JP4021056B2 - 駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法 - Google Patents

駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下室に駐車場を設置するための地下ピット等の地下構造物工事工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種地下構造物工事工法としては、仮設の山留めを行い、山留め工の内側を掘削し、掘削した内側にコンクリートを打設して行く在来工法、コンクリート二次製品のL形ブロックを据え付けて行くL形ブロック工法、或いは、PC版を使用した親杭横矢板工法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記いずれの工法も、それぞれ解決すべき課題を持っている。
【0004】
すなわち、在来工法の場合には、仮設山留めが必要なために、工期が長くなりがちであり、また、仮設山留め付設のためのスペースが敷地の一部を占有してしまい、地下構造物を敷地一杯に設置することは難しく、もし使おうとすれば、山留め自体を埋め殺しにせざるをえず、コスト的に不利となり、しかも、地下水位が高い敷地における付設した地下構造物の浮き上がりを防止するために、打設するコンクリートの量を多くして重量を増やす必要があり、この点からもコスト高の要因となってしまう。
【0005】
また、L形ブロック工法の場合には、仮設山留めを必要とする工法であるといえるが、L形ブロック自体コンクリート二次製品であるために、工期自体を短縮することはできる。反面、前記在来工法と同様、地下水位が高い敷地における付設した地下構造物の浮き上がりを防止するために、打設するコンクリートの量を多くして重量を増やす必要があり、この点からもコスト高の要因となってしまう。
【0006】
更に、PC版を使用した親杭横矢板工法の場合には、親杭がアンカーとなるとともに山留め壁となることから、地下水による地下構造物の浮き上がりの防止や仮設山留めを不要とする反面、横矢板間の隙間を通って地下構造物内へ地下水の流入の虞があり、特に地下水位の高い場所での採用が不適であるといえる。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するもので、敷地スペースの一部を占有する仮設山留めをなくすとともに、地下水位の高い敷地において、多量のコンクリートの打設なくして、敷設地下構造物の地下水による浮き上がりが防止でき、しかもコスト的に有利な駐車場設置のための地下ピット等の地下構造物工事工法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、造成すべき地下構造物に適合する敷地の境界線周囲に、適宜の間隙を置いて、前記造成すべきピットの高さより大なる深さを有する孔を複数個穿設し、該孔内にセメント混合材により根固めすることによってH形鋼を、その凹部側が互いに向かい合うように、建て込み固定し、次に、前記H形鋼に対向する地山側を含めて前記造成すべき前記地下構造物に適合するまで地下構造物形成用のピット穴を掘削しながら順次互いに隣り合う前記H形鋼の地山側に矢板を添設するように差し込んでいって、地山の土留めを行った後に、前記ピット穴の床付け均しを行って砕石を敷き、次に、前記形鋼の前記ピット穴側に型枠を設置して、該型枠と前記H形鋼の凹部側及び矢板が形成する空間内にコンクリートを流し込んで、前記H形鋼および矢板とともに前記地下構造物のピット壁部を形成し、その後前記枠を取り去るようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
