JPH10104517A - 変倍光学系 - Google Patents

変倍光学系

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JPH10104517A
JPH10104517A JP8278727A JP27872796A JPH10104517A JP H10104517 A JPH10104517 A JP H10104517A JP 8278727 A JP8278727 A JP 8278727A JP 27872796 A JP27872796 A JP 27872796A JP H10104517 A JPH10104517 A JP H10104517A
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JP
Japan
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lens
lens group
object side
optical system
lens component
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Application number
JP8278727A
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English (en)
Inventor
Akihiko Kohama
昭彦 小浜
Motoyuki Otake
基之 大竹
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易構成で、低コストでの製造が可能で、且
つ高性能な小型の変倍光学系を提供する。 【解決手段】 物体側から順に、正屈折力の第1レンズ
群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2とから構成さ
れ、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔
を減少させることによって、広角端状態から望遠端状態
への変倍を行う。第1レンズ群G1は、物体側から順
に、物体側の面が物体側に凹面を向けた負屈折力の第1
レンズ成分L1と、負屈折力の第2レンズ成分L2と、
正屈折力の第3レンズ成分L3とから構成され、条件式
(1)を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変倍光学系に関し、
特に小型のレンズシャッター式のカメラに好適な変倍光
学系に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のレンズシャッター式のカメラ用の
撮影レンズにおいては、ズームレンズが主流となりつつ
あり、レンズ系の構成が簡単な正負2群ズームレンズに
関して種々の提案がなされている。正負2群ズームレン
ズは、正レンズ群とその像側に配置された負レンズ群と
で構成され、正レンズ群と負レンズ群との間隔を変化さ
せることによってレンズ系全体の焦点距離を変化(変
倍)させる。このような正負2群ズームレンズは、例え
ば、特開平2−73322号公報に開示されている。小
型のレンズシャッター式カメラにおいては、携帯性およ
び手軽さが重要である。携帯性の点からは、カメラ本体
はもとより、レンズ部分についてもより小型化が要求さ
れている。また、手軽さの点からは、同様の性能で且つ
安価で購入し易いものが要求され、従ってカメラおよび
レンズの製造における低コスト化が必要となっている。
【0003】近年、ズームレンズが一般的になるにつれ
て、小型化および低コスト化を図ったズームレンズに関
する提案が種々なされている。例えば、特開平3−12
7009号公報や特開平5−257063号公報には、
所定の変倍比を確保しながらコストの低減化を図ったレ
ンズ系が開示されている。これらの公報に開示のレンズ
系では、レンズ構成枚数を減らすことやプラスチック材
料を用いることによって、コストの低減化を図ってい
る。一般に、プラスチック材料はガラス材料に比べて融
点が低いので、モールド成型が容易であり、大量生産さ
れる小型のレンズシャッター式カメラなどにおいては製
造コストの低減化が可能である。
【0004】特開平3−127009号公報に開示のレ
ンズ系では、正レンズ群が負レンズと正レンズとの2枚
で構成されている。そして、負レンズの物体側の面が収
斂作用を像側の面が発散作用をそれぞれ奏し、負レンズ
の両面を非球面状に形成することによって軸上収差と軸
外収差とを補正している。また、負部分群を1枚のレン
ズで構成することによって、レンズ構成枚数を減らし
て、低コスト化を図っている。一方、特開平5−257
063号公報に開示のレンズ系では、正レンズ群と負レ
ンズ群とにそれぞれ1枚のプラスチックレンズを用い
て、低コスト化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−127009号公報によるレンズ系では、正レンズ
群中の負レンズの物体側の面が強い正屈折力を有し、像
側の面が強い負屈折力を有し、双方の面がいずれも非球
面であったため、製造時に発生する偏心に起因する性能
劣化が著しかった。特開平5−257063号公報によ
るレンズ系では、プラスチックレンズの導入により低コ
スト化を図っている。しかしながら、正レンズ群が4枚
のレンズで構成されているため、レンズ構成枚数の低減
の点で充分ではなかった。また、最も物体側に配置され
たレンズが物体側に凸面を向けているので、広角端にお
ける正の歪曲収差の補正が充分ではなかった。
【0006】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、2倍を超える変倍比(ズーム比)を有し、簡
易構成で、低コストでの製造が可能で、且つ高性能な小
型の変倍光学系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、第1の発明においては、物体側から順に、正の屈折
力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第
2レンズ群G2とから構成され、前記第1レンズ群G1
と前記第2レンズ群G2との空気間隔を減少させること
によって、広角端状態から望遠端状態への変倍を行い、
前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側の面
が物体側に凹面を向けた負屈折力の第1レンズ成分L1
と、負屈折力の第2レンズ成分L2と、正屈折力の第3
レンズ成分L3とから構成され、前記第1レンズ成分L
