JPH10109071A - 不良検出装置及び不良物除去装置 - Google Patents

不良検出装置及び不良物除去装置

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JPH10109071A
JPH10109071A JP26267896A JP26267896A JPH10109071A JP H10109071 A JPH10109071 A JP H10109071A JP 26267896 A JP26267896 A JP 26267896A JP 26267896 A JP26267896 A JP 26267896A JP H10109071 A JPH10109071 A JP H10109071A
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light
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JP26267896A
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Hideji Sonoda
秀二 園田
Yuji Suzuki
祐二 鈴木
Shinichi Kitano
紳一 北野
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査対象物が実際に位置する予定存在箇所J
と、例えば反射光の場合に、反射板8の位置とが異なる
等により、反射光又は透過光について不良検出用の適正
光量範囲が適切に設定できないという問題を解決する。 【解決手段】 照明手段4にて照明された検査対象物の
予定存在箇所Jからの反射光を受光する反射光受光手段
5B又は予定存在箇所Jを透過した透過光を受光する透
過光受光手段5Aと、検査対象物と同一の反射率又は透
過率の検査基準物Kjを予定存在箇所Jに位置させたと
きの反射又は透過光受光手段の受光情報を基準受光量と
して記憶し、その基準受光量の情報に基づいて粒状体に
対する適正光量範囲を設定し、各受光手段5A,5Bの
受光量が適正光量範囲を外れた場合に粒状体の不良又は
前記異物の存在を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒状体群を検査対
象物として、その検査対象物の予定存在箇所を照明する
照明手段と、その照明手段からの照明光が前記予定存在
箇所で反射した反射光を受光する反射光受光手段、ある
いは、上記照明光が前記予定存在箇所を透過した透過光
を受光する透過光受光手段と、その反射あるいは透過光
の受光手段の受光情報に基づいて、粒状体群における各
粒状体の良否又は粒状体群内に混入した異物の存否を判
別する判別手段とが設けられた不良検出装置、及び、そ
の不良検出装置にて検出された不良の粒状体又は異物を
除去する不良物除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記不良検出装置では、図17に例示す
るように、例えばシュータTにて移送されて検出位置
(予定存在箇所)に達した米粒等の粒状体群を、両側か
ら横向きに光源Lgで照明しながら、その照明光が米粒
群及び反対側に設けた反射板R(正常な米粒と同程度の
反射率に形成されている)で反射した反射光をフォトセ
ンサ等からなる受光手段Psで受光し、その受光レベル
が予め反射板Rからの反射光量により設定した適正光量
範囲内であれば正常な米粒と判定する一方で、適正光量
範囲を外れると、着色した米粒等の不良物や、石・プラ
スチック等の異物が混入していると判定していた(例え
ば、特開平2‐21980号公報参照)。尚、上記不良
物等は、検出位置よりも経路下流側箇所において、噴射
ノズルNzにて正常な粒の経路から分離される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、検査対象物の実際の検出位置である予定存
在箇所よりも後方側であって受光手段Psとの距離がよ
り遠い反射板Rからの反射光量を測定し、その反射光量
を基準にして検査対象物に対する適正光量範囲を設定し
ているため、実際の検出位置における検査対象物からの
反射光量に対して上記適正光量範囲が誤差を生じて必ず
しも適切に設定されず、不良の検出精度を低下させるお
それがあった。
【0004】又、上記従来技術では、照明光源Lgから
の照明光の光量が、例えば光源用のランプの劣化等によ
って出荷時に比べて低下する等の変化があると、検査対
象物及び反射板Rからの反射光量が変化して、上記設定
した適正光量範囲とのズレが生じて不良の検出精度を低
下させる問題もあった。
【0005】又、上記従来技術では、検出位置が例えば
図17の紙面に垂直な方向に長手状に設定され、これに
合わせて反射板Rを長手状に形成すると、その反射板R
の長手方向の両端部からの反射光量が低下するため、そ
の端部付近では、米粒等の検査対象物の検出精度が低下
するという問題もあった。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その第1の目的は、検査対象物が実際に位置
する予定存在箇所(検出位置)と、例えば反射光の場合
の反射板の位置とが異なる等の理由によって、反射光及
び透過光についての不良検出用の適正光量範囲が適切に
設定できないという問題を解決することにあり、第2の
目的は、長期間の使用に伴って照明光量が経時的に変化
しても、その光量変化によって不良検出の精度が低下し
ないようにすることにあり、第3の目的は、反射光の場
合に、長手状の検出位置に対して長手状の反射板を使う
ときにおいて、その両端部での光量低下を改善して不良
検出の精度を低下させないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、検査
対象物としての粒状体群の予定存在箇所に、検査対象物
の反射率と同一の反射率である検査基準物を位置させ、
照明手段からの照明光が検査基準物で反射した反射光を
受光した反射光受光手段の受光量が基準受光量として記
憶され、その基準受光量の情報に基づいて粒状体群に対
する適正光量範囲が設定され、前記予定存在箇所に検査
対象物が存在する状態でその予定存在箇所からの反射光
を受光した反射光受光手段の受光量が上記適正光量範囲
を外れた場合に、粒状体群における粒状体の不良又は粒
状体群内に混入した異物の存在が判定される。
