JPH0996898A - 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク - Google Patents

位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク

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JPH0996898A
JPH0996898A JP25296395A JP25296395A JPH0996898A JP H0996898 A JPH0996898 A JP H0996898A JP 25296395 A JP25296395 A JP 25296395A JP 25296395 A JP25296395 A JP 25296395A JP H0996898 A JPH0996898 A JP H0996898A
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Shiyougo Fukazaki
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Yasushi Okubo
靖 大久保
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素、モリブデン及びシリコンを主たる構成
要素とする物質からなる薄膜で構成した光半透過膜のエ
ッチング加工性、パターンエッジ形状を良好にし、内部
応力を小さくする。 【解決手段】 ハーフトーン形位相シフトマスクの光半
透過部を、酸素、モリブデン(Mo)及びシリコン(S
i)を主たる構成要素とする物質からなる薄膜で構成す
る。このとき、薄膜中のモリブデンシリサイド(MoS
i)の含有量を50原子%以下、好ましくは25原子%
以下にする。これにより、非晶質のMo−O、Si−
O、Si−O−N等が多く含まれるようにして、薄膜全
体がモリブデンシリサイドとなるのを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクを通過する
露光光間に位相差を与えることにより、転写パターンの
解像度を向上できるようにした位相シフトマスク及びそ
の素材としての位相シフトマスクブランクに関し、特
に、いわゆるハーフトーン型の位相シフトマスク及びそ
の素材としての位相シフトマスクブランクに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体LSI製造の際等においては、微
細パターン転写のマスクたるフォトマスクの1つとして
位相シフトマスクが用いられる。この位相シフトマスク
は、マスクを通過する露光光間に位相差を与えることに
より、転写パターンの解像度を向上できるようにしたも
のである。この位相シフトマスクの1つに、いわゆるハ
ーフトーン型位相シフトマスクと称されているものが知
られている。これは、光半透過部が、露光光を実質的に
遮断する遮光機能と光の位相をシフトさせる位相シフト
機能との2つの機能を兼ねるものである。
【0003】このハーフトーン形位相シフトマスクは、
透明基板上に形成するマスクパターンを、実質的に露光
に寄与する強度の光を透過させる光透過部と実質的に露
光に寄与しない強度の光を透過させる光半透過部とで構
成し、かつ、この光半透過部を通過する光の位相をシフ
トさせて該光半透過部を通過した光の位相が上記光透過
部を通過した光の位相に対して実質的に反転する関係に
なるようにすることにより、前記光透過部と光半透過部
との境界部近傍を通過した光が互いに打ち消しあうよう
にして境界部のコントラストを良好に保持できるように
したものである。
【0004】ハーフトーン形位相シフトマスクは、光半
透過部が、光透過率及び位相シフト性能の双方につい
て、要求される最適な値を有している必要がある。従
来、この最適な値を有している光半透過部を実現できる
位相シフトマスクとして、特開平6−332152号公
報に記載されたものが提案されている。これは、光半透
過部を、酸素、金属及びシリコンを主たる構成要素とす
る物質からなる薄膜で構成したものである。この物質
は、例えば酸化モリブデンシリサイド(MoSiO)、
あるいは窒素をも構成要素とする酸化窒化モリブデンシ
リサイド(MoSiON)である。これらをまとめて単
にモリブデンシリサイド(MoSi)という。これによ
れば、酸素含有率又は、酸素と窒素の含有率を選定する
ことにより透過率が制御でき、また、薄膜の厚さで位相
シフト量を制御できる。また、光半透過部を、このよう
な物質の薄膜で構成することにより、光半透過部を1種
類の材料からなる1層の膜で構成することができ、異な
る種類の多層の膜で構成する場合に比して、単一のエッ
チング媒質を用いることができ、製造工程を単純にでき
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、MoSiO
またはMoSiONからなる光半透過膜は、次のように
形成する。MoSiOの場合は、モリブデン(Mo)と
シリコン(珪素;Si)との混合ターゲットを用い、ア
ルゴン(Ar)と酸素(O2 )との混合ガス雰囲気で、
反応性スパッタにより、透明基板上に所定膜厚の薄膜を
成膜することにより行う。また、MoSiONの場合
