JPH10109948A - イソプロピルアルコールの精製方法 - Google Patents

イソプロピルアルコールの精製方法

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JPH10109948A
JPH10109948A JP22866296A JP22866296A JPH10109948A JP H10109948 A JPH10109948 A JP H10109948A JP 22866296 A JP22866296 A JP 22866296A JP 22866296 A JP22866296 A JP 22866296A JP H10109948 A JPH10109948 A JP H10109948A
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isopropyl alcohol
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crude
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寿敏 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】IPAからの分離が極めて困難な不純物元素を
含有する粗IPAより該元素を効率よく分離して精製す
ることが可能なIPAの精製方法を提供する。 【解決手段】As、B、Se及びGeより選ばれた少な
くとも1種の不純物元素を含む粗イソプロピルアルコー
ルに、イソプロピルアルコールとの共沸組成を超える量
の水を添加した後に蒸留する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソプロピルアル
コール(以下、IPAともいう)の新規な精製方法に関
する。詳しくは、IPAからの分離が極めて困難な不純
物元素を含有する粗IPAより該元素を効率よく分離し
て精製することが可能なIPAの精製方法である。
【0002】
【従来の技術】IPAは、半導体、液晶等の製造工程に
おける、洗浄、乾燥等に多く使用されている。これらの
用途において、IPAに対する高純度化の要求は、回路
の緻密化に伴い、年々高度化している。
【0003】従来、金属元素等の不純物元素を含む粗I
PAからの該不純物元素の除去は、IPAを単蒸留また
は多段蒸留して除去する方法が工業的に実施されてい
る。この方法は、上記不純物元素を含有する粗IPAを
蒸留塔に供給し、塔頂から高純度のIPAを、塔底から
不純物元素を含む廃IPAを抜き出すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
蒸留方法では、大部分の金属元素、例えば、Al、C
a、Cd、Cr、Cu、Fe、Mg、Na、Ni、Zn
は効率良く塔底側に分離されるが、As、B、Se及び
Geのような不純物元素は分離性が悪く、ほとんどが塔
頂より留出し、精製されたIPAに同伴されるという問
題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、IPAの
蒸留におけるAs、B、Se及びGeの挙動とその除去
方法について鋭意研究を重ねた結果、As、B、Se及
びGeのような不純物元素がIPA中で沸点の低いエス
テル化合物として存在し、IPAの蒸留においてIPA
と共沸すること、更に、該エステル化合物はIPAと水
の共沸組成を超える水を添加して蒸留することにより、
加水分解され、蒸留塔の塔底側に分離し得ることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、不純物元素を含む粗イソ
プロピルアルコールに、イソプロピルアルコールとの共
沸組成を超える量の水を添加した後、蒸留することを特
徴とするイソプロピルアルコールの精製方法である。
【0007】本発明の精製方法の対象となる粗IPA
は、不純物元素、特に、As、B、Se及びGeより選
ばれた少なくとも1種の元素(以下、特定不純物ともい
う)を含有し、共沸組成(水12重量%、IPA88重
量%)以下で水を含有するものであれば特に制限されな
い。
【0008】上記粗IPAを具体的に示せば、直接水和
気相法によって製造されたIPA、高純度のIPAを、
ウエハーの洗浄、液晶部品の洗浄等の工程において、特
定不純物により汚染されたIPAなどが挙げられる。か
かる直接水和法によるIPAの製造において、特定不純
物は、製造原料からの持ち込み、製造工程上の触媒、及
び装置材料からの溶出、外気との接触による汚染により
混入する場合が多い。このうち該特定不純物は原料であ
るプロピレンより持ち込まれる可能性が高い。特に、A
s、Bはプロピレンの原料となる原油中に存在すること
が確認されており、これらはプロピレンの製造工程にお
いて水素と結合して沸点の低い化合物を形成するため、
分離されずにプロピレン中に混入する場合が多い。
【0009】上記の例示した粗IPAのうち、直接水和
気相法によって製造されたIPAは、特定不純物を0.
