JP3243023B2 - 一成分型ポリウレタン系接着剤及びその使用方法 - Google Patents

一成分型ポリウレタン系接着剤及びその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一成分型ポリウレタン
系接着剤に関する。さらに詳しくは、少なくともウレト
ジオン基と活性水素基とを所定の比率で含有するポリウ
レタン前駆体を主成分とし、加熱するだけで鎖延長・架
橋して硬化する一成分型ポリウレタン系接着剤であっ
て、フリーのポリイソシアネートモノマーを発生せず、
操作性、安全性等に優れた接着剤、及びその使用方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】接着剤分野において、これまで汎用に用
いられているポリウレタン系接着剤は、操作性の点から
溶剤系のものが主に使われている。ポリウレタン系接着
剤を硬化機構から大別すると、次の3つに分類される。
第1は、ポリイソシアネート及び/又はイソシアネート
末端プレポリマーと分子量約1万以下の低分子量ポリオ
ール及び/又はウレタン変性ポリオールとの2成分を使
用直前に混合し、被着体に塗布し硬化させる二成分型ポ
リウレタン系接着剤である。第2は、イソシアネート末
端プレポリマーを用い、基材の活性水素基や大気中の湿
気と反応、硬化させる湿気硬化型ポリウレタン系接着剤
である。この系には、100℃以上の高温で溶融、塗布
し、冷却で固化することにより初期接着力を発現し、そ
の後基材の活性水素基や大気中の湿気と反応し、高分子
化と架橋を伴って硬化する無溶剤系の反応性ホットメル
ト接着剤も含まれる。第3は、高分子量の熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂を溶剤または水に溶解または分散した溶液
を被着体に塗布し、溶剤や水の飛散過程のみで凝集エネ
ルギーの大きい高分子量ポリウレタン樹脂で接着層を形
成し接着力を発現する、いわゆる一液型ラッカータイプ
ポリウレタン系接着剤である。これらにはそれぞれ一長
一短がある。二成分型ポリウレタン系接着剤を用いて形
成された接着層は、通常、架橋構造を持ち耐熱性や耐久
性に優れているが、2成分の配合液は系内のイソシアネ
ート基とヒドロキシル基との反応で増粘し最後にはゲル
化するため、その可使時間に制限がある。湿気硬化型ポ
リウレタン系接着剤を用いて形成された接着層は、通
常、基材または大気中の湿気と反応し硬化する工程を経
るため、最終接着性は二成分型ポリウレタン系接着剤に
は及ばないが、耐熱性等に優れている。しかし、湿気と
の反応であるため、反応が遅く初期接着力の発現性に乏
しく、かつ冬場の低温低湿度条件と夏場の高温高湿度条
件とでは接着性が異なる等、その接着性が外部条件に左
右される欠点がある。また、上記の2つのタイプすなわ
ち二成分型ポリウレタン系接着剤および湿気硬化型ポリ
ウレタン系接着剤は、系内にわずかであるがフリーのポ
リイソシアネートモノマーを含有し、接着剤塗布時の条
件によっては作業環境を悪くするため、局所排気装置等
の設置が必要な場合が多い。一液型ラッカータイプポリ
ウレタン系接着剤は高分子量ポリウレタン樹脂の溶液例
えば熱可塑性ポリウレタン溶液であり、溶剤等を飛散さ
せない限り半永久的な可使時間を有しており、作業性に
優れている。しかし、接着層が架橋構造を持たない熱可
塑性で軟化点が低いため、その軟化温度を越えると接着
強度が低下する。すなわち、耐熱性に乏しい欠点を有す
る。これらのポリウレタン系接着剤の改良について種々
提案がなされている。例えば、一液型ラッカータイプポ
リウレタン系接着剤にポリイソシアネート硬化剤を添加
する方法(二液タイプ)が提案されている。また、二成
分型ポリウレタン系接着剤では、たとえば120℃以上
に加熱するとブロック剤が解離して、飛散しイソシアネ
ート基を再生するようなブロック剤を用いたブロックイ
ソシアネート硬化剤と低分子量ポリオール及び/又はウ
レタン変性ポリオール組成物による見かけ上一成分化し
た、いわゆるブロックイソシアネートを用いる方法が提
案されている。しかし、この方法には、ブロック剤によ
る接着層の発泡やブロック剤の飛散による公害問題ある
いは残留ブロック剤による接着力低下等の問題が残され
ているため、塗料分野では一成分型塗料システムとして
一部の用途で使われているが、接着剤分野では余り用い
られていない。湿気硬化型ポリウレタン系接着剤の分野
では、吸水性組成の導入や触媒添加等による外部条件に
余り影響されない処方や、ケチミン・アルジミン化合物
等の湿気でアミノ基を発生する硬化剤とイソシアネート
末端プレポリマーシステムによる見かけ上の一成分型組
成物等が提案されている。しかし、いずれにしても長期
貯蔵性のある完全一成分型接着剤は未だ開発されておら
ず、現在、その開発が強く要望されている。また、地球
規模での環境問題から、溶剤等の飛散を規制するVOC
(VolatileOrganic Compound )規制や、塗料、接着
剤、インキ分野において省資源、低公害、安全性を要求
する動きが顕著であり、その無公害化の観点から、ハイ
ソリッドタイプ、粉体および水系、ホットメルトタイプ
の接着剤、塗料が注目されている。しかし現在、汎用接
着剤のうちで、多量の溶剤を含む溶剤系接着剤の優れた
操作性と接着特性の両方を満足するハイソリッドまたは
無溶剤系のポリウレタン系接着剤は未だ開発されておら
ず、その開発が強く要望されている。さらに、VOC規
制を克服するとともにフリーのイソシアネートモノマー
を含まないポリウレタン系接着剤の開発が、強く望まれ
ている。一方、ウレトジオン基を含有するポリウレタン
樹脂は、すでに公知である(Kunststoffhandbuch Volum
VII P17,37(1966)他を参照)。また、ウレトジオン基
を含有する化合物は、昇温下でイソシアネート基の二量
体であるウレトジオン基を開環し、2個のイソシアネー
ト基を再生することも公知である(J. H. Saunders, K.