は、MoとSiとの混合ターゲットを用い、Arと亜酸
化窒素(N2 O)との混合ガス雰囲気で、反応性スパッ
タにより、透明基板上に所定膜厚の薄膜を成膜すること
により行う。
【0006】このようにMoSiOまたはMoSiON
を光半透過膜とする場合には、スパッタ室内の雰囲気
を、不活性ガスに活性ガスを加えた混合ガスとしている
が、活性ガスの混合量が少ないと、成膜温度が高くな
る。成膜温度が高くなると、シリサイドが良好に形成さ
れるため、薄膜中に結晶であるMoSiが形成されやす
い。現に、半導体製造装置でMoSi膜を製造する場合
には、成膜温度が500℃〜600℃と高いので、薄膜
の大半はMoSiになる。
【0007】薄膜中のMoSiが多いと、結晶グレイン
が成長して柱状の結晶構造になり、かつグレインのサイ
ズも1μm程度と大きくなる。このためマスクパターン
を形成するために前記光半透過膜のエッチングを行う
際、エッチング加工性が悪くなり、それに伴ってパター
ンのエッジ形状も悪くなる。さらに、結晶質であること
に起因して膜の内部応力も大きくなるので、マスクの歪
みが多くなると共に、石英基板等の透明基板に対する密
着性がよくない。したがって、光半透過部をMoSiO
またはMoSiON膜で構成した位相シフトマスクにお
いては、薄膜中のMoSi含有量は重要である。しか
し、光半透過膜のエッチング性等が向上する薄膜中の金
属シリサイドの含有量についての検討は未解決の状態で
ある。
【0008】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、その目的は、パターンのエッチングの際、エ
ッチング加工性が良好で、かつパターンのエッジ形状も
良好な位相シフトマスク及びその素材たる位相シフトマ
スクブランクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明にかかる位相シフトマスクは、次のように構
成したものである。
【0010】構成1の位相シフトマスクは、微細パター
ン露光を施すためのマスクであって、透明基板上に形成
するマスクパターンを、実質的に露光に寄与する強度の
光を透過させる光透過部と実質的に露光に寄与しない強
度の光を透過させる光半透過部とで構成し、かつ、この
光半透過部を通過する光の位相をシフトさせて該光半透
過部を通過した光の位相と前記光透過部を通過した光の
位相とを異ならしめることにより、前記光透過部と光半
透過部との境界部近傍を通過した光が互いに打ち消しあ
うようにして境界部のコントラストを良好に保持できる
ようにした位相シフトマスクであって、前記光半透過部
を、酸素、金属及びシリコンを主たる構成要素とする物
質からなる薄膜で構成し、該薄膜を構成する物質のう
ち、構成要素たる金属とシリコンとが結合した金属シリ
サイド含有量が50原子%以下である構成としたもので
ある。
【0011】薄膜中の金属シリサイドの含有量が50原
子%以下だと、非晶質が多くなり、パターンのエッチン
グの際、加工性が良好になるとともに、パターンのエッ
ジ形状も良好になる。また、非晶質であることに起因し
て膜の内部応力も結晶質が多い場合に比べて小さくな
る。
【0012】構成2の位相シフトマスクは、構成1の位
相シフトマスクにおいて、前記金属シリサイド含有量が
25原子%以下である構成としたものである。これによ
れば、構成1よりもエッチング性等の優れた特性の光半
透過部を得ることができる。
【0013】構成3の位相シフトマスクは、構成1又は
2の位相シフトマスクにおいて、前記薄膜を構成する物
質のうち、構成要素たる金属がモリブデンであることを
特徴とする構成としたものである。これによれば構成1
又は2の特徴を最もよく出すことができる。
【0014】構成4の位相シフトマスクは、構成1ない
し3の位相シフトマスクにおいて、前記薄膜を構成する
物質は、その構成要素に窒素も含むものであることを特
徴とする構成としたものである。これによれば、光半透
過部を構成する薄膜の耐酸性を向上させることができる
と同時に、薄膜をドライエッチングにおける選択性に富
むものとすることができるので、製造を容易にするとい
う効果も得られる。
【0015】構成5の位相シフトマスクブランクは、構
成1ないし4のいずれかの位相シフトマスクの素材とし
て用いられる位相シフトマスクブランクであって、透明
基板上に、酸素、金属及びシリコンを主たる構成要素と
する物質からなる薄膜を形成し、該薄膜を構成する物質
のうち、構成要素たる金属とシリコンとが結合した金属
シリサイド含有量が50原子%以下であることを特徴と
する構成としたものである。
【0016】構成6の位相シフトマスクブランクは、構
成5の位相シフトマスクブランクにおいて、金属シリサ
イド含有量が25原子%以下である構成としたものであ
る。
【0017】構成7の位相シフトマスクブランクは、構
成5または6の位相シフトマスクブランクにおいて、前
記薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属がモリ
ブデンであることを特徴とする構成としたものである。
【0018】構成5〜7によれば、構成1ないし4の位
相シフトマスクの素材として用いることができる位相シ
フトマスクブランクを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図5は本発明の実施の形態にかか
