JPH0999287A - アルカリ性電解水 - Google Patents

アルカリ性電解水

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JPH0999287A
JPH0999287A JP29760995A JP29760995A JPH0999287A JP H0999287 A JPH0999287 A JP H0999287A JP 29760995 A JP29760995 A JP 29760995A JP 29760995 A JP29760995 A JP 29760995A JP H0999287 A JPH0999287 A JP H0999287A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素利用代謝の副産物である活性酸素量を減少
させ、遺伝子や細胞の酸化を抑制できる飲料水を提供す
る。 【解決手段】溶存酸素量が1.0ppm以下、かつ酸化
還元電位が−700mV以下であるアルカリ性電解水。
ビタミンCなどの還元剤及びナトリウムイオンなどの金
属イオンを含む水を電気分解することにより生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を電気分解して
得られるアルカリ性電解水、これを主成分とする飲料水
及びアルカリ性電解水の生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水を電気分解して得られるア
ルカリ性電解水を飲料用として用いると、胃腸内の異常
醗酵や消化不良、下痢、胃酸過多などを抑制するという
医療的効果があることが報告されている。これは、アル
カリ性電解水においては、水中に含まれるカルシウム、
ナトリウム、マグネシウム、カリウム等のミネラル分が
陽イオンとして存在することが主要因であると考えられ
ていた。
【0003】そのため、かかる医療的効果を得るために
用いられるアルカリ性電解水としては、専ら含有金属イ
オン量とpH値とによってのみ規定されていた。すなわ
ち、原水にカルシウム等を含む物質を添加してpHが9
程度に達するまで電気分解を行うことにより、目的とす
るアルカリ性電解水を生成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、より
医療的効果の高い水の開発が希求されている。
【0005】そこで本発明者らは、生体内に生じた活性
酸素が生体分子を酸化することにより生体分子が損傷
し、その結果病気に至ることに着目し、活性酸素の発生
の原因となる溶存酸素量と、酸化作用の指針となる酸化
還元電位とを制御すればより医療的効果のあるアルカリ
性電解水が得られることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
【0006】また、このようなアルカリ性電解水は従来
の方法では生成できなかったため、溶存酸素量と酸化還
元電位とに着目しながら鋭意研究を行った結果、ある種
の還元剤と金属イオンが目的とする溶存酸素量と酸化還
元電位とに強く影響していることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0007】すなわち本発明は、医療的効果が充分に期
待できるアルカリ性電解水と、このアルカリ性電解水を
得るためのアルカリ性電解水の生成方法とを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアルカリ性電解水は、溶存酸素量が3.0
ppm以下、好ましくは2.0ppm以下、より好まし
くは1.0ppm以下であり、かつ、酸化還元電位が−
300mV以下、好ましくは−500mV以下、より好
ましくは−700mV以下であることを特徴とする。
【0009】生体は酸素を利用した代謝を行うことで生
命を維持する結果、体内に活性酸素が生じるが、この活
性酸素はきわめて酸化力が強く生体を構成している遺伝
子や細胞を酸化する。これが病気の原因と考えられる
が、本発明のアルカリ性電解水は、溶存酸素量が著しく
少ないため、生体内の活性酸素を受け取ることにより安
定化を図ろうとする作用がある。また、本発明のアルカ
リ性電解水は酸化還元電位が著しく小さく還元力が強い
ので、生体内の活性酸素と反応しやすい特性がある。し
たがって、本発明のアルカリ性電解水を飲料すると、酸
素利用代謝の副産物である活性酸素量を減少させること
ができ、遺伝子や細胞の酸化が抑制できるという医療的
効果が期待できる。
【0010】本発明において、溶存酸素量は可能な限り
0ppmに近いこと、及び酸化還元電位は可能な限り小
さいことが最も好ましい。上述した活性酸素による生体
内の酸化作用の抑制力が最も期待できるからである。
【0011】このような特性を有する本発明のアルカリ
性電解水は、特に飲料水や、アルコール飲料、清涼飲
