JPH0710478A - 高強度ワイヤロープ - Google Patents
高強度ワイヤロープInfo
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- JPH0710478A JPH0710478A JP5158862A JP15886293A JPH0710478A JP H0710478 A JPH0710478 A JP H0710478A JP 5158862 A JP5158862 A JP 5158862A JP 15886293 A JP15886293 A JP 15886293A JP H0710478 A JPH0710478 A JP H0710478A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rope
- strands
- wire rope
- rope core
- strength
- Prior art date
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- Pending
Links
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/16—Ropes or cables with an enveloping sheathing or inlays of rubber or plastics
- D07B1/165—Ropes or cables with an enveloping sheathing or inlays of rubber or plastics characterised by a plastic or rubber inlay
Landscapes
- Ropes Or Cables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 クレーン等の荷役機械用ロープに適した超高
強度で、かつ細く軽量な高強度ワイヤロープを提供す
る。 【構成】 複数本の多層撚りストランドを撚り合わせた
ロープ心入りのワイヤロープであって、ロープ心を覆
い、かつロープ心内部に浸透する熱可塑性高分子樹脂か
らなる樹脂被覆層と、樹脂被覆層で覆われたロープ心に
撚り合わされた複数本の側ストランドと、を有し、ロー
プ心の多層撚りストランドおよび側ストランドの素線が
引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下であ
り、前記樹脂被覆層の被覆厚さが0.30乃至0.90
mmである。
強度で、かつ細く軽量な高強度ワイヤロープを提供す
る。 【構成】 複数本の多層撚りストランドを撚り合わせた
ロープ心入りのワイヤロープであって、ロープ心を覆
い、かつロープ心内部に浸透する熱可塑性高分子樹脂か
らなる樹脂被覆層と、樹脂被覆層で覆われたロープ心に
撚り合わされた複数本の側ストランドと、を有し、ロー
プ心の多層撚りストランドおよび側ストランドの素線が
引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下であ
り、前記樹脂被覆層の被覆厚さが0.30乃至0.90
mmである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーン等の荷役機械
用ロープに適した超高強度で、かつ細く軽量な高強度ワ
イヤロープに関する。
用ロープに適した超高強度で、かつ細く軽量な高強度ワ
イヤロープに関する。
【0002】
【従来の技術】クレーンで代表される荷役機械において
は、ワイヤロープは貨物の吊り上げ吊り下ろし要素とし
て重要な位置を占めており、高い強度(引張り強さ)が
要求される。このような荷役機械用ワイヤロープとして
は、旧来の6×37および6×19の構造のロープに代
わって、IWRC6×Fi(25)および図4に示すよう
なIWRC6×Fi(29)の構造が多用されている。
は、ワイヤロープは貨物の吊り上げ吊り下ろし要素とし
て重要な位置を占めており、高い強度(引張り強さ)が
要求される。このような荷役機械用ワイヤロープとして
は、旧来の6×37および6×19の構造のロープに代
わって、IWRC6×Fi(25)および図4に示すよう
なIWRC6×Fi(29)の構造が多用されている。
【0003】一般にワイヤロープの強度Tは、素線の引
