JPH1010756A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1010756A
JPH1010756A JP15959896A JP15959896A JPH1010756A JP H1010756 A JPH1010756 A JP H1010756A JP 15959896 A JP15959896 A JP 15959896A JP 15959896 A JP15959896 A JP 15959896A JP H1010756 A JPH1010756 A JP H1010756A
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JP
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vinyl acetate
vinyl chloride
vinyl
copolymer
charge generation
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Application number
JP15959896A
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English (en)
Inventor
Kazuya Hongo
和哉 本郷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷発生材料の分散性、繰り返し使用時の画
質および電位安定性が改善され、環境安定性に優れた電
子写真感光体を提供する。 【解決手段】 電荷発生材料と結着樹脂中に分散して形
成した電荷発生層を有する電子写真感光体において、前
記結着樹脂が熱天秤で昇温した時の50℃から200℃
までの熱重量減少率が0.50%以下である塩化ビニル
酢酸ビニル系共重合体を含有する。塩化ビニル酢酸ビニ
ル系共重合体として、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
から選択されたものが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷発生材料を結
着樹脂中に分散して形成された電荷発生層を有する電子
写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体における光導電物質とし
ては、種々の無機系および有機系の物質が知られてい
る。有機系の光導電物質は、それを電子写真感光体に使
用した場合、膜の透明性、良好な成膜性、可撓性を有
し、無公害である、コストが比較的低い等の利点を有し
ているため、従来から種々のものが提案されている。特
に最近では、有機系光導電物質とを電荷発生材料として
用いた電荷発生層と、光導電性ポリマー或いは低分子の
有機系光導電物質を電荷輸送材料として用いた電荷輸送
層を積層した積層型電子写真感光体が主流となってきて
いる。感光層をこのような積層構造とすることにより、
電荷発生材料と電荷輸送材料とを個々に選択できるよう
になり、それぞれの材料の選択基準を広くすることがで
きる。
【0003】従来、電荷発生層は、電荷発生材料単一で
構成されることもあるが、一般には結着樹脂が用いられ
る。電荷発生層に使用する結着樹脂としては、電荷発生
材料に対する分散性、分散液の安定性、導電層或いは下
引き層に対する密着性或いは電荷輸送層に含有される有
機溶剤に対する耐溶解性および耐浸透性等の塗料として
の性質と、感度、帯電性或いは繰り返し特性等の電子写
真感光体の電子写真特性に優れた性質とを兼ね備えた材
料が選ばれて使用され、これまでに数多くの結着樹脂が
提案されている。以上の点を考慮した上で、電荷発生層
に使用する結着樹脂として効果的であるものとして、塩
化ビニル酢酸ビニル系共重合体が上げられる。塩化ビニ
ル酢酸ビニル系共重合体を電荷発生層の結着樹脂として
使用するに当たっては、電荷発生材料に応じて最も適し
た品種、組成、重合度のものが選択されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記塩
化ビニル酢酸ビニル系共重合体は、保存安定性が低く、
保存中に分解して塩酸を生成しやすいため、使用可能な
有効期限が短いという欠点がある。そして、長期保存し
た塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体を電荷発生層の結着
樹脂として用いた電子写真感光体は、結着樹脂と電荷発
生材料の相性が悪いために、分散性が悪く、かぶりや黒
点などの画質欠陥を生じたり、繰り返し使用した場合に
は、電子写真特性の低下が見られ、画質欠陥の発生や電
位安定性の点で十分であるとはいえなかった。更に、高
温高湿条件下や、低温低湿条件下における電子写真特性
の変動が大きく、環境安定性の点においても満足するも
のが得られていなかった。本発明は、従来の技術におけ
る上記の問題点を解消するためになされたものである。
【0005】すなわち、本発明の目的は、電荷発生層の
結着樹脂として、塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体を用
いる電子写真感光体の、結着樹脂と電荷発生材料の分散
性や、繰り返し使用時の画質および電位安定性が改善さ
れ、環境安定性に優れた電子写真感光体を提供すること
にある。特に、本発明の目的は、長期間保存した塩化ビ
ニル酢酸ビニル系共重合体を用いる電子写真感光体の、
分散性や電子写真感光特性の低下を防止することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、塩化ビニル
酢酸ビニル系共重合体に含まれる残留溶剤や水分、低分
子モノマーやダイマー等の不純物、更には保存中に分解
して生成する塩酸等が、電子写真感光体の分散性、電子
写真特性や画質特性に影響を及ぼすことを突き止め、電
荷発生層の結着樹脂として、熱天秤で昇温した時の50
℃から200℃までの熱重量減少率が0.50%以下で
あるような塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体を用いるこ
とによって、本発明の上記目的が達成できることを見出
