JP3225224B2 - 高強力繊維ロープ - Google Patents

高強力繊維ロープ

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JP3225224B2
JP3225224B2 JP11600498A JP11600498A JP3225224B2 JP 3225224 B2 JP3225224 B2 JP 3225224B2 JP 11600498 A JP11600498 A JP 11600498A JP 11600498 A JP11600498 A JP 11600498A JP 3225224 B2 JP3225224 B2 JP 3225224B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動索として使用する
のに好適な高強力繊維ロープに関する。
【0002】
【従来の技術】クレーン、ゴンドラ、エレベータ、ロー
プリフトなどで代表される動索は、シーブやドラムを経
由して曲げられあるいは巻き付けられつつ常にある範囲
内をロープ軸方向に動かされるので、全長にわたって張
力と曲げが作用する厳しい使用条件となる。このため、
かかる動索ロープとしては、従来一般に、複層構造のワ
イヤロープが使用されていた。しかし、ワイヤロープは
炭素鋼線を材料とするので、それ自体の重量が非常に大
きく、これにともないシーブ、ドラム、滑車などを支え
るフレームなどの周辺構造物も高い強度と剛性が必要に
なり、また、ロープを移動させる駆動機器も高馬力が必
要となる。このため装置全体が、大型で大重量のものと
なるという問題があった。
【0003】この対策としては、ワイヤロープに代えて
繊維ロープを動索として使用することが考えられる。か
かる繊維ロープのための繊維としては、ワイヤロープに
匹敵する強度を得ることが必要であり、破断強度20g
/d以上、弾性係数500g/d以上の高強度低伸度繊
維が存在する。しかし、繊維ロープは、原糸を集合して
ヤーンとし、そのヤーンを多数本集合してストランド
し、そのストランドの複数本を撚合あるいは編組するこ
とによって構成される。このように繊維ロープは非常に
多くの弾性率の高い繊維の集合体であるため、より高い
引張り強さをもつ繊維ロープにするには、ロープを構成
する複数本の各ストランドとりわけ撚合タイプの芯のス
トランドと側ストランドの伸び(伸び率)を適切なもの
にする必要がある。しかし、従来では、かかる各ストラ
ンド相互間の伸びについて考慮した提案がなく、このた
め、芯のストランドが先に切断してしまい、ロープが切
断するまでロープとしては不適切な挙動を示していた。
そこで、従来では、この現象から免れるために、側スト
ランドとして高強度低伸度繊維を使用し、芯ストランド
のみは伸びの多い汎用合成繊維を使用して繊維ロープを
構成していた。そのため、高強度低伸度繊維による強度
向上を図ることができず、高強度低伸度繊維をワイヤロ
ープに代わる動索用ロープとして適用する大きな障害と
なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記したよう
な問題点を解消するために創案されたもので、その第1
の目的とするところは、芯ストランドと側ストランドの
伸び率が適切なバランスを有し、側ストランドと芯スト
ランドとを協働して強度に寄与させることができ、動索
用として好適な高強度繊維ロープを提供することにあ
る。第2の目的は、高強度に加えて、耐曲げ疲労性もす
ぐれた動索用の繊維ロープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め、本発明は、ストランドの撚りバランスに着目し、芯
ストランドの撚り数と側ストランドの撚り数との比を所
定の範囲にすることにより芯ストランドと側ストランド
がほぼ同時に破断するもっとも高い引張り強さを持つこ
とができるようにしたものである。
【0006】すなわち、本発明による高強力繊維ロープ
は、破断強度20g/d以上,弾性係数500g/d以
上の高強度低伸度繊維からなる芯ストランドと同じく前
記高強度低伸度繊維からなり前記芯ストランドを囲む複
数本の側ストランドを有する複層撚り構造のロープであ
