JPH0995955A - 地下構造物の外壁施工方法及び外壁構造、並びに地下構造物の外壁用防水パネル及びその製造方法 - Google Patents

地下構造物の外壁施工方法及び外壁構造、並びに地下構造物の外壁用防水パネル及びその製造方法

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JPH0995955A
JPH0995955A JP7257393A JP25739395A JPH0995955A JP H0995955 A JPH0995955 A JP H0995955A JP 7257393 A JP7257393 A JP 7257393A JP 25739395 A JP25739395 A JP 25739395A JP H0995955 A JPH0995955 A JP H0995955A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水性及び耐久性に優れて高い信頼性を有す
る地下構造物外壁を簡単に形成できて、しかもその施工
における工期の短縮及び工費の削減を図ることができ、
位置的に制約を受けずに地下構造物を形成できて汎用性
に優れ、更にスペースの有効利用を図ることができる地
下構造物の外壁施工方法を提供する。 【解決手段】 板状のコンクリート製パネル本体11の
少なくとも片面と周囲4側面との5面に、合成樹脂製防
水シート12が連続状に被覆された防水パネル10を複
数準備する工程と、地下構造物の外壁形成位置に、複数
の防水パネル10を、その片面側の防水シート面を外側
に向け、かつパネル相互間に所定の間隔をおいて面状に
並べて配置する工程と、隣合う防水パネル10の隙間
に、内側から、防水シート12と一体化可能な目地処理
材23を充填する工程とを含む地下構造物の外壁施工方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地下室等の地下
構造物を建築する際に用いられる地下構造物の外壁施工
方法及び外壁構造、並びに地下構造物の外壁用防水パネ
ル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】総合ビル等においては当然のことのよう
に地下室が設けられているが、近時、一般住宅等におい
ても地下室を建築する場合がある。
【0003】地下室の外壁は、コンクリート製のものが
一般的であり、そのコンクリート躯体壁を形成する方法
としては、現場打ちコンクリート方式の他、近年では、
あらかじめ工場側で製品化されたプレキャストコンクリ
ート板を、現場で組み付ける方法も採用されている。
【0004】このようなコンクリート躯体壁は、地中の
水分による悪影響を受け易く、その悪影響が地下室内に
も及ぶので、防水処理を施しておく必要がある。
【0005】従来、地下構造物におけるコンクリート躯
体壁の防水施工方法としては、以下に説明する内防水工
法、外防水工法、二重壁防水工法等が周知である。
【0006】内防水工法は、コンクリート躯体壁の内側
に防水性モルタル等を塗工するものである。
【0007】また外防水工法は、図16に示すように、
掘削した土壌(1)の所定位置に形成されたコンクリー
ト躯体壁(2)の外面に、防水性モルタルを塗工した
り、防水シートを張着する等して、防水層(2a)を形
成するものである。
【0008】更に二重壁防水工法は、図17に示すよう
に、コンクリート躯体壁(2)の室内側に30cm程度
間隔をおいて、コンクリートブロック等をモルタルで接
合しながら積み上げて内壁(3)を形成した後、コンク
リート躯体壁(2)と内壁(3)との間に排水路(4)
を形成するものである。
【0009】なお図16及び図17において、(5)は
土留め用の矢板である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の外壁防水工法のうち内防水工法は、コンクリート躯
体壁の内側に防水層を形成するものであるため、地中か
らコンクリート躯体内に浸透した水分が、コンクリート
躯体壁と防水層との界面に滞留し、その水圧により防水