張り強さσwと、ロープの断面積S及びより減り率ρを
用いて下記(1)式によって表される。 T=ρ×σw×S …(1) 従来からワイヤロープの強度Tを大きくする方法とし
て、素線の引張り強さσwを大きくする方法が採用され
ている。素線の引張り強さσwを大きくする方法として
は高炭素鋼の原料線材を用いて伸線工程で線材の加工度
を大きくする方法が採られている。
張り強さσwと、ロープの断面積S及びより減り率ρを
用いて下記(1)式によって表される。 T=ρ×σw×S …(1) 従来からワイヤロープの強度Tを大きくする方法とし
て、素線の引張り強さσwを大きくする方法が採用され
ている。素線の引張り強さσwを大きくする方法として
は高炭素鋼の原料線材を用いて伸線工程で線材の加工度
を大きくする方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素含
有量が高い高炭素鋼の原料線材を大きな加工度で伸線す
ると、素線の靭性が低下しやすい。また、素線を撚り合
わせた場合に、より減り率ρが通常のものより大きくな
り、ロープ強度が低下する。
有量が高い高炭素鋼の原料線材を大きな加工度で伸線す
ると、素線の靭性が低下しやすい。また、素線を撚り合
わせた場合に、より減り率ρが通常のものより大きくな
り、ロープ強度が低下する。
【0005】さらに、素線の引張り強さσwを大きくし
たロープを引張り試験すると、IWRC6×Fi(29)
では図4に示すδ11が断線する傾向が強い。このような
ことから従来のワイヤロープでは、素線の引張り強さを
高くしたとしても所望のロープ強度を得ることができな
いことが多い。このため、クレーン等においては小型化
・軽量化を図るべくワイヤロープとして径が細くかつ強
度が高いという両特性が要望されているが、従来は細径
でかつ高強度のワイヤロープを提供することができない
でいた。
たロープを引張り試験すると、IWRC6×Fi(29)
では図4に示すδ11が断線する傾向が強い。このような
ことから従来のワイヤロープでは、素線の引張り強さを
高くしたとしても所望のロープ強度を得ることができな
いことが多い。このため、クレーン等においては小型化
・軽量化を図るべくワイヤロープとして径が細くかつ強
度が高いという両特性が要望されているが、従来は細径
でかつ高強度のワイヤロープを提供することができない
でいた。
【0006】本発明はこのような点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、クレーン等の荷役機
械用ロープに適した超高強度で、かつ細く軽量な高強度
ワイヤロープを提供することにある。
もので、その目的とするところは、クレーン等の荷役機
械用ロープに適した超高強度で、かつ細く軽量な高強度
ワイヤロープを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高強度ワイ
ヤロープは、複数本の多層撚りストランドを撚り合わせ
たロープ心入りのワイヤロープであって、ロープ心を覆
い、かつロープ心内部に浸透する熱可塑性高分子樹脂か
らなる樹脂被覆層と、樹脂被覆層で覆われたロープ心に
撚り合わされた複数本の側ストランドと、を有し、ロー
プ心の多層撚りストランドおよび側ストランドの素線が
引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下であ
り、前記樹脂被覆層の被覆厚さが0.30乃至0.90
mmであることを特徴とする。
ヤロープは、複数本の多層撚りストランドを撚り合わせ
たロープ心入りのワイヤロープであって、ロープ心を覆
い、かつロープ心内部に浸透する熱可塑性高分子樹脂か
らなる樹脂被覆層と、樹脂被覆層で覆われたロープ心に
撚り合わされた複数本の側ストランドと、を有し、ロー
プ心の多層撚りストランドおよび側ストランドの素線が
引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下であ
り、前記樹脂被覆層の被覆厚さが0.30乃至0.90
mmであることを特徴とする。
【0008】なお、ロープ心内部への樹脂の浸透率が5
0%以上であることが望ましい。また、ロープ心の多層
撚りストランドおよび側ストランドの素線として、炭素
含有量が0.85乃至1.00重量%、クロム含有量が
0.1乃至0.5重量%および不可避元素からなる鋼線
を用いることが望ましい。