料、果実飲料、乳清飲料などの主成分として用いて好ま
しい。
【0012】上記目的を達成するために、本発明のアル
カリ性電解水の生成方法は、還元剤及び金属イオンを含
む水を電気分解することを特徴とする。
【0013】一般的な水の溶存酸素量は約7〜8ppm
であるが、これを電気分解すると陽極側において2H2
O→4H+ +O2 ↑+4e- なる反応が生じるため、生
成されたアルカリ性電解水の溶存酸素量は減少する。し
かしながら、水を電気分解しただけでは溶存酸素量は4
ppm程度にしか減少しない。
【0014】そこで、本発明のアルカリ性電解水の生成
方法では、還元剤を含む水を電気分解することにより生
成されるアルカリ性電解水の溶存酸素量を3ppm以下
とする。還元剤が添加された水を電気分解すると、還元
剤から生じた水素が酸素と反応して水となり、これによ
り溶存酸素量が低減するからである。本発明で用いられ
る還元剤としては、γラクトン構造(カルボン酸と水酸
基が分子内で脱水閉環した環状エステル)を有しかつO
H基を含む混合物又は、酸素を含む5員環もしくは6員
環を有しかつOH基を1以上有する糖類を挙げることが
できる。例えば、ビタミンC,オキサロ酢酸、グルコー
ス,フルクトース,ラクトースなどの糖類、エリソルビ
ン酸(イソアスコルビン酸)、ビタミンE、EDTA
(エチレンジアミンテトラ酢酸)、クエン酸イソプロピ
ルなどを挙げることができる。
【0015】また、金属イオン及び還元剤を含有しない
水を電気分解しても酸化還元電位は変化せず、また還元
剤のみを含有した水を電気分解すると酸化還元電位は−
300mV〜−400mV程度まで減少するが、電気分
解を終了すると短時間で電位が元に戻ってしまう。さら
に、金属イオンのみを含有した水を電気分解すると酸化
還元電位は−700〜−800mV程度まで減少するも
のの、上述した溶存酸素量が減少しない。そこで、本発
明では金属イオン及び還元剤を含む水を電気分解するこ
ととし、酸化還元電位が−700mV以下で、しかも溶
存酸素量がきわめて小さいアルカリ性電解水を生成する
ことができた。なお、金属イオン及び還元剤を含む水を
電気分解することによりpH値も10.0前後の適切な
値とすることができる。本発明の金属イオンとしては、
ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオ
ン、マグネシウムイオンなどを挙げることができる。
【0016】本発明の方法で生成されたアルカリ性電解
水は、溶存酸素量がきわめて小さいので、その特性を長
時間保持することができ保存性に優れている。
【0017】また、ビタミンCを含む水を電気分解して
生成されたアルカリ性電解水は、還元電位が大きいので
当該電解水中ではビタミンC自体が酸化され難くなり、
その結果、生体内に取り込まれたときに当該ビタミンC
本来の医療的効果が期待できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の実施例で用いた電解水生成装置
を示す断面図である。
【0019】(実施例1)図1に示すように、本実施例
では、容積2リットル(縦100mm×横200mm×
深さ100mm)の電解槽1の中央に隔膜4を配置して
各電解室5,6の容積がそれぞれ1リットルとなるよう
に区画し、また電極板2,3間距離Lを4mm、電極板
2,3間に流れる電流が4A一定となるよう両電極板
2,3間に約20Vの電圧を40分間印加し、電気分解
を行った。電解槽1内に設けられる電極板2,3として
は、チタン板に白金メッキを施した縦114mm×横7
4mmのものを用いた。
【0020】本実施例では、水道水1リットルに対しビ
タミンCを0.25g、食塩を0.05gの割合で添加
した水を電解槽1に満たし、40分間の電気分解を行っ
た。生成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化
還元電位、溶存酸素量、電気伝導度をそれぞれ測定し
た。この結果を表1に示す。なお、pH値の測定は
(株)堀場製作所社製pH測定メータD−13及びpH
測定センサ#6350−10D、酸化還元電位の測定は
(株)堀場製作所社製ORP測定メータD−13及びO
RP測定センサ#6860−10C、溶存酸素量の測定
は東亜電波工業(株)社製のDO測定メータDO14−
P及びDO測定センサOE−2102、電気伝導度の測
定は東亜電波工業(株)社製のEC測定メータCM−1
4P及びEC測定センサCVP−101Pをそれぞれ用
いた。
【0021】(実施例2)被電解液を、水道水1リット
ルに対しビタミンCを0.25gの割合で添加した水と
した以外は、実施例1と同じ条件で電気分解を行い、生
成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電
位、溶存酸素量、電気伝導度をそれぞれ測定した。この
結果を表1に示す。
【0022】(比較例1)被電解液を、純水とした以外
