JP3752842B2 - 電子写真感光体及びそれに用いる電荷輸送性化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の電荷輸送材料を用いた高強度で高耐久性を有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真感光体に関しては、有機感光体が高性能化するに伴って高速の複写機やプリンターにも使用されてきているが、有機感光体を高速の複写機やプリンターに用いる場合、現在の性能では必ずしも十分ではなく、特により一層の高耐久性が切望されている。
【0003】
一般に、有機感光体の寿命を決定する重要な因子の一つとして、その表面層の磨耗がある。現在の有機感光体は、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層させた、いわゆる積層型のものが主流であり、電荷輸送層が表面層となる場合が多い。ところが、現在、主に使用されている低分子分散系電荷輸送層は、電気的な特性に関しては満足できる性能のものが得られつつあるが、低分子化合物を結着樹脂中に分散して用いているために、結着樹脂本来の機械的な性能が低下してしまい、磨耗に関しては本質的に弱いという欠点があった。
【0004】
そこで、電荷輸送層の機械的強度を向上させる方法として、1)硬質微粒子の添加(例、特開平6−282093号公報等)、2)シリコーンオイル等の表面エネルギーを低下させる物質の添加、3)結着樹脂の改質{例、出光技法、36(2)、88(1993)等}、4)電荷輸送層上にオーバーコート層の形成 (例、特開平6−282092号公報等)、5)電荷輸送性高分子化合物の使用(例、米国特許第4,801,517号明細書等)、6)電荷輸送層の硬化(例、特開平6−250423号公報等)等の種々の提案が行われている。
【0005】
ところが、上記1)〜3)の方法は、基本的に低分子化合物を結着樹脂中に分散して用いるものであるから、大きな機械的強度の改善は見込めない。また、4)の方法におけるオーバーコート層は、摩耗量の削減には寄与するが、導電粉を分散して用いているために、特に高湿下では画像ボケが生じ易いという問題がある。また、5)及び6)の方法には、十分な性能を有する電荷輸送性高分子化合物を使用すれば、低分子化合物を分散させる必要がないため、機械的な特性を大幅に改善できるばかりでなく、従来の製造設備をそのまま使用できるという利点があり、特に特開平6−250423号公報等に記載の方法では、電荷輸送性高分子化合物をさらに三次元に結合させるものであり、より一層の効果が期待できる。しかし、この種の電荷輸送性高分子化合物を合成するには、少なくとも一種以上の反応性置換基を持ったモノマーの入手が必要であり、このようなモノマーは、分子設計に大きな制約を加えるため、十分な性能の電荷輸送性ポリマーは、未だ得られていないのが現状である。
【0006】
さらに、特開平7−253683号公報には、2個のヒドロキシ基を持つ正孔輸送性アリールアミンと、そのヒドロキシ基と水素結合を形成するポリアミドフィルム形成バインダーとを含有したオーバーコート層を設けることが、また、米国特許第5,670,291号には、熱硬化性ポリアミド樹脂中に、ヒドロキシ基を持つアリールアミン系化合物と硬化触媒を添加して得られた塗布液を塗布し、これを加熱硬化した硬化膜が、それぞれ提案されている。これらは、上記した特開平6−282092号公報に記載のものとは異なり、半導電性のオーバーコート層を設けているから、画像ボケが発生し難いという利点がある反面、上記した正孔輸送性ヒドロキシアリールアミンは、酸化に対して弱く、画像濃度の低下及び電気特性の劣化が起こり易いという欠点があり、これらは、ヒドロキシ基を持つトリフェニルメタン等を配合することにより一部抑制できるものの、十分な性能を有するものは得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、優れた耐摩耗性及び高耐久性を有する電子写真感光体を提供することにある。本発明の他の目的は、良好な機械的及び化学的性質を有すると共に、結着樹脂中に強固に保持されて、耐摩耗性及び耐久性に優れた電子写真感光体が形成される優れた電荷輸送性化合物及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記した課題を解決させるために鋭意検討した結果、特定の官能基を持つ電荷輸送性化合物が、アルコール等の溶媒に良好な溶解性を示すとともに、従来の正孔輸送性ヒドロキシアリールアミン等よりも高い耐酸性を有する等の化学的特性に優れていること及びそれを用いて形成した感光体は、優れた耐摩耗性及び高耐久性が得られるという良好な機械的特性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも1種の下記一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物を含有する層を形成したことを特徴とする。
A−[(T)l −COOH]m (I)
(式中、Aは下記一般式 (III) で示されるアミン構造を表し、Tは炭素数1〜10の枝分れしてもよい炭化水素基を表す。mは1〜4の整数であり、lは0又は1である。)
【0010】
【化3】
(式中、Ar 4 〜Ar7 は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示し、Xは2価の基を示す。)
上記の電荷輸送性化合物を含有する層は、感光層及び/又は表面保護層であることが好ましく、また、感光層が電荷発生層及び電荷輸送層からなる積層型感光体では、電荷輸送層であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物は、一般式:A−[(T)l −COOR]m