この結果、H形鋼が造成すべき地下構造物の高さより大なる深さに埋め込まれ、当該部部がアンカー部となった状態で、H形鋼の凹部及び矢板と型枠が形成する空間内にコンクリートを流し込んで地下構造物を構成するピット壁部を形成していることから、水位の高い敷地の場合でも、敷設地下構造物の地下水による浮き上がりを防止でき、H形鋼および矢板はそのまま埋め殺しとするので、仮設土留めを不要となり、また、ピット壁部を形成するためのコンクリート打ちは現場打ちとなることから、敷設地下構造物への地下水の進入を確実に防げ、水密性に富んだ地下構造物工法といえ、しかも、地下水による敷設地下構造物の浮き上がり防止機能や水密性に富んでいることから、壁部コンクリート或いは底盤コンクリートの鉄筋量および肉厚共に少なくすることができて、この結果、コスト的にも有利であるといえる。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、前記型枠を取り去った後、前記ピット壁部の上端部に笠石コンクリートを打設して被覆したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、前記ピット壁部の形成前に、前記ピット穴の底部に底盤コンクリート打ちを行って、ピット底盤部を形成したものであり、又、請求項4に記載の本発明は、前記ピット壁部の形成後に、前記ピット穴の底部に底盤コンクリート打ちを行って、ピット底盤部を形成したもので、当該敷地の地下水の状態で、地下水の湧水が問題無い場合には、作業のし易さから選択して、底盤コンクリート打ちをピット壁部の形成前に行い、湧水の問題がある場合には、ピット壁部の形成後に、底盤コンクリート打ちを行えばよい。
【0012】
請求項5に記載された本発明は、前記矢板が、横矢板であることを特徴とするもので、当該敷地の形状に適合して、横矢板同士を隙間なく張設することができて、比較的地下水位の高い敷地であっても、適応可能である。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、前記矢板が、縦矢板であって、該縦矢板を支えるべく、互いに対向する前記H形鋼の間に等円辺山形鋼等の型鋼からなる横架片を横架させたものであり、同様に、当該敷地の形状に適合して、縦矢板同士を隙間なく張設することができて、比較的地下水位の高い敷地であっても、適応可能である。そして、H形鋼間に等辺山形鋼等の型鋼からなる横架片を横架している結果、H形鋼間の間隙を長くしたとしても、その分強度的には横架片が受け持つことになり、問題はない。
【0014】
請求項7に記載の本発明は、前記矢板が、敷き鉄板等の鋼板であることを特徴とするもので、地山の比較的状態の良い敷地である場合に好適である。そして、鋼板に剥離剤を予め塗っておく等すれば、前記ピット壁部を形成するために打設したコンクリートの強度が所定値に達したときに、静かに引き抜いてしまうこともでき、再利用によるコスト低減を図ることができる。
【0015】
請求項8に記載の本発明は、前記矢板の前記ピット穴の側面側に防水シートを張設した後に、前記型枠とH型鋼の凹部及び矢板が形成する空間内にコンクリートを流し込んでピット壁部を形成するようにしたことを特徴とするもので、防水シートの存在により、矢板同士の間から万一地中水が染み出した場合でも、防水シートによって打設した生コンクリートに地中水が混じり合うのを防ぐことができ、所要強度のピット壁部を形成することが可能となる。
【0016】
請求項9に記載の本発明は、前記H形鋼の前記ピット壁部に当接する部位に、予め、水膨張性の止水材を取着しておき、該止水材によってH形鋼とピット壁部間の防水構造としたもので、前記止水材によってH形鋼と打設したコンクリートとの間で、密着性が低い場合に、地中水が回り込んできたとしても、止水が膨張して、地下構造物内に漏洩させること防止する。
【0017】
請求項10に記載の本発明は、前記ピット壁部とピット底盤部との接合部にも、水膨張性の止水材を設置して、該止水材によってピット壁部とピット底盤部との接合部間の防水構造としたことを特徴とするもので、ピット壁部とピット底盤部と間で密着性が低い場合に、地中水が回り込んできたとしても、止水材が膨張して、地下構造物内に漏洩させるのを防止する。
【0018】
請求項11に記載の本発明は、前記H形鋼の前記ピット壁部に当接する部位に、予め、鉄筋を取着しておき、該鉄筋によってH形鋼とピット間の防水構造としたことを特徴とするもので、前記鉄筋によってH形鋼と打設したコンクリートとの間で、密着性が低い場合に、地中水が回り込んできたとしても、地下構造物内に漏洩させること防止する。
【0019】
請求項12に記載の本発明は、前記ピット壁部を一対使用して、該両ピット壁部を互いに離間させて対向させ、これらピット壁部の上部に上蓋を設置して構成したことを特徴とするものでる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る駐車場等設置のための地下ピット工事工法を、図1乃至図9を用いて、順次説明する。
