JP2702063B2 - ワイヤロープ - Google Patents

ワイヤロープ

Info

Publication number
JP2702063B2
JP2702063B2 JP5255888A JP25588893A JP2702063B2 JP 2702063 B2 JP2702063 B2 JP 2702063B2 JP 5255888 A JP5255888 A JP 5255888A JP 25588893 A JP25588893 A JP 25588893A JP 2702063 B2 JP2702063 B2 JP 2702063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
strand
core
strands
twisted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5255888A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0770962A (ja
Inventor
宏之 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd filed Critical Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Priority to JP5255888A priority Critical patent/JP2702063B2/ja
Priority to TW084211867U priority patent/TW305377U/zh
Priority to KR1019940026035A priority patent/KR100194254B1/ko
Priority to CN94117115A priority patent/CN1065461C/zh
Publication of JPH0770962A publication Critical patent/JPH0770962A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2702063B2 publication Critical patent/JP2702063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ropes Or Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーン及びホイスト
等に用いられ、高揚程で多層巻きの荷役機械用途や建設
機械用途への適合が十分に可能であり、実用性に優れた
ワイヤロープに関する。
【0002】
【従来の技術】クレーンやホイスト等の荷役機械や建設
機械に使用されるワイヤロープとしては、一般にJIS
規格(JIS G 3525)に定められたIWRC 6×Fi
(29)、IWRC 6×WS(31)等の6ストランドロ
ープ、あるいはフラット形ストランドロープ、多層スト
ランドロープがあり、そのロープ径は8〜20mm程度の
ものが中心である。
【0003】この種のワイヤロープは、使用中におい
て、シーブ等による繰り返し曲げ、高揚程での負荷、除
荷による変動荷重、ウィンチドラムでの繰り返し巻取
り、ロープ同士の強い擦れなどの作用を受ける。したが
って、ワイヤロープは耐疲労性に優れるとともに、ドラ
ムでの巻取性および耐形崩れ性が良好であることが望ま
れる。
【0004】とくに、吊荷等によりワイヤロープに張力
が作用したときに、ロープにはその撚りがもどる方向に
自転しようとするトルクが発生する。ワイヤロープにお
いてはトルクが小さく自転し難い性質、すなわち非自転
性に優れていることが要求される。
【0005】現在、使用されているラフテレーンクレー
ンでは、4本吊りでH/D=90程度であり、理論上の
引き戻しトルク係数Kは58×10-3以下となることが
必要とされ、ロープピッチを伸ばし、ストランドピッチ
を縮めた難自転性ロープが供給されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近時、
ラフテレーンクレーンの高揚程化が進むにつれて将来的
にはシーブ直径240mmに対して吊り高さ約26m(H
/D=110)程度まで対応し得るワイヤロープの開発
が需要家から強く要望されている。このような高揚程の
吊り用途においては引き戻しトルク係数Kを45×10
-3以下にすることが要求されるので、従来のワイヤロー
プではこの要求に応えることができない。
【0007】この種のワイヤロープとしては、シーブ等
による繰り返し曲げ、高揚程での負荷、除荷による変動
荷重、ウィンチドラムでの繰り返し巻取り、ロープ同士
の強擦などの作用を受ける。したがって、これらの作用
に対してロープは耐久性を持つことが要求される。すな
わち、耐疲労性に優れ、かつドラムの巻取り時における
巻取り性および耐形崩れ性が良好であることが望まれ
る。
【0008】とくに吊荷等により張力がロープに作用し
たときに、ロープにはその撚りが戻る方向に自転しよう
とするトルクが生じるが、その引き戻しのトルクが小さ
く自転しにくい性質、すなわち非自転性に優れているこ
とが必要である。
【0009】しかしながら、従来の6ストランドワイヤ
ロープにおいては、耐疲労性、ドラムでの巻取性、並び
に耐形崩れ性の点では良好であるが、非自転性に劣って
いるので高揚程の吊り作業ではからみ付き等が発生しや