0%以上であることが望ましい。また、ロープ心の多層
撚りストランドおよび側ストランドの素線として、炭素
含有量が0.85乃至1.00重量%、クロム含有量が
0.1乃至0.5重量%および不可避元素からなる鋼線
を用いることが望ましい。
【0009】このような組成のロープ心は、次のような
処理によって製造される。線材をパテンチング処理をし
た後に、5乃至12回のダイス引きにより減面率80〜
95%の冷間伸線加工を行なうことによって所定の素線
を得る。
処理によって製造される。線材をパテンチング処理をし
た後に、5乃至12回のダイス引きにより減面率80〜
95%の冷間伸線加工を行なうことによって所定の素線
を得る。
【0010】次に、7本の素線を撚り合わせてストラン
ドとし、更にこのようなストランドを7本撚り合わせて
IWRC(7×7)のロープ心を作製する。さらに、ロ
ープ心の内部に樹脂が浸透するように樹脂を被覆する。
このとき、樹脂浸透率が50%以上となるように樹脂を
加圧しながらロープ心に供給する。
ドとし、更にこのようなストランドを7本撚り合わせて
IWRC(7×7)のロープ心を作製する。さらに、ロ
ープ心の内部に樹脂が浸透するように樹脂を被覆する。
このとき、樹脂浸透率が50%以上となるように樹脂を
加圧しながらロープ心に供給する。
【0011】
【作用】本発明に係る高強度ワイヤロープの素線とし
て、引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下
であり、炭素含有量が0.85乃至1.00重量%、ク
ロム含有量が0.1乃至0.5重量%の鋼線を用いる理
由は次のとおりである。
て、引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下
であり、炭素含有量が0.85乃至1.00重量%、ク
ロム含有量が0.1乃至0.5重量%の鋼線を用いる理
由は次のとおりである。
【0012】炭素は素線強度を確保するために0.85
重量%以上は必要とされるが、1.00重量%を越える
と靭性の低下が著しくなるので、上記の範囲とする。ク
ロムは0.1重量%を下回ると必要とする強度が得られ
ないという不都合を生じ、0.5重量%を上回ると通常
の加工は困難になるという不都合を生じるので上記の範
囲とする。
重量%以上は必要とされるが、1.00重量%を越える
と靭性の低下が著しくなるので、上記の範囲とする。ク
ロムは0.1重量%を下回ると必要とする強度が得られ
ないという不都合を生じ、0.5重量%を上回ると通常
の加工は困難になるという不都合を生じるので上記の範
囲とする。
【0013】なお、更に珪素を0.1〜0.3重量%だ
け添加してもよい。また、更にマンガンを0.3〜0.
6重量%だけ添加してもよい。このような組成の素線に
おいて靭性の低下を抑えながら伸線加工度を大きくする
ためには、アプローチ角度が12°以下のダイスを用い
て部分的に直接冷却をしながら引き抜き加工を施すとよ
い。
け添加してもよい。また、更にマンガンを0.3〜0.
6重量%だけ添加してもよい。このような組成の素線に
おいて靭性の低下を抑えながら伸線加工度を大きくする
ためには、アプローチ角度が12°以下のダイスを用い
て部分的に直接冷却をしながら引き抜き加工を施すとよ
い。
【0014】熱可塑性高分子がロープ心に浸透した構造
を得るために、ロープ心を作製した後に樹脂被覆装置
(エクストルーダ)を用いてロープ心の内部に熱可塑性
高分子が50%以上浸透するように樹脂被覆する。この
ような樹脂被覆層および樹脂浸透層の存在によってより
減りが低減されるとともに、素線同士が擦れ合うフレッ
ティングを有効に防ぐことができる。
を得るために、ロープ心を作製した後に樹脂被覆装置
(エクストルーダ)を用いてロープ心の内部に熱可塑性
高分子が50%以上浸透するように樹脂被覆する。この
ような樹脂被覆層および樹脂浸透層の存在によってより
減りが低減されるとともに、素線同士が擦れ合うフレッ
ティングを有効に防ぐことができる。
【0015】樹脂被覆層の被覆厚さを0.30乃至0.
90mmとする理由は次のとおりである。被覆厚さが0.
30mmを下回ると、緩衝材としての機能が十分に発揮さ
れず、より減りを低減する効果が乏しくなる。一方、被
覆厚さが0.90mmを上回ると、ロープの断面積Sが大
きくなり、単位断面積あたりのロープ強度が低下する。
90mmとする理由は次のとおりである。被覆厚さが0.
