JPH10114859A - 複合樹脂組成物および反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents

複合樹脂組成物および反応性ホットメルト接着剤

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JPH10114859A
JPH10114859A JP8287697A JP28769796A JPH10114859A JP H10114859 A JPH10114859 A JP H10114859A JP 8287697 A JP8287697 A JP 8287697A JP 28769796 A JP28769796 A JP 28769796A JP H10114859 A JPH10114859 A JP H10114859A
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resin
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composite resin
polyol
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JP8287697A
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Yoshiteru Yamazaki
山崎芳晃
Hiroshi Yano
矢野浩史
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性、初期接着力等の優れた性能をもち、加
熱溶融時残存するゲルの発生が低減され、粘度安定性も
向上し、且つ性状の安定性があり、反応性ホットメルト
接着剤として好適な複合樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリオール、OH基を有する熱可塑性ウ
レタン樹脂、OH価が0.5〜30の粘着付与性樹脂及
び有機ポリイソシアネートが、連続押し出し式加熱溶融
混練機中で混練と共に重合されてなり、粘着付与性樹脂
の一部を構成単位とするNCO基を有するウレタンプレ
ポリマーと粘着付与性樹脂の残部が混合した状態の複合
樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合樹脂組成物に
関する。さらに詳しくは、反応性ホットメルト接着剤と
して有用であり、溶融状態で、残存するゲルの発生が少
なく、粘度安定性が改善された複合樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特開平5ー65471号公
報で開示しているとおり、弾性と初期接着力が優れたも
のとして、下記、等の反応性ホットメルト接着剤を
提案している。 接着剤:ポリオール、OH基を有する熱可塑性ウレタ
ン樹脂及び活性水素を有する粘着付与性樹脂及び有機ポ
リイソシアネートから誘導されるNCO基を有するウレ
タンプレポリマーからなる反応性ホットメルト接着剤。 接着剤:ポリオール、OH基を有する熱可塑性ウレタ
ン樹脂及び有機ポリイソシアネートから誘導されるNC
O基を有するウレタンプレポリマーと、活性水素を持た
ない粘着付与性樹脂からなる反応性ホットメルト接着
剤。
【0003】これら接着剤の製法については、特開平5
ー65471号公報では、接着剤はプラネタリーミキ
サー、セパラブルコルベン等に仕込んで加熱混合しなが
ら反応させる製法、接着剤はプラネタリーミキサー、
セパラブルコルベン等に仕込んで加熱混合しながら反応
させてNCO基を有するウレタンプレポリマーを得た
上、粘着付与性樹脂を混合する方法を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら反応性ホットメ
ルト接着剤は、スプレーやロールコーターで塗布される
場合の塗布面の均一性が要求されるため、接着剤組成物
中のゲル含量が低いことが求められる。又、均一な塗布
厚を得るには、溶融状態での粘度の経時安定性が要求さ
れる。しかし、上記特開平5ー65471号公報記載の
バッチ式製法で得られるものは、弾性、初期接着力等の
性能は優れているが、重合段階での系内不均一状態に起
因する溶融状態でのゲルの発生及び粘度安定性の点で未
だ不十分であり、バッチ毎の性状の差が発生するため、