(式中、A、T、m及びlは、前記と同意義を有し、Rは炭化水素基を表す。)で示されるエステルを溶剤に溶解させた後、触媒の存在下に加水分解させることによって高純度のものを容易に製造することができる。さらにまた、本発明は、その製造方法により得られた上記一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、下記一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物は、溶媒への溶解性及び耐酸性に優れている上に、そのカルボキシル基が硬化反応を促進する作用を有し高強度の電荷輸送性の膜を形成できるから、電子写真感光体の最表面層として設けられる積層感光体の電荷輸送層や表面保護層に用いられる。
A−[(T)l −COOH]m (I)
一般式(I)において、Aは下記一般式(III) で示されるアミン構造である。また、Tは炭素数1〜10の枝分れしていてもよい炭化水素である。lはTの数を示していて0又は1であり、mは1〜4の整数である。
【0013】
【化4】
一般式 (III) 中のAr4 〜Ar7 は、それぞれ置換もしくは未置換のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜20の置換もしくは未置換のアリール基であって、具体的には以下の構造が挙げられる。
【0014】
【化5】
ここで、R1 〜R7 は、それぞれ水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数6〜14の置換もしくは未置換のアリール基である。また、これらの置換基は、2個以上有していてもよい。
【0015】
一般式(III) 中のXとしては、以下の基(1)〜(7)から選択されたものが挙げられる。
【化6】
式中、R8 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R9 〜R14は、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、炭素数6〜15の置換もしくは未置換のフェニル基、炭素数6〜15の置換もしくは未置換のアラルキル基、ハロゲン原子を表し、aは0又は1である。
【0016】
また、Vは下記の基(8)〜(17)から選択されたものが挙げられる。
【化7】
ここで、bは1〜10の整数、cは1〜3の整数である。
【0017】
上記Xの中で、特に、下記構造(IV)、(V)又は(VI)で示される構造のものが、モビリティーが高いことから好ましい。
【化8】
【0018】
一般式(I)におけるTは、炭素数1〜10の枝分れしてもよい炭化水素であり、具体的には以下の構造が挙げられる。
【化9】
【化10】
一般式(I)において、AはTのいずれの側と結合していてもよいが、後記の表中において、T−5rと記したものは構造T−5の右側にAが結合し、他方、T−5lと記したものは構造T−5の左側にAが結合していることを意味する。また、lは1であるものが、より電気特性に優れているから好ましい。
【0019】
次に、本発明における上記一般式(I)で示される化合物の製造方法について説明する。
反応原料として、例えば、特開平9−31039号公報等に記載の方法により得られる下記一般式で示されるエステル基を持つアリールアミン化合物を用い、特定の条件下に加水分解させることによって一般式(I)で示される化合物を高収率で容易に製造することができる。
一般式:A−[(T)l −COOR]m
(式中、A、T、m、l及びRは、前記と同意義を有する。)
【0020】
上記公報には、Ullmann反応によりフリーのカルボン酸を使用して一般式(I)で示される化合物を合成する方法が開示されている。しかし、このUllmann反応は高温の反応であって不純物を副生する上に、この方法で得られる化合物は溶剤への溶解性が低いものであるから、工業的な規模で精製された目的とする一般式(I)で示される化合物を得ることは実質的に不可能である。これに対して、本発明の方法では、有機溶剤への溶解性が高いエステル基を持つアリールアミン化合物の段階で精製し、その後、定量的に反応が進行する加水分解反応で合成することにより、高純度の化合物を得ることができる。
【0021】
本発明における上記の加水分解反応は、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤を使用して行うことができるが、その溶剤への溶解性が低い場合、必要に応じて、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン等を適宜添加してもよく、さらに、必要に応じて水を混合することもできる。また、これらの溶剤は、任意の量で用いられる。触媒としては、塩酸、硫酸等の酸類又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基類が使用できるが、塩基を用いる方が反応の進行がスムースである点で好ましい。酸類を用いる際の使用量としては、通常の触媒量の範囲であり、例えば、反応原料1部に対し0.00001〜0.1部、好ましくは、0.0001〜0.05部で用いられる。また、この反応系中には、反応原料が持つエステル基に対し、少なくとも1当量以上の水を加えることが必要であり、好ましくは3当量以上、より好ましくは5当量以上を用いる。さらに、この反応は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、その反応温度は、室温ないし溶剤の沸点の範囲で任意に設定される。また、塩基を用いる場合、反応終了後、塩酸等の酸を用いて反応液を酸性にして、生成したカルボン酸塩をフリーのカルボン酸に変換することにより目的とする一般式(I)で示される化合物を得ることができる。
【0023】
本発明により得られる一般式(I)で示される化合物の具体例を、表2〜表11に示す。
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
次に、本発明の電子写真用感光体について説明する。