層がコンクリート躯体壁から剥離して、防水性が早期に
劣化したり、あるいはコンクリート躯体が早期に腐食す
る等、十分な耐久性を得ることができず信頼性の面で問
題があった。
【0011】また図16に示す外防水工法は、コンクリ
ート躯体壁(2)の外側に防水層(2a)を形成するも
のであるから、外側からコンクリート躯体内に水分が浸
透するのを防止でき、防水層(2a)の剥離やコンクリ
ート腐食を防止でき、防水性及び耐久性に優れ、高い信
頼性を得ることができる。
【0012】ところがこの工法では、コンクリート躯体
壁(2)の外側に防水層(2a)を形成するために、躯
体壁(2)の外側に幅1m程の作業スペース(6)を確
保する必要がある。このため、土壌掘削時に地下室建築
領域に加えてその外周も1m程余分に掘削する必要があ
り、多くの労力を必要とし、工期の長期化及び工費の増
大を招くという問題があった。更に戸建て住宅のような
場合、敷地の外側は掘削できないので、敷地の境界線近
傍に地下室を形成しようとすると、作業スペースを形成
できなくなってしまう。このため地下室を敷地の境界線
近傍に形成できない等、地下室、ひいては建屋全体の建
築位置に制約を受け、汎用性に劣るという問題も有して
いる。またこの外防水工法においては、施工期間中に雨
が降ると、作業スペースが土砂により埋もれてしまい、
再度土壌を掘削して作業スペースを形成する必要があ
り、より多くの労力が必要となって、より一層、工期の
長期化及び工費の増大を招くという問題があった。
【0013】一方図17の二重壁防水工法においては、
外側からコンクリート躯体壁(2)に浸透した水分は、
コンクリート躯体壁(2)と内壁(3)間の排水路
(4)を通って排出されるので、防水性等に優れてい
る。しかしながら、コンクリート躯体壁(2)、換言す
れば地下室外壁の内側に、所定の間隔をおいて内壁
(3)を形成するものであるため、地下室として実際に
使用できるスペースが小さくなり、スペースの有効利用
を図ることができないという問題があった。しかも、内
壁(3)を形成する際のブロック積み作業や、コンクリ
ート躯体壁(2)と内壁(3)の狭い作業スペース内に
おける排水路(4)のモルタル仕上げ作業は、熟練した
技術と、多大な労力を必要とし、工期の長期化及び工費
の増大は避けられない問題であった。
【0014】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、防水性及び耐久性に優れて高い信頼性を有する地下
構造物外壁を簡単に形成できて、しかもその外壁施工に
おける工期の短縮及び工費の削減を図ることができると
ともに、位置的に制約を受けずに地下構造物を形成でき
て汎用性に優れ、更にスペースの有効利用を図ることが
できる地下構造物の外壁施工方法及び外壁構造、並びに
地下構造物の外壁用防水パネル及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1の発明の地下構造物の外壁施工方法は、板
状のコンクリート製パネル本体の少なくとも片面と周囲
4側面との5面に、合成樹脂製防水シートが連続状に被
覆された防水パネルを複数準備する工程と、地下構造物
の外壁形成位置に、前記複数の防水パネルを、その片面
側の防水シート面を外側に向け、かつパネル相互間に所
定の間隔をおいて面状に並べて配置する工程と、隣合う
防水パネルの隙間に、内側から、前記防水シートと一体
化可能な目地処理材を充填する工程とを含むものであ
る。
【0016】この施工方法により建築される地下構造物
外壁は、片面側の防水シート面を外側に向けた状態で防
水パネルが並んで配置され、パネル相互間の隙間に、パ
ネル周側面の防水シートと一体化する目地処理材が充填
された構造となる。この構造においては、コンクリート
躯体をなすパネル本体の外面側が防水シートにより被覆
されるので、地中からパネル内のコンクリート躯体部に
水分が浸透するのを確実に防止できるとともに、水分浸
透によるコンクリートの腐食も防止でき、優れた防水性
及び耐久性を得ることができる。なお言うまでもなく、
防水パネルの目地部からの水分の浸入は目地処理材によ
って確実に防止される。
