前面側に出力側端を、側蓋2側にフライホイル側端を
配置した実施例が図示されているが、図1乃至図6のエ
ンジンユニットの実施例においては、クランクケース1
前面側をフライホイル側にするものとしている。従っ
て、後述のエンジンユニットにおける周辺部材の配設構
造の説明においては、フライホイル4は、クランク軸3
の前端で、クランクケース1の前側に配設されているこ
とを前提とする。
【0030】フライホイル4には、冷却ファン5・5・
・・を付設しており、フライホイル4の回転に伴って冷
却ファン5・5・・・が回転する。また、該フライホイ
ル4の外側円周面には、スタータモータ従動用のギア4
aが付設されており、クランクケース1の上方であっ
て、傾斜状の該シリンダブロック部1aの上側の空間を
利用して配設されたスタータモータ12aの出力ギア1
2bに噛合させ、スタータモータ12aの駆動にて、フ
ライホイル4を回転させ、クランク軸3を始動回転させ
るものとしている。該スタータモータ12a及びスター
タソレノイド12も、図1乃至図6の実施例と図7乃至
図10の実施例では、フライホイル4にギア噛合させる
関係上、前後逆向きに配設され、図1乃至図6の実施例
においてはクランクケース1の前面上部より垂直平面状
に立設し、図7乃至図10の実施例においては側蓋2よ
り垂直平面状に立設したスタータステー13に、スター
タモータ12a及びスタータソレノイド12とも、略水
平状に取り付けられている。
【0031】次に、エンジンユニットを構成する上での
燃料タンクやラジエータ等の周辺部材を配設する構造に
ついて、図1乃至図6より説明する。まず、エンジンの
設置について説明すると、クランクケース1の左右両側
面に、ボルト孔を穿孔した脚板材ステー1b・1b・・
・をそれぞれ四個ずつ形成しており、左右各側面にそれ
ぞれ脚板材33を脚板材ステー1b・1b・・・に据付
け、ボルト35にて締止する。更に、クランクケース1
下端と各脚板材33との間にそれぞれ水平状の据付板3
4を締止しており、該据付板34・34を介して、クラ
ンクケース1の底部を設置対象面に締止し、本エンジン
を設置する。
【0032】なお、該クランクケース1の右側面の底部
付近にドレン用ボルト36が略水平方向に螺装されてお
り、該ドレン用ボルト36を抜くことによって、クラン
クケース1・側蓋2内のクランク室内より潤滑油を抜く
ことができるが、このドレン用ボルト36の着脱を可能
とすべく、右側の脚板材33には、該ドレン用ボルト3
6に対向してレンチを差し込むための嵌挿孔33aが穿
設されている。
【0033】このように設置したエンジンに対し、クラ
ンクケース1の右側(正面視、即ちクランク軸方向に見
て、反シリンダブロック部1a側)に、燃料タンク7を
取り付け配置する。その取付構造について説明する。ク
ランクケース1の右側面の上端付近より、ボルト孔を垂
直状に穿設したステー据付部1c・1cを上方突出状に
形成しており、該両ステー据付部1c・1c上に、右側
ステー16の基端据付部16a・16aをボルト38に
て締止して該右側ステー16を立設する。こうしてクラ
ンクケース1の右側部に立設された該右側ステー16
は、正面視で、上端が右側に略90°に曲折して、係合
部16bを形成している。該係合部16bは、該燃料タ
ンク7の上端部の形状に合わせた形状となっており、燃
料タンク7の上端部に沿わせ、係合させている。該係合
部16bの内側面と、その中に配置される燃料タンク7
の上端部表面との間には、隙間があり、緩係合状態とな
っていて、この隙間に図5図示の弾性の(例えばゴムや
スポンジ等)防振パッド40を介装して、該係合部16
b内における燃料タンク7の振動を許容(実際には、燃
料タンク7の上部に対して、該係合部16bが振動する
のを許容)する。
【0034】また、クランクケース1の右側面にて締止
される右側の脚板材33において、四個のボルト35の
うち、下二個のボルト35・35のすぐ下側にて、ゴム
等の弾性部材による二個の防振部材37・37を配設し
ており、一方、燃料タンク7において、クランクケース
1の右側面に沿わせる部分に取付板部7aを形成してお
り、該取付板部7aは、該防振部材37・37を介し
て、該脚板材33に取り付けられている。なお、右側の
