JPH0874190A - 耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ - Google Patents
耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープInfo
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- JPH0874190A JPH0874190A JP20885294A JP20885294A JPH0874190A JP H0874190 A JPH0874190 A JP H0874190A JP 20885294 A JP20885294 A JP 20885294A JP 20885294 A JP20885294 A JP 20885294A JP H0874190 A JPH0874190 A JP H0874190A
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- rope
- core
- strand
- wire rope
- strands
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クレーン等の荷役機械用ロープに適した耐内
部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープを提供する。 【構成】 外周ストランドのなかにロープ心を有するワ
イヤロープであって、ロープ心の芯部に設けられて含油
された硬質の繊維心と、各々が7本の鋼撚り線からな
り、前記繊維心の周りに撚り合わされてロープ心の外層
部を形成する6本の側ストランドと、ロープ心の周りに
撚り合わされた6本の外周ストランドと、を有する。
部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープを提供する。 【構成】 外周ストランドのなかにロープ心を有するワ
イヤロープであって、ロープ心の芯部に設けられて含油
された硬質の繊維心と、各々が7本の鋼撚り線からな
り、前記繊維心の周りに撚り合わされてロープ心の外層
部を形成する6本の側ストランドと、ロープ心の周りに
撚り合わされた6本の外周ストランドと、を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーン等の荷役機械
に用いられる複数本の多層撚りストランドを撚り合わせ
たロープ心入りのワイヤロープ(IWRC)であって、
耐内部腐食性及び耐内部摩耗性に優れた耐内部腐食及び
耐内部摩耗ワイヤロープに関する。
に用いられる複数本の多層撚りストランドを撚り合わせ
たロープ心入りのワイヤロープ(IWRC)であって、
耐内部腐食性及び耐内部摩耗性に優れた耐内部腐食及び
耐内部摩耗ワイヤロープに関する。
【0002】
【従来の技術】クレーンで代表される荷役機械において
は、ワイヤロープは貨物の吊り上げ吊り下ろし要素とし
て重要な地位を占めている。安全性の観点から、荷役機
械用ワイヤロープには繰り返し曲げによる内部摩耗が小
さく断線を容易に生じないこと、及び外観目視検査では
容易に発見できない内部腐食を生じないことが要求され
ている。このような荷役機械用ワイヤロープとしては、
図2に示すように、JIS規格表示でIWRC(7×
7)6×Fi(29)O/O16mmB種が用いられてい
る。ワイヤロープ1は、独立した1本のロープ心12を
中心にして、この周囲に6本の多層撚り側ストランド
(外周ストランド)3を撚り合わせて形成されている。
ロープ心2と外周ストランド3との相互間隙にはロープ
グリスが充填され、内部腐食及び内部摩耗を防いでい
る。
は、ワイヤロープは貨物の吊り上げ吊り下ろし要素とし
て重要な地位を占めている。安全性の観点から、荷役機
械用ワイヤロープには繰り返し曲げによる内部摩耗が小
さく断線を容易に生じないこと、及び外観目視検査では
容易に発見できない内部腐食を生じないことが要求され
ている。このような荷役機械用ワイヤロープとしては、
図2に示すように、JIS規格表示でIWRC(7×
7)6×Fi(29)O/O16mmB種が用いられてい
る。ワイヤロープ1は、独立した1本のロープ心12を
中心にして、この周囲に6本の多層撚り側ストランド
(外周ストランド)3を撚り合わせて形成されている。
ロープ心2と外周ストランド3との相互間隙にはロープ
グリスが充填され、内部腐食及び内部摩耗を防いでい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のワ