【0021】
先ず、図1において、造成すべき地下構造物例えば駐車場設置用のピットに適合する敷地1の周囲に、適宜の間隙を置いて、造成すべきピットの高さより大なる深さを有する孔2を複数個穿設し、孔2内にモルタル、セメントペースト、フライアッシュ或いはコンクリート等のセメント混合材3を挿入して根固めを行い、順次H形鋼4を挿入してセメント混合材3により孔2内に敷設固定する。このとき、互いに隣り合うH形鋼4同士は、その凹部4a側が向かい合うように敷設されている(図2の状態)。次に、図3に示すように、H形鋼4に対向する地山5側を含めて、造成すべきピットPに適合するピット穴(地下構造物を構成する穴としての)7を掘削して、この掘削の進行過程において、順次互いに隣り合うH形鋼4の地山側に矢板である横矢板6を添設すべく差し込んで地山5の土留めを行う(図4及び図5参照)。
【0022】
その後、前記掘削で形成されたピット穴7の底部に床付け均しを行って砕石8を敷きつめる。場合によっては、この砕石を敷きつめるだけで、ピットPのピット底盤14を完成してもよいが、通常、図9に示すように底部コンクリート13を打つことにより、地下構造物の底盤部を構成するピット底盤14を完成する。次に、H形鋼4のピット穴7側に型枠9を設置して(図7参照)、型枠9とH形鋼4の凹部4a側及び横矢板6が形成する空間10内にコンクリートを流し込んで、H形鋼4および横矢板6とともにピット壁部11を形成する。
【0023】
その後、ピット壁部11が固化した後、型枠9を取外す。この型枠を取り去った後、ピット壁部11の上端部に笠石コンクリート12を打設して被覆し、ピットPが完成する(図9乃至図11参照)。
【0024】
なお、上記実施の形態では、ピット底盤14を形成した後、ピット壁11を形成するようにしているが、これは、地山の地下水位等の関係で、地盤条件が良い場合であるが、もし地盤条件が悪い場合には、ピット底盤14を形成する前に、型枠9を付設して、ピット壁11を形成することによって、先ず地山の土留めを行う。
【0025】
又、H形鋼4の凹部4aにおけるピット壁部11に当接する部位に、図12に示すように、予め、水膨張性の止水材15を取着しておけば、ピット壁部11と凹部4aとの間の密着性が低い場合でも、地中水が回り込んできても、止水材15が適宜膨張して、ピットP内への水漏れを防止することができる。
【0026】
同様に、ピット壁部11とピット底盤部14との接合部にも、図10に示すように、水膨張性の止水材15を設置しておき、止水材15によってピット壁部11とピット底盤部14間の防水構造としている。
【0027】
図13は、本発明の他の実施の形態を示すもので、上記実施の形態では、矢板として、横矢板6を使用したが、これに代えて、縦矢板16を使用したものである。即ち、建て込み固定した複数のH形鋼4のうち互いに隣り合うH形鋼41と42との間に、縦軸方向に適宜間隙をおいて、等辺山形鋼等の形鋼からなる複数の横架片17を横架させておき、この横架片17が支えるように、縦矢板16を順次付設しておき、地山の土留めを行うと共に、ピット壁11の一部を形成する。
【0028】
従って、前記横架片17の両端は、H形鋼41、42の凹部4aの地山側辺部に添設するようになっている(図14及び図15参照)。
【0029】
図16は、本発明の更に他の実施の形態を示したもので、矢板として、敷き鉄板等の鋼板26を用いたものであり、この実施の形態は、地山の比較的条件の良い敷地である場合が好適であり、鋼板26に予め剥離剤を塗っておく等すれば、ピット壁部11を形成するためのコンクリートの強度が所定値に達するまでに固化した後、静かに引き抜いてしまうこともでき、再利用によるコスト低減を図ることができる。
【0030】
図17及び図18は、本発明の異なる実施の形態を示したもので、横矢板6(或いは縦矢板16、鋼板26も同様)のピット穴7側に面する部位に、予め、止水シート18を張設した後、コンクリート打ちを行うようにしたもので、互いに隣り合う横矢板6同士の間から、万一地中水が出た場合でも、止水シートによって打接した生コンクリートに地中水が混じり合うことを防ぐことができ、所望の強度のピット壁部1を形成することができる。
