JPH0995879A - 高強度の難自転性ワイヤロープ - Google Patents

高強度の難自転性ワイヤロープ

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JPH0995879A
JPH0995879A JP7256362A JP25636295A JPH0995879A JP H0995879 A JPH0995879 A JP H0995879A JP 7256362 A JP7256362 A JP 7256362A JP 25636295 A JP25636295 A JP 25636295A JP H0995879 A JPH0995879 A JP H0995879A
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JP
Japan
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rope
core
strand
strands
wire rope
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JP7256362A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Kikuchi
伸洋 菊地
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Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0673Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core having a rope configuration
    • D07B1/0686Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core having a rope configuration characterised by the core design
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2047Cores
    • D07B2201/2052Cores characterised by their structure
    • D07B2201/2065Cores characterised by their structure comprising a coating
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2401/00Aspects related to the problem to be solved or advantage
    • D07B2401/20Aspects related to the problem to be solved or advantage related to ropes or cables
    • D07B2401/2015Killing or avoiding twist

Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強度、難自転性、耐疲労性、ドラムでの
巻取性、耐形崩れ性の諸性質をともに満たし、高揚程で
多層巻きの荷役機械用や建設機械用への適合が十分に可
能になる高強度の難自転性ワイヤロープを提供する。 【解決手段】 繊維心と、この繊維心に複数本のワイヤ
が撚り合わされた心ストランドと、この心ストランドの
撚りと同じ向きに複数本のワイヤが撚り合わされた複数
本の側ストランドと、を備え、前記複数本の側ストラン
ドを心ストランド及び側ストランドの撚りとは逆の向き
に撚り合わせて形成され、かつ、側ストランドのピッチ
倍数よりもロープピッチ倍数のほうが大きいワイヤロー
プであって、前記ワイヤの引張強度は230〜270k
gf/mm2 であり、心ストランドを0.30〜0.9
0mmの厚さで熱可塑性高分子樹脂で被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンなどの荷
役機械用ロープとして好適な高強度の難自転性ワイヤロ
ープに関する。
