JPH0994059A - 発酵乳及びその製造法 - Google Patents

発酵乳及びその製造法

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JPH0994059A
JPH0994059A JP7276615A JP27661595A JPH0994059A JP H0994059 A JPH0994059 A JP H0994059A JP 7276615 A JP7276615 A JP 7276615A JP 27661595 A JP27661595 A JP 27661595A JP H0994059 A JPH0994059 A JP H0994059A
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Junko Seki
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Asako Satou
麻子 佐藤
Masami Kawanari
真美 川成
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動等に安定でホエーオフの少ない発酵乳及
びその製造方法の提供。 【解決手段】 部分加熱変性ホエータンパク質を含有さ
せ、乳酸発酵して得られるホエーオフの少ない発酵乳。
原料乳に部分加熱変性ホエータンパク質を含有させ、乳
酸醗酵を行なうことよりなるホエーオフの少ない発酵乳
の製造法。部分加熱変性ホエータンパク質は、WPI、
WPC等のホエータンパク質の0.5 〜15重量%水溶液を
温度55〜120 ℃で1秒〜60分間加熱処理して得ることが
できる。部分加熱変性ホエータンパク質の使用量は原料
液に対し、0.01〜5 重量%が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動に安定でホエ
ーオフの少ない発酵乳及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】発酵乳は牛乳等の乳を原料として乳酸菌
や酵母、または両者を培養して発酵させたものである。
この発酵乳の代表的なのもとしてヨーグルトが挙げられ
る。ヨーグルトは乳に乳酸菌を添加して発酵させること
により得られ、その性状と製造法の違いにより静置型ヨ
ーグルト、撹拌型ヨーグルト、液状ヨーグルトに分類さ
れる。静置型ヨーグルトは次のようにして得られる。ま
ず、全脂肪乳、脱脂乳、脱脂粉乳、蔗糖などの原材料を
混合し、50〜60℃で加温して粉乳や蔗糖を溶解してミッ
クスを調製する。寒天、ゼラチン等の安定剤は予め溶解
し、ミックスに混合しておく。このようにして得られた
ミックスを均質化し、殺菌、冷却してスターターを接種
し、容器に充填し、打栓してから培養室や発酵トンネル
内で培養する。適当な酸度になったところで発酵を終了
し、直ちに 5℃以下で冷却する。撹拌型ヨーグルトは、
前述した安定剤を添加したミックスを、均質化し、殺
菌、冷却しタンク内で発酵させた後、凝固カードを破砕
し、必要に応じてフルーツ、香料等を添加し、容器に充
填することで得ることができる。液状ヨーグルトは、ソ
フトヨーグルトと同様の方法で得られたカードを破砕し
均質化し容器に充填することで得ることができる。
【0003】通常、これら静置型ヨーグルト、撹拌型ヨ
ーグルト及び液状ヨーグルト等の製造の際には、ヨーグ
ルトの組織を安定化させる目的で安定剤が添加されてお
り、主に寒天、ゼラチン及びペクチン等が一般的に用い
られることが多く、ヨーグルトの組織の安定化を助長し
ている。しかしながら、これらの安定剤を添加するとヨ
ーグルトの持つ天然の風味を損なうことがあり、またこ
れらの安定剤は凝固点が低く低温でゲル化するため製造
管理が難しく、さらに最近では天然物志向が高まり乳成
分以外の成分特に安定剤の添加を嫌う風潮がある。そこ
で、天然の乳由来の成分であるホエータンパク質をヨー
グルトの安定剤として用いるといった例もみられる。例
えば、特開平 3−198738号公報では、高純度ホエータン
パク質を、ヨーグルト原料に含有させ、ホエーオフを防
止したヨーグルトの製造法が提案されている。また、特
開平 1−196254号公報では、特定の限外濾過膜を通して
熱凝固性のないホエータンパク質濃縮物をヨーグルト原
料に添加することで、適度な硬さを有し、ホエーオフを
防止したヨーグルトの製造法が提案されている。前者で
得られるヨーグルトは、撹拌型ヨーグルトに関するもの