【0008】従って、検査対象物の実際の検出位置であ
る予定存在箇所に検査対象物の反射率と同一の反射率の
検査基準物を位置させたときの反射光量の情報から、検
査対象物に対する適正光量範囲を適切に設定することが
できるので、従来のように、上記予定存在箇所よりも後
方側に位置する反射板からの反射光量によって適正光量
範囲を設定する場合に誤差が生じるという問題もなく、
反射光照明の場合において前記第1の目的を実現して、
検出精度の低下を回避できる不良検出装置が得られる。
【0009】請求項2によれば、請求項1において、長
手状の予定存在箇所に検査対象物の反射率と同一の反射
率である検査基準物を位置させ、照明光が検査基準物で
反射した反射光が、前記長手状の予定存在箇所の全体に
亘って直線状に並んでいて各別に受光情報が取出し可能
な複数個の受光部にて受光され、各受光部毎に各受光量
が基準受光量として記憶され、その複数個の受光部の基
準受光量の平均値情報に基づいて複数個の受光部に対し
て一つの適正光量範囲が設定される。そして、上記基準
受光量の平均値に対する各受光部の基準受光量の偏差を
打ち消すように、前記長手状の予定存在箇所に存在する
検査対象物、及び反射光受光手段の受光方向であって前
記長手状の予定存在箇所の背面側に設けた長手状の反射
部材からの反射光を受光した各受光部の検出受光量が補
正され、その補正後の各受光部の受光量が上記一つの適
正光量範囲を外れた場合に、粒状体群における粒状体の
不良又は粒状体群内に混入した異物の存在が判定され
る。
【0010】従って、長手状の予定存在箇所に検査対象
物を位置させた状態でその全体において並列的に能率良
く不良検出しながら、長手状の予定存在箇所の各位置の
検査対象物に対して共通の一つの適正光量範囲を設定す
ることにより、各位置毎に異なる適正光量範囲を設定す
る煩雑さを避けて、処理構成の単純化も実現でき、もっ
て、請求項1に係る不良検出装置の好適な手段が得られ
る。
【0011】請求項3によれば、請求項2において、長
手状の予定存在箇所の背面側に設けた長手状の反射部材
が、その長手方向の両端部において端部側ほど反射光受
光手段に近づく状態で設けられている。
【0012】従って、例えば、長手状の反射部材をその
長手方向に沿って直線上に形成すると、その長手方向の
両端部では、反射光量が中央部分と比べて低下して不良
検出の精度が低下するのに比べて、長手状の反射部材の
両端部からの反射光量の低下が抑制されて、その両端部
においても検出精度の低下を回避させることができ、も
って、前記第3の目的を実現して、請求項2に係る不良
検出装置の好適な手段が得られる。
【0013】請求項4によれば、検査対象物としての粒
状体群の予定存在箇所に、検査対象物の透過率と同一の
透過率である検査基準物を位置させ、照明手段からの照
明光が検査基準物を透過した透過光を受光した透過光受
光手段の受光量が基準受光量として記憶され、その基準
受光量の情報に基づいて粒状体群に対する適正光量範囲
が設定され、前記予定存在箇所に検査対象物が存在する
状態でその予定存在箇所からの透過光を受光した透過光
受光手段の受光量が上記適正光量範囲を外れた場合に、
粒状体群における粒状体の不良又は粒状体群内に混入し
た異物の存在が判定される。
【0014】従って、検査対象物の実際の検出位置であ
る予定存在箇所に検査対象物の透過率と同一の透過率の
検査基準物を位置させたときの透過光量の情報から、検
査対象物に対する適正光量範囲を適切に設定することが
でき、透過光照明の場合において前記第1の目的を実現
して、検出精度の低下を回避できる不良検出装置が得ら
れる。
【0015】請求項5によれば、請求項4において、長
手状の予定存在箇所に検査対象物の透過率と同一の透過
率である検査基準物を位置させ、照明光が検査基準物を
透過した透過光が、前記長手状の予定存在箇所の全体に
亘って直線状に並んでいて各別に受光情報が取出し可能
な複数個の受光部にて受光され、各受光部毎に各受光量
が基準受光量として記憶され、その複数個の受光部の基
準受光量の平均値情報に基づいて複数個の受光部に対し
て一つの適正光量範囲が設定される。そして、上記基準
受光量の平均値に対する各受光部の基準受光量の偏差を
打ち消すように、前記長手状の予定存在箇所に存在する
検査対象物を透過した透過光を受光した各受光部の検出
受光量が補正され、その補正後の各受光部の受光量が上
記一つの適正光量範囲を外れた場合に、粒状体群におけ
る粒状体の不良又は粒状体群内に混入した異物の存在が
判定される。
【0016】従って、長手状の予定存在箇所に検査対象
物を位置させた状態でその全体において並列的に能率良
く不良検出しながら、長手状の予定存在箇所の各位置の
検査対象物に対して共通の一つの適正光量範囲を設定す
ることにより、各位置毎に異なる適正光量範囲を設定す
る煩雑さを避けて、処理構成の単純化も実現でき、もっ
て、請求項4に係る不良検出装置の好適な手段が得られ
る。
【0017】請求項6によれば、請求項1〜5のいずれ
か1項において、照明手段からの照明光量の経時的な変
化が検出され、その光量変化情報に基づいて、反射光受
光手段もしくは透過光受光手段の受光量情報、又は前記
適正光量範囲が補正されて、照明光量の経時的な変化の
影響が打ち消される。
【0018】従って、例えば照明用の光源ランプの劣化
等により、照明光量が低下する等の変化が生じても、そ
の光量変化を適切に補正するので、前記第2の目的を実
現して、検出精度の低下を回避できる不良検出装置が得
られる。
【0019】請求項7によれば、請求項6において、照
明手段からの照明光が長手状の反射部材で反射した反射
光が、その長手方向に沿って並ぶ複数個の受光部にて受
光され、その各受光部の受光量情報を用いて、照明手段
からの照明光量の経時的な変化が検出される。
【0020】従って、照明光量の変化を検出するのに、
例えば光量変化検出用の特別の受光手段を設けるのに比
べて、反射光照明の場合に必要な反射部材及び反射光受
光用の受光部を活用して、装置構成の簡素化を実現する
ことができ、もって、請求項6に係る不良検出装置の好
適な手段が得られる。
【0021】請求項8によれば、長手状に形成された検
査対象物の予定存在箇所が照明され、その長手状の予定
存在箇所で反射した反射光、及び反射光受光手段の受光
方向であって前記長手状の予定存在箇所の背面側にその
長手方向の両端部において端部側ほど反射光受光手段に