【0002】
【従来の技術】クレーンに代表される荷役機械において
は、ワイヤロープは貨物の吊り上げ吊り下し要素として
重要な位置を占めており、耐疲労性に優れるとともに、
高揚程化に伴い自転し難い性質すなわち難自転性と高強
度が要求される。このような荷役機械用ロープとして
は、現在一般にJIS規格(JIS G 3525)に定められた
IWRC6×Fi(29)、IWRC6×WS(31)等の
6ストランドワイヤロープ、あるいはフラット形ストラ
ンドロープ、多層ストランドロープが使用されており、
そのロープ径は8〜20mm程度のものが中心である。
【0003】この種のワイヤロープは、安全率を大きく
見積もるため高い引張強度が要求される。また、使用中
において、シーブ等による繰り返し曲げ、高揚程での負
荷、除荷による変動荷重、ウィンチドラムでの繰り返し
巻取りを受ける。したがって、ワイヤロープはドラムで
の繰り返し巻取り性および耐形崩れ性が良好であること
が望まれる。
【0004】とくに、吊荷等によりワイヤロープに張力
が作用したときに、ロープにはその撚りがもどる方向に
自転しようとするトルクが発生する。ワイヤロープにお
いてはトルクが小さく自転し難い性質、すなわち難自転
性(非自転性)に優れていることが要求される。
【0005】現在、使用されている移動式クレーンで
は、4本吊りの場合でシーブ直径Dに対する揚程Hの比
率が90(H/D=90)程度である。理論上の引き出
しトルク係数Kは58×10-3以下(K≦58×1
-3)が必要であり、ロープピッチをさらに大きくし、
ストランドピッチを縮めた難自転性ワイヤロープが供給
されている。なお、トルク係数Kは下式(1)を用いて
求められる指数であり、トルク係数Kが小さくなるほど
自転し難いロープであることを表わす。
【0006】K=T/(W×d) …(1) ただし、Wはロープにかかる張力(N)、Tは張力Wに
よるトルク(N・m)、dはロープ径(m)をそれぞれ
示す。
【0007】しかしながら、移動式クレーンの高揚程化
が進むにつれて、今後さらに比率H/Dが110(K=
45×10-3に相当)の程度まで対応でき、かつ、クレ
ーンの小型化に伴う高強度の難自転性ワイヤロープの実
用化が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来からワイヤロープ
の強度(T)を大きくする方策として高炭素鋼の原料線
材を用いて素線の引張り強さ(σw)を大きくする方法
が採られてきた。素線の引張り強さσwを大きくする方
策としては高炭素鋼の原料線材を用いて伸線工程で線材
の加工度を大きくする方法が採られている。
【0009】一般にワ−ヤロープの強度Tは、素線の引
張り強さσw、ロープの断面積S及び撚り減り率ρとし
たときに下式(2)を用いて求めることができる。 T=ρ×(σw×S) …(2) しかしながら、高炭素鋼の原料線材を過大な加工度で伸
線すると、素線の靭性が低下しやすいという問題点があ
る。また、素線を撚り合わせた場合に、撚り減り率ρが
通常材質の場合より大きくなり、結果的にロープ強度が
低下しやすいという問題点がある。
【0010】素線の引張り強さσwを過大にしたロープ
を引張試験すると、側ストランドに比べて鋼心の伸びが
少ないため、鋼心から先に破断する傾向にある。とく
に、側ストランドに接する鋼心の外周素線が短期間の使
用で破断する傾向が強く、そのためロープの引張強度が
目標値に達しない場合が多い。このようなことから従来
のワイヤロープにおいては、素線の引張強さを単に高く
したとしても目標のロープ強度を得ることができない。
【0011】従来の6ストランドワイヤロープにおいて
は、耐疲労性、ドラムでの巻取性、並びに耐形崩れ性の
点では良好であるが、難自転性が劣るので高揚程の吊り
作業では絡み付き等の問題が発生しやすい。この6スト
ランドワイヤロープの難自転性を改善するためにロープ
ピッチを長くすることが考えられるが、ロープピッチを
長くすると、難自転性は向上するが、ドラムでの巻取性
が低下するという不都合がある。また、心ロープの撚り
方向をロープの撚り方向と逆にすると、難自転性は向上
するが、撚りのアンバランスに起因して耐形崩れ性が低
下する。
【0012】また、従来のフラット型ストランドロープ
においては、難自転性は良好であるものの、ストランド
