JPH0998547A - 電動機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータヨークをロータ支持ボスにネジ締めす
る作業を能率よく行う。 【解決手段】 ステータを外周に設けたステータ支持ボ
スに、軸受を介して回転軸５を回転自在に貫通支持させ
る。回転軸５の一端側にロータ支持ボス６を設ける。駆
動用磁石をロータヨーク７ｂに取付けたロータを、ロー
タヨーク７ｂとロータ支持ボス６との間にワッシャ８を
介してロータ支持ボス６に複数本のネジ９で固定する。
ワッシャ８には、ネジ９をそれぞれ貫通させる部分に円
弧状にネジ貫通長孔１５ａを設ける。ロータヨークの開
口部側で駆動用磁石の端部に回転数検知用ロータリエン
コーダのセンサ磁石部を設ける。ロータヨークの開口部
に対向配置したプリント基板に、回転数検知用ロータリ
エンコーダの磁気センサをセンサ磁石部に対向させて設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転数検知用ロー
タリエンコーダのセンサ磁石と磁気センサとを備えた電
動機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の電動機の一種であるブラ
シレス直流電動機は、図５〜図８に示すように、フラン
ジ１に筒状のステータ支持ボス２が支持され、該ステー
タ支持ボス２の外周にステータ３が設けられている。該
ステータ３は、ステータ鉄心３ａの極部にステータ巻線
３ｂが巻装された構造になっている。ステータ支持ボス
２には、軸受４を介して回転軸５が回転自在に貫通支持
されている。回転軸５の一端側には、ロータ支持ボス６
が嵌着されている。ステータ３に対向する駆動用磁石７
ａをカップ状のロータヨーク７ｂの内周に取付けたロー
タ７が、ロータヨーク７ｂとロータ支持ボス６との間に
ワッシャ８を介して該ロータ支持ボス６に複数本のネジ
９締めで固定されている。ワッシャ８には回転軸５を通
す孔８ａが設けられている。ロータヨーク７ｂの開口部
側で駆動用磁石７ａの端部には、回転数検知用ロータリ
エンコーダのセンサ磁石部１０が設けられている。ロー
タヨーク７ｂの開口部に対向されてプリント基板１２が
配置されてステータ３側に樹脂製のスペーサ１３を介し
て支持されている。本例では、スペーサ１３はステータ
鉄心３ａに支持されている。プリント基板１２には、回
転数検知用ロータリエンコーダの磁気センサとしてのコ
イルパターン１４がセンサ磁石部１０にギャップＧを介
して対向されてプリント配線により設けられている。フ
ランジ１とプリント基板１２との間には、フランジ１に
支持させてフランジ台座１４が設けられている。この場
合、ワッシャ８はセンサ磁石部１０とプリント基板１２
とのギャップＧを調整するためのものである。

【０００３】しかしながら、このような従来の電動機で
は、ワッシャ８の直径が小さくネジ９が貫通していない
ので、ネジ９締め固定が不安定になり、ネジ９を締め込
むとロータヨーク７ｂに歪みを生じ、ワッシャ８の本来
の目的であるセンサ磁石部１０とプリント基板１２との
ギャップＧの調整の役目をしない問題点があった。

【０００４】そこで、図９（Ａ）（Ｂ）及び図１０に示
すようにワッシャ８の外径を大きくして、該ワッシャ８
にネジ貫通孔１５を設け、ネジ９がワッシャ８を貫通し
た状態でロータヨーク７ｂをロータ支持ボス６に締結す
ることが提案されている。

【０００５】このような構造にすると、ネジ９を締め込
むことによるロータヨーク７ｂに歪みが生じる問題点を
回避することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図９
（Ａ）（Ｂ）及び図１０に示すような構造の電動機で
は、ネジ９を締め込む際に、ロータ支持ボス６のネジ孔
１６にワッシャ８のネジ貫通孔１５を合わせ、且つワッ
シャ８のネジ貫通孔１５にロータヨーク７ｂのネジ貫通
孔１７を合わせるようにしてからでないと、ネジ９を挿
入して締め込む作業ができず、工数が増えて作業能率が
悪い問題点があった。