1の物体側の面の曲率半径をr11とし、前記第1レンズ
成分L1の像側の面の曲率半径をr12としたとき、 −1.43<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 (1) の条件を満足することを特徴とする変倍光学系を提供す
る。
【0008】また、第2の発明によれば、物体側から順
に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折
力を有する第2レンズ群G2とから構成され、前記第1
レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との空気間隔を減
少させることによって、広角端状態から望遠端状態への
変倍を行い、前記第1レンズ群G1は、物体側から順
に、物体側の面が物体側に凹面を向けた負屈折力の第1
レンズ成分L1と、負屈折力の第2レンズ成分L2と、
正屈折力の第3レンズ成分L3とから構成され、前記第
2レンズ成分L2は、少なくとも1枚のプラスチックレ
ンズLP1を有し、前記第2レンズ群G2は、少なくとも
1枚のプラスチックレンズLP2を有することを特徴とす
る変倍光学系を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】一般的に、正負2群ズームレンズ
では、正屈折力の第1レンズ群と負屈折力の第2レンズ
群との間隔を減少させることによって、広角端状態から
望遠端状態への変倍を行う。また、開口絞りは、第1レ
ンズ群と第2レンズ群との間に配置され、変倍に際して
第1レンズ群と一体的に、あるいは各レンズ群と独立に
移動する。
【0010】しかしながら、広角化を図る場合、広角端
状態では開口絞りを挟む屈折力配置が極端に非対称とな
るため、正の歪曲収差が増大しがちになる。したがっ
て、第1レンズ群および第2レンズ群で発生する正の歪
曲収差をそれぞれ抑える必要がある。また、広角端状態
では十分なバックフォーカスを得にくく、開口絞りから
離れて配置されたレンズ成分を通過する軸外光束が光軸
から離れ、レンズ径が大型化しやすい。
【0011】本発明では、正屈折力の第1レンズ群G1
を物体側に配置された負部分群(第1レンズ成分L1お
よび第2レンズ成分L2)と像側に配置された正部分群
(第3レンズ成分L3)とで構成することにより、第1
レンズ群G1で負の歪曲収差を発生させるとともに、広
角端状態で十分なバックフォーカスを得ることができ
る。
【0012】例えば、特開平2−73322号公報に開
示されたズームレンズでは、負部分群を正レンズ成分と
負接合レンズ成分とで構成しているので、レンズ構成枚
数が多かった。特開平3−127009号公報に開示さ
れたズームレンズでは、負部分群を1枚の負レンズで構
成しているが、この負レンズの両側の面を非球面状に形
成しているので、偏心時の性能劣化が非常に大きいとい
う製造上の不都合があった。本発明では、負部分群を2
枚の負レンズ成分L1およびL2で構成することによ
り、偏心時の性能劣化を極力抑えることができる。
【0013】また、負部分群を正レンズと負レンズとで
構成すると、負部分群の主点位置が像面寄りに位置する
ので、第1レンズ群G1に所定の屈折力を付与すると、
負部分群と正部分群との主点間隔が短くなる。その結
果、負部分群と正部分群の屈折力が強まって、相互偏心
による性能劣化が大きくなってしまう。本発明では、負
部分群を2枚の負レンズ成分L1およびL2で構成する
ことにより、負部分群の主点位置を物体寄りに移動さ
せ、負部分群と正部分群の屈折力をそれぞれ弱めて、相
互偏心による性能劣化を抑えることができる。
【0014】さらに、本発明においては、第1レンズ成
分L1の物体側の面が物体側に凹面を向けるように構成
することにより、負の歪曲収差を効率的に発生させて、
広角端状態における正の歪曲収差を減少させることがで
きる。また、第2レンズ成分L2では、広角端状態にお
いて軸外光束が光軸から離れる。したがって、第1レン
ズ成分L1中で発生するコマ収差の補正および広角端状
態における歪曲収差の更に効率的な補正のために、第2
レンズ成分L2の少なくとも一方の面を非球面状に形成
することが望ましい。特に、第2レンズ成分L2の物体
側の面を非球面状に形成する方が効果的である。
【0015】次に、撮影レンズにプラスチック材料を用
いる場合の問題点について述べる。プラスチックレンズ
の使用は、低コスト化に対して非常に有効である反面、
次のおよびのような問題点を有する。 温度変化に対する屈折率変化がガラスよりも大きいた
め、温度変化に伴って像面位置が変化し易いこと。 温度変化に対する形状変化がガラスよりも大きいた
め、温度変化に伴って収差が変動し易いこと。
【0016】本発明においては、屈折力の比較的弱いプ
ラスチックレンズを用いることにより、の温度変化に
伴う像面位置の変動を極力抑えることができる。さら
に、第1レンズ群G1中には負プラスチックレンズを、
第2レンズ群G2中には正プラスチックレンズを配置す
ることにより、像面位置の変動を相殺して、温度変化に
伴う像面位置の変動をさらに良好に抑えることができ
る。
【0017】また、プラスチックレンズが両凸レンズ形
状や両凹レンズ形状を有する場合、温度上昇時に体積が
膨張するため両側の面の曲率が強まり、温度下降時には
逆に両側の面の曲率が弱まる。その結果、温度変化によ
る屈折力の変動や収差の変動が大きくなってしまう。一
方、プラスチックレンズがメニスカス形状を有する場
合、温度変化時に一方の面の曲率が正に大きくなると、
他方の面の曲率は負に大きくなる。その結果、温度変化
時の屈折力の変動や収差の変動を抑えることが可能とな
る。本発明においては、プラスチックレンズをメニスカ
ス形状とすることによって、の温度変化に伴う屈折力
の変動や収差の変動を抑えることができる。
【0018】特開平5−257063号公報に開示のズ
ームレンズにおいては、本発明と同様の方法で、およ
びの問題点を解決している。しかしながら、第1レン
ズ成分の物体側の面が物体側に凸面を向けており、広角
端状態における正の歪曲収差の補正に寄与していなかっ
た。本発明においては、第1レンズ成分L1が物体側に
凹面を向けており、この第1レンズ成分L1を積極的に
収差補正に寄与させることにより、高性能化およびレン
ズ構成枚数の削減を図っている。
【0019】小型のレンズシャッター式カメラに用いら
れるような小型レンズにおいては、モールド成型法によ
り非球面レンズ(少なくとも一方の面が非球面状に形成
されたレンズ)を製造するのが一般的である。プラスチ
ック材料はモールド成型法に最も適した材料であるが、