すい。この非自転性を改善するために、6ストランドワ
イヤロープではロープピッチを更に長くすることが考え
られるが、ロープピッチを長くすると、非自転性は向上
するが、ドラムでの巻取性が低下してしまう。また、心
ロープの撚り方向をロープの撚り方向と逆にすると、非
自転性は向上するが、撚りのアンバランスに起因して耐
形崩れ性が低下するという不都合がある。
【0010】従来のフラット形ストランドロープにおい
ては、非自転性は良好であるものの、ストランドに小心
が挿入され、これが変形していること、ロープピッチが
長いことなどから、耐疲労性、ドラムでの巻取性、耐形
崩れ性に劣る。
【0011】一方、従来の多層ストランドロープにおい
ては、非自転性、耐形崩れ性は良好であるものの、耐疲
労性に劣り、製造コストも高くなる。このように従来の
ワイヤロープにおいては、非自転性、耐疲労性、ドラム
での巻取性、耐形崩れ性の諸特性を同時に満足すること
が困難であり、とくに近時の高揚程で、かつ多層巻きの
荷役機械用途や建設機械用途への適合が難しくなってき
ている。
【0012】本発明はこのような点に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、非自転性、耐
疲労性、ドラムでの巻取性、耐形崩れ性の各特性をとも
に良好に保ち、高揚程で多層巻きの荷役機械用途や建設
機械用途への適合が十分に可能であり、ラフテレーンク
レーンの高揚程化に必要なH/D=110程度(引き戻
しトルク係数Kが45×10-3以下)に対応することが
できる実用性に優れたワイヤロープを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るワイヤロー
プは、繊維心と、この繊維心に複数本のワイヤが撚り合
わされた心ストランドと、この心ストランドの撚りと同
じ向きに撚り合わされた複数本の側ストランドとを有
し、複数本の側ストランドは心ストランドの撚りとは逆
向きに撚り合わされてロープが形成され、かつ、側スト
ランドの撚りピッチ長を側ストランドの外径で割った指
数としての側ストランドのピッチ倍数よりもロープの撚
りピッチ長をロープの外径で割った指数としてのロープ
のピッチ倍数のほうが大きいことを特徴とする。
【0014】「ピッチ倍数」とは、ストランド又はロー
プの撚りピッチ長をその外径で割った数値(指数)を表
わすものと定義する。また、「外径比率」とは、心スト
ランドの外径を側ストランドの外径で割った数値(指
数)を表わすものと定義する。なお、心ストランドと側
ストランドとの外径比率を1. 04から1. 18までの
範囲とすることが望ましい。両者の外径比率をこのよう
な範囲にすると、耐疲労性及び可撓性に優れるとともに
トルク係数Kが小さくなり、非自転性に優れた全体とし
て特性バランスの良いワイヤロープとなる。
【0015】IWSCは一般にIWRCより柔軟性(可
撓性)が劣るため、本発明では心部を繊維心とした上で
IWSCの構成素線数を次のように指定した。素線本数
が少なすぎると、ロープの柔軟性が損なわれて可撓性に
問題を生じる。一方、素線の本数が多すぎると、各素線
が細くなり過ぎて耐摩耗性が損なわれ、フレッティング
による素線の摩耗が問題になる。ここで表示記号「Se
S」は、日本工業規格(JIS)で定められた交差撚り
と平行撚りのシール形とを組み合わせたセミシール形ス
トランドを表わすものと定義する。なお、「シール形」
とは、各層の素線数が1+n+nのように表わされ、内
外層の素線数が同数で内層の凹みに外層素線が収まった
平行撚りの基本形の1つのことをいう。 心ストランドを
構成する各ワイヤの素線数を6≦N1 ≦18,12≦N
2 ≦24, 12≦N 3 ≦24とそれぞれ規定することに
よりロープの可撓性およびフレッティングともに満足す
ることができる。第1層N 1 の素線数が6を下回る場合
は可撓性が劣化するからであり、これが18を上回る場
合は線径が細くなりすぎて撚り合わせが困難になるから
である。また、第2層N 2 および第3層N 3 の素線数
12を下回る場合は可撓性が劣化するからであり、これ
が24を上回る場合は線径が細くなりすぎてフレッティ
ングの問題が生じるとともに、可撓性も過剰になるから
である。
【0016】また、側ストランドの本数は4本乃至8本
であって、各側ストランドは20本乃至55本の素線を
撚り合わして形成されていることが好ましい。この場合
に、ロープ径は6〜30mmであることが望ましい。ロー
プ径が30mmを上回ると、ロープの可撓性が低下するか
らであり、ロープ径が6mmを下回ると満足な非自転性を
確保することが困難になるからである。
【0017】
【作用】本発明に係るワイヤロープにおいては、複数本
の側ストランドを心ストランド及び側ストランドの撚り
とは逆向きに撚り合わせてロープが形成され、かつ、側
ストランドのピッチ倍数よりもロープのピッチ倍数のほ
うを大きくしているため、ロープに張力が作用したとき
にコア部に発生するトルクの向きと、外層部に発生する
トルクの向きとが逆向きとなって互いに相殺され、高揚
程で多層巻きであっても実質的にほとんど自転しなくな
る。
【0018】また、心ストランドと側ストランドとの外
径比率を1.04〜1.18の範囲とすることによって
非自転性をより向上させることができる。さらに、心ス
トランド内には繊維心が挿入されているので、ロープの
柔軟性が良好になり、これによりロープの耐疲労性、ド
ラムでの巻取性、耐形崩れ性の低下が有効に防止され
る。
【0019】この場合に、心ストランドの素線数を所定