【0017】またこの第1の発明は、モルタル塗り等の
熟練作業を必要とせず、基本的に、パネル配置作業と、
目地処理作業との簡単な作業を行うのみであり、簡単に
施工できる。しかもこれらの作業は、いずれも内側から
の作業のみで行えるので、地下室建築位置外側の作業ス
ペースが不要となり、その作業スペース形成用の掘削作
業を行う必要がない。従って、作業者の労力を軽減で
き、工期の短縮及び工費の削減を図ることができるとと
もに、状況に応じて、地下構造物を敷地の境界線近傍ま
で形成でき、構造物建築位置の制約を受けることがな
く、優れた汎用性を有している。
【0018】更にこの第1発明による地下構造物外壁
は、上記したように防水性に優れているため、例えば二
重壁構造のように外壁内側に間隔をおいて内壁を形成す
る必要もなく、この点からも、作業者の労力を軽減でき
る。その上、外壁内側に内壁を形成しないので、外壁内
側をすべて室内スペースとして利用でき、スペースの有
効利用を図ることができる。
【0019】またこの第1発明において、前記目地処理
材として、前記防水シートと相溶一体化するシーリング
剤を使用する場合には、目地処理材が防水シートに同化
して、複数の防水パネルを確実に一体化でき、防水性及
び耐久性の向上はもちろんのこと、構造的にも高い強度
の外壁を形成できるという利点がある更にこの第1の発
明において、隣合う防水シートの間隔を、3〜5mmに
設定する場合には、その間隔に目地処理材を確実に充填
できるので、複数の防水パネルをより確実に一体化で
き、飛躍的に防水性及び耐久性を向上させることがで
き、一段と高い強度の外壁を形成できるという利点があ
る。
【0020】一方、本願第2の発明の地下構造物の外壁
構造は、板状のコンクリート製パネル本体の少なくとも
片面と周囲4側面との5面に、合成樹脂製防水シートが
連続状に被覆された複数の防水パネルが、その片面側の
防水シート面を外側に向け、かつパネル相互間に所定の
間隔をおいた状態で面状に並んで配置され、隣合う防水
パネルの隙間に、前記防水シートと一体化可能な目地処
理材が充填されてなるものを要旨とする。
【0021】この第2の発明は、上記第1発明の施工法
を実施することにより得られる外壁構造を特定するもの
であるため、第1発明の実施に伴う上記の効果を保有す
る。
【0022】本願第3の発明は、地下構造物の外壁用に
使用される防水パネルであって、板状のコンクリート製
パネル本体の少なくとも片面と周囲4側面との5面に、
連続状に合成樹脂製防水シートが被覆されてなるものを
要旨とする。
【0023】この第3の発明は、上記第1及び第2の発
明の主要部である防水パネルの構成を特定するものであ
るから、この発明のパネルを使用することにより、上記
と同様の効果を得ることができる。
【0024】またこの第3の発明において、前記防水シ
ートのパネル本体との接合面に、パネル本体内に埋設固
定されるアンカー突起が一体的に形成されてなる構成を
採用する場合、防水シートがパネル本体に強固に固着
し、防水シートの剥離を確実に防止でき、防水性及び耐
久性を更に向上させ得るという利点がある。
【0025】本願第4の発明は、地下構造物の外壁用に
使用される防水パネルの製造方法であって、上面が開放
された箱型の型枠内における底面と内周4側面とに、合
成樹脂製防水シートを配置し、前記防水シートの内側に
コンクリートを打設して養生硬化させた後、前記型枠を
取り外すことにより、板状の硬化コンクリートの片面と
周囲4側面との5面に前記防水シートが被覆された防水
パネルを得るものである。
【0026】この第4の発明は、上記第3発明のパネル
の製造プロセスを特定するものであるため、その実施に
より、上記効果を有する防水パネルを製造できる。
【0027】更にこの第4の発明において、型枠内に配
置される前記防水シートとして、内側面にアンカー突起
が一体的に形成されたものを使用し、そのアンカー突起
を埋設するようにコンクリートを打設する場合には、上
記したように防水シートがパネル本体に強固に固着した
構造の防水シートを確実に提供できるという利点があ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態である地