脚板材33を螺止する四個のボルト35のうち、上の二
個については、燃料タンク7の内側面において干渉しな
いように凹部7g・7gが形成されており、下二個につ
いては、取付板部7aに抜き孔7b・7bが形成されて
いて、この下二個のボルト35・35との干渉を回避し
ている。
【0035】こうして、燃料タンク7は、その上部を右
側ステー16に、下部を右側の脚板材33に防振支持さ
れているものであり、簡単な構成ながら、縦長状の燃料
タンク7の上下が支持されているので、強固なステーを
設けたりすることなく、確実な支持が可能となる。そし
て、防振支持されることで、エンジンの(即ちクランク
ケース1の)振動が直接的に燃料タンク7には伝播せ
ず、燃料タンク7内の燃料が振動で波立つのを抑制でき
るのである。なお、該右側ステー16は、後記のラジエ
ータ8(ラジエータホルダー9)やラジエータカバー1
0の支持にも兼用され、部品点数の削減に貢献する。
【0036】こうして配設した燃料タンク7の内側面
は、該クランクケース1の右側面に沿わせるべく、クラ
ンクケース1の右側面の形状に沿った形状に形成されて
いる。このように、燃料タンク7の内側面をクランクケ
ース1の側面に直接的に近接させることにより、燃料タ
ンク7内に充填される燃料により、クランクケース1の
冷却効果を増すのである。
【0037】また、燃料タンク7の内側面をこのように
クランクケース1の右側面に合わせた形状とすること
は、クランクケース1の右側面の上方及び下方に形成さ
れる凹状空間に該燃料タンク7が張り出すこととなるた
め、容量の増大に繋がる。
【0038】また、燃料タンク7は縦長状になってい
て、燃料も縦長状に充填されるため、エンジンを傾斜状
に配設することにより、油面が相対的に傾斜状になった
としても、燃料フィードポンプ22に通じる燃料取入口
より油面が低くなるのは、十分に燃料を消費して、残量
が実際に僅かとなった時点であり、無駄をなくすことが
できる。
【0039】また、燃料タンク7がクランクケース1・
側蓋2の右側面部全体を覆っているため、防音効果も得
ることができる。更に、本実施例では、図5のように、
バランサ軸31やカム軸32が、左側(反燃料タンク7
配設側)の傾斜シリンダブロック部1aの下方に配設さ
れているので、クランク軸3より右側にはこれらの回転
軸がない分、クランクケース1の右側部分はコンパクト
になり、その分、該右側部分を覆う燃料タンク7の容量
も大きく取れるのである。
【0040】次に、フライホイル4及び冷却ファン5の
配設側(本実施例では、クランクケース1の前側)に
は、縦状にファンケース6を取り付けている。ファンケ
ース6は、フライホイル4及び冷却ファン5の前面を鉛
直状に覆う前板部6aを有し、該前板部6aにおいて、
その冷却ファン5の内周部分に対峙する箇所には、空気
採り入れ窓6bを開口している。また、フライホイル4
の左側部分(シリンダブロック部1a寄り側)から下端
部にかけて、側板部6cを形成しているが、該側板部6
cは、右側即ち燃料タンク7配設側は切り欠かれてお
り、該切欠による開口部分には、燃料タンク7の左側面
部7cを沿わせるものである。該ファンケース6の前板
部6aの右側端部分は、該燃料タンク7の前面の左側面
部7c付近部分の上(前)に重合するものとなる。
【0041】こうして、クランクケース1の前側におい
て、冷却ファン5の周囲に、右側は燃料タンク7にて、
下側より左側にかけて、及び前面においてはファンケー
ス6にて覆われて、冷却ファン5より外側に吹き出され
る冷却風を案内するボリュートガイドが形成される。冷
却風は、正面視にて時計回りに案内されて、冷却ファン
5の左側面から上方へと導かれ、後記のラジエータ8に
導入される。
【0042】従来の構造に沿えば、ファンケース6の右
側面に沿って、別体のボリュートガイドを設けるか、或
いは、ファンケース6と一体状に側面部を形成してボリ
ュートガイドとするかして、右側に隣接する燃料タンク
7の左側面7cとは、右側面部のボリュートガイドとの
間で隙間を介在させる必要がある。その分、燃料タンク
の容量を確保しようと思えば、燃料タンク7を右外側に
寄せなければならず、コンパクト化を阻害する。一方、