30mmを下回ると、緩衝材としての機能が十分に発揮さ
れず、より減りを低減する効果が乏しくなる。一方、被
覆厚さが0.90mmを上回ると、ロープの断面積Sが大
きくなり、単位断面積あたりのロープ強度が低下する。
【0016】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明の実
施例について説明する。図1に示すロープ心3が入った
フィラー型ワイヤロープIWRC6×Fi(29)を7
種類作製し、表1に示す実施例2,3,4を比較例1,
5,6,7と比較した。
施例について説明する。図1に示すロープ心3が入った
フィラー型ワイヤロープIWRC6×Fi(29)を7
種類作製し、表1に示す実施例2,3,4を比較例1,
5,6,7と比較した。
【0017】C含有量が0.92重量%,Cr含有量が
0.20重量%,Si含有量が0.12重量%,Mn含
有量が0.30重量%の線材を熱処理し、強度が143
kgf/mm2 程度の線材を直接冷却伸線を行なうことで、最
終的に引張強さ270kgf/mm2 としたものを使用した。
0.20重量%,Si含有量が0.12重量%,Mn含
有量が0.30重量%の線材を熱処理し、強度が143
kgf/mm2 程度の線材を直接冷却伸線を行なうことで、最
終的に引張強さ270kgf/mm2 としたものを使用した。
【0018】ワイヤロープのロープ心3は素線δ00(δ
01),δ10(δ11)を撚り合わせたものであり、樹脂被
覆層7により覆われ、その外周に6本の側ストランド9
が撚り合わせられている。これら6本の側ストランド9
はそれぞれがフィラー型29本の素線δ0 ,δ1 ,δ
2 ,δ3 を撚り合わせたものである。例えば、ロープ径
が16mmの場合はロープ心3の撚りピッチは39mmであ
り、側ストランド9の撚りピッチは42mmである。両者
ともにZ方向に撚り合わせている。[ロープ心の形成]
ロープ心3は素線δ00,δ01からなる1×7のストラン
ドを7本撚り合わせて形成したものである。このような
ロープ心3は次のようにつくられる。1×7ストランド
を送り出し部のリールから巻き解きながら巻き取り部の
巻取機へ向かって所定速度で送給する。送給路にはボイ
スが設けられており、このストランドの他に、ボイスに
向かって送り出し部のスイフトから6本の1×7ストラ
ンドが送給される。これらのストランドは、それぞれが
Z撚りに撚られたものであり、センタストランドの外周
にZ撚りに撚り合わされてロープ心3が形成される。 [樹脂被覆浸透処理]被覆用の熱可塑性高分子樹脂とし
てポリエチレンを使用した。ポリエチレンでロープ心3
を覆うだけでなく、ロープ心3の内部までポリエチレン
を浸透させた。ロープ心3への樹脂浸透率は50%以上
である。図2に示す装置を用いてロープ心3へのポリエ
チレンの被覆・浸透を行なった。樹脂被覆層7の平均厚
さを0.6mmとしたが、厚さは0.3〜0.9mmの範囲
内であることが望ましい。
01),δ10(δ11)を撚り合わせたものであり、樹脂被
覆層7により覆われ、その外周に6本の側ストランド9
が撚り合わせられている。これら6本の側ストランド9
はそれぞれがフィラー型29本の素線δ0 ,δ1 ,δ
2 ,δ3 を撚り合わせたものである。例えば、ロープ径
が16mmの場合はロープ心3の撚りピッチは39mmであ
り、側ストランド9の撚りピッチは42mmである。両者
ともにZ方向に撚り合わせている。[ロープ心の形成]
ロープ心3は素線δ00,δ01からなる1×7のストラン
ドを7本撚り合わせて形成したものである。このような
ロープ心3は次のようにつくられる。1×7ストランド
を送り出し部のリールから巻き解きながら巻き取り部の
巻取機へ向かって所定速度で送給する。送給路にはボイ
スが設けられており、このストランドの他に、ボイスに
向かって送り出し部のスイフトから6本の1×7ストラ
ンドが送給される。これらのストランドは、それぞれが
Z撚りに撚られたものであり、センタストランドの外周
にZ撚りに撚り合わされてロープ心3が形成される。 [樹脂被覆浸透処理]被覆用の熱可塑性高分子樹脂とし
てポリエチレンを使用した。ポリエチレンでロープ心3
を覆うだけでなく、ロープ心3の内部までポリエチレン