イヤロープ1では、含油量が少量であるために長期間の
使用や短期間であっても腐食環境下で使用される場合に
はロープ心2に内部腐食が発生する。また、クレーン用
シーブによって繰り返し曲げを受けると、外周ストラン
ド3とロープ心2と(心ストランド2aと側ストランド
2bと)が相互に擦れ合い、圧痕(摩耗による凹み)を
生じて短期間で内部断線が発生する。このため、従来の
ワイヤロープは安全率を見込むと極めて短寿命である。
イヤロープ1では、含油量が少量であるために長期間の
使用や短期間であっても腐食環境下で使用される場合に
はロープ心2に内部腐食が発生する。また、クレーン用
シーブによって繰り返し曲げを受けると、外周ストラン
ド3とロープ心2と(心ストランド2aと側ストランド
2bと)が相互に擦れ合い、圧痕(摩耗による凹み)を
生じて短期間で内部断線が発生する。このため、従来の
ワイヤロープは安全率を見込むと極めて短寿命である。
【0004】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、その目的とするところは、クレーン等
の荷役機械用ロープに適した耐内部腐食及び耐内部摩耗
ワイヤロープを提供することにある。
たものであって、その目的とするところは、クレーン等
の荷役機械用ロープに適した耐内部腐食及び耐内部摩耗
ワイヤロープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐内部腐食
及び耐内部摩耗ワイヤロープは、外周ストランドのなか
にロープ心を有するワイヤロープであって、ロープ心の
芯部に設けられて含油された硬質の繊維心と、各々が7
本の鋼撚り線からなり、前記繊維心の周りに撚り合わさ
れてロープ心の外層部を形成する6本の側ストランド
と、ロープ心の周りに撚り合わされた6本の外周ストラ
ンドと、を有することを特徴とする。
及び耐内部摩耗ワイヤロープは、外周ストランドのなか
にロープ心を有するワイヤロープであって、ロープ心の
芯部に設けられて含油された硬質の繊維心と、各々が7
本の鋼撚り線からなり、前記繊維心の周りに撚り合わさ
れてロープ心の外層部を形成する6本の側ストランド
と、ロープ心の周りに撚り合わされた6本の外周ストラ
ンドと、を有することを特徴とする。
【0006】繊維心としては、合成繊維、マニラ麻、サ
イザルのような硬質繊維を用いることが望ましい。この
場合に合成繊維は、ポリプロピレン系繊維やアラミド系
繊維のようなものが最適である。硬質繊維は、ジュート
や綿糸などのような軟質繊維に比べて含油量の点では若
干劣るが、耐摩耗性及び耐フレッティング性の点では優
れており、長期間にわたり内部断線を生じることなく安
全に使用することができる。
イザルのような硬質繊維を用いることが望ましい。この
場合に合成繊維は、ポリプロピレン系繊維やアラミド系
繊維のようなものが最適である。硬質繊維は、ジュート
や綿糸などのような軟質繊維に比べて含油量の点では若
干劣るが、耐摩耗性及び耐フレッティング性の点では優
れており、長期間にわたり内部断線を生じることなく安
全に使用することができる。
【0007】なお、含油量は、繊維心の単位質量当たり
27±10%の範囲とすることが好ましい。また、外周
ストランドは、12〜31本の鋼線を撚り合わして形成
されていることが望ましく、29本撚りのフィラー型ス
トランドとすることが最適である。また、ロープ外径は
12〜30mmの範囲に適しており、ロープ径16±3mm
のものに最も適している。
27±10%の範囲とすることが好ましい。また、外周
ストランドは、12〜31本の鋼線を撚り合わして形成
されていることが望ましく、29本撚りのフィラー型ス
トランドとすることが最適である。また、ロープ外径は
12〜30mmの範囲に適しており、ロープ径16±3mm
のものに最も適している。
【0008】
【作用】本発明に係る耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤ
ロープにおいては、含油させた繊維心をロープ心の芯部
に用いるので、従来のIWRCよりも多量の油を含ませ
ることができ、ロープ心が腐食液やガスから保護され、
内部腐食が生じない。また、ロープ心と外周ストランド
との相互間隙は潤沢な油で満たされているので、繰り返
し曲げを受けた場合であっても、ロープ心と外周ストラ
ンドとの摩耗による損傷が十分に防止され、ロープ心に
内部断線が生じない。
ロープにおいては、含油させた繊維心をロープ心の芯部
に用いるので、従来のIWRCよりも多量の油を含ませ
