JPH10114034A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

熱収縮性フィルム

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JPH10114034A
JPH10114034A JP8270842A JP27084296A JPH10114034A JP H10114034 A JPH10114034 A JP H10114034A JP 8270842 A JP8270842 A JP 8270842A JP 27084296 A JP27084296 A JP 27084296A JP H10114034 A JPH10114034 A JP H10114034A
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heat
film
melting
polypropylene resin
shrinkable film
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JP8270842A
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Tomohiro Nagao
知浩 長尾
Michihiro Sawada
道宏 澤田
Kenichi Fujiwara
健一 藤原
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐溶融破れ、透明性、機械的強度、熱溶断シー
ル強度等が優れた高立体規則性ポリプロピレン系フィル
ムに着目し、その特性を活かしつつ、熱収縮応力がより
低いポリプロピレンフィルムを提案することを課題とす
る。 【解決手段】気相1段重合法で得られた軟質ポリプロピ
レンであって、特定の極限粘度及び沸騰ヘプタン溶解性
を持ち、且つ/あるいは13C−NMRスペクトルによる
ペンタッド分率が15〜50%、DSCによる融解ピー
ク温度、及び融解エンタルピーが、それぞれ150℃以
上及び100J/g以下であるポリプロピレンフィルム
を使用した熱収縮性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の性質を有す
る軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フィルム
に関する。更に詳しくは、特定の極限粘度〔η〕及びヘ
プタン溶解性及び/又は分子構造及び/又は熱融解特性
を備えた軟質ポリプロピレン樹脂フィルム又は該樹脂層
を含む多層フィルムからなる、低熱収縮応力の熱収縮性
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、包装技術の一分野として熱収縮性
フィルムを使用する熱収縮包装技術が存在し、多分野の
商品の包装に利用されている。ここにいう熱収縮包装と
は、被包装物全体を先ず熱収縮性フィルムで覆った後、
該フィルム間の溶断シールをして袋状の緩やかな包装体
とし、次に外部加熱をしてフィルムを収縮させ、緊張包
装状態にすることを言い、包装が簡単であり、外観的に
も又実質的にも優れた包装状態が得られる特徴を有す
る。
【0003】この熱収縮包装において熱収縮性フィルム
に要求される主要な条件としては、 フィルムの融点よりも低い加熱温度で熱収縮すること
(フィルムの溶融破れ、被包装体の過熱損傷を避ける等
のため)、熱収縮温度巾が広いこと(フィルム自体の
熱的特性に巾がある、熱収縮加工機械温度の調節が容易
である等のため)、フィルムの熱収縮応力は被包装体
の変形強度以下であること(フィルムの熱収縮応力が高
過ぎると、被包装体が変形して商品価値を落とす等のた
め)、フィルム溶断シール部の熱収縮後の機械特性が
高いこと(フィルムの溶断シール強度が低い場合は熱収
縮包装ができないため)、熱収縮後のフィルムの高透
明、高光沢性の他、フィルム溶断シール時の無臭性(商
品価値、環境又は食品衛生性向上等のため)等が挙げら
れる。
【0004】従来、熱収縮性フィルムとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール製フィルム
を二軸延伸処理して得られたフィルムが最も一般的であ
る。二軸延伸ポリエチレンフィルムは、広い熱収縮温度
巾、低熱収縮応力、溶断シール部の高強度等、多くの点
で優れているが、熱収縮温度が当該ポリエチレンの融点
に近いため、熱収縮処理時の溶融破れが生じ易い欠点が
ある。二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、高立体規則
性ポリプロピレン樹脂が使用され、熱収縮後のフィルム
の透明性、光沢性に優れているため包装体の外観がよ
く、商品価値を高める点で優れているものの、一般的に
熱収縮温度巾が狭く、熱収縮応力が高い性質を有するた
め、包装加工条件範囲が狭い他、熱収縮応力に基づく被
包装体の変形、破壊も起こり易い欠点を有する。更に、
二軸延伸ポリ塩化ビニルフィルムの場合は、熱収縮後の
フィルムの透明性、光沢性は優れているものの、通常の
熱溶断シーラーは使用できず、高周波溶断シール等の特
殊な装置が必要であり、熱収縮応力も高く、しかも該溶
断シール部の機械的強度には前記ポリエチレン、ポリプ
ロピレンの場合のような強靱性がないため破断し易く、
引裂伝播現象も見られる他、上記溶断シール時に悪臭を
発生することもあり、好ましい包装材料とは言えない。
【0005】これら熱収縮包装材料における諸問題、特