近づく状態で設けた長手状の反射部材からの反射光が、
長手状の予定存在箇所の全体に亘って直線状に並んでい
て、反射光受光手段を構成する各別に受光情報が取出し
可能な複数個の受光部にて受光され、各受光部の受光情
報に基づいて、粒状体群における各粒状体の良否又は粒
状体群内に混入した異物の存否が判別される。
【0022】従って、長手状の予定存在箇所に検査対象
物を位置させた状態でその全体において並列的に能率良
く不良検出しながら、例えば長手状の反射部材を長手状
の予定存在箇所に対応させて直線上に形成すると、その
長手方向の両端部では、反射光量が中央部分と比べて低
下して不良検出の精度が低下するのに比べて、長手状の
反射部材の両端部からの反射光量の低下を抑制して、そ
の両端部においても検出精度の低下を回避させることが
でき、もって、前記第3の目的を実現する不良検出装置
が得られる。
【0023】請求項9によれば、請求項1〜8のいずれ
か1項に記載の不良検出装置が備えられ、予定移送経路
に沿って移送される検査対象物である粒状体群が前記予
定存在箇所に移送され、その予定存在箇所に移送した粒
状体群のうちの不良の粒状体及び異物が、粒状体群のう
ちの正常な粒状体の経路と異なる経路に分離して移送さ
れる。
【0024】従って、例えば検査対象物(粒状体群)を
移送させずにその不良検出及び不良物除去を行うには、
装置側を可動できるように構成する必要があるのに比べ
て、検査対象物をその予定存在箇所つまり不良検出位置
から、異なる経路への分離位置つまり不良物除去位置に
順次移送しながら、不良物及び異物を正常な粒状体から
分離して移送させることで、装置側を可動させないよう
にしながら装置各部を合理的に配置して円滑な動作が実
現できる不良物除去装置が得られる。
【0025】請求項10によれば、請求項9において、
予定移送経路に沿って一層状態で且つ複数列並ぶ状態で
移送されている検査対象物が、その並び方向の全幅にお
いて照明され、その並び方向に沿ってその全幅を受光範
囲として反射光又は透過光受光手段によって受光され、
その受光情報に基づいて、複数列の検査対象物の並び方
向の全幅における粒状体の良否又は混入異物の存否が判
別される。
【0026】従って、複数列並ぶ状態ではなく、例えば
一列状態で検査対象物(粒状体群)を移送するものに比
べて、その並び方向の全幅において並列的につまり能率
良く不良を検出することができ、もって、請求項9に係
る不良物除去装置の好適な手段が得られる。
【0027】請求項11によれば、請求項9又は10に
おいて、検査対象物である粒状体群を自重にて落下させ
て移送させながら、その粒状体群内の不良の粒状体又は
異物に対してエアーが吹き付けられ、その不良の粒状体
又は異物が正常な粒状体の移送経路から分離される。
【0028】従って、正常な粒状体の移送経路から不良
の粒状体又は異物を分離させるのに、エアーの吹き付け
作用によって行うので、例えば、出退動作をする板等の
機械的な手段で直接接触して分離させるのに比べて、速
い応答速度で且つソフトタッチに損傷を与えるおそれも
なく良好に分離でき、もって、請求項9又は10に係る
不良物除去装置の好適な手段が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の不良検出装置及び
不良物除去装置の実施形態を、玄米等の米粒群からなる
粒状体群を検査対象物として所定経路に沿って移送しな
がら、不良検出及び不良物除去を行う場合について図面
に基づいて説明する。
【0030】図1及び図2に示すように、所定幅の板状
のシュータ1が、水平面に対して所定角度(例えば60
度)に傾斜されて設置され、このシュータ1の上部側に
設けた貯溜用のホッパー7から供給される米粒群kが一
層状態で横方向に広がった状態で滑って移送されてい
る。シュータ1の下方には、シュータ下端から所定速度
で自然落下する米粒群kのうちの正常な米粒kを回収す
る良米回収箱2と、正常な米粒kの流れから分離した着
色米(焼け米)や胴割れ米等の不良米又は石やガラス片
等の異物を回収する不良物回収箱3とが設置されてい
る。以上より、シュータ1が、検査対象物としての米粒
群kを予定移送経路(つまりシュータ上の米粒群kの流
れ経路及びシュータ下端から飛び出た米粒群kの落下経
路)に沿って一層状態で且つ複数列並ぶ状態で移送する
移送手段Hを構成する。
【0031】前記ホッパー7は、シュータ1の上部側部
分を利用したシュータ面1aと、このシュータ面1aに
対向して反対側に傾斜した傾斜側面7aと、ホッパー7
の全周を囲むための側壁部7b及び上壁部7cとによっ
て、図2の紙面に垂直な方向視において下端側ほど先細
状の筒体に構成されている。傾斜側面7aには、ホッパ
ー7内の米粒kをシュータ1へ排出するために、図2の
紙面に垂直な方向に沿う直線状の隙間をシュータ面1a
との間に形成する開閉ゲート9Aと、その開閉ゲート9
Aを移動させて上記隙間を変更するためのゲート駆動モ
ータ9B及びその他の機構が設けられている。尚、傾斜
側面7aの上方の側壁部7bには、ホッパー7内の貯溜
量を検出するレベルセンサ12が設置され、上壁部7c
には、外部から供給される米粒の流入口7Aが設けられ
ている。
【0032】前記予定移送経路つまりシュータ下端から
の米粒群kの落下経路の途中に、米粒群kの長手状の予
定存在箇所Jが設定されている。すなわち、前記移送手
段Hは、米粒群kを上記長手状の予定存在箇所Jつまり
後述の検査用のラインセンサ5A,5Bの受光位置に移
送するように構成されている。
【0033】そして、図2に示すように、上記米粒群k
の予定存在箇所Jを挟んで一方側に、その予定存在箇所
Jを複数列の米粒群kの並び方向の全幅を照明する状態
で照明する照明手段としてのライン状光源4(蛍光灯等
からなる)と、そのライン状光源4からの照明光が上記
予定存在箇所Jで反射した反射光を受光する反射光受光
手段としてのラインセンサ5Bとが、一方の格納室13
B内に格納されて設けられ、又、前記予定存在箇所Jを
挟んで他方側に、前記ライン状光源4からの照明光が前
記予定存在箇所Jを透過した透過光を受光する透過光受
光手段としてのラインセンサ5Aと、前記反射光用のラ
インセンサ5Bの受光方向であって前記予定存在箇所J
の背部側に位置して前記ライン状光源4からの照明光を
反射させるための長手状の反射部材としての反射板8と
が、他方の格納室13A内に格納されて設けられてい
る。
【0034】前記両格納室13A,13B夫々は、前記