本発明における電子写真用感光体の構成は、導電性支持体上に単層の感光層を設けた単層型のもの、電荷発生層及び電荷輸送層の2層を任意の順序で設けた積層型のもの、或いは、これら単層型又は積層型感光層の上に表面保護層を設けたもの等の如何なる層構成からなるものでもよい。また、本発明の前記一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物は、これらの感光体の如何なる層に含まれていてもよいが、感光体の耐摩耗性を向上させるために、最表面層に設けることがより有効である。その際、その層中にカルボキシル基と結合可能な化合物や樹脂と併用すると、より高強度の層を形成できるから好ましい。また、前記一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物を含む層を形成するには、例えば、その化合物を溶解させた塗布液を用いて塗布層を形成し、その塗布層を50℃以上、好ましくは80℃以上に加熱することにより容易に形成することができる。
【0034】
以下、本発明の電子写真用感光体について、積層型感光体を一例として説明する。
導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属もしくは合金を用いた金属板、金属ドラムもしくは金属ベルト、又は導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属もしくは合金を塗布するか、蒸着するかもしくはラミネートした紙、プラスチックフィルム或いはベルト等が用いられる。さらに、これらの導電性支持体には、必要に応じて画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができ、例えば、その表面に陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理や着色処理等又は砂目立て等の乱反射処理等を行ったものも用いられる。
【0035】
導電性支持体上には、通常、電荷発生層が設けられる。この電荷発生層に使用する電荷発生物質としては、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウム系染料、スクエアリウム系染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料又は染料、さらにはアモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられるが、なかでも、芳香族縮合環系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系顔料が、感度、電気的安定性、さらには照射光に対する光化学的安定性の面で好ましい。これらの電荷発生物質は、単独でも或いは2種以上を混合して用いることもできる。
【0036】
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着により形成するか、或いは電荷発生材料を有機溶剤中の結着樹脂に分散させた塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。電荷発生層に用いる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルアントラセン樹脂、ポリビニルピレン等が挙げられる。
【0037】
これらの樹脂中、ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、フェノキシ樹脂又は変性エーテル型ポリエステル樹脂は、特に顔料を良好に分散させると共に、長期に亘り顔料の凝集がないから安定した分散塗工液が得られ、しかも、その塗工液を用いると均一な被膜を形成できるため、良好な電気特性が得られて画質欠陥を少なくすることができる。しかし、本発明に使用される結着樹脂は、上記のもののほかに、通常の状態で被膜を形成できる樹脂であれば使用可能である。これらの結着樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷発生材料と結着樹脂との配合比は、体積比で、5:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0038】
電荷発生層の塗布液を調製する際に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等の通常使用される有機溶剤であり、これらを単独で又は2種以上を混合して用いられる。塗布液の塗布には、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布法を用いることができる。電荷発生層の厚さは、通常0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2.0μmの範囲である。この厚さが0.01μmよりも薄いと、電荷発生層を均一に形成することが困難になり、他方、5μmを越えると電子写真特性が著しく低下する傾向がある。
【0039】
電荷発生層と導電性支持体との間には、必要に応じて、下引き層が設けられる。下引き層に用いる結着樹脂としては、次のものが挙げられる。例えば、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤等の公知材料を用いることができ、これらは、単独で又は2種以上を混合して用いられる。さらに、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリコーン樹脂等の微粒子を適宜混合させることができる。
【0040】
下引き層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の公知方法が採用される。下引層の厚さは0.01〜10μm、好ましくは0.05〜2μmである。
【0041】
次に、電荷発生層上には電荷輸送層が設けられる。本発明における電荷輸送層には、電荷輸送物質として、一般式(I)で示される化合物[以下、「化合物I」という)を単独で使用してもよいし、他の電荷輸送性有機化合物や電荷輸送性高分子化合物として公知の電荷輸送物質と混合して使用してもよい。その混合に使用される電荷輸送性有機化合物としては、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリン系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジン系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等が挙げられる。化合物Iと電荷輸送性有機化合物との配合比は、1:0.1〜1:10が好ましい。