近年の技術の進歩により、ガラスのモールド成型も低コ
ストでの製造が可能になりつつある。したがって、非球
面レンズにガラス材を用いて、第1レンズ群G1をガラ
スレンズだけで構成することも可能である。
【0020】ところで、広角端状態から望遠端状態へ変
倍を行うと、第2レンズ群G2を通過する軸外光束の光
軸からの高さが光軸に近づく。したがって、第2レンズ
群G2中のプラスチックレンズが正の屈折力を有する場
合、この正プラスチックレンズの少なくとも一方の面を
非球面化することにより、広角端状態から望遠端状態へ
の変倍に際して発生するコマ収差の変動を良好に抑える
ことが可能になる。このように、第2レンズ群G2中の
プラスチックレンズが正の屈折力を有する場合、その正
プラスチックレンズの少なくとも一方の面を非球面状に
形成することが望ましい。特に、その正プラスチックレ
ンズの少なくとも物体側の面を非球面化することが、よ
り効果的である。
【0021】本発明の変倍光学系は、以上のような技術
的背景に基づいてなされたものであり、物体側から順
に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と負の屈折力
を有する第2レンズ群G2とから構成され、第1レンズ
群G1と前記第2レンズ群G2との空気間隔を減少させ
ることによって、広角端状態から望遠端状態への変倍を
行う。そして、第1レンズ群G1は、物体側から順に、
物体側の面が物体側に凹面を向けた負屈折力の第1レン
ズ成分L1と、負屈折力の第2レンズ成分L2と、正屈
折力の第3レンズ成分L3とから構成されている。第1
の発明では、第1レンズ成分L1が条件式(1)を満足
する構成により、小型化および低コスト化を図った高性
能の変倍光学系を達成している。また、第2の発明で
は、第2レンズ成分L2および第2レンズ群G2にそれ
ぞれ少なくとも1枚のプラスチックレンズを導入する構
成により、小型化および低コスト化を図った高性能の変
倍光学系を達成している。
【0022】以下、本発明の各条件式について述べる。
第1の発明においては、次の条件式(1)を満足する。
また、第2の発明においては、次の条件式(1)を満足
することが望ましい。 −1.43<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 (1) ここで、 r11:第1レンズ成分L1の物体側の面の曲率半径 r12:第1レンズ成分L1の像側の面の曲率半径
【0023】条件式(1)は、第1レンズ成分L1のベ
ンディング形状を規定する条件式であり、広角端状態に
おける正の歪曲収差の補正と画角によるコマ収差の変動
の低減とのバランスを図りながら、製造上の偏心誤差に
よる結像性能の劣化を防ぐためのものである。条件式
(1)の上限値を上回った場合、第1レンズ成分L1に
よる発散作用が強まるので、広角端において正の歪曲収
差を良好に補正することができるが、画角によるコマ収
差の変動を良好に抑えることができなくなる。条件式
(1)の下限値を下回った場合、第1レンズ成分L1の
物体側の面と像側の面との間の芯出しが製造上困難とな
り、偏心誤差によって結像性能が劣化してしまう。
【0024】また、第1の発明および第2発明において
は、以下の条件式(2)および(3)を満足することが
望ましい。 2.0<|f11|/f1<8.0 (2) 0.6<f13/f1<0.95 (3) ここで、 f1:第1レンズ群G1の焦点距離 f11:第1レンズ成分L1の焦点距離 f13:第3レンズ成分L3の焦点距離
【0025】条件式(2)は、第1レンズ成分L1の焦
点距離について適切な範囲を規定している。条件式
(2)の上限値を上回った場合、第1レンズ成分L1の
発散作用が弱まるため、広角端状態において発生する正
の歪曲収差を十分に抑えることができなくなる。さら
に、広角端状態においてバックフォーカスが短くなり、
第2レンズ群G2を通る軸外光束が光軸から離れるた
め、第2レンズ群G2のレンズ径が大型化する。その結
果、光学系の小型化を阻むばかりでなく、硝材容積が増
えるため、重量化や高コスト化を招いてしまい、本発明
の目的を達成することができなくなる。なお、条件式
(2)の上限値を4.5に設定することがさらに好まし
い。一方、条件式(2)の下限値を下回った場合、第1
レンズ成分L1の発散作用が強まるため、第1レンズ成
分L1の物体側の面が物体側に曲率の強い凹面を向ける
ようになり、画角によるコマ収差の変動を良好に抑える
ことができなくなる。
【0026】条件式(3)は、第3レンズ成分L3の焦
点距離について適切な範囲を規定している。条件式
(3)の上限値を上回った場合、第3レンズ成分L3の
焦点距離が正に大きくなり、第1レンズ成分L1と第2
レンズ成分L2との合成焦点距離が負に大きくなる。こ
のため、第1レンズ群G1全体で負の歪曲収差を十分発
生することができず、広角端状態において正の歪曲収差
を良好に補正することができなくなる。なお、条件式
(3)の上限値を0.90に設定することがさらに好ま
しい。一方、条件式(3)の下限値を下回った場合、第
3レンズ成分L3の焦点距離が正に小さくなりすぎて、
第3レンズ成分L3において発生する負の球面収差が増
大するため、第1レンズ群G1全体で負の球面収差を充
分に補正することができなくなってしまう。なお、条件
式(3)の下限値を0.63に設定することがさらに好
ましい。
【0027】また、第2の発明においては、以下の条件
式(4)を満足することが望ましい。 |f12|/f1>3.0 (4) ここで、 f12:第2レンズ成分L2の近軸焦点距離
【0028】条件式(4)は、少なくとも1枚のプラス
チックレンズLP1を有する第2レンズ成分L2の近軸焦
点距離について適切な範囲を規定している。条件式
(4)の下限値を下回った場合、第2レンズ成分L2の
屈折力が強くなる。その結果、前述のように、プラスチ
ックレンズLP1における温度変化時の屈折率変化の影響
が大きくなり、温度変化による像の劣化を招くことにな
る。なお、条件式(4)の下限値を4.2に設定するこ
とがさらに好ましい。
【0029】また、第2の発明においては、以下の条件
式(5)を満足することが望ましい。 |f21|/|f2|>2.8 (5) ここで、 f21:第2レンズ群G2中のプラスチックレンズLP2の
焦点距離
【0030】条件式(5)は、第2レンズ群G2中に含
まれるプラスチックレンズLP2の焦点距離について適切
な範囲を規定している。条件式(5)の下限値を下回っ
た場合、プラスチックレンズLP2の屈折力が強くなる。
その結果、前述のように、プラスチックレンズLP2にお
ける温度変化時の屈折率変化の影響が大きくなり、温度
変化による像の劣化を招くことになる。なお、第2レン