って、前記芯ストランドの撚り係数k0と側ストランド
の撚り係数k1の比率k0/k1が、下記式の関係である
ことを特徴としている。 1<k0/k1≦5.7
6 但し、撚り係数 k0,k1=T√D T:撚り数(回数/30cm) D:繊度(デニ−ル) k0/k1は、より好適には、1.2≦k0/k1≦5.0
である。
【0007】また、第2の目的を達成するため、本発明
は、高強度低伸度繊維としてフッ素樹脂を重量比で30
%以下含浸しているものを使用している。
【0008】
【作用】芯ストランドと側ストランドを同一素材で一定
の撚り係数以下にて作り、それを撚り合わせることによ
り製作した繊維ロープは、芯ストランドの伸び率が側の
ストランドの伸び率に比べ相対的に小さい。そのため、
芯ストランドで先に破断が起こり、その後の破断強度は
側のストランドのみの強度になるため、繊維ロープの最
終的な引張り強さは小さくなる。また、芯ストランドの
撚り係数を大きく(撚り数を極端に多く)してストラン
ドの構造による伸びがあるようにすると、側のストラン
ドが破断に近くなっても、芯ストランドは充分な強度が
出るまでの伸び率に達しないため、芯ストランドは強度
にあまり寄与せず、ロープの最終的な引張り強さは、や
はり小さくなる。
【0009】しかし、本発明においては、芯ストランド
と側ストランドの双方に高強度低伸度の繊維を使用した
うえで、芯ストランドの撚り係数と側ストランドの撚り
係数の比率k0/k1を1を越え、5.76以下の範囲と
している。このため、芯ストランドの撚り数と側のスト
ランドの撚り数とが良好なバランスとなり、芯ストラン
ドが側ストランドのロープの伸びに対応することができ
るため、最終的にもっとも高い引張り強さをもつ繊維ロ
ープとすることができる。
【0010】また本発明においては、高強度低伸度の繊
維にフッ素樹脂を重量比で30%以下含浸している。こ
のため、フッ素樹脂により摩擦係数が大きく低減され、
張力と小さな曲げ半径という過酷な使用条件において
も、屈曲曲げ疲労性が高くなり、また、繊維間の耐接触
摩耗性が向上し、寿命を伸ばすことができる。また、重
量比の規定により、ロープ重量の不必要な増加を招かず
にフッ素樹脂を最も効率よく利用することができる。
【0011】
【発明の実施の態様】以下本発明の実施態様を添付図面
に基いて説明する。図1は本発明による高強力繊維ロー
プの第1態様を示している。1は芯ストランド、2は前
記芯ストランド1の周りに配されて撚り合わされた側ス
トランドであり、これらによって強力を担うロープ本体
Rが構成される。この例では7本撚りすなわち7本のス
トランドで構成されたいわゆる1+6型となっている。
3は前記ロープ本体Rの外周に設けられた外層であり、
この例では複数の合成繊維ストランドの編組体からなっ
ている。
【0012】前記芯ストランド1と側ストランド2は、
破断強度20g/d以上、弾性係数500g/d以上の
高強度低伸度繊維からなる原糸を集合したヤーンaを撚
り合わせてなる。高強度低伸度繊維としては、アラミド
繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、全芳香族ポリエス
テル繊維(ポリアリレート繊維)などから選択される。
外層3の編組体は、ロープ本体Rのキンクや形崩れを
防止するためのもので、比較的伸びにくく紫外線で劣化
しにくく、水分を含んでも比較的強度低下がなく、か
つ、耐摩耗性の良好な合成繊維、たとえばポリエステ
ル、ナイロンなどが用いられ、これらからなるストラン
ド30を16打ちあるいは24打ちなどにしたものであ
る。
【0013】図2は本発明による高強力繊維ロープの第
2態様を示している。この例においては、外層3が熱可
塑性樹脂からなる被覆層31で構成されている。熱可塑
性樹脂としては、電気絶縁性、撥水性、耐侯性などが良
好なものであることが必要であり、その例としては、ウ
レタン、ポリ塩化ビニール、ナイロン、ポリエステル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロンおよびこれら
の樹脂の共重合体などがあげられる。被覆層はロープ本
体Rを移動させながら押出し機によって樹脂を押し出す