の構成にしているので、ロープの可撓性およびフレッテ
ィングの両者ともにバランス良くなり、優れた耐久性を
持つロープを得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明の種
々の実施例について説明する。図1および図2を参照し
ながら第1の実施例について説明する。第1実施例のワ
イヤロープ2は、心ストランド3の外周に6本の側スト
ランド9を撚り合わせて外層部8を形成してなるIWS
C6×WS(31)の構成をもつものである。
【0021】心ストランド3は、繊維心4の外周に複数
本のワイヤを平行撚りにより4層構造に撚り合わせたも
のである。繊維心4は、ポリプロピレン等の合成繊維あ
るいはマニラ麻等の天然繊維からなり、その外径は心ス
トランド3の外径の10〜50%とする。また、心スト
ランド3の撚りピッチはその外径の5〜8倍とする。そ
して、心ストランド3の撚りの方向と、側ストランド9
で構成された外層部8の撚りの方向とが互いに逆の方
向、すなわち心ストランド3がS撚りの場合は外層部8
が普通Z撚りとなっている。
【0022】このような構成のワイヤロープ2において
は、心ストランドの撚りの方向と、外層部8の撚りの方
向とが互いに逆向きであるため、ロープ2に張力が作用
したときに、心ストランド3に発生するトルクの向き
と、外層部8に発生するトルクの向きとが逆方向となっ
て互いに相殺される。このため、高揚程であってもロー
プは実質的にほとんど自転しない。
【0023】また、心ストランド3のなかに繊維心4を
挿入しているので、ロープ2の柔軟性が良好となり、こ
れによってロープ2の耐疲労性、ドラムでの巻取り性、
耐形崩れ性などの諸特性を良好に保つことができる。
【0024】次に、表1を参照しながら実施例1〜4の
ロープを従来例1〜2および比較例1〜2のものとそれ
ぞれ比較して説明する。従来例1〜2としてIWRC6
×WS(31)の構造でロープ径dが16mmのワイヤロー
プを、実施例1〜4及び比較例1〜2としてIWSC6
×WS(31)の構造でロープ径dが16mmのワイヤロー
プを、それぞれ供試した。従来例1〜2は心ロープと側
ストランドとの外径比率がそれぞれ1.23と1.09
のものであるが、これは心ロープの撚り方向の構成が異
なるため経験的に設定された値である。
【0025】実施例1〜4及び比較例2は、比較例1の
心ストランドと側ストランドとの外径比率を基準(1.
00)として、それぞれの外径比率を1.03,1.0
6,1.09,1.12,1.15にとったものであ
る。 [撚り方向]従来例1〜2では、心ロープをZ撚り、側
ストランドをS撚り、ロープ全体をZ撚り(Z/S/
Z)とした。実施例1〜4及び比較例1〜2では、心ロ
ープをS撚り、側ストランドをS撚り、ロープ全体をZ
撚り(S/S/Z)とした。 [ピッチ倍数]撚りピッチ倍数は、従来例1では心ロー
プをその径の6.5倍に、側ストランドをその径の7.
8倍に、ロープをその径の6.2倍とした。従来例2、
実施例1〜4、及び比較例1〜2では心ロープ(心スト
ランド)をその径の6.5倍に、側ストランドをその径
の5.0倍に、ロープをその径の7.5倍とした。従来
例2、実施例1〜4、及び比較例1〜2ではいずれもロ
ープピッチ倍数のほうを側ストランドピッチ倍数よりも
大きくしている。 [トルク係数K]表1中に示すトルク係数Kは下記
(1)式を用いて求めた指数であり、トルク係数Kの値
が小さくなるほど自転しにくいロープであることを表わ
す。
【0026】K=T/(W×D) …(1) ただし、Wはロープにかかる張力(N)、Tは張力Wに
よるトルク(N・m)、Dはロープ外径(m)をそれぞ
れ表わす。
【0027】表1から明らかなように、実施例1〜4及
び比較例1〜2のロープのトルク係数Kはいずれも従来
例1〜2のそれを下回っており、いずれのロープも自転
し難いものであるという結果を得た。 [可撓性]表1中に示す可撓性は、400mmの距離のス
パン間にロープを支持し、その中間点に3kgの荷重を
かけた時の撓み量(mm) を測定して評価した。従来例1
の結果を基準(100%)としてそれぞれを比較評価し
た。なお、比較例1では従来例1の基準値を下回る結果
となったが、実施例1〜4及び比較例2はいずれも従来
例1,2と同等か又はそれを上回る結果が得られた。 [曲げ疲労性]表1中に示す疲労性は、ロープの繰り返
し曲げ疲労試験の結果を示すものである。繰り返し曲げ
疲労試験は、S曲げ試験法によるものであり、その条件
は係数(D/d)を20とし、安全率Sfを5とした。
ロープの1ピッチ間における総ワイヤの10%に断線が
生じた時点をロープの寿命として判定し、それまでに印
加した繰り返し曲げ回数(サイクル数)で評価した。従
来例1の結果を基準(100%)としてそれぞれを比較
評価した。比較例1〜2では従来例1の基準値を下回っ
たが、実施例1〜4はいずれも従来例1の基準値を上回
る結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】上記実施例のワイヤロープは、トルク係数
Kが小さく、H/D=110程度の高揚程クレーンにお
いて良好な非自転特性が得られる。また、心ストランド
と側ストランドとの外径比率を1.04〜1.18の範
囲に設定すると、可撓性および耐疲労性は従来品と同等
レベルの品質が保たれて良好であり、ドラムでの巻取り
性および耐形崩れ性を良好に保持することができるとと
もに、トルク係数Kを45×10-3以下にすることがで
きる。
【0030】次に、図3および図4を参照しながら第2