ズ成分L2を通る光束の方が、第2レンズ群G2を通る
光束よりも太い。このため、第2レンズ群G2よりも第
2レンズ成分L2の方が、温度変化による屈折率の変化
の影響を大きく受ける。したがって、条件式(4)の下
限値の方が、条件式(5)の下限値よりも大きく設定さ
れている。
【0031】なお、以下の各実施例において、プラスチ
ック材料としてポリカーボネートを用いているが、それ
以外の有機樹脂材料などを用いることも当然のことなが
ら可能である。また、レンズ系中にさらに多くの非球面
を導入することによって、各レンズ群において発生する
球面収差を良好に補正して、レンズ系の大口径化を可能
にすることができる。さらに、いずれかのレンズ群の全
体または一部を光軸に対して偏心させることにより、像
をシフトさせることも可能である。この場合、たとえば
レンズ系の揺れを検出するための角速度センサーと、レ
ンズ系の揺れに応じてレンズ群の全体または一部を偏心
駆動するための駆動部材とを組み合わせることによっ
て、レンズ系の揺れ等に起因する像位置の変動を補正す
る防振効果が得られることは明らかである。
【0032】
【実施例】以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の各実施例にかかる変倍
光学系の屈折力配分および広角端状態から望遠端状態へ
の変倍時における各レンズ群の移動の様子を示す図であ
る。図1に示すように、本発明の各実施例にかかる変倍
光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レ
ンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と
から構成されている。そして、広角端状態(W)から望
遠端状態(T)への変倍に際して、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように移動す
る。
【0033】各実施例において、非球面は、光軸に垂直
な方向の高さをy、高さyにおける光軸方向の変位量
(サグ量)をS(y)、基準の近軸曲率半径をR、円錐
係数をκ、n次の非球面係数をCn としたとき、以下の
数式(a)で表される。
【数1】 S(y)=(y2 /R)/〔1+(1−κ・y2 /R2 1/2 〕 +C4 ・y4 +C6 ・y6 +C8 ・y8 +C10・y10+・・・ (a)
【0034】〔第1実施例〕図2は、本発明の第1実施
例にかかる変倍光学系のレンズ構成を示す図である。図
2の変倍光学系は、物体側から順に、両凹の負レンズL
1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2、お
よび両凸の正レンズL3からなる第1レンズ群G1と、
物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4、および
物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL5からなる
第2レンズ群G2とから構成されている。なお、第1実
施例では、第2レンズ群G2中の正メニスカスレンズL
4がプラスチックレンズであり、その物体側の面が非球
面状に形成されている。
【0035】また、開口絞りSは、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態への変倍に際して第1レンズ群G1と一体的に
移動する。図2は、広角端状態における各レンズ群の位
置関係を示しており、望遠端状態への変倍時には図1に
矢印で示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。
【0036】次の表(1)に、本発明の第1実施例の諸
元の値を掲げる。表(1)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。なお、表(1)のレン
ズ諸元において、曲率半径が∞(無限大)の面は平面を
表している。また、開口絞りSを表す面の曲率半径が∞
となっているが、開口絞りSを表す面にはレンズ面は存
在しない。
【0037】
【表1】 f=31.9 〜 50.0 〜 81.2 FNO= 4.0 〜 6.3 〜 10.3 2ω=66.8 〜 46.3 〜 29.8 ° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 -40.7837 3.0000 1.64831 33.8 2 247.5000 3.5846 3 非球面 2.5551 1.69320 33.7 4 39.4748 1.3998 5 42.3989 6.2500 1.48749 70.4 6 -10.9741 1.2500 7 ∞ (d7= 可変) (開口絞りS) 8 非球面 3.7500 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 9 -25.4862 4.6250 10 -10.9094 1.5000 1.84042 43.4 11 -50.7970 (Bf) (非球面データ) R κ C4 3面 50.9578 1.0000 -1.4382×10-46 8 10 -1.5551×10-6 1.3326×10-8 -5.6196×10-10 R κ C4 8面 -46.6164 1.0000 5.0207×10-56 8 10 4.5918×10-7 -3.2120×10-9 3.6910×10-11 (変倍における可変間隔) 広角端 中間焦点距離 望遠端 f 31.8804 50.0000 81.2337 d7 14.0844 8.3835 4.5269 Bf 6.6725 22.8697 50.7894 (条件対応値) f1= 23.686 f11=−53.788 f13= 18.596 (1)(r11+r12)/(r11−r12)=−0.717 (2)|f11|/f1 = 2.271 (3)f13/f1 = 0.785
【0038】図3乃至図5は、d線(λ=587.6n
m)に対する第1実施例の諸収差図である。図3は広角
端状態における諸収差図であり、図4は中間焦点距離状
態における諸収差図であり、図5は望遠端状態における
諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバー
を、A(度)は半画角をそれぞれ示している。また、非
点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示
し、破線はメリディオナル像面を示している。さらに、
球面収差を示す収差図において、破線は正弦条件を示し
