JPH0991950A - 磁性薄膜メモリ素子及び磁性薄膜メモリ - Google Patents

磁性薄膜メモリ素子及び磁性薄膜メモリ

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JPH0991950A
JPH0991950A JP7244992A JP24499295A JPH0991950A JP H0991950 A JPH0991950 A JP H0991950A JP 7244992 A JP7244992 A JP 7244992A JP 24499295 A JP24499295 A JP 24499295A JP H0991950 A JPH0991950 A JP H0991950A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が単純で、消費電力が少なく、非破壊で
情報を再生することができる磁性薄膜メモリ素子及び磁
性薄膜メモリを提供することを目的とする。 【解決手段】 磁化方向として情報を記録する磁性薄膜
メモリ素子、該磁性薄膜メモリ素子の抵抗値の変化を検
出するための読み出し線、該磁性薄膜メモリ素子に磁界
を印加するための書き込み線を有する磁性薄膜メモリに
於いて、前記磁性薄膜メモリ素子が、第1磁性層、非磁
性層、第2磁性層、第3磁性層をを有する磁性薄膜から
なり、前記磁性薄膜を構成する第3磁性層の保磁力が、
第2磁性層の保磁力より大きく、第2磁性層と第3磁性
層が交換結合していることを特徴とする磁性薄膜メモ
リ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層の磁化方向によ
って情報を記録する磁性薄膜メモリ素子及び磁性薄膜メ
モリに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
磁気抵抗効果を応用した薄膜磁気ヘッド、磁性薄膜メモ
リを初めとした素子の開発が進められている。従来、磁
気抵抗効果材料としては異方性磁気抵抗(AMR)効果
を応用したNiFe(パーマロイ)などが代表的であっ
た。AMRとは磁性体の磁化とセンス電流の相対角度に
依存してその電気抵抗が変化する現象であり、その抵抗
変化率はパーマロイで高々3%程度であった。
【0003】これに対して磁性層と非磁性層を交互に積
層した人工格子膜は巨大磁気抵抗(GMR)効果と呼ば
れる大きな磁気抵抗変化を示すことが知られ、基礎、応
用の両面から盛んに研究されている。GMR効果はAM
R効果とは異なり、その抵抗変化率が、磁化と電流の相
対角度ではなく、非磁性層を介して積層された2つの磁
性層の磁化の相対角度に依存する。
【0004】特にスピンバルブと呼ばれる構造を有する
GMR材料は、その動作磁場が小さく、しかもAMR材
料よりも大きな抵抗変化率を示すので、応用上注目され
ている。スピンバルブは、基本的には非磁性層を介して
積層されて2つの磁性層からなる3層構造をとってい
る。ここで、一方の磁性層の磁化方向は固定されており
(ピン層)、他方の磁性層の磁化方向は、比較的弱い外
部磁界により自由に動くことができる。又、両磁性層の
磁化容易軸は平行で、両磁性層の磁化方向は、外部磁界
により同一方向又は逆方向することができ、その結果、
抵抗値が変化する。
【0005】例えば、Phys.Rev.B, 43,
p1297,(1991)には、磁性層NiFe/非
磁性層Cu/磁性層NiFe/反強磁性層FeMnを積
層した素子の例が示されている。ここで、反強磁性層F
eMnと接して積層されたNiFe磁性層(ピン層)は
FeMnとの交換結合力によってその磁化の向きが固定
されている。一方、もう一つのNiFe磁性層(フリー
層)は外部磁場によって自由にその磁化の向きを変える
ことができ、その結果、GMR効果を示す。
【0006】又、Jpn.J.Appl.Phys.,
33,L1668,(1994)には非磁性層Cuを介
して保磁力の大きなCoPt(ハード層)と保磁力の小
さなNiFeCo(ソフト層)を積層した例が示されて
いる。ここで、ソフト層の磁化方向は、比較的弱い外部
磁界で、自由に動かすことができ、その結果、GMR効
果が得られる。このような保磁力差を用いるタイプのG
MRは、上述の反強磁性層を用いるスピンバルブと区別
して、誘導フェリ型と呼ばれる。
【0007】ところで、これら磁気抵抗効果を応用した
磁性薄膜メモリについて、いくつかの提案がなされてい
る。
【0008】例えば、IEEE Trans. Ma
g.,26, p2828,(1990)には、図11
に示されるような構成を有するAMR磁気メモリが提案
されている。このAMR磁気メモリは、2種類の磁性層
71と磁性層73を非磁性層72を介して積層したサン
ドイッチ膜を用いており、サンドイッチ膜には記録再生
時にデジット電流75が流され、その上にはこれと直行
する方向にワード電流77が流されるようになってい
る。このデジット電流75とワード電流77によって発
生する磁界76、磁界78によって記録再生が行われ
る。
【0009】まず、記録時には、ワード電流77とデジ
ット電流75を流し、このときのデジット電流の方向に
よって電流を切った後の定常状態に於ける2つの磁性層
の磁化方向が変化し、この2つの磁性層の磁化方向に情
報の「0」と「1」を対応させている。
【0010】一方、再生時には、ワード線74に記録時
よりも弱い電流を流し、同時にデジット線73にも検出
電流を流す。このとき記録された情報(「0」又は
「1」)によって、2つの磁性層の磁化方向が異なるた
め、AMR効果により抵抗値に差異が生じ、この抵抗値
の差異を検出することにより、記録されている情報が
「0」であるか、又は「1」であるかを判別することが
できる。この方式は非破壊で情報を再生することができ
(再生後も記録状態が保持される)、消費電流も小さく
てすむが、抵抗変化率が小さいため、検出信号が小く、
S/N(信号/雑音)比が低いという欠点がある。
【0011】一方、GMRを利用した磁性薄膜メモリと
しては、USP5,343,422に反強磁性層/磁性
層/非磁性層/磁性層のスピンバルブ型構造をとるもの
が例示されている。 図12(a)はスピンバルブ型の
MR磁性層を用いた磁性薄膜メモリの断面説明図であ
る。同図に於いては、基板81上にMR磁性層82、読
み出し線83が順次積層されており、その上に絶縁層8
4を介して、読み出し線83と直交する方向に書き込み
線85が設けられている。
【0012】又、図12(b)は、この磁性薄膜メモリ
のMR磁性層を構成する各層を示したの断面図である。
基板81上にNiFeからなる第2磁性層(フリー層)
76、Cuからなる非磁性層77、NiFeからなる第
1磁性層(ピン層)58、FeMnからなる反強磁性層
59が順次積層されている。
【0013】次に、このスピンバルブ型のMR磁性層を
用いた磁性薄膜メモリに情報を記録する方法を説明す
る。
【0014】図13(a)、(b)は、スピンバルブ型
の磁性薄膜メモリ素子に情報を記録する場合(フリー層
に記録する場合)を示し、21は書き込み線で、31は
