JPH10110281A - 金属酸化物薄膜のエッチング方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜のエッチング方法

Info

Publication number
JPH10110281A
JPH10110281A JP26322096A JP26322096A JPH10110281A JP H10110281 A JPH10110281 A JP H10110281A JP 26322096 A JP26322096 A JP 26322096A JP 26322096 A JP26322096 A JP 26322096A JP H10110281 A JPH10110281 A JP H10110281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
hydrochloric acid
etchant
solution
specific gravity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26322096A
Other languages
English (en)
Inventor
Akimasa Yajima
明政 矢島
Yoshitsugu Ishizuka
義次 石塚
Masatoshi Tanaka
昌利 田中
Yoshikatsu Kubota
吉勝 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP26322096A priority Critical patent/JPH10110281A/ja
Publication of JPH10110281A publication Critical patent/JPH10110281A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング液の組成および成分含量が一定に
保たれ、エッチング製品の不良率が低下して信頼性が高
まり、さらにエッチング廃液量を極力減少させることの
できる金属酸化物薄膜のエッチング方法の提供。 【解決手段】 金属酸化物薄膜を基材表面上に形成し、
該薄膜を塩酸および塩化第2鉄を含有する水溶液からな
るエッチング液でエッチングする方法において、エッチ
ング液の比重を測定し、この結果に基づいてエッチング
液に塩酸水溶液を供給し、エッチング液の比重を設定値
に調節する比重調節工程と、エッチング液量を測定し、
この結果に基づいてエッチング液と同じ組成および成分
含量のエッチング補給液をエッチング液に供給し、エッ
チング液を所定量に調節する液量調節工程と、を有する
ことを特徴とする金属酸化物薄膜のエッチング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物薄膜の
エッチング方法に関するものであり、さらに詳しくは本
発明は、エッチング液の組成および成分含量が一定に保
たれ、エッチング性能が変化しないことにより、金属酸
化物薄膜を有するエッチング製品の不良率が低下して信
頼性が高まり、かつエッチング液の交換作業がなくなる
ため省力化に寄与し、さらにエッチング廃液量を極力減
少させることのできる金属酸化物薄膜のエッチング方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物、とくに酸化錫、酸化インジ
ウム、酸化錫−酸化インジウム等からなる金属酸化物
は、薄膜として液晶ディスプレイなどの表示素子、太陽
電池、タッチパネルなどの入力装置の透明電極として使
用されている。これらの金属酸化物のエッチング液とし
ては、塩化第2鉄および塩酸の混合水溶液が多用されて
いるが、エッチングを行うにつれ液の組成が変化するた
め、エッチング性能が変わり、製品の仕上がりに影響を
与え不良率の増大、信頼性の低下をもたらしていた。
【0003】近年、表示装置や入力装置は大型化すると
ともに、高密度化、微細化が行われており、より精度の
高いエッチング加工技術が求められている。
【0004】このような問題点を解決するための試みと
して、特開平第3−197335号公報には、塩化第2
鉄および塩酸を含むエッチング液を用いるエッチング方
法において、エッチング液の酸化還元電位、比重および
/または塩酸濃度を測定し、この結果に基づきエッチン
グ液に塩酸、塩化第2鉄および水を一定の割合で供給す
