JPH10110077A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH10110077A
JPH10110077A JP26843296A JP26843296A JPH10110077A JP H10110077 A JPH10110077 A JP H10110077A JP 26843296 A JP26843296 A JP 26843296A JP 26843296 A JP26843296 A JP 26843296A JP H10110077 A JPH10110077 A JP H10110077A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
acid
fatty acid
ingredient
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Pending
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JP26843296A
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English (en)
Inventor
Yukio Kamiyama
幸雄 神山
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電気絶縁性に優れ、しかも耐ブル
ーミング性、耐ブリード性に有効な性能を発揮し得る塩
化ビニル樹脂組成物を提供することにある。 【解決手段】 (A)塩化ビニル系樹脂、(B)リチウムを含
有するハイドロタルサイト化合物、(C)脂肪酸と金属の
酸化物または水酸化物との溶融反応生成物、及び(D)β
−ジケトン化合物、ケト酸エステル化合物またはこれら
の金属塩の少くとも一種以上からなることを特徴とする
塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁性、耐ブ
ルーミング性、耐ブリード性に優れた塩化ビニル系樹脂
組成物、詳しくは塩化ビニル系樹脂に対して、リチウム
を含有するハイドロタルサイト化合物、直接溶融法によ
る脂肪酸金属塩、β−ジケトン化合物等を含有すること
により、特に電線被覆材として有用な塩化ビニル系樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に塩化ビニル系樹脂は優れた電気絶
縁性を有する。該樹脂は加熱成形加工する際に主として
脱塩化水素に起因する熱分解を起しやすく、このために
加工製品の電気絶縁性の低下、機械的性質の劣化、色調
の悪化を生じ、著しい不利益を招く。
【0003】従来、このような欠点を改良するために、
亜鉛を含有するハイドロタルサイト、複分解法で合成し
た脂肪酸金属塩、β−ジケトンからなる安定剤を該樹脂
に添加し、加熱加工工程における熱劣化を抑制すること
を提案されていた(特開昭63−46248号公報) 。しかし
ながら、該安定剤では、加熱加工製品の経時劣化、即ち
製品表面にブルーミング(吐出)やブリード(発汗)現
象を生じたり、電気絶縁性の低下をきたすという欠点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
電気絶縁性に優れ、しかも耐ブルーミング性、耐ブリー
ド性に有効な性能を発揮し得る塩化ビニル系樹脂組成物
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0006】即ち、本発明は、(A)塩化ビニル系樹脂、
(B) リチウムを含有するハイドロタルサイト化合物、
(C) 脂肪酸と金属の酸化物または水酸化物との溶融反応
生成物及び(D)β−ジケトン化合物、ケト酸エステル化
合物またはこれらの金属塩の少くとも1種以上からなる
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物、好ましくは
(E)可塑剤を含有してなること、好ましくは電線被覆材
用として用いることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成
物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のリチウムを含有するハイ
ドロタルサイト化合物(B)は、次の一般式(1) で表わさ
れるものが好ましい。
【0008】
【式1】Li(1−X)MgX・Al2(OH)6・(1
+X)/2CO3・mH2
【0009】但し、Xおよびmは次の条件を満足する。
Xは、0より大きく、0.5より小さい、mは、0以上2
以下である。
【0010】一般式(1) で表わされる化合物のLiとMgの
比率は、Li/Mgで0.05〜 5.0、好ましくは0.1〜3.5 で
あり、Mg単独に比べMgとLiの固溶体にすることにより樹
脂組成物の透明性を損うことなく、初期耐熱変色性、コ
ンゴウレッド耐熱性(JIS耐熱性) の改良に寄与する
ことができる。
【0011】一般式(1) で表わされるリチウムを含有す
るハイドロタルサイト化合物(B)の添加量は、(A)塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重
量部、より好ましくは0.05〜3重量部である。
【0012】本発明に於ける脂肪酸としては、オクチル
酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキ
システアリン酸、ヤシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、