であって、振動によりホエーオフを生じる場合があるこ
とが指摘されている。また、後者では、熱凝固性のない
ホエータンパク質濃縮物をヨーグルト原料に対して大量
に添加しないと効果を得ることができず、さらに限外濾
過設備を設けなければならないので、生産コストがかか
り製品を安価に提供することができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発酵乳、特
にヨーグルトの製造過程でヨーグルト原料を混合し溶解
させて調製した原料液に部分加熱変性ホエータンパク質
を添加することで、振動に安定で、ホエーオフの少ない
ヨーグルト及びその製造法を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意研究をおこなった結果、ヨーグルト
の製造過程でヨーグルトの原料乳に部分加熱変性ホエー
タンパク質を添加することにより、振動に安定でホエー
オフが少なく、しかも風味及び組織の良好なヨーグルト
及びその製造法を見出し本発明をなすに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、部分加熱変性ホエータンパク質を発酵乳、特
にヨーグルトの製造に使用するものであり、この部分加
熱変性ホエータンパク質は、ホエータンパク質の溶液を
タンパク質濃度 0.5〜15重量%で、温度55℃〜120 ℃
で、 1秒〜60分間加熱することにより得られる。この部
分加熱変性ホエータンパク質の加熱変性度は疎水性度を
測定することによって、確認することができる。通常は
下記に定義される疎水性度で(FI/mgタンパク質) で50FI
/mg タンパク質以上であり、とくに好ましくは100FI/mg
タンパク質以上である。50FI/mg タンパク質以上でない
とヨーグルトのホエーオフを防止することができない。
疎水性度とは、被験ホエータンパク質溶液を 0.1〜0.3g
タンパク質/1の濃度となるように希釈し、8mM の1-アニ
リノナフタレン-8- スルホン酸を蛍光プローブとして添
加し、蛍光光度計を用いて励起波長370nm 、蛍光波長47
0nm にて測定し、得られた値 (蛍光強度FI) をホエータ
ンパク質(mg)当りで示したものである。この部分加熱変
性ホエータンパク質の調製及び疎水性度の測定は、特開
平 5− 64550号公報に開示された方法に従って、実施す
ることができる。
【0007】通常、ホエータンパク質は球状を呈してお
り、これを前述の条件で加熱処理することにより、タン
パク質分子表面に疎水性部分が出現し、タンパク質の電
荷による静電気的な反発力と疎水性相互作用による引力
との微妙なバランスにより、タンパク質が鎖状に連結し
た可溶性の凝集体を形成する。このタンパク質分子が鎖
状に連結した可溶性の凝集体を以下、可溶性凝集体と呼
び、このホエータンパク質の可溶性凝集体のことを部分
加熱変性ホエータンパク質という。可溶性凝集体の状態
を呈している部分加熱変性ホエータンパク質は、タンパ
ク質分子の疎水性度が高いために、共存する他の素材の
相互作用を受け易く、さらに塩の添加あるいは酸性化に
より静電気的な反発力が減少し、タンパク質同士が会合
し易い状態となる。
【0008】ヨーグルトはカルシウムなどの塩類を含有
している牛乳や脱脂粉乳などを原料としており、またヨ
ーグルト自体、乳酸菌により酸性化しているために部分
加熱変性ホエータンパク質の静電気的な反発力は減少
し、部分加熱変性ホエータンパク質同士、あるいはホエ
ータンパク質以外の乳成分と会合しやすくなる。その結
果、部分加熱変性ホエータンパク質や部分加熱変性ホエ
ータンパク質以外のタンパク質分子が複雑に絡み合った
状態でゲル化し、寒天やゼラチンなどの安定剤を使用し
た場合と同様のヨーグルトに水分を含んだ状態の安定な
組織とコクがありクリーミーな食感を付与することとな
る。本発明はこのような部分加熱変性ホエータンパク質
の性質を利用したものであって、部分加熱変性ホエータ
ンパク質を生乳、脱脂粉乳などの乳原料、油脂、糖類及
び水等の混合物(以下、ヨーグルト原料液という)に添
加することで、振動に安定でホエーオフの少ないしかも
風味及び組織の良好なヨーグルトを得ることができる。
【0009】本発明の静置型ヨーグルトの場合は以下の
ように調製される。乳原料、油脂、糖類及び水を混合し
たヨーグルト原料液に部分加熱変性ホエータンパク質を
添加し均質化して殺菌後冷却してヨーグルトスターター
を添加し、容器に充填し打栓をして発酵させる。原料液
の均質化は50〜70℃、100 〜250kg/cm2 で行い、その後