を浸透させた。ロープ心3への樹脂浸透率は50%以上
である。図2に示す装置を用いてロープ心3へのポリエ
チレンの被覆・浸透を行なった。樹脂被覆層7の平均厚
さを0.6mmとしたが、厚さは0.3〜0.9mmの範囲
内であることが望ましい。
【0019】図2に示す装置について説明する。ロープ
心3となるストランドを押出し機11の下部キャスト部
15に挿通させ、ロープ心3をキャスト部15から引き
抜きながら溶融した樹脂7aをロープ心3の外周に付着
させる。押出し機11は、シリンダ12内にスパイラル
状の押出しロッド14を有し、シリンダ12内の溶融樹
脂7aがキャスト部15に加圧供給されるようになって
いる。
心3となるストランドを押出し機11の下部キャスト部
15に挿通させ、ロープ心3をキャスト部15から引き
抜きながら溶融した樹脂7aをロープ心3の外周に付着
させる。押出し機11は、シリンダ12内にスパイラル
状の押出しロッド14を有し、シリンダ12内の溶融樹
脂7aがキャスト部15に加圧供給されるようになって
いる。
【0020】キャスト部15の出口17は入口16より
径が少し大きく、キャスト部15からロープ心3を引き
抜くと、所望量の溶融樹脂7aがロープ心3の周囲に付
着して、所望厚さの樹脂被覆層7が形成される。本実施
例では引き抜き速度、出口17の径、樹脂温度を調節す
ることにより平均厚さ0.6mmの樹脂被覆層7をロープ
心3の周囲に付着形成し、樹脂被覆のコア部3aとし
た。 [ロープの撚合]撚り線機20は送り出し部のスイフト
から巻き取り部の巻取機までの間に設けられ、連続送給
される各ストランドに所定の張力が印加されるように張
力制御されている。
径が少し大きく、キャスト部15からロープ心3を引き
抜くと、所望量の溶融樹脂7aがロープ心3の周囲に付
着して、所望厚さの樹脂被覆層7が形成される。本実施
例では引き抜き速度、出口17の径、樹脂温度を調節す
ることにより平均厚さ0.6mmの樹脂被覆層7をロープ
心3の周囲に付着形成し、樹脂被覆のコア部3aとし
た。 [ロープの撚合]撚り線機20は送り出し部のスイフト
から巻き取り部の巻取機までの間に設けられ、連続送給
される各ストランドに所定の張力が印加されるように張
力制御されている。
【0021】図3に示すように、撚り線機20の鏡板2
2にはボイス21及びプレフォーム装置23が取り付け
られている。プレフォーム装置23の直ぐ下流側には固
定フレーム24にボイス25が取り付けられている。
2にはボイス21及びプレフォーム装置23が取り付け
られている。プレフォーム装置23の直ぐ下流側には固
定フレーム24にボイス25が取り付けられている。
【0022】撚り線機20の中心に樹脂被覆コア部3a
となるストランドを通すとともに、プレフォーム装置2
3により側ストランド9を形付け(プレフォーム)し、
これらをボイス25によってコア部3aに上撚りする。
撚り方向はZ撚りである。
となるストランドを通すとともに、プレフォーム装置2
3により側ストランド9を形付け(プレフォーム)し、
これらをボイス25によってコア部3aに上撚りする。
撚り方向はZ撚りである。
【0023】ここで形付けとは、ボイス25で撚られる
前にストランドに弾性限以上の応力を与えて、撚られた
ストランドのスパイラルと同形状になるように予め成形
することをいう。
前にストランドに弾性限以上の応力を与えて、撚られた
ストランドのスパイラルと同形状になるように予め成形
することをいう。
【0024】ボイス25を出ると、6ストランドロープ
2となる。ロープ2の最終仕上げ径は16mmである。 [より減り率及び強度の測定結果]次に、表1を参照し
ながら実施例のロープを比較例のものと比べて説明す
る。表1に示すように、実施例2,3,4および比較例
1,5,7としてIWRC6×Fi(29)16mmφのロ
ープを試供し、比較例6としてIWRC6×Fi(29)
20mmφのロープを試供した。 (実施例)実施例のワイヤロープの諸特性について調べ
たところ、実施例3のワイヤロープ(樹脂被覆層の厚さ
0.60mm)では、より減り率が17.6%、直径16
mm、破断荷重(RBS)が27.7tfという結果が得
られた。