改善が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題を解決すべく鋭意検討した結果、連続押し出し式加熱
溶融混練機中で混練と共に重合することにより、弾性、
初期接着力等の優れた性能は維持しつつ、溶融状態での
ゲルの発生が低減され、且つ粘度安定性も向上する予期
せぬほどの改善効果と連続生産による性状の安定性があ
る樹脂組成物を得て本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、下記複合樹脂組成物
[1]及び[2]である [1]複合樹脂組成物:ポリオール(A)、OH基を有
する熱可塑性ウレタン樹脂(B)、OH価が0.5〜3
0の粘着付与性樹脂(C1)及び有機ポリイソシアネー
ト(D)が、連続押し出し式加熱溶融混練機中で混練と
共に重合されてなり、該樹脂(C1)の一部を構成単位
とするNCO基を有するウレタンプレポリマーと、(C
1)の残部が混合した状態であることを特徴とする複合
樹脂組成物。
【0007】[2]複合樹脂組成物:ポリオール
(A)、OH基を有する熱可塑性ウレタン樹脂(B)、
活性水素を持たない粘着付与性樹脂(C2)及び有機ポ
リイソシアネート(D)が、連続押し出し式加熱溶融混
練機中で混練と共に重合されてなり、該樹脂(C2)
が、重合により形成されるNCO基を有するウレタンプ
レポリマーに混合した状態であることを特徴とする複合
樹脂組成物。
【0008】本発明の組成物[1]、[2]において、
ポリオール(A)としては、特開平5ー65471号公
報記載の多価アルコール類(イ),ポリオキシアルキレ
ンポリオール(ロ),ポリエステルポリオール(ハ),
ポリオレフィンポリオール(ニ),重合体ポリオール
(ホ),アクリルポリオール(ヘ)等があげられ、これ
らの具体例も、特開平5ー65471号公報記載と同様
のものが挙げられる。
【0009】ポリオール(A)として例示したもののう
ち好ましいものは、特開平5ー65471号公報記載と
同様、(イ),(ロ),(ハ),(ニ)および(ホ)で
あり、具体例としては、上記(イ)のうち、グリセリン
のアルキレンオキサイド付加物(プロピレンオキサイド
付加物、エチレンオキサイド付加物)、トリメチロール
プロパンのプロピレンオキサイド付加物およびこれらの
2種以上の併用が好ましい。
【0010】ポリオール(A)としては、特開平5ー6
5471号公報記載と同様、分子の凝集力の点から、分
子量が62〜500であって、OH基を2個以上有する
ものと、分子量が250〜15,000で、OH基を2
個以上有するものを併用するのが好ましい。
【0011】ポリオール(A)の使用量は、組成物
[1]、[2]の何れについても、複合樹脂組成物10
0質量部に対して、通常3〜30部、好ましくは5〜3
0部である。3部未満では、硬化後の接着強度が不十分
となり、30部を越えるとゲル化を起こしやすくなる。
【0012】OH基を有する熱可塑性ウレタン樹脂
(B)は、複合樹脂組成物[1]、[2]の何れについ
ても、熱軟化温度(JIS−K2207で測定)が40
℃〜200℃であるものが適している。40℃未満で
は、高温接着強度が不足し、200℃を越えると粘度が
高くなり作業性が悪化する。上記(B)は、ジオール
(b1)と有機ジイソシアネート(b2)から誘導され
るものが最適である。
【0013】このジオール(b1)は、前記に例示した
ポリオール(A)のうちジオールであるものが使用で
き、且つ必要によりこれらを2種以上併用することもで
きる。ジオール(b1)の分子量は、通常62〜4,0
00、好ましくは、62〜2,000、さらに好ましく
は62〜1,000である。ジオール(b1)の具体例
としては、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパンや、実施例記載の、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物(分子量=356)、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物(分子量=31
6)が挙げられる。
【0014】(b1)のOH基と(b2)のNCO基の
当量比は、通常1:(0.3〜0.98)、好ましくは
1:(0.4〜0.95)である。0.3未満では、熱
軟化温度が不足し、高温接着力が不足する。また、0.