【０００７】本発明の目的は、ロータヨークをロータ支
持ボスにネジ締めする作業を能率よく行える構造の電動
機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、フランジに筒
状のステータ支持ボスが支持され、ステータ支持ボスの
外周にステータが設けられ、ステータ支持ボスに軸受を
介して回転軸が回転自在に貫通支持され、回転軸の一端
側にはロータ支持ボスが設けられ、ステータに対向する
駆動用磁石をロータヨークに取付けたロータがロータヨ
ークとロータ支持ボスとの間にワッシャを介して該ロー
タ支持ボスに複数本のネジ締めで固定され、ロータヨー
クの開口部側で駆動用磁石の端部には回転数検知用ロー
タリエンコーダのセンサ磁石部が設けられ、ロータヨー
クの開口部に対向されてプリント基板が配置されてステ
ータ側に支持され、プリント基板には回転数検知用ロー
タリエンコーダの磁気センサがセンサ磁石部に対向され
て設けられている構造の電動機を改良の対象としてい
る。

【０００９】本発明に係る電動機においては、ネジをそ
れぞれ貫通させるワッシャの部分に円弧状にネジ貫通長
孔が設けられていることを特徴とする。

【００１０】このようにネジをそれぞれ貫通させるワッ
シャの部分に円弧状にネジ貫通長孔を設けると、ロータ
支持ボスのネジ孔にワッシャのネジ貫通長孔を合わせる
作業が容易になる。このため、ロータヨークをロータ支
持ボスにネジ締めする作業を能率よく行うことができ
る。

【００１１】また、本発明に係る電動機においては、ワ
ッシャにはネジをそれぞれ貫通させる各ネジ貫通孔に対
して位置を異にして複数箇所に位置決め孔が設けられ、
ロータ支持ボスにはワッシャの位置決め孔に嵌め込む位
置決め突起が設けられていることを特徴とする。

【００１２】このようにワッシャにはネジをそれぞれ貫
通させる各ネジ貫通孔に対して位置を異にして複数箇所
に位置決め孔を設け、ロータ支持ボスにはワッシャの位
置決め孔に嵌め込む位置決め突起を設けると、ワッシャ
はその位置決め孔にロータ支持ボスの位置決め突起を嵌
めてロータ支持ボスに対する取付けを行うことにより、
ロータ支持ボスのネジ孔にワッシャのネジ貫通孔が自動
的に合い、ロータ支持ボスのネジ孔にワッシャのネジ貫
通孔を合わせる作業が容易になる。このため、ロータヨ
ークをロータ支持ボスにネジ締めする作業を能率よく行
うことができる。

【００１３】この場合、ワッシャの位置決め孔は、ネジ
貫通孔に対してワッシャの径方向に位置を異にして設け
ることが好ましい。

【００１４】このようにワッシャの位置決め孔をネジ貫
通孔に対してワッシャの径方向に位置を異にして設ける
と、位置決め孔とネジ貫通孔を設ける位置の設定が容易
になる。

【００１５】また、ロータヨークにはロータ支持ボスの
位置決め突起に対応して位置決め突起貫通孔が設けられ
ていることが好ましい。

【００１６】このようにロータヨークに位置決め突起貫
通孔を設けると、位置決め突起がロータヨークに当たっ
てネジ締め作業が阻害されるのを防止できる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１（Ａ）（Ｂ）及び図２は、本
発明をブラシレス直流電動機に適用した実施の態様の第
１例を示したものである。

【００１８】本例のブラシレス直流電動機においては、
ネジ９をそれぞれ貫通させるワッシャ８の部分に円弧状
にネジ貫通長孔１５ａが設けられている点に特徴があ
る。その他の構成は、図５に示す従来例と同様である。

【００１９】このようにネジ９をそれぞれ貫通させるワ
ッシャ８の部分に円弧状にネジ貫通長孔１５ａを設ける
と、ロータ支持ボス６のネジ孔１６にワッシャ８のネジ
貫通長孔１５ａを合わせる作業が容易になる。このた
め、ロータヨーク７ｂをロータ支持ボス６にネジ９締め
する作業を能率よく行うことができる。