ている。また、コマ収差を示す収差図では、半画角A
(度)におけるメリディオナルコマ収差を示している。
各収差図から明らかなように、本実施例では、各焦点距
離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性
能を有することがわかる。
【0039】〔第2実施例〕図6は、本発明の第2実施
例にかかる変倍光学系のレンズ構成を示す図である。図
6の変倍光学系は、物体側から順に、物体側に凹面を向
けた負メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向けた負
メニスカスレンズL2、および両凸の正レンズL3から
なる第1レンズ群G1と、物体側に凹面を向けた正メニ
スカスレンズL4、および物体側に凹面を向けた負メニ
スカスレンズL5からなる第2レンズ群G2とから構成
されている。なお、第2実施例においても、第1実施例
と同様に、正メニスカスレンズL4がプラスチックレン
ズであり、その物体側の面が非球面状に形成されてい
る。
【0040】また、開口絞りSは、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態への変倍に際して第1レンズ群G1と一体的に
移動する。図6は、広角端状態における各レンズ群の位
置関係を示しており、望遠端状態への変倍時には図1に
矢印で示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。
【0041】次の表(2)に、本発明の第2実施例の諸
元の値を掲げる。表(2)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。なお、表(2)のレン
ズ諸元において、曲率半径が∞(無限大)の面は平面を
表している。また、開口絞りSを表す面の曲率半径が∞
となっているが、開口絞りSを表す面にはレンズ面は存
在しない。
【0042】
【表2】 f=38.6 〜 60.0 〜103.1 FNO= 3.7 〜 5.8 〜 10.0 2ω=56.6 〜 39.1 〜 23.6 ° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 -71.0296 1.1250 1.79504 28.6 2 -433.0344 0.9693 3 非球面 5.3510 1.69320 33.7 4 18.4325 2.8276 5 33.8449 5.4257 1.51680 64.1 6 -12.5305 1.2500 7 ∞ (d7= 可変) (開口絞りS) 8 非球面 2.5000 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 9 -20.3464 4.0682 10 -11.1557 1.2500 1.79668 45.4 11 -56.5906 (Bf) (非球面データ) R κ C4 3面 32.4928 1.0000 -8.4490×10-56 8 10 -6.6224×10-7 -2.1995×10-10 -6.5294×10-11 R κ C4 8面 -38.1272 1.0000 4.2125×10-56 8 10 4.9024×10-7 -4.3669×10-9 4.0004×10-11 (変倍における可変間隔) 広角端 中間焦点距離 望遠端 f 38.6329 60.0001 103.1266 d7 15.5813 9.2948 4.5415 Bf 9.4119 28.2461 66.2603 (条件対応値) f1= 27.815 f11=−107.018 f13= 18.430 (1)(r11+r12)/(r11−r12)=−1.392 (2)|f11|/f1 = 3.847 (3)f13/f1 = 0.663
【0043】図7乃至図9は、d線(λ=587.6n
m)に対する第2実施例の諸収差図である。図7は広角
端状態における諸収差図であり、図8は中間焦点距離状
態における諸収差図であり、図9は望遠端状態における
諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバー
を、A(度)は半画角をそれぞれ示している。また、非
点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示
し、破線はメリディオナル像面を示している。さらに、
球面収差を示す収差図において、破線は正弦条件を示し
ている。また、コマ収差を示す収差図では、半画角A
(度)におけるメリディオナルコマ収差を示している。
各収差図から明らかなように、本実施例では、各焦点距
離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性
能を有することがわかる。
【0044】〔第3実施例〕図10は、本発明の第3実
施例にかかる変倍光学系のレンズ構成を示す図である。
図10の変倍光学系は、物体側から順に、物体側に凹面
を向けた負メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向け
た負メニスカスレンズL2、および両凸の正レンズL3
からなる第1レンズ群G1と、物体側に凹面を向けた正
メニスカスレンズL4、および物体側に凹面を向けた負
メニスカスレンズL5からなる第2レンズ群G2とから
構成されている。なお、第3実施例では、負メニスカス
レンズL2および正メニスカスレンズL4がプラスチッ
クレンズであり、共にその物体側の面が非球面状に形成
されている。
【0045】また、開口絞りSは、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態への変倍に際して第1レンズ群G1と一体的に
移動する。図10は、広角端状態における各レンズ群の
位置関係を示しており、望遠端状態への変倍時には図1
に矢印で示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。
【0046】次の表(3)に、本発明の第3実施例の諸
元の値を掲げる。表(3)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。なお、表(3)のレン
ズ諸元において、曲率半径が∞(無限大)の面は平面を
表している。また、開口絞りSを表す面の曲率半径が∞
となっているが、開口絞りSを表す面にはレンズ面は存
在しない。
【0047】