C. Frisch Polyurethanes Chemistry & Technology Pa
rt 1, Interscience Publishers (1962) P113)。更に、
特公昭57−46447号公報、特開昭58−3702
2号公報、特公平1−50265号公報、特開昭63−
265970号公報、特開平2−620号公報などに開
示のウレトジオン基含有ポリイソシアネート化合物およ
びその応用に関する技術も公知である。粉体塗料、ミラ
ブルゴム硬化剤分野では、トルエンジイソシアネートの
二量体関連の技術も古くから公知である。最近、イソホ
ロンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシア
ネート系のウレトジオン基含有ポリウレタン樹脂に関す
る技術も公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで示したような
要望を解決する本発明の新規ポリウレタン系接着剤のコ
ンセプトは、従来のポリウレタン系接着剤の特徴であ
る大きな凝集エネルギーによる、各種基材への強靭な接
着性とフィルム特性を有すること、二成分型ポリウレ
タン系接着剤で達成されている、低粘度で塗布性、スプ
レー性等の操作性に優れていること、接着の際の反応
で形成される、架橋構造による優れた耐熱性と耐久性を
もつこと、ラッカータイプやブロックイソシアネート
システムで達成されている、半永久的貯蔵安定性と長い
可使時間を有するという性能を併せ持つことである。ま
たさらに、環境問題に対応するポリイソシアネートモ
ノマーとVOC規制による溶剤量の削減を考慮した、配
合、加熱等の操作時にフリーのポリイソシアネートモノ
マーが発生、飛散しないこと、及びハイソリッドまた
は無溶剤型あるいは固状型であることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の 各種基材への強靭な接着性とフィルム特性を発現す
ること 低粘度で塗布性、スプレー性等の操作性に優れてい
ること 架橋構造による優れた耐熱性と耐久性を発現するこ
と 半永久的貯蔵安定性と可使時間を有すること 操作時にフリーのポリイソシアネートモノマーの発
生や飛散のないこと ハイソリッドであることは言うに及ばず、無溶剤型
あるいは固状型等への展開が可能であること といった諸性能を併せ持つポリウレタン系接着剤の開発
を目標として鋭意検討した結果、本発明に達したもので
ある。
【0005】すなわち、本発明は、分子内に少なくとも
ウレトジオン基を含有するポリイソシアネート化合物
(a1)の一種又は二種以上を含有するポリイソシアネ
ート成分(a)と、分子量18〜20,000であって
分子内に2個以上の活性水素基を含有する活性水素化合
物成分(b)とを、前記ポリイソシアネート成分(a)
のイソシアネート基に対して前記活性水素化合物成分
(b)の活性水素基の当量比率が1.0を越える条件で
反応させて得られる、少なくともウレトジオン基と活性
水素基とをウレトジオン基/活性水素基=0.25〜
1.0の当量比率で含有し、かつ、遊離のイソシアネー
ト基を含有しないポリウレタン前駆体を含有する一成分
型ポリウレタン系接着剤であって、前記ポリイソシアネ
ート化合物(a1)が、ポリイソシアネートをウレトジ
オン化触媒の存在下、0〜90℃で反応させてイソシア
ネート基含量を20〜50モル%に調整し、反応停止
後、薄膜蒸留により残存ポリイソシアネートを除去して
得られる、分子内に少なくともウレトジオン基を含有す
るポリイソシアネート化合物であること、を特徴とする
前記一成分型ポリウレタン系接着剤である。本発明は、
分子内に少なくともウレトジオン基を含有するポリイソ
シアネート化合物(a1)の一種又は二種以上及び分子
内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネート(a2)の一種又は二種以上を含有するポリイソ
シアネート成分(a)と、分子量18〜20,000で
あって分子内に2個以上の活性水素基を含有する活性水
素化合物成分(b)とを、前記ポリイソシアネート成分
(a)のイソシアネート基に対して前記活性水素化合物
成分(b)の活性水素基の当量比率が1.0を越える条
件で反応させて得られる、少なくともウレトジオン基と
活性水素基とをウレトジオン基/活性水素基=0.25
〜1.0の当量比率で含有し、かつ、遊離のイソシアネ
ート基を含有しないポリウレタン前駆体を含有する一成
分型ポリウレタン系接着剤であって、前記ポリイソシア
ネート化合物(a1)が、ポリイソシアネートをウレト
ジオン化触媒の存在下、0〜90℃で反応させてイソシ
アネート基含量を20〜50モル%に調整し、反応停止
後、薄膜蒸留により残存ポリイソシアネートを除去して
得られる、分子内に少なくともウレトジオン基を含有す
るポリイソシアネート化合物であること、を特徴とする
前記一成分型ポリウレタン系接着剤である。本発明は、
前記ポリイソシアネート化合物(a1)が、ポリイソシ
アネートをウレトジオン化触媒の存在下、0〜90℃で
反応させてイソシアネート基含量を20〜50モル%に
調整し、反応停止後、薄膜蒸留により残存ポリイソシア
ネートを除去して得られる、分子内にウレトジオン基及
びイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート化
合物である、前記の各一成分型ポリウレタン系接着剤で
ある。本発明は、前記ポリイソシアネート化合物(a
1)が、ポリイソシアネートをウレトジオン化触媒の存
在下、0〜90℃で反応させてイソシアネート基含量を
20〜50モル%に調整し、反応停止後、薄膜蒸留によ
り残存ポリイソシアネートを除去して得られる、分子内
にウレトジオン基、イソシアヌレート基、及びイソシア
ネート基から誘導されたこれら以外の基を含有するポリ
イソシアネート化合物である、前記の各一成分型ポリウ
レタン系接着剤である。本発明は、前記の各一成分型ポ
リウレタン系接着剤及び活性水素化合物を含有する一液
型ポリウレタン系接着剤であって、前記ポリウレタン前
駆体の活性水素基と前記活性水素化合物の活性水素基と
の合計の比率がウレトジオン基/合計活性水素基=0.