予定存在箇所Jに面する側に板状の透明なガラスからな
る窓部材14A,14Bを備えるとともに、その窓部材
14A,14Bの入射側及び出射側の各面が、前記透過
光用のラインセンサ5Aに入射する透過光及び前記反射
光用のラインセンサ5Bに入射する反射光の両方向に対
して直交するように設定されている。そして、透過光と
反射光の方向が同一方向にできないために、各窓部材1
4A,14Bを途中箇所で折れ曲げるように形成して上
記直交状態を実現している。尚、折れ曲がった窓部材1
4A,14Bを構成するのに、1枚のガラス板を曲げた
ものでもよく、あるいは、2枚のガラス板を隙間がない
ように接続させたものでもよい。
【0035】上記反射板8は、米粒と同じ反射率の領域
8aを上記ライン状光源4にて照明された米粒群kの全
幅に対応して長手状に形成し、且つその長手状の領域8
aの両側に黒色の領域8bを形成した表面を、窓部14
Aの背部に押し付ける状態で固定されている。つまり、
反射板8が、他方の格納室13A内の窓部14Aを固定
するための固定部材に兼用されている。もう一方の格納
室13Bの窓部14Bは専用の固定板15で押し付けて
固定されている。
【0036】図4に示すように、上記両ラインセンサ5
A,5Bは、米粒kの大きさよりも小さい範囲p(例え
ば米粒kの大きさの10分の1程度)を夫々の受光対象
範囲として、各別に受光情報が取出し可能な複数個の受
光部5aを長手状の予定存在箇所Jの全体に亘って直線
状に並ぶ状態で備えている。具体的には、複数個の受光
部5aとしての受光素子が上記複数列の米粒群kの並び
方向に沿ってその全幅に亘って直線状に並置されたモノ
クロタイプのCCDセンサと、米粒群kの像を上記CC
Dセンサの各受光素子上に結像させるための光学系とか
ら構成されている。これにより、両ラインセンサ5A,
5Bは、複数列の米粒群kの並び方向に沿ってその全幅
を受光範囲とするように構成される。
【0037】上記両ラインセンサ5A,5Bの予定移送
経路における受光位置(予定存在箇所J)から経路方向
の下手側に、不良と判定された米粒kや異物等に対して
エアーを吹き付けて正常な米粒kの流れ方向から分離さ
せて前記不良物回収箱3に回収させるためのエアー吹き
付け装置6が設けられている。このエアー吹き付け装置
6は、米粒kの流れ方向に対して横幅方向に所定幅毎に
分割した各米粒群kに対して各別に吹き付け作動する複
数個のエアーガン6aを備えている。
【0038】制御構成を説明すると、図3に示すよう
に、マイクロコンピュータ利用の制御装置10が設けら
れ、この制御装置10に、前記両ラインセンサ5A,5
Bからの各画像信号と、前記レベルセンサ12の検出信
号とが入力されている。一方、制御装置10からは、前
記エアー吹き付け装置6の各エアーガン6aを夫々各別
に作動させるために、図示しないコンプレッサーから上
記各エアーガン6aへの各エアー供給路のエアー流通を
オンオフする複数個の電磁弁11に対する駆動信号と、
前記レベルセンサ12の検出信号に基づいて、ホッパー
7内の貯溜量を設定状態に維持するための前記ゲート駆
動モータ9Bに対する駆動信号とが出力されている。
【0039】前記制御装置10を利用して、前記反射光
用のラインセンサ5Bの受光情報に基づいて、米粒群k
における各米粒の良否又は米粒群k内に混入した異物の
存否を判別する判別手段100と、図5に示すように、
米粒群kの反射率と同一の反射率である検査基準物Kj
を前記予定存在箇所Jに位置させたときの前記反射光用
のラインセンサ5Bの受光情報を基準受光量として記憶
する基準受光量記憶手段101とが構成されている。こ
こで、検査基準物Kjは、長手状の予定存在箇所Jに合
わせて長尺状で、且つ米粒群kの反射率と同一の反射率
となるように白色系の樹脂板等で構成される。そして、
前記判別手段100は、前記基準受光量記憶手段101
の情報に基づいて前記米粒kに対する適正光量範囲を設
定し、前記反射光用のラインセンサ5Bの受光量が前記
適正光量範囲を外れた場合に米粒の不良又は異物の存在
を判定するように構成されている。
【0040】具体的には、図6に示すように、基準受光
量記憶手段101は、各受光部5a毎に前記基準受光量
Si(i=0〜〔受光部の数−1〕)を記憶し、判別手
段100は、複数個の受光部5aの基準受光量Siにつ
いての平均値情報Smに基づいて、その平均値Smを中
心として上下に所定幅となる反射光の光量範囲として、
複数個の受光部5aに対して一つの適正光量範囲ΔEh
を設定するとともに、基準受光量の平均値Smに対する
各受光部5aの基準受光量Siの偏差を打ち消すよう
に、各受光部5aの検出受光量つまり出力電圧jを補正
し、その補正後の出力電圧jが前記一つの適正光量範囲
ΔEhを外れた場合に米粒kの不良又は異物の存在を判
定するように構成されている。
【0041】次に、上記検出受光量の補正処理について
説明する。図7に示すように、補正用データをルックア
ップテーブルとして記憶するメモリLUTが設けられ、
このメモリLUTは、以下の手順にて作成する。 (1)前述の基準受光量の平均値Smと各受光部5aの
基準受光量Siの比(Sm/Si)を求める。 (2)位置データi(i=0〜〔受光部の数−1〕)で
表した各受光部5a毎に、下式のように、出力電圧j
を、とり得る全ての値(例えば、8ビットの信号とする
と、256レベルの値になる)の範囲で変化させなが
ら、各値jに上記比(Sm/Si)を掛けて出力電圧j
の補正値を求め、その値が前記適正光量範囲ΔEh内で
あれば、メモリLUTの該当番地(i,j)に判定出力
として「0」を記憶させ、適正光量範囲ΔEhから外れ
ていれば、メモリLUTの該当番地(i,j)に判定出
力として「1」を記憶させる。
【0042】
【数1】jの補正値=j×〔sm/si〕……式A
【0043】そして、上記手順にて作成したメモリLU
Tに対して、受光部5aの位置データi(i=0〜〔受
光部の数−1〕)と、その位置iでのラインセンサ5B
の出力電圧jとを入力すると、その各受光部5aに対し
て、正常な米粒kのときは「0」が、不良の粒や異物等
が存在する場合は「1」が、メモリLUTから判定出力
として出力される。
【0044】反射光用のラインセンサ5Bの補正後の出
力電圧の波形を図11に示す。図には、上記設定適正範
囲ΔEh内に出力電圧がある正常米粒が存在する位置e
0’の外に、米粒に一部着色部分が存在する位置e1’