【0031】
図19および図20は、本発明の更に異なる実施の形態を示すもので、H形鋼4の凹部4aに、前記止水材15の代わりに、ジベル筋或いは差筋等の鉄筋(不図示)を複数個、H形鋼4の長手方向に並設取着して、防水構造としたものである。この鉄筋存在により、ピット壁部11と凹部4aとの間の密着性が格段に向上させることで、ピットP内への水漏れを防止することができる。なお、鉄筋、H形鋼4の長手方向にある程度長く延在するCチャネル状に形成すれば、複数個設けることを特に要しない。又、図21は、本発明の更に異なる実施の形態を示すもので、ピット壁部11を一対使用して、両ピット壁部11を互いに離間させて対向させ、これらピット壁部11の上部に上蓋32を設置して、地下構造物を構成したもので、敷地1の上部より掘削して形成する種のトンネルに最適である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の本発明は、造成すべき地下構造物に適合する敷地の境界線周囲に、適宜の間隙を置いて、前記造成すべきピットの高さより大なる深さを有する孔を複数個穿設し、該孔内にセメント混合材により根固めすることによってH形鋼を、その凹部側が互いに向かい合うように、建て込み固定し、次に、前記H形鋼に対向する地山側を含めて前記造成すべき前記地下構造物に適合するまで地下構造物形成用のピット穴を掘削しながら順次互いに隣り合う前記H形鋼の地山側に矢板を添設するように差し込んでいって、地山の土留めを行った後に、前記ピット穴の床付け均しを行って砕石を敷き、次に、前記形鋼の前記ピット穴側に型枠を設置して、該型枠と前記H形鋼の凹部側及び矢板が形成する空間内にコンクリートを流し込んで、前記H形鋼および矢板とともに前記地下構造物のピット壁部を形成し、その後前記枠を取り去るようにしたことを特徴としており、又、請求項2に記載の本発明は、前記型枠を取り去った後、前記ピット壁部の上端部に笠石コンクリートを打設して被覆したことを特徴とするものであって、H形鋼が造成すべき地下構造物の高さより大なる深さに埋め込まれ、当該部分がアンカー部となった状態で、H形鋼の凹部及び矢板と型枠が形成する空間内にコンクリートを流し込んでピット壁部を形成することになって、水の高い敷地の場合でも、敷設地下構造物の地下水による浮き上がりを防止でき、H形鋼および矢板はそのまま埋め殺しとすることになって、仮設土留めを不要となり、また、ピット壁部を形成するためのコンクリート打ちは現場打ちとなることから、敷設地下構造物への地下水の進入を確実に防げ、水密性に富んだ構造物工法といえ、しかも、地下水による敷設地下構造物の浮き上がり防止機能や水密性に富んでいることから、壁部コンクリート或いは底盤コンクリートの鉄筋量および肉厚共に少なくすることができて、この結果、コスト的にも有利であるといえる。
【0033】
請求項3に記載の本発明は、前記ピット壁部の形成前に、前記ピット穴の底部に底盤コンクリート打ちを行って、ピット底盤部を形成したものであり、請求項4に記載された本発明は、前記ピット壁部の形成後に、前記ピット穴の底部に底盤コンクリート打ちを行って、ピット底盤部を形成したもので、当該敷地の地下水の状態で、地下水の湧水が問題無い場合には、作業のし易さから選択して、底盤コンクリート打ちをピット壁部の形成前に行い、湧水の問題がある場合には、ピット壁部の形成後に、底盤コンクリート打ちを行えばよい。
【0034】
請求項5に記載された本発明は、前記矢板が、横矢板であることを特徴とするもので、当該敷地の形状に適合して、横矢板同士を隙間なく張設することができて、比較的地下水位の高い敷地であっても、適応可能である。
【0035】
請求項6に記載の本発明は、前記矢板が、縦矢板であって、該縦矢板を支えるべく、互いに対向する前記H形鋼の間に等辺山形鋼等の型鋼からなる横架片を横架させたものであり、同様に、当該敷地の形状に適合して、縦矢板同士を隙間なく張設することができて、比較的地下水位の高い敷地であっても、適応可能である。そして、H形鋼間に等辺山形鋼等の型鋼からなる横架片を横架している結果、H形鋼間の間隙を長くしたとしても、その分強度的には横架片が受け持つことになり、問題はない。
【0036】