25〜1.0となるような当量比であること、を特徴と
する前記一液型ポリウレタン系接着剤である。本発明
は、前記の各一成分型ポリウレタン系接着剤又は前記一
液型ポリウレタン系接着剤をウレトジオン基が開環する
温度以下で被着体に塗布した後、ウレトジオン基が開環
する温度以上となるように熱エネルギーを与えて反応、
硬化させること、を特徴とするポリウレタン系接着剤の
使用方法である。また本発明は、前記の各一成分型ポリ
ウレタン系接着剤又は前記一液型ポリウレタン系接着剤
にウレトジオン基が開環する温度以上となるように熱エ
ネルギーを与えた後、これを被着体に塗布し反応、硬化
させること、を特徴とするポリウレタン系接着剤の使用
方法である。
【0006】以下、さらに詳しく説明する前記ポリイソ
シアネート成分(a)のうちポリイソシアネート化合物
(a1)は、分子内に少なくともウレトジオン基を含有
し、その他に所望によりイソシアヌレート基及びさらに
イソシアネート基から誘導されたこれら2つの基以外の
基を含有するポリイソシアネート化合物である。このイ
ソシアネート基から誘導されたウレトジオン基及びイソ
シアヌレート基以外の基は、ウレタン基、カルボジイミ
ド基、ウレトンイミン基、オキサゾリドン基、そしてヒ
ダントイン基等である。ポリイソシアネート化合物(a
1)は一種又は二種以上使用することができる。すなわ
ち例えば、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート化合
物とウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイ
ソシアネート化合物との混合物であってもよい。ポリイ
ソシアネート成分(a)のうちポリイソシアネート(a
2)は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する
ポリイソシアネートである。ポリイソシアネート(a
2)は一種又は二種以上使用することができる。前記ポ
リイソシアネート化合物(a1)を形成するためのポリ
イソシアネートあるいはポリイソシアネート(a2)と
しては、フリーのポリイソシアネートのモノマーの他に
そのポリメリック体を含む。このポリイソシアネートモ
ノマーとしては、具体的には例えば、公知の2,4−ト
リレンジイソシアネート(以下TDIと称略する)、
2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4
−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下MDIと称略する)、4,4′−ジフェニルエー
テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパ
ン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチル
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェ
ニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチ
レン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキ
シジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと称略す
る)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジ
イソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水
添化ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチル
キシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート
等のジイソシアネート、および前記ジイソシアネートの
重合体や2官能以上のポリオール等と前記のジイソシア
ネートあるいはそのポリメリック体との反応で得られる
ポリイソシアネートが適当である。すなわち、ポリイソ
シアネートのポリメリック体やポリイソシアネートのポ
リオールアダクトは、いずれも本発明において好適に使
用できる。ポリイソシアネート化合物(a1)、例え
ば、本発明において必須成分であるウレトジオン基含有
ポリイソシアネート化合物及びウレトジオン基及びイソ
シアヌレート基含有ポリイソシアネート化合物は、ポリ
イソシアネートモノマーの二量化反応(ウレトジオン化
反応)、三量化反応(イソシアヌレート化反応)等によ
って形成され、具体的には次のようにして製造すること
ができる。すなわち、このような混合物は、相当するポ
リイソシアネートモノマーから、公知のウレトジオン化
触媒、例えばトリエチルホスフィン、ジブチルエチルホ
スフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリアミル
ホスフィン、トリベンジルメチルホスフィン等のトリア
ルキルホスフィン類あるいはピリジン等の存在下、0〜
90℃の反応温度で、溶剤不存在下、またはポリウレタ
ン工業に常用の不活性溶剤、たとえばトルエン、キシレ
ンその他の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールメチ
ルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオ
ネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤の存在
下、および場合によっては、前記反応温度において液状
のポリオールまたはDOP等の可塑剤中で製造すること
ができる。反応液には、そのイソシアネート基含量で2
0〜50モル%のイソシアネート基が反応した時点で、
例えばリン酸、パラトルエンスルホン酸メチル、硫黄等
の溶液を加えてウレトジオン化触媒を不活性化し、反応
を停止させる。使用するポリイソシアネートの種類によ
っては、この反応過程で結晶となり析出するものもあ
る。特に、芳香族ポリイソシアネートは概ね結晶化し、
反応系から分離する。このような方法によって、ウレト
ジオン基含有ポリイソシアネート化合物(すなわち二量
体及びポリ−ウレトジオン体)、及びウレトジオン基及
びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート化合物、
及び原料であるポリイソシアネートモノマーの混合物が
生成する。この混合物から原料のポリイソシアネートモ
ノマーを薄膜蒸留により取り除くことにより、目的のウ
レトジオン基含有ポリイソシアネート化合物、ウレトジ
オン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート
化合物等の混合物が得られる。その製造時において高温
反応であればあるほど、反応停止時にポリイソシアネー
トモノマーの含量が低いほど、イソシアヌレート基の生
成比率が高くなる。また、トリエチルホスフィン等の触
媒量が多いほど、ウレトジオン基の生成比率が高くな
る。これらの反応条件をコントロールすることにより、
特定比率のウレトジオン基とイソシアヌレート基とを含
有するポリイソシアネート化合物を得ることも出来る。
特公平1−50265号公報、特公平2−16332号
公報、特開昭58−37022号公報に記載の発明にお
いてはいずれも、ポリイソシアネートの純粋な二量体の
みまたはその重合体を含む場合でもできるだけその量を
制限しているし、特に分岐構造を与えるイソシアヌレー
ト構造を含ませることは、本発明でいうポリウレタン前
駆体の製造時にゲル化するとして、極力避けている。本
発明のポリイソシアネート成分(a)のように、ウレト
ジオン基だけでなく積極的にイソシアヌレート構造も導
入すると、従来の一成分型ポリウレタン系接着剤に比較
してハイソリッド化でき、かつ耐熱接着特性や耐久性に
優れた性能が発現する。すなわち、ポリイソシアネート
化合物分子中にウレトジオン基の他に一定比率のイソシ
アヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場合に
は、このイソシアヌレート基によりポリウレタン前駆体
にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。その
ため、実際に接着剤として使用時の加熱による硬化工程
において、一成分型ポリウレタン系接着剤のウレトジオ
ン基の開環する温度での開環反応とそれに続く活性水素
基との反応により、従来公知のウレトジオン基含有ポリ
ウレタン化合物から得られるものに比較して、短時間か
つ低反応率で優れた物性が発現することが見いだされ
た。
【0007】本発明における活性水素化合物成分(b)
は、分子量18〜20000であって分子内に2個以上
の活性水素基を含有するものである。具体的には、水の
他に、ポリオール、アミノ基等含有ポリアミン、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の中から選択し