の実施例について説明する。ワイヤロープ2の心ストラ
ンド3は樹脂被覆層7により覆われ、その外周に6本の
側ストランド9が撚り合わせられ、これら6本の側スト
ランド9によって外層部8が形成されている。すなわ
ち、ワイヤロープ2はIWSC6×WS(31)の構造
をなしている。
【0031】心ストランド3は、繊維心4の外周に複数
本のワイヤ5を撚り合わせてなる。繊維心4は、ポリプ
ロピレン等の合成繊維あるいは天然繊維からなり、その
外径は心ストランド3の外径の10〜50%にあたる。
また、心ストランド3の撚りのピッチはその外径の5〜
8倍にあたる。
【0032】6本の側ストランド9からなる外層部8の
撚り方向は、心ストランド3の撚り方向に対して逆向き
である。すなわち、心ストランド3をS撚りとすると、
外層部8はZ撚りとする。
【0033】心ストランド3は樹脂被覆層7で覆われて
いる。樹脂被覆層7は、ポリエチレンなどの熱可塑性高
分子樹脂からなり、その平均厚さは0.3〜0.9mmで
あることが望ましい。
【0034】このような構成のワイヤロープ2において
は、ロープに張力が作用したときに心ストランド3に生
じるトルクの向きと、外層部8に生じるトルクの向きと
が互いに相殺されるので、高い揚程であっても実質的に
自転を生じなくなる。また、心ストランド3を熱可塑性
高分子樹脂で被覆しているので、心ストランド3がロー
プ外部へ飛び出す危険性がほとんどない。
【0035】次に、図5および図6を参照しながら6ス
トランドロープを製造する場合について説明する。 素
線としてJIS G3525に定められた鋼線を用いた。素
線の平均径は約0.70mmである。繊維心4には2.2
4mm径のポリプロピレン繊維を用いた。図5に示す押出
し機11を用いて樹脂被覆層7を形成した。図6に示す
撚り線機20を用いて6本の側ストランド9をコア部3
aに撚り合わせた。 [コア部の形成]繊維心4を送り出し部のリールから巻
き解きながら巻き取り部の巻取機へ向かって所定速度で
送給する。送給路にはボイスが設けられており、繊維心
4の他に、ボイスに向かって送り出し部のスイフトから
多数本の素線が送給される。これらの素線は繊維心4の
外周にS撚りに撚り合わされて心ストランド3を形成す
るものである。心ストランド3の撚りピッチの平均を3
3mmとし、心ストランド3の平均直径を5.45mmとし
た。 [樹脂被覆処理]図5に示すように、コア部3aとなる
心ストランド3を押出し機11の下部キャスト部15に
挿通させ、心ストランド3をキャスト部15から引き抜
きながら溶融した樹脂7aを心ストランド3の外周に付
着させる。押出し機11は、シリンダ12内にスパイラ
ル状の押出しロッド14を有し、シリンダ12内の溶融
樹脂7aがキャスト部15に加圧供給されるようになっ
ている。被覆材用の樹脂7aとしてポリエチレンを用い
た。
【0036】キャスト部15の出口17は入口16より
径が少し大きく、キャスト部15から心ストランド3を
引き抜くと、所望量の溶融樹脂7aが心ストランド3の
周囲に付着して、所望厚さの樹脂被覆層7が形成され
る。本実施例では引き抜き速度、出口17の径、樹脂温
度を調節することにより平均厚さ0.6mmの樹脂被覆層
7を心ストランド3の周囲に付着形成し、樹脂被覆コア
部3aとした。 [ロープの撚合]撚り線機20は送り出し部のスイフト
から巻き取り部の巻取機までの間に設けられ、連続送給
される各ストランドに所定の張力が印加されるように張
力制御されている。
【0037】図6に示すように、撚り線機20の鏡板2
2にはプレフォーム装置23が取り付けられている。プ
レフォーム装置23の直ぐ下流側には固定フレーム24
にボイス25が取り付けられている。
【0038】撚り線機20の中心に樹脂被覆コア部3a
を通すとともに、プレフォーム装置23により側ストラ
ンド9を形付け(プレフォーム)し、これらをボイス2
5によってコア部3aに上撚りする。撚り方向はZ撚り
である。
【0039】ここで形付けとは、ボイス25で撚られる
前にストランドに弾性限以上の応力を与えて、撚られた
ストランドのスパイラルと同形状になるように予め成形
することをいう。
【0040】ボイス25を出ると、6ストランドロープ
2となる。ロープ2の最終仕上げ径は16mmである。側
ストランド9の撚りピッチを120mmとし、ピッチ倍数
をロープ径Dの7.5倍とした。
【0041】なお、上記実施例では6ストランドのワイ
ヤロープを製造する場合について説明したが、フラット
形ストランドロープ又は多層ストランドロープ等の他の
ワイヤロープを製造することもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明のワイヤロープによれば、非自転
性、耐疲労性、ドラムでの巻取性、耐形崩れ性の諸性質
をともに満たすので、高揚程で多層巻きの荷役機械用や
建設機械用への適合が十分に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るワイヤロープを示す
横断面図。
【図2】第1実施例のワイヤロープの部分切取図。
【図3】本発明の第2実施例に係るワイヤロープを示す
横断面図。
【図4】第2実施例のワイヤロープの部分切取図。
【図5】心ストランドに樹脂を被覆する装置の主要部を
示す部分断面図。
【図6】樹脂被覆された心ストランドに側ストランドを
逆向きに撚り合わせる装置の主要部を示す図。
【符号の説明】
3…心ストランド、4…繊維心、5…ワイヤ、7…樹脂
被覆層、8…外層部、9…側ストランド