だし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、電荷発生材料を結着
樹脂中に分散して形成した電荷発生層を有する電子写真
感光体において、前記結着樹脂が熱天秤で昇温した時の
50℃から200℃までの熱重量減少率が0.50%以
下である塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体を含有するこ
とを特徴とする。上記塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体
は、塩酸含有量が0.2重量%以下であることが好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の電子写真感光体は、基体上に電荷発生層
と電荷輸送層とよりなる感光層を設けた構成を有するも
のであって、その電荷発生層は、上記のように熱天秤で
昇温した時の50℃から200℃までの熱重量減少率が
0.50%以下である塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体
から選ばれる結着樹脂と適当な溶剤および電荷発生材料
とを用いて形成される。
【0009】本発明において使用される塩化ビニル酢酸
ビニル系共重合体としては、具体的には、塩化ビニル−
酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール共重合体、および塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体から選択される1種またはそれ以上
の混合物が好ましいものとしてあげられる。これらの塩
化ビニル酢酸ビニル系共重合体は、平均重合度200〜
3000の範囲のものが好ましい。
【0010】本発明において、塩化ビニル酢酸ビニル系
共重合体は、熱天秤で昇温した時の50℃から200℃
までの熱重量減少率が0.50%以下であることが必要
であり、好ましくは0.45%以下のものが使用され
る。上記熱重量減少率が0.50%を越えると、分散
性、画質特性、繰り返し特性および環境安定性が悪化す
る。上記熱重量減少率を0.50以下にする方法として
は、塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体をメチルエチルケ
トン、酢酸n−ブチル等の可溶性溶剤に溶解した後、得
られた溶液を、蒸留水、イオン交換水等の精製水やメタ
ノール、エタノール等に滴下して共重合体を沈殿させ、
沈殿物を捕集した後、脱水、乾燥する溶剤洗浄をはじ
め、加熱洗浄、超音波洗浄、抽出洗浄、透析、加熱処理
等の方法が使用できる。
【0011】塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体は、製造
後数か月を経過したものを電荷発生層の結着樹脂として
使用した場合、共重合体中に残留する溶剤や樹脂に吸着
した水分、樹脂原料のモノマー或いは副生するダイマ
ー、オリゴマー等の低分子成分、更には保存中に分解し
て生成する塩酸等が不純物として存在するために、これ
らが電荷発生材料との分散性を低下させて画質欠陥を生
じたり、繰り返し特性や環境安定性を悪化させてしま
う。本発明においては、使用される塩化ビニル酢酸ビニ
ル系共重合体を、熱天秤で昇温した時の50℃から20
0℃までの熱重量減少率が0.50%以下にすることに
より、塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体に残留する溶剤
や、水分を0.2%以下、樹脂中のモノマー等の低分子
成分を0.2%以下、また保管中に分解して生成する塩
酸含有量を0.2%以下に抑え、前記残留溶剤や不純物
等の影響を防ぎ、分散性を改善し、画質特性、繰り返し
安定性および環境安定性に優れた電子写真感光体を提供
できるのである。
【0012】本発明において使用される電荷発生材料と
しては、クロロダイアンブルー等のアゾ顔料、臭素化ア
ントアントロン、ピレンキノン等のキノン顔料、キノシ
アニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾ
イミダゾール顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニ
ン顔料、アズレニウム塩、スクエアリウム、キナクリド
ン、三方晶セレン等があげられる。
【0013】上記電荷発生材料の中で、フタロシアニン
顔料は、レーザープリンター等のデジタル記録用の感光
体に使用する電荷発生材料として最も効果的である。そ
の中で好ましいフタロシアニン顔料としては、無金属フ
タロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、チタニ
ルフタロシアニンおよびヒドロキシガリウムフタロシア
ニン等があげられる。
【0014】本発明において、電荷発生材料と結着樹脂
の配合比は、40:1〜1:10、好ましくは20:1
〜1:5である。電荷発生材料の比率が高すぎる場合に
は、電荷発生層形成用塗布液の安定性が低下し、低すぎ
る場合には感度が低下するので、上記の範囲にするのが
好ましい。
【0015】電荷発生層形成用塗布液の作製に使用され
る溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロラ
イド、クロロホルム、ベンジルアルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロベンゼン等の有機溶剤、或いはこれらの混
合溶剤をあげることができる。分散手段としては、サン
ドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミル、ダ
イノーミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボ
ールミル、ロールミル等の手段が利用できる。塗布方法
としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコー
ティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティン
グ法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法
等の方法を用いることができる。また、電荷発生層の膜
厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.03〜2μm
程度に設定される。
【0016】積層型電子写真感光体において、電荷発生
層は前記の分散液を基体上に直接、或いは下引き層上に
塗工することによって形成することができる。また、後
述の電荷輸送層の上に塗工することによっても形成する
ことができる。電子写真感光体における基体としては、
電子写真感光体において使用されるものであれば、如何
なるものでも使用できる。また、必要に応じて、基体の
表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うこと
ができる。例えば、表面の陽極酸化処理、液体ホーニン
グ等による粗面化処理、薬品処理、着色処理等を行うこ
とができる。
【0017】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
より構成されるもので、電荷輸送材料としては、公知の
ものであれば如何なるものでも使用できる。成膜性樹脂
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスチレン、ポリエステル、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エ
ステル、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポ
リオレフィン等があげられる。電荷輸送層は、上記の電
荷輸送材料と成膜性樹脂とを適当な溶剤に溶解し、塗布
することによって形成されるが、これらの塗布方法とし
ては、電荷発生層について述べたのと同様の方法を用い
ることができる。
【0018】電荷輸送材料と成膜性樹脂の配合比は、
5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3である。電
荷輸送材料の比率が高すぎる場合には、電荷輸送層の機
械的強度が低下し、低すぎる場合には、感度が低下する
ので、上記の範囲にするのが好ましい。また、電荷輸送
材料が成膜性を有する場合には、上記成膜性樹脂を省く
こともできる。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜50μ
m、特に10〜40μmの範囲になるように形成するの
が好ましい。
【0019】また、本発明の電子写真感光体は、必要に
応じて、感光層と基体の間に下引き層を設けてもよい。
下引き層は、基体からの不必要な電荷の注入を阻止する
ために有効なものであり、感光体の帯電性を向上させる
作用を有している。更に、感光層と基体との接着性を向
上させる作用を有している。下引き層の膜厚は、0.0
1〜10μm、特に0.05〜5μmの範囲になるよう
に形成するのが好ましい。さらに本発明の電子写真感光
体は、耐刷性を向上させるために、感光層の上に保護層
を設けてもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例において、「部」は「重量部」を
意味する。 合成例1(クロロガリウムフタロシアニンの合成) 1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウ
ム9.1部をジメチルスルホキシド230部中に入れ、
160℃において4時間反応させた後、生成物を濾別
し、ジメチルスルホキシドおよびイオン交換水で洗浄
し、次いで湿ケーキを乾燥して、I型クロロガリウムフ
タロシアニン28部を得た。得られたI型クロロガリウ
ムフタロシアニン10部を、12mmφのアルミナ製ビ
ーズ100部と共にアルミナ製ポットに入れて、振動ミ
ル(MB−1型、中央化工機社製)に装着し、180時
間粉砕した。次いで、湿式粉砕するため、この結晶5部
を5mmφのガラスビーズ50部と共にジメチルスルホ
キシド50部中で、室温において24時間ボールミーリ
ングし、イオン交換水4000部で洗浄した後、濾別
し、60℃において24時間真空乾燥して、II型クロロ
ガリウムフタロシアニン4.5部を得た。
【0021】合成例2(ヒドロキシガリウムフタロシア
ニンの合成) 合成例1と同様の方法で得たI型クロロガリウムフタロ
シアニン3部を、濃硫酸90部に溶解した後、この溶液
を25%アンモニア水180部と蒸留水60部の混合溶
液に滴下して結晶を析出させ、析出したヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンをイオン交換水で十分に洗浄し、乾
燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン2.6部
を得た。得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン2.5部をN,N−ジメチルホルムアミド40部と共
に、ボールミルで24時間湿式粉砕を行った後、イオン
交換水を使用して洗浄し、真空乾燥機において60℃で
24時間乾燥してV型ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン2.3部を得た。
【0022】実施例1 製造後1年を経過した塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)5
部を、真空乾燥機(DP61型、ヤマト科学社製)を用
いて、1.0×102 Paの減圧下において70℃で4
時間加熱処理した。得られた塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体を熱天秤で昇温した時の50℃から
200℃までの熱重量減少率を熱重量測定装置(TGA
−50、島津製作所社製)を用いて毎分10℃の昇温速
度で測定したところ、0.434%であった。また、塩
化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体中の塩酸含
有量を硝酸銀滴定法により測定したところ、0.098
重量%であった。このときの熱重量変化を図1に示す。