た一種または二種以上を含むものが好ましい。このポリ
オールとしてはポリウレタン工業において公知のポリオ
ール類を用いることができ、ポリイソシアネート成分
(a)においてイソシアネート基が2官能以上であるこ
とから、ポリウレタン前駆体製造時のゲル化を防ぐた
め、2官能等の低官能基数を持ったポリオール類が適し
ている。ポリオールの例としては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール等が挙げられる。具体的には例え
ば、公知のコハク酸、アジピン酸(以下AAと略称す
る)、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸(以下
TPと略称する)、イソフタル酸(以下IPと略称す
る)、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水
物等と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール(以下1,2−
PGと略称する)、1,4−ブチレングリコール(以下
1,4−BGと略称する)、1,5−ペンタングリコー
ル、1,6−ヘキサングリコール(以下1,6−HGと
略称する)、3−メチル−1,5−ペンタングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコ
ール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリ
メチロールプロパン(以下TMPと略称する)、グリセ
リン、ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビス
フェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオ
キサイド付加物等のグリコール、あるいはヘキサメチレ
ンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、
モノエタノールアミン、イソプロパノールトリアミン等
のジアミン、トリアミンまたはアミノアルコール等単
独、またはこれらの混合物との脱水縮合反応で得られる
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオー
ルが挙げられる。さらに、ε−カプロラクトン、アルキ
ル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アル
キル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(すなわ
ちラクトン)モノマーの開環重合により得られるラクト
ン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオー
ルがある。ポリエーテルポリオールとしては例えば、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオ
ール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げ
られる。ポリエーテル・エステルポリオールとしては、
前記のポリエーテルポリオールと前記したジカルボン酸
又は酸無水物等とから製造されるポリエステルポリオー
ルが挙げられる。ポリカーボネートポリオールは例え
ば、ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等と
ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとの反
応から得られ、具体的な商品としては日本ポリウレタン
工業株式会社製N−980、N−981等が挙げられ
る。また、前記ポリエステルポリオールの原料としてあ
げた単分子ジオール、トリオール類すなわちエチレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−P
G、1,4−BG、1,5−ペンタングリコール、1,
6−HG、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、
グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロールあるい
はビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピ
レンオキサイド付加物等も前記ポリオールとして本発明
において用いることができる。アミノ基等含有ポリアミ
ンとしては、単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジア
ミン、及びポリエーテルの末端がアミノ基となったポリ
エーテルポリアミン等が挙げられる。また、尿素樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、ポリビニルアルコール等は、一般にポリウレ
タン工業において公知のもので、活性水素基を2個以上
含有するものであれば活性水素化合物成分(b)の全部
または一部として使用することができる。これらの活性
水素化合物成分(b)の分子量は18〜20,000で
あり、特に、水と400〜10,000のものが好まし
い。分子量が大きすぎると、ウレトジオン基、イソシア
ヌレート基、ウレタン基等の導入量が減少して、ポリウ
レタン樹脂の強靭性や強い凝集力が減少し好ましくな
い。分子量が小さすぎると、ポリウレタン樹脂が脆くな
る傾向があり好ましくない。この分子量は用途により適
当に選択する必要があり、接着剤の耐熱性や凝集エネル
ギーを高めるには低分子量のものを用いることが好まし
い。
【0008】次に、ポリウレタン前駆体の製造について
詳しく述べる。ポリウレタン前駆体は、上記のポリイソ
シアネート成分(a)と活性水素化合物成分(b)と
を、ポリイソシアネート成分(a)中のイソシアネート
基に対して活性水素化合物成分(b)中の活性水素基の
当量比率が1.0を越える活性水素基過剰条件で反応さ
せて得られる、少なくともウレトジオン基と活性水素基
とをウレトジオン基/活性水素基=0.25〜1.0の
当量比率で含有するものである。この活性水素基過剰条
件は、製造されたポリウレタン前駆体にイソシアネート
基が残存せずに活性水素基含有となるに必要な条件であ
り、実際はイソシアヌレート基含量等に起因するポリイ
ソシアネート成分(a)の平均官能基数とトリオール導
入等に起因する活性水素化合物成分(b)の平均官能基
数によって、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化しない
条件を決定し、この条件を満たすように配合し、かつウ
レトジオン基が開環する温度条件以下に保持し反応させ
ることが重要である。その配合比率はJ.P.Flor
y、Khun等が理論的に計算しているゲル化理論に従
うが、実際は、前記成分(a)、(b)各分子に含まれ
る反応基の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させる
ことによって、ポリウレタン前駆体はゲル化することな
く製造できる。ポリウレタン前駆体は、溶融状態、バル
ク状態、または必要に応じて、ポリウレタン工業におい
て常用の不活性溶剤、例えばトルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテ
ート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコ
ールエーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトン、N−メチルピロリドン、フルフラー
ル等の極性溶剤の1種または2種以上を使用して、ウレ
トジオン基が開環しない温度条件、好ましくは100℃
以下で、上記の配合条件範囲で各成分を均一に混合し反
応させて製造することができる。反応装置としては、上
記の均一反応が達成できればいかなる装置でも良く、た
とえば攪拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸または
多軸押し出し反応機等の混合混練装置が挙げられる。反
応を早く進めるため、触媒として、ポリウレタンの製造
において常用されるジブチル錫ジラウレート等の金属触
媒やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を用いる事も
できる。このようにして製造されるポリウレタン前駆体
は、使用するポリイソシアネート化合物(a1)により
ウレトジオン基及び活性水素基以外にイソシアヌレート
基、ウレタン基、カルボジイミド基、ウレトンイミン
基、オキサゾリドン基、ヒダントイン基等のイソシアネ
ート基から誘導される基を含有することができるが、イ
ソシアネート基を実質的に含有せず、ウレトジオン基と
活性水素基とをウレトジオン基/活性水素基=0.25
〜1.0、好ましくは0.35〜0.75の比率で含有
する必要がある。これはウレトジオン基が加熱等で開環