燃料タンク7の右側部分に関するコンパクト性を確保し
ようと思えば、該隙間分だけ燃料タンク7内の容量を低
減することとなる。その点で、本実施例においては、フ
ァンケース6の右側面部を開口して、燃料タンク7の左
側面部7cをそのままボリュートガイドとして兼用する
ことで、該隙間が介在しなくなり、燃料タンク7は、コ
ンパクト性も大容量もともに確保できるのである。
【0043】また、ファンケース6及び燃料タンク7に
て形成されるボリュートガイド内を冷却風が案内される
過程において、冷却風は、クランクケース1の前面の下
側部分まで案内されて、クランクケース1の前面を直接
的に冷却するものであり、また、燃料タンク7の左側面
部7cに冷却風が当たることにより、燃料タンク7を冷
却し、従って、クランクケース1の右側面が燃料タンク
7に近接していることにより、クランクケース1が、右
側面より冷却され、ボリュートガイド内を冷却風が案内
される過程で冷却効果をクランクケース1の略全体に及
ぼすことができるのである。
【0044】なお、ファンケース6は、前板部6aの上
端において、ボス部6dを形成しており、前記のスター
タステー13より突設した中央ステー14の前端を、該
ボス部6dに対してボルト等で締止する。また、該ファ
ンケース6の左側面部において、上下にボス部6e・6
f・6gを形成しており、該ボス部6eは、前記シリン
ダヘッド28より突設した左側ステー15の前端にボル
ト締止し、該ボス部6fはシリンダブロック部1aの前
面部に形成したボルト座1dに、該ボス部6gはクラン
クケース1の前面に形成したボルト座1eにそれぞれボ
ルト締止する。更に燃料タンク7において、該左側面部
7c前端の上下にボス部7d・7eを左方に突出状に形
成しており、該ボス部7d・7eを、その前に重合する
ファンケース6の前板部6aにボルト等で締止する。こ
うして、ファンケース6及び燃料タンク7の左側面部7
cが取付固定される。
【0045】なお、該燃料タンク7は、左側面部7c
が、該ボス部7d・7eを介して、シリンダブロック1
の前面部(即ち、ボス部6f・6gを介して)に連結さ
れるファンケース6の前板部6aに取り付けられている
ので、一見、前記の脚板材33に対する防振支持に矛盾
するようであるが、該燃料タンク7を脚板材33に防振
支持した防振部材37は、クランク軸3の回転に伴って
生じるその径方向(ラジアル方向)の振動を吸収するも
のであり、エンジン回転に際しては、クランク軸方向
(スラスト方向)には殆ど振動は生じないので、このよ
うに燃料タンク7を取り付けても、エンジン回転に伴っ
て燃料タンク7に大きな振動が伝播することはないので
ある。
【0046】次に、ラジエータ8の配設構造について説
明する。ラジエータ8は、ラジエータホルダー9に保持
されて、前記のスタータモータ12a及びスタータソレ
ノイド12の上方にて、略水平状であるが、その左端
を、スタータモータ12a及びスタータソレノイド12
との干渉を回避すべく、やや上方に傾斜した状態で配置
されている。ラジーエータホルダー9の下端裾部におい
て、その前端中央、左端及び右端よりそれぞれステー部
9a・9b・9cを突設しており、それぞれ、前記の中
央ステー14、左側ステー15、右側ステー16に防振
部材39を介して防振支持している。
【0047】こうして支持したラジエータ8の下方に
は、クランクケース1(及び側蓋2)の上端部分と、傾
斜状のシリンダブロック部1aの上側部分との間で形成
される空間Sが確保され、この空間にスタータモータ1
2a、スタータソレノイド12(以後、スタータモータ
12a等)をすっかり収納できるわけであり、また、こ
のようにスタータモータ12a等を配設しても、該空間
Sは、上方向きに広くなっているので、スタータモータ
12a等の上方に十分な空間が確保でき、この空間に対
峙して十分な容量のラジエータ8を配設でき、十分な冷
却効果を得ることが可能なのである。
【0048】ラジエータ8の上方及び四側方は、ラジエ
ータカバー10にて覆われており、該ラジエータ8から
の騒音が外部に漏れないようにしている。また、該空間
Sはラジエータカバー10内に形成されている。即ち、
該ラジエータカバー10が冷却風のダクトとなってお
り、該空間Sを流動する冷却風はラジエータカバー10