る方法が開示されている。
【0005】しかしながらこの方法は、エッチング加工
する基板の大きさ、単位時間あたりの処理量、ダクトの
吸引力などが大きく変化すると制御が難しくなる。例え
ば、単位時間あたりの処理量が多い場合を想定し決定し
た各成分の供給量で液制御を行いながら処理量を減らす
と、オーバーフローで排出されるエッチング液量が増加
することになる。上記と反対の場合はエッチング液量が
不足しエッチング不可となる。
【0006】近年、産業廃棄物の処理は深刻さが増して
いるが、エッチング廃液も廃棄処分の難しいものの一つ
である。上記の従来技術でも液交換が不要となり廃液量
は減少するが、処理量変化に対処し、安定した操業がで
きるように各成分の補給比率を決めると廃液量が増加す
ることは否めない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、エッチング液の組成および成分含量が一定に保た
れ、エッチング性能が変化しないことにより、金属酸化
物薄膜を有するエッチング製品の不良率が低下して信頼
性が高まり、かつエッチング液の交換作業がなくなるた
め省力化に寄与し、さらにエッチング廃液量を極力減少
させることのできる金属酸化物薄膜のエッチング方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、基材表面上の酸化錫、酸
化インジウム、酸化錫−酸化インジウム等の薄膜は、膜
の厚さが薄くエッチング液への溶解量が極めて小さく、
これらをエッチングする際のエッチング液の性能変化は
化学反応によって起こるのではなく、水、塩酸などの揮
発成分が蒸発するために起こることを見いだした。さら
に、エッチング液は、エッチング対象物に付着し、ある
いはミストとなって排気ダクトに排出され、これに伴っ
て溶解した金属酸化物も排出されるため、エッチャーを
長期間運転してもエッチング性能を変化させるまで溶解
量は増加しないことを見いだし本発明に到達した。
【0009】即ち本発明の第1は、酸化錫、酸化インジ
ウムおよび酸化錫−酸化インジウムから選択された少な
くとも一つの金属酸化物薄膜を基材表面上に形成し、該
薄膜を少なくとも塩酸および塩化第2鉄を含有する水溶
液からなるエッチング液でエッチングする金属酸化物薄
膜のエッチング方法において、エッチング液の比重を測
定し、この測定結果に基づいてエッチング液に塩酸水溶
液を供給し、エッチング液の比重を設定値に調節する比
重調節工程と、エッチング液量を測定し、この測定結果
に基づいてエッチング液と同じ組成および成分含量のエ
ッチング補給液をエッチング液に供給し、エッチング液
を所定量に調節する液量調節工程と、を有することを特
徴とする金属酸化物薄膜のエッチング方法である。
【0010】また本発明の第2は、酸化錫、酸化インジ
ウムおよび酸化錫−酸化インジウムから選択された少な
くとも一つの金属酸化物薄膜を基材表面上に形成し、該
薄膜を少なくとも塩酸および塩化第2鉄を含有する水溶
液からなるエッチング液でエッチングする金属酸化物薄
膜のエッチング方法において、エッチング液の比重を測
定し、この測定結果に基づいてエッチング液に塩酸水溶
液を供給し、エッチング液の比重を設定値に調節する比
重調節工程と、エッチング液の酸化還元電位を測定し、
この測定結果に基づいてエッチング液に塩化第1鉄を供
給し、エッチング液の酸化還元電位を設定値に調節する
工程と、エッチング液量を測定し、この測定結果に基づ
いてエッチング液と同じ組成および成分含量のエッチン
グ補給液をエッチング液に供給し、エッチング液を所定
量に調節する液量調節工程と、を有することを特徴とす
る金属酸化物薄膜のエッチング方法である。
【0011】さらに本発明の第3は、比重調節工程に用
いられる塩酸水溶液の代わりに、該塩酸水溶液にエッチ
ング液量調節工程で使用するエッチング補給液の一部を
加えた塩酸含有水溶液が用いられる前記の金属酸化物薄
膜のエッチング方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1ないし第3に共通し
て用いられる、金属酸化物薄膜をエッチングするエッチ
ング液は、少なくとも塩酸および塩化第2鉄を含有する
水溶液からなるエッチング液であり、とくに、酸化錫、
酸化インジウム、酸化錫−酸化インジウムの少なくとも
一つからなる金属酸化物薄膜をエッチングする場合に
