JP2016192919A - 発酵食品の製造方法及び発酵食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する発酵食品の製造方法及び発酵食品を提供すること。
【解決手段】ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品の製造方法であって、少なくともホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品原料溶液を調製する原料調製工程、前記発酵食品原料溶液を加熱処理して加熱処理溶液を調製する加熱工程、及び前記加熱処理溶液を含む溶液を発酵する発酵工程、を含む、前記発酵食品の製造方法において、発酵食品中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以上であり、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以下である、発酵食品の製造方法を提供する。また、本技術に係る発酵食品の製造方法により製造された、発酵食品を提供する。
【選択図】なし

Description

本技術は、発酵食品の製造方法及び発酵食品に関する。より詳しくは、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する発酵食品の製造方法及び発酵食品に関する。
チーズ等の乳製品を製造する際に副産物として製造されるホエイは、各種の必須アミノ酸、タンパク質、ビタミン類、糖類を多量に含んでおり、栄養価の高いことが知られている。そこで、従来、ホエイの栄養価を利用した食品の製造が種々試みられてきた。
例えば、特許文献1には、タンパク質と、脂質と、糖質とを含んでなり、かつ組成物の熱量が1kcal/ml以上で、pHが4〜8である、液状栄養組成物であって、前記タンパク質がホエイタンパク質を20重量%よりも高い割合で含む液状栄養組成物の製造方法であって、タンパク質と、脂質と、糖質とを含む水溶液に、ホエイタンパク質を55℃以下の温度条件下にて添加して混合し、得られた調合液を高温殺菌した後に均質化することを含んでなる、製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、ホエイパウダーのみ、或いはホエイパウダーにホエイ蛋白単離物、ホエイ蛋白濃縮物、脱脂粉乳の1種又は2種以上を加え、乳固形分10〜15%、pH6.8前後の溶液を調製し、該溶液を低温殺菌処理後乳酸菌で発酵させ、得られた発酵ホエイに糖質と安定剤を加えた後、殺菌、均質化し乾燥することを特徴とする発酵ホエイ粉末の製造方法が開示されている。
ところで、食品中のホエイタンパク質の量が多くなると、ゲル化や凝集が発生し、物性が不安定になるという問題が知られている。このため、特許文献1に記載された製造方法では、液状栄養組成物のゲル化や凝集を防ぐために、高温殺菌した後に均質化する工程を要する。
また、ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品を製造しようとすると、特に、ホエイタンパク質の量を通常用いられる量よりも多くした場合、発酵中に脂肪浮上が起こるという問題が生じる。一般的に、発酵食品中の脂肪浮上の量が多くなると、発酵食品の食感が悪くなる。しかし、特許文献2に記載された製造方法は、ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品を想定したものではない。
国際公開第2008/136420号パンフレット 特公平07−051046号公報
前述の通り、従来、ホエイタンパク質を含有する食品においては、安定した物性を有することが求められており、特に、ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品においては、発酵中に脂肪浮上が起こるという現象が確認されていた。
そこで、本技術では、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する発酵食品の製造方法及び発酵食品を提供することを主目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質の量に着目し、加熱処理により増加する熱変性ホエイタンパク質の量を特定の値以下に設定することで、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する発酵食品を製造することに成功し、本技術を完成するに至った。
すなわち、本技術では、ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品の製造方法であって、
少なくともホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品原料溶液を調製する原料調製工程、
前記発酵食品原料溶液を加熱処理して加熱処理溶液を調製する加熱工程、及び
前記加熱処理溶液を含む溶液を発酵する発酵工程、
を含む、前記発酵食品の製造方法において、
発酵食品中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以上であり、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以下である、発酵食品の製造方法を提供する。
また、本技術においては、前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質は前記発酵食品原料溶液に対して1.6質量%以上であり、前記熱変性ホエイタンパク質は前記加熱工程において前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質が熱変性したものとすることができる。
更に、前記加熱工程は、前記発酵食品原料溶液を温度70〜100℃で30分〜1秒間加熱処理して加熱処理溶液とする工程とすることができる。
本技術では、次に、本技術に係る発酵食品の製造方法により製造された、発酵食品を提供する。