2となる。ロープ2の最終仕上げ径は16mmである。 [より減り率及び強度の測定結果]次に、表1を参照し
ながら実施例のロープを比較例のものと比べて説明す
る。表1に示すように、実施例2,3,4および比較例
1,5,7としてIWRC6×Fi(29)16mmφのロ
ープを試供し、比較例6としてIWRC6×Fi(29)
20mmφのロープを試供した。 (実施例)実施例のワイヤロープの諸特性について調べ
たところ、実施例3のワイヤロープ(樹脂被覆層の厚さ
0.60mm)では、より減り率が17.6%、直径16
mm、破断荷重(RBS)が27.7tfという結果が得
られた。
【0025】同様に実施例2のワイヤロープ(樹脂被覆
層の厚さ0.30mm)の諸特性についても調べたとこ
ろ、より減り率が19.3%、直径16mm、破断荷重が
27.9tfという結果が得られた。
層の厚さ0.30mm)の諸特性についても調べたとこ
ろ、より減り率が19.3%、直径16mm、破断荷重が
27.9tfという結果が得られた。
【0026】同様に実施例4のワイヤロープ(樹脂被覆
層の厚さ0.90mm)の諸特性についても調べたとこ
ろ、より減り率が16.0%、直径16mm、破断荷重が
27.6tfという結果が得られた。 (比較例)比較例1,5,6,7としてポリエチレンの
被覆厚さを0.25mm,0.95mm,0.00mm(被覆
なし)のロープを試供した。ただし、比較例6,7はJ
IS B種とした。
層の厚さ0.90mm)の諸特性についても調べたとこ
ろ、より減り率が16.0%、直径16mm、破断荷重が
27.6tfという結果が得られた。 (比較例)比較例1,5,6,7としてポリエチレンの
被覆厚さを0.25mm,0.95mm,0.00mm(被覆
なし)のロープを試供した。ただし、比較例6,7はJ
IS B種とした。
【0027】比較例6のワイヤロープ(被覆なし)で
は、より減り率が23.5%、直径20mm、破断荷重
(RBS)が27.6tfという結果が得られた。比較
例1のワイヤロープ(被覆厚さ0.25mm)では、より
減り率が21.4%、直径16mm、破断荷重が27.2
tfという結果が得られた。
は、より減り率が23.5%、直径20mm、破断荷重
(RBS)が27.6tfという結果が得られた。比較
例1のワイヤロープ(被覆厚さ0.25mm)では、より
減り率が21.4%、直径16mm、破断荷重が27.2
tfという結果が得られた。
【0028】比較例5のワイヤロープ(被覆厚さ0.9
5mm)では、より減り率が15.8%、直径16mm、破
断荷重が27.5tfという結果が得られた。比較例7
のワイヤロープ(樹脂被覆なし)では、より減り率が2
3.1%、直径16mm、破断荷重が23.1tfという
結果が得られた。
5mm)では、より減り率が15.8%、直径16mm、破
断荷重が27.5tfという結果が得られた。比較例7
のワイヤロープ(樹脂被覆なし)では、より減り率が2
3.1%、直径16mm、破断荷重が23.1tfという
結果が得られた。
【0029】実施例のロープにおいては、ポリエチレン
被覆層の緩衝作用によって素線の引張り強さTが高くて
もより減り率ρが大幅に軽減されている。加圧により樹
脂を心ストランド内に50%以上浸透させ、かつ被覆厚
さを0.3〜0.9mmにすることにより撚り減り率を2
0%以下にすることを可能とした。これによって従来2
0mm径のRBS27.6tf(IWRC6×20mmJI
SB種のRBS)に匹敵する強度をロープ径16mmで達
成することができた。
被覆層の緩衝作用によって素線の引張り強さTが高くて
もより減り率ρが大幅に軽減されている。加圧により樹
脂を心ストランド内に50%以上浸透させ、かつ被覆厚
さを0.3〜0.9mmにすることにより撚り減り率を2
0%以下にすることを可能とした。これによって従来2
0mm径のRBS27.6tf(IWRC6×20mmJI
SB種のRBS)に匹敵する強度をロープ径16mmで達
成することができた。
【0030】なお、上記実施例では6ストランドのワイ
ヤロープを製造する場合について説明したが、フラット
形ストランドロープ又は多層ストランドロープ等の他の
ワイヤロープを製造することもできる。
ヤロープを製造する場合について説明したが、フラット