は、実施例1と同じ条件で電気分解を行い、生成された
アルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存
酸素量、電気伝導度をそれぞれ測定した。この結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1の結果から明らかなように、還元
剤であるビタミンC及び金属イオンであるナトリウムイ
オンを含む水を電気分解すると、酸化還元電位が−70
0mV以下で、しかも溶存酸素量が0.38ppmのア
ルカリ性電解水が得られた。また、実施例2の結果によ
れば、ビタミンCを含む水を電気分解することにより溶
存酸素量が比較例1に対して約1/3にまで減少させる
ことができた。
【0025】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、溶存
酸素量が著しく少ないため、生体内の活性酸素を受け取
ることにより安定化を図ろうとする作用があり、また酸
化還元電位が著しく小さく還元力が強いので、生体内の
活性酸素と反応しやすい特性がある。したがって、本発
明のアルカリ性電解水を飲料すると、酸素利用代謝の副
産物である活性酸素量を減少させることができ、遺伝子
や細胞の酸化が抑制できるという医療的効果が期待でき
る。
【0027】また、本発明の方法で生成されたアルカリ
性電解水は、溶存酸素量がきわめて小さいので、その特
性を長時間保持することができ保存性に優れている。
【0028】さらに、ビタミンCを含む水を電気分解し
て生成されたアルカリ性電解水では、生体内でビタミン
C自体が酸化され難くなるので、当該ビタミンC本来の
医療的効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた電解水生成装置を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…電解槽 2,3…電極板 4…隔膜
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 アルカリ性電解水
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を電気分解して
得られるアルカリ性電解水、これを主成分とする飲料水
及びアルカリ性電解水の生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水を電気分解して得られるア
ルカリ性電解水を飲料用として用いると、胃腸内の異常
醗酵や消化不良、下痢、胃酸過多などを抑制するという
医療的効果があることが報告されている。これは、アル
カリ性電解水においては、水中に含まれるカルシウム、
ナトリウム、マグネシウム、カリウム等のミネラル分が
陽イオンとして存在することが主要因であると考えられ
ていた。
【0003】そのため、かかる医療的効果を得るために
用いられるアルカリ性電解水としては、専ら含有金属イ
オン量とpH値とによってのみ規定されていた。すなわ
ち、原水にカルシウム等を含む物質を添加してpHが9
程度に達するまで電気分解を行うことにより、目的とす
るアルカリ性電解水を生成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、より
医療的効果の高い水の開発が希求されている。
【0005】そこで本発明者らは、生体内に生じた活性
酸素が生体分子を酸化することにより生体分子が損傷
し、その結果病気に至ることに着目し、活性酸素の発生
の原因となる溶存酸素量と、酸化作用の指針となる酸化
還元電位とを制御すればより医療的効果のあるアルカリ
性電解水が得られることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
【0006】また、このようなアルカリ性電解水は従来
の方法では生成できなかったため、溶存酸素量と酸化還
元電位とに着目しながら鋭意研究を行った結果、ある種
の還元剤と金属イオンが目的とする溶存酸素量と酸化還
元電位とに強く影響していることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0007】すなわち本発明は、医療的効果が充分に期
待できるアルカリ性電解水と、このアルカリ性電解水を
得るためのアルカリ性電解水の生成方法とを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアルカリ性電解水は、溶存酸素量が3.0
ppm以下、好ましくは2.0ppm以下、より好まし
くは1.0ppm以下であり、かつ、酸化還元電位が−
300mV以下、好ましくは−500mV以下、より好
ましくは−700mV以下であることを特徴とする。
【0009】生体は酸素を利用した代謝を行うことで生
命を維持する結果、体内に活性酸素が生じるが、この活