本技術によれば、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する発酵食品の製造方法及び発酵食品を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術に係る発酵食品の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本技術に係る発酵食品の製造方法の、図1とは異なる一例を示すフローチャートである。 本技術に係る発酵食品の製造方法の、図1及び2とは異なる一例を示すフローチャートである。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<1.発酵食品の製造方法>
図1は、本技術に係る発酵食品の製造方法の一例を示すフローチャートである。
本技術に係る発酵食品の製造方法は、原料調製工程(I)、加熱工程(II)、及び発酵工程(III)、を含み、発酵食品中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以上であり、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以下であることを特徴とする。また、必要に応じて、図2及び3に示すように、均質化工程、添加工程等を更に行なうことも可能である。
本技術において、「熱変性ホエイタンパク質」とは、熱により変性したホエイタンパク質をいう。また、「未変性ホエイタンパク質」とは、変性していないホエイタンパク質をいう。更に、「ホエイタンパク質」とは、熱変性ホエイタンパク質及び未変性ホエイタンパク質の両方が含まれる概念である。
一般的に、「発酵食品」とは、食品材料を発酵することにより得られる食品をいうが、本技術では、その中でも、ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品が対象である。具体的には、例えば、発酵乳(ヨーグルト)、乳酸菌飲料、チーズ等が挙げられる。
「発酵乳」は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」において、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの」と定義されている。
前記発酵乳の種類としては、大別すると、容器に原料を充填して発酵させた凝固状のヨーグルト(静置型ヨーグルト、後発酵タイプのヨーグルト)と、タンクに原料を入れて発酵し、生じたカードを砕き、これを容易に充填したヨーグルト(撹拌型ヨーグルト、前発酵タイプのヨーグルト)とがある。
前記静置型ヨーグルトとしては、プレーンヨーグルト、ハードヨーグルトが挙げられる。
前記撹拌型ヨーグルトとしては、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルトが挙げられる。
「乳酸菌飲料」は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」において、「乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(発酵乳を除く)」と定義されている。
前記乳酸菌飲料の種類としては、大別すると、乳製品乳酸菌飲料と、乳酸菌飲料とがある。
本技術に係る発酵乳の製造方法により製造される発酵食品の種類は特に限定されないが、発酵乳、乳酸菌飲料とすることが好ましく、発酵乳とすることがより好ましい。これらの発酵食品は発酵中に脂肪浮上が起こりやすいことが知られており、本技術に係る発酵食品の製造方法を用いることにより、脂肪浮上を抑え、安定した物性を有する食品を製造することができる。
本技術に係る発酵食品の製造方法では、発酵食品中のホエイタンパク質を発酵食品に対して1.6質量%以上、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質を発酵食品に対して1.6質量%以下とすることにより、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する発酵食品を製造することができる。特に、このようにして得られた発酵食品は、脂肪浮上が抑えられ、良好な食感を有する。
また、従来の発酵食品の中でホエイタンパク質が1.6質量%以上もの濃度で含有しているものは知られておらず、後述する実験例2の比較例4に示すように、多くても1.10質量%程度の濃度で含有している発酵食品が知られているだけであった。本技術に係る発酵食品の製造方法により得られた発酵食品は、従来の発酵食品と比較して高濃度でホエイタンパク質を含有しており、これを摂取することによって、ホエイタンパク質の高い栄養価を享受できる。
本技術に係る発酵食品の製造方法により得られた発酵食品において、ホエイタンパク質の濃度の下限は発酵食品に対して1.6質量%以上であれば特に限定されないが、2.0質量%以上とすることが好ましく、2.5質量%以上とすることがより好ましく、2.8質量%以上とすることが更に好ましい。なお、発酵食品中のホエイタンパク質の濃度の上限は発酵食品によって適宜設定されればよく、例えば発酵食品に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3.5質量%以下であることが更に好ましい。
本技術では、前記発酵食品中のホエイタンパク質の濃度を発酵食品に対して1.6質量%以上とした場合であっても、安定した物性を有する発酵食品を製造することが可能である。
また、このようにして得られた発酵食品は、ホエイタンパク質の高い栄養価と発酵食品の機能(整腸作用、コレステロール低下作用、免疫賦活作用等)とを併せ持ち、健康の維持や増進を目的とした食品としても応用できる。
以下、本技術に係る発酵食品の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
(1)原料調製工程(I)
原料調製工程(I)は、少なくともホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品原料溶液を調製する工程である。
一般的に、ホエイタンパク質(「乳清タンパク質」、「可溶性タンパク質」とも呼ばれる)は、血清アルブミン、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、免疫グロブリン、プロテオース・ペプトン等に分類できる。
