JPH07102212A - プレコートメタル用塗料組成物およびそれを用いたプレコートメタル - Google Patents

プレコートメタル用塗料組成物およびそれを用いたプレコートメタル

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JPH07102212A
JPH07102212A JP5274958A JP27495893A JPH07102212A JP H07102212 A JPH07102212 A JP H07102212A JP 5274958 A JP5274958 A JP 5274958A JP 27495893 A JP27495893 A JP 27495893A JP H07102212 A JPH07102212 A JP H07102212A
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polyisocyanate
active hydrogen
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coating composition
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JP5274958A
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Yukihiro Morikawa
幸弘 森川
Shinjiro Hama
伸二郎 濱
Shin Konishi
伸 小西
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強靱な塗膜物性と優れた外観、耐久性及び加
工性を有し、半永久的な貯蔵安定性と可使時間をもち、
操作時にフリーのポリイソシアネートモノマーを発生し
ないプレコートメタル用塗料組成物及びプレコートメタ
ルを提供する。 【構成】 分子内に少なくともウレトジオン基及び/又
はイソシヌレート基含有ポリイソシアネート化合物及び
所望により分子内に2個以上のイソシアネート基含有ポ
リイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、分
子量18〜20,000であって分子内に2個以上の活
性水素基を含有する活性水素化合物成分とを、所定条件
で反応させて得られるポリウレタン前駆体を主成分とす
るプレコートメタル用塗料組成物及びプレコートメタル
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、自動販売機、
洗濯機等の弱電機器、カラートタン等の建材などに適用
可能なプレコートメタル用に適した塗料組成物に関す
る。更に詳しくは、少なくともウレトジオン基と活性水
素基とを所定の比率で含有するポリウレタン前駆体を必
須成分とし、加熱するだけで鎖延長・架橋して硬化する
プレコートメタル用塗料組成物であって、フリーのポリ
イソシアネートモノマーを発生せず、貯蔵安定性、操作
性、安全性等に優れた塗料、及びその使用方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、弱電機器、建材等への塗装は、そ
の成形加工後の形状が意匠性や機能性の点から複雑にな
ってきたため、全面を均一に塗装することが困難となっ
てきた。そこで、あらかじめ板状、ロール状等の金属を
塗装し、その後成形加工、折り曲げ加工、しぼり加工等
をおこなう、プレコートメタル工法が広く採用されるよ
うになってきている。従来のプレコートメタル用塗料組
成物としては、アミノアルキッド樹脂、アミノアクリル
樹脂もしくはエポキシ樹脂などが挙げられるが、さらに
製造されたプレコートメタルの加工性が優れたポリウレ
タン系塗料組成物が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらのうち、二液型
ポリウレタン系プレコートメタル用塗料組成物は、フリ
ーイソシアネートモノマーを含有している。さらに要求
物性を発現させるためには、正確な配合やその後の均一
混合作業を必要とするため、作業性、生産性の点で改善
余地を残している。また、混合後は経時による粘度上昇
のため、一定時間以内に使いきらなければならないとい
う可使時間の制約を伴っていた。そこでこれら問題を解
決するために、特公昭62−49116号公報等に挙げ
られるようなブロックイソシアネートとポリオール樹脂
とを含有してなる組成物が考えられ、これら組成物を金
属板に塗布し、加熱硬化させることによるプレコートメ
タルの製造が開示されている。しかしながらこれらの組
成物は、加熱硬化時にブロックイソシアネートからブロ
ック剤が脱離して系外へ飛散するため、製造工程におい
て白煙発生等により作業環境の悪化を引き起こすという
問題点を抱えている。さらに塗膜は、ブロック剤の飛散
により肉減りが避けられない。このような問題点が存在
しているため、ブロックイソシアネートは含有するブロ
ック剤量をできる限り少なくするか、あるいはブロック
イソシアネートに代わる環境にやさしい貯蔵安定性の高
い組成物を用いるのが望ましい。以上述べたように、二
液型で行わなければならないような使用直前の混合等の
操作が不要で、発現物性を左右してしまう配合ミスの危
険がない貯蔵安定性の高い一成分型であり、ブロックイ
ソシアネートのブロック剤のような系外飛散物がなく、
さらにできればフリーイソシアネートモノマーを系内に
まったく含まないプレコートメタル用塗料組成物が強く
要望されていた。本発明は、使用直前の混合操作が不要
であり、半永久的な貯蔵安定性を有するフリーイソシア
ネートモノマーを全く含まない、生産性、作業性、安全
性等に優れたプレコートメタル用塗料組成物およびそれ
を使用したプレコートメタルを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、少な
くともウレトジオン基と活性水素基を所定の比率で含有
するポリウレタン前駆体が半永久的な貯蔵安定性を有し
フリーイソシアネートモノマーを含まないプレコートメ
タル用塗料組成物の必須成分となりうることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、下記ポリイソシアネート
化合物(a1)の一種又は二種以上及び所望により下記
ポリイソシアネート(a2)の一種又は二種以上を含む