や、胴割れ部分が存在する位置e2’では、上記設定適
正範囲ΔEhから下側に外れている状態を例示し、又、
ガラス片等の異物が存在する場合には、異物からの強い
直接反射光によって設定適正範囲ΔEhから上側に外れ
ている状態の位置e3’を例示している。又、黒色の石
等の存在位置でも、反射率が非常に小さいので、波形に
おいて設定適正範囲ΔEhから下側に大きく外れること
になる。尚、図中、rは反射板8からの反射光に対する
出力電圧のレベルを示す。
【0045】又、前記基準受光量記憶手段101は、米
粒群kの透過率と同一の透過率である検査基準物Kjを
前記予定存在箇所Jに位置させたときの前記透過光用の
ラインセンサ5Aの受光情報を基準受光量として記憶す
るように構成されている(図5参照)。ここで、検査基
準物Kjは、前記反射光用の基準受光量の記憶に使った
長手状の検査基準物Kjを共用して、その白色系の樹脂
板等で構成される検査基準物Kjを米粒群kの透過率と
同一の透過率となるようにする。
【0046】そして、前記判別手段100は、前記透過
光用のラインセンサ5Aの受光情報に基づいて、米粒群
kにおける各米粒の良否又は米粒群k内に混入した異物
の存否を判別するために、前記基準受光量記憶手段10
1の情報(但し、透過光用の基準受光量)に基づいて前
記米粒kに対する適正光量範囲を設定し、前記透過光用
のラインセンサ5Aの受光量が前記適正光量範囲を外れ
た場合に米粒の不良又は異物の存在を判定するように構
成されている。
【0047】具体的には、前述の反射光の場合と同様に
(図6参照)、基準受光量記憶手段101は、各受光部
5a毎に透過光の基準受光量Si(i=0〜〔受光部の
数−1〕)を記憶し、判別手段100は、複数個の受光
部5aの基準受光量Siについての平均値情報Smに基
づいて、その平均値Smを中心として上下に所定幅とな
る透過光の光量範囲として、複数個の受光部5aに対し
て一つの適正光量範囲ΔEtを設定するとともに、基準
受光量の平均値Smに対する各受光部5aの基準受光量
Siの偏差を打ち消すように、各受光部5aの検出受光
量つまり出力電圧jを補正し、その補正後の出力電圧j
が前記一つの適正光量範囲ΔEtを外れた場合に米粒k
の不良又は異物の存在を判定するように構成されてい
る。
【0048】透過光用のラインセンサ5Aの補正後の出
力電圧の波形を図12に示す。各受光部5aの出力電圧
が上記適正光量範囲ΔEtの上限値ULと下限値LLと
の間にある位置e0に正常な米粒の存在を判定するとと
もに、米粒kの一部着色部分又は黒色の石粒等の存在位
置e1や、胴割れ部分が存在する位置e2では、上記設
定適正範囲ΔEtの下限値LLよりも小さくなり、正常
な米粒よりも透過率が小さい不良の米粒や異物等の存在
を判定する。
【0049】ここで、透過光の場合は、米粒kや異物等
が存在しない位置に対応する受光部5aでは、照明光源
4からの照明光を直接受光して設定適正範囲ΔEtの上
限値ULよりも大きい出力値Esになる。そこで、適正
光量範囲ΔEtの上限値ULと、照明光源4からの照明
光を直接受光したときの受光量Esとの間に、明側の判
定レベルUL1を設定し、ラインセンサ5Aの受光量
が、適正光量範囲ΔEtの上限値ULと前記明側の判定
レベルUL1との間にある位置e4に、正常な米粒kよ
りも透過率が大きい不良の米粒k又は前記異物の存在を
判定する。この正常な米粒kよりも透過率が大きい不良
の米粒k又は異物の例としては、正常な米粒kを「もち
米」としたときの「うるち米」が正常な米粒kよりも透
過率が大きい不良の米粒kになり、薄い色付の透明なガ
ラス片等が、正常な米粒kよりも透過率が大きい異物に
なる。
【0050】そして、ラインセンサ5Aの出力電圧が、
上記明側の判定レベルUL1と、設定適正範囲ΔEtの
上限値ULとの間にあることを判別するために、ライン
センサ5Aの各受光部5aにおいて、その出力電圧が明
側の判定レベルUL1よりも小で且つ前記適正光量範囲
ΔEtの上限値ULよりも大である受光部5aを求め、
その求めた受光部5aの隣接する連続個数が設定個数
(例えば、2個)を超える箇所を、正常な米粒kよりも
透過率が大きい不良の米粒k又は前記異物の存在箇所と
判定している。
【0051】つまり、受光部5aの出力電圧が明側の判
定レベルUL1よりも小である2値情報と、前記適正光
量範囲ΔEtの上限値ULよりも大である2値情報とを
演算して、前記出力電圧が前記明側の判定レベルUL1
よりも小で且つ前記適正光量範囲ΔEtの上限値ULよ
りも大である受光部5aを求める。具体的な処理を、図
13にて説明する。(イ)は、受光部5aの出力電圧が
明側の判定レベルUL1よりも小のときを1とした出力
波形であり、前述の4つの位置e0,e1,e2,e4
の夫々に対応する箇所で1になっている。(ロ)は、前
記上限値ULよりも大のときを1とした出力波形(上限
値ULよりも小のときを1とした出力波形の反転波形)
であり、前述の4つの位置e0,e1,e2,e4のう
ちでe4だけが出力されていない。そして、(イ)の波
形と(ロ)の波形との論理積(AND処理)を演算する
と、(ハ)に示すように、e4だけに対応する信号波形
が得られる。但し、UL1にて検出される波形とULに
て検出される波形の幅が異なる(UL1の方がULに比
べて広い)ので、e4以外の位置e0,e1,e2にお
いても、前後に細いパルス状の波形が出るが、これは、
前述の設定個数(例えば、2個)以下の波形をカットす
るフイルター処理にて除去することができる。そして、
(ニ)に示すように、設定適正範囲ΔEtの下限値LL
よりも下側の位置e1,e2と、上記位置e4とが、不
良物の位置として判定される。
【0052】又、前記制御装置10を利用して、照明光
源4を構成する蛍光灯の劣化等によって生じる照明光源
4からの照明光量の経時的な変化を検出する光量変化検
出手段102が構成されている(図3参照)。具体的に
は、反射光の場合には、図8に示すように、前記長手状
の反射板8からの反射光を受光する反射光用のラインセ
ンサ5Bの各受光部5aの受光量情報を用いて、上記照
明光量の経時的な変化を検出する。つまり、出荷調整時
に各受光部5aの出力電圧rの平均値rmを求めて記憶
させておき、ある期間使用後の各受光部5aの出力電圧
r’の平均値rm’と、上記最初の平均値rmとの比
(rm’/rm)によって光量変化率が求まる。尚、図
8には、正常な米粒群kについての出力電圧j,j’を
例示している。透過光の場合には、光源4からの直接光