するときの当量比の規制であり、ウレトジオン基と活性
水素基との比率をウレトジオン基濃度が過剰となる比率
にした場合には、本発明の接着剤は、環境中の水分との
反応による架橋・鎖延長やウレタン結合、ウレア結合と
の反応によるアロファネートやビューレットになる反
応、およびイソシアネート基単独での重合反応たとえば
カルボジイミド化、イソシアヌレート化等により鎖延長
および/または架橋させることもできるし、あるいは活
性水素基を過剰にした場合には、熱可塑的高分子樹脂と
することができる。
【0009】更に、本発明の一成分型ポリウレタン系接
着剤の配合及び使用方法について述べる。前記ポリウレ
タン前駆体を含有する一成分型ポリウレタン系接着剤
に、このポリウレタン前駆体のウレトジオン基とこの前
駆体の活性水素基および接着剤配合時に追加的に添加さ
れる活性水素化合物の活性水素基の合計の活性水素基と
の当量比率がウレトジオン基/合計活性水素基=0.2
5〜1.0、例えば0.35〜0.75となるように、
活性水素化合物、例えば、前記のポリオール、アミノ基
等含有ポリアミン、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルア
ルコール等の中から選択した一種または二種以上を含ん
でなる活性水素化合物を配合しても良い。本発明の前記
活性水素化合物を配合した一液型ポリウレタン系接着剤
におけるウレトジオン基と合計活性水素基との当量比率
をウレトジオン基/合計活性水素基=0.5〜1.0の
範囲でウレトジオン基濃度を過剰にした場合、環境中の
水分との反応による架橋・鎖延長やウレタン結合、ウレ
ア結合との反応によるアロファネートやビューレットに
なる反応、およびイソシアネート単独での重合反応たと
えばカルボジイミド化、イソシアヌレート化等により鎖
延長及び/又は架橋させることもできるし、あるいは逆
にウレトジオン基/合計活性水素基=0.25〜0.5
の範囲で活性水素基過剰条件にした場合には、熱可塑的
高分子樹脂とすることができる。最終的に、本発明の接
着剤は、含有するウレトジオン基が熱等で開環し活性水
素基との鎖延長及び/又は架橋硬化反応によってポリウ
レタン系樹脂を形成し優れた接着特性を与えるととも
に、優れた塗布性、加工性も発揮する。本発明の接着剤
は、ウレトジオン基が残存していても定常的に優れた接
着特性を与える場合には、ウレトジオン基を完全に開環
させなくても良い。これまで述べたポリウレタン前駆体
は常態で液体、固体または粉状等であってもよく、また
接着剤としての機能を向上させるため、ポリウレタン前
駆体に、必要に応じて、ウレトジオン基の開環温度を下
げる解離触媒、貯蔵時のゲル化防止の為にエステル・ウ
レタン交換反応防止剤等のゲル化防止剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、加水分解防止剤、着色剤、難燃剤、粘度
調整剤、流れ性改良剤、可塑剤、揺変剤、及び充填剤等
を加え接着剤に仕上げる。ここで調製された本発明の接
着剤は常態で液体、固体状または粉体状等どれであって
もよく、塗布(あるいは散布)法も接着する基材の形状
性質及び接着条件によって選択すればよい。例えば、接
着剤を塗布後加熱するか或は接着剤を加熱後塗布する
か、何れの方法がよいかを判定し容易な方法を採用すれ
ばよいが、加熱温度および時間はウレトジオン基の開環
が発現する条件範囲を必要とし、これにより最終的に鎖
延長及び/又は架橋が行われポリウレタン系の樹脂とな
り接着力が発現される。
【0010】本発明の一成分型ポリウレタン系接着剤の
特徴は、第1に、常温ではフリーのポリイソシアネート
モノマーはもちろんイソシアネート基をまったく含有し
ないが、ウレトジオン基を開環させる温度以上に加熱す
ることによって活性なイソシアネート基を2個再生す
る。ポリウレタン前駆体中のウレトジオン基の開環によ
り再生するイソシアネート基は、必ずポリウレタン前駆
体分子の末端に付いており、環境上問題のあるフリーの
ポリイソシアネートモノマーの発生および飛散がないの
で、本発明の接着剤は作業環境上安全に扱え、かつあた
かも二成分型ポリウレタン系接着剤のごとく、そのイソ
シアネート基と末端活性水素基(ポリウレタンプレポリ
マー)との反応により鎖延長及び/又は架橋し硬化する
ことであり、これまで一般に公知の他樹脂系も含めた一
成分型接着剤に無い優れた接着性を示すことである。す
なわち、一定温度以下では二成分型接着剤の欠点である
可使時間の制限がない一成分型ポリウレタン系接着剤で
ある。第2に、本発明の接着剤は、加熱によるウレトジ
オン基の開環により一時、低分子化するため、表面張力
や溶融粘度の低下に起因すると思われるため基材への濡
れ性がよいことである。第3に、圧着等の接着過程で接
着剤層に発生する内部応力を緩和する性質があることで
ある。第4に、本発明の接着剤は、ポリウレタン系接着
剤特有の大きな凝集エネルギーと初めから分子内に有す
る架橋構造と加熱時に生成する鎖延長・架橋反応から生
じる架橋構造とのバランスを、その基材及び接着条件等
に合わせて設計できるため、接着力にマイナスの効果を
与える内部応力の発生や欠陥の発生を少なくできること
である。これらの特徴は、下記のとおり、本発明の接着
剤の特異な組成による。すなわち、本発明の一成分型ポ
リウレタン系接着剤は、加熱によりウレトジオン基が開
環する。即ち、分子量が加熱による開環に伴い加熱前の
分子量より低下し、次いで鎖延長反応・架橋反応により
分子量が増大する。一般の接着剤系では最初から最終分
子量のものかあるいは一方的に分子量が増大する系であ
るのに対し、本発明の接着剤は独特の硬化挙動を示す。
即ち、加熱時に、ウレトジオン基の開環により接着剤の
粘度が一時期低下する期間が存在することにより、従来
の接着剤では見られない、驚くほど容易にかつ速やかに
接着剤の基材への濡れ及び広がりや応力緩和が行われる
ことが見いだされた。このことにより接着剤としての特
性が驚くほど大幅に改善できることを応用して、本発明
に達したものである。
【0011】
【実施例】以下、実施例等により本発明についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。以下の実施例等において、「部」はす
べて「重量部」を意味し「%」はすべて「重量%」を意
味する。 〔少なくともウレトジオン基を含有するポリイソシアネ
ート化合物の合成〕参考合成例1 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、HDI
(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート基
含量=49.9%、固形分=100%)3,000部と
触媒としてトリオクチルホスフィン6.0部を仕込み、
攪拌しながら65〜70℃に加熱し同温度で6時間反応
させ、次いでリン酸3.5部を加えて反応を停止させ
た。イソシアネート基含量=30.3%の淡黄色の反応
生成液を得た。この反応生成液から、未反応HDIを1
20℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除去した。
生成物のイソシアネート基含量=18.7%であり、F
T−IRおよびC13−NMRから、この生成物にはイソ
シアネート基、ウレトジオン基およびイソシアヌレート
基が存在することが確認された。高沸点溶剤であるプロ
ピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下PG
M−Acと略称する)の沸点でジブチルアミン(以下D
BAと略称する)と反応させ塩酸水溶液で逆滴定して求
めたイソシアネート基含量=30.8%であり、よって
ウレトジオン基の解離で生成するイソシアネート基含量
は12.1%であった。また、イソシアヌレート基含量
=19.2%であった。このウレトジオン基及びイソシ
アヌレート基含有ポリイソシアネート化合物をポリイソ
シアネートAとする。参考合成例2 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、TDI
(日本ポリウレタン工業式会社製コロネートT−80、
イソシアネート基含量=48.1%、固形分=100
%)700部とトルエン2,300部を仕込み混合した
のち、触媒としてトリ−n−ブチルホスフィン10.0
部を25℃にて加えた。直ちに反応が始まり、約5分後
には二量体が反応器の底部に分離しはじめた。攪拌しな
がら温度を50〜65℃に保持し、同温度で1.5時間
反応させ、次いでリン酸2.5部を加えて反応を停止さ
せた。イソシアネート基含量=15.0%の淡黄色の反
応生成液を得た。この反応生成液から、トルエン及び未
反応TDIを簡易蒸留処理後120℃、0.01Tor
rで薄膜蒸留により除去した。生成物のイソシアネート
基含量=14.8%であり、FT−IRおよびC13−N
MRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジ
オン基およびイソシアヌレート基が存在することが確認
された。PGM−Acの沸点でDBAと反応させ塩酸水
溶液で逆滴定して求めたイソシアネート基含量=36.