大豆油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレイン酸などであり、押出時の滑性や相溶性に
より優れるため炭素数12〜18の脂肪酸が好ましい。
【0013】又、金属の酸化物又は水酸化物としては、
Ba,Ca,Mg,Znの酸化物または水酸化物が好ましい。
【0014】本発明で用いられる脂肪酸と金属の酸化物
又は水酸化物との溶融反応生成物(脂肪酸金属塩)(C)
は、好ましくは脂肪酸と金属の酸化物又は水酸化物とを
直接100 〜180℃に加熱、常圧または減圧下で脱水さ
せ、冷却後粉砕することによって得られる。
【0015】従来、脂肪酸金属塩(C)の製造方法として
は、一般に下記に一例として示される如く複分解法が用
いられている。 RCOOH+NaOH→ RCOONa +H2O 2RCOONa+MgCl2 →Mg(OCOR)2
2NaCl
【0016】脂肪酸金属塩(C)を複分解法で製造すると
生成する副生成物が生じ、多量の水で洗浄しても、導電
性の副生成物が残存し、電気絶縁性を低下させるという
欠点がある。本発明で用いられる直接法で得られた脂肪
酸金属塩は、洗浄、乾燥工程を必要とせず、かつ複分解
法による副生成物を含有しないものが得られる。
【0017】尚、上記脂肪酸金属塩(C)を製造する際
に、上記脂肪酸を越えない量で芳香族カルボン酸、例え
ば安息香酸、ブチル安息香酸、メタトルイル酸、サリチ
ル酸、桂皮酸等を併用することができる。
【0018】本発明で用いられる脂肪酸金属塩(C)の添
加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、好まし
くは0.05〜5重量部、より好ましくは 0.1〜3重量部で
ある。
【0019】本発明に用いられるβ−ジケトン化合物、
ケト酸エステルまたはその金属塩(D)としては、ベンゾ
イルアセトン、ジベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタ
ン亜鉛塩、ジベンゾイルメタンカルシウム塩、ジベンゾ
イルメタンバリウム塩、ステアロイルベンゾイルメタ
ン、ステアロイルアセトン、アセトアセトアミド、トリ
ベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸亜鉛、
デヒドロ酢酸カルシウム、デヒドロ酢酸ナトリウム塩等
があげられる。
【0020】本発明のβ−ジケトン化合物およびケト酸
エステルまたはその金属塩(D)の添加量は、塩化ビニル
系樹脂(A)100重量部に対し、好ましくは0.01〜1重
量部、より好ましくは0.05〜 0.5重量部である。
【0021】本発明に用いることができる可塑剤(E)と
しては、フタール酸エステル系あるいはその他のエステ
ル系、ポリエステル系、リン酸エステル系などがあげら
れ、フタール酸エステル系可塑剤としては、例えばジブ
チルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジヘプチルフ
タレート、ジn−オクチルフタレート、ジ−2−エチル
ヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジノ
ニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジ(混合ア
ルコール)フタレート等がある。
【0022】その他のエステル系可塑剤としては、例え
ばジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ−
2−エチルヘキシルアジペート、トリ−2−エチルヘキ
シルトリメリテート、トリn−オクチルトリメリテー
ト、トリデシルトリメリテート、ジブチルベンジルトリ
メリテート等がある。
【0023】ポリエステル可塑剤としては、アジピン酸
−プロピレングリコール、アジピン酸 1,3−ブチレング
リコール、アジピン酸−プロピレングリコール− 1,4−
ブチレングリコール− 1,6−ヘキサンジオール、セバシ
ン酸−エチレングリコール、セバシン酸− 1,6−ヘキサ
ンジオール、セバシン酸−プロピレングリコール、グル
タル酸− 1,5−ペンタンジオール− 1,6−ヘキサンジオ
ール等の二塩基酸とグリコールのポリエステル化合物が
あげられる。
【0024】リン酸エステル系可塑剤としては、トリブ
チルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート
等があげられる。
【0025】上記可塑剤の好ましい添加量は、塩化ビニ
ル系樹脂(A)100重量部に対して10〜100重量部
である。
【0026】本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂(A)
としては、塩化ビニルの単独重合体の他に塩化ビニルと
共重合しうる単量体との共重合体等である。塩化ビニル
に対する共重合体としてはエチレン、プロピレン、酢酸
ビニル、スチレン、アクリル酸、アルキルアクリレート
(例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート
等)、メタアクリル酸、メチルメタアクリレート等であ
る。
【0027】また、塩化ビニル系樹脂(A)は、アクリロ
ニトリル・ブタジェン・スチレン共重合体、アルキルメ
タアクリレート・ブタジェン・スチレン共重合体、エチ
レン−酢ビ共重合体、エチレン−酢ビ−塩ビ共重合体、
ウレタン樹脂等を配合することができる。
【0028】本発明の組成物には、更に必要に応じて他
の添加剤、例えばエポキシ化合物、有機亜リン酸エステ
ル、充填剤を包含させることができる