に小心が挿入され、これが変形していること、およびロ
ープピッチが長いことなどから、耐疲労性、ドラムでの
巻取性および耐形崩れ性が劣る。
【0013】また、従来の多層ストランドロープにおい
ては、難自転性、耐形崩れ性は良好であるものの、耐疲
労性に劣り、製造コストが高い。このように従来のワイ
ヤロープにおいては、難自転性、耐疲労性、ドラムでの
巻取性、耐形崩れ性の諸特性を同時に満足することが困
難であり、とくに近時の高揚程で多層巻きの荷役機械用
や建設機械用への適合が難しくなってきている。
【0014】本発明はこのような点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、鋼心の早期破断を防
止することができ、クレーン等の荷役機械用ロープに適
した細く、軽量であり、高強度で、かつ、難自転性、耐
疲労性、ドラムでの巻取性、耐形崩れ性の諸特性がとも
に良好であり、かつ、高揚程で多層巻きの荷役機械用や
建設機械用への適合が十分に可能であって、移動式クレ
ーンの小型軽量化と高揚程化に必要なH/D=110
(K=45×10-3)の程度に対処することができる高
強度の難自転性ワイヤロープを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高強度の難
自転性ワイヤロープは、繊維心と、この繊維心に複数本
のワイヤが撚り合わされた心ストランドと、この心スト
ランドの撚りと同じ向きに複数本のワイヤが撚り合わさ
れた複数本の側ストランドと、を備え、前記複数本の側
ストランドを心ストランド及び側ストランドの撚りとは
逆の向きに撚り合わせて形成され、かつ、側ストランド
のピッチ倍数よりもロープピッチ倍数のほうが大きいワ
イヤロープであって、前記ワイヤの引張強度は230〜
270kgf/mm2 であり、心ストランドを0.30
〜0.90mmの厚さで熱可塑性高分子樹脂で被覆した
ことを特徴とする。
【0016】なお、ロープ心内部への樹脂の浸透率は5
0%以上であることが望ましい。また、素線の原材料と
しては炭素含有量が0.79〜0.95重量%の高炭素
鋼材を用いることが望ましい。
【0017】樹脂被覆層の被覆厚さを0.3〜0.9mm
の範囲とする理由は次の通りである。被覆厚さが0.3
mmを下回ると、樹脂被覆層の緩衝材としての機能が十分
に発揮されず、撚り減りを低減するという効果が小さく
なってしまうからである。一方、被覆厚さが0.9mmを
上回ると、ロープの断面積Sが大きくなり、単位断面積
当たりのロープ強度が低下するからである。
【0018】次に、難自転性を達成するために、心を心
ロープの代わりに心ストランドとし、この心ストランド
の外周に、心ストランドの撚り方向と逆の向きに側スト
ランドを撚り合わせてロープを形成し、さらに側ストラ
ンドのピッチ倍数よりもロープのピッチ倍数のほうを大
きくした。
【0019】さらに、IWSCは一般にIWRCより柔
軟性(可撓性)が劣るため、本発明では最心部を繊維心
とした上でIWSCの構成素線数を次のように指定し
た。一般に素線本数が少なすぎると、ロープの柔軟性が
損なわれて可撓性に問題を生じる。一方、素線の本数が
多すぎると、各素線が細くなり過ぎて耐摩耗性が損なわ
れ、フレッティングによる素線の摩耗が問題になる。
【0020】ロープ心の構成を(a+N1 )+N2 +N
2 とし、6≦N1 ≦18、12≦N2 ≦24とそれぞれ
規定することによりロープの可撓性およびフレッティン
グともに満足することができる。素線数N1 が6本より
少ないとロープの可撓性が劣化するからであり、これが
18本を上回る場合は線径が細くなりすぎてフレッティ
ングの問題が生じるとともに、可撓性が過剰になるから
である。一方、素線数N2 が12本を下回る場合は可撓
性が劣化するからであり、これが24本を上回る場合は
線径が細くなりすぎてフレッティングの問題が生じると
ともに、可撓性も過剰になるからである。
【0021】さらに、側ストランドと心ストランドとの
間に樹脂層を介在させているため、ロープ心の早期断線
を防止することができる。ここで、ロープ心の構成を
(1+N1 +N1 )+N2 +N2 としてもよい。
【0022】また、側ストランドの本数は4本乃至8本
であって、各側ストランドは20本乃至55本の素線を
撚り合わして形成されていることが好ましい。この場合