98を越えると粘度が高くなり作業性が悪化する。該樹
脂(B)の分子量は、通常150〜10000である。
【0015】該樹脂(B)は、組成物[1]、[2]の
何れについても、組成物100質量部に対して、通常5
〜50質量部、好ましくは10〜40質量部である。5
未満では、初期接着強度が不十分となり、40を越える
と粘度が高くなり作業性が悪化する。
【0016】(B)の製法は、通常の方法で製造でき、
(b1),(b2)および必要により触媒を反応缶に仕
込み、反応温度80〜150℃で反応する方法;(b
1)と(b2)を2軸エクストルーダーに流し込み、反
応温度100〜220℃で連続的に反応する方法などが
あげられる。この場合、取り出し口はOH基末端である
為、開放形でもかまわない。
【0017】上記触媒としては、特開平5ー65471
号公報記載の金属系触媒,アミン系触媒などがあげら
れ、具体例も同様である。触媒は、金属系およびアミン
系単独または金属系およびアミン系を併用して使用して
も良い。
【0018】組成物[1]で用いる活性水素基を有する
粘着付与性樹脂(C1)は、OH価が通常0.5〜3
0、好ましくは0.5〜10であり、活性水素基として
のOH基をもつものともたないものの混合状態の樹脂で
ある。もっているものともっていないものの比率は、通
常(2〜20):(80〜98)である。このような樹
脂(C1)としては、低分子量キシレン樹脂[例えば、
キシレンとホルムアルデヒドの反応物や、メシチレンと
ホルムアルデヒドの反応物,キシレンとフェノールとホ
ルムアルデヒドの反応物で、活性水素を持つもの]、低
分子量スチレン樹脂[例えば、スチレン、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、アクリロニトリルの共重合物]
が挙げられる。これらのうち低分子量キシレン樹脂が好
ましい。
【0019】組成物[2]で用いる活性水素を持たない
粘着付与性樹脂(C2)としては、低分子量キシレン樹
脂[例えば、キシレンとホルムアルデヒドの反応物や、
メシチレンとホルムアルデヒドの反応物で活性水素を持
たないもの]、低分子量クマロン樹脂[例えば、クマロ
ンとインデンの共重合物,クマロンとインデンとスチレ
ンの共重合物]、低分子量スチレン樹脂[例えば、スチ
レン重合物,スチレンとエチレン性不飽和単量体の共重
合物]等が挙げられる。
【0020】上記樹脂(C1)、(C2)の分子量は、
何れも通常10,000以下、好ましくは、6,000
以下である。10,000を越えると、複合樹脂組成物
の粘度が高くなり、作業性が悪化する。また、上記樹脂
(C1)、(C2)は、各々組成物[1]、[2]10
0質量部に対して、通常5〜50質量部の範囲で用いら
れる。5未満では、粘着力が不十分となって接着力が低
下し、50を越えると高温接着力が不足する。
【0021】本発明の複合樹脂組成物には、更に、活性
水素が0.005質量%未満で、且つ熱軟化温度が40
℃〜250℃の熱可塑性樹脂を含有してもよい。この例
としては、活性水素が0.005質量%未満で、且つ熱
軟化温度が40℃〜250℃の、熱可塑性ポリエステル
樹脂や熱可塑性ポリウレタン樹脂や熱可塑性ポリオレフ
ィン樹脂等があげられる。
【0022】有機ポリイソシアネ−ト化合物(D)とし
ては、特開平5ー65471号公報記載の(イ)炭素数
[NCO基中の炭素を除く、以下、(ロ)〜(ニ)も同
様]2〜12の 脂肪族ポリイソシアネート、(ロ)炭
素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、(ハ)炭素
数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネート、(ニ)炭
素数6〜20の芳香族ポリイ ソシアネート、並びに、
(ホ)これらのポリイソシアネートの変性物があげら
れ、(イ)〜(ホ)の具体例も同公報と同様である
(イ)〜(ホ)のうち好ましいものは、(ロ),
(ハ),(ニ)および(ホ)である。さらに好ましく
は、(ニ)である。化合物(D)としては、接着強度お
よび取り扱いの面からMDIが特に好ましい。該樹脂
(B)を構成する有機ポリイソシアネート(b1)とし
ても、(D)として例示したものと同様のものが挙げら
れ、(b1)の場合は弾性を有することからTDIが好
ましい。
【0023】組成物[1]における(A)、(B)及び
(C1)のOH基の合計と(D)のNCOとの当量比、
並びに、複合樹脂組成物[2]における(A)及び
(B)のOH基の合計と(D)のNCOとの当量比は、
何れも通常1:(1.6〜2.1)、好ましくは1:
(1.6〜2.0)である。1.6未満では、作業性が