性酸素はきわめて酸化力が強く生体を構成している遺伝
子や細胞を酸化する。これが病気の原因と考えられる
が、本発明のアルカリ性電解水は、溶存酸素量が著しく
少ないため、生体内の活性酸素を受け取ることにより安
定化を図ろうとする作用がある。また、本発明のアルカ
リ性電解水は酸化還元電位が著しく低く還元力が強いの
で、生体内の活性酸素と反応しやすい特性がある。した
がって、本発明のアルカリ性電解水を飲料すると、酸素
利用代謝の副産物である活性酸素量を減少させることが
でき、遺伝子や細胞の酸化が抑制できるという医療的効
果が期待できる。
【0010】本発明において、溶存酸素量は可能な限り
0ppmに近いこと、及び酸化還元電位は可能な限り小
さいことが最も好ましい。上述した活性酸素による生体
内の酸化作用の抑制力が最も期待できるからである。
【0011】このような特性を有する本発明のアルカリ
性電解水は、特に飲料水や、アルコール飲料、清涼飲
料、果実飲料、乳清飲料などの主成分として用いて好ま
しい。
【0012】上記目的を達成するために、本発明のアル
カリ性電解水の生成方法は、還元剤及び金属イオンを含
む水を電気分解することを特徴とする。
【0013】一般的な水の溶存酸素量は約7〜8ppm
であるが、これを電気分解すると陽極側において2H2
O→4H+ +O2 ↑+4e- なる反応が生じるため、生
成されたアルカリ性電解水の溶存酸素量は減少する。し
かしながら、水を電気分解しただけでは溶存酸素量は4
ppm程度にしか減少しない。
【0014】そこで、本発明のアルカリ性電解水の生成
方法では、還元剤を含む水を電気分解することにより生
成されるアルカリ性電解水の溶存酸素量を3ppm以下
とする。還元剤が添加された水を電気分解すると、還元
剤から生じた水素が酸素と反応して水となり、これによ
り溶存酸素量が低減するからである。本発明で用いられ
る還元剤としては、γラクトン構造(カルボン酸と水酸
基が分子内で脱水閉環した環状エステル)を有しかつO
H基を含む混合物又は、酸素を含む5員環もしくは6員
環を有しかつOH基を1以上有する糖類を挙げることが
できる。例えば、ビタミンC,グルコース,フルクトー
ス,ラクトースなどの糖類、エリソルビン酸(イソアス
コルビン酸)などを挙げることができる。また、本発明
の還元剤としては、上記還元剤以外にも、オキサロ酢
酸、ビタミンE、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢
酸)、クエン酸イソプロピルなどの還元剤を挙げること
ができる。
【0015】また、金属イオン及び還元剤を含有しない
水を電気分解しても酸化還元電位は変化せず、また還元
剤のみを含有した水を電気分解すると酸化還元電位は−
300mV〜−400mV程度まで減少するが、電気分
解を終了すると短時間で電位が元に戻ってしまう。さら
に、金属イオンのみを含有した水を電気分解すると酸化
還元電位は−700〜−800mV程度まで減少するも
のの、上述した溶存酸素量が減少しない。そこで、本発
明では金属イオン及び還元剤を含む水を電気分解するこ
ととし、酸化還元電位が−700mV以下で、しかも溶
存酸素量がきわめて小さいアルカリ性電解水を生成する
ことができた。なお、金属イオン及び還元剤を含む水を
電気分解することによりpH値も10.0前後の適切な
値とすることができる。本発明の金属イオンとしては、
ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオ
ン、マグネシウムイオンなどを挙げることができる。
【0016】本発明の還元剤及び金属イオンを含む水を
電気分解して得られるアルカリ性電解水は、還元剤を含
んでいるので酸素環境に曝されたとしても、その還元力
によって溶存酸素量を微量のまま長時間保持することが
でき、また金属イオンの働きによって低電位となった酸
化還元電位をも低電位のまま長時間保持することがで
き、保存性に優れている。
【0017】また、ビタミンCを含む水を電気分解して
生成されたアルカリ性電解水は、還元電位が低いので、
当該電解水中ではビタミンC自体が酸化され難くなり、
その結果、生体内に取り込まれたときに当該ビタミンC
本来の医療的効果が期待できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の実施例で用いた電解水生成装置
を示す断面図である。
【0019】(実施例1)図1に示すように、本実施例
では、容積2リットル(縦100mm×横200mm×
深さ100mm)の電解槽1の中央に隔膜4を配置して
各電解室5,6の容積がそれぞれ1リットルとなるよう
に区画し、また電極板2,3間距離Lを4mm、電極板
2,3間に流れる電流が4A一定となるよう両電極板
2,3間に約20Vの電圧を40分間印加し、電気分解
を行った。電解槽1内に設けられる電極板2,3として
は、チタン板に白金メッキを施した縦114mm×横7
4mmのものを用いた。