にて囲まれて、外部に漏れ出すことなく、従って、該フ
ァンケース6の該採り入れ窓6bから取り入れた時の容
量のまま、ラジエータ8へと案内され、ラジエータ8の
熱交換量を多くし、冷却効果を向上できる。該ラジエー
タカバー10の前面は略鉛直面状で、その下端裾部を、
ファンケース6の前板部6a及び燃料タンク7の前面部
の上端部に重合させている。後面の下端裾部は側蓋2の
上端部付近まで下げ、側蓋2より突設した後部ステー1
7を該後面に締止している。左側面は、該ファンケース
6の左側面部6cの上端部、及びシリンダブロック部1
aの上方部を覆い、右側面の下端裾部は、燃料タンク7
の右側面の上端部に重合させている。
【0049】なお、該ラジエータカバー10の前右隅部
の上端を一段低くして、燃料タンク7より上方に突設さ
れる給油口を嵌挿する給油用段差部10bとしており、
該給油用段差部10bより上方に突出した給油口には、
給油キャップ7fを施している。また、ラジエータキャ
ップ8aも、該ラジエータカバー10の上端より突出さ
せている。このように、燃料タンク7への給油口とラジ
エータ8へのラジエータ液注水口がラジエータカバー1
0の上方に位置し、それぞれの補給作業がやりやすい。
また、燃料タンク7に関しては、給油口が長いため、傾
斜設置時にも給油キャップ7fから燃料が漏れるのを少
なくすることができる。また、給油口を上方位置に突出
する分、クランクケース1の右側面に配設している燃料
タンク7の上端位置を高くでき、容量を大きく確保でき
る。
【0050】ラジエータカバー10上面の裏面に対し、
該ラジエータホルダ9の左右端部よりステー部9d・9
e・・・を突設して、ボルト締止している。また、前記
の如くラジエータカバー10の右側面が、右側ステー1
6に固定される。該ラジエータカバー10の上面におけ
るラジエータ8上面に対向する部分には、排風口10a
が形成されており、該ラジーエータホルダ9の上端部と
該排風口10aの内縁部との間に、垂直板状にシール部
材11を介装している。
【0051】このように、ラジエータホルダー9と一体
状のラジエータ8自体が、エンジン本体であるクランク
ケース1の上方にて、ステー部9a・9b・9cが、そ
れぞれ防振部材39を介して防振支持されているため、
エンジンの振動が直接伝播しない。このラジエータ8に
対して、ラジエータカバー10がステー部9d・9eを
介して直接的に取り付けられているので、ラジエータカ
バー10にも防振効果が及ぶものであり、ラジエータカ
バー10より外部への振動音の放出が少なくなる。
【0052】ファンケース6及び燃料タンク7の一部よ
り形成されるボリュートガイド内より上昇してラジエー
タカバー10内に導入される冷却風は、前記のファンケ
ース6の上端開口部より、前記のクランクケース1・側
蓋2の上端部分とシリンダブロック部1aの傾斜上端部
分との間の空間Sにおけるスタータモータ12等の上方
空間を通って、ラジエータ8内に下方より導入されて熱
交換され、該ラジエータ8上部からの排風は、シール部
材11によって、ラジエータカバー10内の他の部分に
逃げず、従って、ラジエータ8導入前の冷却風と混じり
合わず、上方の排風口10aから確実に排風されるので
ある。
【0053】従来であれば、このラジエータカバー10
の上方に燃料タンクがあり、上下高のコンパクト化を阻
害するだけでなく、該ラジエータ8の排風が当たって、
燃料が温度上昇する要因となっていたが、前記の如く、
本実施例では燃料タンク7がクランクケース1・側蓋2
の右側面にて縦長状に配設されているため、燃料タンク
7は、容量を確保しながら、ラジエータ8の上方にまで
配設空間を設ける必要がなく、従って、クランクケース
1の上方は、スタータモータ12等を介して、ラジエー
タ8及びこれを覆うラジエータカバー10が配設される
のみとなり、上下高のコンパクト化に貢献し、また、燃
料タンク7にラジエータ排風の影響を及ぼすこともない
のである。
【0054】このラジエータカバー10の左側には、そ
れよりも低位置に配設されるシリンダヘッド18及び弁
腕カバー19の上方に形成される空間があり、この空間
を利用して、排気マフラ20が配設される。また、この