は、好ましくは塩酸濃度1〜30重量%、塩化第2鉄濃
度1〜40重量%であるのがよく、さらに好ましくは、
塩酸濃度5〜20重量%、塩化第2鉄濃度15〜35重
量%がよい。
【0013】本発明の第1は、上記エッチング液で金属
酸化物薄膜をエッチングするに際し、次の2つの工程を
採用してエッチング液の量、組成および成分含量を制御
するものである。即ち、エッチング液の比重を測定し、
この測定結果に基づいてエッチング液に塩酸水溶液を供
給し、エッチング液の比重を設定値に調節する比重調節
工程、およびエッチング液量を測定し、この測定結果に
基づいてエッチング液と同じ組成および成分含量のエッ
チング補給液をエッチング液に供給し、エッチング液量
を所定量に調節する液量調節工程である。
【0014】エッチング処理中のエッチング液の組成お
よび成分含量変化は、主に水および塩化水素の蒸発に起
因し、その組成および成分含量変化は、エッチング液の
比重を測定することで検知することができる。従って、
本発明の第1では、エッチング液の比重を測定し、この
測定結果に基づいて所定比重(濃度)とするように、蒸
発で失われた水および塩化水素を補給するべく塩酸水溶
液をエッチング液に供給するものである。この結果エッ
チング液組成および成分含量を一定に保つことができ
る。
【0015】ここで、供給する塩酸水溶液における水と
塩化水素の割合(塩酸濃度)は、塩酸水溶液の供給によ
ってエッチング液が所定比重(濃度)となるように、蒸
発によって失われる水と塩化水素の割合と同じに設定し
ておくのがよい。この割合は、エッチング環境、即ち、
エッチング温度、スプレー圧(スプレー式の場合)、エ
ッチャーの構造、排気の吸引力、排気量等により左右さ
れるので、実際に使用するエッチャーを使い、実際のエ
ッチング条件で予備的にエッチング処理し、蒸発により
失われる水と塩化水素の割合を予め測定しておけば、容
易にこれを設定することができる。
【0016】エッチング液の変化は、組成および成分含
量の変化だけにとどまらない。即ち、エッチング液はエ
ッチング対象物に付着して系外へ持ち出され、あるいは
ミストとなって排気ダクトに排出されるので、エッチン
グ処理の経過に従って、エッチング液量は減少する。従
って、エッチング液量を測定し、この測定結果に基づい
てエッチング液を所定液量とするようエッチング液と同
じ組成および成分含量のエッチング補給液をエッチング
液に供給することで、エッチング液量は一定に保たれ
る。
【0017】この場合、エッチング液と同じ組成および
成分含量のエッチング補給液として、各種成分の混合溶
液として供給してもよいし、各成分毎にエッチング液と
同じ組成となるようそれぞれ供給してもよい。
【0018】本発明の第2は、上記エッチング液で金属
酸化物薄膜をエッチングするに際し、次の3つの工程を
採用してエッチング液の組成と量を制御するものであ
る。即ち、エッチング液の比重を測定し、この測定結果
に基づいてエッチング液に塩酸水溶液を供給し、エッチ
ング液の比重を設定値に調節する比重調節工程、エッチ
ング液の酸化還元電位を測定し、この測定結果に基づい
てエッチング液に塩化第1鉄を供給し、エッチング液の
酸化還元電位を設定値に調節する工程、およびエッチン
グ液量を測定し、この測定結果に基づいてエッチング液
と同じ組成および成分含量のエッチング補給液をエッチ
ング液に供給し、エッチング液を所定量に調節する液量
調節工程である。
【0019】エッチング処理過程におけるエッチング液
の変化は上述の通りであり、このエッチング液の比重を
測定し、この測定結果に基づいてエッチング液に塩酸水
溶液を供給し、エッチング液の比重を設定値に調節する
比重調節工程は上記第1発明と同様のものである。
【0020】エッチング液は、とくにスプレー式のエッ
チングを行った場合などには、空気中の酸素により酸化
されて、エッチング液の酸化還元電位が変化する。この
ような状況で酸化還元電位が変化しても金属酸化物のエ
ッチングには影響しないが、通常エッチングではエッチ
ングレジストを使用してマスクパターンを形成し、エッ
チング部と非エッチング部を形成することが多いが、エ
ッチング液の酸化還元電位が変化すると、エッチングレ
ジストによってはレジスト性能の低下を来すものがある
ので、エッチング液の酸化還元電位は変化しない方が好
ましいものである。
【0021】このため、本発明の第2は、エッチング液
の酸化還元電位を調整するための工程を有している。即