【表3】 f=38.6 〜 65.0 〜103.2 FNO= 3.9 〜 6.5 〜 10.3 2ω=56.8 〜 36.4 〜 23.6 ° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 -55.1359 1.3750 1.62588 35.7 2 -1379.0944 0.3750 3 非球面 3.7500 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 4 21.4967 2.2500 5 40.4310 6.2500 1.48749 70.5 6 -12.1286 1.2500 7 ∞ (d7= 可変) (開口絞りS) 8 非球面 3.7500 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 9 -28.0205 4.6250 10 -11.1610 1.5000 1.77250 49.6 11 -46.1241 (Bf) (非球面データ) R κ C4 3面 30.9168 1.0000 -1.0996×10-46 8 10 -9.6734×10-7 2.7232×10-9 -1.7356×10-10 R κ C4 8面 -52.4999 1.0000 4.3820×10-56 8 10 6.2695×10-7 -6.1061×10-9 4.9122×10-11 (変倍における可変間隔) 広角端 中間焦点距離 望遠端 f 38.6312 65.0000 103.1568 d7 13.6295 6.4697 2.5897 Bf 9.4478 33.3198 67.8636 (条件対応値) f1= 27.443 f11= −91.799 f12=−141.334 f13= 19.915 f2= −24.845 f21= 97.197 (1)(r11+r12)/(r11−r12)=−1.083 (2)|f11|/f1 = 3.345 (3)f13/f1 = 0.726 (4)|f12|/f1 = 5.150 (5)|f21|/|f2| = 3.912
【0048】図11乃至図13は、d線(λ=587.
6nm)に対する第3実施例の諸収差図である。図11
は広角端状態における諸収差図であり、図12は中間焦
点距離状態における諸収差図であり、図13は望遠端状
態における諸収差図である。各収差図において、FNOは
Fナンバーを、A(度)は半画角をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、破線は正
弦条件を示している。また、コマ収差を示す収差図で
は、半画角A(度)におけるメリディオナルコマ収差を
示している。各収差図から明らかなように、本実施例で
は、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、
優れた結像性能を有することがわかる。
【0049】〔第4実施例〕図14は、本発明の第4実
施例にかかる変倍光学系のレンズ構成を示す図である。
図14の変倍光学系は、物体側から順に、両凹の負レン
ズL1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL
2、および両凸の正レンズL3からなる第1レンズ群G
1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4、
および物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL5か
らなる第2レンズ群G2とから構成されている。なお、
第4実施例においても、第3実施例と同様に、負メニス
カスレンズL2および正メニスカスレンズL4がプラス
チックレンズであり、共にその物体側の面が非球面状に
形成されている。
【0050】また、開口絞りSは、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態への変倍に際して第1レンズ群G1と一体的に
移動する。図14は、広角端状態における各レンズ群の
位置関係を示しており、望遠端状態への変倍時には図1
に矢印で示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。
【0051】次の表(4)に、本発明の第4実施例の諸
元の値を掲げる。表(4)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。なお、表(4)のレン
ズ諸元において、曲率半径が∞(無限大)の面は平面を
表している。また、開口絞りSを表す面の曲率半径が∞
となっているが、開口絞りSを表す面にはレンズ面は存
在しない。
【0052】
【表4】 f=38.6 〜 62.5 〜102.5 FNO= 3.9 〜 6.3 〜 10.4 2ω=55.9 〜 37.5 〜 23.7 ° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 -61.4356 1.1250 1.68893 31.1 2 955.5772 0.1250 3 非球面 2.5000 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 4 29.0839 3.7500 5 67.0490 4.3102 1.48749 70.5 6 -11.7826 1.2500 7 ∞ (d7= 可変) (開口絞りS) 8 非球面 4.1072 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 9 -34.6611 5.0795 10 -11.0269 1.1250 1.74443 49.5 11 -51.0731 (Bf) (非球面データ) R κ C4 3面 36.9334 1.0000 -1.3643×10-46 8 10 -1.2271×10-6 7.6903×10-9 -3.6149×10-10 R κ C4 8面 -67.1509 1.0000 4.4752×10-56 8 10 5.2501×10-7 -4.9753×10-9 4.4129×10-11 (変倍における可変間隔) 広角端 中間焦点距離 望遠端 f 38.6352 62.5001 102.5131 d7 13.7386 7.4193 3.4261 Bf 9.2998 29.7318 63.9891 (条件対応値) f1= 27.328 f11= −83.751 f12=−265.008 f13= 20.932 f2= −23.397 f21= 116.963 (1)(r11+r12)/(r11−r12)=−0.879 (2)|f11|/f1 = 3.064 (3)f13/f1 = 0.766 (4)|f12|/f1 = 9.697 (5)|f21|/|f2| = 4.999
【0053】図15乃至図17は、d線(λ=587.