を受光したときの透過光用のラインセンサ5Aの出力電
圧(図12のEs)の変化を検出し、上記反射光と同様
な手順で、透過光の場合の光量変化率を求める。
【0053】そして、前記判別手段100は、前記光量
変化検出手段102の情報に基づいて、前記照明光量の
経時的な変化の影響を打ち消すように、前記反射光用の
ラインセンサ5Bもしくは前記透過光用のラインセンサ
5Aの受光量情報を補正するように構成されている。具
体的には、下式のように、前記基準受光量の情報で補正
した後の各受光部5aの出力電圧jを上記光量変化率
(rm’/rm)で割って、出力電圧jの補正値を求め
る。そして、この値が前記適正光量範囲ΔEh,ΔEt
内であるか否かを判断して、前記メモリLUTのデータ
を書き換え、以後は、この修正されたメモリLUTを使
用する。
【0054】
【数2】 jの補正値=j×〔sm/si〕/〔rm’/rm〕……式B
【0055】前記移送手段Hは、図3に示すように、前
記制御装置10及び前記エアー吹き付け装置6をも利用
して、前記判別手段100の判別情報に基づいて、前記
予定存在箇所Jに移送した米粒群kのうちの正常な米粒
kと不良の米粒及び前記異物とを異なる経路に分離して
移送するように構成されている。具体的には、米粒の不
良又は異物の存在が判別された場合には、予定存在箇所
Jから下流側の移送経路における前記不良の米粒又は前
記異物に対する異なる経路への分離箇所(前記エアーガ
ン6aの設置箇所)までの移送時間が経過するに伴っ
て、前記不良の米粒又は前記異物を正常な米粒の経路と
異なる経路に分離させる。つまり、米粒群kを自重にて
落下させて移送させるとともに、不良の米粒又は異物に
対して、その位置に対応する各エアーガン6aからエア
ーを吹き付けて正常な米粒の経路から分離させる。
【0056】次に、図9及び図10に示すフローチャー
トに基づいて、不良検出及び不良物除去の動作について
説明する。出荷調整時(図9)には、先ず、前記検査基
準物Kjに基づく基準受光量データの記憶処理(ここで
は、「リファレンス作成」という。以下同じ)と、最初
の照明光量の記憶処理(「照明光補正データ作成」)と
を行う。尚、図示しないが、この前に、装置の電源をオ
ンしてウオームアップ運転させておく。次に、上記基準
受光量データに基づいて前記適正光量範囲ΔEh,ΔE
tを設定して(「しきい値設定」)、前述の補正式Aに
従って、補正用データを記憶させたメモリLUTを作成
する(「LUT作成」)。最後に、エアー吹き付け装置
6に対する各ノズルの作動時間等の調整を行う(「排除
調整」)。
【0057】通常運転時(図10)には、先ず、装置を
立ち上げて所定の時間、ウオームアップ運転させてか
ら、そのときの照明光量の検出と前記光量変化率を求め
る処理(「照明光補正データ作成」)を行い、前記適正
光量範囲ΔEh,ΔEtと上記光量変化率とを使って、
前述の補正式Bに従って、メモリLUTの補正用データ
を書き換えて修正されたメモリLUTを作成する(「L
UT作成」)。
【0058】そして、実際に米粒群を移送しながら運転
開始して、所定の清掃時間が経過するまで運転を続け
る。清掃時間が経過すると、米粒群の移送を停止させ、
格納室の窓部材14A,14Bの表面等に付着した塵や
埃等を除去するように装置を清掃してから、清掃後の照
明光量の検出と前記光量変化率を求める処理(「照明光
補正データ作成」)を行う。このときに、照明光量の低
下が大きい場合等には、光源4の電圧を上げる等して光
量を調整する(「調光」)。調光処理をしないときに
は、上記求めた光量変化率を使ってメモリLUTの内容
を修正するが、調光処理をしたときは照明光量が変化し
ているので、照明光量の検出と前記光量変化率を求める
処理(「照明光補正データ作成」)を再度行い、このデ
ータに基づいてメモリLUTの内容を修正する。以後
は、米粒群の移送を開始して、この修正後のメモリLU
Tを使って不良検出を行う。
【0059】〔別実施形態〕前記反射部材8の別実施例
を図14に示す。上記実施例では、長手状の反射部材8
を長手方向に沿って直線状に形成しているのに対して、
別実施例では、長手状の反射部材8が、その長手方向の
両端部において端部側ほど前記反射光受光手段(ライン
センサ5B)に近づく状態で設けられている。つまり、
図の(イ)は、反射部材8の中間部分は直線状に形成
し、両端部だけを端部側ほどラインセンサ5Bに近づく
ように曲げた例、(ロ)は、反射部材8の両端部だけで
なく、中間部分も端部側ほどラインセンサ5Bに近づく
ように曲げた例を示す。そして、反射部材8を直線状に
した場合には、図15の2点鎖線で示すように、反射光
用のラインセンサ5Bの出力電圧が、反射部材8の両端
部で大きく低下するのに対して、反射部材8を曲げた場
合には、図15の実線で示すように、反射光用のライン
センサ5Bの出力電圧の反射部材8の両端部での低下が
抑制される。
【0060】上記実施例では、判別手段100が、光量
変化検出手段102の情報(照明光量の変化率)に基づ
いて、照明光量の経時的な変化の影響を打ち消すため
に、各受光手段5A,5Bの受光量情報を補正したが、
これ以外に、各受光手段5A,5Bの受光量情報は補正
せずに、前記適正光量範囲ΔEh,ΔEtを補正しても
よい。つまり、図6に示すように、始めに設定した適正
光量範囲ΔEh,ΔEtに照明光量の変化率を掛けて、
補正後の適正光量範囲ΔEh”,ΔEt”とするであ
る。
【0061】上記実施例では、判別手段100が、基準
受光量記憶手段101の情報(各受光部5a毎の基準受
光量)に基づいて、一つの適正光量範囲ΔEh,ΔEt
を設定したが、これに限るものではない。例えば、図1
6に反射光の例で示すように、各受光部での基準受光量
Siの値をを中心として上下に所定幅となる反射光の光
量範囲として、複数個の受光部5a夫々に対して夫々の
適正光量範囲ΔEh’を設定し、各受光部5aの検出電
圧が夫々の適正光量範囲ΔEh’内であるか否かを判断
するようにしてもよい。
【0062】上記実施例では、判別手段100が行う検
出受光量の補正処理用のデータを記憶するメモリLUT
に、受光部5aの位置iと、その位置iでの受光量の検
出値jとを入力すると、正常な粒状体のときは「0」、
不良物のときは「1」が、判定出力として出力されるよ
うにしたが、このような2値判定に限るものではなく、
例えば、受光部5aの位置iと、その位置iでの受光量
の検出値jとを入力すると、その検出値jが補正された