【0029】エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、エポキ
シ化アマニ油脂肪酸ブチルエステル、エポキシ化ポリブ
タジェンなどである。
【0030】有機亜リン酸エステルとしては、トリフェ
ニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ト
リスノニルフェニルホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリラウリルホスファイト、4,4 ′−イソプロピ
リデンジフェニルテトラアルキルジホスファイト等があ
げられる。
【0031】本発明の組成物には、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、三酸化アンチモ
ン、クレーなどの充填剤を添加することができる。
【0032】本発明の組成物には、その他一般に用いら
れる顔料、発泡剤、難燃剤、架橋剤、光安定剤、滑剤、
加工助剤などを包含させることができる。
【0033】本発明の組成物は、均一混合した後、好ま
しくは160〜200℃で、押出機、射出成形機等で溶
融混練して成形される。
【0034】本発明の電線被覆材料とは、電線の最外被
覆層でもいいし、銅線等の電線金属を直接被覆すること
もできる。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明による塩化ビニル
系樹脂組成物の効果を示すものであるが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。なお以下に部と
あるのは重量部を示す。
【0036】実施例1〜4,比較例1〜3 下記の配合と表1の添加剤で、組成物を均一混合した
後、170℃で、二本ロールで5分間混練してシートを
とり出した。このシートを用いて190℃ギヤーオーブ
ン中での初期耐熱変色性及び180℃コンゴーレッド耐
熱性(JIS−K−6723)の試験を行なった。次いで、
取り出したシートをプレス成形し、厚さ1mmのプレスシ
ートを作製して30℃、500Vでの体積抵抗率(V
R)を測定した。また、このプレスシートを70℃の水
道水に浸漬して耐ブルーミング性を観察した。更に、7
0℃,95%相対湿度の、恒温恒湿槽中に放置して、耐
ブリード性(表面のべとつき度合)を観察した。その結
果を表−1に示した。
【0037】
【0038】[評価方法・基準] ・初期耐熱変色性:上記で混練したシートを190℃ギ
ヤオーブンで劣化させ10分毎に着色状態を観察した。 ・180℃コンゴーレッド耐熱性:JIS−K−6723 ・電気絶縁性:体積固有抵抗の測定、30℃、500V ・耐ブルーミング性:目視観察で、非常に良:吹き出し
物がまったくない。
【0039】 良 :吹き出し物がない。 やや劣る:僅か粉状吹き出し物がある。 非常に劣る:粉状吹き出し物が非常に多い。 ・耐ブリード性:目視観察で非常に良:吹き出し物がま
ったくない。
【0040】 良 :吹き出し物がない。 やや劣る:僅か液状吹き出し物がある。 劣る:液状吹き出し物がある。
【0041】非常に劣る:液状吹き出し物が非常に多
い。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明は、(A)塩化ビニル系樹脂、(B)リ
チウムを含有するハイドロタルサイト化合物、(C)脂肪
酸と金属の酸化物または水酸化物との溶融反応生成物、
及び(D)β−ジケトン化合物、ケト酸エステル化合物ま
たはこれらの金属塩の少くとも一種以上からなることに
より、特に電気絶縁性に優れ、耐ブルーミング性、耐ブ
リード性に於いても有効な性能を発揮する塩化ビニル系
樹脂組成物である。よって、特に電気絶縁関連材料、電
線被覆材料、電機・電子部品材料として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:098 5:07 5:10 5:521)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂、(B)リチウムを含
    有するハイドロタルサイト化合物、(C)脂肪酸と金属の
    酸化物または水酸化物との溶融反応生成物、及び(D)β
    −ジケトン化合物、ケト酸エステル化合物またはこれら
    の金属塩の少くとも一種以上からなることを特徴とする
    塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 更に(E)可塑剤を含有してなることを特
    徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 電線被覆材用として用いることを特徴と
    する請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
JP26843296A 1996-10-09 1996-10-09 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH10110077A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020500998A (ja) * 2016-12-12 2020-01-16 エスシージー ケミカルズ カンパニー,リミテッド ポリマー組成物

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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