ことによって連続的に施される。
【0014】図3は本発明による高強力繊維ロープの第
3態様を示している。この例においては、外層3がロー
プ本体Rを囲繞する編組体3aとさらにこの編組体3a
を囲む熱可塑性樹脂からなる被覆層3bから構成されて
いる。
【0015】図4は本発明による高強力繊維ロープの第
4態様を示している。この例においては、ロープ本体R
が19本撚り、すなわち、1本の芯ストランド1とこれ
を囲む18本の側ストランドで構成されたいわゆる1+
18型となっている。(a)は外層3として編組体を用
いたもの、(b)は外層3として熱可塑性樹脂からなる
被覆層を用いたもの、(c)は外層3として編組体と熱
可塑性樹脂からなる被覆層を併用したものを示してい
る。本発明は7本撚り、19本撚りに限定されるもので
はなく、37本撚りなど各種の撚り数の複層撚り構造の
ものを含む。
【0016】前記いずれの態様においても、芯ストラン
ド1と側ストランド2は、高強力低伸度繊維だけで構成
されていてもよいし、高強力低伸度繊維にフッ素樹脂f
を付着(コーティング)させた複合繊維を使用してもよ
い。図5はこの複合繊維からなるストランドAを示して
いる。フッ素樹脂fとしては、四弗化エチレン、ポリ四
弗化エチレン、弗化アルコキシエチレン、弗化エチレン
プロピレンエーテルなどが代表的なものであるが、最も
効果的なものとしては四弗化エチレンがあげられる。
【0017】かかるフッ素樹脂はたとえば0.5μm以
下の微粒子の形態で水等の液体にディスパージョンされ
た溶液が用いられ、これにヤーンaまたはストランドの
状態で含浸させられることにより、繊維に付着される。
絞り手段により半径方向から圧縮し、そして繊維の品質
低下を生じさせない100℃前後の温度温度で加熱され
て焼き付ける。これにより繊維表面にコーティングされ
る。フッ素樹脂の付着量は重量比で少なくとも5%が必
要である。これを下回る付着量では曲げ疲労性等の改善
効果が十分に得られないからである。フッ素樹脂の付着
量の増加にほぼ比例して破断までの曲げ回数が増加する
が、約20%において収れんする傾向を示し、高価なフ
ッ素樹脂の使用量がまして不経済であるばかりか、たと
えば四弗化エチレンの比重は2.15であるから、ロー
プ重量の不必要な増加を招き、本発明の目的である軽量
化にとってマイナスとなる。したがって、上限は実用上
30%であり、より好ましくは、10〜15wt%の付
着量とすることにより経済的な量で効率よくロープ寿命
を向上することができる。
【0018】本発明の特徴は、高強度低伸度の繊維を使
用して前記図1ないし図4に例示した構造のロープに構
成するだけでなく、側ストランド2と芯ストランド1の
撚り係数の比を特定範囲の関係に設定し、側ストランド
2の伸びに対応した撚り数の芯ストランド1を持つ繊維
ロープとしたことにある。これは、高強度低伸度の繊維
を使用した繊維ロープを多数製作し、それらについて、
強度実験を重ねた結果、側ストランド2と芯ストランド
1の撚り係数の比を特定範囲にすることが強度向上のポ
イントであることを知見したことに由来するもので、か
かる撚り係数の比k0/k1はアラミド繊維だけでなく、
超高分子量ポリエチレン、ポリアレリート繊維などにお
いても当てはまった。
【0019】すなわち、kを撚り係数とし、Tを撚り数
(回数/30cm)、Dを繊度(デニ−ル)とすると、
撚り係数kはk=T√Dで表される。芯ストランド1の
撚り係数をk0とし、側ストランド2の撚り係数をk1
すると、1<k0/k1≦5.76とした場合に、強度向
上を得ることができる。より好適には、1.2≦k0
1≦5.0である。
【0020】その理由を述べると、側ストランド2は、
ストランドそのものの伸び率のほかに、ロープとして撚
られた場合の伸び率が出る。このため、芯ストランド1
の伸び率が側ストランド2の伸び率に追随して強度を発
揮するには、側ストランド2の撚り数以上でなければな
らない。この理由から撚り係数の比k0/k1の下限を1
としたのである。しかし、芯ストランド1の撚り数をあ
まり多くし過ぎると、伸び率は大きくなり、側ストラン
ド2との強度分担が少なくなるため、引張り強さの向上
は低減される。その極端な例は、低い弾性係数の材料を