6nm)に対する第4実施例の諸収差図である。図15
は広角端状態における諸収差図であり、図16は中間焦
点距離状態における諸収差図であり、図17は望遠端状
態における諸収差図である。各収差図において、FNOは
Fナンバーを、A(度)は半画角をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、破線は正
弦条件を示している。また、コマ収差を示す収差図で
は、半画角A(度)におけるメリディオナルコマ収差を
示している。各収差図から明らかなように、本実施例で
は、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、
優れた結像性能を有することがわかる。
【0054】〔第5実施例〕図18は、本発明の第5実
施例にかかる変倍光学系のレンズ構成を示す図である。
図18の変倍光学系は、物体側から順に、物体側に凹面
を向けた負メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向け
た負メニスカスレンズL2、および両凸の正レンズL3
からなる第1レンズ群G1と、物体側に凹面を向けた正
メニスカスレンズL4、および物体側に凹面を向けた負
メニスカスレンズL5からなる第2レンズ群G2とから
構成されている。なお、第5実施例においても、第3実
施例と同様に、負メニスカスレンズL2および正メニス
カスレンズL4がプラスチックレンズであり、共にその
物体側の面が非球面状に形成されている。
【0055】また、開口絞りSは、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態への変倍に際して第1レンズ群G1と一体的に
移動する。図18は、広角端状態における各レンズ群の
位置関係を示しており、望遠端状態への変倍時には図1
に矢印で示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。
【0056】次の表(5)に、本発明の第5実施例の諸
元の値を掲げる。表(5)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。なお、表(5)のレン
ズ諸元において、曲率半径が∞(無限大)の面は平面を
表している。また、開口絞りSを表す面の曲率半径が∞
となっているが、開口絞りSを表す面にはレンズ面は存
在しない。
【0057】
【表5】 f=35.7 〜 62.5 〜 94.2 FNO= 3.8 〜 6.6 〜 10.0 2ω=60.6 〜 37.9 〜 25.8 ° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 -65.7176 3.1250 1.79504 28.6 2 -373.7500 2.1250 3 非球面 3.7500 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 4 34.0749 1.0880 5 98.8372 7.4965 1.49782 82.5 6 -12.2763 1.2500 7 ∞ (d7= 可変) (開口絞りS) 8 非球面 3.1012 1.58518 30.2 (ポリカーボネイト) 9 -22.6426 4.8531 10 -11.2131 1.5779 1.77279 49.5 11 -43.5284 (Bf) (非球面データ) R κ C4 3面 35.6250 1.0000 -1.0693×10-46 8 10 -8.8074×10-7 -7.7286×10-10 -1.0611×10-10 R κ C4 8面 -33.9328 1.0000 4.2757×10-56 8 10 4.2379×10-7 -1.8544×10-9 2.1135×10-11 (変倍における可変間隔) 広角端 中間焦点距離 望遠端 f 35.6927 62.5001 94.2186 d7 13.7418 5.8414 2.3002 Bf 7.7855 33.0901 63.0305 (条件対応値) f1= 26.391 f11=−100.747 f12=−12517 f13= 22.439 f2= −24.911 f21= 105.586 (1)(r11+r12)/(r11−r12)= −1.427 (2)|f11|/f1 = 3.818 (3)f13/f1 = 0.850 (4)|f12|/f1 =474.3 (5)|f21|/|f2| = 4.238
【0058】図19乃至図21は、d線(λ=587.