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維心と、この繊維心に複数本のワイヤ
    が撚り合わされた心ストランドと、この心ストランドの
    撚りと同じ向きに撚り合わされた複数本の側ストランド
    とを有し、 複数本の側ストランドは心ストランドの撚りとは逆向き
    に撚り合わされてロープが形成され、かつ、側ストランドの撚りピッチ長を側ストランドの外径で割
    った指数としての 側ストランドのピッチ倍数よりもロー
    プの撚りピッチ長をロープの外径で割った指数としての
    ロープのピッチ倍数のほうが大きいことを特徴とするワ
    イヤロープ。
  2. 【請求項2】 心ストランドの外径を側ストランドの外
    径で割った指数としての外径比率を1. 04から1. 1
    8までの範囲とすることを特徴とする請求項1記載のワ
    イヤロープ。
  3. 【請求項3】 心ストランドが交差撚りと平行撚りのシ
    ール形とを組み合わせたセミシール形SeS(a+N
    1 ) +N 2 に構成され、第1層N 1 の素線数および第2
    層N 2 の素線数がそれぞれ6≦N1 ≦18,12≦N2
    ≦24で規定され、心部(a+N1 )を撚り合わせた上
    第2層2 を撚り合わせることを特徴とする請求項1
    記載のワイヤロープ。
  4. 【請求項4】 側ストランドの本数が4本乃至8本であ
    って、各側ストランドは20本乃至55本の素線を撚り
    合わして形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のワイヤロープ。
  5. 【請求項5】 心ストランドが交差撚りと平行撚りのシ
    ール形とを組み合わせたセミシール形SeS(a+N
    1 ) +N 2 +N 3 に構成され、第1層N 1 の素線数、第
    2層N 2 の素線数、第3層N 3 の素線数がそれぞれ6≦
    1 ≦18,12≦N 2 ≦24, 12≦N 3 ≦24で規
    定され、心部(a+N 1 )を撚り合わせた上に第2層N
    2 および第3層N 3 を撚り合わせることを特徴とする請
    求項1記載のワイヤロープ。
JP5255888A 1993-06-29 1993-10-13 ワイヤロープ Expired - Fee Related JP2702063B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5255888A JP2702063B2 (ja) 1993-06-29 1993-10-13 ワイヤロープ
TW084211867U TW305377U (en) 1993-10-13 1994-10-07 Wire rope which is hard to twist
KR1019940026035A KR100194254B1 (ko) 1993-10-13 1994-10-12 자전제지성 와이어로프
CN94117115A CN1065461C (zh) 1993-10-13 1994-10-13 难自转性钢索