1〜1ppt程度含有し、また、水を20〜200pp
mの範囲で含有する。また、特定不純物によって汚染さ
れたIPA中の特定不純物、水の存在量は、使用される
工程によって異なるが、一般に、特定不純物を0.1〜
1ppt、水を1〜10重量%程度含有している。
【0010】本発明の特徴は、特定不純物を含む粗IP
Aに、IPAとの共沸組成を超える量の水を添加した
後、蒸留することにある。即ち、IPAの蒸留におい
て、共沸組成以上の水を存在させることにより、特定不
純物を蒸留塔の塔底の水と共に残存させることができ、
蒸留塔の塔頂から該特定不純物を実質的に含まないIP
Aを得ることが可能である。
【0011】粗IPAに対する水の添加量は、共沸組成
を超える量であれば特に制限されないが、あまり多くす
ると後工程で、水を処理するために多量のエネルギーが
必要となる。従って、粗IPAに対する水の添加量は、
添加後の組成が、IPA75〜85重量%、水15〜2
5重量%となるように調整することが好ましい。
【0012】また、本発明において、粗IPAに水を添
加後の蒸留は、公知の蒸留方法を特に制限なく採用する
ことができる。例えば、単蒸留、多段蒸留等が一般に採
用される。かかる蒸留における条件も特に制限されるも
のではなく、常圧、減圧或いは加圧下に、IPAと水と
の共沸温度において行うことができる。
【0013】本発明の方法によって、特定不純物と分離
されたIPAは、水との共沸組成で得られるため、公知
の方法によって水を分離して共沸組成を外して高純度の
IPAを得る公知の手段により精製すればよい。上記精
製方法としては、複数の精留塔を組み合わせ、第3成分
を加えて脱水蒸留することにより、実質的に水を含有し
ないIPAを得る方法、パーベーパレーションにより、
共沸組成より高濃度のIPAを含む組成の液を得て、該
液より実質的に水を含有しないIPAを蒸留により得る
方法などが挙げられる。
【0014】図1は、本発明の精製方法を含む、粗IP
Aの精製工程を示すフローチャートである。即ち、図に
おいて、特定不純物及び他の不純物元素を含有する粗I
PAは、混合器Dにおいて水を添加され、蒸留塔Aに供
給される。蒸留塔Aでは、主として水とIPAとの共沸
組成の液が塔頂より留出し、塔底からは、特定不純物と
他の不純物元素を含む水相が取り出される。蒸留塔Aの
塔頂から留出した共沸組成の液は、二本の蒸留塔B、C
を組み合わせて構成された公知の精製装置に供給され、
蒸留塔Bの塔底より水を実質的に含有しないIPA4
が、蒸留塔Cの塔底からは水5がそれぞれ得られる。
【0015】本発明の精製方法の前処理として、他の精
製処理を施すことは、特に制限なく実施できる。例え
ば、IPAより低沸点の不純物を蒸留により取り除く低
沸物除去塔等の精製処理を挙げることができる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明により理解されるように、本
発明によれば、従来は蒸留による分離が困難であった、
IPA中の特定不純物を簡易に分離することが可能であ
り、半導体、液晶等の製造工程における、洗浄、乾燥等
の用途におけるIPAリサイクル時の精製、或いは直接
水和気相法によって得られたIPAの精製などに極めて
有効に使用することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため、
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0018】実施例1 容積1000mlのガラス製フラスコに、AsおよびB
を、濃度がそれぞれ100重量pptおよび100重量
pptの量で含有する粗イソプロピルアルコール500
mlを入れ、次いで、これに純水200mlを添加し
て、ヒーターで加熱して単蒸留を行った。
【0019】留出液が600mlになったところで蒸留
を止め、得られた留出液の分析を行ったところ、水およ
びIPAの割合は、それぞれ20重量%および80重量
%であり、また、AsおよびBの濃度はいずれも1重量
ppt以下であった。
【0020】尚、釜残液は、水97重量%、IPA3重
量%であり、AsおよびBの濃度はそれぞれ290重量
pptおよび330重量pptであった。
【0021】実施例2 実施例1における粗IPAに代えて、Seを200重量
ppt含む粗IPA、Geを200重量ppt含む粗I
PAをそれぞれ使用し、実施例1と同様な方法によって
精製を行った。得られた留出液の分析を行った。また、
釜残液の分析も行った。
【0022】それぞれの結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】比較例1 実施例1と同じ粗IPA500mlを、同様のフラスコ
に張り込んで、水を添加することなく蒸留し、400m
lを留出させた後、留出液の分析を行ったところAsお
よびB濃度はそれぞれ、83重量pptおよび96重量
pptであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精製方法を含むイソプロピルアルコー
ル精製工程のフローシートである。
【符号の説明】 1 水 2 粗IPA 3 水相 4 高純度IPA 5 水 A 蒸留塔 B 蒸留塔 C 蒸留塔 D 混合器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物元素を含む粗イソプロピルアルコ
    ールに、イソプロピルアルコールとの共沸組成を超える
    量の水を添加した後、蒸留することを特徴とするイソプ
    ロピルアルコールの精製方法。
  2. 【請求項2】 粗イソプロピルアルコールが、直接水和
    気相法による製造工程より得られたものである請求項1
    記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 粗イソプロピルアルコールが、高純度の
    イソプロピルアルコールを使用する工程において、A
    s、B、Se及びGeより選ばれた少なくとも1種の不
    純物元素により汚染されたものである請求項1記載の精
    製方法。
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