ピン層に対応する第1磁性層で、32は非磁性層で、3
3はフリー層に対応する第2磁性層である。ここで、第
1磁性層31と第2磁性層33の磁化容易軸は平行で、
これらの磁化容易軸は書き込み線21と直交する方向に
設定されている。又、22、23は、書き込み線21を
流れる書き込み電流によって発生する磁界であり、その
磁界の方向は、書き込み線21を流れる書き込み電流の
方向によって決まる。かかる書き込み電流によって発生
する、磁界22又は磁界23によって、フリー層に対応
する第2磁性層33の磁化方向が印加磁界の方向設定さ
れ、その磁化方向に2値の「0」、「1」を対応させる
ことによって、情報を記録している 図13(a)に於いては、書き込み線21を流れる書き
込み電流によって発生した磁界(紙面上で時計回りの磁
界)22で、第2磁性層33を、第1磁性層31の磁化
方向と逆の方向(紙面上で左方向)に磁化させている。
一方、(b)に於いては、書き込み線21を流れる書き
込み電流によって発生した磁界(紙面上で反時計回りの
磁界)23で、第2磁性層33を、第1磁性層31の磁
化方向と同一の方向(紙面上で右方向)に磁化させてい
る。尚、書き込み線21を流れる書き込み電流によって
発生する磁界(以下、記録磁界という)が、ピン層に対
応する第1磁性層31が磁化反転を起こす磁界より大き
い場合、記録磁界を印加したときには、第1磁性層31
も記録磁界の方向に磁化されるが、記録磁界を取り除け
ば、記録磁界を印加する前の状態に戻る。
【0015】次に、上述のようにして記録された情報を
再生する場合について、図13(c)(d)を用いて説
明する。 尚、図13(c)は、同図(a)に示した磁
界22で記録された情報を再生する場合を示し、図13
(d)は、同図(b)に示した磁界23で記録された情
報を再生する場合を示す。
【0016】上記磁界22又は磁界23により記録され
た情報を再生する場合には、読み出し線25に読み出し
電流を流しながら、書き込み線21にパルス電流(以
下、再生電流という)を一定の方向に流す。ここで、書
き込み線21に流れる再生電流によって発生する磁界2
4は、第2磁性層33の保磁力より大きいが、第1磁性
層31の磁化方向を反転させない。
【0017】図13(c)の場合、情報を記録したとき
の磁界22と再生電流によって発生した磁界24が、逆
方向になるため、再生電流を流したときに、第2磁性層
33の磁化方向が反転し、磁性薄膜メモリ素子であるM
R磁性層の抵抗値が小さくなる。その結果、読み出し電
流が流れている読み出し線25の出力側に電圧変動(電
圧の上昇)が生じる。一方、(d)の場合、情報を記録
したときの磁界23と再生電流によって発生した磁界2
4が、同一方向なので、再生電流を流したときに、第2
磁性層33の磁化方向が反転せず、磁性薄膜メモリ素子
であるMR磁性層の抵抗値も変化しない。従って、読み
出し電流が流れている読み出し線25の出力側にも電圧
変動が生じない。
【0018】つまり、再生電流を流したときに、電圧変
動が生じるか否かによって、磁化方向に対応させた情報
である「0」と「1」を判別することができる。
【0019】しかし、この方式では、GMRを用いてい
るので再生信号の出力が大きいが、情報を再生したとき
に第2磁性層(フリー層)が磁化反転を起こした場合、
記録されていた情報を破壊されるため、一度しか情報を
再生することができないという欠点があった。
【0020】又、Jpn.J.Appl.Phys.P
art2, 34, L415,(1995)には、ハ
ード層/非磁性層/ソフト層の誘導フェリ型構造を用い
たメモリ素子の例が示されている。この誘導フェリ型で
は、情報を記録するときに、書き込み線を流れる電流に
よって発生した磁界により、ハード層を磁界の方向に磁
化させ、ハード層の磁化方向に「0」と「1」を対応さ
せて情報を記録する。そして、再生時は、読み出し線に
一定の電流を流しながら、書き込み線に極性が変化する
(流れる方向が変化する)パルス電流を流し、この電流
によって発生した磁界により、ソフト層の磁化方向だけ
が、磁界の変化に従って変化する(このときハード層の
磁化方向は変化しない)。このとき、ハード層の磁化方
向によって素子の抵抗値は低抵抗から高抵抗又は高抵抗
から低抵抗へと変化し、この2つの変化の仕方により
「0」と「1」を対応させた第2磁性層の磁化方向を判
別している。
【0021】しかし、この方式では、情報の破壊するこ
となく再生をすることができるが、書き込み時の消費電
力が大きく、又、再生後に、第1磁性層の第2磁性層の
磁化方向が逆方向になった場合、その状態、つまり高抵
抗状態が維持されるため、情報再生に無関係な部分の消
費電力(読み出し電流を流したときに高抵抗が維持され
ているメモリ素子に於ける電力消費)も大きくなり、低
消費電力化が難しかった。
【0022】以上の問題を解決するべく、特開平6−3
02184号公報には、比較的低消費電力で、しかも再
生時に情報が破壊されない磁性薄膜メモリが示されてい
る。ここでは、MR磁性層として、2種類以上の保磁力
の異なった磁性層を、非磁性層を介して交互に積層した
多層膜を用いており、これら磁性層は互いに交換結合し
ている。この磁性薄膜メモリに於いては、記録時に、保
磁力の大きな磁性層も小さな磁性層もその磁化方向を記
録磁界の方向に向けるが、再生時には保磁力の小さな磁
性層だけが磁化方向を再生磁界の方向に向け、再生後
に、保磁力の弱い磁性層の磁化は、保磁力の大きな磁性
層からの交換結合力によって、保磁力の大きな磁性層の
磁化方向と同一の方向に戻るようになっている。しかし
ながら、この磁性薄膜メモリは、MR磁性層の構造が複
雑で工業化に向かず、低価格の磁性薄膜メモリを提供す
ることが難しい。
【0023】そこで、本発明は、構成が単純で、消費電
力が少なく、非破壊で情報を再生することができる磁性
薄膜メモリ素子及び磁性薄膜メモリを提供することを目
的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の磁性薄膜
メモリ素子は、第1磁性層、非磁性層、第2磁性層、第
3磁性層をこの順で積層した磁性薄膜メモリ素子に於い
て、第1磁性層及び第3磁性層の保磁力が、第2磁性層
の保磁力より大きく、第2磁性層と第3磁性層が交換結
合していることを特徴とするものである。
【0025】請求項2記載の磁性薄膜メモリは、磁化方
向として情報を記録する磁性薄膜メモリ素子、該磁性薄
膜メモリ素子の抵抗値の変化を検出するための読み出し
線、該磁性薄膜メモリ素子に磁界を印加するための書き
込み線を有する磁性薄膜メモリに於いて、前記磁性薄膜
メモリ素子が、第1磁性層、非磁性層、第2磁性層、第
3磁性層をこの順で積層した薄膜からなり、第1磁性層
及び第3磁性層の保磁力が、第2磁性層の保磁力より大
きく、第2磁性層と第3磁性層が交換結合していること
を特徴とするものである。
【0026】請求項3記載の磁性薄膜メモリは、請求項
2記載の磁性薄膜メモリに於いて、書き込み時に、磁性
薄膜メモリ素子に印可する磁界が、第3磁性層の保磁力