ち、エッチング液の酸化還元電位を測定し、この測定結
果に基づいてエッチング液に塩化第1鉄を供給し、エッ
チング液の酸化還元電位を設定値に調節する工程であ
る。
【0022】塩化第1鉄の形態は限定されないが、水溶
液であることが操作上好ましい。塩化第1鉄は、エッチ
ング液中で塩化第2鉄に変化することでエッチング液の
酸化還元電位を調整する。したがって、より好ましく
は、塩化第1鉄が塩化第2鉄に変化したときにエッチン
グ液組成と同じになるように塩酸と共に供給するのがよ
い。なお、このとき塩化第2鉄も併存させておくと酸化
還元電位の調整がし易いのでより好ましい。塩化第1鉄
が変化する塩化第2鉄は上記の通り本発明に使用するエ
ッチング液の成分であるから、塩化第1鉄供給によるエ
ッチングへの悪影響はない。しかし、塩化第1鉄は塩化
第2鉄に変化し、その分エッチング液中の塩化第2鉄濃
度が上昇することになるので、この影響が相殺できるよ
うに塩酸等の他の成分を調整した塩化第1鉄補給液を使
用するのが好ましい。エッチング液を所定量に調節する
液量調節工程は上記第1発明と同様のものである。
【0023】なお、塩化第1鉄から塩化第2鉄への変化
の影響は次のようにしても消すことができる。即ち、エ
ッチング補給液に代えて、塩化第1鉄がエッチング液中
で塩化第2鉄に変化することによるエッチング液中の塩
化第2鉄の増加を相殺するように塩化第2鉄量を減じた
ものであること以外はエッチング液と同じである液を使
用してエッチング液量を調整し、これにみあうよう調整
した塩化第1鉄補給液を供給する。
【0024】塩化第1鉄補給液組成は、実際のエッチン
グと同様の条件で予備的エッチングを実施しておけば容
易に設定することができる。
【0025】本発明の第2においても、供給する液は、
各種成分の混合溶液として供給してもよいし、各成分毎
にエッチング液と同じ組成となるようそれぞれ供給して
もよい。
【0026】本発明の第3は、上記第1発明および第2
発明の比重調節工程に使用される塩酸水溶液の代わり
に、該塩酸水溶液にエッチング液量調節工程で使用する
エッチング補給液の一部を加えた塩酸含有水溶液が用い
られること以外は、上記各発明と同様である。
【0027】上述してきた通り、本発明は、蒸発に起因
するエッチング液組成および成分含量の変化を調整する
比重調節工程と、エッチング液量の減少を調整する液量
調節工程とを有するものであり、第1および第2発明の
比重調節工程では、蒸発して失われた成分、すなわち塩
酸および水のみを供給した。しかしながら本発明の第3
は、塩酸および水以外の成分も比重調節工程において導
入しようとするものである。
【0028】なお、第3発明の態様において、塩酸およ
び水を除く成分の濃度がエッチング液より希薄であれば
あるほど、エッチング処理量等が変化したときに、液量
調節工程で対応できる幅が大きくなるので好ましい。換
言すると、塩酸および水を除く成分の濃度がエッチング
液に近いと、エッチング液減量が少なくなる方向に変化
したとき、エッチング液比重の変化を調整しただけで必
要以上のエッチング液が供給され、オーバーフロー廃液
が生じ易くなるので好ましくない。
【0029】本発明においては、上記のように本発明の
目的を阻害しない範囲で所望によりエッチング液に界面
活性剤を添加してもよい。
【0030】本発明において、エッチング対象物の金属
酸化物の膜厚さは通常、数10Å〜数μmである。
【0031】エッチング温度はとくにに限定されない
が、概ね30〜60℃、スプレー圧力は0.3〜3kg
/cm2、エッチング時間は0.5〜5分とすればよ
い。
【0032】
【実施例】実施例 1 図1に示した装置を使用し金属酸化物のエッチングを行
った。エッチャー1はスプレー式の有効エッチング長さ
1.8mであり、エッチング液保有容量は300リット
ルである。エッチング対象基板はガラスであり、そのサ
イズは500mm×700mm、厚さ0.5mmであ
り、その上にスパッタ法により厚さ1500Åの酸化錫
−酸化インジウムの薄膜を形成し、常法により液体フォ
トレジストを使用しパターニングを行った。使用したエ
ッチング液の塩酸濃度は10重量%、塩化第2鉄濃度は
28重量%である。
【0033】次に図1に示す装置の動作について説明す
る。エッチャー1内のエッチング液を、エッチング液の
送液ポンプ5により、エッチング液の送り配管8を通し
て比重検出制御部2に送り、エッチング液の戻り配管9