排気マフラ20の配設部分の下方であり、かつ、シリン
ダヘッド18及び弁腕カバー19や、前記のクランクケ
ース1の左側面に付設した燃料フィードポンプ22及び
燃料噴射ポンプ23の前側部分であって、ファンケース
6の左側面部6cの左側にも空間が形成され、この空間
を利用して、吸気清浄用のエアクリーナ21が配設され
る。
【0055】このように排気マフラ20やエアクリーナ
21を配設することで、これらがシリンダヘッド18よ
りも左外側に突出することも、またラジエータカバー1
0の上端部よりも上方に突出することもなく、コンパク
ト性を確保できるのである。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上のような単気筒水冷式内
燃機関の構成とすることで、次のような効果を奏する。
まず、請求項1記載の如く構成することで、ラジエータ
は、クランクケースの上方にて略水平状に配設されるの
で、ラジエータを垂直状に配設する場合に比して、上下
高を低減する。更に、ラジエータに冷却風を送る冷却フ
ァンは、クランク軸の一端側に設けられており、クラン
ク軸にて直接回転駆動されるので、無端帯等で別個に冷
却ファンに対しての伝動機構を設ける必要がなく部品点
数を低減するとともにコンパクト化に貢献する。
【0057】そして、本発明は、シリンダが傾斜状であ
ることを前提としており、このため傾斜状シリンダの上
方とクランクケースの上方との間に形成される空間で、
ラジエータの下方に十分な冷却風の通り道を確保でき
る。なお、全体のコンパクト化のため、この空間に(即
ちクランクケースの上端に)スタータモータを配設する
ことが考えられるが、このようにスタータモータを配設
しても、該空間は、シリンダの傾斜形状のため、上方に
拡張した状態となっているため、なおもスタータモータ
の上方に十分な冷却風の通過できる空間が確保できる。
従って、この空間に対峙さけるようにして、ラジエータ
容量を十分に確保でき、内燃機関の十分な水冷効果を得
ることができるのであり、このようにラジエータ容量を
十分確保しながらも、ラジエータの配設位置を低く押さ
えることができ、上下高を低く抑えられる。そして、フ
ァンケースは冷却ファンからラジエータに向けて略鉛直
状に配設されるので、コンパクトですっきりした外観を
得られ、形状も簡単になり、加工コストを低減する。
【0058】更に、冷却ファンの全周域からの風がラジ
エータへと導入されるべくファンケース内に形成される
ボリュートガイド内を案内される過程で、クランクケー
スの冷却ファン配設側の上端部分だけでなく、側端部や
下端部にも冷却風が当たり、クランクケースの冷却効果
を高める。
【0059】また、請求項2記載の如く構成すること
で、請求項1記載の効果に加えて、燃料タンクがクラン
クケースの側面に配設されるものであり、ラジエータの
上方に燃料タンクを配設する必要がなくなって、上下方
向のコンパクト性を確保し、更に、燃料タンクは縦長状
であり、また、クランク軸方向に見て、空間の確保でき
る反シリンダ側であるので、容量が確保されるととも
に、内燃機関が傾斜状となっても、燃料タンクの燃料取
入口がタンク内の油面よりも上になる事態が解消され、
燃料中に空気が混入する弊害が解消され、燃料残量が十
分に少なくなった時点で燃料を補給でき、無駄をなくす
ことができる。なお、逆に燃料タンクをクランクケース
側面にて縦長状に配設することで、クランクケース上方
にラジエータを横長状(略水平状)に配設できるスペー
スを確保できるということも言える。
【0060】また、クランクケースの上方には、スター
タモータ等の電装部品が配設されるが、該クランクケー
スの側面に配設される燃料タンクは、該スタータモータ
からオフセットされた状態となっており、従って、燃料
補給時等に燃料漏れを生じた場合にも、このような電装
部品に燃料が付着するおそれが少ない。
【0061】また、クランクケース及び側蓋の反シリン
ダ側部分を燃料タンクにて全面的に覆うことで、クラン
クケースからの騒音の遮閉効果を得ることができる。ま
た、傾斜シリンダの下方部分にバランサ軸やカム軸等の
クランク軸以外の回転軸群を配設すれば、クランク軸を
介して反シリンダ側にはこれらの回転軸がなくなり、こ