120 〜130 ℃で 2〜15秒間プレート殺菌機を用いて殺菌
し、さらに熱交換プレートを用いて40〜45℃まで冷却す
る。この原料液にヨーグルトスターターを接種し、容器
に充填し打栓をして、発酵室や発酵用トンネル内で40〜
45℃で発酵させる。発酵は発酵時間が長すぎると酸度が
上昇しすぎて好ましくないので、2 〜8 時間くらいが好
ましく、ヨーグルトの酸度が0.7 〜0.8 %に達したとこ
ろで、5 ℃以下の温度で冷却し発酵を終了させることで
本発明の静置型ヨーグルトを得ることができる。
【0010】撹拌型ヨーグルトは原料液に部分加熱変性
ホエータンパク質を添加し均質化して殺菌後冷却してヨ
ーグルトスターターを添加し、タンク内で発酵させた後
攪拌してカードをくだいて、容器に充填する。液状ヨー
グルトはソフトヨーグルトと同様の方法で部分加熱変性
ホエータンパク質を添加した原料液を発酵させてカード
得、このカードをソフトヨーグルトと同様に攪拌して破
砕しホモジナイザーで均質化し容器に充填して調製す
る。
【0011】本発明で用いる部分加熱変性ホエータンパ
ク質は、タンパク質濃度15重量%以下のホエータンパク
質溶液を加熱温度55〜 120℃で、 1秒〜60分間加熱保持
した後冷却することで得ることができる。この部分加熱
変性ホエータンパク質の溶液をヨーグルト中にタンパク
質として好ましくは、 0.01 〜 5重量%、特に好ましく
は、 0.3重量%〜 1.5重量%含有するように添加し前述
した静置型、攪拌型および液状ヨーグルトの製造法に従
って調製することによって目的とするヨーグルトを得る
ことができる。部分加熱変性ホエータンパク質の含有量
が0.01重量%以下では目的とする安定性を有するヨーグ
ルトを得ることができず、また 5重量%を越えると安定
性は増加するが、コクがあり、クリーミーな食感を得る
ことができない。本発明では、部分加熱変性ホエータン
パク質の溶液を乾燥処理して粉末化したものを使用する
こともできる。この場合、部分加熱変性ホエータンパク
質の粉末は他の原料とともに混合して用いればよい。ま
た、この時に用いる部分加熱変性ホエータンパク質の粉
末は、タンパク質含量が50〜95重量%とタンパク質含量
の高いものがよい。
【0012】本発明のヨーグルトの製造において用いら
れる原料乳は、ヨーグルトの製造において通常用いられ
ているものであればよく、例えば生乳、脱脂乳、脱脂粉
乳や全粉乳を溶解した還元乳などが挙げられる。また、
必要に応じて、バターやクリームなどの脂肪分を含有す
る原料を用いることもできる。糖類は蔗糖、麦芽糖、ブ
ドウ糖、果糖、デキストリン、還元麦芽糖など通常の甘
味剤であれば用いることもできる。添加する部分加変性
ホエータンパク質は、ホエータンパク質濃縮物(以下、
WPC という)、ホエータンパク質分離物(以下、WPI と
いう)、脱塩、脱脂を行ったカゼインホエーまたはチー
ズホエーを用いるができ、これらホエータンパク質の溶
液を前述の条件で処理することによって本発明に用いる
部分加熱変性ホエータンパク質を得ることができる。ヨ
ーグルトスターターは、通常のヨーグルトの発酵に用い
る乳酸菌スターターであればどのようなものであっても
使用できる。さらに必要に応じてフルーツや香料を用い
ることもできる。
【0013】以上の方法で調製された静置型ヨーグルト
は寒天やゼラチンなどの安定剤を使用しないにもかかわ
らず、寒天やゼラチンなどの安定剤を使用した場合と同
様の水分を含んだ状態の安定な組織とコクがありクリー
ミーな食感を有し、撹拌型ヨーグルトは沈澱の生じない
安定な組織を有し、液状ヨーグルトは適度な粘性と安定
でホエーオフの少ない組織を有し、各ヨーグルトにおい
て好ましい組織を有しており、特に静置型ヨーグルト及
び撹拌型ヨーグルトは振動によるホエーオフの少ないヨ
ーグルトである。
【0014】以下、実施例を示して本発明を詳細に説明
する。
【実施例1】 (部分加熱変性ホエータンパク質の調製)10重量%のWP
I (サンラクトI−1;太陽化学(株)製)を pH6.9で
フォードラタンクで75℃まで加熱し、そのまま75℃で10
分間加熱保持した。その後、プレート式熱交換機で5℃
まで冷却し、部分加熱変性ホエータンパク質を得た。な
お、この部分加熱変性ホエータンパク質の疎水性度は、
250FI/mgタンパク質であった。
【0015】
【実施例2】 (部分加熱変性ホエータンパク質の調製)8重量%のW
PC(AMP800;アメリカンミートプロティン社) をpH6.8