ホエイタンパク質は、体内での消化・吸収スピードが早く、数時間ほどで血液に吸収されるため、効率的に摂取することができるタンパク質である。また、ホエイタンパク質は、チーズ等の乳製品を製造する際に副産物として製造されるため、ホエイタンパク質を用いることにより、原料の再利用化や、コストの削減に貢献できるというメリットもある。
本技術において、前記発酵食品原料溶液に含まれるホエイタンパク質は、牛由来のタンパク質であるホエイであれば、特に限定されない。例えば、牛乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等のホエイタンパク質を含有する原料から、常法により精製して得られたホエイタンパク質を用いることができる。
ホエイタンパク質の精製方法としては特に限定されず、例えば、牛乳又は脱脂粉乳にレンネット等を加えてカゼインと乳脂肪とを取り除く方法;前記工程からさらにゲル濾過法、限外濾過法、イオン交換法等により処理する方法等が挙げられる。本技術では、これらのホエイタンパク質の精製方法によって得られる、ホエイタンパク質濃縮物(以下、「WPC」ともいう)やホエイタンパク質分離物(又は、ホエイタンパク質単離物。以下、「WPI」ともいう)等を使用することができる。
また、本技術では、市販のWPC、WPI、甘性ホエイ粉、脱塩ホエイ粉、脱脂粉乳等のホエイタンパク質に関する各種製品の1種又は2種以上を、ホエイタンパク質として使用することもできる。
なお、「WPC」は、タンパク質含有量を25〜80質量%としたものであり(山内、横山編集,「ミルク総合事典」初版第6刷,朝倉書店,2004年,第356〜第357頁参照)、本技術においては、タンパク質含有量が80質量%超を「WPI」、タンパク質含有量が25質量%未満は「未精製ホエイ」という。
前記発酵食品原料溶液に含まれるホエイタンパク質としては、未精製ホエイ、WPC、及びWPIから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。また、原料調製工程(I)におけるホエイタンパク質の形態も特に限定されず、液状又は粉末状のいずれも用いることができる。
本技術において、前記発酵食品原料溶液に含まれる脂肪としては特に限定されず、例えば、乳由来の脂肪等を挙げることができる。前記乳としては、例えば、ウシ由来、ヤギ由来、ヒツジ由来、ウマ由来等の獣由来の乳が挙げられる。
本技術において、「発酵食品原料」とは、乳、乳製品等の発酵食品原料を含む種々の原料であり、「発酵食品原料溶液」とは、前記発酵食品原料を溶媒に溶解させて得られる液である。
本技術において用いられる発酵乳原料は特に制限されず、通常用いられているものを用いることができる。
発酵食品原料を溶媒に溶解させて発酵食品原料溶液とする方法としては特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。
前記溶媒も特に限定されず、目的の発酵食品の用途等に応じて、公知の溶媒を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、水、温湯等を用いることができる。溶解時の溶媒の温度も、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、自由に設定することができる。更に、必要に応じて、溶解機として、パワーブレンダー、ミキサー、高速攪拌機等を用いてもよい。
本技術において、前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質の濃度は特に限定されないが、本技術の製造方法によって提供される発酵食品あたりのホエイタンパク質の含有量として定義されることが好ましい。すなわち、製造される発酵食品の組成や加熱処理によって変性する未変性ホエイタンパク質の含有量等の条件を考慮して、発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質の濃度を決定することができる。
具体的には、例えば、前記発酵食品原料溶液に対して1.6質量%以上とすることが好ましく、2.0質量%以上とすることがより好ましく、2.5質量%以上とすることが更に好ましく、2.8質量%以上とすることが特に好ましい。なお、前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質の濃度の上限は発酵食品によって適宜設定されればよく、例えば前記発酵食品原料溶液に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3.5質量%以下であることが更に好ましい。
また、本技術においては、前記発酵食品中のホエイタンパク質を発酵食品に対して1.6質量%以上とするため、前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質の濃度を前記発酵食品原料溶液に対して1.6質量%以上とし、前記熱変性ホエイタンパク質は後述する加熱工程(II)において前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質が熱変性したものとすることができる。これにより、別途、後述する添加工程等を行なわなくても、ホエイタンパク質を1.6質量%以上含有する発酵食品を得ることができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、前記発酵食品原料溶液には、本技術の効果を損なわない範囲で、甘味料、安定剤、香料等が含有されていてもよい。
本技術で用いられる甘味料としては特に限定されず、例えば、砂糖、水あめ、粉飴、異性化糖、乳糖、麦芽糖、果糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチロール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド等の高甘味度甘味料等が挙げられ、これらの甘味料を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本技術で用いられる安定剤としては特に限定されず、例えば、寒天、ゼラチン等が挙げられる。
本技術で用いられる香料としては特に限定されず、例えば、天然香料、各種フレーバー類等が挙げられる。
(2)加熱工程(II)
加熱工程(II)は、前記発酵食品原料溶液を加熱処理して加熱処理溶液を調製する工程である。