ポリイソシアネート成分(a)と、分子量18〜20,
000であって分子内に2個以上の活性水素基を含有す
る活性水素化合物成分(b)とを、前記ポリイソシアネ
ート成分(a)のイソシアネート基に対して前記活性水
素化合物成分(b)の活性水素基の当量比率が1.0を
越える条件で反応させて得られる、少なくともウレトジ
オン基と活性水素基とをウレトジオン基/活性水素基の
当量比が0.25〜1.0であるポリウレタン前駆体を
必須成分として含有する塗料組成物であって、 (a1)が分子内に少なくともウレトジオン基及び/又
はイソシアヌレート基、及び必要に応じてイソシアネー
ト基から誘導されるこれら以外の基を含有するポリイソ
シアネート化合物。 (a2)が分子内に2個以上のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネートであることを特徴とするプレコー
トメタル用塗料組成物である。また本発明は、請求項1
に記載のプレコートメタル用塗料組成物とポリオールと
からなる塗料組成物であって、前記ポリウレタン前駆体
の活性水素基と該ポリオールとの活性水素基の合計の比
率がウレトジオン基/活性水素基の当量比が0.25〜
1.0であることを特徴とするプレコートメタル用塗料
組成物である。更に本発明は、請求項1及び2に記載の
プレコートメタル用塗料組成物に必要に応じて触媒をプ
レコートメタル用塗料組成物の固形分に対して0.05
〜5.0重量%加えて、25〜250℃で塗膜を形成さ
せることを特徴とするプレコートメタルである。
【0006】前記ポリイソシアネート成分(a)のうち
ポリイソシアネート化合物(a1)は、分子内に少なく
ともウレトジオン基を含有し、その他に所望によりイソ
シアヌレート基及びさらにイソシアネート基から誘導さ
れたこれら2つの基以外の基を含有するポリイソシアネ
ート化合物である。このイソシアネート基から誘導され
たウレトジオン基及びイソシアヌレート基以外の基は、
ウレタン基、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、オ
キサゾリドン基、そしてヒダントイン基等である。ポリ
イソシアネート化合物(a1)は一種又は二種以上使用
することができる。すなわち例えば、ウレトジオン基含
有ポリイソシアネート化合物とウレトジオン基及びイソ
シアヌレート基含有ポリイソシアネート化合物との混合
物であってもよい。ポリイソシアネート成分(a)のう
ちポリイソシアネート(a2)は、分子内に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネートである。
ポリイソシアネート(a2)は一種又は二種以上使用す
ることができる。前記ポリイソシアネート化合物(a
1)を形成するためのポリイソシアネートあるいはポリ
イソシアネート(a2)としては、フリーのポリイソシ
アネートのモノマーの他にそのポリメリック体を含む。
このポリイソシアネートモノマーとしては、具体的には
例えば、公知の2,4−トリレンジイソシアネート(以
下TDIと称略する)、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン
−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(以下MDIと称略する)、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニト
ロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′
−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソ
シアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、
3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
(以下HDIと称略する)、リジンジイソシアネート等
の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレン
ジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシア
ネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂
環族ジイソシアネート等のジイソシアネート、および前
記ジイソシアネートの重合体や2官能以上のポリオール
等と前記のジイソシアネートあるいはそのポリメリック
体との反応で得られるポリイソシアネートが適当であ
る。すなわち、ポリイソシアネートのポリメリック体や
ポリイソシアネートのポリオールアダクトは、いずれも
本発明において好適に使用できる。ポリイソシアネート
化合物(a1)、例えば、本発明において必須成分であ
るウレトジオン基含有ポリイソシアネート化合物及びウ
レトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシア
ネート化合物は、一般に、ポリイソシアネートモノマー
の二量化反応(ウレトジオン化反応)、三量化反応(イ
ソシアヌレート化反応)等によって形成され、具体的に
は例えば次のようにして製造することができる。
【0007】即ち、このような混合物は、相当するポリ
イソシアネートモノマーから、公知のウレトジオン化触
媒、例えばトリエチルホスフィン、ジブチルエチルホス
フィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリアミルホ
スフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホ
スフィン類あるいはピリジン等の存在下、通常0〜90
℃の反応温度で、無溶剤下、またはポリウレタン工業に
常用の不活性溶剤、たとえばトルエン、キシレンその他
の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶剤、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等
のグリコールエーテルエステル系溶剤の存在下、および
場合によっては、前記反応温度において液状のポリオー
ルまたはDOP等の可塑剤中で製造することができる。