使用した芯ストランドが強度にほとんど寄与しないとい
うことが挙げられる。そこで、本発明は幾多の実験か
ら、撚り係数の比k0/k1の上限が5.76であること
を見い出したのである。
【0021】図1ないし図3は本発明による撚り係数の
関係を、芯ストランド1の撚り角βと側ストランド2の
撚り角αとによって模式的に示している。ストランドは
原糸の小さな集合体であるヤーンからなっており、撚り
角β,αはヤーンがストランド軸となす角度を指してい
る。よって、撚り数Tが多くなれば撚り角β,αも大き
くなり、撚り係数kも大きくなる。図6はk0/k1が1
以下の場合を、図7はk0/k1が5.76以上の場合を
それぞれ模式的に示している。図6では芯ストランド1
の撚り角βが側ストランド2の撚り角αよりも小さく、
この関係では芯ストランド1の伸び率が側ストランド2
の伸び率に追随して強度を発揮することができなくな
る。図7では芯ストランド1の撚り角βが側ストランド
2の撚り角αに対して非常に大きい。これでは芯ストラ
ンド1の伸びが大きくなり、側ストランド2に対する強
度分担が少なくなるため、強度の向上が不十分となる。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。本発明を適用し
て目標引張り強度さ10.5tfの高強力繊維ロープを
作成した。この引張り強度さ10.5tfはリフト用ワ
イヤロープ14mmに対応させるためである。繊維材
質、撚り係数k0,k1、外層の種類、フッ素樹脂含浸の
有無、得られた繊維ロープの引張り強さを表1と表2に
示す。また、撚り係数の比k0/k1と引張り強さの関係
を図8に示す。図9には試料1,3,8,10の荷重−
伸び率を測定した結果を示す。なお、外層のポリエステ
ルブレードは、繊度8000dのポリエステル繊維を1
6打ちで編組したものである。ウレタン被覆は、ポリウ
レタン樹脂を1.3mm厚さに被覆したものである。フ
ッ素樹脂含浸とは、四弗化エチレンをヤーンに10wt
%含浸させて焼き付けたものである。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】この表1と図8、図9から明らかなよう
に、7本撚りロープでは、撚り係数の比k0/k1が1を
越え5.76以下である本発明試料3,4,5,6,
7,8,11は、芯ストランドの切断もなく目標強度を
クリヤーできている。また、19本撚りの試料10も同
様である。ことに、撚り係数の比k0/k1が1.2を越
え5以下の試料3,4,5,6,7はすぐれた高強度と
なっている。これに対して、アラミド繊維を使用して
も、撚り係数の比k0/k1が1を下回る試料1,2は、
目標強度に達しておらず、撚り係数の比k0/k1が5.
76を上回る試料9も目標強度に達していない。また、
撚り係数の比k0/k1が本発明範囲でも、芯ストランド
の繊維として汎用繊維を用いた試料12も目標強度を大
きく下回っている。これらの結果から、高強力低伸度繊
維を使用して撚り係数の比k0/k1が1を越え5.76
以下とすることが引張り強度を向上させるために不可欠
であることがわかる。また外層は繊維ロープの強度には
寄与しないこと、フッ素含浸の有無も繊維ロープの強度
には直接寄与しないことがわかる。
【0026】次に、フッ素樹脂含浸の効果を確認するた
め、試料4について、四弗化エチレンの含浸量を種々代
えてロープを作成し、S曲げ疲労試験を行なった。その
結果を図9に示す。S曲げ疲労試験は直径240mmφ
のシーブを2個使用し、負荷荷重をロープ破断強さの1
/6に取って行なった。この結果から、フッ素樹脂を含
浸させると曲げ疲労の改善効果が非常に大きく、寿命を
大幅に向上することができることがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、破断強度20g/d以上,弾性係数500g/
d以上の高強度低伸度繊維からなる芯ストランドと同じ
く前記高強度低伸度繊維からなり前記芯ストランドを囲
む複数本の側ストランドを有する複層撚り構造のロープ
について、芯ストランドの撚り係数k0と側ストランド
の撚り係数k1の比率k0/k1を、1<k0/k1≦5.