下室の外壁施工方法を詳細に説明する。
【0029】本実施形態においては、図8及び図9に示
すような特定の防水パネル(10)を複数枚使用する。
この防水パネル(10)は、板状のコンクリート製パネ
ル本体(11)を具備し、そのパネル本体(11)の片
面と周囲4側面との5面が、合成樹脂製の防水シート
(12)により被覆されたものである。
【0030】防水シート(12)の裏面側には、大径の
抜止め用頭部(13a)を有するアンカー突起(13)
が一体的に突設されており、このアンカー突起(13)
がパネル本体(11)内に埋設状態に固着されて、防水
シート(12)のパネル本体(11)への固着が図られ
ている。
【0031】本発明において、防水シート(12)の素
材としては、防水性を有する合成樹脂からなるものであ
ればどのようなものでも使用できるが、加工性、耐久性
のほか、扱い易さの点を考慮すると、塩化ビニル樹脂、
オレフィン系樹脂からなるものを好適に使用できる。
【0032】また防水パネル(10)の大きさは、特に
限定されるものではないが、扱い易さの点を考慮する
と、プレキャストコンクリート板等、昨今多用される板
状建材と同程度の大きさのもの、具体的には、縦180
0mm、横900mm、厚さ30〜50mmのものを好
適に使用できる。
【0033】以上の構成の防水パネル(10)は、例え
ば以下のようにして製造される。
【0034】まず図10に示すように、鉄板等を用い
て、製造しようとする防水パネルの大きさに対応した上
面開放型の箱状型枠(15)を準備する。
【0035】次に図11に示すように、この型枠(1
5)の底面及び内周4側面に沿って、連続状に防水シー
ト(12)を配置する。この防水シート(12)は、図
15に示すように、一面側に多数のアンカー突起(1
3)が一体的に形成されており、そのアンカー突起(1
3)が型枠(15)の内側に向くようにして配置する。
【0036】なお、防水性の低下を防止するため、型枠
底面の防水シート(12)と型枠側面のシート(12)
との継ぎ目、型枠側面のシート(12)同士の継ぎ目等
は溶接処理等により一体的に接続しておくのが良い。
【0037】また、真空又は圧空成形により、防水シー
ト(12)を、あらかじめ型枠(15)内に適合する箱
型に形成しておき、その箱型形状の防水シート(12)
を使用するようにしても良い。
【0038】次に必要に応じて、型枠(15)の防水シ
ート(12)内側に鉄筋等を用いて配筋する。
【0039】続いて図12に示すように、型枠(15)
の防水シート(12)内側に、パネル本体(10)とな
るコンクリートを打設し、コンクリートが未硬化の状態
で、コンクリート上面部のほぼ中心に、ナット(15
a)を埋め込む。
【0040】続いて図13に示すようにコンクリートを
養生硬化させた後、鉤状のフック(15b)を、上記埋
設ナット(15a)に螺着する。
【0041】そして図14に示すように、上記フック
(15b)を利用して、キャストコンクリート部材(防
水パネル10)を引張り上げて型枠(15)から取り出
し、上記フック(15b)を取り外して、図8及び図9
に示す本実施形態の防水パネル(10)を得る。
【0042】次に、上記防水パネル(10)を用いて、
地下室等の地下構造物を施工する場合について説明す
る。
【0043】まず始めに図2に示すように、地下室建築
位置の土壌(1)を掘削する。
【0044】次に図3に示すように、掘削土壌(1)の
底面に、捨てコンクリート処理を施して、水平地盤(2
0)を形成した後、図4に示すように水平地盤(20)
上に、防水シート(21)を敷設する。
【0045】なおこの防水シート(21)としては、防
水性の向上を図るために、上記防水パネル(10)に固
着された防水パネル(12)と同質のものを使用するの
が好ましい。
【0046】次に図5に示すように、防水シート(2
1)上における外壁施工位置に、目地処理材(22)を
塗布してから、外壁形成位置に沿って上記複数の防水パ
ネル(10)を面状に並べて配置する。このときパネル
相互間に所定の間隔をおいて配置する。具体的には、こ
の間隔は3〜5mm、好ましくは3.5〜4.5mmに