反応液には、そのイソシアネート基含量で20〜50モ
ル%のイソシアネート基が反応した時点で、例えば、リ
ン酸、パラトルエンスルホン酸メチル、硫黄等の溶液を
加えてウレトジオン化触媒を不活性化し、反応を停止さ
せる。使用するポリイソシアネートの種類によっては、
この反応過程で結晶となり析出するものもある。特に、
芳香族ポリイソシアネートは概ね結晶化し、反応系から
分離する。
【0008】このような方法によって、ウレトジオン基
含有ポリイソシアネート化合物(すなわち二量体及びポ
リ−ウレトジオン体)、及びウレトジオン基及びイソシ
アヌレート基含有ポリイソシアネート化合物、及び原料
であるポリイソシアネートモノマーの混合物が生成す
る。この混合物から原料のポリイソシアネートモノマー
を薄膜蒸留等により取り除くことにより、目的のウレト
ジオン基含有ポリイソシアネート化合物、ウレトジオン
基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート化合
物等の混合物が得られる。その製造時において高温反応
であればあるほど、反応停止時にポリイソシアネートモ
ノマーの含量が低いほど、イソシアヌレート基の生成比
率が高くなる。また、トリエチルホスフィン等の触媒量
が多いほど、ウレトジオン基の生成比率が高くなる。こ
れらの反応条件をコントロールすることにより、特定比
率のウレトジオン基とイソシアヌレート基とを含有する
ポリイソシアネート化合物を得ることもできる。特公平
1−50265号公報、特公平2−16332号公報、
特開昭58−37022号公報に記載の発明においては
いずれも、ポリイソシアネートの純粋な二量体のみ又は
の重合体を含む場合でもできるだけ二量体の重合体の量
を制限しているし、特に分岐構造を与えるイソシアヌレ
ート構造を含ませることは、本発明でいうポリウレタン
前駆体の製造時にゲル化するとして、極力避けている。
本発明のポリイソシアネート成分(a)のように、ウレ
トジオン基だけでなく積極的にイソシアヌレート構造も
導入すると、ハイソリッド化でき、かつ耐熱特性や耐久
性に優れた性能が発現する。即ち、ポリイソシアネート
化合物分子中にウレトジオン基の他に一定比率のイソシ
アヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場合に
は、このイソシアヌレート基によりポリウレタン前駆体
にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。その
ため、実際に塗料として使用時の加熱による硬化工程に
おいて、プレコートメタル用塗料組成物のウレトジオン
基の開環する温度での開環反応とそれに続く活性水素基
との反応により、従来公知のウレトジオン基含有ポリウ
レタン化合物から得られるものに比較して、短時間かつ
低反応率で優れた物性が発現することが見いだされた。
なおポリイソシアネート化合物(a1)、ポリイソシア
ネート(a2)は、場合によっては、未反応のポリイソ
シアネートモノマーを含むものをそのまま、本発明にお
ける主成分であるポリイソシアネート成分(a)として
用いることもできる。未反応のポリイソシアネートモノ
マーを除いたウレトジオン基及びイソシアヌレート基含
有ポリイソシアネート化合物等とポリイソシアネートモ
ノマーとを混合し、官能基数を低下させた形にして活性
水素化合物成分(b)と反応させることは、ポリウレタ
ン前駆体製造時にゲル化等の問題が起こらず好ましい場
合があるし、反応性や発現物性の制御に関して有効であ
る場合がある。
【0009】本発明における活性水素化合物成分(b)
は、分子量18〜20000であって分子内に2個以上
の活性水素基を含有するものである。具体的には、水の
他に、ポリオール、アミノ基等含有ポリアミン、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の中から選択し
た一種または二種以上を含むものが好ましい。このポリ
オールとしてはポリウレタン工業において公知のポリオ
ール類を用いることができ、ポリイソシアネート成分
(a)においてイソシアネート基が2官能以上であるこ
とから、ポリウレタン前駆体製造時のゲル化を防ぐた
め、2官能等の低官能基数を持ったポリオール類が適し
ている。ポリオールの例としては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール等が挙げられる。具体的には例え
ば、公知のコハク酸、アジピン酸(以下AAと略称す
る)、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸(以下
TPと略称する)、イソフタル酸(以下IPと略称す
る)、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水
物等と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール(以下1,2−
PGと略称する)、1,4−ブチレングリコール(以下
1,4−BGと略称する)、1,5−ペンタングリコー
ル、1,6−ヘキサングリコール(以下1,6−HGと
略称する)、3−メチル−1,5−ペンタングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコ
ール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリ
メチロールプロパン(以下TMPと略称する)、グリセ
リン、ヘキサントリオール、N,N,N´,N´−テト
ラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、
あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイドまたは
プロピレンオキサイド付加物等のグリコール、あるいは
ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノール
トリアミン等のジアミン、トリアミンまたはアミノアル
コール等単独、またはこれらの混合物との脱水縮合反応
で得られるポリエステルポリオール、ポリエステルアミ
ドポリオールが挙げられる。さらに、ε−カプロラクト
ン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステ
ル(すなわちラクトン)モノマーの開環重合により得ら
れるラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステ
ルポリオールがある。ポリエーテルポリオールとしては
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンエー
テルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオー
ル等が挙げられる。ポリエーテル・エステルポリオール
としては、前記のポリエーテルポリオールと前記したジ
カルボン酸又は酸無水物等とから製造されるポリエステ
ルポリオールが挙げられる。ポリカーボネートポリオー
ルは例えば、ヘキサングリコール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等とジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネー
トとの反応から得られ、例えば、日本ポリウレタン工業
製のニッポラン980、ニッポラン981等が挙げられ
る。また、前記ポリエステルポリオールの原料として挙
げた単分子ジオール、トリオール類即ち、エチレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,2−P
G、1,4−BG、1,5−ペンタングリコール、1,
6−HG、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、
グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロールあるい
はビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピ
レンオキサイド付加物等も前記ポリオールとして本発明
において用いることができる。アミノ基等含有ポリアミ
ンとしては、単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジア
ミン、及びポリエーテルの末端がアミノ基となったポリ
エーテルポリアミン等が挙げられる。また、尿素樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、ポリビニルアルコール等は、一般にポリウレ
タン工業において公知のもので、活性水素基を2個以上
含有するものであれば活性水素化合物成分(b)の全部
または一部として使用することができる。これらの活性
水素化合物成分(b)の分子量は18〜20,000で
あり、特に、水と400〜10,000のものが好まし
い。分子量が大きすぎると、ウレトジオン基、イソシア
ヌレート基、ウレタン基等の導入量が減少して、ポリウ
レタン樹脂の強靱性や強い凝集力が減少し好ましくな
い。分子量が小さすぎると、ポリウレタン樹脂が脆くな
る傾向があり好ましくない。この分子量は用途により適
当に選択する必要があり、塗料の耐熱性や凝集エネルギ
ーを高めるには低分子量のものを用いることが好まし
い。
【0010】次に、本発明のプレコートメタル用塗料組
成物の必須成分であるポリウレタン前駆体の製造につい
て詳しく述べる。ポリウレタン前駆体は、上記のポリイ
ソシアネート成分(a)と活性水素化合物成分(b)と
を、ポリイソシアネート成分(a)中のイソシアネート
基に対して活性水素化合物成分(b)中の活性水素基の
当量比率が1.0を越える活性水素基過剰条件で反応さ
せて得られる、少なくともウレトジオン基と活性水素基
とをウレトジオン基/活性水素基=0.25〜1.0の
当量比率で含有するものである。この活性水素基過剰条
件は、製造されたポリウレタン前駆体にイソシアネート
基が残存せずに活性水素基含有となるに必要な条件であ
り、実際はイソシアヌレート基含量等に起因するポリイ
ソシアネート成分(a)の平均官能基数とトリオール導
入等に起因する活性水素化合物成分(b)の平均官能基
数によって、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化しない
条件を決定し、この条件を満たすように配合し、かつウ
レトジオン基が開環する温度条件以下に保持し反応させ
ることが重要である。その配合比率はJ.P.Flor
y、Khun等が理論的に計算しているゲル化理論に従
うが、実際は、前記成分(a)、(b)各分子に含まれ
る反応基の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させる
ことによって、ポリウレタン前駆体はゲル化することな
く製造でき、フリーのイソシアネートモノマーを含有し
ない。ポリウレタン前駆体は、溶融状態、バルク状態、
または必要に応じて、ポリウレタン工業において常用の
不活性溶剤、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、
エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエ
ーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトン、N−メチルピロリドン、フルフラール等の
極性溶剤の1種または2種以上を使用して、ウレトジオ
ン基が開環しない温度条件、好ましくは100℃以下
で、上記の配合条件範囲で各成分を均一に混合し反応さ
せて製造することができる。反応装置としては、上記の
均一反応が達成できればいかなる装置でも良く、たとえ
ば撹拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸または多軸
押し出し反応機等の混合混練装置が挙げられる。反応を
早く進めるため、触媒として、ポリウレタンの製造にお
いて常用されるジブチル錫ジラウレート等の金属触媒や
トリエチルアミン等の三級アミン触媒を用いる事もでき
る。このようにして製造されるポリウレタン前駆体は、
使用するポリイソシアネート化合物(a1)によりウレ
トジオン基及び活性水素基以外にイソシアヌレート基、
ウレタン基、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、オ
キサゾリドン基、ヒダントイン基等のイソシアネート基
から誘導される基を含有することができるが、イソシア
ネート基を実質的に含有せず、ウレトジオン基と活性水
素基とをウレトジオン基/活性水素基=0.25〜1.