悪化する他、ゲル化をしやすく、2.1を越えると未反
応のMDIが多くなり、接着強度が不足する。上記条件
で重合された組成物の熱軟化温度は、通常30〜100
℃、好ましくは30〜80℃である。30℃未満では、
初期接着強度が不十分となり、80℃を越えると粘度が
高くなり、作業性が悪化する。
【0024】本発明の組成物[1]、[2]中には、本
発明の効果を害しない範囲で、特開平5ー65471号
公報記載のその他の成分[充填剤,可塑剤,老化防止
剤,チクソトロピー化剤,チクソトロピー化助剤,触
媒,接着付与剤など]を任意に含有させることができ
る。
【0025】本発明の組成物[1]、[2]は何れも連
続押し出し式加熱溶融混練機を用いて加熱混練及び重合
して製造されるものであり、組成物[1]は(A)、
(B)、(C1)及び(D)からなる成分を、組成物
[2]は(A)、(B)、(C2)及び(D)からなる
成分が混練成分とされる。この場合、組成物[1]の製
法としては、(A)、(B)、(C1)を混練した活
性水素成分と、(D)を、100〜220℃、5〜60
分の滞留時間で連続押し出し機中で重合させる方法;
(A)、(B)を混練したものと(C1)(D)を混練
したものを、100〜220℃、5〜50分の滞留時間
で連続押し出し機中で重合させる方法が挙げられる。
(C1)がOH基を1つ有するものを成分とする場合に
は、重合効率が高いことからが好ましい。組成物
[2]の製法としても同様、(A)、(B)、(C
2)を混練したものと、(D)を、100〜220℃、
5〜60分の滞留時間で連続押し出し機中で重合させる
方法;(A)、(B)を混練したものと(C2)
(D)を混練したものを、100〜220℃、5〜50
分の滞留時間で連続押し出し機中で重合させる方法が挙
げられ、重合効率の面からが好ましい。
【0026】本発明の組成物[1]の場合、この加熱混
練及び重合により、該樹脂(C1)の一部を構成単位と
するNCO基を有するウレタンプレポリマーと、該樹脂
(C1)の残部が混合した状態の複合組成物となる。
又、本発明の組成物[2]の場合、(A)及び(B)と
(D)とから誘導されるNCO基を有するウレタンプレ
ポリマーと、該樹脂(C2)が混合した状態の複合樹脂
組成物となる。
【0027】本発明に使用される連続押し出し式加熱溶
融混練機は、加熱機能を有し、且つ混練機のついた押し
出し機であれば良い。例えば、ニーダールーダー(笠松
化工研究所社製、ニーダー部と押出部を別々に持つタイ
プ)、二軸加熱溶融混練機(KRCニーダー、栗本鐵工
所社製)、一軸加熱溶融混練機、横型反応機等が挙げら
れる。混練機の軸数は樹脂を完全に混練できれば良く、
2軸の方が好ましい。溶融温度は、樹脂が完全に溶融す
る温度であれば良く、通常50〜250℃、好ましく
は、80〜200℃である。50℃未満では、樹脂が完
全に混練できなく、また250℃を越えるとゲルが発生
しやすくなる。上記加熱溶融混練機は、組成物[1]、
[2]が末端NCO基を有することから、重合中は水分
を混入しないように不活性ガス[窒素等]存在下または
密閉系であることが好ましい。
【0028】本発明の組成物[1]、[2]を反応性ホ
ットメルト接着剤として使用した場合、弾性の要求が強
く且つ初期強度を必要とする自動車用部品の接着(シー
トクッション,サイドモール,フロントガラス,ドアト
リム,フロントフードヘミング部,成型ルーフ,サイレ
ンサー,強化プラスチック製外板の接着など),建材用
部材の接着(パネル,ボード,クロスの接着など),製
本,包装,繊維用などに好適である。
【0029】適用方法としては、通常の方法、例えば、
スプレー(スパイラル、カーテンコート),ロールコー
ター,ディピング,ホットガンなどで被着体に塗り、貼
着後、温度=常温〜60℃,湿度=10〜90%RHで
硬化させる方法などがあげられる。
【0030】
【作用】本発明の組成物[1]、[2]は、従来のバッ
チ式で混練、重合されたものとは異なり、連続押し出し
式加熱溶融混練機中で混練と共に重合されたものであ
り、従来品と比べて、弾性、初期接着力等の優れた性能
は維持しつつ、溶融状態でのゲルの発生が低減され、且
つ粘度安定性も向上したものである。即ち、本発明の組
成物[1]、[2]は、反応性ホットメルト接着剤とし
て好適なものであるが、接着剤として使用時は、例え
ば、加熱溶融槽中で溶融、保存されながら、スプレー
法、ロール・コーター法等により、基材上に塗布され他
の基材との貼り合わせを行うことにより、使用される。
この際、溶融状態でのゲルの発生が多いと、均一な塗布
面を形成するための障害となるが、本発明の組成物
[1]、[2]は、その低減をしたものであり、塗布面