設定するのが良い。すなわちこの間隔が大き過ぎたり、
小さ過ぎたりすると、後述するようにその間に目地処理
材を充填する際に、その充填作業をスムーズに行えず防
水性の低下を来す恐れがあり、好ましくない。
【0047】続いて図6及び図7に示すように、隣合う
防水パネル(10)の隙間に、室内側から、目地処理材
(23)を充填する。本発明において、この目地処理材
(23)は、防水パネル(10)の防水シート(12)
と一体化するものであればどのようなものでも使用でき
るが、防水性の向上を図るために、防水シート(12)
と相溶一体化するものが好ましく、例えば防水シート
(12)と同じ組成のシーリング剤を使用するのが好ま
しい。具体的には、防水シート(12)として塩化ビニ
ル系のものを使用している場合には、目地処理材(2
3)としては塩化ビニル樹脂を溶剤に溶かしたものを使
用するのが良く、また防水シート(12)としてオレフ
ィン系樹脂のものを使用している場合には、目地処理材
(23)としてはオレフィン樹脂を熱溶解させたものを
使用するのが良い。もっとも目地処理材(23)とし
て、シーリング剤以外のもの、例えば止水パッキン材
や、防水シート(12)と同質のシート材を使用するこ
も可能である。
【0048】なお防水パネル(10)の下面に塗布され
た目地処理材(22)についても、パネル間の目地処理
材(23)と同様のことが言える。
【0049】こうして目地処理を行った後、室内の底部
に、コンクリートを打設し、養生硬化させて、床下地
(25)を形成し、本実施形態での施工が完了する。
【0050】なお防水パネル(10)の上端、すなわち
外壁の上端は、建築物の1階床のコンクリートの下に梁
として使用されるH鋼板等に、ボルト止め等により固定
されることになる。
【0051】また地下室外壁外側と掘削土壌(1)との
隙間は、コンクリートや土砂等で埋設されることにな
る。
【0052】以上のように本実施形態の地下室外壁は、
片面の防水シート面を外側に向けた状態で防水パネル
(10)を並べて配置し、パネル相互間の隙間に、パネ
ル周側面の防水シート(12)と一体化する目地処理材
(23)を充填して形成するものであるため、コンクリ
ート躯体をなすパネル本体(11)の外面側が防水シー
ト(12)により被覆され、実質的に外防水構造が形成
される。このため地中の水分がパネル内のコンクリート
躯体部に浸透するのを防止でき、地下室内が水分による
悪影響を受けるのを防止できるとともに、水分の浸透に
よるコンクリート腐食も防止できる。従って、防水性及
び耐久性に優れ、高い信頼性を得ることができる。なお
言うまでもなく防水パネル(10)の目地部からの水分
の浸入は、目地処理材(23)により確実に防止でき
る。
【0053】また防水パネル(10)の防水シート(1
2)は、その裏面に突設したアンカー突起(13)を、
パネル本体(11)内に埋設固定するものであるため、
防水シート(12)はパネル本体(11)に強固に固着
し、防水シート(12)の剥離を確実に防止でき、より
一層優れた防水性及び耐久性を得ることができる。
【0054】更に隣合う防水パネル(10)の隙間に
は、そのパネル(10)の防水シート(12)と相溶一
体化する目地処理材(23)を充填しているため、目地
処理材(23)が防水シート(12)と同化して複数の
防水パネル(10)が一体化し、防水性及び耐久性が更
に向上し、構造的にも高い強度の外壁を形成できる。
【0055】また本実施形態の外壁施工方法は、モルタ
ル塗り等の熟練技術を必要とせず、基本的に、パネル配
置作業と、目地処理作業との簡単な作業で行える。しか
もこれらの作業は、いずれも室内側からの作業のみで行
えるので、地下室建築位置の外側に作業スペースを形成
する必要がない。このため地下室建築位置の外側の土壌
を余計に掘削する必要がなく、その分、作業者の労力を
軽減でき、工期の短縮及び工費の削減を図ることができ
る。
【0056】更に地下室建築位置の外側を掘削する必要
がないので、状況に応じて、地下室を敷地の境界線近傍
まで形成することができ、地下室、ひいては建屋全体の
建築位置に制約を受けることがなく、優れた汎用性を有