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-158443 1993-06-29
JP15844393 1993-06-29
JP5255888A JP2702063B2 (ja) 1993-06-29 1993-10-13 ワイヤロープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0770962A JPH0770962A (ja) 1995-03-14
JP2702063B2 true JP2702063B2 (ja) 1998-01-21

Family

ID=26485551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5255888A Expired - Fee Related JP2702063B2 (ja) 1993-06-29 1993-10-13 ワイヤロープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2702063B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101114751B1 (ko) 2010-05-13 2012-02-20 오세원 가이드로프

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT2284111E (pt) * 1998-12-22 2013-07-19 Otis Elevator Co Elemento de tensão para um elevador
WO2013111260A1 (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 三菱電機株式会社 エレベータ用ロープ
JP5947863B2 (ja) * 2014-11-13 2016-07-06 東京製綱株式会社 クレーン用ワイヤロープ
CN114214856B (zh) * 2021-11-01 2023-04-14 江阴法尔胜住电新材料有限公司 一种复合钢绞线制作方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53119355A (en) * 1977-03-25 1978-10-18 Shinko Wire Co Ltd Nonnrotative wire rope

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101114751B1 (ko) 2010-05-13 2012-02-20 오세원 가이드로프

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0770962A (ja) 1995-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU610043B2 (en) Rope with fiber core and method of forming same
EP2573257B1 (en) Hybrid rope and process for producing same
JPH0367155B2 (ja)
US6076344A (en) Process for producing a steel cord
JP4064668B2 (ja) 複合型ワイヤロープ
JP2002327381A (ja) ワイヤロープ
JP3660259B2 (ja) ワイヤロープ
JPH08158275A (ja) 高強度ワイヤロープ
EP3775365B1 (en) Synthetic fiber rope
JP2702063B2 (ja) ワイヤロープ
JPH07279940A (ja) 高屈曲耐久性ロ−プ
JP2003268685A (ja) ワイヤロープ
GB2252774A (en) Reinforced transmission belt
JPH0995879A (ja) 高強度の難自転性ワイヤロープ
JP2702074B2 (ja) 難自転性ワイヤロープ
KR100194254B1 (ko) 자전제지성 와이어로프
JPH0710478A (ja) 高強度ワイヤロープ
CN215668713U (zh) 一种绳芯加强型钢丝绳
JP6548772B2 (ja) 難自転性ワイヤロープ
JPH04308287A (ja) ゴム製品補強用スチールコード
JPH09137392A (ja) 金属コード、その製造方法、同コードを用いたゴム複合物
JP2002060163A (ja) エレベータ用繊維ロープ
JPH0874190A (ja) 耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ
JP3678871B2 (ja) ゴム補強用スチールコードおよびそれを使用した重荷重用ラジアルタイヤ
JP5264248B2 (ja) ゴム構造物補強用スチールコード

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131003

Year of fee payment: 16

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees