JPH10110392A - プラスチックレンズの染色方法 - Google Patents

プラスチックレンズの染色方法

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JPH10110392A
JPH10110392A JP8258860A JP25886096A JPH10110392A JP H10110392 A JPH10110392 A JP H10110392A JP 8258860 A JP8258860 A JP 8258860A JP 25886096 A JP25886096 A JP 25886096A JP H10110392 A JPH10110392 A JP H10110392A
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JP
Japan
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plastic lens
dyeing
parts
dye
surfactant
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JP8258860A
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Mitsuki Okazaki
光樹 岡崎
Yoshinobu Kanemura
芳信 金村
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色性の悪いプラスチックレンズも容易に、
濃く、均一に、短時間で染色することを課題とする。 【解決手段】 染料を含み、染料以外の組成比が、水1
000部、界面活性剤5部以上、ベンジルアルコール1
0〜100部となる水性媒体中でプラスチックレンズを
染色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡用レンズ等の
各種光学用レンズなどに用いられるプラスチックレンズ
の染色方法、およびその染色方法によって得られるレン
ズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、無機ガラスレン
ズに比べて染色が容易であり、ファッション性が要求さ
れる眼鏡レンズとして、広く用いられている。このよう
なプラスチックレンズとしては、ジエチレングリコール
ビス(アリルカーボネート)を注型重合したCR−39
レンズが代表的で、各種の染料で容易に染色される。
【0003】しかしながら、このプラスチックレンズ
は、屈折率がNd=1.50と小さく、強度の補正を行
う場合、コバ厚または中心厚が厚くなる事が避けられ
ず、極めてファッション性が低下していた。
【0004】この問題を解決する為に、プラスチックレ
ンズ用樹脂自体の屈折率を向上させる研究が盛んに行わ
れている。しかしながら、樹脂の屈折率の向上に伴い、
染色性が低下したプラスチックレンズが多く、これらの
レンズを容易に染色する方法が強く望まれていた。この
要望に答えるべく、我々は検討を繰り返し、これらプラ
スチックレンズの染色方法を先に提案した(特開昭62
−255901号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記発明によれば、通
常染色が困難なプラスチックレンズも大部分は容易に問
題なく染色されるようになるものの、一部のプラスチッ
クレンズで、それでも染色が殆ど出来なかったり、染色
ムラが発生したりする場合があり、更なる改良が望まれ
ていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題に鑑み、更に検討を行った結果、染料と水の混合液
に、特定量以上の界面活性剤と特定量のベンジルアルコ
ールを加えた液体媒体中でプラスチックレンズの染色を
行えば、上記課題は解決され、先に提案した方法よりも
更に容易に染色できることを見出し、本発明に到達し
た。
【0007】即ち、本発明は、染料を含み、染料以外の
組成比が、水1000部、界面活性剤5部以上、ベンジ
ルアルコール10〜100部となる水性媒体中でプラス
チックレンズを染色する方法、並びにその方法によって
得られた染色プラスチックレンズである。
【0008】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明は、通常、次のように実施する。即ち、染料、水、
界面活性剤、及びベンジルアルコールを混合して染浴を
調製する。この染浴中にプラスチックレンズを浸漬し、
所定温度、所定時間で染色する。通常、50〜100℃
で数分〜数十分程度で染色レンズが得られる。また、染
浴は染色の効果を上げるために、一般的にかき混ぜを行
う。
【0009】本発明によって染色されるプラスチックレ
ンズは、有機化合物を主成分とする樹脂製レンズであ
り、例えば、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、カーボネート樹脂、エステル樹脂、オレフィン−
チオール樹脂、エポキシ−チオール樹脂、ウレタン−ア
クリレート樹脂、並びにそれらの併用樹脂製レンズ等が
挙げられるが、本発明はこれら列記した樹脂製レンズの
みの染色方法に限定されるものではない。
【0010】本発明で用いられる染料としては、耐候性