【００２０】図３（Ａ）（Ｂ）及び図４は、本発明をブ
ラシレス直流電動機に適用した実施の態様の第２例を示
したものである。

【００２１】本例のブラシレス直流電動機においては、
ワッシャ８にはネジ９をそれぞれ貫通させる各ネジ貫通
孔１５に対して径方向に位置を異にして複数箇所に位置
決め孔１８が設けられ、ロータ支持ボス６にはワッシャ
８の各位置決め孔１８に嵌め込む複数本のピンよりなる
位置決め突起１９が植設されている。また、ロータヨー
ク７ｂには、ロータ支持ボス６の位置決め突起１９に対
応して位置決め突起貫通孔２０がそれぞれ設けられてい
る。その他の点は、第１例と同様である。

【００２２】このようにワッシャ８にはネジ９をそれぞ
れ貫通させる各ネジ貫通孔１５に対して位置を異にして
複数箇所に位置決め孔１８を設け、ロータ支持ボス６に
はワッシャ８の各位置決め孔１８に嵌め込む複数本の位
置決め突起１９を設けると、ワッシャ８はその位置決め
孔１８にロータ支持ボス６の位置決め突起１９を嵌めて
ロータ支持ボス６に対する取付けを行うことにより、ロ
ータ支持ボス６のネジ孔１６にワッシャ８のネジ貫通孔
１５が自動的に合い、ロータ支持ボス６のネジ孔１６に
ワッシャ８のネジ貫通孔１５を合わせる作業が容易にな
る。このため、ロータヨーク７ｂをロータ支持ボス６に
ネジ９締めする作業を能率よく行うことができる。ま
た、ロータヨーク７ｂに位置決め突起貫通孔２０が設け
られているので、位置決め突起１９がロータヨーク７ｂ
に当たってネジ９締め作業が阻害されるのを防止でき
る。

【００２３】なお、位置決め突起１９の突出高さをワッ
シャ８の厚み以下にすると、ロータヨーク７ｂの位置決
め突起貫通孔２０を省略できる。

【００２４】また、この第２例では、ワッシャ８の複数
の位置決め孔１８に対応した数だけロータ支持ボス６に
位置決め突起１９を設けたが、ワッシャ８はその中心に
孔８ａがあって回転軸５が通されてある程度の芯合せが
できるので、位置決め突起１９は場合によっては１本だ
けでもよい。しかし、ワッシャ８の位置決め孔１８は複
数設けておいた方が、該ワッシャ８を取付ける際の位置
合わせの回転範囲を狭くできて好適である。

【００２５】また、本発明はブラシレス直流電動機以外
の電動機にも同様に適用することができるものである。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係る電動機においては、ロータ
ヨークとロータ支持ボスとの間に介在させるワッシャに
円弧状にネジ貫通長孔をそれぞれ設けているので、ロー
タ支持ボスのネジ孔にワッシャのネジ貫通長孔を合わせ
る作業が容易になり、このためロータヨークをロータ支
持ボスにネジ締めする作業を能率よく行うことができ
る。

【００２７】また、本発明に係る電動機においては、ロ
ータヨークとロータ支持ボスとの間に介在させるワッシ
ャにそのネジ貫通孔に対して位置を異にして複数箇所に
位置決め孔を設け、ロータ支持ボスにはワッシャの位置
決め孔に嵌め込む位置決め突起を設けたので、ワッシャ
の位置決め孔にロータ支持ボスの位置決め突起を嵌めて
ロータ支持ボスに対するワッシャの取付けを行うことに
より、ロータ支持ボスのネジ孔にワッシャのネジ貫通孔
が自動的に合い、ロータ支持ボスのネジ孔にワッシャの
ネジ貫通孔を合わせる作業が容易になる。このため、ロ
ータヨークをロータ支持ボスにネジ締めする作業を能率
よく行うことができる。

【００２８】また、ワッシャの位置決め孔をネジ貫通孔
に対してワッシャの径方向に位置を異にして設けると、
位置決め孔とネジ貫通孔を設ける位置の設定を容易に行
うことができる。

【００２９】更に、ロータヨークに位置決め突起貫通孔
を設けると、位置決め突起がロータヨークに当たってネ
ジ締め作業が阻害されるのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明に係る電動機の実施の態様の第
１例におけるロータヨークのロータ支持ボスに対する取
付け部分の正面図、（Ｂ）は（Ａ）の縦断面図である。