に、ロープ径は6〜30mmであることが望ましい。ロー
プ径が30mmを上回ると、ロープの可撓性が低下するか
らであり、ロープ径が6mmを下回ると満足な非自転性を
確保することが困難になるからである。
【0023】このようなワイヤロープにおいては、心ス
トランドの撚り方向と、側ストランドで構成される外層
部の撚り方向とが互いに逆向きであるため、ロープに張
力が作用したときに心ストランドに発生するトルクの向
きと、外層部に発生するトルクの向きとが逆向きとなっ
て互いに相殺され、高揚程で多層巻きであっても実質的
にほとんど自転しなくなる。
【0024】この場合に、心ストランドの素線数を所定
の構成にしているので、ロープの可撓性および耐フレッ
ティング性の両者ともにバランス良くなり、優れた耐久
性を持つロープを得ることができる。
【0025】本発明に係る高強度の難自転性ワイヤロー
プにおいては、側ストランドのピッチ倍数よりもロープ
のピッチ倍数のほうを大きくしているので、トルク係数
Kの値が小さくなり、自転し難くなる。上式(1)に示
すように、トルク係数KはトルクTと正比例の関係にあ
り、トルクTはロープを撚り合せる撚りのピッチ倍数に
依存する。一般に、トルクTは側ストランド(心ストラ
ンド)のピッチ倍数よりもロープピッチ倍数のほうに強
い依存性を示す。したがって、ロープピッチ倍数を大き
くすることは全体としてトルク係数Kを低減することに
なり、難自転性が向上する。
【0026】ところで、複数本の側ストランドは心スト
ランドの撚りとは逆向きに心ストランドの周りに撚り合
わされるため、側ストランドの構成ワイヤは心ストラン
ドの構成ワイヤに対して交差する。このため、通常の円
形断面ワイヤであれば両者は点接触の状態で接触し合
い、容易にフレッティングを生じる。
【0027】しかし、本発明に係る難自転性ワイヤロー
プにおいては、樹脂被覆層を心ストランドの最外周層に
設けているので、心ストランドと側ストランドとのフレ
ッティングが有効に防止される。この結果、長期間にわ
たり内部断線を生じなくなり、ロープの耐久性および耐
疲労性が大幅に向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明の好ましい実施の形態について説明する。表1に
示す実施例1、従来例1、比較例1,2,3の構成をも
つワイヤロープをそれぞれ作製した。実施例1としてI
WSC+PE(t=0.7 mm)+6×WS(31)O/O
直径16mm(σw=230〜270kgf/mm2 )のワ
イヤロープを供試した。図1に示すように、実施例1の
ワイヤロープ2はロープ心3の外周に6本の側ストラン
ド9を撚り合わせて外層部8を形成してなるものであ
る。ロープ心3は、繊維心4の外周に複数本のワイヤを
3層構造に撚り合わせたものである。繊維心4は、ポリ
プロピレン等の合成繊維あるいはマニラ麻等の天然繊維
からなり、その外径はロープ心3の外径の10〜50%
である。また、ロープ心3の撚りピッチはその外径の5
〜8倍とする。そして、ロープ心3の撚りの方向と、側
ストランド9で構成された外層部8の撚りの方向とが互
いに逆の方向、すなわちロープ心3がS撚りの場合は外
層部8がZ撚りとなっている。
【0029】このような構成のワイヤロープ2において
は、ロープ心3の撚りの方向と、外層部8の撚りの方向
とが互いに逆向きであるため、ロープ2に張力が作用し
たときに、ロープ心3に発生するトルクの向きと、外層
部8に発生するトルクの向きとが逆方向となって互いに
相殺される。このため、高揚程であってもロープ2は実
質的にほとんど自転しない。
【0030】また、心ストランド5のなかに繊維心4を
挿入しているので、ロープ2の柔軟性が良好となり、こ
れによってロープ2の耐疲労性、ドラムでの巻取り性、
耐形崩れ性などの諸特性を良好に保つことができる。
【0031】従来例としてはIWRC+6×WS(3
1)O/O直径20mm(σw=180kgf/mm2 )の
ワイヤロープを供試した。さらに、比較例1としてIW
SC+6×WS(31)O/O直径16mm(σw=18
0kgf/mm2 )のワイヤロープを、比較例2としてI
WSC+PE(t=0.2mm )+6×WS(31)O/O
直径16mm(σw=230〜270kgf/mm2 )のワ
イヤロープを、比較例3としてIWSC+PE(t=0.