が良好なものが好ましく、アントラキノン系染料、キノ
フタロン系染料、ニトロジフェニルアミン系染料、及び
選択されたアゾ系染料からなる微粒化タイプの染料が使
用される。具体的には、例えば、スミカロン Blue
E−FBL、MLP Blue−2、Miketon
First Turquoise Blue G、D
isperse Blue 1、3、7、56、60、
79、81、87、197、214等、Miketon
Polyester Red SL、 4BF#30
0、MLP Red−2、Disperse Oran
ge 1、3、13、29、31、61、Disper
se Violet 1、35、38、43等、Mik
eton Polyester Yellow GL、
YL、5G、MLP Yellow−2、Disper
se First Yellow Z、Dispers
e Yellow 3、5、7、33、42、54、6
4、83、198等が挙げられる。本発明で用いられる
染料は単独でも、2種以上混合して使用しても良い。
又、上記例示の染料以外の染料も必要に応じ使用する事
ができる。
【0011】本発明で用いられる界面活性剤は、陰イオ
ン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性
剤で、通常陰イオン界面活性剤が好適に用いられる。陰
イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アル
キルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物、アルキル硫酸塩、アルキル燐酸塩等が挙げら
れ、その他にこれら陰イオン界面活性剤の1種又は2種
以上の縮合物、及び混合物等が挙げられる。非イオン界
面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチルアルキル
エーテル、アルキルアミンエーテル、ポリオキシアルキ
レンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。陽イオ
ン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が挙げ
られる。これら界面活性剤の中で、アルキル硫酸塩が好
ましく用いられる。
【0012】これら界面活性剤は、染料を染浴中に分散
状態にするのに用いられ、2種以上を混合して用いる事
もできる。添加量は、水1000部に対して、5部以上
で用いられる。5部未満では、染料が染浴中で均一に分
散されにくく、レンズが均一に染色されない場合があ
り、好ましくない。上限は特に制限はなく、染色するプ
ラスチックレンズの種類、染料の種類と量、界面活性剤
の種類、ベンジルアルコールの量及び染浴の温度等の諸
条件によって、適時決定される。通常、大量に界面活性
剤を用いた場合、その種類によっては染色力が低下する
場合があること、また経済的にも有利にならないことか
ら、200部以下の場合が多い。
【0013】本発明で用いられるベンジルアルコール
は、水1000部に対して、10〜100部の範囲で用
いられる。10部未満では、染色力向上効果が薄い。1
00部を越えると、レンズが均一に染色されない場合が
出てくるばかりでなく、経済的にも不利となる。
【0014】本発明の方法は、通常水を用いて染色浴を
調製するが、メタノール、エタノール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等の有機溶媒を混
合しても良い。また必要に応じ、その他の有機物質及び
無機物質も加えることができる。
【0015】また、本発明によって得られた染色レンズ
は、必要に応じ反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、
耐薬品性向上、防曇性付与、あるいはファッション性付
与等の改良を行うため、表面研磨、帯電防止処理、ハー
ドコート処理、無反射コート処理、調光処理等の物理的
あるいは化学的処理を施すことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。なお、得られたレンズの屈折率、アッベ
数、及び染色性評価は、以下の試験方法により評価し
た。
【0017】屈折率、アッベ数;ブルフリッヒ屈折計を
用い、20℃で測定した。 染色性濃度 ;厚さ9mmのプラスチックレンズ片
の可視光による透過率を測定した。評価基準は70%以
上を(×)、70〜50%以上を(○)、50%未満を
(◎)とした。 染色均一性 ;染色レンズ中に染色ムラ及び染料の
凝集があったものを(×)、無かったものを(○)とし
た。
【0018】プラスチックレンズの製造−1 ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−
1,11−ウンデカンジチオール(以下FSHと略
す。)106.3部、ビス(イソシアナートメチル)−
ノルボルネン(以下NBDiと略す。)10.0部、m
−キシリレンジイソシアナート100部、ジメチル錫ジ
クロリド0.009部、ジメチルシクロヘキシルアミン
0.009部、ジオクチルリン酸0.22部を混合し、
均一とした液をガラスモールドと樹脂製ガスケットから
なるモールドに注入し、加熱硬化させた。冷却後、離型
して得られたレンズは無色透明で、屈折率Nd=1.6
60、アッベ数νd=32であった。