でプレート加熱機で80℃まで加熱し、フォドラタンクに
移し、80℃で15分間加熱保持した。その後、プレート式
熱交換機で 5℃まで冷却し、部分加熱変性ホエータンパ
ク質を得た。なお、この部分加熱変性ホエータンパク質
の疎水性度は、150FI/mgタンパク質であった。
【0016】
【実施例3】 (部分加熱変性ホエータンパク質の調製)11重量%のW
PC(プロトーズセパレイション社)をpH6.8 でステフ
ァン釜で直接蒸気で90℃まで加熱し、その後ジャケット
で 5分間加熱保持した。その後、プレート式熱交換機で
5℃まで冷却し、部分加熱変性ホエータンパク質を得
た。なお、この部分加熱変性ホエータンパク質の疎水性
度は、230FI/mgタンパク質であった。
【0017】
【実施例4】 (静置型ヨーグルト)脱脂粉乳95部(重量部、以下同
じ)、無塩バター10部、上白糖 105部、水 740部を混合
し原料液とした。この原料液に実施例1で得られた部分
変性ホエータンパク質溶液を50部添加し、95℃で10分殺
菌後、40℃まで冷却した。これにヨーグルトスターター
を 3重量%添加、混合後、容器に充填し、37〜38℃の発
酵室にて酸度 0.4〜 0.7%になるまで発酵を行った後、
5℃まで冷却し、本発明品1を得た。同様の方法で、未
変性ホエータンパク質 (WPI)を 0.5重量%添加したヨー
グルトを調製し比較例1とし、さらに従来の方法により
安定剤(寒天T−1000; 朝日寒天(株)製)を0.1 重量
%添加したヨーグルトを調製し比較例2とした。部分加
熱変性ホエータンパク質の添加量は本発明品を得るに当
たって好ましいとされる添加量であり、未変性ホエータ
ンパク質及び安定剤の添加量は通常ヨーグルトに添加さ
れている量を添加した。このようにして得られた3種の
ヨーグルトの硬度をカードテンションメーター(中村医
科理化学製)を用いて測定し、その結果を表1に示す。
なお、硬度の測定はカードテンションメーターに150gの
重りのついた切断用ナイフ(3cm) を固定し、10℃の恒温
状態で保持した試料を7.3cm/分の速さで挿入し、試料が
壊れた瞬間の値を gで表した。
【0018】
【表1】 ─────────────────────────── 試 料 名 ────────────────────── 本発明品1 比較例1 比較例2 ─────────────────────────── 硬度(g) 45 25 50 ───────────────────────────
【0019】表1からも明らかなように、未変性ホエー
タンパク質添加の比較例1は十分な硬さを得ることがで
きなかったが、本発明品1は安定剤添加の比較例2と同
様の硬さを得ることができた。
【0020】
【試験例1】実施例4で得られた本発明品1、比較例1
及び比較例2の振動後のホエーオフを測定した。まず、
それぞれのヨーグルトをの振動試験機(鷺宮製作所製)
を用いて、1000km相当分の振動を40分間の与えた後10℃
に静置し、14日間保存中のホエーオフ及び組織の状態を
調べた。表2にその結果を示す。なお、ホエーオフの測
定はヨーグルトの表面に生じたホエーの重量を測定し、
ヨーグルト全体の重量に対する重量比(%)で表した。
又、ヨーグルトの組織は目視及び食感で5段階に判定
し、5;ヨーグルト表面が整っており、口当たりが滑ら
かでよい、4;ヨーグルトの表面は少し劣っているが、
口当たりが滑らかでよい、3〜1;見た目も口当たりも
悪く商品価値が無い、とした。
【0021】
【表2】 ──────────────────────────── 試 料 名 ─────────────────── 本発明品1 比較例1 比較例2 ──────────────────────────── 保存期間 (日) 1 14 1 14 1 14 ホエーオフ (%) 0 0 0.9 4.0 0 0 組織 5 5 3 2 5 5 ────────────────────────────
【0022】表2からも明らかなように、未変性ホエー
タンパク質添加の比較例1は14日間保存後ではホエーオ
フが生じ、見た目及び口当たり共に低下したのに対し
て、本発明品1は安定剤添加の比較例2と同様に、14日
間保存後もホエーオフがなく安定で、見た目も良く、口
当たりも滑らかで良好であった。
【0023】
【実施例5】 (攪拌型ヨーグルト)脱脂粉乳 90 部、無塩バター10
部、上白糖 110部、水 710部を混合し原料液とした。こ
の原料液に実施例2で得られた部分変性ホエータンパク
質溶液を80部添加し、95℃10分で殺菌後、40℃まで冷却