の側のクランクケース及び側蓋もコンパクト化され、従
って、該側面部分を覆う燃料タンクの容量も更に大きく
確保できるのである。また、該側面部分の形状に沿って
燃料タンクの内側部分の形状を加工することで、クラン
クケースの底部に形成される凹部内にも燃料タンクを延
出することができ、その分、容量の拡大に繋がる。
【0062】次に、請求項3記載の如く構成すること
で、請求項1及び2記載の構成による効果に加え、ま
ず、燃料タンクとファンケースとの間に隙間を設ける必
要なく、燃料タンクの壁の一部をファンケースの開口部
まで延出できて、燃料タンクのコンパクト性を確保しな
がら容量を大きく取ることができる。更に、ボリュート
ガイドの一部が燃料タンクの壁の一部であることによ
り、冷却風が燃料タンクに当たって燃料タンクに冷却効
果が及び、更に、燃料タンクは、請求項2記載の構成に
より、クランクケースの側面に縦長状に沿設されている
ので、燃料タンクによるクランクケース外面への冷却効
果も期待できる。また、ファンケースは切欠を設けるだ
けで該開口部を形成でき、加工容易な構造となる。
【0063】そして、請求項4記載の構成とすること
で、請求項1記載の構成による効果に加え、放熱を十分
行うのに都合のよい内燃機関の上方部分にて、排気マフ
ラを配置できる空間を確保でき、また、この位置は、ラ
ジエータの側方であり、ラジエータより上方に突出する
ことなく、従って、内燃機関全高を高くすることなく、
排気マフラの十分な容量を確保できる。一方、エアクリ
ーナも排気マフラの下方でファンケースの側方の空間に
おいて、突出しないように収納できる。
【0064】次に、請求項5記載の構成とすることで、
請求項1記載の構成による効果に加え、ラジエータ部か
らの騒音をラジエータカバーにて遮閉して外部に漏れな
いようにできて、低騒音化を実現でき、また、該ラジエ
ータカバーが冷却風のダクトとなることで、前記ファン
ケース内を流れて来る冷却風を、外部に漏れないよう
に、即ち、冷却風の容量を保持したまま、確実にラジエ
ータに案内することができて、ラジエータの熱交換が活
発となり、その容量に見合う冷却効果を確保できる。
【0065】また、請求項6記載の如く構成することに
より、請求項1及び2記載の構成による効果に加え、燃
料タンクに対しての補給が容易化し、また、このように
給油口が上方に長く突出することで、エンジンの傾斜設
置時においても、給油時に燃料の油面の傾きによる給油
口からの燃料の漏れの弊害を低減することができる。そ
して、給油口位置をこのように上方位置に配置すること
で、クランクケースの側方に縦長状に配設される燃料タ
ンクの上端部の位置を高くすることができ、従って、燃
料タンクの容量を大きく取ることができるのである。
【0066】そして、請求項7記載の如く構成すること
で、クランクケースの側面にて縦長状に配設される燃料
タンクは、上部と下部にて支持されることで、大容量に
しても、さほど強固な支持部材を要さずに確実に支持で
き、簡素な構成で低コストにて確実な支持を実現でき
る。そして、上下部ともに防振部材を介して支持される
ことで、燃料タンクにエンジン本体のクランクケースか
らの振動が伝播せず、燃料タンク内の燃料が振動する弊
害は少なくなる。また、上部を係合する係合部材は、そ
の上方に配設されるラジエータや側方に配設されるラジ
エータカバー等を支持する部材としても兼用すること
で、部品点数の削減を実現でき、コンパクト化及び低コ
スト化を実現する。
【0067】以上のようにして、本発明に係る傾斜単気
筒水冷式内燃機関に関連する周辺部材を配設することに
より、これらの周辺部材の十分な機能(例えば容量の確
保、冷却効率、防音効果等)を確保しながらも、該機関
を全体的にコンパクトで低コストなものとすることがで
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンユニットの正面図であ
る。
【図2】同じく右側面一部断面図である。
【図3】図2中のX−X線矢視図である。
【図4】燃料タンク7を取り外した状態でのファンケー
ス5、ラジエータカバー10、右側ステー16の右断面
図を含むエンジンユニットの右側面図である。
【図5】図4中Y−Y線矢視断面図である。