上記処理により得られた塩化ビニル−酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体2部を酢酸n−ブチル48部に溶解した
溶液に、合成例1のII型クロロガリウムフタロシアニン
2部を加え、6時間サンドミルで分散し、酢酸n−ブチ
ルで希釈し、固形分濃度4.0重量%の電荷発生層形成
用塗布液を調製した。
【0023】一方、40φ×319mmの鏡面アルミニ
ウムパイプを用意し、液体ホーニング装置を用いて、研
磨剤(グリーンデシックGC#400、昭和電工社製)
10kgを水40リットルに懸濁させ、それをポンプで
6リットル/分の流量でガンに送液し、吹き付け速度6
0mm/min、空気圧8.3×104 Paで、アルミ
ニウムパイプを100rpmで回転させながら軸方向に
移動させ、湿式ホーニング処理を行った。このときの中
心線平均粗さRaは0.15μmであった。
【0024】次いで、ポリビニルブチラール樹脂(エス
レックBM−S、積水化学工業社製)8部をn−ブチル
アルコール152部に加え、撹拌溶解し、5重量%のポ
リビニルブチラール溶液を作製した。次に、トリブトキ
シジルコニウム・アセチルアセトネートの50%トルエ
ン溶液(ZC540、松本交商社製)100部、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン(A1100、日本ユ
ニカー社製)10部およびn−ブチルアルコール130
部を混合した溶液を、前記のポリビニルブチラール溶液
中に加え、スターラーで撹拌し、下引き層形成用塗布液
を作製した。この塗布液をアルミニウムパイプ上に浸漬
塗布し、150℃において15分間加熱乾燥し、0.8
μmの下引き層を形成した。
【0025】形成された下引き層の上に、前記電荷発生
層形成用塗布液をリング塗布機により塗布し、100℃
で10分間加熱乾燥し、膜厚0.20μmの電荷発生層
を形成した。
【0026】形成された電荷発生層の上に電荷輸送層を
形成した。すなわち、N,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(3−メチルフェニル)[1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン4部を電荷輸送材料とし、ポ
リカーボネートZ樹脂6部と共に、モノクロロベンゼン
40部に溶解させ、得られた溶液を浸漬塗布装置によっ
て、前記電荷発生層上に塗布し、115℃で60分加熱
乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を作製した。
【0027】比較例1 実施例1において、製造後1年を経過した塩化ビニル−
酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を処理せずにそのまま
使用したこと以外は、実施例1と全て同様にして電荷発
生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を用いて電子写
真感光体を作製した。また、このとき用いた塩化ビニル
−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体の熱重量変化を図2
に示す。50℃から200℃までの熱重量減少率は、
0.673%であった。また、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体中の塩酸含有量は0.265重量
%であった。
【0028】実施例2 製造後10か月を経過した塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体(エスレックA、積水化学工業
社製)5部をメチルエチルケトン100部に溶解させた
溶液を、イオン交換水2000部にゆっくり滴下し、共
重合体を沈殿させた。次に、沈殿した共重合体を濾別
し、前記真空乾燥機を用いて50℃で24時間真空乾燥
し、メチルエチルケトンおよび水分を除いた。処理した
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体の
50℃から200℃までの熱重量減少率を測定したとこ
ろ、0.078%であった。また、その塩酸含有量は
0.027重量%であった。上記処理により得られた塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体2部
を酢酸n−ブチル48部に溶解した溶液に、合成例2の
V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン2部を加え、6
時間サンドミルで分散し、酢酸n−ブチルで希釈し、固
形分濃度4.0重量%の電荷発生層形成用塗布液を調製
した。この電荷発生層形成用塗布液を使用して電荷発生
層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0029】比較例2 実施例2において、製造後10か月を経過した塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体を処理せず
にそのまま使用したこと以外は、実施例2と全て同様に
して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を用
いて電子写真感光体を作製した。また、このとき用いた
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体の
50℃から200℃までの熱重量減少率は、0.577
%であった。また、その塩酸含有量は0.342重量%
であった。
【0030】実施例3 製造後2年を経過した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(エスレックC、積水化学工業社製)5部をイオン交換
水200部と共に、超音波洗浄器(VS−100III
形、井内盛栄堂社製)を用いて、28kHz、45kH
z、100kHzの3波を交互発振させて60分間洗浄
し、濾別した後、前記真空乾燥機を用いて50℃で24
時間真空乾燥した。処理した塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体の50℃から200℃までの熱重量減少率を測定
