JPS59595B2 - クロム付着用電気めっき浴 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はクロムの電気めつき、更に具体的に言えば、
陽極液が陰極液から陽イオン交換膜によつて隔てられて
いるクロムけ着用電気めつき浴に関する。

電気めつき浴内に隔膜を使うことが従来提案されている
が、これまでは隔膜が電気抵抗を持ち、そのため電気め
つき浴内に許容し難い程の大きなめつき電圧を発生した
ために、使われていなかつた。

更に隔膜を使うには、現存の電気めつき浴に費用のかか
る構造的な変更を加えることを必要としていた。この発
明は陽極液が陰極液からペルフルオル化重イオン交換膜
によつて隔てられているクロム付着用電気めつき浴を提
供する。

この電気めつき浴において、陽極液は硫酸イオンを含み
、陰極液はクロム源としての硫酸クロム（１）及びめつ
き電圧を下げるための陰イオンをふくみ、陽極は陽極液
中に浸漬され、陽極及び陽極液の材料はそれらの化学反
応によつて決定されている。この発明の電気めつき浴は
、不利な陽極反応を防止し、めつき電圧の増加は無視し
得る。

その様な不利な反応の１つは、Ｃｒ（■）イオンからＣ
に（ＶＯへの酸化であり、３価のクロムのめつき溶液中
にＣに（ＶＯイオンがたまると、最終的にめつきが中止
される。陽極液は、浴を使つている時、陽極の電極電位
を下げることができる減極種目をその中に含んでいるこ
とが好ましい。

更に、陰極における水素の発生を補償する様に交換膜を
介して水素が輸送される様に陽極液のｐＨを調整するこ
とにより、陰極液のｐＨを安定にすることができる。好
ましいペルフルオル化重イオン交換膜はナフイオン（Ｎ
ＡＦＩＯＮ）ジユポン・コーポレーションの商標）のシ
ートである。

このペルフルオル化重合体の膜は薄くて、電気抵抗は無
視することができ、機械的並びに化学的に堅牢である。
減極種目はフエロシアン化物陰イオン、ヒドラジン又は
キンヒドロンを含んでいてよい。減極種目の効果は、め
つき電圧を目立つて減少させることである。膜を使わな
いと不利な陽極反応を起すことのある陰極液中に導電肚
の高い陰イオンを使うことにより、めつき電圧を更に下
げることができる。この一例は塩化物陰イオンである。
塩化物陰イオンは、導電度が高く、低廉なＮａＣｌ塩か
ら得られる点で望ましい。陽イオン交換膜なしでそれを
使うことは、陽極に塩素が発生されることがあるので望
よしくない。これに対してこの発明の電気めつき浴は、
めつき液を通さないペルフルオル化陽イオン交換膜を使
うと共に適当な陽極液を使うことによつて、有害な陽極
反応を避けることができ、めつき電圧を下げることがで
きる。

こうして陽極液及び陰極液の両方を別々に最適にするこ
とができる。更に、陽極の材料がめつき溶液によつて決
定されず、コストの点、並びに陽極液とＤ電気化学的な
反応の点で最適のものにすることができる。陽極液は、
少なくともその表面の一部分がペルフルオル化陽イオン
交換膜で構成された区画を持ち、陽極及び陽極液がこの
区画内に設けられている陽極装置内に含まれ得る。

陽極液は、浴の使用中に陽極の電極電位を下げることが
できる減極種目を含むことが好ましい。この陽極装置は
、普通の陽極と略同じ形及び寸法にすることが出来、且
つ陽極の支持体を変えずに、陰極液中に浸漬し且つ支持
することが出来る様になつている。