より大きく、第1磁性層の保磁力より小さい磁界であっ
て、読み出し時に、磁性薄膜メモリ素子に印可する磁界
が、積層した状態での第2磁性層の保磁力より大きく、
第3磁性層の保磁力より小さい磁界であることを特徴と
するものである。
【0027】請求項4記載の磁性薄膜メモリは、請求項
2記載の磁性薄膜メモリに於いて、書き込み時に、磁性
薄膜メモリ素子に印可する磁界が、第1磁性層及び第3
磁性層の保磁力より大きく、読み出し時に、磁性薄膜メ
モリ素子に印可する磁界が、積層した状態での第2磁性
層の保磁力より大きく、第1磁性層及び第3磁性層の保
磁力より小さい磁界であることを特徴とするものであ
る。
【0028】請求項5記載の磁性薄膜メモリ素子は、反
強磁性層、第1磁性層、非磁性層、第2磁性層、第3磁
性層をこの順で積層した磁性薄膜メモリ素子に於いて、
第3磁性層の保磁力が、第2磁性層の保磁力より大き
く、第2磁性層と第3磁性層が交換結合していることを
特徴とするものである。
【0029】請求項6記載の磁性薄膜メモリは、磁化方
向として情報を記録する磁性薄膜メモリ素子、該磁性薄
膜メモリ素子の抵抗値の変化を検出するための読み出し
線、該磁性薄膜メモリ素子に磁界を印加するための書き
込み線を有する磁性薄膜メモリに於いて、前記磁性薄膜
メモリ素子が、反強磁性層、第1磁性層、非磁性層、第
2磁性層、第3磁性層をこの順で積層した薄膜からな
り、第3磁性層の保磁力が、第2磁性層の保磁力より大
きく、第2磁性層と第3磁性層が交換結合していること
を特徴とするものである。
【0030】請求項7記載の磁性薄膜メモリは、請求項
6記載の磁性薄膜メモリに於いて、書き込み時に、磁性
薄膜メモリ素子に印可する磁界が、第3磁性層の保磁力
より大きく、読み出し時に、磁性薄膜メモリ素子に印可
する磁界が、積層した状態での第2磁性層の保磁力より
大きく、第3磁性層の保磁力より小さい磁界であること
を特徴とするものである。
【0031】上記に於いて、書き込み時(記録時)に、
磁性薄膜メモリ素子に印可する磁界とは、書き込み線を
流れる書き込み電流によって発生する磁界(記録磁界)
のことで、読み出し時(再生時)に、磁性薄膜メモリ素
子に印可する磁界とは、書き込み線を流れる再生電流に
よって発生する磁界(再生磁界)のことである。
【0032】
【作用】本発明の磁性薄膜メモリに於いては、メモリ素
子を構成するフリー層あるいはソフト層に対応する第2
磁性層及び第3磁性層は、保磁力の異なる互いに交換結
合した2種類の磁性層からなっているので、フリー層あ
るいはソフト層に情報を記録した場合(記録磁界が、第
1磁性層の保磁力より小さい場合)、再生時に、第2磁
性層だけを再生磁界の方向に磁化させ、再生後は、再生
磁界を取り除くことにより、第2磁性層の磁化方向を、
第3磁性層からの交換磁界によって再生前の磁化方向に
戻すことができる。従って,記録された情報を、非破壊
で再生することができる。
【0033】一方、ハード層に対応する第1磁性層とソ
フト層に対応する第3磁性層を同一の磁化方向に磁化さ
せ、その磁化方向として、情報を記録した場合(記録磁
界が、第1磁性層の保磁力より大きい場合)、再生時
に、第2磁性層だけを再生磁界の方向に磁化させ、再生
後は、再生磁界を取り除くことにより、再生時に磁化反
転を起こした第2磁性層の磁化方向を、第3磁性層から
の交換磁界によって第1磁性層及び第3磁性層と同一の
磁化方向に戻すことができる。従って、再生磁界を印加
しない状態に於ける磁性薄膜メモリ素子の抵抗値を、常
に低抵抗状態にすることができる。
【0034】
【実施例】図1(a)は本発明の磁性薄膜メモリの断面
図であり、基本的な磁性薄膜メモリの動作を説明するた
めに、メモリの最小単位である1セルを示したものであ
る。同図に於いては、基板5上に、MR磁性層1からな
る磁性薄膜メモリ素子、読み出し線2、及び絶縁層3を
介して書き込み線4が設けられ、磁性薄膜メモリを構成
している。ここで、基板11は、ガラス、表面酸化され
たSiウエハーなどの絶縁体が好ましい。
【0035】尚、本発明に於いては、磁性薄膜メモリ素
子を構成するMR磁性層が、スピンバルブ型、誘導フェ
リ型のいずれの構造を有するものであってもよい。
【0036】次に、磁性薄膜メモリ素子を構成するMR
磁性層について、図1(a)、(b)に示したMR磁性
層の断面図を用いて説明する。
【0037】(スピンバルブ型構造の場合)図1(b)
は、スピンバルブ型構造のMR磁性層を示したものであ
り、基板5の上に、第3磁性層15、第2磁性層14、
非磁性層13、第1磁性層12、反強磁性層11が、こ
の順で積層されている。ここで、第2磁性層14と第3
磁性層15は、両層一組でフリー層に対応し、第1磁性
層12がピン層に対応する。
【0038】尚、各層を積層する順番は、図1(b)と
は逆に、基板5の上に、反強磁性層11、第1磁性層1
2、非磁性層13、第2磁性層14、第3磁性層15の
順で積層してもよい。つまり、非磁性層13を介して設
けられるピン層とフリー層の順番が、基板側から、ピン
層、フリー層の順であっても、フリー層、ピン層の順で
あってもよい。
【0039】次に、上記各層に用いる材料について説明
する。反強磁性層11としては、FeMn、NiMn、
NiO、FeOなどのネール点が高く、かつ第1磁性層
12との交換結合力の大きい材料が好ましい。第1磁性
層12としては、NiFe、NiFeCo合金等を、用
いることができる。非磁性層13としては、伝導電子の
仮想束縛状態を実現し易く、磁性層とフェルミ面が近
く、大きなMR変化率が得られるCuが好ましい。第2
磁性層14としては、保磁力が5[Oe]以下の材料を用
いることが好ましく、保磁力が5[Oe]以下のNi80
Fe20やNi(FeCo100−x100−y
(50≦x≦90、0<y≦100)等を用いることが
でる。第2磁性層14と交換結合する第3磁性層15と
しては、保磁力が10〜30[Oe]程度の材料を用いる
ことが好ましく、保磁力が10〜30[Oe]のFe
100−x(0≦x≦50)、Ni(FeCo
100−x100−y(0≦x≦50、0<y≦2
0)等を用いることがでる。
【0040】尚、第2磁性層14と第3磁性層15につ
いては、第3磁性層15の保磁力が第2磁性層14より
大きければ、上述の材料以外の材料を用いてもよい。
又、必要に応じて第2磁性層14と第3磁性層15の間
に非磁性層を設けてもよい。ここで、第2磁性層14と
第3磁性層15の間に設ける非磁性層は、両層の交換結
合力をコントロールする層で、非磁性層13と同じ理由
でCuが用いることが好ましい。
【0041】又、MR磁性層の結晶性をあげるために、
基板5とMR磁性層の間に下地層を設けてもよい。この
下地層としては、Taなど高抵抗でかつ面心立方格子の
(111)面が優先配向するものが好ましい。
【0042】次に、上記各層の層厚について説明する。
反強磁性層11の厚みは、50Å以上2000Å以下で
あることが好ましい。反強磁性層11の厚みが薄すぎる
と、第1磁性層12への交換磁場が不十分になるからで
あり、逆に、厚すぎても実質的な効果は、向上しないか
らである。