る位相シフトマスクを示す部分断面図、図6は本発明の
実施の形態にかかる位相シフトマスクブランクを示す部
分断面図である。以下、これらの図を参照にしながら本
実施の形態にかかる位相シフトマスク及び位相シフトマ
スクブランクを説明する。
【0020】図5において、符号1は透明基板、符号2
はこの透明基板1の上に形成された光半透過部、符号4
は光透過部である。
【0021】透明基板1は、主表面(表裏の面)を鏡面
研磨した石英ガラス基板(寸法;縦5インチ、横5イン
チ、厚さ0.09インチ)である。
【0022】光半透過部2は、酸素、金属及びシリコン
を主たる構成要素とする物質、例えば、MoSiO、あ
るいは、酸素、金属及びシリコンの他に窒素をも構成要
素とするMoSiONの薄膜で構成されている。この実
施の形態では、露光光として水銀ランプのi線(波長λ
=365nm)を用いることとし、この露光光に対して
光半透過部2が所定の位相シフト量と所定の遮光性能と
を同時に得られるようにするため、酸素含有率(原子
%)、窒素含有率(原子%)、膜厚d(オングストロー
ム)、光透過率を選定する。
【0023】図4は、光半透過部を構成する薄膜中のM
oSi含有量を変えたものを比較例および実施例1〜5
として表にして掲げたものである。光半透過部を構成す
る薄膜中のMoSi含有量を変えるには、混合ガス雰囲
気中のO2 またはN2 Oの割合を変える。なお、図4に
おいて、エッチング加工性は、エッチング加工性が劣っ
ている場合を△、良かった場合を○、より良かった場合
を◎とした。また、パターンのエッジ形状も、エッジ形
状が悪かった場合を×、良かった場合を○、より良かっ
た場合を◎とした。
【0024】上述の構成の位相シフトマスクの製造手順
を図6を参照にしながら説明する。
【0025】図6に示されるように、まず、透明基板1
の表面にMoSiOの薄膜(実施例1〜3)、又はMo
SiONの薄膜(実施例4〜5)からなる光半透過膜2
aを形成して位相シフトマスクブランクを得る。
【0026】光半透過膜2aの形成は、該光半透過膜2
aをMoSiOの薄膜で構成する実施例1〜3の場合は
次のようにして行う。
【0027】MoとSiとの混合ターゲット(Mo:S
i=1:2mol%)を用い、ArとO2 との混合ガス
雰囲気(Ar;90〜80%、O2 ;10〜20%、圧
力;1.5×10-3Torr)で、反応性スパッタにより、
透明基板1上に膜厚1400〜2000オングストロー
ムの薄膜を成膜することにより行う。この場合、膜厚
は、位相差が180°になるように選定される。
【0028】また、光半透過膜2aをMoSiONの薄
膜で構成する実施例4〜5の場合は次のようにして行
う。MoとSiとの混合ターゲット(Mo:Si=1:
2mol%)を用い、ArとN2 Oとの混合ガス雰囲気
(Ar;90〜70%、N2 O;10〜30%、圧力;
1.5×10-3Torr)で、反応性スパッタにより、透明
基板1上に膜厚1400〜2000オングストロームの
薄膜を成膜することにより行う。この場合、N2 Oガス
の代わりに、NOガス、あるいは、O2 +N2 ガスを用
いてもよい。
【0029】なお、比較例の場合は、MoとSiとの混
合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用い、
ArとO2 との混合ガス雰囲気(Ar;98〜91%、
2;2〜9%、圧力;1.5×10-3Torr)で、反応
性スパッタにより、透明基板1上に膜厚1400〜20
00オングストロームの薄膜を成膜することにより行
う。
【0030】前記実施例では、所定量以上のO2 あるい
はN2 OガスをArガスに加えた混合ガス雰囲気でスパ
ッタリングするので、成膜温度が200℃程度と低く、
その結果、MoSiが膜中に形成されにくい。これに対
して比較例では、所定量より少ないO2 ガスをArガス
に加えた混合ガス雰囲気でスパッタリングするので、成
膜温度が500℃〜600℃と高く、その結果、MoS
iが膜中に形成されやすくなる。図4から、エッチング
加工性等を向上させるためには、光半透過部を構成する
薄膜中のMoSi含有量が50原子%以下、より好まし
くは20%以下であることがわかる。
【0031】図2は、実施例4の光半透過膜の膜表面か
ら深さ方向への原子の分布をESCA(Electron Spect
roscopy for Chemical Analysis )によって分析した結
果を示す図である。図のX軸が結合エネルギー(e
V)、Y軸が原子数に対応する量、Z軸がサイクル数
(膜表面からの深さに対応し、数字が小さいほど初期の
膜表面に近い)。
【0032】図中、SiO(N)と示されたピークは、
SiにO、Nが直接結合しているSi原子の相対的な個
数を表す。Siメタルと示されたピークは、SiにMo
が直接結合しているSi原子の相対的な個数を表す。そ
の他は、SiにO、Nが結合し、そのO、NにMoが結
合している場合等を表す。これらの面積強度比より、層
毎に結合状態に対するSi存在比を算出する。
【0033】図1は、このようにして算出したSi存在
比を示す図である。図の横軸はスパッタリング時間
(分)、すなわち、厚さ方向の位置を表し、縦軸はSi
存在比(原子%)としての分布を示す。これより、膜内
の全Siのうち、SiにO、Nが直接結合したもの(酸