形ストランドロープ又は多層ストランドロープ等の他の
ワイヤロープを製造することもできる。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、クレーン等の荷役機械
用ロープに適した超高強度で、かつ細く軽量な高強度ワ
イヤロープを提供することができる。このような高強度
ワイヤロープを採用することによって荷役機械装置を大
幅に小型化することができる。本発明のワイヤロープ
は、同等の強度レベルを確保しつつ、従来よりも約36
%もの軽量化及び小型化を図ることができる。
用ロープに適した超高強度で、かつ細く軽量な高強度ワ
イヤロープを提供することができる。このような高強度
ワイヤロープを採用することによって荷役機械装置を大
幅に小型化することができる。本発明のワイヤロープ
は、同等の強度レベルを確保しつつ、従来よりも約36
%もの軽量化及び小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる高強度ワイヤロープを
示す横断面図。
示す横断面図。
【図2】ロープ心に樹脂を被覆する装置の主要部を示す
部分断面図。
部分断面図。
【図3】樹脂被覆されたロープ心に側ストランドを撚り
合わせる装置の主要部を示す図。
合わせる装置の主要部を示す図。
【図4】従来のワイヤロープを示す横断面図。
3…ロープ心、7…樹脂被覆層、9…側ストランド
Claims (3)
- 【請求項1】 複数本の多層撚りストランドを撚り合わ
せたロープ心入りのワイヤロープであって、 ロープ心を覆い、かつロープ心内部に浸透する熱可塑性
高分子樹脂からなる樹脂被覆層と、樹脂被覆層で覆われ
たロープ心に撚り合わされた複数本の側ストランドと、
を有し、 ロープ心の多層撚りストランドおよび側ストランドの素
線が引張り強度200kgf/mm2 以上300kgf/mm2 以下
であり、 前記樹脂被覆層の被覆厚さが0.30乃至0.90mmで
あることを特徴とする高強度ワイヤロープ。 - 【請求項2】 ロープ心の多層撚りストランドおよび側
ストランドの素線として、炭素含有量が0.85乃至
1.00重量%、クロム含有量が0.1乃至0.5重量
%および不可避元素からなる鋼線を用いることを特徴と
する請求項1記載の高強度ワイヤロープ。 - 【請求項3】 ロープ心内部への樹脂の浸透率が50%
以上であることを特徴とする請求項1記載の高強度ワイ
ヤロープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5158862A JPH0710478A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 高強度ワイヤロープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5158862A JPH0710478A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 高強度ワイヤロープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710478A true JPH0710478A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15681027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5158862A Pending JPH0710478A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 高強度ワイヤロープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0710478A (ja) |
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-
1993
- 1993-06-29 JP JP5158862A patent/JPH0710478A/ja active Pending
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