ることができ、ロープ心が腐食液やガスから保護され、
内部腐食が生じない。また、ロープ心と外周ストランド
との相互間隙は潤沢な油で満たされているので、繰り返
し曲げを受けた場合であっても、ロープ心と外周ストラ
ンドとの摩耗による損傷が十分に防止され、ロープ心に
内部断線が生じない。
【0009】一方、ロープ心は繊維心を含むものではあ
るが、6本の側ストランドは7本の鋼撚り線で構成され
ているので、ロープ破断強度の低下は僅かであり、必要
レベルの引張り強度は十分に確保できる。
るが、6本の側ストランドは7本の鋼撚り線で構成され
ているので、ロープ破断強度の低下は僅かであり、必要
レベルの引張り強度は十分に確保できる。
【0010】なお、側ストランドを構成する鋼線(素
線)は従来の7×7ロープ心型IWRCの鋼線よりもで
きるだけ太径であることが望ましい。太径の鋼線をロー
プ心の側ストランドに用いると、それだけ繊維心の径を
大きくでき、これに含浸させ得るロープグリス量が増大
するからである。
線)は従来の7×7ロープ心型IWRCの鋼線よりもで
きるだけ太径であることが望ましい。太径の鋼線をロー
プ心の側ストランドに用いると、それだけ繊維心の径を
大きくでき、これに含浸させ得るロープグリス量が増大
するからである。
【0011】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明の実
施例について説明する。図1に示すワイヤロープ10は
IWRC(6×7)6×Fi(29)O/O16mmB種
で表わされる断面構成を有し、具体的には6本の外周ス
トランド3のなかにロープ心12が入れられている。外
周ストランド3は、心線3a,7本の内周線3b,7本
の中間細線3c,14本の外周線3dからなり、これら
大径小径29本のフィラー型裸鋼線をZ撚りしたもので
ある。ロープ心12は、繊維心13の周囲に6本の側ス
トランド14をZ撚りしたものである。繊維心13は、
ポリプロピレンなどの合成繊維やマニラ麻又はサイザル
からなり、これに単位質量あたり27±10%のロープ
グリスを含浸させたものである。側ストランド14は直
径0.69mmの7本の鋼線をZ撚りしたものである。
施例について説明する。図1に示すワイヤロープ10は
IWRC(6×7)6×Fi(29)O/O16mmB種
で表わされる断面構成を有し、具体的には6本の外周ス
トランド3のなかにロープ心12が入れられている。外
周ストランド3は、心線3a,7本の内周線3b,7本
の中間細線3c,14本の外周線3dからなり、これら
大径小径29本のフィラー型裸鋼線をZ撚りしたもので
ある。ロープ心12は、繊維心13の周囲に6本の側ス
トランド14をZ撚りしたものである。繊維心13は、
ポリプロピレンなどの合成繊維やマニラ麻又はサイザル
からなり、これに単位質量あたり27±10%のロープ
グリスを含浸させたものである。側ストランド14は直
径0.69mmの7本の鋼線をZ撚りしたものである。
【0012】側ストランド14の素線は、外周ストラン
ド3の外周線3dより径が小さいが、できるだけ太径と
するほうが望ましい。太径の鋼線を側ストランド14に
用いると、それだけ繊維心13の径を大きくでき、これ
に含浸させ得るロープグリス量が増大するからである。
ド3の外周線3dより径が小さいが、できるだけ太径と
するほうが望ましい。太径の鋼線を側ストランド14に
用いると、それだけ繊維心13の径を大きくでき、これ
に含浸させ得るロープグリス量が増大するからである。
【0013】なお、側ストランド14及び外周ストラン
ド3の素線には、例えばC含有量が0.92重量%,C
r含有量が0.20重量%,Si含有量が0.12重量
%,Mn含有量が0.30重量%の鋼線を熱処理し、こ
れを直接冷却伸線することで最終的に引張強さ270kg
f/mm2 程度としたものをそれぞれ用いた。
ド3の素線には、例えばC含有量が0.92重量%,C
r含有量が0.20重量%,Si含有量が0.12重量
%,Mn含有量が0.30重量%の鋼線を熱処理し、こ
れを直接冷却伸線することで最終的に引張強さ270kg
f/mm2 程度としたものをそれぞれ用いた。
【0014】また、ロープ径が16mmの場合はロープ心
12の撚りピッチは43mmであり、側ストランド14の
撚りピッチは約17mmである。撚りピッチPは、IWR
Cの直径をdとすると、その6.5倍(P=6.5d)
で与えられる。
12の撚りピッチは43mmであり、側ストランド14の
撚りピッチは約17mmである。撚りピッチPは、IWR
Cの直径をdとすると、その6.5倍(P=6.5d)
で与えられる。
【0015】次に、実施例のワイヤロープの製造方法に