【0043】又、第1磁性層12、第2磁性層14、第
3磁性層15の各磁性層の厚みは20Å以上200Å以
下が好ましい。磁性層の厚みが20Åよりも薄くなると
耐熱性と耐加工性が劣化するからであり、200Åより
厚くなっても実質的なMR変化率は、向上しないからで
ある。又、MR磁性層が厚くなると、電流を多く流す必
要が生じ、消費電力が大きくなる。
【0044】又、非磁性層13の厚みは、10Å以上1
00Å以下であることが好ましい。非磁性層の厚みが薄
すぎると第1磁性層12と第2磁性層14の交換結合が
大きくなりすぎるからであり、逆に、厚くなりすぎる
と、この層の内部のみを流れる伝導電子の割合が多くな
ってしまい、MR変化率が小さくなるからである。
【0045】又、第2磁性層14と第3磁性層15の間
に交換結合力を制御するための非磁性層を設ける場合に
は、この非磁性層の厚みは、50Å以下が望ましい。こ
れ以上厚くなると交換結合力が小さくなりすぎてしまう
からである。
【0046】又、基板5とMR磁性層の間に下地層を設
ける場合には、この下地層の厚みは、は30Å以上50
0Å以下であることが好ましい。下地層の厚みが、30
Åより薄くなると結晶性の向上という効果が得られず、
逆に、500Åより厚くしても、その効果が頭打ちにな
るからである。
【0047】(誘導フェリ型構造の場合)図1(c)
は、誘導フェリ型構造のMR磁性層を示したものであ
り、基板5の上に、第3磁性層19、第2磁性層18、
非磁性層17、第1磁性層16が、この順で積層されて
いる。ここで、第2磁性層18と第3磁性層19は、両
層一組でソフト層に対応し、第1磁性層16は、ハード
層に対応する。
【0048】尚、各層を積層する順番は、図1(c)と
は逆に、基板5の上に、第1磁性層16、非磁性層1
7、第2磁性層18、第3磁性層19の順で積層しても
よい。つまり、非磁性層17を介して設けられるソフト
層とハード層の順番が、基板側から、ソフト層、ハード
層の順であっても、ハード層、ソフト層の順であっても
よい。
【0049】次に、上記各層に用いる材料について説明
する。第1磁性層16の材料は、特に限定されるもので
はないが、保磁力が10[Oe]以上のCo、PtCO合
金、又はFeCo100−x(0≦x≦50)、Ni
(FeCo100−x100−y(0≦x≦5
0、0<y≦20)等を用いることができる。ここで、
第1磁性層16に情報を記録する場合は、第1磁性層1
6の保磁力は、第3磁性層19の保磁力と同程度するこ
とが好ましい。非磁性層17としては、伝導電子の仮想
束縛状態を実現し易く、磁性層とフェルミ面が近く、大
きなMR変化率が得られるCuが好ましい。第2磁性層
18としては、保磁力が5[Oe]以下の材料を用いるこ
とが好ましく、保磁力が5[Oe]以下のNi0Fe
20やNiy(FeCo100−x100−y(5
0≦x≦90、0<y≦100)等を用いることがで
る。第2磁性層18と交換結合する第3磁性層19とし
ては、保磁力が10〜30[Oe]程度の材料を用いるこ
とが好ましく、保磁力が10〜30[Oe]のFeCo
100−x(0≦x≦50)、Ni(FeCo
100−x100−y(0≦x≦50、0<y≦2
0)等を用いることがでる。
【0050】尚、第2磁性層18と第3磁性層19につ
いては、第3磁性層19の保磁力が第2磁性層18より
大きければ、上述の材料以外の材料を用いてもよい。
又、必要に応じて第2磁性層18と第3磁性層19の間
に非磁性層を設けてもよい。ここで、第2磁性層18と
第3磁性層19の間に設ける非磁性層は、両層の交換結
合力をコントロールする層で、非磁性層17と同じ理由
でCuを用いることが好ましい。
【0051】又、MR磁性層の結晶性をあげるために、
基板5とMR磁性層の間に下地層を設けてもよい。この
下地層としては、Taなど高抵抗でかつ面心立方格子の
(111)面が配向するものが好ましい。
【0052】次に、上記各層の層厚について説明する。
第1磁性層16、第2磁性層18、第3磁性層19の各
磁性層の厚みは20Å以上200Å以下が好ましい。磁
性層の厚みが20Åよりも薄くなると耐熱性と耐加工性
が劣化するからであり、200Åより厚くなっても実質
的なMR変化率は、向上しないからである。又、MR磁
性層が厚くなると、電流を多く流す必要が生じ、消費電
力が大きくなる。
【0053】又、非磁性層17の厚みは、10Å以上1
00Å以下であることが好ましい。非磁性層の厚みが薄
すぎると第1磁性層16と第2磁性層17の交換結合が
大きくなりすぎるからであり、逆に、厚くなりすぎる
と、この層の内部のみを流れる伝導電子の割合が多くな
ってしまい、MR変化率が小さくなるからである。
【0054】又、第2磁性層18と第3磁性層19の間
に交換結合力を制御するための非磁性層を設ける場合に
は、この非磁性層の厚みは、50Å以下が望ましい。こ
れ以上厚くなると交換結合力が小さくなりすぎてしまう
からである。
【0055】又、基板5とMR磁性層の間に下地層を設
ける場合には、この下地層の厚みは、は30Å以上50
0Å以下であることが好ましい。下地層の厚みが、30
Åより薄くなると結晶性の向上という効果が得られず、
逆に、500Åより厚くしても、その効果が頭打ちにな
るからである。
【0056】(記録再生方法について)次に、本発明の
磁性薄膜メモリの記録再生方法について説明する。
【0057】まず、1素子の磁性薄膜メモリ素子に対し
て情報を記録する場合について、図2(a)(b)を用
いて説明する。図2(a)(b)は、スピンバルブ型の
磁性薄膜メモリ素子に情報を記録する場合(フリー層に
記録する場合)を示し、21は書き込み線で、31はピ
ン層に対応する第1磁性層で、32は非磁性層で、3
3、34はフリー層に対応する第2磁性層と第3磁性層
である。ここで、第1磁性層31、第2磁性層33及び
第3磁性層34の磁化容易軸は全て平行で、これらの磁
化容易軸は書き込み線21と直交する方向に設定されて
いる。又、22、23は、書き込み線21を流れる書き
込み電流によって発生する磁界であり、その磁界の方向
は、書き込み線21を流れる書き込み電流の方向によっ
て決まる。かかる書き込み電流によって発生する、磁界
22又は磁界23によって、フリー層に対応する第2磁
性層33及び第3磁性層34の磁化方向が磁界の方向設
定され、その磁化方向に2値の「0」、「1」を対応さ
せることによって、情報を記録している 図2(a)に於いては、書き込み線21を流れる書き込
み電流によって発生した磁界(紙面上で時計回りの磁
界)22で、第2磁性層33及び第3磁性層34を、第
1磁性層31の磁化方向と逆の方向(紙面上で左方向)
に磁化させている。一方、(b)に於いては、書き込み
線21を流れる書き込み電流によって発生した磁界(紙
面上で反時計回りの磁界)23で、第2磁性層33及び
第3磁性層34を、第1磁性層31の磁化方向と同一の
方向(紙面上で右方向)に磁化させている。ここで、書
き込み線21を流れる書き込み電流によって発生する磁
界は、フリー層に対応する第2磁性層33及び第3磁性
層34の保磁力よりも大きくする。尚、磁界22又は磁