の均一性が良好である。また、本発明の組成物[1]、
[2]は、加熱溶融貯槽中で溶融されながら使用される
ものであるため、加熱溶融貯槽中で滞留する時間は粘度
上昇が少ないことが要求される。この滞留時間の上限
は、通常2〜3時間である。ロール・コーターで塗布す
る場合は、ロール・コーターの上に溜る溶融液の粘度上
昇の懸念もある。粘度上昇はロール・コーター等で塗布
する際の塗布厚を厚く変動させる要因となる。本発明の
組成物[1]、[2]は、粘度安定性が向上したもので
あり、粘度上昇が大幅に抑制されているため、塗布厚の
安定性に寄与する。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。以下、部は質量
部を示す。なお実施例中での下記略記号の意味は次のと
おりである。 (略記号) P−3;グリセリンのエチレンオキサイド付加物(分子
量=3,000) P−5;グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(分
子量=5,000) TMP;トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=400) BP−23P;ビスフェノールAのプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=356) BPE2;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物(分子量=316) K−1;キシレン樹脂[商品名:ニカノールH,三菱瓦
斯化学(株)製,分子量=500,OH価=3.8) TDI;トルエンジイソシアネート[2,4−体:2,
6−体=80:20(質量比)] MDI;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート DTD;ジブチルチンジラウレート
【0032】(製造例1)セパラブルコルベンに下記表
1に各々示すジオール(b1)とTDI(b2)を、表
1に示す各配合量で仕込み、攪拌しながら130℃で1
時間反応させて、OH基を有する熱可塑性ウレタン樹脂
(B)<PU−1>を得た。
【0033】(製造例2および3)下記表1に各々示す
ジオール(b1)とTDI(b2)を連続押し出し式加
熱溶融混練機(S5KRCニーダー、φ125mm、笠
松化工研究所製)に投入し、160℃で滞留時間15分
で重合させてOH基を有する熱可塑性ウレタン樹脂B<
PU−2>〜<PU−3>を得た。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 下記表2に示す各配合量で、(A),(B)および(C
1)または(C2)を予め混練した活性水素成分と
(D)を連続押し出し式加熱溶融混練機に投入し、14
0℃、滞留時間15分で重合させて接着剤{1}を得
た。 実施例2〜4 下記表2に示す各配合量で、(A)と(B)を予め混練
機で混合したものと、(C1)または(C2)と(D)
を予め混練機で混合したものとを連続押し出し式加熱溶
融混練機に投入し、140℃、滞留時間15分で重合さ
せて接着剤{2}〜{4}を得た。
【0036】比較例1 セパラブルコルベンに下記表2に各々示すDTD以外の
各成分を、下記表2に示す各配合量で仕込み、窒素流通
下で攪拌しながら80℃で1時間反応させた。反応後に
下記表2に示すDTDを仕込み、80℃で1時間混合し
て本発明の接着剤{5}を得た。この比較例1の接着剤
{5}は実施例1と同じ処方であり、バッチ式に製法を
変えたものである。
【0037】
【表2】
【0038】上記各接着剤{1}〜{5}を用い、下記
の評価試験法により、粘度とその安定性,残存ゲル量,
接着力,弾性等を試験した結果を表3に示す。 (評価試験法) 1)熱軟化温度:JIS K2207に準拠して測定。
(単位;℃) 2)初期粘度:BL型粘度計で測定。測定温度=100
℃、単位;cps、100℃雰囲気下、15分後の粘度 3)粘度安定性:BL型粘度計で測定。測定温度=10
0℃、単位;cps、100℃雰囲気下、10時間後の
粘度 4)残存ゲル量:サンプル5gをキシレン50gに完全
溶解し、200メッシュの金網にて濾過し、残ったゲル
量を目視にて求めた。(個/5g) 5)接着力:帆布とカバ材を接着させ、引張速度=50
mm/minで、180゜剥離接着力を測定した。(単
位:Kg/25mm) 初期接着力(接着1と略す);貼着後、20℃,60%
RHの恒温恒湿槽に10分間放置後上記条件で測定し
た。 硬化後の接着力(接着2と略す);貼着後、20℃,6
0%RHの恒温恒湿槽に48時間放置後上記条件で測定
した。 6)弾性;20℃,60%RHの恒温恒湿槽で7日間硬