本技術において、「加熱処理溶液」とは、前記発酵食品原料溶液を加熱処理することにより得られる溶液をいう。
加熱処理の条件は特に限定されないが、前記発酵食品原料溶液を温度70〜100℃で30分〜1秒間とすることが好ましく、温度70〜85℃で20分〜5秒間とすることがより好ましい。加熱処理の条件を温度70〜100℃で30分〜1秒間とすることで、十分な殺菌を行なうことができ、また、未変性ホエイタンパク質が熱により変性することを防ぎ、脂肪浮上を効率的に抑制できる。
より具体的な加熱処理の条件としては、A:温度95〜100℃で30秒〜1秒間、B:温度90〜95℃で1分〜1秒間、C:温度85〜90℃で2分〜2秒間、D:温度80〜85℃で5分〜5秒間、E:温度75〜80℃で20分〜20秒間、又はF:温度70〜75℃で30分〜1分間とすることが好ましく、この中でも、C:温度85〜90℃で2分〜2秒間、D:温度80〜85℃で5分〜5秒間、E:温度75〜80℃で20分〜20秒間、又はF:温度70〜75℃で30分〜1分間とすることが特に好ましい。
また、発酵食品として発酵乳を製造する場合、加熱処理の条件としては、(i)温度85℃で30分間、(ii)温度90〜95℃で10分〜5分間、(iii)温度120℃で5〜3秒間、が一般的に知られている(「最新食品加工講座乳とその加工」初版,建帛社発行,昭和62年,第282頁等参照)。本技術では、これらの一般的な加熱処理の条件よりも温和な条件(温度70〜100℃で30分〜1秒間)で加熱処理を行なうことで、発酵食品として発酵乳を製造する場合においては、発酵乳中の熱変性ホエイタンパク質を発酵乳に対して1.6質量%以下とすることが容易となる。
なお、本技術において、前記発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質の濃度の上限は発酵食品に対して1.6質量%以下であれば特に限定されないが、1.6質量%未満とすることが好ましく、1.5質量%未満とすることがより好ましく、1.4質量%以下とすることが更に好ましく、1.2質量%以下とすることが特に好ましい。また、前記発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質の濃度の下限は、0質量%であってもよく、製造される発酵食品によって適宜設定することが可能であり、0.2質量%以上が好ましく、0.4質量%以上であることがより好ましい。
発酵食品として発酵乳を製造する場合、加熱処理の条件は特に限定されないが、後述する実施例の結果から、A:温度95〜100℃で30秒〜1秒間、B:温度90〜95℃で1分〜1秒間、C:温度85〜90℃で2分〜2秒間、D:温度80〜85℃で5分〜5秒間、E:温度75〜80℃で20分〜20秒間、又はF:温度70〜75℃で30分〜1分間とすることが好ましく、この中でも、C:温度85〜90℃で2分〜2秒間、D:温度80〜85℃で5分〜5秒間、E:温度75〜80℃で20分〜20秒間、又はF:温度70〜75℃で30分〜1分間とすることが特に好ましい。
加熱処理の方法としては特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。具体的には、例えば、前記発酵食品原料溶液を、プレート式殺菌機、チューブラー式殺菌機、直接加熱式殺菌機、ジャケット付きタンク等の加熱処理装置等を用いて行なうことができる。
また、本技術では、加熱工程(II)後、所定の温度まで前記加熱処理溶液を冷却してもよい。具体的には、例えば、発酵工程(III)における発酵温度付近まで冷却する。
(3)発酵工程(III)
発酵工程(III)は、前記加熱処理溶液を含む溶液を発酵する工程である。
本技術では、前記加熱処理溶液を含む溶液に添加する乳酸菌等の菌、発酵の条件(発酵温度、時間等)は特に制限されず、通常用いられているものを用いることができる。
本技術で用いられる乳酸菌としては特に限定されず、例えば、ラクトコッカス(Lactococcus)属菌として、ラクトコッカス・ラクティス(L.lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(L. lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス・バイオバラエティ・ジアセチラクティス(L.lactis subsp. lactis biovar. diacetylactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(L.lactis subsp. cremoris)等の菌株;ラクトバチルス(Lactobacillus)属菌として、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス(L.delbrueckii subsp.lactis)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(L.delbrueckii subsp.bulgaricus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L. helveticus)等の菌株;ストレプトコッカス(Streptococcus)属菌として、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(S.salivarius subsp. thermophilus)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)等の菌株等が挙げられ、これらの乳酸菌を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、これらの乳酸菌は、スターター(種菌)とも呼ばれている。
これらの乳酸菌の前記加熱処理溶液を含む溶液に対する添加量は、通常の範囲内で適宜調節することができる。例えば、前記加熱処理溶液を含む溶液における菌濃度が、少なくとも1×10CFU/g程度、好ましくは少なくとも1×10CFU/g程度となるような量を添加することが好ましい。