76としたので、芯ストランドと側ストランドの伸びバ
ランスがよくとれ、非常に引張り強度が高い動索として
好適な繊維ロープを提供できるというすぐれた効果が得
られる。
【0028】請求項2によれば、芯ストランドの撚り係
数k0と側ストランドの撚り係数k1の比率k0/k1を、
1.2≦k0/k1≦5.0としているので、最も高い引
張り強度を実現することができるというすぐれた効果が
得られる。請求項3によれば、芯ストランドと側ストラ
ンドがフッ素樹脂を重量比で30%以下含浸しているの
で摩擦係数が低減し、高強度に加えて、耐曲げ疲労性も
すぐれた動索用の繊維ロープを提供することができると
いうすぐれた効果が得られる。請求項4によれば、外層
として、編組体、熱可塑性樹脂被覆層、あるいは編組体
と熱可塑性樹脂被覆層を有しているので、形崩れが防止
されあるいは防水性の良好なこの種の繊維ロープとする
ことができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による高強力繊維ロープの第1
態様を示す側面図、(b)は同じくその断面図である。
【図2】(a)は本発明による高強力繊維ロープの第2
態様を示す側面図、(b)は同じくその断面図である。
【図3】(a)は本発明による高強力繊維ロープの第3
態様を示す側面図、(b)は同じくその断面図である。
【図4】(a)は本発明による高強力繊維ロープの第4
態様の第1例を示す断面図、(b)は同じく第2例を示
す断面図、(c)は同じく第3例を示す断面図である。
【図5】本発明におけるフッ素樹脂含浸ストランドの模
式的拡大断面図である。
【図6】芯ストランドの撚り係数k0と側ストランドの
撚り係数k1の比率k0/k1が1未満の繊維ロープを模
式的に示す側面図である。
【図7】芯ストランドの撚り係数k0と側ストランドの
撚り係数k1の比率k0/k1が5.76を越えるの繊維
ロープを模式的に示す側面図である。
【図8】本発明の実施例における各試料の芯ストランド
の撚り係数k0と側ストランドの撚り係数k1の比率k0
/k1と引張り強さの関係を示す線図である。
【図9】実施例のいくつかの試料の荷重−伸び率の関係
を示す線図である。
【図10】フッ素樹脂の含浸量と曲げ疲労の関係を示す
線図である。
【符号の説明】
1 芯ストランド 2 側ストランド 3 外層 R ロープ本体 k0 芯ストランドの撚り係数 k1 側ストランドの撚り係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D07B 1/00 - 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】破断強度20g/d以上,弾性係数500
    g/d以上の高強度低伸度繊維からなる芯ストランドと
    同じく前記高強度低伸度繊維からなり前記芯ストランド
    を囲む複数本の側ストランドを有する複層撚り構造のロ
    ープであって、前記芯ストランドの撚り係数k0と側ス
    トランドの撚り係数k1の比率k0/k1が、下記式の関
    係であることを特徴とする高強力繊維ロープ。 1<k0/k1≦5.76 但し、撚り係数 k0,k1=T√D T:撚り数(回数/30cm) D:繊度(デニ−ル)
  2. 【請求項2】芯ストランドの撚り係数k0と側ストラン
    ドの撚り係数k1の比率k0/k1が、1.2≦k0/k1
    ≦5.0である請求項1に記載の高強力繊維ロープ。
  3. 【請求項3】芯ストランドと側ストランドが、高強度低
    伸度繊維にフッ素樹脂を重量比で30%以下含浸してい
    る請求項1または2に記載の高強力繊維ロープ。
  4. 【請求項4】外層として、編組体、熱可塑性樹脂被覆
    層、あるいは編組体と熱可塑性樹脂被覆層を有している
    ものを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の高強力
    繊維ロープ。
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