1%であり、よってウレトジオン基の解離で生成するイ
ソシアネート基含量は21.3%であった。また、イソ
シアヌレート基含量=11.9%であった。このウレト
ジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネー
ト化合物をポリイソシアネートBとする。参考合成例3 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、HDI
(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート基
含量=49.9%、固形分=100%)3,000部と
1,2−PG45部を加え、攪拌しつつ60℃で2時間
反応させた。イソシアネート基含量=47.6%となっ
た。次いで、触媒としてトリオクチルホスフィン6.5
部を仕込み、攪拌しながら50〜55℃で8時間反応さ
せ、次いでリン酸1.9部を加えて反応を停止させた。
イソシアネート基含量=40.2%の淡黄色の反応生成
液を得た。この反応生成液から、未反応HDIを120
℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除去した。生成
物のイソシアネート基含量=21.6%であり、FT−
IRおよびC13−NMRから、この生成物にはイソシア
ネート基、ウレトジオン基、イソシアヌレート基および
ウレタン基が存在することが確認された。PGM−Ac
の沸点でDBAと反応させ塩酸水溶液で逆滴定して求め
たイソシアネート基含量=38.5%であり、よってウ
レトジオン基の解離で生成するイソシアネート基含量は
16.9%であった。また、イソシアヌレート基含量=
8.4%、ウレタン基含量=1.6%であった。このウ
レトジオン基、イソシアヌレート基及びウレタン基含有
ポリイソシアネート化合物をポリイソシアネートCとす
る。
【0012】〔ポリウレタン前駆体の合成例〕合成例1 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例1で合成したポリイソシアネートA(イソシアネー
ト基含量=18.7%、ウレトジオン基含量=12.1
%、イソシアヌレート基含量=19.2%)100部と
分子量1,000のポリブチレンアジペートジオール
(PBA−1000)335部を加え、80℃で反応さ
せた。反応が進むにつれて粘度が高くなったが、液状を
保ったままであった。5時間後、FT−IRでイソシア
ヌレート基およびウレトジオン基の吸収は反応開始時と
変化なく、イソシアネート基のみの吸収が消えウレタン
化が終了した。ポリウレタン前駆体である反応生成物に
はフリーのポリイソシアネートモノマーは検出されず、
その水酸基価=29.0、常温において固体ワックス状
であり、100℃加熱下でB型粘度計で測定した粘度
(cP/100℃)は5万であった。PGM−Acの沸
点でDBAと反応させ塩酸水溶液で逆滴定して求めたポ
リウレタン前駆体のウレトジオン基含量=2.80%で
あった。合成例2 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例2で合成したポリイソシアネートB(イソシアネー
ト基含量=14.8%、ウレトジオン基含量=21.3
%、イソシアヌレート基含量=11.9%)100部と
分子量500の3−メチル−1,5−ペンタンアジペー
トジオール(PMPDA−500)176部を加え、8
0℃で反応させた。反応が進むにつれて粘度が高くなっ
たが、液状を保ったままであった。5時間後、FT−I
Rでイソシアヌレート基およびウレトジオン基の吸収は
反応開始時と変化なく、イソシアネート基のみの吸収が
消えウレタン化が終了した。ポリウレタン前駆体である
反応生成物にはフリーのポリイソシアネートモノマーは
検出されず、その水酸基価=71.7%、常温において
高粘度液体であり、100℃加熱下でB型粘度計で測定
した粘度(cP/100℃)=2万、ウレトジオン基含
量=7.72%であった。合成例3 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例3で合成したポリイソシアネートC(イソシアネー
ト基含量=21.6%、ウレトジオン基含量=16.9
%、イソシアヌレート基含量=8.4%、ウレタン基含
量=1.6%)100部と分子量500の3−メチル−
1,5−ペンタンアジペートジオール(PMPDA−5
00)193部を加え、80℃で反応させた。反応が進
むにつれて粘度が高くなったが、液状を保ったままであ
った。5時間後、FT−IRでイソシアヌレート基およ
びウレトジオン基の吸収は反応開始時と変化なく、イソ
シアネート基のみの吸収が消えウレタン化が終了した。
次いで、TMP6.4部を添加して攪拌し均一液とし
た。この生成物にはフリーのポリイソシアネートモノマ
ーは検出されず、その水酸基価=75.1、常温におい
て高粘度液体であり、100℃加熱下でB型粘度計で測
定した粘度(cP/100℃)=2万、ウレトジオン基
含量=5.62%であった。合成例4 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例3で合成したポリイソシアネートC(イソシアネー
ト基含量=21.6%、ウレトジオン基含量=16.9
%、イソシアヌレート基含量=8.4%、ウレタン基含
量=1.6%)100部とMDI(日本ポリウレタン工
業株式会社製ミリオネートMT)16.1部を仕込み、
次いで分子量1,000の3−メチル−1,5−ペンタ
ンアジペートジオール(PMPDA−1000)48
7.0部を加え、80℃で反応させた。反応が進むにつ
れて粘度が高くなったが、液状を保ったままであった。
5時間後、FT−IRでイソシアヌレート基およびウレ
トジオン基の吸収は反応開始時と変化なく、イソシアネ
ート基のみの吸収が消えウレタン化が終了した。次い
で、TMP3.0部を添加して攪拌し均一液とした。こ
の生成物にはフリーのポリイソシアネートモノマーは検
出されず、その水酸基価=36.8、常温において高粘
度液体であり、100℃加熱下でB型粘度計で測定した
粘度(cP/100℃)=5万、ウレトジオン基含量=
2.78%であった。合成例5 攪拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例1で合成したポリイソシアネートA(イソシアネー
ト基含量=18.7%、ウレトジオン基含量=12.1
%、イソシアヌレート基含量=19.2%)100部に
分子量1000の芳香族ポリエステルジオール(1,6