界23を印加したときに、ピン層に対応する第1磁性層
31が磁化反転を起こしても、磁界を取り除けば磁界を
印加する前の状態に戻るので、第1磁性層の磁化方向
は、記録磁界(磁界22又は磁界23)により反転して
もよい。
【0058】次に、上述のようにして記録された情報を
再生する場合について、図2(c)(d)を用いて説明
する。尚、図2(c)は、同図(a)に示した磁界22
で記録された情報を再生する場合を示し、図2(d)
は、同図(b)に示した磁界23で記録された情報を再
生する場合を示す。
【0059】上記磁界22又は磁界23により記録され
た情報を再生する場合には、読み出し線25に読み出し
電流を流しながら、書き込み線21に書き込み電流より
も小さいパルス電流(以下、再生電流という)を一定の
方向に流す。ここで、書き込み線21に流れる再生電流
によって発生する磁界24は、第2磁性層33の保磁力
より大きく、第3磁性層34の保磁力より小さくなるよ
うにする。又、再生磁界である磁界24の方向は、第1
磁性層の磁化方向と同一方向でも逆方向でもよいが、磁
界24を印加したときに、第1磁性層の磁化方向が反転
しない強度に設定する。
【0060】尚、再生電流を流す方向は、紙面上で時計
回りの磁界が発生する方向に設定しても、反時計回りの
磁界が発生する方向に設定してもよいが、図2(c)、
(d)に於いては、反時計回りの磁界24が発生する方
向に設定されている。
【0061】図2(c)の場合、情報を記録したときの
磁界22と再生電流によって発生した磁界24が、逆方
向になるため、再生電流を流したときに、第2磁性層3
3の磁化方向が反転し、磁性薄膜メモリ素子であるMR
磁性層の抵抗値が小さくなる。その結果、読み出し電流
が流れている読み出し線25の出力側に電圧変動(電圧
の上昇)が生じる。一方、(d)の場合、情報を記録し
たときの磁界23と再生電流によって発生した磁界24
が、同一方向なので、再生電流を流したときに、第2磁
性層33の磁化方向が反転せず、磁性薄膜メモリ素子で
あるMR磁性層の抵抗値も変化しない。従って、読み出
し電流が流れている読み出し線25の出力側にも電圧変
動が生じない。
【0062】ここで、書き込み線21を流れる再生電流
と読み出し線25の出力側の電圧の関係を、図3に示し
た。図3(a)に示した再生電流を流したときに、第2
磁性層33の磁化方向が反転した場合は、(b)に示し
たように読み出し線25の出力側に電圧変動が発生し、
第2磁性層33の磁化方向が反転しない場合は、(c)
に示したように読み出し線25の出力側に電圧変動が発
生しない。
【0063】尚、図2(c)、(d)に於いて、再生電
流を、時計回りの磁界が発生する方向に設定した場合、
(c)では、第2磁性層33の磁化方向が反転せず、磁
性薄膜メモリ素子であるMR磁性層の抵抗値も変化しな
いが、(d)では、第2磁性層33の磁化方向が反転
し、磁性薄膜メモリ素子であるMR磁性層の抵抗値が大
きくなる。従って、(d)の場合だけ、読み出し線25
に電圧変動(電圧の降下)が生じる。
【0064】つまり、再生電流を流す方向が一定であれ
ば、第2磁性層33の磁化方向が、いずれか一方のとき
だけ電圧変動が生じ、その逆方向に磁化しているときは
電圧変動が生じないので、第2磁性層33の磁化方向
は、電圧変動の有無として判断することができる。
【0065】上述のように、情報を記録するときには、
フリー層の磁化方向に「0」、「1」を対応させ、書き
込む情報に応じた方向の書き込み電流を書き込み線21
に流すことにより、情報を記録し(フリー層の磁化方向
を設定し)、記録した情報を再生するときには、読み出
し電流を読み出し線25に流しながら、書き込み線21
に再生電流を流し、そのときの読み出し線25に於ける
電圧変動の有無を検出することにより、記録した情報を
再生することができる。
【0066】又、本発明の磁性薄膜メモリ素子に於いて
は、再生時、つまり、書き込み線21に再生電流を流し
た時に、第2磁性層33の磁化方向が反転した場合、再
生後、つまり、再生電流を切り再生電流による磁界の印
加を止めると、反転した第2磁性層33の磁化方向は、
第3磁性層34からの交換磁場によって、再生前の状態
に戻る。従って、本発明の磁性薄膜メモリ素子を用いれ
ば、記録した情報を破壊すること無く、記録した情報の
再生を行うことができる。
【0067】次に、誘導フェリ型の磁性薄膜メモリ素子
に対して記録を行う場合(ハード層に記録する場合)に
ついて、図4、図5を用いて説明する。図4に示した誘
導フェリ型の磁性薄膜メモリ素子では、第1磁性層31
はハード層に対応し、第2磁性層33と第3磁性層34
はソフト層に対応する。ここで、第1磁性層31、第2
磁性層33及び第3磁性層34の磁化容易軸は、スピン
バルブ型の場合と同様に、全て平行で、書き込み線21
と直交する方向に設定されている。
【0068】誘導フェリ型の磁性薄膜メモリ素子の場
合、書き込み線21を流れる書き込み電流によって発生
する、磁界22又は磁界23によって、ハード層に対応
する第1磁性層31の磁化方向が磁界の方向に設定さ
れ、その磁化方向に2値の「0」、「1」を割り当てて
いる。
【0069】図4(a)に於いては、書き込み線21を
流れる書き込み電流によって発生した磁界(紙面上で時
計回りの磁界)22で、第1磁性層31を、磁界22の
方向(紙面上で左方向)に磁化させている。一方、
(b)に於いては、書き込み線21を流れる書き込み電
流によって発生した磁界(紙面上で反時計回りの磁界)
23で、第1磁性層31を、磁界23の方向(紙面上で
右方向)に磁化させている。
【0070】尚、書き込み線21を流れる書き込み電流
によって発生する磁界は、ハード層に対応する第1磁性
層31の保磁力よりも大きいため、ソフト層に対応する
第2磁性層33と第3磁性層34も磁界の方向に磁化さ
れる。
【0071】次に、上述のようにして記録された情報を
再生する場合について、図5を用いて説明する。尚、図
5(a)、(b)は、図4(a)に示した磁界22で記
録された情報を再生する場合を示し、(c)、(d)
は、図4(b)に示した磁界23で記録された情報を再
生する場合を示す。
【0072】上記磁界22又は磁界23により記録され
た情報を再生する場合には、読み出し線25に読み出し
電流を流しながら、書き込み線21に書き込み電流より
も小さく、時分割で流れる方向が切り替わる電流(以
下、再生変化電流という)を流す。ここで、書き込み線
21に流れる再生変化電流によって発生する磁界24a
と磁界24bは、第2磁性層33の保磁力より大きく、
第3磁性層34の保磁力より小さくなるようにする。
【0073】図5(a)、(b)の場合、磁界24aが
印加されているときは、第1磁性層31の磁化方向と第
2磁性層33の磁化方向が逆方向になるので、磁性薄膜
メモリ素子であるMR磁性層の抵抗値が大きくなる。一
方、磁界24bが印加されているときは、第1磁性層3
1の磁化方向と第2磁性層33の磁化方向が同一方向に
なるので、磁性薄膜メモリ素子であるMR磁性層の抵抗
値が小さくなる。従って、磁界が、磁界24aから磁界