【0042】
また、その電荷輸送性高分子化合物としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンの重合体、ポリシラン等が使用される。さらに、トリアリールアミン骨格もしくはベンジジン骨格を有するポリカーボネート又はポリエステルからなる電荷輸送性樹脂は、モビリティー、安定性及び光に対する透明性等の面において優れた特性を有するからより好ましい。これらの電荷輸送性高分子化合物を用いる際、化合物Iと電荷輸送性高分子化合物との配合比は、1:100〜10:8の範囲であるが、モビリティー及び強度の点からすると、3:100〜10:9の範囲が好ましい。
【0043】
本発明における電荷輸送層には、上記の化合物Iを含む電荷輸送物質の他に、電荷輸送層を形成する結着樹脂として、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコ−ン樹脂、シリコ−ン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が用いられる。これらの結着樹脂は、単独で又は2種類を以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド等が、電荷輸送材料との相溶性、溶剤への溶解性及び強度に優れているから好ましい。なかでも、本発明においては、化合物Iの電荷輸送性化合物が持つカルボキシル基と水素結合を形成するか、またはそのカルボキシル基と反応する官能基を持つ樹脂等を用いることが好ましい。
【0044】
本発明に用いられるカルボキシル基と水素結合を形成可能な樹脂としては、フェノール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、化合物Iと反応する官能基を持つ樹脂を用いることがより好ましく、その反応する官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基等が挙げられ、これらの基を持つモノマー、オリゴマー又はポリマーが使用される。
【0045】
また、電荷輸送層の結着樹脂として、トリアリールアミン構造またはベンジジン構造を有するポリカーボネートまたはポリエステルを用いることが好ましく、具体的には、米国特許第4937165号、同4959288号、同4871634号、同4801517号、同4806443〜4号の各明細書、特開平8−208820号、同8−211640号、同8−253568号、同9−62019号、同9−80783〜4号、同9−71642号、同9−268226号、同9−272735号の各公報等に記載の化合物等が使用できる。
【0046】
本発明において、感光体の強度を向上させるために、さらに加水分解性基を持つ化合物、特に加水分解性アルコキシド化合物を添加することが好ましい。この加水分解性基を持つ化合物は、加水分解により他の樹脂等と結合して高強度の膜を形成することができる。このような化合物としては、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、有機シリコーン化合物等の加水分解性の金属含有有機化合物である。その加水分解性アルコキシド化合物の具体例としては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、ガリウムトリメトキシド、ガリウムトリブトキシド、トリイソプロポキシブチルスズ、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物を混合し、加熱硬化させることが好ましい。また、その硬化を促進させるために、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、蓚酸、クエン酸等の酸触媒を添加してもよい。
【0047】
上記の化合物を混合することにより金属化合物自体が硬化し、形成層の強度が向上することに加え、エステル交換反応が促進される。特に、一般式(I)で示される化合物において、mが3以上の化合物とを組み合わせて使用すると有効な架橋反応が生じ、さらに強度を増大させることができる。これらの加水分解性の金属含有有機化合物は、電荷輸送層を形成する他の材料すべてに対して1:10000〜20:100、好ましくは1:1000〜15:100の割合で使用する。
【0048】
また、これらの架橋反応は、化合物Iのほかに、一般に知られているベンゼントリカルボン酸等の有機多価カルボン酸によっても進行させることができるから、化合物Iに他の有機多価カルボン酸を適宜添加してもよい。その硬化条件としては、50℃以上において30分以上、好ましくは、80℃以上において40分以上加熱することにより行う。その際、酸化等の副反応を避けるため、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
【0049】
電荷輸送層には、その他に、必要に応じて架橋剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を適宜配合することもできる。その架橋剤としては、例えば、メトキシメチル化メラミン、トリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリットトリアクリレートなどの各種多官能架橋剤が挙げられる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系等の各種の公知化合物を用いることができる。
【0050】
光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が用いられる。これらの塗布用溶剤は、使用材料の種類によって異なるので、好適なものを適宜選択して用いることが好ましい。その溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド又はスルホン類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類等が用いられる。