0、好ましくは0.35〜0.75の比率で含有する必
要がある。これはウレトジオン基が加熱等で開環すると
きの当量比の規制であり、ウレトジオン基と活性水素基
との比率をウレトジオン基濃度が過剰となる比率にした
場合には、本発明の塗料は、環境中の水分との反応によ
る架橋・鎖延長やウレタン結合、ウレア結合との反応に
よるアロファネートやビウレットになる反応、およびイ
ソシアネート基単独での重合反応たとえばカルボジイミ
ド化、イソシアヌレート化等により鎖延長および/また
は架橋させることもできるし、あるいは活性水素基を過
剰にした場合には、熱可塑的高分子樹脂とすることがで
きる。
【0011】次に、本発明のプレコートメタル用塗料組
成物の配合およびそれを使用したプレコートメタルにつ
いて述べる。前記ポリウレタン前駆体を主成分とするプ
レコートメタル用塗料組成物に、このポリウレタン前駆
体のウレトジオン基とこの前駆体の活性水素基および塗
料配合時に混合されるポリオールの活性水素基の合計の
活性水素基との当量比率がウレトジオン基/活性水素基
=0.25〜1.0、例えば0.35〜0.75となる
ように、ポリオール、例えば、前記の活性水素化合物
(b)、アミノ基等含有ポリアミン、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリビニルアルコール等の中から選択した一種また
は二種以上を用いることができる。本発明の前記活性水
素化合物を配合したプレコートメタル用塗料組成物にお
けるウレトジオン基と合計活性水素基との当量比率をウ
レトジオン基/合計活性水素基=0.5〜1.0の範囲
でウレトジオン基濃度を過剰にした場合、環境中の水分
との反応による架橋・鎖延長やウレタン結合、ウレア結
合との反応によるアロファネートやビウレットになる反
応、およびイソシアネート単独での重合反応たとえばカ
ルボジイミド化、イソシアヌレート化等により鎖延長及
び/又は架橋させることもできるし、あるいは逆にウレ
トジオン基/合計活性水素基=0.25〜0.5の範囲
で活性水素基過剰条件にした場合には、熱可塑的高分子
樹脂とすることができる。最終的に、本発明の塗料組成
物は、含有するウレトジオン基が熱等で開環し活性水素
基との鎖延長及び/又は架橋硬化反応によってポリウレ
タン系樹脂を形成し優れた塗料特性を与えるとともに、
優れた塗布性、加工性も発揮する。本発明の塗料組成物
は、ウレトジオン基が残存していても定常的に優れた塗
料特性を与える場合には、ウレトジオン基を完全に開環
させなくても良い。これまで述べたポリウレタン前駆体
は常態で液体、固体または粉状等であってもよく、また
塗料としての機能を向上させるため、主成分のポリウレ
タン前駆体に、必要に応じて、ウレトジオン基の開環温
度を下げる解離触媒、貯蔵時のゲル化防止の為にエステ
ル・ウレタン交換反応防止剤等のゲル化防止剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、染料、顔料、レ
ベリング剤、難燃剤、粘度調整剤、流れ性改良剤、可塑
剤、揺変剤、及び充填剤等を加え塗料に仕上げる。ここ
で調製された本発明の塗料組成物は常態で液体、固体状
または粉体状等いずれでもよい。
【0012】ウレトジオン基解離触媒は、ポリウレタン
前駆体のウレトジオン基の開環温度を低下させることが
可能であるため、触媒無添加時にくらべて樹脂の硬化が
低温ですばやく完了するため、ユーティリティーコスト
の削減、生産効率の向上等のメリットをもたらす。ここ
で述べるウレトジオン基解離触媒は、エステル交換触
媒、ウレタン化触媒、ブロックイソシアネート解離触
媒、イソシアヌレート化触媒等として一般的に知られて
いるものに含まれ、具体的にはジブチルチンジラウレー
ト、スタナスオクトエート等の錫系触媒、トリエチレン
ジアミン、トリエチルアミン、N,N,N´,N´−テ
トラメチルプロピレンジアミン、N,N,N´,N´−
テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミ
ン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾ
ール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウレデ
セン−7(以下DBUと称す)、これらアミン系触媒の
ボラン塩、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩等
の各種アミン系触媒、ナフテン酸マグネシウム、ナフテ
ン酸鉛、CH 3COO-+などのカルボキシレート類、
トリエチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のト
リアルキルホスフィン類、CH 3ONaなどのアルコキ
シド類、亜鉛系有機金属触媒等が挙げられる。これらの
うち触媒効果と貯蔵安定性の点を考慮すると、DBUの
各種酸塩が好適に使用できる。これら触媒は本発明の塗
料組成物の固形分に対して0.05〜5.0重量%用い
られる、好ましくは0.1〜2.0重量%である。本発
明において用いられる金属板は、通常プレコートメタル
用金属として用いられている亜鉛びき鉄板、鉄板、アル
ミニウム、チンフリースチールなど挙げられるが、これ
らは例えばリン酸塩処理等の化学表面処理を施したもの
が好ましい。また、形状は、平板状、筒状などいずれで
もよい。これら金属への該塗料組成物の塗布方法として
は、ロールコーター、スプレーガン、フローコーター等
が挙げられる。また塗布量は、乾燥重量で約10g/m
2 〜30g/m2 程度が好ましい。加熱方法も塗装する
金属の塗装条件等によって選択すればよいが、加熱温度
および時間はウレトジオン基の開環が発現する条件範囲
を必要とし、これにより最終的に鎖延長及び/又は架橋
が行われ、塗膜が形成される。この場合加熱温度は25
〜250℃、好ましくは100〜230℃である。
【0013】
【実施例】以下、実施例等により本発明についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。以下の実施例等において、「部」はす
べて「重量部」を意味し「%」はすべて「重量%」を意
味する。
【0014】〔ポリイソシアネート化合物(a1)の合
成〕ポリイソシアネートAの合成 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、HDI(日本ポリウレタン工業製、イソシアネ
ート基含量=49.9%、固形分=100%)3,00
0部と触媒としてトリオクチルホスフィン6.0部を仕
込み、撹拌しながら65〜70℃に加熱し同温度で6時
間反応させ、次いでリン酸3.5部を加えて反応を停止
させた。イソシアネート基含量=30.3%の淡黄色の
反応生成液を得た。この反応生成液から、未反応HDI
を120℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除去し
た。生成物のイソシアネート基含量=18.7%であ
り、FT−IRおよび13C−NMRから、この生成物に
はイソシアネート基、ウレトジオン基およびイソシアヌ
レート基が存在することが確認された。高沸点溶剤であ
るプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以
下PGM−Acと略称する)の沸点でジブチルアミン
(以下DBAと略称する)と反応させ塩酸水溶液で逆滴
定して求めたイソシアネート基含量=30.8%であ
り、よってウレトジオン基の解離で生成するイソシアネ
ート基含量は12.1%であった。また、イソシアヌレ
ート基含量=19.2%であった。このウレトジオン基
及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート化合物
をポリイソシアネートAとする。
【0015】ポリイソシアネートBの合成 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、HDI(日本ポリウレタン工業製、イソシアネ
ート基含量=49.9%、固形分=100%)3,00
0部と1,2−PG45部を加え、撹拌しつつ60℃で
2時間反応させた。イソシアネート基含量=47.6%
となった。次いで、触媒としてトリオクチルホスフィン
6.5部を仕込み、撹拌しながら50〜55℃で8時間
反応させ、次いでリン酸1.9部を加えて反応を停止さ
せた。イソシアネート基含量=40.2%の淡黄色の反
応生成液を得た。この反応生成液から、未反応HDIを
120℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除去し
た。生成物のイソシアネート基含量=21.6%であ
り、FT−IRおよび13C−NMRから、この生成物に
はイソシアネート基、ウレトジオン基、イソシアヌレー
ト基およびウレタン基が存在することが確認された。P
GM−Acの沸点でDBAと反応させ塩酸水溶液で逆滴
定して求めたイソシアネート基含量=38.5%であ
り、よってウレトジオン基の解離で生成するイソシアネ
ート基含量は16.9%であった。また、イソシアヌレ
ート基含量=8.4%、ウレタン基含量=1.6%であ
った。このウレトジオン基、イソシアヌレート基及びウ
レタン基含有ポリイソシアネート化合物をポリイソシア
ネートBとする。
【0016】〔比較例で用いるポリイソシアネート化合
物の合成〕ポリイソシアネートCの合成 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、HDI(日本ポリウレタン工業製、イソシアネ
ート基含量=49.9%、固形分=100%)3,00
0部と1,3−ブタンジオール24部を加え、撹拌しつ
つ80℃で2時間反応させた。イソシアネート基含量=
48.8%となった。次いで、触媒としてカプリン酸カ
リウム0.6部、助触媒としてフェノール3部を加え、
60℃で5時間イソシアヌレート化反応を行い、次いで
停止剤としてリン酸を0.42部加え、反応温度で1時
間攪はん後、イソシアネート基含有量40.3%の淡黄
色の反応生成液を得た。この反応生成液から、未反応H
DIを120℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除
去した。反応生成液のイソシアネート基含量=21.1
%であり、FT−IRおよび13C−NMRから、この生
成物にはイソシアネート基、イソシアヌレート基および
ウレタン基が存在することが確認された。このイソシア
ヌレート基及びウレタン基含有ポリイソシアネート化合
物をポリイソシアネートCとする。
【0017】ポリイソシアネートDの合成 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、ポリイソシアネートC300部を仕込み、攪は
んしながらメチルエチルケトンオキシム132部を1時
間にわたって滴下し、70〜75℃を保持しながら反応
させた。滴下終了後さらに70〜75℃を保持しなが
ら、1時間攪はんを行った。得られた反応液をFT−I
Rで測定したところ、イソシアネート基の吸収ピークは
見られず、このようにして再生イソシアネート含有量1
4.7%のブロックポリイソシアネートを得た。このブ
ロックポリイソシアネートをポリイソシアネートDとす
る。
【0018】〔プレコートメタル用塗料組成物の合成〕実施例1 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、ポリイソシアネートA(イソシアネート基含量
=21.1%、ウレトジオン基含量=16.4%、イソ
シアヌレート基含量=12.5%)100部と4,4´
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート264部と
分子量2,000の芳香族ポリエステルジオール(IP
/TP/AA=5/5/1モル比とNPG/HG/EG
=2/1/2モル比からなるポリエステル、以下PES
−Aと称す)2488部と分子量2,000のヘキサメ
チレンアジペートジオール138部とトルエン625部
と酢酸エチル938部、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート1563部を加え、70℃で反応
させた。5時間後、FT−IRによりイソシアヌレート
基およびウレトジオン基の吸収ピークは反応開始時と変
化なく、イソシアネート基のみの吸収ピークが消えたこ
とを確認し、ウレタン化を終了し、ウレトジオン基含有
ポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液にタイ
ペークCR−90(酸化チタン、石原産業製)2080
部を加えて混合し、0.3mm厚の鋼板に乾燥塗膜厚2
0μmになるようにスプレー塗装し、230℃にて30
秒焼き付けた。得られた塗膜の性能評価を表1に示す。
【0019】実施例2 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、ポリイソシアネートB(イソシアネート基含量
=21.6%、ウレトジオン基含量=16.9%、イソ
シアヌレート基含量=8.4%)100部と4,4´−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート270部と分
子量2000のPES−A3085部とトルエン691
部と酢酸エチル1037部、プロピレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート1728部を加え、70℃で
反応させた。5時間後、FT−IRでイソシアヌレート
基およびウレトジオン基の吸収は反応開始時と変化な
く、イソシアネート基のみの吸収が消えウレタン化が終
了し、ウレトジオン基含有ポリウレタン溶液を得た。こ
のポリウレタン溶液にタイペークCR−90(酸化チタ
ン、石原産業製)2300部を加えて混合し、0.3m
m厚の鋼板に乾燥塗膜厚20μmになるようにスプレー
塗装し、230℃にて30秒焼き付けた。得られた塗膜
の性能評価を表1に示す。
【0020】実施例3 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、ポリイソシアネートB(イソシアネート基含量
=21.6%、ウレトジオン基含量=16.9%、イソ
シアヌレート基含量=8.4%、ウレタン基含量=1.
6%)100部とHDI19部を仕込み、次いで分子量
2,000のPES−A926部と分子量2,000の
ヘキサメチレンアジペートジオール103部とトルエン
234部と酢酸エチル350部、プロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート584部を加え、70℃
で反応させた。5時間後、FT−IRでイソシアヌレー
ト基およびウレトジオン基の吸収は反応開始時と変化な
く、イソシアネート基のみの吸収が消えウレタン化が終
了した。次いでエピコート828(ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、シェル製)22部を添加して撹拌しポリ
ウレタン溶液とした。このポリウレタン溶液にタイペー
クCR−90(酸化チタン、石原産業製)780部を加
えて混合し、0.3mm厚の鋼板に乾燥塗膜厚20μm
になるようにスプレー塗装し、230℃にて30秒焼き
付けた。得られた塗膜の性能評価を表1に示す。
【0021】実施例4 撹拌機、温度計、窒素シール管および冷却器のついた反
応器に、ポリイソシアネートB(イソシアネート基含量
=21.6%、ウレトジオン基含量=16.9%、イソ
シアヌレート基含量=8.4%)100部と4,4´−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート270部と分
子量2000のPES−A3085部とトルエン691
部と酢酸エチル1037部、プロピレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート1728部を加え、70℃で
反応させた。5時間後、FT−IRでイソシアヌレート
基およびウレトジオン基の吸収は反応開始時と変化な
く、イソシアネート基のみの吸収が消えウレタン化が終
了し、ウレトジオン基含有ポリウレタン溶液を得た。こ
のポリウレタン溶液にタイペークCR−90(酸化チタ
ン、石原産業製)2300部、U−CAT SA1(D
BUフェノール塩、サンアプロ製)17部を加えて混合
し、0.3mm厚の鋼板に乾燥塗膜厚20μmになるよ
うにスプレー塗装し、150℃にて60秒焼き付けた。
得られた塗膜の性能評価を表1に示す。
【0022】比較例1 PES−A1,000部をトルエン200部、酢酸エチ
ル300部、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート500部に溶解し、更にポリイソシアネート
C210部とタイペークCR−90(酸化チタン、石原
産業製)670部を加えて混合し、0.3mm厚の鋼板
に乾燥塗膜厚20μmになるようにスプレー塗装し、2
30℃にて30秒焼き付けた。得られた塗膜の性能評価
を表2に示す。 比較例2 PES−A1,000部をトルエン200部、酢酸エチ
ル300部、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート500部溶解し、更にポリイソシアネートD
300部とタイペークCR−90(酸化チタン、石原産
業製)670部を加えて混合し、0.3mm厚の鋼板に
乾燥塗膜厚20μmになるようにスプレー塗装し、23
0℃にて30秒焼き付けた。得られた塗膜の性能評価を
表2に示す。
【0023】塗膜性能の評価 実施例および比較例に示した塗膜について、次に示す性
能評価を行った。これらの結果を表1に示す。 (1)プレコートメタル用塗料組成物配合液の安定性 25℃での塗料組成物配合液の粘度の経時上昇率から、
次の判定基準により判定した。 〈判定基準〉 1日以内にゲル化 : × 1〜3日以内にゲル化 : △ 1カ月以上安定 : ◎ (2)鏡面光沢度 JIS K5400に基づき、入射角と受光角とが60
度となるときの反射率を測定して鏡面光沢度を算出し
た。 (3)鉛筆硬度 JIS K5400に基づき、塗膜硬度を手かき法にて
評価した。 (4)耐屈曲性 JIS K5400に基づき、直径2mm心棒の屈曲試
験器を用いて耐屈曲性を目視により評価した。 塗膜に割れ、はがれが無い : ◎ 塗膜に割れ、はがれがある : × (5)耐汚染性 試験片の塗面中央に黒色のマーキングペンを1cm×2
cmに塗り、25℃で18時間静置した。その後石油ベ
ンジンを含ませた脱脂綿でふき、さらにエタノールを含
ませた脱脂綿でふいたあとの塗面の状態を目視により判
定した。 色、つやの変化なし :◎ 色、つやに小さな変化あり :△ 色、つやの変化が大きい :× (5)耐煮沸水性 イオン交換水を90℃以上の煮沸水とし、その中へ試料
片を1時間浸せきして取り出し、次いで2時間放置した
後の塗膜のしわ、ふくれ、変色を原状試験片と比較して
目視により判定した。 しわ、ふくれ、変色がない :◎ しわ、ふくれ、変色が少量ある :△ しわ、ふくれ、変色が大きい :×
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のプレコー
トメタル用塗料組成物は、強靱な塗膜物性と半永久的な
貯蔵安定性および可使時間をもつものであり、これを用
いて製造したプレコートメタルは優れた外観、耐久性お
よび加工性を有する。また、ブロック剤等の塗膜からの
飛散物がないため、白煙発生による作業環境の悪化、塗
膜の肉減り、塗装機械の汚染等の問題を生じることがな
い。つまり、本発明の該塗料組成物は、従来の二液型お
よびブロックイソシアネートの優れた面のみを兼ね備え
た画期的な塗料組成物である。さらに、本発明の該塗料
組成物は、常温において環境上問題のあるフリーのポリ
イソシアネートモノマーを含有せず、また高温での塗膜
硬化時においてもフリーのポリイソシアネートモノマー
を発生しないため、作業環境を悪化せず安全に扱うこと
ができる。
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記ポリイソシアネート化合物(a1)
    の一種又は二種以上及び所望により下記ポリイソシアネ
    ート(a2)の一種又は二種以上を含むポリイソシアネ
    ート成分(a)と、分子量18〜20,000であって
    分子内に2個以上の活性水素基を含有する活性水素化合
    物成分(b)とを、前記ポリイソシアネート成分(a)
    のイソシアネート基に対して前記活性水素化合物成分
    (b)の活性水素基の当量比率が1.0を越える条件で
    反応させて得られる、少なくともウレトジオン基と活性
    水素基とをウレトジオン基/活性水素基の当量比が0.
    25〜1.0であるポリウレタン前駆体を必須成分とし
    て含有する塗料組成物であって、 (a1)が分子内に少なくともウレトジオン基及び/又
    はイソシアヌレート基、及び必要に応じてイソシアネー
    ト基から誘導されるこれら以外の基を含有するポリイソ
    シアネート化合物。 (a2)が分子内に2個以上のイソシアネート基を有す
    るポリイソシアネートであることを特徴とするプレコー
    トメタル用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプレコートメタル用塗
    料組成物とポリオールとからなる塗料組成物であって、
    前記ポリウレタン前駆体の活性水素基と該ポリオールと
    の活性水素基の合計の比率がウレトジオン基/活性水素
    基の当量比が0.25〜1.0であることを特徴とする
    プレコートメタル用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2に記載のプレコートメタ
    ル用塗料組成物に必要に応じて触媒をプレコートメタル
    用塗料組成物の固形分に対して0.05〜5.0重量%
    加えて、25〜250℃で塗膜を形成させることを特徴
    とするプレコートメタル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5916629A (en) * 1996-07-13 1999-06-29 Huels Aktiengesellschaft Heat-curing, one-component adhesives which are based on polyurethanes, a process for their preparation, and their use
JP2004263146A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Sanyo Chem Ind Ltd 低温硬化型水分散粉体スラリー塗料
JP2005531677A (ja) * 2002-07-04 2005-10-20 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト ウレトジオン基を含むイソシアネート

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