−HG)/(AA/TP/IP=1/1/1)を334
部加え、80℃で反応させた。反応が進むにつれて粘度
が高くなったが、液状を保ったままであった。5時間
後、FT−IRでイソシアヌレート基およびウレトジオ
ン基の吸収は反応開始時と変化なく、イソシアネート基
のみの吸収が消えウレタン化が終了した。次いで、クオ
ドロール(旭電化(株)製)4.7部を添加して攪拌し
均一液とした。この生成物にはフリーのポリイソシアネ
ートモノマーは検出されず、その水酸基価=36.7、
常温において高粘度液体であり、100℃加熱下でB型
粘度計で測定した粘度(cP/100℃)=8万、ウレ
トジオン基含量=2.76%であった。比較合成例1(二成分型−1) 合成例3でポリイソシアネートCの代わりにTDI(日
本ポリウレタン工業株式会社製コロネートT−80、イ
ソシアネート基含量=48.1%、固形分=100%)
100部と分子量500の3−メチル−1,5−ペンタ
ンアジペートジオール(PMPDA−500)193部
とを80℃で3時間反応させ、合成例3と同様の方法
で、ウレトジオン基を含有しないイソシアネート末端プ
レポリマー(イソシアネート基含量=5.4%)を合成
した。接着剤として使用する直前に、イソシアネート基
含量に対して等量であるTMPを16.9部添加して、
合成例3に対する比較合成例とした。比較合成例2(二成分型−2) 合成例3で用いた分子量500の3−メチル−1,5−
ペンタンアジペートジオール(PMPDA−500)5
00部とTDI(日本ポリウレタン工業株式会社製コロ
ネートT−80、イソシアネート基含量=48.1%、
固形分=100%)174部に溶剤としてトルエン/M
EK=1/1を1,572部加え、80℃で7時間反応
させ、高分子化したポリウレタン樹脂溶液を合成した。
この樹脂をGPC等で測定したところ、分子量=3万、
固形分=30%、粘度=5,000cP/25℃であっ
た。接着剤として使用する直前に、これにポリイソシア
ネート硬化剤であるコロネートL(日本ポリウレタン工
業株式会社製、固形分=75%、イソシアネート基含量
=13%)を固形分換算で10部加えて、二成分型接着
剤として比較合成例とした。比較合成例3(ブロックイソシアネート) 比較合成例1と同じ原料組成で製造したイソシアネート
末端プレポリマー(イソシアネート基含量=5.4%)
300部にブロック剤としてメチルエチルケトンオキシ
ム33.6部を加え、90℃で3時間反応させてブロッ
クイソシアネートを合成した。ブロックされたイソシア
ネート基の量に対して等量である分子量500の3−メ
チル−1,5−ペンタンアジペートジオール(PMPD
A−500)96.4部を添加して、合成例3に対する
比較合成例とした。
【0013】〔接着剤の調製〕実施例1〜5及び比較例1〜3 接着剤の主成分(溶液)である合成例1〜5及び比較合
成例1〜3の合成品に、酸化防止剤としてイルガノック
ス−1010を0.5部配合し、トルエン/MEK=1
/1で希釈して固形分濃度71.4%の接着剤とした。
これらの配合比及び性能の評価結果を表1及び表2に示
す。実施例6 接着剤の主成分(溶液)である合成例1の合成品に、酸
化防止剤としてイルガノックス−1010を0.5部と
充填剤としてエスカロン−800と可塑剤DOPを配合
して接着剤とした。この配合比及び性能の評価結果を表
3に示す。実施例7 接着剤の主成分(溶液)である合成例1の合成品に、酸
化防止剤としてイルガノックス−1010を0.5部と
可塑剤DOPを配合して接着剤とした。この配合比及び
性能の評価結果を表3に示す。実施例8 接着剤の主成分(溶液)である合成例3の合成品にイル
ガノックス−1010を0.5部配合して接着剤とし
た。この性能の評価結果を表3に示す。 〔性能評価〕被着体として鋼板/鋼板又は鋼板/PET
フィルムを使用し、鋼板側に50g/m2 の量の接着剤
を塗布した。鋼板/鋼板の場合には、100℃で接着剤
の溶剤を飛ばしたのち、他方の鋼板を張り合わせ180
℃で20分保持し、次いで室温で3日間放置した。鋼板
/PETフィルムの場合には、鋼板側に50g/m2
量の接着剤を塗布したのち100℃で溶剤を飛ばした。
ついで180℃×5分間オーブンで加熱してから、直ち
に常温にてPETフィルムをラミネートし、3日間放置
した。 (1)接着剤配合液の安定性は、室温(25℃)および
50℃での粘度の経時上昇率から、次の判定基準により
判定した。 〈判定基準〉 1日以内にゲル化 : × 1〜3日でゲル化 : △ 7日で粘度上昇率10%以内: ○ 21日以上安定 : ◎ (2)作業環境の測定 接着剤配合時(25℃)及び乾燥工程(180℃)での
雰囲気を同一条件でサンプリングしGCにて測定して、
雰囲気中に含まれるフリーのポリイソシアネートモノマ
ーの飛散の有無を見た。 (3)塗布性は塗布時に、そして外観(発泡の有無)は
乾燥直後に、次の判定基準により判定した。 〈判定基準〉 良い ◎ > ○ > △ > × 悪い (4)初期接着性は、前記条件で接着した直後に、簡易
的に引張せん断強度を測定した。 (5)せん断強度、耐熱性及び耐水性は、室温放置後の
完全硬化したサンプルにて測定を行なった。せん断強度
は引張せん断強度で評価し、耐熱性は25mm幅に1k
g荷重下での接着耐熱テスト(℃)で評価した。耐水性
は接着したサンプルを80℃温水に3時間保持したのち
の接着強度の保持率(%)から評価した。 〈耐熱性、耐水性の判定基準〉 良い ◎ > ○ > △ > × 悪い
【表1】
【表2】
【表3】
【0014】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の一成分型ポ
リウレタン系接着剤は、従来の種々実用化されているポ
リウレタン系接着剤の長所である二成分型の強靭な接着
性能とブロックイソシアネート系の使用時の容易さとポ
ットライフや貯蔵安定性等の長所を兼ね備えたものであ
る。また本発明の接着剤は一成分型であるため、半永久
的貯蔵安定性と可使時間を有し、ウレトジオン基の開環
する温度まで加熱することで活性水素基と反応して硬化
し、優れた耐熱性と耐久性を持ち、かつその骨格構造及
び使用する活性水素化合物を適当に選択することによ
り、各種基材への強靭な接着性とフィルム特性を発現さ
せることが可能である。更に、本発明の接着剤は、常温
において環境上問題のあるフリーのポリイソシアネート
モノマーを含有せず、また高温での塗布時においても一
部のブロックイソシアネートで見られるフリーのポリイ
ソシアネートモノマーを発生しないため、作業環境を悪
化せず安全に扱うことができる。