また、前述した乳酸菌に加えて、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属菌(ビフィズス菌)を用いることもできる。具体的には、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(B. animalis)等の菌株が挙げられ、これらのビフィズス菌を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記加熱処理溶液を含む溶液の溶媒は特に限定されず、目的の発酵食品の用途等に応じて、公知の溶媒を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、水、温湯等を用いることができる。
前記加熱処理溶液を含む溶液への菌の添加方法も特に制限されず、菌末の状態で添加する方法;カルチャー(培養物)の状態で添加する方法等が挙げられる。
発酵温度も特に限定されず、乳酸菌等の菌が効率よく増殖する範囲であればよい。通常30〜50℃程度、好ましくは35〜43℃程度である。
また、発酵は、乳酸菌が十分に増殖するまで行なえばよく、通常前記加熱処理溶液を含む溶液のpHが5.0以下になるまで、好ましくは前記加熱処理溶液を含む溶液のpHが4.8以下になるまで、より好ましくは前記加熱処理溶液を含む溶液のpHが4.2〜4.8程度になるまで行なえばよい。
発酵時間も特に限定されず、例えば、35〜43℃程度の発酵温度の場合であれば、3〜10時間程度、好ましくは3〜6時間程度が目安である。
発酵食品として静置型ヨーグルトを製造する場合、菌が添加された前記加熱処理溶液を含む溶液を容器に充填してから発酵させることができる。
前記容器としては、プラスチック製の容器、紙製の容器等が挙げられる。
また、本技術では、発酵工程(III)後、所定の温度まで発酵後の前記加熱処理溶液を含む溶液を冷却してもよい。具体的には、例えば、10℃以下まで冷却する。
発酵食品として撹拌型ヨーグルトを製造する場合、発酵工程(III)後に、形成したカードを破砕し、容器に充填することができる。
前記容器としては、プラスチック製の容器、紙製の容器等が挙げられる。
(4)均質化工程
本技術では、図2に示すように、必要に応じて、均質化工程を行なうことができる。均質化工程は、均質化処理を行なう工程である。
均質化工程は、本技術に係る発酵食品の製造方法において、必ずしも行なう必要はないが、乳脂肪球を機械的に細かくして脂肪浮上をより抑制することを目的として行なうことができる。
本技術では、均質化工程を行なう時点は特に限定されず、図2に示すように原料調製工程(I)の後であって加熱工程(II)の前に行なってもよいし、加熱工程(II)の後であって発酵工程(III)の前に行なってもよい。しかし、衛生的な観点から、図2に示すように原料調製工程(I)の後であって加熱工程(II)の前に行なうことが好ましい。
均質化の方法としては特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。具体的には、例えば、ホモジナイザー等を用い、65℃に加温した溶液を、15MPaの圧力で均質化する方法等が挙げられる。
(5)添加工程
本技術では、図3に示すように、必要に応じて、添加工程を行なうことができる。添加工程は、乳タンパク質を含有する含タンパク溶液を添加する工程である。
添加工程は、本技術に係る発酵食品の製造方法おいて、必ずしも行なう必要はないが、
発酵食品の風味や食感の改善を図ることを目的として行なうことができる。
本技術において、「乳タンパク質」とは、乳に含まれる高分子化合物であってアミノ酸が重合したものであり、前記高分子化合物を酵素等で処理して得られた各種ペプチドや各種アミノ酸をも含む概念である。前記乳としては、例えば、ウシ由来、ヤギ由来、ヒツジ由来、ウマ由来等の獣由来の乳が挙げられる。
乳タンパク質は、大別すると、カゼインとホエイタンパク質を含有する。カゼインは、α−カゼイン(αs1−カゼイン,αs2−カゼイン)、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインに分類できる。ホエイタンパク質については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
本技術において、「含タンパク溶液」とは、乳タンパク質を溶媒に溶解させて得られる液である。
乳タンパク質を溶媒に溶解させて含タンパク溶液とする方法としては特に限定されず、通常用いられている方法により行なうことができる。
前記溶媒も特に限定されず、目的の発酵食品の用途等に応じて、公知の溶媒を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、水、温湯等を用いることができる。溶解時の溶媒の温度も、本技術の効果を損なわない限り特に限定されず、自由に設定することができる。更に、必要に応じて、溶解機として、パワーブレンダー、ミキサー、高速攪拌機等を用いてもよい。
また、添加工程において用いられる含タンパク溶液は、予め加熱処理されたものであってもよい。また、含タンパク溶液には、未変性ホエイタンパク質や熱変性ホエイタンパク質が含まれていてもよい。
本技術に係る発酵食品の製造方法では、原料調製工程(I)における発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質を前記発酵食品原料溶液に対して1.6質量%以下としてから加熱工程(II)を行ない、別途、殺菌された未変性ホエイタンパク質を含む含タンパク溶液を添加する工程(添加工程)を行なって、前記発酵食品原料溶液と前記含タンパク溶液とを混合した後、発酵工程(III)を行なってもよい(図3を参照)。この製造方法であっても、発酵食品中のホエイタンパク質を発酵食品に対して1.6質量%以上、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質を発酵食品に対して1.6質量%以下とすることが可能である。
(6)その他の工程
本技術では、本技術の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の工程を行なうことができる。その他の工程としては、例えば、安定剤を添加する安定剤添加工程、添加剤を添加する添加剤添加工程等が挙げられる。
前記添加剤としては、通常食品に用いられる添加剤を用いることができる。
<2.発酵食品>