【0020】本実施例では、水道水1リットルに対しビ
タミンCを0.25g、食塩を0.05gの割合で添加
した水を電解槽1に満たし、40分間の電気分解を行っ
た。生成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化
還元電位、溶存酸素量、電気伝導度をそれぞれ測定し
た。この結果を表1に示す。なお、pH値の測定は
(株)堀場製作所社製pH測定メータD−13及びpH
測定センサ#6350−10D、酸化還元電位の測定は
(株)堀場製作所社製ORP測定メータD−13及びO
RP測定センサ#6860−10C、溶存酸素量の測定
は東亜電波工業(株)社製のDO測定メータDO14−
P及びDO測定センサOE−2102、電気伝導度の測
定は東亜電波工業(株)社製のEC測定メータCM−1
4P及びEC測定センサCVP−101Pをそれぞれ用
いた。
【0021】(実施例2)被電解液を、水道水1リット
ルに対しビタミンCを0.25gの割合で添加した水と
した以外は、実施例1と同じ条件で電気分解を行い、生
成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電
位、溶存酸素量、電気伝導度をそれぞれ測定した。この
結果を表1に示す。
【0022】(比較例1)被電解液を、純水とした以外
は、実施例1と同じ条件で電気分解を行い、生成された
アルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存
酸素量、電気伝導度をそれぞれ測定した。この結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1の結果から明らかなように、還元
剤であるビタミンC及び金属イオンであるナトリウムイ
オンを含む水を電気分解すると、酸化還元電位が−70
0mV以下で、しかも溶存酸素量が0.38ppmのア
ルカリ性電解水が得られた。また、実施例2の結果によ
れば、ビタミンCを含む水を電気分解することにより溶
存酸素量が比較例1に対して約1/3にまで減少させる
ことができた。
【0025】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、溶存
酸素量が著しく少ないため、生体内の活性酸素を受け取
ることにより安定化を図ろうとする作用があり、また酸
化還元電位が著しく小さく還元力が強いので、生体内の
活性酸素と反応しやすい特性がある。したがって、本発
明のアルカリ性電解水を飲料すると、酸素利用代謝の副
産物である活性酸素量を減少させることができ、遺伝子
や細胞の酸化が抑制できるという医療的効果が期待でき
る。
【0027】また、本発明の還元剤及び金属イオンを含
む水を電気分解して得られるアルカリ性電解水は、還元
剤を含んでいるので酸素環境に曝されたとしても、その
還元力によって溶存酸素量を微量のまま長時間保持する
ことができ、また金属イオンの働きによって低電位とな
った酸化還元電位をも低電位のまま長時間保持すること
ができ、保存性に優れている。
【0028】さらに、ビタミンCを含む水を電気分解し
て生成されたアルカリ性電解水では、生体内でビタミン
C自体が酸化され難くなるので、当該ビタミンC本来の
医療的効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた電解水生成装置を示す
断面図である。
【符号の説明】 1…電解槽 2,3…電極板 4…隔膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶存酸素量が3.0ppm以下、かつ酸化
    還元電位が−300mV以下であることを特徴とするア
    ルカリ性電解水。
  2. 【請求項2】溶存酸素量が1.0ppm以下、かつ酸化
    還元電位が−700mV以下であることを特徴とする請
    求項1に記載のアルカリ性電解水。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のアルカリ性電解水
    を主成分とすることを特徴とする飲料水。
  4. 【請求項4】還元剤及び金属イオンを含む水を電気分解
    することを特徴とするアルカリ性電解水の生成方法。
  5. 【請求項5】前記還元剤が、γラクトン構造を有しかつ
    OH基を含む混合物又は、酸素を含む5員環もしくは6
    員環を有しかつOH基を1以上有する糖類であることを
    特徴とする請求項4に記載のアルカリ性電解水の生成方
    法。
  6. 【請求項6】前記金属イオンがナトリウムイオン、カリ
    ウムイオン、カルシウムイオン又はマグネシウムイオン
    であることを特徴とする請求項4又は5に記載のアルカ
    リ性電解水の生成方法。
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