JPH0996854A - ファインダー表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインダー視野内の任意位置に測距や測光
範囲等の情報を表示する表示体を、撮影レンズによる被
写体像と共に同時に観察するようにしたファインダー表
示装置において、表示部６ａ〜６ｅの間隔が狭くなって
くると、光学部材１１と表示板６との位置精度の向上、
低コストと小形化を図る課題があった。 【解決手段】 一眼レフカメラのファインダー光学系に
モールドで成形された空洞式ペンタミラーを用い、この
空洞式ペンタミラー３１のファインダー視野光路から外
れた前側上斜面の外側に、光学部材３２を一体的に保持
したことを特徴とするファインダー表示装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカメラのファインダ
ー表示装置に関し、特にファインダー視野内の任意位置
に測距や測光範囲等の情報を表示する表示体を、撮影レ
ンズによる被写体像と共に同時に観察するようにしたフ
ァインダー表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より一眼レフカメラ等においては、
撮影レンズによって形成されたピント板上の被写体像と
共に、該ピント板上若しくは該ピント板と光学的に等価
の位置に配置した測距範囲や測光範囲等の表示体を同時
にファインダー系を介して観察するようにしたファイン
ダー表示装置が用いられている。特開平６−１３０４８
１号公報において被写体像と共に各種の情報を明るくか
つ良好に観察できるファインダー表示装置が提案されて
いる。

【０００３】図３から図６は従来のファインダー表示装
置を示すもので、図３はカメラの概略要部断面図、図４
は要部の組立説明図である。図３、４において、１はカ
メラ本体、２は撮影レンズ３を保持するレンズ鏡筒、４
は可動ハーフミラー、５は光入射面にフレネルレンズ５
ａ、光射出面にマット面５ｂを有したピントグラス、６
は多数のプリズムからなる表示部が形成されている表示
板、７はペンタプリズム、８は接眼レンズである。これ
らの各要素５、６、７、８はファインダー系の一部を構
成している。１１はスーパーインポーズ用の測距視野表
示のための光学部材であり、この光学部材１１はその一
部にフレネルレンズ１１ａを設けている、１２は測距視
野表示照明用のＬＥＤ（光源）、１３はＬＥＤ１２と光
学部材１１とを保持するためのパッケージ、１４はマス
クである。

【０００４】図５はファインダー視野内に表示される測
距視野の説明図であり、２０はファインダー視野、２１
ａ〜２１ｅはスーパーインポーズ用の測距視野を示す表
示部である。

【０００５】図６はスーパーインポーズ表示の原理説明
図であり、図６（ａ）は、表示板６の斜視図である。

【０００６】ＬＥＤ１２より発した光はマスク１４を通
過した後、光学部材１１を介して表示板６上に導かれ、
この表示板６上の多数の表示プリズムよりなる表示部６
ａ〜6ｅ（表示部２１ａ〜２１ｅに対応）を照明する。

【０００７】このとき光学部材１１のフレネルレンズ１
１ａの作用によって、１つのＬＥＤ１２の発光によって
表示板６上の１つの表示部が照明されるように構成され
ている。この照明された表示部６ａ〜６ｅの１つと、撮
影レンズ３によりピントグラス５上に形成された被写体
像をペンタプリズム７、接眼レンズ８を通して同時に観
察可能となる。

【０００８】図６（ｂ）は図３において点線で示した部
分Ａの詳細図であり、ＬＥＤ１２からの照明光２２、２
３は表示板６に斜めに入射している。このうち光線２２
は表示部６ｃの面で反射して上方へ偏向し、光線２３は
表示板６を通過してピントグラス５のマット面５ｂで反
射して拡散する。

【０００９】従って、ペンタプリズム７、接眼レンズ８
を通してこの表示部６ｃを観察すると、反射面のみがＬ
ＤＥ１２の発光色に変化して見えることになる。ＬＥＤ
１２は表示板６上の測距視野を示す表示部６ａ〜６ｅを
照明するため、測距視野１つ１つに対応して測距視野の
数だけあり、ＬＥＤ１２を選択的に発光させることによ
って、現在選択されている測距視野をファインダー視野
２０にスーパーインポーズ表示している。