したところ、0.229%であった。また、その塩酸含
有量は0.065重量%であった。上記処理により得ら
れた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体2部を酢酸n−ブ
チル48部に溶解した溶液に、x型無金属フタロシアニ
ン2部を加え、6時間サンドミルで分散し、酢酸n−ブ
チルで希釈し、固形分濃度4.0重量%の電荷発生層形
成用塗布液を調製した。この電荷発生層形成用塗布液を
使用して電荷発生層を形成したこと以外は、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0031】比較例3 実施例3において、製造後2年を経過した塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体を処理せずにそのまま使用したこと
以外は、実施例3と全て同様にして電荷発生層形成用塗
布液を調製し、この塗布液を用いて電子写真感光体を作
製した。また、このとき用いた塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体の50℃から200℃までの熱重量減少率は、
0.927%であった。また、その塩酸含有量は0.6
31重量%であった。
【0032】上記各実施例および比較例で得られた電子
写真感光体を評価するために、レーザープリンター(X
P−11、富士ゼロックス社製)を用いて、以下の測定
を行った。この操作は、20℃、50%RHの環境下
で、グリッド印加電圧−600Vのスコロトロン帯電器
で帯電し(A)、780nmの半導体レーザーを用い
て、1秒後に7.0mJ/m2 の光を照射して放電を行
い(B)、さらに、3秒後に50mJ/m2 の赤色LE
D光を照射して放電を行う(C)というプロセスによっ
て、各部の電位を測定した。この場合、(A)の電位V
H は高いほど、電子写真感光体の受容電位が高いため
に、コントラストを高くすることが可能であり、(B)
の電位VL は低いほど高感度であり、(C)VRPの電位
は低いほど残留電位が少なく、画像メモリーやカブリが
少ない電子写真感光体であると評価することができる。
【0033】上記の測定を10℃、15%RHおよび3
0℃、85%RHの環境下で行い、それぞれの環境にお
ける各電位の変動を調べ、環境安定性を測定した。ま
た、10,000回の繰り返し帯電・露光後の各部の電
位の測定も行った。
【0034】さらに、これらの電子写真感光体に対し、
レーザープリンター(XP−11、富士ゼロックス社
製)を用いて、30℃、85%RHの環境下で画質の評
価を行った。さらに、電荷発生層形成用塗布液の分散性
をガラスプレート上に浸漬塗布した塗膜の顕微鏡観察に
より確認した。これらの結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、電荷発
生層の結着樹脂として、熱天秤で昇温した時の50℃か
ら200℃までの熱重量減少率が0.50%以下である
塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体を含有させることによ
り、電荷発生材料の分散性や、繰り返し使用時の画質お
よび電位安定性が改善され、環境安定性に優れた電子写
真感光体を得ることができ、特に、長期間保存した塩化
ビニル酢酸ビニル系共重合体を用いる電子写真感光体の
分散性や電子写真感光特性の低下を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において用いた塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−マレイン酸共重合体板の熱重量変化を示すグラフ
である。
【図2】 比較例1において用いた塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−マレイン酸共重合体板の熱重量変化を示すグラフ
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷発生材料を結着樹脂中に分散して形
    成した電荷発生層を有する電子写真感光体において、前
    記結着樹脂が熱天秤で昇温した時の50℃から200℃
    までの熱重量減少率が0.50%以下である塩化ビニル
    酢酸ビニル系共重合体を含有することを特徴とする電子
    写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体
    が、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩
    化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、お
    よび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体から選択される1
    種またはそれ以上よりなる請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 前記塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体の
    塩酸含有量が0.2重量%であることを特徴とする請求
    項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電荷発生層に、フタロシアニン顔料
    を少なくとも1種含有する請求項1記載の電子写真感光
    体。
JP15959896A 1996-06-20 1996-06-20 電子写真感光体 Pending JPH1010756A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010191253A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2010191253A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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