【図２】第１例で用いているワッシャの正面図である。

【図３】（Ａ）は本発明に係る電動機の実施の態様の第
２例におけるロータヨークのロータ支持ボスに対する取
付け部分の正面図、（Ｂ）は（Ａ）の縦断面図である。

【図４】第２例で用いているワッシャの正面図である。

【図５】従来の電動機の縦断面図である。

【図６】従来の電動機におけるロータヨークのロータ支
持ボスに対する取付け部分の正面図、（Ｂ）は（Ａ）の
縦断面図である。

【図７】従来例で用いているワッシャの正面図である。

【図８】従来で用いているプリント基板の部分平面図で
ある。

【図９】（Ａ）は従来の電動機の他の例におけるロータ
ヨークのロータ支持ボスに対する取付け部分の正面図、
（Ｂ）は（Ａ）の縦断面図である。

【図１０】図９（Ａ）（Ｂ）で用いているワッシャの正
面図である。

【符号の説明】

１ フランジ ２ ステータ支持ボス ３ ステータ ３ａ ステータ鉄心 ３ｂ ステータ巻線 ４ 軸受 ５ 回転軸 ６ ロータ支持ボス ７ ロータ ７ａ 駆動用磁石 ７ｂ ロータヨーク ８ ワッシャ ９ ネジ １０ センサ磁石部 １２ プリント基板 １３ スペーサ １４ コイルパターン １５ ネジ貫通孔 １５ａ ネジ貫通長孔 １６ ネジ孔 １７ ネジ貫通孔 １８ 位置決め孔 １９ 位置決め突起 ２０ 位置決め突起貫通孔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フランジに筒状のステータ支持ボスが支
   持され、前記ステータ支持ボスの外周にステータが設け
   られ、前記ステータ支持ボスに軸受を介して回転軸が回
   転自在に貫通支持され、前記回転軸の一端側にはロータ
   支持ボスが設けられ、前記ステータに対向する駆動用磁
   石をロータヨークに取付けたロータが前記ロータヨーク
   と前記ロータ支持ボスとの間にワッシャを介して該ロー
   タ支持ボスに複数本のネジ締めで固定され、前記ロータ
   ヨークの開口部側で前記駆動用磁石の端部には回転数検
   知用ロータリエンコーダのセンサ磁石部が設けられ、前
   記ロータヨークの開口部に対向されてプリント基板が配
   置されて前記ステータ側に支持され、前記プリント基板
   には前記回転数検知用ロータリエンコーダの磁気センサ
   が前記センサ磁石部にギャップを介して対向配置されて
   いる電動機において、 該ワッシャには前記ネジをそれぞれ貫通させる部分に円
   弧状にネジ貫通長孔が設けられていることを特徴とする
   電動機。
2. 【請求項２】 フランジに筒状のステータ支持ボスが支
   持され、前記ステータ支持ボスの外周にステータが設け
   られ、前記ステータ支持ボスに軸受を介して回転軸が回
   転自在に貫通支持され、前記回転軸の一端側にはロータ
   支持ボスが設けられ、前記ステータに対向する駆動用磁
   石をロータヨークに取付けたロータが前記ロータヨーク
   と前記ロータ支持ボスとの間にワッシャを介して該ロー
   タ支持ボスに複数本のネジ締めで固定され、前記ロータ
   ヨークの開口部側で前記駆動用磁石の端部には回転数検
   知用ロータリエンコーダのセンサ磁石部が設けられ、前
   記ロータヨークの開口部に対向されてプリント基板が配
   置されて前記ステータ側に支持され、前記プリント基板
   には前記回転数検知用ロータリエンコーダの磁気センサ
   が前記センサ磁石部にギャップを介して対向配置されて
   いる電動機において、 前記ワッシャには前記ネジをそれぞれ貫通させるネジ貫
   通孔に対して位置を異にして複数箇所に位置決め孔が設
   けられ、 前記ロータ支持ボスには前記ワッシャの位置決め孔に嵌
   め込む位置決め突起が設けられていることを特徴とする
   電動機。
3. 【請求項３】 前記ワッシャの前記位置決め孔は、前記
   ネジ貫通孔に対して前記ワッシャの径方向に位置を異に
   して設けられていることを特徴とする請求項２に記載の
   電動機。
4. 【請求項４】 前記ロータヨークには前記ロータ支持ボ
   スの前記位置決め突起に対応して位置決め突起貫通孔が
   設けられていることを特徴とする請求項２または３に記
   載の電動機。