請求項7に記載の本発明は、前記矢板が、敷き鉄板等の鋼板であることを特徴とするもので、地山の比較的状態の良い敷地である場合に好適である。そして、鋼板に剥離剤を予め塗っておく等すれば、前記ピット壁部を形成するために打設したコンクリートの強度が所定値に達したときに、静かに引き抜いてしまうこともでき、再利用によるコスト低減を図ることができる。
【0037】
請求項8に記載の本発明は、前記矢板の前記ピット穴の側面側に防水シートを張設した後に、前記型枠とH形鋼の凹部及び矢板が形成する空間内にコンクリートを流し込んでピット壁部を形成するようにしたことを特徴とするもので、防水シートの存在により、矢板同士の間から万一地中水が染み出した場合でも、防水シートによって打設した生コンクリートに地中水が混じり合うのを防ぐことができ、所要強度のピット壁部を形成することが可能となる。
【0038】
請求項9に記載の本発明は、前記H形鋼の前記ピット壁部に当接する部位に、予め、水膨張性の止水材を取着しておき、該止水材によってH形鋼とピットとの間の防水構造としたもので、前記止水材によってH形鋼と打設したコンクリートとの間で、密着性が低い場合に、地中水が回り込んできたとしても、止水材が膨張して、地下構造物内に漏洩させることを防止する。
【0039】
請求項10に記載の本発明は、前記H形鋼のピット底盤部に当接する部位に、予め、水膨張性の止水材を取着しておき、該止水材によって前記ピット壁部とピット底盤部との間の防水構造としたことを特徴とするもので、H形鋼と打設したコンクリートとの間で密着性が低い場合に、地中水が回り回り込んできたとしても、止水材が膨張して、地下構造物内に漏洩させることを防止する。
【0040】
請求項11に記載の本発明は、前記H形鋼の前記ピット壁部に当接する部位に、予め、鉄筋を取着しておき、該鉄筋によってH形鋼とピットとの間の防水構造としたことを特徴とするもので、前記鉄筋によってH形鋼と打設したコンクリートとの間で、密着性が低い場合に、地中水が回り込んできたとしても、地下構造物内に漏洩させること防止する。
【0041】
請求項12に記載の本発明は、前記ピット壁部を一対使用して、該両ピット壁部を互いに離間させて対向させ、これらピット壁部の上部に上蓋を設置して構成したことを特徴とするものでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を地下駐車場設置のためのピットに適用した場合の実施の形態による造成すべきピットに適合する敷地の周囲にH形鋼埋設のためのピット穴を掘削した状態を示す斜視図である。
【図2】 同じく、前記ピット穴にH形鋼を敷設していく過程を示す斜視図である。
【図3】 同じく、H形鋼敷設後、横矢板を敷設する過程を示す斜視図である。
【図4】 図3におけるA−A断面図で、横矢板の敷設の途中を示している。
【図5】 同じく、図3におけるA−A断面図で、横矢板の敷設が完了した状態を示している。
【図6】 同じく、H形鋼敷設後、枠を設置し、ピット壁のコンクリート打設をした状態を示す平面断面図である。
【図7】 同じく、ピット底部に砕石を敷き、ピット壁部が完成した状態を示す一部断面斜視図である。
【図8】 同じく、ピット底部にピット底盤を敷設完成した状態を示す一部断面斜視図である。
【図9】 笠石コンクリートを敷設して、ピットが完成した状態を示す一部断面斜視図である。
【図10】 図9のB−B断面図である。
【図11】 図10のC−C断面図である。
【図12】 同じく、H形鋼の斜視図である。
【図13】 本発明の他の実施の形態を示し、縦矢板を敷設していく過程を示す説明図である。
【図14】 図13のD−D断面図である。
【図15】 図13のE−E断面図である。
【図16】 本発明の更に他の実施の形態を示すもので、鋼板を敷設していく過程を示す説明図である。
【図17】 本発明の異なる他の実施の形態を示すもので、防水シートを使用した場合の一部内面側面図である。
【図18】 図17のF−F断面図である。
【図19】 本発明の更に異なる他の実施の形態におけるH形鋼の斜視図である。
【図20】 図19におけるH形鋼を使用したピット壁部の一部断面図である。
【図21】 本発明の更に他の実施の形態を示しており、底部にピット底盤部を敷設完成した状態を示す一部断面斜視図である。
【符号の説明】
1 敷地
2 孔
3 セメント混合材
4 H形鋼
5 地山
6 横矢板(矢板)
7 ピット穴(穴)
8 砕石