化物、窒化物)が約8割、シリサイド等の金属的な結合
が約1割あることが分かる。すなわち、MoSiのター
ゲットをO2 あるいはN2 Oガス雰囲気下でスパッタす
ると、MoSiが膜中に形成されにくいことが裏付けら
れる。
【0034】なお、図3は実施例4の光半透過膜の組成
をオージェ分析装置によって分析した結果を示す図であ
る。図の縦軸が各元素の含有率(%)、横軸がスパッタ
リング時間(分)、すなわち、厚さ方向の位置を表すも
のである。
【0035】次に、こうして得た位相シフトマスクブラ
ンクの光半透過膜2aの上にレジスト膜を形成し、パタ
ーン露光、現像、エッチング、洗浄等の一連の周知のパ
ターン形成処理を施して、光半透過膜2aの一部を除去
し、光透過部4と光半透過部2とでホールあるいはドッ
ト等のパターンを形成した位相シフトマスクを得る。こ
の場合、MoSiO膜、又は、MoSiON膜のエッチ
ングは、ドライエッチングによる場合はエッチングガス
として、CF4 +O2 混合ガスを用いればよい。
【0036】このCF4 +O2 混合ガスによるエッチン
グにおいて、MoSi含有量が高い(50原子%を超え
る)比較例のものはエッチング加工性が劣っていた。し
かし、MoSi含有量が低い(50原子%以下)実施例
1〜5のものは、いずれもエッチング加工性が良好であ
った。また、パターンのエッジ形状も比較例に比べて実
施例1〜5の方が良好であった。
【0037】この位相シフトマスクは、図5に示される
ように、露光光L0 が照射された場合、この露光光L0
は、光半透過部2を通過して図示しない非転写体に達す
る光L1 と光透過部4を通過して非転写体に達する光L
2 とに分かれる。この場合、光半透過部2を通過した光
1 の強度は、実質的に露光に寄与しない程度の弱い光
である。一方、光透過部4を通過した光L2 は実質的に
露光に寄与する強い光である。したがって、これによ
り、パターン露光が行われる。その際、回折現象によっ
て光半透過部2と光透過部4との境界部を通過する光が
互いに相手の領域に回り込むが、両者の光の位相がほぼ
反転した関係にあるので、互いに相殺される。これによ
って境界領域での非転写体上における光強度はほぼ0に
なる。したがって、境界が極めて明確になり、解像度が
向上する。本実施例ではパターンのエッジ形状が良好に
なっていることにより、前記解像度はさらに向上する。
【0038】上述したように、光半透過部2を、酸素、
窒素、モリブデン及びシリコンを主たる構成要素とする
物質からなる薄膜で構成する場合、その形成は反応性ス
パッタによるが、そのスパッタに際して雰囲気中に酸素
または酸素及び窒素が混入することになる。酸素または
酸素及び窒素が混入する場合には、混入する度合いに応
じてシリサイド形成量が変る。したがって、酸素または
酸素及び窒素の量を調整すると、薄膜を構成する物質の
モリブデンシリサイド含有量を制御できる。本実施例に
よる検討結果では、酸素または酸素及び窒素の量が少な
すぎないようにして、モリブデンシリサイド含有量を5
0原子%以下となるようにしたものである。このため薄
膜を構成する物質が完全なモリブデンシリサイドとなっ
たり、モリブデンシリサイドリッチ(50原子%よりも
大)となる場合に比して、薄膜を構成する非晶質(Mo
−O、Si−O、Si−O−N等)が多くなり、その結
果パターンをドライエッチングする際、エッチング加工
性が良好になり、しかもエッチング選択性の向上が図れ
るので、パターンのエッジ形状も良好になった。
【0039】また、非晶質が多くなると、薄膜の膜応力
も小さくなるので、マスクの歪みを少なくできると共
に、石英基板等の透明基板に対する優れた密着性を確保
することができる。
【0040】なお、上記実施例では、光半透過部を構成
する物質の構成要素としての金属としてモリブデンを用
いる例を掲げたが、これは、タンタルもしくはタングス
テンを用いてもよい。
【0041】また、前記実施例では、露光光として水銀
ランプのi線(365nm)を用い例を掲げたが、本発
明は、露光光として、他の波長のもの、例えば、g線
(436nm)、KrFエキシマレーザー光(248n
m)等を用いた場合にも適用できることは勿論である。
この時は、それぞれの露光波長に対する薄膜の屈折率や
吸収率を検討して、MoSi含有量の規定値の範囲内で
酸素や窒素の含有率、膜厚を調整すればよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
光半透過部または光半透過膜中の金属シリサイドの含有
量を50原子%以下にすることにより、パターンエッチ
ングの際、加工性が良好になるとともに、パターンのエ
ッジ形状を良好にすることができる。また非晶質が多い
ので、結晶質が多い場合に比べて薄膜の内部応力が小さ
くなり、その結果、マスクの歪みが小さくなると共に、
石英基板等の透明基板に対する密着性が良くなる。特
に、金属シリサイドの含有量を25原子%以下にする
と、エッチング加工性やエッジ形状等が一層良好にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のESCAによって分析した
各面積強度比から層毎に結合状態に対するSi存在比を
算出した図である。
【図2】実施例4の光半透過膜の膜表面から深さ方向へ
の原子の分布をESCAによって分析した結果を示す図