している。
【0057】また本実施形態の地下室外壁は、防水性に
優れているため、例えば従来の二重壁防水構造のように
外壁内側に内壁を形成する必要もなく、この点からも、
作業者の労力を軽減でき、より一層工期の短縮及び工費
の削減を図ることができ、その上更に、外壁内側をすべ
て室内スペースとして利用でき、スペースの有効利用を
図ることができる。
【0058】参考までに、本実施形態に準じた施工方法
において、設置面積10坪(3m×11m=33m2
の地下室を建築する場合、土壌の掘削面積は、33m2
強となり、室内面積は33m2 弱となる。
【0059】これに対し、従来の外防水工法で、同じ設
置面積(33m2 )の地下室を建築する場合、地下室建
築位置の外側に幅1m程の作業スペースを形成する必要
があるため、土壌の掘削面積は、(3m+2m)×(1
1m+2m)=65m2 となり、実施形態のものと比較
しておよそ2倍となる。
【0060】更に従来の二重壁防水工法で、同じ設置面
積(33m2 )の地下室を建築した場合、外壁から内側
に30cm間隔をおいて内壁を形成するため、外壁や内
壁の厚さ等を考慮しない場合、室内面積は(3m−0.
6m)×(11m−0.6m)で表され、およそ25m
2 となり、実際はそれよりも小さく25m2 弱となる。
従って室内面積(室内スペース)が実施形態のものと比
べてかなり小さくなってしまう。
【0061】なお上記実施形態においては、防水パネル
(10)として、パネル本体(11)の5面が防水シー
ト(12)により被覆されたものを使用しているが、本
発明においては、防水パネルとして、パネル本体の6面
全部を防水シート(12)により被覆したものを使用し
ても良い。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本願第1及び第2の発明
の地下構造物の外壁施工方法及び外壁構造によれば、防
水性及び耐久性に優れて高い信頼性を有する地下構造物
外壁を簡単に形成できて、しかもその外壁施工における
工期の短縮及び工費の削減を図ることができるととも
に、位置的に制約を受けずに地下構造物を形成できて汎
用性に優れ、更にスペースの有効利用を図ることができ
るという効果をそれぞれ得ることができる。
【0063】本願第3の発明は、上記第1及び第2発明
の主要部である防水パネルの構成を特定するものである
ため、この発明のパネルを使用することにより、上記と
同様の効果を得ることができる。
【0064】本願第4の発明は、上記第3発明のパネル
の製造プロセスを特定するものであるため、その実施に
より、上記の効果を有する防水パネルを製造できるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に関連した地下室施工法により施工さ
れた地下室の外壁部周辺を示す切欠斜視図である。
【図2】上記施工法において掘削された施工現場を示す
切欠斜視図である。
【図3】上記施工法において地盤形成後の施工現場を示
す切欠斜視図である。
【図4】上記施工法において防水シート敷設後の施工現
場を示す切欠斜視図である。
【図5】上記施工法において防水パネル立設後の施工現
場を示す切欠斜視図である。
【図6】上記施工法において目地処理後の施工現場を示
す切欠斜視図である。
【図7】上記施工法により施工された地下室外壁のパネ
ル間周辺を示す平断面図である。
【図8】上記施工法に使用された防水パネルを示す斜視
図である。
【図9】上記施工法に使用された防水パネルを示す断面
図である。
【図10】上記防水パネルの製法に使用された型枠を示
す図であって、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面
図である。
【図11】上記防水パネルの製法において型枠に防水シ
ートを敷設した状態を示す図であって、同図(a)は斜
視図、同図(b)は断面図である。
【図12】上記防水パネルの製法において型枠にコンク
リートを打設した状態を示す図であって、同図(a)は
斜視図、同図(b)は断面図である。
【図13】上記防水パネルの製法において型枠内の防水
パネルにフックを取付けようとする状態を示す図であっ