化させた厚み1mmのフィルムを用い、動的粘弾性試験
器で引張粘弾性試験をおこないTgを求めた。 試験条件:周波数=10Hz
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】 ゲル含量低減及び粘度安定性:本発明の複合樹脂組成
物は、従来のバッチ式で混練、重合されたものとは異な
り、連続押し出し式加熱溶融混練機中で重合されたもの
である。従来品と比べて、弾性、初期接着力等の優れた
性能は維持しつつ、組成物中のゲル含量が低減され、且
つ溶融状態での粘度安定性も向上したものである。また
本発明の組成物は、連続押し出し機による連続生産が可
能であることから、低コスト化、バッチ間のバラツキが
なく安定した生産ができる。 ゲル含量低減による塗布面の均一性:本発明の組成物
は、反応性ホットメルト接着剤として好適なものであ
る。接着剤として使用時は、例えば、加熱溶融貯槽中で
溶融されながら、スプレー法、ロール・コーター等によ
り、基材上に塗布され他の基材との貼り合わせを行うこ
とにより、使用される。この際、ゲルの含量が多いと、
均一な塗布面を形成するための障害となる。本発明の組
成物は、その低減をしたものであり、塗布面の均一性が
良好である。 粘度安定性による塗布厚の安定性:本発明の組成物
は、加熱溶融貯槽中で溶融されながら使用されるため、
加熱溶融貯槽中で滞留する時間は粘度上昇が少ないこと
が要求される。この滞留時間の上限は、通常2〜3時間
である。ロール・コーターで塗布する場合は、ロール・
コーターの上に溜る溶融液の粘度上昇の懸念もある。粘
度上昇はロール・コーター等で塗布する際の塗布厚を厚
く変動させる要因となる。本発明の組成物は、粘度安定
性が向上したものであり、粘度上昇が大幅に抑制されて
いるため、塗布厚の安定性に寄与する。 有用性:上記効果を奏することから本発明の反応性ホ
ットメルト接着剤は、弾性の要求が強い、自動車用部品
の接着(シートクッション,サイドモール,フロントガ
ラス,ドアトリム,フロントフードヘミング部,成型ル
ーフ,サイレンサー,強化プラスチック製外板の接着な
ど),建設用部材の接着(パネル,ボード,クロスの接
着など),製本,包装,繊維用などに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 18/62 C08G 18/62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール(A)、OH基を有する熱可
    塑性ウレタン樹脂(B)、OH価が0.5〜30の粘着
    付与性樹脂(C1)及び有機ポリイソシアネート(D)
    が、連続押し出し式加熱溶融混練機中で混練と共に重合
    されてなり、該樹脂(C1)の一部を構成単位とするN
    CO基を有するウレタンプレポリマーと、(C1)の残
    部が混合した状態であることを特徴とする複合樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 組成物100質量部当り、ポリオール
    (A)が3〜30質量部、樹脂(B)が5〜50質量
    部、樹脂(C1)が5〜50質量部であり、(A)、
    (B)及び(C1)のOH基の合計と、(D)のNCO
    との当量比が1:(1.6〜2.1)である請求項1記
    載の複合樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオール(A)、OH基を有する熱可
    塑性ウレタン樹脂(B)、活性水素を持たない粘着付与
    性樹脂(C2)及び有機ポリイソシアネート(D)が、
    連続押し出し式加熱溶融混練機中で混練と共に重合され
    てなり、該樹脂(C2)が、重合により形成されるNC
    O基を有するウレタンプレポリマーに混合した状態であ
    ることを特徴とする複合樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 組成物100質量部当り、ポリオール
    (A)が、3〜30質量部、樹脂(B)が5〜50質量
    部、樹脂(C2)が5〜50質量部であり、(A)及び
    (B)のOH基の合計と、(D)のNCOとの当量比が
    1:(1.6〜2.1)である請求項3記載の複合樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の複合樹脂
    組成物からなる反応性ホットメルト接着剤。
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