を通してエッチャー1に戻す。比重の測定は常時行い、
この結果が設定値以上になったら比重にかかわるポンプ
稼働停止信号配線Aを使って送液ポンプ6を稼働し、送
り配管10を通して塩酸水溶液貯槽3から塩酸水溶液を
エッチャー1へ供給し、所望の比重の設定値になったら
送液ポンプ6を停止する。また、エッチャー1の液面セ
ンサーからエッチャーの液面にかかわる信号配線Bを通
して液面低下の信号を受け取り、エッチャーの液面にか
かわるポンプの稼働停止信号配線Cを使って送液ポンプ
7を稼働し、送り配管11を通してエッチング補給液貯
槽4からエッチング補給液をエッチャー1に供給し、エ
ッチャー液面が適位になったら送液ポンプ7を停止す
る。
【0034】本実施例1において、塩酸水溶液の塩酸濃
度は35.1重量%とした。また、エッチング補給液の
塩酸濃度および塩化第2鉄濃度は、上記のエッチング液
と同じに設定した。なお、比重の設定値は1.328で
ある。エッチング条件は温度40℃、スプレー圧力0.
7kg/cm2、コンベア速度0.9m/分とした。
【0035】その結果、10時間で450枚の基板を処
理したところエッチングにかかわる不良品の発生はなか
った。また、この間に供給した塩酸水溶液は22リット
ル、エッチング補給液は40リットルであった。
【0036】上記の要領で一ヶ月間エッチング処理を続
け、エッチャー内のエッチング液の分析を行った結果は
表1のようになった。液組成の制御が極めて精度高く行
われていることがわかる。なお、本法によればオーバー
フロー廃液の発生がなく、液交換の必要もないことが確
認された。
【0037】
【表1】 表 1 日数 処理枚数 比重 塩酸 塩化第2鉄 インジウム 錫 (40 ℃) % % ppm ppm 0 0 1.328 10.1 28.0 − − 5 2050 1.327 10.0 27.8 820 78 10 4510 1.329 10.0 28.2 1520 148 15 6720 1.328 10.1 28.1 2050 194 20 9050 1.328 10.1 28.0 2300 220 25 11300 1.327 10.0 27.9 2610 252 30 13620 1.327 10.2 27.8 2560 240
【0038】実施例 2 実施例1と同じ装置を使用し、実施例1と同様の基板の
エッチングを行った。ただし、使用したエッチング液の
塩酸濃度は12.5重量%、塩化第2鉄濃度は24.8
重量%である。比重の測定結果に基づき供給する塩酸水
溶液の塩酸濃度は28.0重量%であり、エッチャーの
液量を調べ供給するエッチング補給液の塩酸濃度および
塩化第2鉄濃度は上記のエッチング液と同じである。エ
ッチング温度は50℃、スプレー圧力は0.5kg/c
2、コンベア速度は1.2m/分とした。比重設定値
=1.292とし、実施例1と同様にして塩酸水溶液お
よびエッチング補給液を供給しながらエッチング処理を
行った。10時間で基板530枚の処理を行った。この
間の塩酸水溶液の使用量は36リットル、エッチング補
給液の使用量は37リットルであった。3ヶ月運転を続
け約46000枚の基板を処理したところ、エッチング
にかかわる不良品の発生はなかった。また、エッチング
液の分析結果は表2のようになり制御精度が高いことが
確認された。
【0039】
【表2】 表 2 日数 処理枚数 比重 塩酸 塩化第2鉄 インジウム 錫 (40 ℃) % % ppm ppm 0 0 1.292 12.5 24.8 − − 10 5150 1.291 12.5 24.6 1600 152 20 9610 1.290 12.5 24.6 2400 228 30 16700 1.291 12.6 24.7 2750 264 60 32000 1.292 12.6 24.8 2680 267 90 46000 1.292 12.6 24.9 2710 270
【0040】比較例 1 実施例1と同様の処理を制御装置を稼働せずに行った。
1220枚処理したところでエッチング不足による不良
品が発生した。この時のエッチング液の組成分析の結果
は表3のとおりであった。
【0041】
【表3】表 3 塩酸 塩化第2鉄 % % 8.3 31.8
【0042】実施例 3 図2に示した装置を使用し金属酸化物のエッチングを行
った。エッチャーおよびエッチング対象は実施例1と同
様である。エッチング液組成、比重の測定結果に基づき