24bに変化するときに、MR磁性層の抵抗が、高抵抗
から低抵抗に変化する。その結果、磁界の変化時に、読
み出し電流が流れている読み出し線25の出力側の電圧
が上昇する。
【0074】図5(c)、(d)の場合、磁界24aが
印加されているときは、第1磁性層31の磁化方向と第
2磁性層33の磁化方向が同一方向になるので、磁性薄
膜メモリ素子であるMR磁性層の抵抗値が小さくなる。
一方、磁界24bが印加されているときは、第1磁性層
31の磁化方向と第2磁性層33の磁化方向が逆方向に
なるので、磁性薄膜メモリ素子であるMR磁性層の抵抗
値が大きくなる。従って、磁界が、磁界24aから磁界
24bに変化するときに、MR磁性層の抵抗が、低抵抗
から高抵抗に変化する。その結果、磁界の変化時に、読
み出し電流が流れている読み出し線25の出力側の電圧
が降下する。
【0075】ここで、書き込み線21を流れる再生変化
電流と読み出し線25の出力側の電圧の関係を、図6に
示した。図6(a)に示した再生変化電流を流したとき
に、第1磁性層31の磁化方向に応じて、電流の方向が
変化した時に、読み出し線25の出力側の電圧が上昇
((b))、又は、降下((c))する。従って、再生
変化電流に於いて、電流の方向が変化した時に、読み出
し線25の出力側の電圧が上昇するか、又は、降下する
かを検出することにより、第1磁性層31の磁化方向を
判断することができる。
【0076】上述のように、情報を記録するときには、
ハード層の磁化方向に「0」、「1」を割り当て、書き
込む情報に応じた方向の書き込み電流を書き込み線21
に流すことにより、情報を記録し(ハード層の磁化方向
を設定し)、記録した情報を再生するときには、読み出
し電流を読み出し線25に流しながら、書き込み線21
に再生変化電流を流し、そのときの読み出し線25に於
ける電圧の上昇又は降下を検出することにより、記録し
た情報を再生することができる。尚、再生変化電流は、
磁界24b、磁界24aの順で磁界が変化するように設
定してもよい。
【0077】又、本発明の磁性薄膜メモリ素子に於いて
は、再生後、つまり、再生変化電流を切り再生変化電流
による磁界の印加を止めると、第2磁性層33の磁化方
向は、第3磁性層34からの交換磁場によって、第3磁
性層34の磁化方向、つまり、第1磁性層の磁化方向と
同一の方向に戻る。従って、本発明の磁性薄膜メモリ素
子は、磁界を印加していない状態では、低抵抗になるの
で、メモリを構成した場合に、発熱及び発熱によるパワ
ーロスを少なくすることができる。
【0078】次に、マトリックス状に配列された磁性薄
膜メモリ素子に、情報書き込む場合について説明する。
【0079】図7は、磁性薄膜メモリの平面図(a)と
そのAA’断面図(b)を示し、書き込み線51、5
2、53と書き込み補助線61、62、63が直交する
部分に、磁性薄膜メモリ素子であるMR磁性膜がマトリ
ックス状に配列されている。ここで、磁性薄膜メモリ素
子は、読み出し補助線方向に直列に接続され、読み出し
線を形成している。例えば、AA’断面に示した部分で
は、磁性薄膜メモリ素子41、42、43が直列に接続
された部分が、読み出し線2になる。
【0080】このように、磁性薄膜メモリ素子がマトリ
ックス状に配列されている場合に、書き込み線に、磁性
薄膜メモリ素子の第2磁性層の磁化方向を変化させるの
に十分な書き込み電流を流した場合、書き込み電流を流
した書き込み線に沿って配列された磁性薄膜メモリの第
1磁性層及び第2磁性層は、全て書き込み電流により発
生した磁界の方向に磁化されてしまう。つまり、書き込
み電流を流した書き込み線に沿って配列された磁性薄膜
メモリには、全て書き込みが行われる。従って、磁性薄
膜メモリ素子をマトリックス状に配列した場合には、1
本の書き込み線を流れる電流だけでは、磁性薄膜メモリ
素子の一部の素子の磁化方向だけを所望の磁化方向に向
かせること、つまり、一部の素子だけに情報を書き込む
ことができない。
【0081】ここで、書き込み線と書き込み補助線の双
方に電流を流すことにより、マトリックス状に配列され
た磁性薄膜メモリ素子の一部の素子だけに情報を記録す
る場合について、図8、図9を参照して説明する。
【0082】図8(a)に於いて、Iw1は書き込み線
50を流れる書き込み電流を示し、Iwは書き込み補助
線60を流れる書き込み補助電流を示す。そして、Hw
1は、書き込み電流Iw1により発生した書き込み磁界
を示し、Hwは、書き込み補助電流Iwにより発生した
書き込み補助磁界を示す。ここで、第3磁性層(フリー
層)に情報を記録するメモリ素子の場合、書き込み磁界
Hw1及び書き込み補助磁界Hwは、共に磁性薄膜メモ
リ素子の第3磁性層の保持力より小さいため、一方の磁
界だけでは、第3磁性層の磁化方向を変えることができ
ない。しかし、書き込み磁界Hw1と書き込み補助磁界
Hwの合成磁界H1は、第3磁性層の保持力より大きい
ため、書き込み電流Iw1と書き込み補助電流Iwの双
方を流した場合には、第3磁性層の磁化方向を変えるこ
と、つまり情報を記録することができる。尚、第2磁性
層も第3磁性層の磁化方向と同一方向に磁化する。
【0083】図8(b)は、書き込み磁界Hw1、書き
込み補助磁界Hw、合成磁界H1及び第3磁性層40の
磁化容易軸40aを示す。ここで、合成磁界H1は、第
2磁性層2の保持力より大きいため、第3磁性層40
は、合成磁界H1により磁化され、その磁化方向B1
は、合成磁界H1の磁化容易軸40aに平行な成分の方
向になる。尚、書き込み電流Iw1により発生する書き
込み磁界Hw1は、第3磁性層40の磁化容易軸40a
にほぼ平行で、書き込み補助電流Iwにより発生する書
き込み補助磁界Hwは、第3磁性層40の磁化容易軸4
0aにほぼ垂直なので、磁化方向B1は、書き込み磁界
Hw1つまり書き込み電流Iw1により決まる。
【0084】図9(a)は、図8の書き込み電流Iw1
と逆の方向に書き込み電流Iw2を流している。従っ
て、発生する書き込み磁界Hw2の方向も図8の書き込
み磁界Hw1と逆の方向になる。従って、(b)に示し
たように第3磁性体40の磁化方向B2も図8の磁化方
向B1と逆の方向になる。
【0085】上述のように、マトリックス状に、磁性薄
膜メモリ素子を配列した場合には、情報を記録したい磁
性薄膜メモリ素子の部分を通る書き込み線及び書き込み
補助線だけに電流を流すことにより、その部分の磁性薄
膜メモリ素子だけに情報を記録することができる。又、
磁性薄膜メモリ素子の磁化方向として記録される情報
(「0」又は「1」)は、書き込み線を流れる電流の方
向により、自由に設定することができる。
【0086】又、ハード層(第1磁性層)に情報を記録
する場合も、書き込み電流及び書き込み補助電流の大き
さを調整することにより、上記と同様に、情報を記録す
ることができる。
【0087】一方、マトリックス状に配列された磁性薄
膜メモリ素子に、書き込まれた情報を読み出す場合に
は、読み出したい磁性薄膜メモリ素子が接続された読み
出し線に読み出し電流を流すと共に、その磁性薄膜メモ