6nm)に対する第5実施例の諸収差図である。図19
は広角端状態における諸収差図であり、図20は中間焦
点距離状態における諸収差図であり、図21は望遠端状
態における諸収差図である。各収差図において、FNOは
Fナンバーを、A(度)は半画角をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、破線は正
弦条件を示している。コマ収差を示す収差図では、半画
角A(度)におけるメリディオナルコマ収差を示してい
る。各収差図から明らかなように、本実施例では、各焦
点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結
像性能を有することがわかる。
【0059】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、2倍を
越える変倍比(ズーム比)を有し、簡易構成で、低コス
トでの製造が可能で、且つ高性能な小型の変倍光学系を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例にかかる変倍光学系の屈折力
配分および広角端状態から望遠端状態への変倍時におけ
る各レンズ群の移動の様子を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる変倍光学系のレン
ズ構成を示す図である。
【図3】第1実施例の広角端状態における諸収差図であ
る。
【図4】第1実施例の中間焦点距離状態における諸収差
図である。
【図5】第1実施例の望遠端状態における諸収差図であ
る。
【図6】本発明の第2実施例にかかる変倍光学系のレン
ズ構成を示す図である。
【図7】第2実施例の広角端状態における諸収差図であ
る。
【図8】第2実施例の中間焦点距離状態における諸収差
図である。
【図9】第2実施例の望遠端状態における諸収差図であ
る。
【図10】本発明の第3実施例にかかる変倍光学系のレ
ンズ構成を示す図である。
【図11】第3実施例の広角端状態における諸収差図で
ある。
【図12】第3実施例の中間焦点距離状態における諸収
差図である。
【図13】第3実施例の望遠端状態における諸収差図で
ある。
【図14】本発明の第4実施例にかかる変倍光学系のレ
ンズ構成を示す図である。
【図15】第4実施例の広角端状態における諸収差図で
ある。
【図16】第4実施例の中間焦点距離状態における諸収
差図である。
【図17】第4実施例の望遠端状態における諸収差図で
ある。
【図18】本発明の第5実施例にかかる変倍光学系のレ
ンズ構成を示す図である。
【図19】第5実施例の広角端状態における諸収差図で
ある。
【図20】第5実施例の中間焦点距離状態における諸収
差図である。
【図21】第5実施例の望遠端状態における諸収差図で
ある。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群G1 G2 第2レンズ群G2 Li 各レンズ成分 S 開口絞り

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、正の屈折力を有する第
    1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
    2とから構成され、 前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との空気
    間隔を減少させることによって、広角端状態から望遠端
    状態への変倍を行い、 前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側の面
    が物体側に凹面を向けた負屈折力の第1レンズ成分L1
    と、負屈折力の第2レンズ成分L2と、正屈折力の第3
    レンズ成分L3とから構成され、 前記第1レンズ成分L1の物体側の面の曲率半径をr11
    とし、前記第1レンズ成分L1の像側の面の曲率半径を
    r12としたとき、 −1.43<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 (1) の条件を満足することを特徴とする変倍光学系。
  2. 【請求項2】 前記第2レンズ成分L2は、少なくとも
    1つの面が非球面状に形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の変倍光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1
    とし、前記第1レンズ成分L1の焦点距離をf11とし、
    前記第3レンズ成分L3の焦点距離をf13としたとき、 2.0<|f11|/f1<8.0 (2) 0.6<f13/f1<0.95 (3) の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に
    記載の変倍光学系。
  4. 【請求項4】 前記第1レンズ群G1は、3枚の単レン
    ズからなることを特徴とする請求項3に記載の変倍光学
    系。
  5. 【請求項5】 物体側から順に、正の屈折力を有する第
    1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
    2とから構成され、 前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との空気
    間隔を減少させることによって、広角端状態から望遠端
    状態への変倍を行い、 前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側の面
    が物体側に凹面を向けた負屈折力の第1レンズ成分L1
    と、負屈折力の第2レンズ成分L2と、正屈折力の第3
    レンズ成分L3とから構成され、 前記第2レンズ成分L2は、少なくとも1枚のプラスチ
    ックレンズLP1を有し、 前記第2レンズ群G2は、少なくとも1枚のプラスチッ
    クレンズLP2を有することを特徴とする変倍光学系。
  6. 【請求項6】 前記第1レンズ成分L1の物体側の面の
    曲率半径をr11とし、前記第1レンズ成分L1の像側の
    面の曲率半径をr12としたとき、 −1.43<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 (1) の条件を満足することを特徴とする請求項5に記載の変
    倍光学系。
  7. 【請求項7】 前記第2レンズ成分L2は、少なくとも
    1つの面が非球面状に形成されていることを特徴とする
    請求項5または6に記載の変倍光学系。
  8. 【請求項8】 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1
    とし、前記第1レンズ成分L1の焦点距離をf11とし、
    前記第3レンズ成分L3の焦点距離をf13としたとき、 2.0<|f11|/f1<8.0 (2) 0.6<f13/f1<0.95 (3) の条件を満足することを特徴とする請求項5乃至7のい
    ずれか1項に記載の変倍光学系。
  9. 【請求項9】 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1
    とし、前記第2レンズ成分L2の近軸焦点距離をf12と
    したとき、 |f12|/f1>3.0 (4) の条件を満足することを特徴とする請求項7または8に
    記載の変倍光学系。
  10. 【請求項10】 前記第2レンズ群G2の焦点距離をf
    2とし、前記第2レンズ群G2中のプラスチックレンズ
    LP2の焦点距離をf21としたとき、 |f21|/|f2|>2.8 (5) の条件を満足することを特徴とする請求項5乃至9のい
    ずれか1項に記載の変倍光学系。
  11. 【請求項11】 前記第2レンズ群G2中のプラスチッ
    クレンズLP2は、正の屈折力を有することを特徴とする
    請求項10に記載の変倍光学系。
  12. 【請求項12】 前記第2レンズ群G2中のプラスチッ
    クレンズLP2は、少なくとも一方の面が非球面状に形成
    されていることを特徴とする請求項11に記載の変倍光
    学系。
  13. 【請求項13】 前記第1レンズ群G1は、3枚の単レ
    ンズからなることを特徴とする請求項5乃至12のいず
    れか1項に記載の変倍光学系。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000193885A (ja) * 1998-12-24 2000-07-14 Asahi Optical Co Ltd ズームレンズ系
US6333824B1 (en) 1998-09-10 2001-12-25 Olympus Optical Co., Ltd. Zoom lens system consisting of two lens units

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