て、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
【図14】上記防水パネルの製法において防水パネルを
型枠から取り出した状態を示す図であって、同図(a)
は斜視図、同図(b)は断面図である。
【図15】上記防水パネルを被覆する防水シートの一部
を示す斜視図である。
【図16】従来の外防水工法が適用された建築現場の地
下室外壁周辺を示す断面図である。
【図17】従来の二重壁防水工法が適用された建築現場
の地下室外壁周辺を示す断面図である。
【符号の説明】
10…防水パネル 11…パネル本体 12…防水シート 13…アンカー突起 15…型枠 23…目地処理材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状のコンクリート製パネル本体の少な
    くとも片面と周囲4側面との5面に、合成樹脂製防水シ
    ートが連続状に被覆された防水パネルを複数準備する工
    程と、 地下構造物の外壁形成位置に、前記複数の防水パネル
    を、その片面側の防水シート面を外側に向け、かつパネ
    ル相互間に所定の間隔をおいて面状に並べて配置する工
    程と、 隣合う防水パネルの隙間に、内側から、前記防水シート
    と一体化可能な目地処理材を充填する工程とを含むこと
    を特徴とする地下構造物の外壁施工方法。
  2. 【請求項2】 前記目地処理材として、前記防水シート
    と相溶一体化するシーリング剤が使用されてなる請求項
    1記載の地下構造物の外壁施工方法。
  3. 【請求項3】 隣合う防水シートの間隔が、3〜5mm
    に設定されてなる請求項1又は2記載の地下構造物の外
    壁施工方法。
  4. 【請求項4】 板状のコンクリート製パネル本体の少な
    くとも片面と周囲4側面との5面に、合成樹脂製防水シ
    ートが連続状に被覆された複数の防水パネルが、その片
    面側の防水シート面を外側に向け、かつパネル相互間に
    所定の間隔をおいた状態で面状に並んで配置され、 隣合う防水パネルの隙間に、前記防水シートと一体化可
    能な目地処理材が充填されてなることを特徴とする地下
    構造物の外壁構造。
  5. 【請求項5】 地下構造物の外壁用に使用される防水パ
    ネルであって、 板状のコンクリート製パネル本体の少なくとも片面と周
    囲4側面との5面に、連続状に合成樹脂製防水シートが
    被覆されてなることを特徴とする地下構造物の外壁用防
    水パネル。
  6. 【請求項6】 前記防水シートのパネル本体との接合面
    には、パネル本体内に埋設固定されるアンカー突起が一
    体的に形成されてなる請求項5記載の地下構造物の外壁
    用防水パネル。
  7. 【請求項7】 地下構造物の外壁用に使用される防水パ
    ネルの製造方法であって、 上面が開放された箱型の型枠内における底面と内周4側
    面とに、合成樹脂製防水シートを配置し、その防水シー
    トの内側にコンクリートを打設して養生硬化させた後、
    前記型枠を取り外すことにより、板状の硬化コンクリー
    トの片面と周囲4側面との5面に前記防水シートが被覆
    された防水パネルを得ることを特徴とした地下構造物の
    外壁用防水パネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 型枠内に配置される前記防水シートの内
    側面には、アンカー突起が一体的に形成されており、そ
    のアンカー突起を埋設するようにコンクリートを打設す
    る請求項7記載の地下構造物の外壁用防水パネルの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023058693A1 (ja) * 2021-10-08 2023-04-13 住ベシート防水株式会社 防水シート、樹脂組成物およびシーリング材

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