多値(例えば、8ビット)の情報を出力するように、補
正用のメモリを構成してもよく、この場合は、上記多値
の情報を判断処理して、より精度の高い不良検出を行う
ことができる。
【0063】上記実施例では、判別手段100が、基準
受光量記憶手段101の情報に基づいて補正処理を行っ
てから不良の検出処理を行うようにしたが、これに限る
ものではない。例えば、図15のrに示される両端部で
の反射光量の低下が改善された長手状の反射部材8を使
えば、図11に示す反射光のラインセンサ5Bの波形
(但し、この場合は、縦軸は補正無しの出力電圧とな
る)において、横軸方向の両端部(ラインセンサ5Bの
両端部の受光部5a)の位置まで、補正無しで設定した
一つの適正光量範囲ΔEhを使って不良検出処理ができ
る。
【0064】上記実施例では、基準受光量記憶手段10
1に基準受光量の情報を記憶させるために、出荷調整時
にのみ、検査基準物Kjを予定存在箇所Jに置いて、反
射又は透過光についての受光量を検出するようにした
が、例えば、検査基準物Kjを予定存在箇所Jに対して
出し入れする手段を装置に備えさせることにより、出荷
後においても、適宜(例えば、前記「調光」を行った
時)、基準受光量記憶手段101に、新しい基準受光量
の情報を記憶させるようにしてもよい。
【0065】上記実施例では、粒状体群の移送を停止さ
せた状態で、反射部材8からの反射光又は光源4からの
直接照明光の光量を検出して、経時的な光量変化を検出
する光量変化検出手段102を構成したが、これに限る
ものではない。例えば、粒状体群の移送経路の横幅方向
での一部に粒状体群を流さない箇所を設定し、この部分
を使って、経路の大部分で粒状体群を流しながら、反射
部材8からの反射光又は光源4からの直接照明光の光量
を検出するようにしてもよい。
【0066】上記実施例では、両受光手段5A,5Bが
複数個の受光部5aを備えるように構成したが、例えば
フォトセンサー等の単一のセンサーで構成して、前述の
判別手段100による不良検出処理を行うようにしても
よい。
【0067】上記実施例では、検査対象物としての粒状
体群が米粒群kである場合について例示したが、これに
限るものではなく、例えば、プラスチック粒等における
不良物や異物の存否を検査する場合にも適用できる。
【0068】上記実施例では、照明手段4を、複数列状
の検査対象物(米粒群k)の全幅を照明するようにライ
ン状の蛍光灯にて構成したが、検査対象物(米粒群k)
の予定存在箇所その他の条件に応じて、照明手段の具体
構成は適宜変更できる。
【0069】上記実施例では、受光手段5Aを、モノク
ロタイプのCCDセンサを利用して構成したが、撮像管
式のテレビカメラを利用して構成してもよい。又、モノ
クロタイプではなく、カラータイプのCCDセンサにて
構成して、例えば、色情報R,G,B毎の受光量から不
良米や異物の存否をさらに精度良く判別するようにして
もよい。
【0070】上記実施例では、移送手段Hにて検査対象
物としての粒状体群(米粒群k)を予定移送経路に沿っ
て複数列並ぶ状態で(つまり横方向に広がった状態で)
移送するようにしたが、これ以外に、例えば、予定移送
経路に沿って一列状態で(つまり直線状に)移送させる
ようにしてもよい。
【0071】上記実施例では、検査対象物としての粒状
体群(米粒群k)を予定移送経路に沿って一層状態で複
数列並ぶ状態で移送する移送手段Hを構成するために、
傾斜させたシュータ1を設けてその面上を粒状体群を滑
らせるようにしたが、これ以外に、例えば、粒状体群を
一層状態で載置して搬送する搬送装置等を設けてもよ
い。又、自重にて落下している粒状体群(米粒群k)中
の不良物に向けてエアーを吹き付けて、正常な粒状体の
経路から不良物を分離して移送するように、移送手段H
を構成したが、これに限るものではなく、例えば、不良
物をエアーで吸引するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】不良検出・除去装置の概略斜視図
【図2】同概略側面図
【図3】制御構成のブロック図
【図4】受光検出範囲の説明図
【図5】基準受光量を記憶させるための配置を示す装置
側面図
【図6】基準受光量の記憶時の出力波形図
【図7】補正用のメモリのブロック図
【図8】照明光量の変化を示す出力波形図
【図9】動作のフローチャート
【図10】動作のフローチャート
【図11】反射光受光手段の出力波形図
【図12】透過光受光手段の出力波形図
【図13】透過光の場合の不良検出処理を説明する波形
【図14】別実施例の反射部材を示す平面図
【図15】別実施例の反射部材による反射光受光手段の
出力波形図
【図16】別実施例の不良検出処理を示す受光手段の出
力波形図
【図17】従来技術の受光検出部を示す側面図
【符号の説明】
4 照明手段 5A 透過光受光手段 5B 反射光受光手段 5a 受光部 8 反射部材 100 判別手段 101 基準受光量記憶手段 102 光量変化検出手段 H 移送手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状体群を検査対象物として、その検査
    対象物の予定存在箇所を照明する照明手段と、その照明
    手段からの照明光が前記予定存在箇所で反射した反射光
    を受光する反射光受光手段と、その反射光受光手段の受
    光情報に基づいて、粒状体群における各粒状体の良否又
    は粒状体群内に混入した異物の存否を判別する判別手段
    とが設けられた不良検出装置であって、 前記検査対象物の反射率と同一の反射率である検査基準
    物を前記予定存在箇所に位置させたときの前記反射光受
    光手段の受光情報を基準受光量として記憶する基準受光
    量記憶手段が設けられ、 前記判別手段は、前記基準受光量記憶手段の情報に基づ
    いて前記粒状体に対する適正光量範囲を設定し、前記反
    射光受光手段の受光量が前記適正光量範囲を外れた場合
    に粒状体の不良又は前記異物の存在を判定するように構
    成されている不良検出装置。
  2. 【請求項2】 前記予定存在箇所が長手状に設定される
    とともに、前記反射光受光手段が、各別に受光情報が取
    出し可能な複数個の受光部を前記長手状の予定存在箇所
    の全体に亘って直線状に並ぶ状態で備えるように構成さ
    れ、 前記反射光受光手段の受光方向であって前記長手状の予