に高立体規則性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルフィル
ムの場合のような高熱収縮応力を改善するものとして、
特殊な多層フィルムが提案されている(特開昭63−2
62242号公報、特開平2−283445号公報)。
しかし、これらは透明性や光沢性の点で劣っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種熱収縮
包装材料中、耐溶融破れ、透明性、機械的強度、熱溶断
シール強度等が優れたポリプロピレン系フィルムに着目
し、その特性を活かしつつ、熱収縮応力がより低いポリ
プロピレン(本明細書では単にポリプロピレンと表現し
てあるが、ホモポリマーの他、ブロックコポリマー、ラ
ンダムコポリマー等コポリマーを含む概念である)フィ
ルムを提案することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、二軸延伸
ポリプロピレン系フィルムを使用した熱収縮包装におけ
る熱収縮応力の低下について鋭意研究した結果、特定の
極限粘度、特定のヘプタン溶解性、特定の低立体規則性
の分子構造、特定の熱融解特性を有するプロピレン系樹
脂を使用することにより、所期の課題を解決することを
見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の要旨は、以
下の通りである。 (第1)気相1段重合法又はスラリー1段重合法により
得られる軟質ポリプロピレン樹脂であって、(a)極限
粘度〔η〕が1.2デシリットル/g以上の沸騰ヘプタン
可溶性ポリプロピレン10〜90重量%と、(b)極限
粘度〔η〕が0.5〜9.0デシリットル/gの沸騰ヘプタ
ン不溶性ポリプロピレン90〜10重量%とからなる軟
質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フィルム。 (第2)13C−NMRスペクトルによるペンタッド分率
(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜50
%である軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フ
ィルム。 (第3)13C−NMRスペクトルによるペンタッド分率
(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜50
%である上記第1記載の軟質ポリプロピレン樹脂層を有
する熱収縮性フィルム。 (第4)示差走査熱量分析計(DSC)により測定した
融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー(ΔH)
が、それぞれ150℃以上及び100J/g以下である
軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フィルム。 (第5)示差走査熱量分析計(DSC)により測定した
融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー(ΔH)
が、それぞれ150℃以上及び100J/g以下である
上記第1記載の軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収
縮性フィルム。 (第6)13C−NMRスペクトルによるペンタッド分率
(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜50
%であり,示差走査熱量分析計(DSC)により測定し
た融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー(Δ
H)が、それぞれ150℃以上及び100J/g以下で
ある軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フィル
ム。 (第7)13C−NMRスペクトルによるペンタッド分率
(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜50
%であり,示差走査熱量分析計(DSC)により測定し
た融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー(Δ
H)が、それぞれ150℃以上及び100J/g以下で
ある上記第1記載の軟質ポリプロピレン樹脂層を有する
熱収縮性フィルム。
【0008】以下、本出願に係る各発明の内容を詳細に
説明する。上記第1の発明は、気相1段重合法又はスラ
リー1段重合法により得られる軟質ポリプロピレンであ
り、極限粘度〔η〕及び沸騰ヘプタン溶解性が異なる1
のポリプロピレン10〜90重量%と、他のポリプロピ
レン90〜10重量%の2種類からなり、1は沸騰ヘプ
タン可溶性のポリプロピレンであり、その極限粘度
〔η〕は1.2デシリットル/g以上である必要があり、
1.5デシリットル/g以上であることが好ましい。1.2
デシリットル/g未満では熱収縮性フィルムの破断時応
力が低く、ゴム弾性が損なわれるおそれがある。1.2デ
シリットル/g以上であれば、この破断時応力及びゴム
弾性に関する上記問題はほとんど発生しないから充分で
あるが、1.5デシリットル/g以上であれば実質上発生
しなくなり、より安全である。
【0009】他は沸騰ヘプタン不溶性のポリプロピレン
であり、その極限粘度〔η〕は0.5〜9.0デシリットル
/gの範囲にある必要があり、好ましくは1.0〜6.0デ
シリットル/gの範囲である。0.5未満では熱収縮性フ