した。これにヨーグルトスターターを 3重量%添加し、
37〜38℃に恒温しながら、酸度0.4 〜 0.7%になるまで
発酵を行い、プレートクーラーを用い 5〜15℃に冷却
後、容器に充填し、本発明品2とした。同様にして、未
変性ホエータンパク質(WPI)を0.8 重量%添加した
ヨーグルトを調製し比較例3とし、さらに従来の方法に
より安定剤(ペクチンLH−200 ;雪印食品(株)製)
を0.4 重量%添加したヨーグルトを調製し比較例4とし
た。これらのヨーグルトの硬度を実施例2と同様の方法
で測定した。その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】 ─────────────────────── 試 料 名 ───────────────── 本発明品2 比較例3 比較例4 ─────────────────────── 硬度(g) 30 15 40 ───────────────────────
【0025】表3からも明らかなように、未変性ホエー
タンパク質添加の比較例3は十分な硬さを得ることがで
きなかったが、本発明品2は安定剤添加の比較例4と同
様の硬さを得ることができた。
【0026】
【試験例2】実施例5で得られた本発明品2、比較例3
及び比較例4を、試験例1と同様の試験を行いホエーオ
フ、組織の状態を観察し、比較した。その結果を表4に
示す。
【0027】
【表4】 ──────────────────────────── 試 料 名 ────────────────── 本発明品2 比較例3 比較例4 ──────────────────────────── 保存期間 (日) 1 14 1 14 1 14 ホエーオフ (%) 0 0 0.3 3.0 0 0 組織 5 5 4 3 5 5 ────────────────────────────
【0028】表4からも明らかなように、未変性ホエー
タンパク質添加の比較例3は 14 日間保存後ではホエー
オフが生じ、見た目及び口当たり共に低下したのに対し
て、本発明品2は安定剤添加の比較例4と同様に、14日
間保存後もホエーオフがなく安定で、見た目も良く、口
当たりも滑らかで良好であった。
【0029】
【実施例6】 (液状ヨーグルト)脱脂粉乳 85 部、無塩バター10部、
上白糖 105部、水 770部を混合し原料液とした。この原
料液に実施例3で得られた部分変性ホエータンパク質溶
液を30部添加し、110 ℃15秒で殺菌後、40℃まで冷却し
た。これにヨーグルトスターターを3%添加し、37〜38
℃に保持しながら、酸度0.4 〜 0.7%になるまで発酵を
行った。その培養物をホモゲナイザーを用いて均質化し
ながら、プレートクーラーで5〜15℃に冷却後、容器に
充填し、本発明品3とした。同様にして、未変性ホエー
タンパク質 (WPI)を0.3 重量%添加したヨーグルトを調
製し比較例5とし、さらに従来の方法により安定剤(ペ
クチンX−922 ;雪印食品(株)製)を0.3 重量%添加
したヨーグルトを調製し比較例6とした。これらのヨー
グルトの粘度をB型粘度計(東京計器(株)製)を用い
て測定した。その結果を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】表5からも明らかなように本発明品3は、
未変性ホエータンパク質添加の比較例5及び安定剤添加
の比較例6とを較べ、充分な粘度を有していた。
【0032】
【試験例3】実施例6で得られた本発明品3、比較例5
及び比較例6を、試験例1と同様の試験を行い比較し
た。その結果を表6に示す。
【0033】
【表6】 ───────────────────────────── 試 料 名 ─────────────────── 本発明品3 比較例5 比較例6 ───────────────────────────── 保存期間 (日) 1 14 1 14 1 14 ホエーオフ (%) 0 0 2.0 20.0 0 0 組織 5 5 4 3 5 5 ─────────────────────────────
【0034】表6から明らかなように、本発明品3は、
安定剤添加の比較例6と同様にホエーオフもなく、良好
な組織を有していた。
【0035】
【試験例4】本発明品1〜3及び未変性ホエータンパク
質を添加した比較例1、3及び5について口当たりの好
ましさ及び風味の好ましさに関し、官能検査により評価
した。同様にして本発明品1〜3及び安定剤を添加した
比較例2、4及び6について口当たりの好ましさ及び風