ついて説明する。 [ロープ心の形成]ポリプロピレン繊維(又はアラミド
系繊維、マニラ麻、サイザル)を撚り合わせてストラン
ドを形成する。更に3本のストランドを撚り合わせ、こ
れに単位質量あたり27±10%のロープグリスを含浸
させ、繊維心13を形成した。
ついて説明する。 [ロープ心の形成]ポリプロピレン繊維(又はアラミド
系繊維、マニラ麻、サイザル)を撚り合わせてストラン
ドを形成する。更に3本のストランドを撚り合わせ、こ
れに単位質量あたり27±10%のロープグリスを含浸
させ、繊維心13を形成した。
【0016】線材をパテンチング処理をした後に、5乃
至12回のダイス引きにより減面率80〜95%の冷間
伸線加工を行なうことによって所定の素線を得る。次
に、7本の素線を撚り合わせて鋼線ストランドとする。
更にこのような鋼線ストランドを繊維心13の周りに6
本撚り合わせてIWRC(6×7)のロープ心12を得
た。
至12回のダイス引きにより減面率80〜95%の冷間
伸線加工を行なうことによって所定の素線を得る。次
に、7本の素線を撚り合わせて鋼線ストランドとする。
更にこのような鋼線ストランドを繊維心13の周りに6
本撚り合わせてIWRC(6×7)のロープ心12を得
た。
【0017】このようなロープ心12は次のようにつく
られる。センタストランドとなる繊維心13を送り出し
部のリールから巻き解きながら巻き取り部の巻取機へ向
かって所定速度で送給する。送給路にはボイスが設けら
れており、このストランドの他に、ボイスに向かって送
り出し部のスイフトから6本の(1×7)ストランドが
送給される。これら6本のストランドは、それぞれがZ
撚りに撚られたものであり、繊維心13の外周にZ撚り
に撚り合わされてロープ心12が形成される。 [側ストランドの形成]29本の大小径鋼線を撚り線機
に送り、約17mmの撚りピッチで一括にZ撚りに撚り合
わせ、フィラー型Fi(29)の側ストランド14を得
た。側ストランド14を構成する大小径鋼線の径は2.
30〜3.80mmの範囲にある。 [ロープの撚合]撚り線機は送り出し部のスイフトから
巻き取り部の巻取機までの間に設けられ、連続送給され
る各ストランドに所定の張力が印加されるように張力制
御されている。撚り線機の中心にロープ心12を通すと
ともに、プレフォーム装置により側ストランド3を形付
け(プレフォーム)し、これらをボイスによってロープ
心12に上撚りする。撚り方向はZ撚りである。
られる。センタストランドとなる繊維心13を送り出し
部のリールから巻き解きながら巻き取り部の巻取機へ向
かって所定速度で送給する。送給路にはボイスが設けら
れており、このストランドの他に、ボイスに向かって送
り出し部のスイフトから6本の(1×7)ストランドが
送給される。これら6本のストランドは、それぞれがZ
撚りに撚られたものであり、繊維心13の外周にZ撚り
に撚り合わされてロープ心12が形成される。 [側ストランドの形成]29本の大小径鋼線を撚り線機
に送り、約17mmの撚りピッチで一括にZ撚りに撚り合
わせ、フィラー型Fi(29)の側ストランド14を得
た。側ストランド14を構成する大小径鋼線の径は2.
30〜3.80mmの範囲にある。 [ロープの撚合]撚り線機は送り出し部のスイフトから
巻き取り部の巻取機までの間に設けられ、連続送給され
る各ストランドに所定の張力が印加されるように張力制
御されている。撚り線機の中心にロープ心12を通すと
ともに、プレフォーム装置により側ストランド3を形付
け(プレフォーム)し、これらをボイスによってロープ
心12に上撚りする。撚り方向はZ撚りである。
【0018】ここで形付けとは、ボイスで撚られる前に
ストランドに弾性限以上の応力を与えて、撚られたスト
ランドのスパイラルと同形状になるように予め成形する
ことをいう。
ストランドに弾性限以上の応力を与えて、撚られたスト
ランドのスパイラルと同形状になるように予め成形する
ことをいう。
【0019】ボイスを出ると、IWRC(6×7)6×
Fi(29)となる。ワイヤロープ10の最終仕上げ径
は約16mmである。 [ロープの特性評価]次に、表1を参照しながら実施例
のワイヤロープを比較例のものと比べて諸特性の評価に
ついて説明する。
Fi(29)となる。ワイヤロープ10の最終仕上げ径
は約16mmである。 [ロープの特性評価]次に、表1を参照しながら実施例
のワイヤロープを比較例のものと比べて諸特性の評価に
ついて説明する。
【0020】表1に示すストランドS1〜S6は実施例
にあたり、その構成はIWRC(6×7)6×Fi(2
9)%16mmB種である。ストランドS7〜S12は比