【００１０】実開昭５４−４７４４７号公報では空洞式
ペンタミラーの視野光路からはずれた壁面に貫通孔を設
け、レンズ鏡筒上の情報をファインダー内に表示する鏡
筒情報表示装置が提案されている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では図４に示すように、ファインダー光学系にペン
タプリズム７を使用しているので、ペンタプリズム７の
上に表示部６ａ〜６ｅを照明するためのＬＥＤ１２と、
ＬＥＤ１２からの光を表示部６に導くための光学部材１
１とを配置保持するためのパッケージ１３が必要とな
り、コスト的に高くなっている。

【００１２】また、図６（ａ）に示すように表示部６ａ
〜６ｅがオートフォーカスの多点化等により数が増し、
表示部個々の間隔がより狭くなってくると、選択された
表示部６ａ〜６ｅの１つ１つを確実に照明するために
は、光学部材１１と表示板６との位置精度をさらに向上
させる必要があるという課題があった。

【００１３】本発明は上記のような従来の課題を解消す
るためになされたもので、光学性能を低下させることな
く、低コストで小形化に適したファインダー表示装置を
得ることを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明に係
るファインダー表示装置は、撮影レンズにより被写体像
が形成される結像面近傍に光偏向性を有する複数の表示
部を配置し、複数の光源からの光束を光学部材を介して
前記複数の表示部のうち所定の表示部を選択的に照明
し、この照明した表示部と前記被写体像とをファインダ
ー光学系により観察可能としたファインダー表示装置に
おいて、該ファインダー光学系の一部にモールドで成形
された空洞式ペンタミラーを用い、この空洞式ペンタミ
ラーのファインダー視野光路から外れた前側上斜面の外
側に、前記光学部材を一体的に保持したことにより、従
来必要とされていたＬＥＤと光学部材を保持するための
パッケージを廃止することができ、ファインダー系の光
学性能を低下させることなくコストを下げることができ
る。

【００１５】請求項２記載の発明に係るファインダー表
示装置は、前記空洞式ペンタミラーは、ファインダー視
野光路から外れた前側上斜面の外側に、前記光学部材の
取り付け面と位置決めを一体成形し、前記光学部材に前
記光源の保持部を一体成形したことにより、光学部材の
位置精度をより向上させることができ、それぞれの表示
部の間隔を狭めても選択した表示部の隣の表示部まで照
明がされることがなく、表示部個々を確実に選択、照明
することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１７】実施の形態例１ 図１および図２は本発明の実施の形態例１を示すもの
で、図１はカメラの概略要部断面図、図２は要部の組立
説明図である。図１、２において、１はカメラ本体、２
は撮影レンズ３を保持するレンズ鏡筒、４は可動ハーフ
ミラー、５は光入射面にフレネルレンズ５ａ、光射出面
にマット面５ｂを有したピントグラス、６は多数のプリ
ズムからなる表示部６ａ〜６ｅが形成されている表示
板、３１は空洞式ペンタミラーであり、この空洞式ペン
タミラー３１は、撮影レンズ２からの被写体像を反転し
て前方へ反射する第１反射面３１ｃと、この第１反射面
３１ｃからの被写体像を接眼レンズ８に導く第２反射面
３１ｄを有している。この第２反射面３１ｄはガラスの
ミラーを接着しているが、第１反射面３１ｃはモールド
で成形された面であり、平面性をよくするためにできる
だけ厚みを均一にする必要がある。空洞式ペンタミラー
３１の前側上斜面は、ファインダー視野光路から外れて
いるので、比較的精度を必要としない面である。従っ
て、この面に光学部材３２を保持するための取り付け面
３１ａと位置決めピン３１ｂを一体的に成形してもファ
インダー性能への悪影響は少い。

【００１８】８は接眼レンズであり、これらの各構成要
素５、６、３１、８はファインダー系の一部を構成して
いる。３２ａは光学部材３２の一部に設けたフレネルレ
ンズ、３２ｂは光学部材３２の一部に設けた測距視野表
示照明用のＬＥＤ１２を保持するＬＥＤ保持部である。

【００１９】光学部材３２は位置決めピン３１ｂで位置
決めして、取り付け面３１ａに接着剤による接着、ビス
締め等、任意の手段で取付け固定されている。この光学
部材３２には、ＬＥＤ保持部３２ｂにＬＥＤ１２が一体
的に取り付けられている。