    定存在箇所の背面側に、前記照明手段からの照明光を反
    射させるための長手状の反射部材が設けられ、 前記基準受光量記憶手段は、前記各受光部毎に前記基準
    受光量を記憶するように構成され、 前記判別手段は、前記複数個の受光部の前記基準受光量
    についての平均値情報に基づいて、前記複数個の受光部
    に対して一つの適正光量範囲を設定するとともに、前記
    基準受光量の平均値に対する前記各受光部の前記基準受
    光量の偏差を打ち消すように、前記各受光部の検出受光
    量を補正し、その補正後の受光量が前記一つの適正光量
    範囲を外れた場合に粒状体の不良又は前記異物の存在を
    判定するように構成されている請求項1記載の不良検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記長手状の反射部材が、その長手方向
    の両端部において端部側ほど前記反射光受光手段に近づ
    く状態で設けられている請求項2記載の不良検出装置。
  4. 【請求項4】 粒状体群を検査対象物として、その検査
    対象物の予定存在箇所を照明する照明手段と、その照明
    手段からの照明光が前記予定存在箇所を透過した透過光
    を受光する透過光受光手段と、その透過光受光手段の受
    光情報に基づいて、粒状体群における各粒状体の良否又
    は粒状体群内に混入した異物の存否を判別する判別手段
    とが設けられた不良検出装置であって、 前記検査対象物の透過率と同一の透過率である検査基準
    物を前記予定存在箇所に位置させたときの前記透過光受
    光手段の受光情報を基準受光量として記憶する基準受光
    量記憶手段が設けられ、 前記判別手段は、前記基準受光量記憶手段の情報に基づ
    いて前記粒状体に対する適正光量範囲を設定し、前記透
    過光受光手段の受光量が前記適正光量範囲を外れた場合
    に粒状体の不良又は前記異物の存在を判定するように構
    成されている不良検出装置。
  5. 【請求項5】 前記予定存在箇所が長手状に設定される
    とともに、前記透過光受光手段が、各別に受光情報が取
    出し可能な複数個の受光部を前記長手状の予定存在箇所
    の全体に亘って直線状に並ぶ状態で備えるように構成さ
    れ、 前記基準受光量記憶手段は、前記各受光部毎に前記基準
    受光量を記憶するように構成され、 前記判別手段は、前記複数個の受光部の前記基準受光量
    についての平均値情報に基づいて、前記複数個の受光部
    に対して一つの適正光量範囲を設定するとともに、前記
    基準受光量の平均値に対する前記各受光部の前記基準受
    光量の偏差を打ち消すように、前記各受光部の検出受光
    量を補正し、その補正後の受光量が前記一つの適正光量
    範囲を外れた場合に粒状体の不良又は前記異物の存在を
    判定するように構成されている請求項4記載の不良検出
    装置。
  6. 【請求項6】 前記照明手段からの照明光量の経時的な
    変化を検出する光量変化検出手段が設けられ、 前記判別手段は、前記光量変化検出手段の情報に基づい
    て、前記照明光量の経時的な変化の影響を打ち消すよう
    に、前記反射光受光手段もしくは前記透過光受光手段の
    受光量情報、又は前記適正光量範囲を補正するように構
    成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の不良
    検出装置。
  7. 【請求項7】 前記光量変化検出手段は、前記長手状の
    反射部材からの反射光を受光する前記各受光部の受光量
    情報を用いて、前記照明光量の経時的な変化を検出する
    ように構成されている請求項6記載の不良検出装置。
  8. 【請求項8】 粒状体群を検査対象物として、その検査
    対象物の予定存在箇所を照明する照明手段と、その照明
    手段からの照明光が前記予定存在箇所で反射した反射光
    を受光する反射光受光手段と、その反射光受光手段の受
    光情報に基づいて、粒状体群における各粒状体の良否又
    は粒状体群内に混入した異物の存否を判別する判別手段
    とが設けられた不良検出装置であって、 前記検査対象物の予定存在箇所が長手状に形成されると
    ともに、前記反射光受光手段が、各別に受光情報が取出
    し可能な複数個の受光部を前記長手状の予定存在箇所の
    全体に亘って直線状に並ぶ状態で備えるように構成さ
    れ、 前記反射光受光手段の受光方向であって前記長手状の予
    定存在箇所の背面側に、前記照明手段からの照明光を反
    射させるための長手状の反射部材が、その長手方向の両
    端部において端部側ほど前記反射光受光手段に近づく状
    態で設けられている不良検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の不
    良検出装置を備えた不良物除去装置であって、 前記検査対象物を予定移送経路に沿って移送する移送手
    段が設けられ、 前記移送手段は、前記検査対象物を予定移送経路におけ
    る前記予定存在箇所に移送するとともに、前記判別手段
    の判別情報に基づいて、前記予定存在箇所に移送した前
    記検査対象物のうちの正常な粒状体と不良の粒状体及び
    前記異物とを異なる経路に分離して移送するように構成
    されている不良物除去装置。
  10. 【請求項10】 前記移送手段は、前記検査対象物を一
    層状態で且つ複数列並ぶ状態で移送するように構成さ
    れ、 前記照明手段は、前記複数列の検査対象物の並び方向の
    全幅を照明するように構成され、 前記反射光受光手段又は前記透過光受光手段は、前記複
    数列の検査対象物の並び方向に沿ってその全幅を受光範
    囲とするように構成されている請求項9記載の不良物除
    去装置。
  11. 【請求項11】 前記移送手段は、前記検査対象物を自
    重にて落下させて移送させるとともに、前記不良の粒状
    体又は前記異物に対してエアーを吹き付けて正常な粒状
    体の経路から分離させるように構成されている請求項9
    又は10記載の不良物除去装置。
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