ィルムの耐衝撃性が著しく劣り、9.0デシリットル/g
を超えるとフィルムの成形が困難になる傾向が見られる
ため、避けなければならない。極限粘度〔η〕は0.5〜
9.0デシリットル/gの範囲内にあれば、上記問題はほ
とんど発生しないが、1.0〜6.0デシリットル/gの範
囲にあれば実質上発生しなくなるからより安全である。
なお、上記極限粘度〔η〕は温度135℃のデカリン溶
液について測定した値である。
【0010】上記第2の発明は、13C−NMRスペクト
ルによるペンタッド分率(rrrr/(1−mmmm)
×100)が15〜50%であることを要求する。この
範囲は、立体規則性プロピレン系樹脂の13C−NMRス
ペクトルから算出されるペンタッド分率(rrrr/
(1−mmmm)×100)の値から算出される値の範
囲であり、15%未満の場合は、ポリプロピレンフィル
ムの二軸延伸加工処理、即ち延伸性が劣り、使用可能な
延伸フィルムが得られない。又、逆に50%を超える
と、立体規則性が高くなり過ぎるためか、二軸延伸ポリ
プロピレンフィルムの熱収縮応力を適性な所望範囲に低
下させることができない。これらの諸点から、上記ペン
タッド分率は15〜50%の範囲にあることが必要であ
る。
【0011】なお、上記ペンタッド分率(rrrr/
(1−mmmm)×100)のrrrrとは、任意の連
続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結
合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基が交
互に反対方向に位置する立体構造あるいはその割合を意
味し、mmmmとは任意の連続する5つのプロピレン単
位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、側
鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立
体構造あるいはその割合を意味する。また、rrrr/
(1−mmmm)×100は次のようにして測定した値
である。すなわち、JNM−FX−200(日本電子社
製,13C−核共鳴周波数50.1MHz)を用い、測定モ
ード:プロトン完全デカップリング法,パルス幅:6.9
μs(45°),パルス繰り返し時間:3s,積算回
数:10000回,溶媒:1,2,4−トリクロロベン
ゼン/重ベンゼン(90/10容量%),試料濃度25
0mg/2.5ミリリットル溶媒,測定温度:130℃の
条件にて、13C−NMR測定を行い、メチル基の立体規
則性によるケミカルシフトの違いにより、即ち、22.5
〜19.5ppm領域に現れる下記mmmm〜mrrmの
各ピークの面積強度比から、ペンタッド分率を測定し、
rrrr/(1−mmmm)×100の値を求めた。 mmmm:21.86ppm mmmr:21.62ppm mmrr:21.08ppm mmrm+rrmr:20.89ppm rrrr:20.36ppm mrrm:19.97ppm
【0012】上記第3の発明は、前記第1の発明の構成
要件に更に前記第2の発明に規定した構成要件が付加さ
れたものであり、前記第1及び第2の発明の各構成要件
の臨界性についての説明がそのまま適合し、低熱収縮応
力を持つ強靱な熱収縮性フィルムを得ることができる。
【0013】上記第4の発明は、軟質ポリプロピレン樹
脂層を有する熱収縮性フィルムの構成要件として、示差
走査熱量分析計(DSC)により測定した融解ピーク温
度(Tm)及び融解エンタルピー(ΔH)が、それぞれ
150℃以上及び100J/g以下であることを要求し
ている。融解ピーク温度(Tm)が150℃未満では耐
熱性が極度に低い熱収縮性フィルムしか得られないばか
りか、ポリプロピレンフィルムの二軸延伸加工性、即ち
延伸性が劣り、ポリプロピレンフィルム特有の耐熱性を
有し、且つ実用性の高い熱収縮性を備えた延伸フィルム
が得られない。なお、ここに言う融解ピーク温度(T
m)は、Perkin−Elmer社製DSC−7を用
いて測定を行い、JIS K−7121に準拠して融解
ピークの温度として求めた値である。
【0014】更に、DSCにより測定した融解エンタル
ピー(ΔH)が100J/gを超えると、ポリプロピレ
ンフィルム成形時に熱劣化を起こしやすく、又該フィル
ムの二軸延伸加工処理、即ち延伸性が劣り、実用性のあ
る熱収縮性を備えた延伸フィルムが得られない。なお、
ここに言うΔHは、Perkin−Elmer社製DS
C−7を用いて測定を行い、JIS K−7122に準
拠して結晶融解時に吸収される総熱エネルギーとして求
めた値である。
【0015】上記第5の発明は、前記第1の発明の構成
要件に更に第4の発明に規定した構成要件が付加された
ものであり、前記第1及び第4の発明の各構成要件の臨
界性についての説明がそのまま適合し、延伸性に優れ、
延伸時の熱劣化がなく、低熱収縮応力を備えた強靱な熱
収縮フィルムを得ることができる。
【0016】上記第6に係る発明は、前記第2の発明の
構成要件に加え、前記第4の発明の構成要件が付加され
て要求されており、当該各構成要件の臨界性についての
説明がそのまま適合し、延伸性に優れ、低熱収縮応力を
備え、延伸時の熱劣化がない強靱な熱収縮性フィルムを
得ることができる。
【0017】上記第7の発明は、前記第1の発明の構成
要件に更に前記第6の発明に規定した構成要件が付加さ
れたものであり、前記第1及び第6の発明の各構成要件
の臨界性についての説明がそのまま適合し、延伸性に優
れ、延伸時の熱劣化がなく、低熱収縮応力を備えた強靱
な熱収縮性フィルムを得ることができる。なお、前記第