【図6】図5中Z−Z線矢視断面図である。
【図7】クランク軸におけるフライホイルの取付側を反
転した実施例におけるエンジンの正面図である。
【図8】同じく後面図である。
【図9】同じく右側面図である。
【図10】同じく左側面図である。
【符合の説明】
1 クランクケース 1a シリンダブロック部 2 側蓋 3 クランク軸 4 フライホイル 5 冷却ファン 6 ファンケース(ボリュートガイド) 7 燃料タンク 7a 取付板部 7c 燃料タンクの左側面部(ボリュートガイドの一
部) 7f 給油キャップ 8 ラジエータ 9 ラジエータホルダー 10 ラジエータカバー 11 シール部材 12 スタータソレノイド 12a スタータモータ 16 右側ステー 20 排気マフラ 21 エアクリーナ 33 脚板材 37 防振部材 40 防振パッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケースに傾斜状の単一シリンダ
    ーを設けた傾斜単気筒水冷式内燃機関であって、クラン
    ク軸の一端側に冷却ファン及びそれを覆うファンケース
    が配設され、該クランク軸を水平に配置した場合に、該
    傾斜シリンダと該クランクケースの上方にてラジエータ
    が略水平状に配置され、該ファンケースは該冷却ファン
    より該ラジエータまで略鉛直状に配置され、その内部
    は、該冷却ファン全周域からの冷却風を該ラジエータに
    導入するボリュートガイドとなるよう構成したことを特
    徴とする傾斜単気筒水冷式内燃機関。
  2. 【請求項2】 クランク軸方向に見て、前記傾斜シリン
    ダと反対側の前記クランクケース側面の外側に、燃料タ
    ンクを縦長状に沿設したことを特徴とする請求項1記載
    の傾斜単気筒水冷式内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記ファンケースの一部を切り欠いて開
    口部を設け、該開口部に前記燃料タンクの壁の一部を沿
    わせ、該ファンケースと該燃料タンクの壁の該一部と
    で、前記冷却ファンから前記ラジエータまでの冷却風を
    案内するボリュートガイドを形成するよう構成したこと
    を特徴とする請求項2記載の傾斜単気筒水冷式内燃機
    関。
  4. 【請求項4】 排気マフラを、前記ラジエータの側方
    で、かつ前記傾斜シリンダ上のシリンダヘッドの上方に
    配設し、エアクリーナを、該排気マフラの下方で、かつ
    前記ファンケースの側方に配設したことを特徴とする請
    求項1記載の傾斜単気筒水冷式内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記ファンケースに連接して冷却風ダク
    トを兼ねるラジエータカバーを設けたことを特徴とする
    請求項1記載の傾斜単気筒水冷式内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記燃料タンクの給油口を塞ぐキャップ
    の位置を、前記ラジエータより上方としたことを特徴と
    する請求項2記載の傾斜単気筒水冷式内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記燃料タンクは、下部を前記クランク
    ケース、もしくは該クランクケースの側面に固設した脚
    材に防振部材を介して取り付けられ、上部を該クランク
    ケースより立設した係合部材に係合させるとともに、該
    係合部材との間に防振部材を介装したことを特徴とする
    請求項2記載の傾斜単気筒水冷式内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015532696A (ja) * 2012-08-23 2015-11-12 本田技研工業株式会社 エンジンと共に用いる冷却装置
JP2020159208A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の冷却装置

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