供給する塩酸水溶液およびエッチャーの液量を調べ供給
するエッチング補給液の各組成も実施例1と同様であ
る。酸化還元電位の測定結果に基づき供給する塩化第1
鉄補給液の組成は塩酸濃度13重量%、塩化第2鉄濃度
14重量%、塩化第1鉄濃度11重量%である。塩酸水
溶液およびエッチング補給液は実施例1と同様に補給
し、塩化第1鉄補給液はエッチング液の酸化還元電位が
612mV以上になったら自動供給した。
【0043】次に図2に示す装置の動作について説明す
る。エッチャー1内のエッチング液を、エッチング液の
送液ポンプ5により、エッチング液の送り配管8を通し
て比重検出制御部2に送り、エッチング液の戻り配管9
を通してエッチャー1に戻す。比重の測定は常時行い、
この結果が設定値以上になったら比重にかかわるポンプ
稼働停止信号配線Aを使って送液ポンプ6を稼働し、送
り配管10を通して塩酸水溶液貯槽3から塩酸水溶液を
エッチャー1へ供給し、所望の比重の設定値になったら
送液ポンプ6を停止する。酸化還元電位の測定も常時行
い、この結果が設定値以上になったら酸化還元電位にか
かわるポンプ稼働停止信号配線Dを使って送液ポンプ1
2を稼働し、送り配管13を通して塩化第1鉄補給液貯
槽14から塩化第1鉄補給液をエッチャー1に供給し、
所望の酸化還元電位の設定値になったら送液ポンプ12
を停止する。また、エッチャー1の液面センサーからエ
ッチャーの液面にかかわる信号配線Bを通して液面低下
の信号を受け取り、エッチャーの液面にかかわるポンプ
の稼働停止信号配線Cを使って送液ポンプ7を稼働し、
送り配管11を通してエッチング補給液貯槽4からエッ
チング補給液をエッチャー1に供給し、エッチャー液面
が適位になったら送液ポンプ7を停止する。
【0044】10時間で430枚の基板を処理したとこ
ろエッチングにかかわる不良品は発生しなかった。この
間に供給した塩酸水溶液は21リットル、塩化第1鉄補
給液は1.8リットル、エッチング補給液は37リット
ルとなった。また、一カ月間のエッチング液分析結果
は、酸化還元電位は613〜609mVであり、その他
はほぼ表1と同様で制御制度の高い結果を得た。
【0045】実施例 4 実施例2の比重調節用塩酸水溶液に代えて、実施例2の
塩酸水溶液と実施例2のエッチング補給液を3.5:1
の重量比で混合して調製した塩酸含有水溶液を使用した
こと以外は、すべて実施例2と同様に行った。10時間
で520枚の基板を処理したところエッチングにかかわ
る不良品は発生しなかった。この間に供給した塩酸含有
水溶液は45リットル、エッチング補給液は28リット
ルとなった。その後も同様の処理を継続し、エッチング
液を分析した結果は、ほぼ表2と同様で制御制度の高い
結果を得た。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、エッチング液の組成お
よび成分含量が一定に保たれ、エッチング性能が変化し
ないことにより、金属酸化物薄膜を有するエッチング製
品の不良率が低下して信頼性が高まり、かつエッチング
液の交換作業がなくなるため省力化に寄与し、さらにエ
ッチング廃液量を極力減少させることのできる金属酸化
物薄膜のエッチング方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の一例を示す図で
ある。
【図2】本発明を実施するための装置の他の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 スプレー式エッチャー 2 比重検出制御部 3 塩酸水溶液貯槽 4 エッチング補給液貯槽 5,6,7,12 送液ポンプ 8 エッチング液の送り配管 9 エッチング液り戻り配管 10 エッチング補給液の送り配管 11 塩酸水溶液の送り配管 13 塩化第1鉄補給液の送り配管 14 塩化第1鉄補給液貯槽 A,B,C,D 信号配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 吉勝 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化錫、酸化インジウムおよび酸化錫−
    酸化インジウムから選択された少なくとも一つの金属酸
    化物薄膜を基材表面上に形成し、該薄膜を少なくとも塩
    酸および塩化第2鉄を含有する水溶液からなるエッチン
    グ液でエッチングする金属酸化物薄膜のエッチング方法