【0051】
また、電荷輸送物質と結着樹脂との配合比は、2:10〜10:2の範囲であるが、モビリティー及び強度の点から3:10〜10:8の範囲が好ましい。電荷輸送層の厚さは、5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。この厚さが5μmよりも薄いと帯電が困難になり、他方、50μmを越えると電子写真特性が著しく低下する傾向がある。
【0052】
さらに、本発明の電子写真感光体には、通常の感光層の上に、化合物Iを含有する層を表面保護層として形成してもよい。その際の材料比は、上記の電荷輸送層を形成する場合と同様であり、また、その溶剤としては、下層の電荷輸送層及び電荷発生層に悪影響を及ぼさないメタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類、ジブチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、アイソパー等の炭化水素類等が用いられる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。「部」は、いずれも重量部を意味する。
実施例1
200mlのフラスコに、N,N′−ジフェニルベンジジン10.0g、4−エトキシカルボニルエチル−4′−ヨードビフェニル24.0g、炭酸カリウム11g、硫酸銅5水和物1.0g及びn−トリデカン30mlを入れて、これを窒素気流下に230℃で1時間加熱反応させた。この反応の終了後、室温まで冷却してトルエン10mlに溶解させ、その不溶物をろ過し、得られたろ液をトルエンを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、油状のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス[4−(4−エトキシカルボニルエチルフェニル)−フェニル]−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンを16.6gを得た。
次に、得られた上記のエステル基を持つジアミン10gを100mlのフラスコに入れ、これに水酸化カリウム2gをエチレングリコール50mlに溶解させた溶液を加え、窒素気流下に150℃で1時間加熱反応した。この反応の終了後、反応生成液を室温に冷却し、酸性になるまで塩酸を加え、生成した沈殿をろ過し、これを蒸留水で十分に洗浄し、これを乾燥させることにより化合物24(前記表中の化合物番号24を意味し、以下は同様に示す。)で示される2個のカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物9.1gを得た。得られた例示化合物24のIRスペクトルを図1に示す。
【0054】
実施例2〜16
実施例1と同様にして各種のエステル基を持つアミン化合物を合成し、得られたアミン化合物のエステル基を実施例1と同様に加水分解させることにより、それぞれ対応するカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物を得た。このようにして得られたそれぞれの化合物とそれらのIRスペクトル図番号を、表12に示す。また、実施例2〜16で得られた化合物のIRスペクトル図を、それぞれ図2〜図16に示す。
【0055】
【表12】
【0056】
実施例17
アルミニウム基体上に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10部及びシラン化合物(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1部とi−プロパノール40部及びブタノール20部からなる塗布液を用いて浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥させて膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生材料としてクロロガリウムフタロシアニン10部を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)10部及び酢酸n−ブチル500部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散処理した後、得られた塗布液を用いて上記下引き層の上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥させて、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0057】
次に、電荷輸送材料としてのN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン20部と、ビスフェノール(Z)ポリカーボネート25部及びヒンダードフェノール化合物0.5部とを、モノクロロベンゼン100部とテトラヒドロフラン70部との混合液に溶解させた塗布液を上記の電荷発生層上に塗布し、115℃において60分間加熱乾燥させて、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成させた。
次に、化合物24を0.8gとメトキシメチル化ナイロン(ラッカマイド5003、大日本インキ社製)1gを、メタノール10gとイソプロパノール3gとの混合液に溶解させた塗布液を用いて上記の電荷輸送層上に浸漬コーティング法で塗布し、150℃において60分間加熱乾燥させて、膜厚2μmの表面保護層を形成することにより電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真用感光体の電子写真特性を、レーザービームプリンター(XP−11、富士ゼロックス社製)に装填してプリントテストを行い、1枚目と1000枚目の複写画像の画質を評価し、また、1000枚複写後の感光体表面の摩耗量を測定した。
【0058】
実施例18〜21