味の好ましさに関し、官能検査により評価した。官能検
査は33人のパネラーで、口あたりの好ましさ、風味の好
ましさについて2点嗜好法で検定を行った。その結果を
表7及び8に示す。但し、n=33の場合、5%有意は23
人以上、1%有意は25人以上、 0.1%有意は27人以上と
する。
【0036】
【表7】 ─────────────────────────────────── 試料名 好ましいとした人数 検 定 結 果 ─────────────────────────────────── 口当たり 風味 口当たり 風 味 ─────────────────────────────────── 本発明品1 27 26 実施例2が0.1 % 実施例2が1% 比較例1 6 7 有意に好まれる 有意に好まれる ─────────────────────────────────── 本発明品2 23 25 実施例2が5% 実施例2が1% 比較例3 10 8 有意に好まれる 有意に好まれる ─────────────────────────────────── 本発明品3 24 23 実施例2が5% 実施例2が5% 比較例5 9 10 有意に好まれる 有意に好まれる ───────────────────────────────────
【0037】
【表8】 ─────────────────────────────────── 試料名 好ましいとした人数 検 定 結 果 ─────────────────────────────────── 口当たり 風味 口当たり 風味 ─────────────────────────────────── 本発明品1 25 27 実施例2が1% 実施例2が0.1 % 比較例2 8 6 有意に好まれる 有意に好まれる ─────────────────────────────────── 本発明品2 24 25 実施例2が5% 実施例2が1% 比較例4 9 8 有意に好まれる 有意に好まれる ─────────────────────────────────── 本発明品3 24 26 実施例2が5% 実施例2が1% 比較例6 9 7 有意に好まれる 有意に好まれる ───────────────────────────────────
【0038】本発明品は、いずれも比較例と較べて、有
意に好まれていた。以上の結果より、本発明品は硬さ及
び粘性、ホエーオフ、組織の安定性については未変性ホ
エータンパク質を添加したヨーグルトよりかなり良好な
ものが得られ、従来の安定剤添加のヨーグルトと同様の
ものが得られた。さらに、口当たり及び風味について
は、未変性ホエータンパク質添加のヨーグルト及び安定
剤添加のヨーグルトより優れたものが得られた。
【0039】
【発明の効果】本発明により、振動に安定でホエーオフ
の少ないヨーグルト及びその製造法が提供でき、これに
より得られるヨーグルトは安定剤を添加しないにもかか
わらず、静置型ヨーグルトは安定でホエーオフが少なく
クリィミーな食感を有し、撹拌型ヨーグルトは安定でホ
エーオフが少なく、液状ヨーグルトは適度な粘性を有
し、安定でホエーオフが少ないといった各ヨーグルトに
好ましい組織を有しており、口当たり及び風味も良好で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 麻子 埼玉県所沢市北秋津778−6−202 (72)発明者 川成 真美 埼玉県川越市吉田新町2−12−16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分加熱変性ホエータンパク質を含有
    し、乳酸発酵させてなるホエーオフの少ない発酵乳。
  2. 【請求項2】 部分加熱変性ホエータンパク質が、ホエ
    ータンパク質 0.5〜15重量%の水溶液を温度55〜120 ℃
    で1秒〜60分間加熱処理して得られるものである請求項
    1記載の発酵乳。
  3. 【請求項3】 部分加熱変性ホエータンパク質の疎水性
    度が50FI/mg タンパク質以上である請求項1記載の発酵
    乳。
  4. 【請求項4】 部分加熱変性ホエータンパク質を0.01〜
    5重量%含有させる請求項1記載の発酵乳。
  5. 【請求項5】 原料液に部分加熱変性ホエータンパク質
    を添加し、乳酸発酵させることを特徴とするホエーオフ
    の少ない発酵乳の製造法。
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