【0019】実施例−1 スミカロン Blue E−FBL 10部、ラウリル
硫酸ナトリウム20部を水1000部に分散させ、ベン
ジルアルコール50部を加えた染浴を90℃に加熱し、
攪拌しながら、製造−1のレンズを2分間浸漬して染色
した。着色したレンズは、水とアセトンで洗浄したのち
乾燥した。こうして得られた青色のレンズは優秀な耐候
性を有していた。結果を表1に示す。
【0020】実施例−2 染料をMiketon Polyester Red
SLに変更した以外は、実施例−1と同様に染色を行っ
た。結果を表1に示す。
【0021】実施例−3 染料をMiketon Polyester Yell
ow GLに変更した以外は、実施例−1と同様に染色
を行った。結果を表1に示す。
【0022】実施例−4 染料を、スミカロン Blue E−FBL4部、Mi
keton Polyester Yellow GL
4部、Miketon PolyesterYello
w GL6部の3種類添加に変更した以外は、実施例−
1と同様に染色を行った。結果を表1に示す。
【0023】比較例−1 ラウリル硫酸ナトリウム20部を加えずに、実施例−4
と同様に染色を行った。結果を表1に示す。
【0024】比較例−2 ベンジルアルコール50部を加えずに、実施例−4と同
様に染色を行った。結果を表1に示す。
【0025】比較例−3 ラウリル硫酸ナトリウム20部とベンジルアルコール5
0部を加えずに、実施例−4と同様に染色を行った。結
果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例−5〜14、比較例−4〜5 製造例−1のプラスチックレンズを用いて、界面活性剤
及びベンジルアルコールの量の検討を行った。染色条件
は、浸漬時間を10分にした以外は、実施例−4と同じ
にした。結果を表−2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】プラスチックレンズの製造−2 3−チアペンタ−1,5−ジチオール−ジメタクリレー
ト90部、ジエチレングリコールジメタクリレート10
部、ベンジルメチルケタール0.01部、t−ブチルペ
ロキシ(2−エチルヘキサノエート)0.10部を混合
し、均一とした液をガラスモールドと樹脂性のガスケッ
トからなるモールドに注入し、UV照射後、加熱して硬
化させた。冷却後、離型して得られたレンズは無色透明
で、屈折率Nd=1.592、アッベ数νd=42であ
った。結果を表−3に示す。
【0030】プラスチックレンズの製造−3 平均分子量35000のビスフェノールAポリカーボネ
ートを加熱溶融し、金属性のモールドに注入して、冷却
硬化させた。離型して得られたレンズは無色透明で、屈
折率Nd=1.586、アッベ数νd=29であった。
結果を表−3に示す。
【0031】プラスチックレンズの製造例−4〜6 モノマー及びポリマーの種類をかえて、製造例−1、製
造例−2、又は製造例−3と同様な方法で各種プラスチ
ックレンズの製造を行った。結果を表−3に示す。
【0032】実施例−15〜19 MLP Blue−2を7部、MLP Red−2を7
部、MLP Yellow−2を10部、更にラウリル
硫酸ナトリウム20部を水1000部に分散させ、ベン
ジルアルコールを60部加えて、90℃で20分間攪拌
しながら製造例−2〜6のレンズを浸漬し、染色した。
得られたレンズは水とアセトンで洗浄した後乾燥した。
着色したレンズはグレーで、優秀な耐候性を有してい
た。結果を、表−3に示す。
【0033】比較例−6〜10 ラウリル硫酸ナトリウムとベンジルアルコールを加えず
に、実施例−15〜19と同様に染色を行った。結果を
表−3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】実施例−20〜25、比較例−11 製造例−1のレンズを用いて、染色条件は実施例−15
の条件で、界面活性剤の種類を変えて検討を行った。結
果を表−4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、染色性の悪いプラスチ
ックレンズも容易に、濃く、均一に、短時間で染色でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料を含み、染料以外の組成比が、水1
    000部、界面活性剤5部以上、ベンジルアルコール1
    0〜100部となる水性媒体中でプラスチックレンズを
    染色する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1によって得られた染色プラスチ
    ックレンズ。
  3. 【請求項3】 界面活性剤がアルキル硫酸塩である請求
    項1記載の染色方法。
  4. 【請求項4】 請求項3によって得られた染色プラスチ
    ックレンズ。
JP8258860A 1996-09-30 1996-09-30 プラスチックレンズの染色方法 Pending JPH10110392A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116145441A (zh) * 2014-07-10 2023-05-23 卡尔蔡司光学意大利有限公司 对用于护目镜和眼镜的镜片进行颜色染色的方法

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