較例にあたり、その構成はIWRC(7×7)6×Fi
(29)%16mmB種である。実施例のうちストランド
S1〜S3ではポリプロピレン繊維心を用い、ストラン
ドS4とS5ではマニラ麻心を用い、ストランドS6で
はサイザル心を用いた。また、実施例の側ストランド1
4の素線には線径0.69mmの鋼線を用いた。なお、比
較例のストランドS7〜S12ではロープ心2aに線径
0.69mmの鋼線を用いた。また、これらとは別にアラ
ミド系繊維心のもの(表1に示さず)についても調べた
結果、ロープ伸びは大きいものの断線は生じなかった。
にあたり、その構成はIWRC(6×7)6×Fi(2
9)%16mmB種である。ストランドS7〜S12は比
較例にあたり、その構成はIWRC(7×7)6×Fi
(29)%16mmB種である。実施例のうちストランド
S1〜S3ではポリプロピレン繊維心を用い、ストラン
ドS4とS5ではマニラ麻心を用い、ストランドS6で
はサイザル心を用いた。また、実施例の側ストランド1
4の素線には線径0.69mmの鋼線を用いた。なお、比
較例のストランドS7〜S12ではロープ心2aに線径
0.69mmの鋼線を用いた。また、これらとは別にアラ
ミド系繊維心のもの(表1に示さず)についても調べた
結果、ロープ伸びは大きいものの断線は生じなかった。
【0021】表1に実施例のストランドS1〜S6と比
較例のストランドS7〜S12とを疲労試験により比較
した結果を示す。疲労試験条件はJIS規格で規定され
たものに準拠したS曲げ試験を採用し、ロープ曲げ曲率
をロープ径の20倍とし、安全率を10倍とした。その
評価は外周ストランド3の1ピッチ間に平均10%の断
線が生じるまでS曲げを繰り返し、平均10%の断線が
生じたところで外周ストランド3を除去してロープ心1
2を露出させ、ロープ心12のうち断線の最も著しい5
ピッチ区間をピックアップしてその断線本数をカウント
した。
較例のストランドS7〜S12とを疲労試験により比較
した結果を示す。疲労試験条件はJIS規格で規定され
たものに準拠したS曲げ試験を採用し、ロープ曲げ曲率
をロープ径の20倍とし、安全率を10倍とした。その
評価は外周ストランド3の1ピッチ間に平均10%の断
線が生じるまでS曲げを繰り返し、平均10%の断線が
生じたところで外周ストランド3を除去してロープ心1
2を露出させ、ロープ心12のうち断線の最も著しい5
ピッチ区間をピックアップしてその断線本数をカウント
した。
【0022】 表1 疲労試験結果 断線本数 断線本数 実施例 比較例 ストランドS1 3 ストランドS7 6 ストランドS2 2 ストランドS8 1 ストランドS3 2 ストランドS9 5 ストランドS4 3 ストランドS10 5 ストランドS5 3 ストランドS11 6 ストランドS6 4 ストランドS12 7 合計 17 合計 30 上記の結果から明らかなように、実施例では断線本数が
比較例の約半分まで低減した。これから摩耗による内部
断線に対しては実施例のストランドS1〜S6は従来の
2倍程度の寿命延長が期待され、耐内部摩耗性に優れた
ものであるといえる。
比較例の約半分まで低減した。これから摩耗による内部
断線に対しては実施例のストランドS1〜S6は従来の
2倍程度の寿命延長が期待され、耐内部摩耗性に優れた
ものであるといえる。
【0023】同様の実施例ストランドS1〜S6及び比
較例ストランドS7〜S12につき耐腐食性についても
比較試験したところ実施例はすべて比較例を上回る結果
を得た。なお、耐腐食性試験はJIS規格に定める塩水
噴霧試験によった。その評価は、塩水噴霧を168時間
うけたときに内部に錆を生じたか否かを合否判定の基準
とし、これより短時間のものを不合格とした。実施例ス
トランドS1〜S6では240時間を経過するまで内部
に赤錆を生じなかった。一方、比較例ストランドS7〜
S12では220時間を経過するまで内部に赤錆を生じ
なかった。
較例ストランドS7〜S12につき耐腐食性についても
比較試験したところ実施例はすべて比較例を上回る結果
を得た。なお、耐腐食性試験はJIS規格に定める塩水
噴霧試験によった。その評価は、塩水噴霧を168時間
うけたときに内部に錆を生じたか否かを合否判定の基準
とし、これより短時間のものを不合格とした。実施例ス
トランドS1〜S6では240時間を経過するまで内部
に赤錆を生じなかった。一方、比較例ストランドS7〜
S12では220時間を経過するまで内部に赤錆を生じ
なかった。
【0024】ちなみに、ロープ破断荷重の比率は比較例
ストランドを1とした場合に実施例ストランドでは0.