10 空間
11 ピット壁(壁
12 笠石コンクリート
13 底部コンクリート
14 ピット底部(底盤部)
15 止水材
16 縦矢板(矢板)
17 横架片
18 止水シート
26 鋼板(矢板)

Claims (12)

  1. 造成すべき地下構造物に適合する敷地の境界線周囲に、適宜の間隙を置いて、前記造成すべきピットの高さより大なる深さを有する孔を複数個穿設し、該孔内にセメント混合材により根固めすることによってH形鋼を、その凹部側が互いに向かい合うように、建て込み固定し、次に、前記H形鋼に対向する地山側を含めて前記造成すべき前記地下構造物に適合するまで地下構造物形成用のピット穴を掘削しながら順次互いに隣り合う前記H形鋼の地山側に矢板を添設するように差し込んでいって、地山の土留めを行った後に、前記ピット穴の床付け均しを行って砕石を敷き、次に、前記形鋼の前記ピット穴側に型枠を設置して、該型枠と前記H形鋼の凹部側及び矢板が形成する空間内にコンクリートを流し込んで、前記H形鋼および矢板とともに前記地下構造物のピット壁部を形成し、その後前記枠を取り去るようにしたことを特徴とする駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  2. 前記型枠を取り去った後、前記ピット壁部の上端部に笠石コンクリートを打設して被覆したことを特徴とする請求項1記載の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  3. 前記ピット壁部の形成前に、前記ピット穴の底部に底盤コンクリート打ちを行って、ピット底盤部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  4. 前記ピット壁部の形成後に、前記ピット穴の底部に底盤コンクリート打ちを行って、ピット底盤部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  5. 前記矢板が、横矢板であることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  6. 前記矢板が、縦矢板であって、該縦矢板を支えるべく、互いに対向する前記H形鋼の間に等円辺山形等の形鋼からなる横架片を横架させたことを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  7. 前記矢板が、敷き鉄板等の鋼板であることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  8. 前記矢板のピット穴側面側に防水シートを張設した後に、前記枠とH形鋼の凹部及び矢板が形成する空間内にコンクリートを流し込んでピット壁部を形成するようにしたことを特徴とする請求項1乃至7記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  9. 前記H形鋼の前記ピット壁部に当接する部位に、予め、水膨張性の止水材を取着しておき、該止水材によってH鋼とピット壁間の防水構造としたことを特徴とする請求項1乃至8記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  10. 前記ピット壁部と前記ピット底盤部との接合部位に、水膨張性の止水材を設置しておき、該止水材によってピット壁部と前記ピット底盤部との間の防水構造としたことを特徴とする請求項1乃至9記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  11. 前記H形鋼の前記ピット壁部に当接する部位に、予め、鉄筋を取着しておき、該鉄筋によってH鋼とピット壁間の防水構造としたことを特徴とする請求項1乃至8記載のいずれか1の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
  12. 前記ピット壁部を一対使用して、該両ピット壁部を互いに離間させて対向させ、これらピット壁部の上部に上蓋を設置して構成したことを特徴とする請求項1又は請求項3乃至11のうちいずれか1記載の駐車場設置用地下ピット等の地下構造物工事工法。
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