7mm )+6×WS(31)O/O直径16mm(σw=1
90〜210kgf/mm2 )のワイヤロープを供試し
た。
【0032】次に、図2〜図4を参照しながら図1に示
す断面構成のワイヤロープ2(実施例1)の製造方法に
つき説明する。 [伸線(工程S1)]JISG3506に規定されたS
WRH82Bの線材を熱処理し、初期強度σfが130
kgf/mm2 の線材を伸線することにより、最終的に線
材の引張強さσwを245kgf/mm2 程度に上昇させ
た(工程S1)。このような伸線加工した線材を心スト
ランド5の素線として用いた。素線の平均径は0.70
mmである。
【0033】炭素含有量が0.92重量%で、かつCr
を有意に含有する高炭素鋼の線材を熱処理し、初期強度
σfが138kgf/mm2 の線材を直接冷却しながら伸
線することにより、最終的に線材の引張強さσwを26
5kgf/mm2 程度に上昇させた(工程S1)。このよ
うな伸線加工した線材を側ストランド9の素線として用
いた。素線の平均径は0.80mmである。なお、繊維心
4には2.50mm径のポリプロピレン繊維を用いた。 [コア部の形成(工程S2,S3)]繊維心4を送り出
し部のリールから巻き解きながら巻き取り部の巻取機へ
向かって所定速度で送給する。送給路にはボイスが設け
られており、繊維心4の他に、ボイスに向かって送り出
し部のスイフトから多数本の素線が送給される。これら
の素線は繊維心4の外周にS撚りに撚り合わされて多層
撚りの心ストランド5を形成するものである。
【0034】一次撚りでは心ストランド5の内層を形成
した(工程S2)。一次撚りストランドの素線数N1
12本、平均径は3.3mm、平均撚りピッチは33mmと
した。さらに、二次撚りでは心ストランド5の外層を形
成した(工程S3)。二次撚りストランドの素線数N2
は18本、平均径は6.0mm、平均撚りピッチは36mm
とした。 [樹脂被覆処理(工程S4)]図2に示すように、コア
部となるロープ心3を押出し機11の下部キャスト部1
5に挿通させ、ロープ心3をキャスト部15から引き抜
きながら溶融した樹脂7aをロープ心3の外周に付着さ
せる。押出し機11は、シリンダ12内にスパイラル状
の押出しロッド14を有し、シリンダ12内の溶融樹脂
7aがキャスト部15に加圧供給されるようになってい
る。被覆材用の樹脂7aとしてポリエチレンを用いた。
【0035】キャスト部15の出口17は入口16より
径が少し大きく、キャスト部15からロープ心3を引き
抜くと、所望量の溶融樹脂7aがロープ心3の周囲に付
着して、所望厚さの樹脂被覆層7が形成される。本実施
例では引き抜き速度、出口17の径、樹脂温度を調節す
ることにより平均厚さ0.7mmの樹脂被覆層7を心スト
ランドの周囲に付着形成し、樹脂被覆コア部3aとし
た。 [ロープの撚合(工程S5)]最終撚合に用いる撚り線
機は送り出し部のスイフトから巻き取り部の巻取機まで
の間に設けられ、連続送給される各ストランドに所定の
張力が印加されるように張力制御されている。
【0036】図3に示すように、撚り線機20の鏡板2
2にはプレフォーム装置23が取り付けられている。プ
レフォーム装置23の直ぐ下流側には固定フレーム24
にボイス25が取り付けられている。
【0037】撚り線機20の中心に樹脂被覆コア部3a
を通すとともに、プレフォーム装置23により側ストラ
ンド9を形付け(プレフォーム)し、これらをボイス2
5によってコア部3aに上撚りする。撚り方向はZ撚り
である。
【0038】ここで形付けとは、ボイス25で撚られる
前にストランドに弾性限以上の応力を与えて、撚られた
ストランドのスパイラルと同形状になるように予め成形
することをいう。
【0039】ボイス25を出ると、6ストランドロープ
2となる。ロープ2の最終仕上げ径は16mmである。こ
の場合に、ロープ2の撚りピッチを120mmとし、ピッ
チ倍数をロープ径Dの7.5倍とした。
【0040】表1中に示すロープの自転角θは下式
(3)を用いて求めた指数であり、自転角θの値が小さ
くなるほど自転しにくいロープであることを表わす。 θ=(W/D2 )×α …(3) ただし、Wはロープにかかる張力(N)、Dはロープ外
径(m)、αはロープ径により決まる係数をそれぞれ表
わす。
【0041】次に、表1を参照しながら実施例1のロー
プを従来例1および比較例1〜3のものとそれぞれ比較
して説明する。ロープ引張試験結果よりロープ破断強度
RBSは、実施例1が273kN、従来例1が271k