実施例17に用いた例示化合物24に代えて、それぞれ表13に示す化合物を使用したこと以外は、実施例17と同様にしてそれぞれ電子写真感光体を作製し、それらの評価及び測定を行った。
実施例22
実施例17に用いた化合物24の使用量を0.4gに代えたこと以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製し、その評価及び測定を行った。
比較例1
実施例17において、表面保護層を設けなかったこと以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製し、その評価及び測定を行った。得られた結果を表13に示す。
【0059】
実施例23
実施例17と同様にして、アルミニウム基体上に下引き層及び電荷発生層を形成した。次に、その電荷発生層の上に、下記構造式 (VII)で示される分子量約10万(ポリスチレン換算)の電荷輸送性高分子化合物(式中のnは、その分子量相当値である。)20部、化合物45の1部及びテトラメトキシシラン1部を、テトラヒドロフラン100部に溶解させた塗布液を塗布し、130℃において90分間加熱乾燥させて、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成することにより電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真用感光体の電子写真特性について、実施例17と同様にして画質を評価し、感光体表面の摩耗量について測定した。
【化11】
【0060】
実施例24
実施例23において、電荷輸送層の形成に用いた化合物45を、化合物68に代えたこと以外は、実施例23と同様にして電子写真感光体を作製し、その評価及び測定を行った。
【0061】
比較例2
実施例23において、電荷輸送層の形成に化合物45及びテトラメトキシシランを添加しなかったこと以外は、実施例23と同様にして電子写真感光体を作製し、その評価及び測定を行った。
比較例3
実施例23において、電荷輸送層の形成に用いた化合物45を、化合物34で示される化合物のメチルエステルに代えたこと以外は、実施例23と同様にして電子写真感光体を作製したが、相分離して透明な均一の膜は得られなかった。
【0062】
比較例4
実施例23における電荷輸送層の形成に、化合物45に代えてN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン1部を用いたこと以外は、実施例23と同様にして電子写真感光体を作製し、その評価及び測定を行った。
【0063】
上記実施例17〜24及び比較例1〜4で得られた結果を、表13に示す。
【表13】
【0064】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、カルボキシル基を持つ特定の電荷輸送性高分子化合物を用いたから、良好な電子写真特性を保持するとともに、耐摩耗性等の機械的強度に優れたものであり、高耐久性を有する実用性の高いものである。また、本発明は、電子写真感光体の使用に好適な特定のカルボキシル基を持つ電荷輸送性高分子化合物を高純度で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた電荷輸送性化合物(化合物24)のIRスペクトル図である。
【図2】 実施例2で得られた電荷輸送性化合物(化合物14)のIRスペクトル図である。
【図3】 実施例3で得られた電荷輸送性化合物(化合物20)のIRスペクトル図である。
【図4】 実施例4で得られた電荷輸送性化合物(化合物22)のIRスペクトル図である。
【図5】 実施例5で得られた電荷輸送性化合物(化合物23)のIRスペクトル図である。
【図6】 実施例6で得られた電荷輸送性化合物(化合物33)のIRスペクトル図である。
【図7】 実施例7で得られた電荷輸送性化合物(化合物34)のIRスペクトル図である。
【図8】 実施例8で得られた電荷輸送性化合物(化合物35)のIRスペクトル図である。
【図9】 実施例9で得られた電荷輸送性化合物(化合物39)のIRスペクトル図である。
【図10】 実施例10で得られた電荷輸送性化合物(化合物45)のIRスペクトル図である。
【図11】 実施例11で得られた電荷輸送性化合物(化合物64)のIRスペクトル図である。
【図12】 実施例12で得られた電荷輸送性化合物(化合物67)のIRスペクトル図である。
【図13】 実施例13で得られた電荷輸送性化合物(化合物68)のIRスペクトル図である。
【図14】 実施例14で得られた電荷輸送性化合物(化合物70)のIRスペクトル図である。
【図15】 実施例15で得られた電荷輸送性化合物(化合物71)のIRスペクトル図である。
【図16】 実施例16で得られた電荷輸送性化合物(化合物76)のIRスペクトル図である。
Claims (8)
- 前記電荷輸送性化合物を含有する層が、感光層及び/又は表面保護層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷輸送層であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性化合物を含有する層が、トリアリールアミン構造を持つ電荷輸送性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性化合物を含有する層が、加水分解性アルコキシド化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 一般式:A−[(T) l −COOR] m
(式中、A、T、m及びlは、前記と同意義を有し、Rは炭化水素基を表す。)で示されるエステルを溶剤に溶解させた後、触媒の存在下に加水分解させることによって前記一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物を製造する方法。 - 請求項7の製造方法によって得られた一般式(I)で示されるカルボキシル基を持つ電荷輸送性化合物。
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