リ素子の部分を通る書き込み線に再生電流又は再生変化
電流を流すことにより、1素子の場合と同様に記録され
た情報を再生することができる。
【0088】尚、上記説明では、書き込み線及び書き込
み補助線に電流を流し、情報を記録したが、書き込み補
助線を設けず、書き込み補助線の代わり読み出し線に電
流を流しても、情報を記録することができる。
【0089】(実施例1)本実施例は、磁性薄膜メモリ
素子がスピンバルブ型構造のMR磁性層(図1(a)、
(b)参照)である場合の磁性薄膜メモリの例である。
【0090】本実施例に於いては、Ni80Fe15
からなる層厚50Åの第3磁性層15、Ni80
20からなる層厚50Åの第2磁性層14、Cuから
なる層厚30Åの非磁性層13、Ni80Fe20から
なる層厚100Åの第1磁性層12、FeMnからなる
層厚200Åの反強磁性層11を積層し磁性薄膜メモリ
素子を形成し、Alからなる層厚1000Åの絶
縁層3で被膜した後、大きさ5μm×20μmに加工
し、1素子の磁性薄膜メモリ素子を作製した。更に、読
み出し電極2、絶縁層3、書き込み線4を順次積層、加
工し、磁性薄膜メモリを作製した。
【0091】尚、上記磁性薄膜メモリ素子は、各磁性層
の磁化容易軸が素子長手方向に向くように、磁場を印加
しながら形成され、書き込み線は、磁化容易軸と直交す
る方向に配線されている。又、上記磁性薄膜メモリ素子
は、DCスパッタ法により以下に示す成膜条件で形成
し、絶縁層はRFスパッタ法で形成した。
【0092】 到達圧力 5×10−5 Pa Arガス 10 SCCM 成膜圧力 0.5 Pa 投入パワ− 100 W 成膜レ−ト 0.5 nm/sec 又、上記磁性薄膜メモリ素子は、真空蒸着法、分子線エ
ピタキシー(MBE)法、イオンビームスパッタリング
(IBS)法により形成してもよい。
【0093】図10はこの磁性薄膜メモリ素子の±30
[Oe]の磁化曲線を示す。尚、この磁場範囲では、第1
磁性層は磁化反転を起こさない。第3磁性層16からの
交換磁場のため第2磁性層17のヒステリシスループが
シフトしているのがわかる。また、同図から第2磁性層
の保磁力は約3Oe、第3磁性層の保磁力は約20Oe
であることがわかる。
【0094】以下、磁化曲線上のP1〜P10の順で、
第2磁性層及び第3磁性層の磁化方向の変化を説明す
る。
【0095】P1〜P3:第2磁性層及び第3磁性層の
磁化方向(以下、P1に於ける第2磁性層及び第3磁性
層の磁化方向を順方向とする)と逆の方向に磁界を印可
し、その磁界を大きくしていくと、約8[Oe]で、まず
第2磁性層だけが、磁化反転を起こす(P2、P3)。
従って、P3に於いては、第2磁性層の磁化方向は、逆
方向を向き、第3磁性層の磁化方向は順方向を向いてい
る。尚、第2磁性層だけの保磁力は3[Oe]であるが、
第3磁性層からの交換磁場のため、積層した状態では、
第2磁性層は約8[Oe]まで、磁化反転を起こさない。
【0096】P3〜P5:第2磁性層が磁化反転を起こ
した後、更に磁界を大きくしていくと、約20[Oe]
で、第3磁性層も磁化反転を起こす(P4、P5)。従
って、P5に於いては、第2磁性層の磁化方向も、第3
磁性層の磁化方向も逆方向を向いている。尚、P3から
P4の間、つまり、第3磁性層が磁化反転を起こす前に
印加磁界を取り去ると、第2磁性層の磁化方向は、第3
磁性層との交換結合力により、第3磁性層の磁化方向、
つまり、順方向に戻る。
【0097】P5〜P8:第2磁性層及び第3磁性層が
磁化反転を起こした後、逆方向の磁界を取り去り、順方
向の磁界を印加し、その磁界を大きくしていくと、約8
[Oe]で、まず第2磁性層だけが、磁化反転を起こす
(P7、P8)。従って、P8に於いては、第2磁性層
の磁化方向は、順方向を向き、第3磁性層の磁化方向は
逆方向を向いている。尚、第3磁性層からの交換磁場の
ため、第2磁性層は約8[Oe]まで、磁化反転を起こさ
ない。
【0098】P8〜P10:第2磁性層が磁化反転を起
こした後、更に順方向の磁界を大きくしていくと、約2
0[Oe]で、第3磁性層も磁化反転を起こす(P9、P
10)。従って、P10に於いては、第2磁性層の磁化
方向も、第3磁性層の磁化方向も順方向を向いている。
尚、P8からP9の間、つまり、第3磁性層が磁化反転
を起こす前に印加磁界を取り去ると、第2磁性層の磁化
方向は、第3磁性層との交換結合力により、第3磁性層
の磁化方向、つまり、逆方向に戻る。
【0099】上記説明からもわかるように、再生電流に
よって生じる磁界が、8[Oe]より大きく、20[Oe]
より小さい磁界、つまり、積層した状態で、第2磁性層
が磁化反転を起こす磁界よりも強く、第3磁性層が磁化
反転を起こす磁界よりも弱い磁界であれば、非破棄で情
報を再生することができる。
【0100】ここで、書き込み線に30mAの書き込み
電流を流し、第2磁性層及び第3磁性層を順方向に磁化
させた後、順方向の磁界が生じる10mAの再生電流を
書き込み線に流すと、読み出し線に電圧変動が生じなか
った。
【0101】次に、書き込み線に上記と逆の方向に30
mAの書き込み電流を流し、第2磁性層及び第3磁性層
を逆方向に磁化させた後、順方向の磁界が生じる10m
Aの再生電流を書き込み線に流すと、第2磁性層だけが
磁化反転を起こし、読み出し線に15mVの電圧変動が
生じた。
【0102】又、複数回、再生を行っても、同様の結果
が得られ、非破壊で情報を再生できることが確認でき
た。
【0103】(実施例2)本実施例は、磁性薄膜メモリ
素子が誘導フェリ型構造のMR磁性層(図1(a)、
(c)参照)である場合の磁性薄膜メモリの例である。
【0104】本実施例に於いては、Ni80Fe15
からなる層厚50Åの第3磁性層19、Ni80
20からなる層厚50Åの第2磁性層18、Cuから
なる層厚30Åの非磁性層17、、Ni80Fe15
からなる層厚50Åの第1磁性層16、Al
からなる層厚1000Åの絶縁層3を積層した後、大き
さ5μm×20μmに加工し、1素子の磁性薄膜メモリ
素子を作製した。更に、読み出し電極2、絶縁層3、書
き込み線4を順次積層、加工し、磁性薄膜メモリを作製
した。
【0105】尚、上記磁性薄膜メモリ素子は、各磁性層
の磁化容易軸が素子長手方向に向くように、磁場を印加
しながら形成され、書き込み線は、磁化容易軸と直交す
る方向に配線されている。又、上記磁性薄膜メモリ素子
は、DCスパッタ法により実施例1と同様の成膜条件で
形成した。
【0106】又、第1磁性層と第3磁性層の保磁力は、
共に20[Oe]程度にし、第2磁性層の磁化反転は、積
層した状態で、約8[Oe]の磁界を印加したときに起こ
った。
【0107】ここで、書き込み線に30mAの書き込み
電流を流し、第1磁性層、第2磁性層及び第3磁性層を
順方向に磁化させた後、順方向の磁界が生じる10mA
の再生電流を書き込み線に流すと、読み出し線に電圧変
動が生じなかった。
【0108】次に、書き込み線に上記と逆の方向に30
mAの書き込み電流を流し、第1磁性層、第2磁性層及
び第3磁性層を逆方向に磁化させた後、順方向の磁界が
生じる10mAの再生電流を書き込み線に流すと、第2