    において、 エッチング液の比重を測定し、この測定結果に基づいて
    エッチング液に塩酸水溶液を供給し、エッチング液の比
    重を設定値に調節する比重調節工程と、 エッチング液量を測定し、この測定結果に基づいてエッ
    チング液と同じ組成および成分含量のエッチング補給液
    をエッチング液に供給し、エッチング液を所定量に調節
    する液量調節工程と、を有することを特徴とする金属酸
    化物薄膜のエッチング方法。
  2. 【請求項2】 酸化錫、酸化インジウムおよび酸化錫−
    酸化インジウムから選択された少なくとも一つの金属酸
    化物薄膜を基材表面上に形成し、該薄膜を少なくとも塩
    酸および塩化第2鉄を含有する水溶液からなるエッチン
    グ液でエッチングする金属酸化物薄膜のエッチング方法
    において、 エッチング液の比重を測定し、この測定結果に基づいて
    エッチング液に塩酸水溶液を供給し、エッチング液の比
    重を設定値に調節する比重調節工程と、 エッチング液の酸化還元電位を測定し、この測定結果に
    基づいてエッチング液に塩化第1鉄を供給し、エッチン
    グ液の酸化還元電位を設定値に調節する工程と、 エッチング液量を測定し、この測定結果に基づいてエッ
    チング液と同じ組成および成分含量のエッチング補給液
    をエッチング液に供給し、エッチング液を所定量に調節
    する液量調節工程と、を有することを特徴とする金属酸
    化物薄膜のエッチング方法。
  3. 【請求項3】 比重調節工程に用いられる塩酸水溶液の
    代わりに、該塩酸水溶液にエッチング液量調節工程で使
    用するエッチング補給液の一部を加えた塩酸含有水溶液
    が用いられる請求項1または2に記載の金属酸化物薄膜
    のエッチング方法。
JP26322096A 1996-10-03 1996-10-03 金属酸化物薄膜のエッチング方法 Pending JPH10110281A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26322096A JPH10110281A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 金属酸化物薄膜のエッチング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26322096A JPH10110281A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 金属酸化物薄膜のエッチング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10110281A true JPH10110281A (ja) 1998-04-28

Family

ID=17386456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26322096A Pending JPH10110281A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 金属酸化物薄膜のエッチング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10110281A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005268790A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Dongjin Semichem Co Ltd エッチング組成物
JP2008547232A (ja) * 2005-07-04 2008-12-25 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 酸化物透明導電層のエッチング用の媒体
JP2009231427A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toagosei Co Ltd エッチング液、該エッチング液を用いた透明導電膜のエッチング方法及び被エッチング基板
KR101387711B1 (ko) * 2007-04-10 2014-04-23 에프엔에스테크 주식회사 평판디스플레이 유리기판 에칭장치