本技術に係る発酵食品は、前記1.発酵食品の製造方法に記載された方法により製造される発酵食品であり、発酵食品中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以上であり、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以下である、ことを特徴としている。
本技術に係る発酵食品は、従来の発酵食品と比較して高濃度でホエイタンパク質を含有しており、これを摂取することによって、ホエイタンパク質の高い栄養価を享受できる。
本技術に係る発酵食品は、本技術に係る発酵食品の製造方法により製造されたことを特徴とする。そのため、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する。特に、本技術に係る発酵食品は、脂肪浮上が抑えられ、良好な食感を有する。
したがって、本技術に係る発酵食品はホエイタンパク質と脂肪とを含有することから、乳製品に含まれる発酵食品であることが好ましく、具体的には、例えば、発酵乳(ヨーグルト)、乳酸菌飲料、チーズ等が例示される。
本技術に係る発酵食品は、ホエイタンパク質の高い栄養価と発酵食品の機能(整腸作用、コレステロール低下作用、免疫賦活作用等)とを併せ持ち、健康の維持や増進を目的とした食品としても応用できる。具体的には、例えば、病者用食品、ペットフード、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品等に応用できる。
また、本技術で定義される発酵食品は、ホエイタンパク質を発酵食品に対して1.6質量%以上含有することから、乳タンパク質による保健用途が表示された食品として提供・販売されることが可能である。
「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本技術の「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。
一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行なう表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP(Point of purchase advertising)等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、「表示」には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、これに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示等を挙げることができ、より具体的には、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)及びこれに類する表示が典型的な例である。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<実験例1>
実験例1では、脂肪浮上に影響が出ない熱履歴を決定した。
[発酵乳の製造]
本実験例1では、発酵食品として発酵乳を製造した。
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、WPI(フォンテラ社製、以下同様)、45%クリーム、及び常温水を混合し、65℃に加温して溶解させ、発酵食品原料溶液を調製した。この発酵食品原料溶液の配合、組成、及び熱量を下記表1に示す。
Figure 2016192919
(2)均質化工程
次いで、ホモジナイザーにより15MPaの圧力で発酵食品原料溶液を均質化した。
(3)加熱工程(II)
均質化した発酵食品原料溶液を、下記表2に示す各温度で10分間加熱処理し、加熱処理溶液を調製し、40℃に冷却した。
(4)発酵工程(III)
冷却後の加熱処理溶液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)を接種し、38〜40℃でpH4.5になるまで発酵させた後、冷蔵庫にて冷却及び保管を行ない、実施例1及び2、並びに、比較例1及び2の発酵乳を製造した。
別途、脂肪浮上の測定及び評価のために、カラメル色素を溶解して判別が容易になるようにした。すなわち、加熱処理溶液にカラメル色素を溶解させ、5℃まで冷却した後、試験管に25mlを入れて冷蔵庫(5℃)に保管した。
[評価方法及び測定方法]
(1)脂肪浮上の評価
冷蔵庫に保管した試験管を24時間後に目視で確認し、脂肪浮上の体積を測定した。
脂肪浮上量が0.5ml/25ml未満のものを「○」、0.5ml/25ml以上のものを「×」とした。
(2)未変性ホエイタンパク質の量及び熱変性ホエイタンパク質の量の測定
未変性ホエイタンパク質の量の測定は、日本薬学会編集,「乳製品試験法・注解」第2版第1刷,金原出版,1999年,第61〜第63頁,「(3)加熱度、1)ホエイタンパク指数」に記載の手法に基づいて測定した。具体的な手法を下記に記載する。
1:得られた加熱処理溶液を水で希釈したもの22gを試験管に入れる。
2:食塩8gを加えて37℃30分間加温する。始めの15分間は試験管を振とうして溶液を食塩で飽和させる。
3:試験管を振とうしてろ紙でろ過する。
4:このろ液1mlを別の試験管にとり、酢酸含有食塩飽和溶液10mlを加えて未変性ホエイタンパク質を白濁させ、濁度を波長420nmで測定する。なお、ろ液1mlに食塩飽和溶液10mlを添加して濁度を測定したものを対照とした。
また、本手法では、簡易的に未変性ホエイタンパク質の量を定量するために、未殺菌溶液では含まれるホエイタンパク質が全て未変性であり、温度90℃で10分間の加熱処理を行なった溶液では含まれるホエイタンパク質が全て変性したものとして標準曲線を作成した。
熱変性ホエイタンパク質の量については、発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質の量(2.85質量%)から得られた未変性ホエイタンパク質の量を引いた値とした。
[結果]
得られた結果を下記表2に示す。
Figure 2016192919
[考察]
本実験例1の結果から、脂肪浮上に影響が出ない熱履歴としては、熱変性ホエイタンパク質を1.6質量%以下に設定するとよいことが判明した。