フロントページの続き (72)発明者 森川 幸弘 神奈川県横浜市港北区綱島東3−5−37 (72)発明者 上原 浩一 神奈川県横浜市西区浅間町2−106−1 (72)発明者 橋本 貞子 神奈川県秦野市北矢名1303−1 (56)参考文献 特開 昭58−122977(JP,A) 特開 昭60−260616(JP,A) 特開 平5−32759(JP,A) 特開 昭63−270785(JP,A) 特開 昭61−231017(JP,A) 特開 昭60−104137(JP,A) 特開 昭57−63363(JP,A) 特開 昭57−63323(JP,A) 特開 昭57−63324(JP,A) 特開 昭53−23397(JP,A) 特開 昭53−12990(JP,A) 特開 昭52−124027(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 175/00 - 175/16 C08G 18/00 - 18/87

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に少なくともウレトジオン基を含
    有するポリイソシアネート化合物(a1)の一種又は二
    種以上を含有するポリイソシアネート成分(a)と、分
    子量18〜20,000であって分子内に2個以上の活
    性水素基を含有する活性水素化合物成分(b)とを、前
    記ポリイソシアネート成分(a)のイソシアネート基に
    対して前記活性水素化合物成分(b)の活性水素基の当
    量比率が1.0を越える条件で反応させて得られる、少
    なくともウレトジオン基と活性水素基とをウレトジオン
    基/活性水素基=0.25〜1.0の当量比率で含有
    し、かつ、遊離のイソシアネート基を含有しないポリウ
    レタン前駆体を含有する一成分型ポリウレタン系接着剤
    であって、 前記ポリイソシアネート化合物(a1)が、ポリイソシ
    アネートをウレトジオン化触媒の存在下、0〜90℃で
    反応させてイソシアネート基含量を20〜50モル%に
    調整し、反応停止後、薄膜蒸留により残存ポリイソシア
    ネートを除去して得られる、分子内に少なくともウレト
    ジオン基を含有するポリイソシアネート化合物であるこ
    と、を特徴とする前記一成分型ポリウレタン系接着剤。
  2. 【請求項2】 分子内に少なくともウレトジオン基を含
    有するポリイソシアネート化合物(a1)の一種又は二
    種以上及び分子内に2個以上のイソシアネート基を有す
    るポリイソシアネート(a2)の一種又は二種以上を含
    有するポリイソシアネート成分(a)と、分子量18〜
    20,000であって分子内に2個以上の活性水素基を
    含有する活性水素化合物成分(b)とを、前記ポリイソ
    シアネート成分(a)のイソシアネート基に対して前記
    活性水素化合物成分(b)の活性水素基の当量比率が
    1.0を越える条件で反応させて得られる、少なくとも
    ウレトジオン基と活性水素基とをウレトジオン基/活性
    水素基=0.25〜1.0の当量比率で含有し、かつ、
    遊離のイソシアネート基を含有しないポリウレタン前駆
    体を含有する一成分型ポリウレタン系接着剤であって、 前記ポリイソシアネート化合物(a1)が、ポリイソシ
    アネートをウレトジオン化触媒の存在下、0〜90℃で
    反応させてイソシアネート基含量を20〜50モル%に
    調整し、反応停止後、薄膜蒸留により残存ポリイソシア
    ネートを除去して得られる、分子内に少なくともウレト
    ジオン基を含有するポリイソシアネート化合物であるこ
    と、を特徴とする前記一成分型ポリウレタン系接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリイソシアネート化合物(a1)
    が、ポリイソシアネートをウレトジオン化触媒の存在
    下、0〜90℃で反応させてイソシアネート基含量を2
    0〜50モル%に調整し、反応停止後、薄膜蒸留により
    残存ポリイソシアネートを除去して得られる、分子内に
    ウレトジオン基及びイソシアヌレート基を含有するポリ
    イソシアネート化合物である、請求項1又は2に記載の
    一成分型ポリウレタン系接着剤。
  4. 【請求項4】 前記ポリイソシアネート化合物(a1)
    が、ポリイソシアネートをウレトジオン化触媒の存在
    下、0〜90℃で反応させてイソシアネート基含量を2
    0〜50モル%に調整し、反応停止後、薄膜蒸留により
    残存ポリイソシアネートを除去して得られる、分子内に
    ウレトジオン基、イソシアヌレート基、及びイソシアネ
    ート基から誘導されたこれら以外の基を含有するポリイ
    ソシアネート化合物である、請求項1又は2に記載の一
    成分型ポリウレタン系接着剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一
    成分型ポリウレタン系接着剤及び活性水素化合物を含有
    する一液型ポリウレタン系接着剤であって、 前記ポリウレタン前駆体の活性水素基と前記活性水素化
    合物の活性水素基との合計の比率がウレトジオン基/合
    計活性水素基=0.25〜1.0となるような当量比で
    あること、を特徴とする前記一液型ポリウレタン系接着
    剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一
    成分型ポリウレタン系接着剤又は請求項5に記載の一液
    型ポリウレタン系接着剤をウレトジオン基が開環する温
    度以下で被着体に塗布した後、ウレトジオン基が開環す
    る温度以上となるように熱エネルギーを与えて反応、硬
    化させること、を特徴とするポリウレタン系接着剤の使
    用方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一
    成分型ポリウレタン系接着剤又は請求項5に記載の一液
    型ポリウレタン系接着剤にウレトジオン基が開環する温
    度以上となるように熱エネルギーを与えた後、これを被
    着体に塗布し反応、硬化させること、を特徴とするポリ
    ウレタン系接着剤の使用方法。
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