【００２０】本実施の形態例１と前記従来例との大きな
違いは、ファインダー系のペンタプリズム７を空洞式ペ
ンタミラー３１に変更したこと、ＬＥＤ１２と光学部材
１１とを保持するためのパッケージ１３を廃止し、光学
部材３２を直接空洞式ペンタミラー３１に取り付け、光
学部材３２にＬＥＤ１２の保持部分を一体的に形成した
ことであり、それ以外の構成は従来例とほぼ同じであ
る。

【００２１】次に動作について説明する。ＬＥＤ１２よ
り発した光はマスク１４を通過した後、光学部材３２を
介して表示板６上に導かれ、表示板６上の多数の表示プ
リズムよりなる表示部６ａ〜６ｅ（表示部２１ａ〜２１
ｅに対応）を照明する。

【００２２】このとき、マスク１４で光束を制限すると
共に光学部材３２のフレネルレンズ３２ａの作用によっ
て１つのＬＥＤ１２の発光によって、表示板６上の１つ
の表示部６ｃが照明されるように構成されている。従っ
て、空洞式ペンタミラー３１、接眼レンズ８を通してこ
の表示部６ｃを観察すると、ＬＥＤ１２の発光色に変化
して見えることになる。

【００２３】ＬＥＤ１２は表示板６上の測距視野を示す
表示部６ａ〜６ｅを照明するため、測距視野１つ１つに
対応して測距視野の数だけあり、ＬＥＤ１２を選択的に
発光させることによって、現在選択されている測距視野
をファインダー視野２０にスーパーインポーズ表示す
る。

【００２４】

【発明の効果】以上のように請求項１記載の発明によれ
ば、空洞式ペンタミラーのファインダー視野光路から外
れた前側上斜面の外側に、光学部材を一体的に保持する
ように構成したので、従来ペンタプリズムを使用してい
たときに必要とされた、光学部材とＬＥＤを保持するた
めのパッケージを廃止することができ、ファインダー系
の光学性能を低下させることなくコストを下げることが
できると同時に光学部材の位置精度をより向上させるこ
とができるという効果がある。

【００２５】請求項２記載の発明によれば、空洞式ペン
タミラーのファインダー視野光路から外れた前側上斜面
に、光学部材を保持するための取り付け面と位置決めを
設け、その光学部材に光源の保持部を設けて構成したの
で、それぞれの表示部の間隔を狭めても、選択した表示
部の隣の表示部まで照明がされることがなく、表示部個
々を確実に選択、照明することができる安価なファイン
ダー表示装置を提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態例１によるファインダー表
示装置を備えたカメラの概略要部断面図。

【図２】そのカメラの要部分解斜視図。

【図３】従来のファインダー表示装置を備えたカメラの
概略要部断面図。

【図４】そのカメラの要部分解斜視図。

【図５】ファインダー視野内に表示される測距視野の説
明図。

【図６】スーパーインポーズ表示の原理説明図。

【符号の説明】

３ 撮影レンズ ６ 表示板 ６ａ〜６ｅ 表示部 １２ ＬＥＤ（光源） ２０ ファインダー視野 ２１ａ〜２１ｅ 表示部 ３１ 空洞式ペンタミラー ３１ａ 光学部材保持部 ３１ｂ 位置決めピン ３２ 光学部材 ３２ｂ ＬＥＤ保持部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影レンズにより被写体像が形成される
   結像面近傍に光偏向性を有する複数の表示部を配置し、
   複数の光源からの光束を光学部材を介して前記複数の表
   示部のうち所定の表示部を選択的に照明し、この照明し
   た表示部と前記被写体像とをファインダー光学系により
   観察可能としたファインダー表示装置において、該ファ
   インダー光学系の一部にモールドで成形された空洞式ペ
   ンタミラーを用い、この空洞式ペンタミラーのファイン
   ダー視野光路から外れた前側上斜面の外側に、前記光学
   部材を一体的に保持したことを特徴とするファインダー
   表示装置。
2. 【請求項２】 前記空洞式ペンタミラーは、ファインダ
   ー視野光路から外れた前側上斜面の外側に、前記光学部
   材の取り付け面と位置決めを一体成形し、前記光学部材
   に前記光源の保持部を一体成形したことを特徴とする請
   求項１記載のファインダー表示装置。