また、加熱処理の条件としては、処理時間を10分間とした場合の、発酵乳の一般的な加熱処理の条件((ii)温度90〜95℃で10分〜5分間)よりも温和な条件とすることが好ましいことも判明した。より具体的には、他のパラメーター、製造スケール等の影響も鑑みて、温度80〜90℃で5分〜2秒間加熱処理することが好ましく、又は温度70〜80℃で30分〜20秒間加熱処理することが好ましく、温度70〜80℃で10分〜20秒間加熱処理することがより好ましいことが推察された。
<実験例2>
実験例2では、3種類の発酵食品原料溶液を用いて更に検討を行なった。
[発酵乳の製造]
本実験例2では、発酵食品として発酵乳を製造した。
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、下記表3に示す各材料を混合し、65℃に加温して溶解させ、下記表3に示すA〜Cの発酵食品原料溶液を調製した。
Figure 2016192919
(2)均質化工程
次いで、ホモジナイザーにより15MPaの圧力でA〜Cの発酵食品原料溶液を均質化した。
(3)加熱工程(II)
均質化したA〜Cの発酵食品原料溶液を、下記表4に示す各条件で加熱処理し、加熱処理溶液を調製し、40℃に冷却した。
(4)発酵工程(III)
冷却後の加熱処理溶液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)を接種し、38℃でpH4.5になるまで発酵させた後、冷蔵庫にて冷却及び保管を行ない、実施例3〜5、並びに、比較例3及び4の発酵乳を製造した。
別途、脂肪浮上の測定及び評価のために、カラメル色素を溶解して判別が容易になるようにした。すなわち、加熱処理溶液にカラメル色素を溶解させ、5℃まで冷却した後、試験管に25mlを入れて冷蔵庫(5℃)に保管した。
[評価方法及び測定方法]
実験例1と同様の方法により、脂肪浮上の評価、並びに、未変性ホエイタンパク質の量及び熱変性ホエイタンパク質の量の測定を行なった。
[結果]
得られた結果を下記表4に示す。
Figure 2016192919
[考察]
実施例3〜5の発酵乳は、発酵乳中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以上、かつ発酵乳中の熱変性ホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以下であり、脂肪浮上が抑えられていた。
比較例3の発酵乳は、発酵乳中の熱変性ホエイタンパク質が発酵乳に対して2.85質量%であり、脂肪浮上量は1.6ml/25mlであった。
比較例4の発酵乳は、ホエイタンパク質の量が、ごく一般的な発酵乳と同等である。比較例4の発酵乳は、脂肪浮上の量は少ないものの、発酵乳中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.10質量%であり、ホエイタンパク質の量は、実施例3〜5の発酵乳と比較して少ない。
また、加熱処理の条件としては、温度85〜90℃で2分〜2秒間、温度80〜85℃で5分〜5秒間、温度75〜80℃で20分〜20秒間、又は温度70〜75℃で30分〜1分間加熱処理することが特に好ましいことが推察された。
食感については、実施例3の発酵乳は、比較例4の発酵乳と同程度の柔らかさで、発酵乳として問題のない食感であった。実施例4の発酵乳は、実施例3の発酵乳と比較してやや硬めであったが、発酵乳として問題のない食感であった。これは、実施例3及び4の発酵乳は、その製造に用いられたAの発酵食品原料溶液中に、乳タンパク質としてホエイタンパク質のみならず、カゼインタンパク質も1.97質量%含まれていることに由来すると考えられる。
実施例5の発酵乳は、実施例3及び4の発酵乳と比較して、柔らかかった。実施例5の発酵乳には、寒天、ゼラチン等の安定剤を更に添加することにより、食感に硬さを出すことで、食感を改善することができる。
比較例3の発酵乳は、全ての発酵乳の中で最も硬く、発酵乳の食感としては好ましくないものであった。
<実験例3>
実験例3では、加熱温度を70℃とした場合の加熱時間について、更に検討を行なった。
[発酵乳の製造]
本実験例3では、発酵食品として発酵乳を製造した。
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、WPI、45%クリーム、砂糖、及び常温水を混合し、65℃に加温して溶解させ、発酵食品原料溶液を調製した。この発酵食品原料溶液の配合及び組成を下記表5に示す。
Figure 2016192919
(2)均質化工程
次いで、ホモジナイザーにより15MPaの圧力で発酵食品原料溶液を均質化した。
(3)加熱工程(II)
均質化した発酵食品原料溶液を、温度70℃で下記表6に示す各時間加熱処理し、加熱処理溶液を調製し、40℃に冷却した。
(4)発酵工程(III)
冷却後の加熱処理溶液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)を接種し、38〜40℃でpH4.5になるまで発酵させた後、冷蔵庫にて冷却及び保管を行ない、実施例6、並びに、比較例5及び6の発酵乳を製造した。
別途、脂肪浮上の測定及び評価のために、カラメル色素を溶解して判別が容易になるようにした。すなわち、加熱処理溶液にカラメル色素を溶解させ、5℃まで冷却した後、試験管に25mlを入れて冷蔵庫(5℃)に保管した。
[評価方法及び測定方法]
実験例1と同様の方法により、脂肪浮上の評価、並びに、未変性ホエイタンパク質の量及び熱変性ホエイタンパク質の量の測定を行なった。
[結果]
得られた結果を下記表6に示す。
Figure 2016192919
[考察]
加熱温度を70℃とした場合、30分以内の加熱時間であれば、脂肪浮上を抑制できることが判明した。
実験例2の結果も鑑みると、加熱条件としては、他のパラメーター、製造スケール等の影響も鑑みて、温度70〜80℃で30分〜20秒間加熱処理することが好ましく、温度70〜80℃で10分〜20秒間加熱処理することがより好ましいことが推察された。
<実験例4>
実験例4では、乳タンパク質としてホエイタンパク質のみならず、カゼインタンパク質も含む発酵食品原料溶液を用いた場合について、更に検討を行なった。
[発酵乳の製造]
本実験例4では、発酵食品として発酵乳を製造した。