この発明の一例の陽極装置は、箱形枠に支持されたペル
フルオル化陽イオン交換膜で構成される区画を持ち、こ
の区画の中に陽極が支持されている。

この代りに交換膜は管の形であつてもよい。この区画又
は管の中には陽極の周りに陽極液を設ける。この陽極液
は、減極種目を飽和させたかんてんのゲルの様なゲルＫ
することが好ましい。更にこのゲルは、陽極液の導電度
を高める為、金属又は炭素のコロイド状分散質を含んで
いてよい。交換膜はナフイオン・シートであることが好
ましい。この発明の陽極装置は、不利な反応を防止する
と共に、陰極液をめつきにとつて最適にすることが出来
る様【する頑丈で簡単で効率のよい陽極である。更に、
浴の使用中、陰極液のＰＨが安定になる様に、陽極液の
酸度を調整することが出来る。欠にこの発明を例につい
て説明する。例１ クロムの電気めつき浴が下記の成分を持つ陽極液及び陰
極液で構成される。

陽極液及び陰極液がナフイオン（ジユポン・コーポレー
シヨンの商標）のシートによつて隔てられている。

浴を５０℃の温度で働かせた。陽極液中の減極剤として
フエロシアン化物を使つた効果として、白金を被せたチ
タン陽極を使つた時、めつき電圧が１７％減少した。フ
エロシアン化物陰イオンが、めつき中にフエリシアン化
物陰イオンに酸化され、この為、所定のめつき時間の後
、フエリシアン化物陰イオンをフエロシアン化物イオン
に還元しなければならない。減極種目は適当な電解質の
中で電気化学的に還元することも出来るし、或いは陽極
液に亜２チオン酸ナトリウム又は亜鉛の様な適当な還元
剤を添加することによつて、還元することが出来る。更
に、陰極に於ける水素の発生による陰極液のＰＨの増加
を補償する様匡、交換膜を介して水素イオンが輸送され
る様に陽極液のＰＨを調節することにより、陰極液のＰ
Ｈを安定にすることが出来る。

陽極液様のフエロシアン化物陰イオンの代りにヒドラジ
ン及びキンヒドロンを使うことが出来る。例２例１に述
べた陰極液と同様な組成を持つクロム（ｌ）電気めつき
浴に対する陽極装置が、箱形の区画で構成される。

この区画はナフイオン膜によつて構成され、金属又はプ
ラスチツクの枠によつて支持されている。この代りに膜
は管の形にしてもよい。この区画又は管の中に炭素の陽
極を支持する。陽極液が炭素の陽極の周りで区画又は管
の内側を充填する。陽極液は、０．１Ｍの硫酸中の２Ｍ
の沃化カリウムの溶液で飽和させたかんてんのゲルで構
成される。ゲル中に炭素のコロイド状分散質を含めるこ
とにより、陽極液の導電度を更に高めることが出来る。
浴を使う時、陰極液のＰＨが安定になる様に、硫酸の濃
度を調整することが出来る。減極反応はＩ−イオンから
１１への酸化を含む。この反応は可逆であり、陽極装置
を一時的な陰極とすることにより、減極種目を水註電解
液又は電気めつき浴自体の中で再生（還元）することが
出来る。沃化物陰イオンに代る減極種目としては、フニ
ロシアン化物陰イオン、ヒドラジン、キンヒドロン又は
第１鉄イオンがある。

陽極には炭素以外の材料を使うことが出来る。適当な材
料は、特定の減極種目に応じて、ステンレススチール、
白金を被せたチタン、マグネタイト又はクロムである。
例３クロムの電気めつき浴が下記の成分を持つ陽極液及
び陰極液で構成される。

陽極液 １０容積パーセントの硫酸（約２Ｍ）及びキンヒドロン
（１８℃で飽和させる）で構成され、ＰＨを１．０に調
節する。

陽極液及び陰極液はナフイオン膜のシートによつて隔て
られる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ めつき液を通さないペルフルオル化陽イオン交換膜
   を用いた隔膜によつて陽極液が陰極液から隔てられてお
   り、陽極液は硫酸イオンを含み、陰極液はクロム源とし
   ての硫酸クロム（III）及びめつき電圧を下げるための
   陰イオンを含み、陽極は陽極液中に浸漬され、陽極及び
   陽極液の材料はそれらの化学反応によつて決定されてい
   る。 クロム付着用電気めつき浴。