N、比較例1が173kN、比較例2が259kN、比
較例3が210kNとなった。
【0042】比較例1では素線強度が低く、また樹脂被
覆をしていないため撚り減りが大きくなっており173
kNと実施例1の結果をかなり下回る結果となった。比
較例2では樹脂被覆厚さが0.2mmと薄いため、緩衝材
としての機能が十分に発揮されておらず、結果として撚
り減りが過大になり、RBSは259kNと従来例1を
下回っている。
【0043】比較例3では素線の引張強さが低く、RB
Sは210kNと従来例1を下回っている。ロープ自転
角θの測定結果より荷重を45kNとした場合に、実施
例1では8回/30mの結果であり、従来例1の26回
/30mの結果に対して約1/3と大きく下回った。
【0044】また、比較例1の結果は11回/30m、
比較例2の結果は10回/30m、比較例3の結果は9
回/30mと、ほぼ同程度のものが得られた。耐疲労性
はJIS規格に規定する繰り返しS曲げ試験法を用いて
測定した。試験条件は係数(D/d)を20とし、安全
率Sfを5とした。ロープの1ピッチ間における側スト
ランドの総ワイヤの10%に断線が生じた時点をロープ
の寿命として判定し、それまでに印加した繰り返し曲げ
回数(サイクル数)で評価した。従来例1の結果を基準
(100%)としてそれぞれを比較評価した。
【0045】実施例1では110%と従来例1の結果を
上回った。また、比較例1は110%、比較例2は10
5%、比較例3は110%と実施例1とほぼ同等の結果
が得られた。
【0046】上記の結果より、本実施例1のワイヤロー
プにおいては、従来例1を上回る破断荷重が得られ、優
れた難自転性の特性を得ることができた。さらに、耐疲
労性についても従来例1を上回る結果が得られた。
【0047】以上のように本発明のワイヤロープは、強
度レベルを同じとすれば、断面積で従来品よりも約36
%も細径化することができ、大幅に小型軽量化すること
ができる。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、クレーン等の荷役機械
用ロープに適した超高強度で、かつ、細く軽量な高強度
ワイヤロープを提供することができる。また、高い揚程
であっても優れた難自転性が得られるとともに、耐疲労
性、ドラムでの巻取性、耐形崩れ性の諸性質を良好なレ
ベルに保ち、高揚程で多層巻きの荷役機械用や建設機械
用への適合が十分に可能なワイヤロープを提供すること
ができる。このような高強度の難自転性ワイヤロープを
採用することによって、荷役機械装置を大幅に小型軽量
化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高強度の難自転性ワイヤ
ロープを示す横断面図。
【図2】樹脂被覆加工機を模式的に示す断面図。
【図3】撚り線機の概要を示す模式図。
【図4】高強度の難自転性ワイヤロープ製造工程を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
3…ロープ心 4…繊維心 5…心ストランド 7…樹脂被覆層 8…外層部 9…側ストランド 20…撚り線機 24…ダイス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維心と、この繊維心に複数本のワイヤ
    が撚り合わされた心ストランドと、この心ストランドの
    撚りと同じ向きに複数本のワイヤが撚り合わされた複数
    本の側ストランドと、を備え、前記複数本の側ストラン
    ドを心ストランド及び側ストランドの撚りとは逆の向き
    に撚り合わせて形成され、かつ、側ストランドのピッチ
    倍数よりもロープピッチ倍数のほうが大きいワイヤロー
    プであって、 前記ワイヤの引張強度は230〜270kgf/mm2
    であり、心ストランドを0.30〜0.90mmの厚さ
    で熱可塑性高分子樹脂で被覆したことを特徴とする高強
    度の難自転性ワイヤロープ。
  2. 【請求項2】 ロープ心は、6≦N1 ≦18、12≦N
    2 ≦24とそれぞれ規定したときに、一次ストランド
    (a+N1 )を撚り合わせた上に二次ストランド(N2
    +N2 )を撚り合わせてなる多層撚りストランド(a+
    1 )+N2 +N2 からなることを特徴とする請求項1
    記載の難自転性ワイヤロープ。
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