1の発明ないし上記第7の発明に係る軟質ポリプロピレ
ン樹脂は、構成要件である上記ペンタッド分率、融解ピ
ーク温度及び融解エンタルピーを満たす範囲において、
エチレン、ブテン−1などのコモノマーの存在は許され
る。
【0018】前記第1ないし第7の発明に係る熱収縮性
フィルムの製造方法は特に限定されるものではないが、
従来知られている合成樹脂製特にポリプロピレン製二軸
延伸フィルムの製造方法の条件を変えることにより、ほ
とんどそのまま適用でき、フラットな原反又はチューブ
状原反を成形し、テンター方式又はインフレーション方
式(バブル延伸方式)により、同時又は逐次二軸延伸す
る方法が最も好適である。なお、高い熱収縮性を付与す
るためには、延伸速度は可及的高速で行い、延伸温度は
可及的低温で行なうことが好ましく、また延伸処理後の
急冷処理が好ましく採用される。もっとも、熱収縮性の
程度の調節のために、延伸処理後に適宜アニール処理を
してもよい。
【0019】上記第1ないし第7の各発明に係る熱収縮
性フィルム用ポリプロピレン樹脂には、成形用添加材と
して一般的に知られているアンチブロッキング剤、滑
剤、帯電防止剤、核剤、延伸配向剤、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、難燃剤、顔料、充填剤、相溶化剤等を
適宜添加することができる。
【0020】更に、上記各発明に係る熱収縮性フィルム
は、その熱収縮特性を阻害しない限り、機械的強度、溶
断シール強度、包装適性等の向上の要求に応じて、上記
説明のポリプロピレンフィルム単層構造のものの他、延
伸した又は無延伸の低密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体の金属塩等のアイオノマー、石油
樹脂等のフィルム又は樹脂を積層してなる多層構造のも
のであってもよい。これら多層構造のフィルムは、通常
の方法で複数枚のフィルムの積層加工で製造される他、
ポリプロピレンフィルム表面に上記各種樹脂を溶融積層
する方法でも製造される。なお、前記第1ないし第7の
発明に係る熱収縮性フィルムは、ポリプロピレンフィル
ムのみの延伸処理の他、上記多層フィルムの延伸処理に
よっても製造することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本願発明を説明する。 (実施例1)気相1段重合法により得られ、極限粘度
〔η〕が1.21デシリットル/gの沸騰ヘプタン可溶性
ポリプロピレン28重量%、極限粘度〔η〕が2.00デ
シリットル/gの沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン7
2重量%とからなる軟質ポリプロピレン樹脂であって、
MIが2.6g/10分の樹脂を、ダイス温度240℃の
サーキュラーダイスから押し出して得られたチューブ状
未延伸原反シートを水冷方式で急冷した後、炉温度を4
00℃に設定した遠赤外線炉を使用して加熱しつつ、チ
ューブラー延伸法により縦及び横方向共に5.0倍に延伸
し、急冷して二軸延伸プロピレンフィルムを得た。この
二軸延伸フィルムの最大熱収縮応力は、15kg/cm
2 であった。一方、得られた上記フィルムを用いて直方
体の紙箱を覆い、溶断シール法で袋状に包装し、収縮ト
ンネル内温度155℃のシュリンク包装機を用いて熱収
縮包装テストをした。更に、収縮トンネル内温度を20
〜30℃上げた場合の熱収縮包装テストも行なった。そ
の結果、いずれの場合も収縮フィルムに白化、溶融破
れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形ないし
破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0022】(実施例2)軟質ポリプロピレン樹脂とし
て、13C−NMRスペクトルによるペンタッド分率が3
0%であり、MIが2.6g/10分の樹脂を使用した以
外は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを製造し、
熱収縮包装テストも行なったが、収縮フィルムに白化、
溶融破れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形
ないし破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0023】(実施例3)実施例1の軟質ポリプロピレ
ン樹脂であって、13C−NMRスペクトルによるペンタ
ッド分率が30%であり、MIが2.6g/10分の樹脂
を使用した以外は実施例1と同様にして熱収縮性フィル
ムを製造し、熱収縮包装テストも行なったが、収縮フィ
ルムに白化、溶融破れ、溶断シール部の剥離、被包装体
の紙箱の変形ないし破壊等のいずれの現象も見られなか
った。
【0024】(実施例4)軟質ポリプロピレン樹脂とし
て、DSCにより測定した融解ピークが159℃,DS
Cにより測定した融解エンタルピーが60.9J/gであ
り、MIが2.6g/10分の樹脂を使用した以外は実施
例1と同様にして熱収縮性フィルムを製造し、熱収縮包
装テストも行なったが、収縮フィルムに白化、溶融破
れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形ないし
破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0025】(実施例5)実施例1の軟質ポリプロピレ
ン樹脂であって、DSCにより測定した融解ピークが1
59℃,DSCにより測定した融解エンタルピーが60.