である。
【図3】実施例4の光半透過膜の組成をオージェ分析装
置で分析した結果を示した図である。
【図4】比較例及び実施例1〜5の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる位相シフトマスク
の構成を示す部分断面図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる位相シフトマスク
ブランクの構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…光半透過部、2a…光半透過膜、4
…光透過部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細パターン露光を施すためのマスクで
    あって、透明基板上に形成するマスクパターンを、実質
    的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部と実
    質的に露光に寄与しない強度の光を透過させる光半透過
    部とで構成し、かつ、この光半透過部を通過する光の位
    相をシフトさせて該光半透過部を通過した光の位相と前
    記光透過部を通過した光の位相とを異ならしめることに
    より、前記光透過部と光半透過部との境界部近傍を通過
    した光が互いに打ち消しあうようにして境界部のコント
    ラストを良好に保持できるようにした位相シフトマスク
    であって、 前記光半透過部を、酸素、金属及びシリコンを主たる構
    成要素とする物質からなる薄膜で構成し、 該薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属とシリ
    コンとが結合した金属シリサイド含有量が50原子%以
    下であることを特徴とする位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】 微細パターン露光を施すためのマスクで
    あって、透明基板上に形成するマスクパターンを、実質
    的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部と実
    質的に露光に寄与しない強度の光を透過させる光半透過
    部とで構成し、かつ、この光半透過部を通過する光の位
    相をシフトさせて該光半透過部を通過した光の位相と前
    記光透過部を通過した光の位相とを異ならしめることに
    より、前記光透過部と光半透過部との境界部近傍を通過
    した光が互いに打ち消しあうようにして境界部のコント
    ラストを良好に保持できるようにした位相シフトマスク
    であって、 前記光半透過部を、酸素、金属及びシリコンを主たる構
    成要素とする物質からなる薄膜で構成し、 該薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属とシリ
    コンとが結合した金属シリサイド含有量が25原子%以
    下であることを特徴とする位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の位相シフトマ
    スクにおいて、 前記薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属がモ
    リブデンであることを特徴とする位相シフトマスク。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の位
    相シフトマスクにおいて、 前記薄膜を構成する物質は、その構成要素に窒素も含む
    ものであることを特徴とする位相シフトマスク。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の位
    相シフトマスクの素材として用いられる位相シフトマス
    クブランクであって、透明基板上に、酸素、金属及びシ
    リコンを主たる構成要素とする物質からなる薄膜を形成
    し、 該薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属とシリ
    コンとが結合した金属シリサイド含有量が50原子%以
    下であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の位
    相シフトマスクの素材として用いられる位相シフトマス
    クブランクであって、透明基板上に、酸素、金属及びシ
    リコンを主たる構成要素とする物質からなる薄膜を形成
    し、 該薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属とシリ
    コンとが結合した金属シリサイド含有量が25原子%以
    下であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の位相シフトマスクブラ
    ンクにおいて、 前記薄膜を構成する物質のうち、構成要素たる金属がモ
    リブデンであることを特徴とする位相シフトマスクブラ
    ンク。
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