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、ローヒート脱脂粉乳、WPI、45%クリーム、砂糖、及び常温水を混合し、65℃に加温して溶解させ、発酵食品原料溶液を調製した。この発酵食品原料溶液の配合及び組成を下記表7に示す。
Figure 2016192919
(2)均質化工程
次いで、ホモジナイザーにより15MPaの圧力で発酵食品原料溶液を均質化した。
(3)加熱工程(II)
均質化した発酵食品原料溶液を、下記表8に示す各温度で10分間加熱処理し、加熱処理溶液を調製し、40℃に冷却した。
(4)発酵工程(III)
冷却後の加熱処理溶液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)を接種し、38〜40℃でpH4.5になるまで発酵させた後、冷蔵庫にて冷却及び保管を行ない、実施例7及び8、並びに、比較例7の発酵乳を製造した。
別途、脂肪浮上の測定及び評価のために、カラメル色素を溶解して判別が容易になるようにした。すなわち、加熱処理溶液にカラメル色素を溶解させ、5℃まで冷却した後、試験管に25mlを入れて冷蔵庫(5℃)に保管した。
[評価方法及び測定方法]
実験例1と同様の方法により、脂肪浮上の評価、並びに、未変性ホエイタンパク質の量及び熱変性ホエイタンパク質の量の測定を行なった。
[結果]
得られた結果を下記表8に示す。
Figure 2016192919
[考察]
乳タンパク質としてホエイタンパク質のみならず、カゼインタンパク質も含む発酵食品原料溶液を用いた場合であっても、本技術に係る発酵食品の製造方法を用いることにより、脂肪浮上を抑制できることが判明した。
実験例1〜3の結果、並びに、他のパラメーター、製造スケール等の影響を鑑みると、乳タンパク質としてホエイタンパク質のみならず、カゼインタンパク質も含む発酵食品原料溶液を用いた場合であっても、加熱条件としては、温度80〜90℃で5分〜2秒間加熱処理することが好ましく、又は温度70〜80℃で30分〜20秒間加熱処理することが好ましく、温度70〜80℃で10分〜20秒間加熱処理することがより好ましいことが推察された。
<実験例5>
実験例5では、加熱温度を90℃とした場合の加熱時間について、更に検討を行なった。
[発酵乳の製造]
本実験例5では、発酵食品として発酵乳を製造した。
(1)原料調製工程(I)
まず、ミキサーを用いて、WPI、45%クリーム、砂糖、及び常温水を混合し、65℃に加温して溶解させ、発酵食品原料溶液を調製した。この発酵食品原料溶液の配合及び組成を下記表9に示す。
Figure 2016192919
(2)均質化工程
次いで、ホモジナイザーにより15MPaの圧力で発酵食品原料溶液を均質化した。
(3)加熱工程(II)
均質化した発酵食品原料溶液を、温度90℃で下記表10に示す各時間加熱処理し、加熱処理溶液を調製し、40℃に冷却した。
(4)発酵工程(III)
冷却後の加熱処理溶液に乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)を接種し、38〜40℃でpH4.5になるまで発酵させた後、冷蔵庫にて冷却及び保管を行ない、実施例9及び10、並びに、比較例8の発酵乳を製造した。
別途、脂肪浮上の測定及び評価のために、カラメル色素を溶解して判別が容易になるようにした。すなわち、加熱処理溶液にカラメル色素を溶解させ、5℃まで冷却した後、試験管に25mlを入れて冷蔵庫(5℃)に保管した。
[評価方法及び測定方法]
実験例1と同様の方法により、脂肪浮上の評価、並びに、未変性ホエイタンパク質の量及び熱変性ホエイタンパク質の量の測定を行なった。
[結果]
得られた結果を下記表10に示す。
Figure 2016192919
[考察]
加熱温度を90℃とした場合、60秒以内の加熱時間であれば、脂肪浮上を抑制できることが判明した。
また、加熱温度を100℃とした場合において、本実験例5と同様の発酵食品原料溶液を用いて実験を行なったところ、30秒以内の加熱時間であれば、脂肪浮上を抑制できることも判明した。
実験例1、2及び4の結果、並びに、他のパラメーター、製造スケール等の影響を鑑みると、加熱条件としては、温度95〜100℃で30秒〜1秒間、又は温度90〜95℃で1分〜1秒間が好ましいことが推察された。
本技術によれば、ホエイタンパク質と脂肪とを含有するにもかかわらず、安定した物性を有する、発酵食品の製造方法及び発酵食品を提供することができる。
本技術は、ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品の製造に広く利用できる技術である。本技術に係る発酵食品は、ホエイタンパク質の高い栄養価と発酵食品の機能(整腸作用、コレステロール低下作用、免疫賦活作用等)とを併せ持ち、健康の維持や増進を目的とした食品としても応用できる。

Claims (4)

  1. ホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品の製造方法であって、
    少なくともホエイタンパク質と脂肪とを含有する発酵食品原料溶液を調製する原料調製工程、
    前記発酵食品原料溶液を加熱処理して加熱処理溶液を調製する加熱工程、及び
    前記加熱処理溶液を含む溶液を発酵する発酵工程、
    を含む、前記発酵食品の製造方法において、
    発酵食品中のホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以上であり、かつ発酵食品中の熱変性ホエイタンパク質が発酵食品に対して1.6質量%以下である、発酵食品の製造方法。
  2. 前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質は前記発酵食品原料溶液に対して1.6質量%以上であり、前記熱変性ホエイタンパク質は前記加熱工程において前記発酵食品原料溶液中のホエイタンパク質が熱変性したものである、請求項1に記載の発酵食品の製造方法。
  3. 前記加熱工程は、前記発酵食品原料溶液を温度70〜100℃で30分〜1秒間加熱処理して加熱処理溶液とする工程である、請求項1又は2に記載の発酵食品の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の発酵食品の製造方法により製造された、発酵食品。
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