9824であり、後者は前者に対してほとんど遜色ない
ものといえる。
ストランドを1とした場合に実施例ストランドでは0.
9824であり、後者は前者に対してほとんど遜色ない
ものといえる。
【0025】また、実施例ストランドS1〜S6及び比
較例ストランドS7〜S12を約200℃に約60分間
加熱して熱影響に対するロープの適否を調べた結果、実
施例ストランドS1〜S6の結果は比較例ストランドS
7〜S12の結果に比べて遜色なかった。
較例ストランドS7〜S12を約200℃に約60分間
加熱して熱影響に対するロープの適否を調べた結果、実
施例ストランドS1〜S6の結果は比較例ストランドS
7〜S12の結果に比べて遜色なかった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、含油繊維心をロープ心
の芯部に入れ、ロープ心の内部から十分な量のロープグ
リスがしみ出し、ストランド鋼線同士の擦れ合いが緩和
されるので、耐内部摩耗性に優れたクレーン等の荷役機
械用ロープを提供できる。
の芯部に入れ、ロープ心の内部から十分な量のロープグ
リスがしみ出し、ストランド鋼線同士の擦れ合いが緩和
されるので、耐内部摩耗性に優れたクレーン等の荷役機
械用ロープを提供できる。
【0027】また、ロープ心の内部から常にロープグリ
スが供給されるので、外周ストランド及び側ストランド
ともに錆にくく、耐内部腐食性にも優れたクレーン等の
荷役機械用ロープを提供できる。
スが供給されるので、外周ストランド及び側ストランド
ともに錆にくく、耐内部腐食性にも優れたクレーン等の
荷役機械用ロープを提供できる。
【図1】本発明の実施例に係る耐内部腐食及び耐内部摩
耗ワイヤロープを示す横断面図。である。
耗ワイヤロープを示す横断面図。である。
【図2】従来のワイヤロープを示す横断面図である。
2,12…ロープ心 3…外周ストランド 13…繊維心 14…側ストランド
Claims (4)
- 【請求項1】 外周ストランドのなかにロープ心を有す
るワイヤロープであって、 ロープ心の芯部に設けられて含油された硬質の繊維心
と、 各々が7本の鋼撚り線からなり、前記繊維心の周りに撚
り合わされてロープ心の外層部を形成する6本の側スト
ランドと、 ロープ心の周りに撚り合わされた6本の外周ストランド
と、を有することを特徴とする耐内部腐食及び耐内部摩
耗ワイヤロープ。 - 【請求項2】 繊維心は、合成繊維、マニラ麻又はサイ
ザルからなることを特徴とする請求項1記載の耐内部腐
食及び耐内部摩耗ワイヤロープ。 - 【請求項3】 含油量は、繊維心の単位質量当たり27
±10%の量であることを特徴とする請求項1記載の耐
内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ。 - 【請求項4】 外周ストランドは、12〜31本の鋼線
を撚り合わして形成されていることを特徴とする請求項
1記載の耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20885294A JPH0874190A (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20885294A JPH0874190A (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0874190A true JPH0874190A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16563185
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20885294A Pending JPH0874190A (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 耐内部腐食及び耐内部摩耗ワイヤロープ |
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JP (1) | JPH0874190A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009167544A (ja) * | 2008-01-11 | 2009-07-30 | Toshiba Elevator Co Ltd | ワイヤロープ |
JP2011089221A (ja) * | 2009-10-21 | 2011-05-06 | Tesac Wirerope Co Ltd | ワイヤロープ |
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CN103774475A (zh) * | 2014-01-16 | 2014-05-07 | 江苏赛福天钢索股份有限公司 | 一种柔软且具有高破断拉力的电梯用钢丝绳 |
-
1994
- 1994-09-01 JP JP20885294A patent/JPH0874190A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009167544A (ja) * | 2008-01-11 | 2009-07-30 | Toshiba Elevator Co Ltd | ワイヤロープ |
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WO2013111260A1 (ja) * | 2012-01-23 | 2013-08-01 | 三菱電機株式会社 | エレベータ用ロープ |
JP5657147B2 (ja) * | 2012-01-23 | 2015-01-21 | 三菱電機株式会社 | エレベータ用ロープ |
US9162849B2 (en) | 2012-01-23 | 2015-10-20 | Mitsubishi Electric Corporation | Elevator rope |
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