9J/g,MIが2.6g/10分の樹脂を使用した以外
は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを製造し、熱
収縮包装テストも行なったが、収縮フィルムに白化、溶
融破れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形な
いし破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0026】(実施例6)軟質ポリプロピレン樹脂とし
て、13C−NMRスペクトルによるペンタッド分率が3
0%であり、DSCにより測定した融解ピークが159
℃,DSCにより測定した融解エンタルピーが60.9J
/g、MIが2.6g/10分の樹脂を使用した以外は実
施例1と同様にして熱収縮性フィルムを製造し、熱収縮
包装テストも行なったが、収縮フィルムに白化、溶融破
れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形ないし
破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0027】(実施例7)実施例1の軟質ポリプロピレ
ン樹脂であって、13C−NMRスペクトルによるペンタ
ッド分率が30%であり、DSCにより測定した融解ピ
ークが159℃,DSCにより測定した融解エンタルピ
ーが60.9J/g以下である樹脂を使用した以外は実施
例1と同様にして熱収縮性フィルムを製造し、熱収縮包
装テストも行なったが、収縮フィルムに白化、溶融破
れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形ないし
破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0028】(実施例8)3層フィルム成形用サーキュ
ラーダイスを用い、中間層には実施例1で使用した軟質
ポリプロピレン樹脂と同じ樹脂を供給し、両外層には密
度が0.915,MIが1.0のエチレン−1−オクテン共
重合体を供給し、実施例1と同様の原反成形及び延伸条
件で3層のチューブ状原反の成形及びで熱収縮性二軸延
伸フィルムを成形した(厚みは、中間層が6μm,両外
層がそれぞれ3μmであった)。この二軸延伸フィルム
の最大熱収縮応力は、12kg/cm2 であった。一
方、収縮トンネル内温度を135℃及び更に20〜30
℃高い温度にそれぞれ設定した以外は実施例1と同じ条
件で熱収縮包装テストを行なった。その結果、いずれの
場合も収縮フィルムに白化、溶融破れ、溶断シール部の
剥離、被包装体の紙箱の変形ないし破壊等のいずれの現
象も見られなかった。
【0029】(実施例9)実施例8と同様の3層フィル
ム成形用サーキュラーダイスを用い、中間層には気相1
段重合法により得られ、極限粘度〔η〕が1.25デシリ
ットル/gの沸騰ヘプタン可溶性ポリプロピレン15重
量%、極限粘度〔η〕が1.76デシリットル/gの沸騰
ヘプタン不溶性ポリプロピレン85重量%とからなる軟
質ポリプロピレン樹脂であって、MIが2.8g/10分
の樹脂を供給し、両外層にはMIが3.0のプロピレン−
エチレンランダム共重合体を供給し、実施例1と同様の
原反成形及び延伸条件で3層のチューブ状原反の成形及
びで熱収縮性二軸延伸フィルムを成形した(厚みは、中
間層が6μm,両外層がそれぞれ3μmであった)。こ
の二軸延伸フィルムの最大熱収縮応力は、17kg/c
2 であった。一方、実施例1と同じ条件で熱収縮包装
テストを行なったところ、いずれの場合も収縮フィルム
に白化、溶融破れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙
箱の変形ないし破壊等のいずれの現象も見られなかっ
た。
【0030】(実施例10)実施例1で使用した軟質ポ
リプロピレン樹脂に代え、その一部をMIが3.0のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体と置き換えた組成物
(前者と後者の重量比3:1)を用いた以外は、実施例
1と同様の条件で未延伸原反フィルム、及び二軸延伸フ
ィルムを成形した。得られた二軸延伸フィルムの最大熱
収縮応力は23kg/cm2 であった。一方、収縮トン
ネル内温度を135℃及び更に20〜30℃高い温度に
それぞれ設定した以外は実施例1と同じ条件で熱収縮包
装テストを行なった。その結果、いずれの場合も収縮フ
ィルムに白化、溶融破れ、溶断シール部の剥離、被包装
体の紙箱の変形ないし破壊等のいずれの現象も見られな
かった。実施例1と同じ条件で熱収縮包装テストを行な
ったところ、いずれの場合も収縮フィルムに白化、溶融
破れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱の変形ない
し破壊等のいずれの現象も見られなかった。
【0031】(比較例1)実施例2における軟質ポリプ
ロピレン樹脂に代え、MIが3のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体を用いた以外は実施例2と同じ条件で
未延伸原反フィルム、及び二軸延伸フィルムを成形し
た。この二軸延伸フィルムの最大熱収縮応力は、40k
g/cm2 であった。一方、得られた上記フィルムを用
いて直方体の紙箱を覆い、溶断シール法で袋状に包装
し、収縮トンネル内温度150℃のシュリンク包装機を
用いて熱収縮包装テストをしたところ、収縮フィルムに
白化、溶融破れ、溶断シール部の剥離、被包装体の紙箱
の変形ないし破壊等のいずれの現象も見られなかった
が、収縮トンネル内温度を10℃上げて同様のテストを
したところ、収縮フィルムの溶融破れ、被包装体の紙箱
の変形現象が見られた。
【0032】
【発明の効果】第1ないし第7の発明に係る特定の値又
は範囲に属する極限粘度、沸騰ヘプタン溶解性、ペンタ
ッド分率、融解ピーク温度及び融解エンタルピーで特定
される軟質ポリプロピレン樹脂を使用した熱収縮性フィ
ルムは、従来の高立体規則性プロピレン樹脂フィルムを
使用した場合に比較し、広収縮温度範囲、耐溶融破れ
性、溶断シール強度、透明性、低熱収縮応力発現性、耐
白化性等の点で優れた効果を発揮することが判った。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相1段重合法又はスラリー1段重合法に
    より得られる軟質ポリプロピレン樹脂であって、(a)
    極限粘度〔η〕が1.2デシリットル/g以上の沸騰ヘプ
    タン可溶性ポリプロピレン10〜90重量%と、(b)
    極限粘度〔η〕が0.5〜9.0デシリットル/gの沸騰ヘ
    プタン不溶性ポリプロピレン90〜10重量%とからな
    る軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フィル
    ム。
  2. 【請求項2】13C−NMRスペクトルによるペンタッド
    分率(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜
    50%である軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮
    性フィルム。
  3. 【請求項3】13C−NMRスペクトルによるペンタッド
    分率(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜
    50%である請求項1記載の軟質ポリプロピレン樹脂層
    を有する熱収縮性フィルム。
  4. 【請求項4】示差走査熱量分析計(DSC)により測定
    した融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー(Δ
    H)が、それぞれ150℃以上及び100J/g以下で
    ある軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フィル
    ム。
  5. 【請求項5】示差走査熱量分析計(DSC)により測定
    した融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー(Δ
    H)が、それぞれ150℃以上及び100J/g以下で
    ある請求項1記載の軟質ポリプロピレン樹脂層を有する
    熱収縮性フィルム。
  6. 【請求項6】13C−NMRスペクトルによるペンタッド
    分率(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜
    50%であり,示差走査熱量分析計(DSC)により測
    定した融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー
    (ΔH)が、それぞれ150℃以上及び100J/g以
    下である軟質ポリプロピレン樹脂層を有する熱収縮性フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】13C−NMRスペクトルによるペンタッド
    分率(rrrr/(1−mmmm)×100)が15〜
    50%であり,示差走査熱量分析計(DSC)により測
    定した融解ピーク温度(Tm)及び融解エンタルピー
    (ΔH)が、それぞれ150℃以上及び100J/g以
    下である請求項1記載の軟質ポリプロピレン樹脂層を有
    する熱収縮性フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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