JP2016025138A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 株式会社平間理化研究所 エッチング液管理装置、エッチング液管理方法、及び、エッチング液の成分濃度測定方法
JP2018046263A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 東芝メモリ株式会社 基板処理装置および半導体装置の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005268790A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Dongjin Semichem Co Ltd エッチング組成物
JP2008547232A (ja) * 2005-07-04 2008-12-25 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 酸化物透明導電層のエッチング用の媒体
KR101387711B1 (ko) * 2007-04-10 2014-04-23 에프엔에스테크 주식회사 평판디스플레이 유리기판 에칭장치
JP2009231427A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toagosei Co Ltd エッチング液、該エッチング液を用いた透明導電膜のエッチング方法及び被エッチング基板
JP2016025138A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 株式会社平間理化研究所 エッチング液管理装置、エッチング液管理方法、及び、エッチング液の成分濃度測定方法
JP2018046263A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 東芝メモリ株式会社 基板処理装置および半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7101517B2 (en) Processing solution preparation and supply method and apparatus
KR20100123652A (ko) 구리 함유 적층 막용 에칭액
CN101070596A (zh) 薄膜晶体管液晶显示装置的蚀刻组合物
CN102618872A (zh) 以铜为主成分的金属薄膜的蚀刻液组合物
KR20040034464A (ko) 에칭액 관리 방법 및 에칭액 관리 장치
KR20020081213A (ko) 기판의 처리방법 및 처리 장치
CN113106454A (zh) 蚀刻液和铜/钼金属线的蚀刻方法
JPH10110281A (ja) 金属酸化物薄膜のエッチング方法
JPH11117080A (ja) 金属酸化物薄膜のエッチング方法
CN109782525A (zh) 掩模基底及其制造方法、相移掩模及其制造方法
JP2807515B2 (ja) エッチング方法
JP6112450B2 (ja) エッチング溶液の成分濃度測定装置およびエッチング溶液管理装置
JP2009019877A (ja) エッチング液成分の濃度測定装置および濃度測定方法
JP5165185B2 (ja) 基板処理システムおよび基板処理装置
JP2004238656A (ja) 銀薄膜用エッチング液、そのエッチング液を用いた銀薄膜のエッチング方法及びパターン形成方法
KR20170061096A (ko) 식각 폐액으로부터 은을 석출하는 장치 및 방법
CN111755461A (zh) 液晶显示装置用阵列基板的制造方法及用于其的铜系金属膜蚀刻液组合物
JPH1060671A (ja) 銀薄膜用エッチング液および銀薄膜エッチング方法
JPH111781A (ja) エッチング液管理方法及び装置
JPH06116758A (ja) 金属のエッチング方法
JP3456804B2 (ja) 酸化物エッチング製品の製造方法および装置
JPH0881787A (ja) 酸化物エッチング製品の製造方法
JP2780092B2 (ja) エツチング液の能力維持管理法
KR101674210B1 (ko) 경사식 에칭장치용 에칭액 조성물 및 이를 이용한 에칭방법
JP3599262B2 (ja) 銀薄膜のエッチング方法