磁性層だけが磁化反転を起こし、読み出し線に18mV
の電圧変動が生じた。
【0109】又、再生電流を流さない状態では、磁性薄
膜メモリ素子が常に低抵抗状態になっていることが確認
できた。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁性薄膜
メモリは、スピンバルブ型のフリー層、あるいは誘導フ
ェリ型のソフト層に情報を記録した場合に、記録した情
報を非破壊で再生することができる。又、書き込み電流
を小さくし、書き込み時の消費電力を小さくすることが
できる。
【0111】又、構造が単純なので、製造が容易で、低
価格の磁性薄膜メモリ素子を提供することができる。
【0112】一方、誘導フェリ型のソフト層に情報を記
録した場合には、磁界を印加しない状態では、磁性薄膜
メモリ素子が常に低抵抗になるので、読み出し電流を流
したときに、再生電流又は再生変化電流による磁界を印
加していない磁性薄膜メモリ素子、つまり、再生を行っ
ていない素子における、無駄な電力消費や発熱を抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁性薄膜メモリとメモリ素子を
示す断面図である。
【図2】磁性薄膜メモリ素子のフリー層又はソフト層に
情報を記録する記録再生方式を示す説明図である。
【図3】書き込み線に流す再生電流と読み出し線の出力
側の電圧を示す、波形図である。
【図4】磁性薄膜メモリ素子のハード層に情報を記録す
る場合の記録方式を示す説明図である。
【図5】磁性薄膜メモリ素子のはハード層に情報を記録
した場合の再生方式を示す説明図である。
【図6】書き込み線に流す再生変化電流と読み出し線の
出力側の電圧を示す、波形図である。
【図7】本発明にかかる磁性薄膜メモリを示す平面図と
断面図である。
【図8】マットリックス状に配列された磁性薄膜メモリ
素子に情報の記録する場合を示す説明図である。
【図9】マットリックス状に配列された磁性薄膜メモリ
素子に情報の記録する場合を示す説明図である。
【図10】本発明にかかる磁性薄膜メモリ素子の磁化曲
線を示すグラフである。
【図11】従来のAMRを用いた磁性薄膜メモリを示す
斜視図である。
【図12】従来のGMRを用いた磁性薄膜メモリを示す
断面図である。
【図13】従来のGMRを用いた磁性薄膜メモリの記録
再生方式を示す説明図である。
【符号の説明】
1 MR磁性層 2 読み出し線 3 絶縁層 4 書き込み線 5 基板 11 反強磁性層 12 第1磁性層(ピン層) 13 非磁性層 14 第2磁性層(フリー層) 15 第3磁性層(フリー層) 16 第1磁性層(ハード層) 17 非磁性層 18 第2磁性層(ソフト層) 19 第3磁性層(ソフト層) 22、23 磁界(記録磁界) 24、24a、24b 磁界(再生磁界)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 悟 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 篠浦 治 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1磁性層、非磁性層、第2磁性層、第
    3磁性層をこの順で積層した磁性薄膜メモリ素子に於い
    て、第1磁性層及び第3磁性層の保磁力が、第2磁性層
    の保磁力より大きく、第2磁性層と第3磁性層が交換結
    合していることを特徴とする磁性薄膜メモリ素子。
  2. 【請求項2】 磁化方向として情報を記録する磁性薄膜
    メモリ素子、該磁性薄膜メモリ素子の抵抗値の変化を検
    出するための読み出し線、該磁性薄膜メモリ素子に磁界
    を印加するための書き込み線を有する磁性薄膜メモリに
    於いて、前記磁性薄膜メモリ素子が、第1磁性層、非磁
    性層、第2磁性層、第3磁性層をこの順で積層した薄膜
    からなり、第1磁性層及び第3磁性層の保磁力が、第2
    磁性層の保磁力より大きく、第2磁性層と第3磁性層が
    交換結合していることを特徴とする磁性薄膜メモリ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁性薄膜メモリに於い
    て、書き込み時に、磁性薄膜メモリ素子に印可する磁界
    が、第3磁性層の保磁力より大きく、第1磁性層の保磁
    力より小さい磁界であって、読み出し時に、磁性薄膜メ
    モリ素子に印可する磁界が、積層した状態での第2磁性
    層の保磁力より大きく、第3磁性層の保磁力より小さい
    磁界であることを特徴とする磁性薄膜メモリ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の磁性薄膜メモリに於い
    て、書き込み時に、磁性薄膜メモリ素子に印可する磁界
    が、第1磁性層及び第3磁性層の保磁力より大きく、読
    み出し時に、磁性薄膜メモリ素子に印可する磁界が、積
    層した状態での第2磁性層の保磁力より大きく、第1磁
    性層及び第3磁性層の保磁力より小さい磁界であること
    を特徴とする磁性薄膜メモリ。
  5. 【請求項5】 反強磁性層、第1磁性層、非磁性層、第
    2磁性層、第3磁性層をこの順で積層した磁性薄膜メモ
    リ素子に於いて、第3磁性層の保磁力が、第2磁性層の
    保磁力より大きく、第2磁性層と第3磁性層が交換結合
    していることを特徴とする磁性薄膜メモリ素子。
  6. 【請求項6】 磁化方向として情報を記録する磁性薄膜
    メモリ素子、該磁性薄膜メモリ素子の抵抗値の変化を検
    出するための読み出し線、該磁性薄膜メモリ素子に磁界
    を印加するための書き込み線を有する磁性薄膜メモリに
    於いて、前記磁性薄膜メモリ素子が、反強磁性層、第1
    磁性層、非磁性層、第2磁性層、第3磁性層をこの順で
    積層した薄膜からなり、第3磁性層の保磁力が、第2磁
    性層の保磁力より大きく、第2磁性層と第3磁性層が交
    換結合していることを特徴とする磁性薄膜メモリ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁性薄膜メモリに於い
    て、書き込み時に、磁性薄膜メモリ素子に印可する磁界
    が、第3磁性層の保磁力より大きく、読み出し時に、磁
    性薄膜メモリ素子に印可する磁界が、積層した状態での
    第2磁性層の保磁力より大きく、第3磁性層の保磁力よ
    り小さい磁界であることを特徴とする磁性薄膜メモリ。
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JP2004504715A (ja) * 2000-07-18 2004-02-12 マイクロン テクノロジー インコーポレイテッド 書込み選択性増大のためのmramアーキテクチャ

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