JPH0990618A - 感光記録媒体 - Google Patents

感光記録媒体

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JPH0990618A
JPH0990618A JP7241553A JP24155395A JPH0990618A JP H0990618 A JPH0990618 A JP H0990618A JP 7241553 A JP7241553 A JP 7241553A JP 24155395 A JP24155395 A JP 24155395A JP H0990618 A JPH0990618 A JP H0990618A
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microcapsules
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性マイクロカプセルに含有される画像形
成物質の分量と感光層の塗工厚を、特定の範囲に限定す
ることにより、濃度が十分に高く、色調も良く、にじみ
のない明瞭な画像を形成することが可能な感光記録媒体
を提供する。 【解決手段】 フィルムなどの基材上に、少なくとも感
光性物質と顔料が内部に含まれた感光性マイクロカプセ
ルからなる感光層がコーティングされている感光記録媒
体であって、前記感光層の厚さが0.005mm以上
0.02mm以下であり、かつ前記マイクロカプセルの
内包物全体に対する画像形成物質の重量%が2以上5以
下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルカラーの画像記
録に用いられる感光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、普通紙にカラー画像を転写形成す
るために、感光性マイクロカプセルが塗工された感光記
録媒体が特公平5−39303号公報において開示され
ている。
【0003】この感光記録媒体は、紙あるいは樹脂フィ
ルムなどからなる基材と、基材に塗工された感光層から
なり、さらに感光層は、光に反応して硬化する感光性物
質と、顔料などからなる画像形成物質を内包物とする感
光性マイクロカプセルが塗工されている。
【0004】したがって、この感光記録媒体を画像情報
に応じて露光する事により、感光性マイクロカプセルが
硬化した部分と硬化しなかった部分が生ずる。その後、
この媒体を普通紙と重ね合わせて一対の加圧ローラに通
すなどの方法によって、マイクロカプセルに外力を加え
ると、硬化しなかったマイクロカプセルは破壊される
が、硬化しているマイクロカプセルは破壊されない。破
壊されたマイクロカプセルからは、画像形成物質を含む
内包物が放出される。そして内包物が普通紙に転写され
ることで、普通紙に画像が形成されるのである。
【0005】しかし、この公報によって開示された感光
記録媒体は、感光波長が紫外線領域である感光性マクロ
カプセルを用いているので、画像を記録するためには紫
外線によって書き込みのための露光を行う必要があり、
実用性がきわめて低かった。特に何らかの既存のカラー
画像を、普通紙に複写することは不可能であった。
【0006】そこで、本出願人らは、可視光線によって
直接硬化する可視光感光性材料を研究開発し、その成果
である光硬化性組成物が特開平3−39747号公報
に、その感光性組成物をマイクロカプセル化して用いた
転写記録媒体が特開平3ー77952号公報に、それぞ
れ開示されている。
【0007】さらに、前記可視光感光性材料からなる感
光性物質と、顔料などの画像形成物質とが内包された画
像形成用マイクロカプセルを特開平6−27626号公
報、特開平6−51501号公報、特開平6−5150
2号公報などに開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記画
像形成用マイクロカプセルに含有される画像形成物質の
量と、感光層の塗工厚によっては、明瞭な画像を形成す
ることが不可能であるという問題があった。具体的に
は、濃度が高く明瞭な画像を形成するためには、マイク
ロカプセルの内包物に、より多量の画像形成物質を含有
させることが望ましい。しかし、このように顔料の含有
量が多い場合は少ない場合に比較して、マイクロカプセ
ルの製造が著しく困難であった。
【0009】通常このようなマイクロカプセルは以下の
ような方法で製造される。まず、疎水性の感光性物質に
画像形成物質を分散混合し、マイクロカプセルの内包物
を作成する。この内包物を乳化剤が加えられている水中
に乳化する。この乳化物の中の油滴となっている内包物
の周囲に、樹脂あるいは無機物からなる壁材を形成す
る。つまり、マイクロカプセルの粒径は、乳化物の油滴
の大きさが強く反映される。
【0010】しかし、多量の画像形成物質、特に顔料を
含む内包物は粘度が高くなるために、望まれる微小な油
滴状に水中に乳化することが困難であり、製造されるマ
イクロカプセルが粗大なものになってしまい、その結果
得られる画像の解像度が不足するという問題があった。
【0011】さらに、粗大ではない良好なマイクロカプ
セルが製造可能であっても、感光性マイクロカプセルの
実質的な感度が不足する場合があった。すなわち、画像
を形成するために感光記録媒体に画像情報に応じて露光
を行う際に、顔料などの画像形成物質が光を遮ったり吸
収するために、マイクロカプセルの内包物である感光性
物質に到達する光量が減少するのである。この結果、感
光性物質ひいてはマイクロカプセルの硬化の程度が不十
分になり、硬化が不十分なマイクロカプセルが誤って破
壊されるために、画像の白色部が汚れたり、色調が不良
な画像になっていた。
【0012】また、逆に画像形成物質の量が過少の場合
には、当然画像の濃度が低下するので、これを補うため
には、単位面積当たりの感光性マイクロカプセルの量、
すなわち感光層の厚さを増すことが必要になる。しか
し、この場合には、受像紙の紙面に転写される感光性物
質が多量になるために、受像紙が液体状の感光性物質を
完全には吸収できず、画像がにじむなどの問題が生じて
いた。
【0013】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、感光性マイクロカプセルに含有
される画像形成物質の分量と感光層の塗工厚を、特定の
範囲に限定することにより、濃度が十分に高く、色調も
良く、にじみのない明瞭な画像を形成することが可能な
感光記録媒体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の感光性記録媒体は、フィルムなどの基材上
に、少なくとも感光性物質と画像形成物質が内部に含ま
れた感光性マイクロカプセルからなる感光層がコーティ
ングされている感光記録媒体であって、前記感光層の厚
さが略0.005mm以上かつ略0.02mm以下であ
り、かつ前記マイクロカプセルの内包物全体に対する画
像形成物質の重量%が略2%以上かつ略5%以下である
ことを特徴とする。
【0015】上記の構成を有する本発明の感光記録媒体
によれば、感光性マイクロカプセルに含有される画像形
成物質の量が適正であるために、マイクロカプセルの製
造工程、特に乳化工程における粒径の制御が容易であ
り、かつ実効的な感光感度も十分に確保され、かつ画像
濃度も十分に得られる。さらに、感光層の厚さも適正で
あるために、受像紙に転写される内包物の量も適正であ
り、線画部分においてもにじみのない画像が形成され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態
における感光記録媒体を模式的に示す断面図である。
【0017】感光記録媒体1は、ポリエステルなどのフ
ィルムからなる基材2の表面に可視光によって感光硬化
する感光層3が塗工されている。
【0018】さらに詳しくは、感光層3はイエロー発色
用の感光性マイクロカプセル(以下Yカプセルと称す)
4と、マゼンタ発色用の感光性マイクロカプセル(以下
Mカプセルと称す)5と、シアン発色用の感光性マイク
ロカプセル(以下Cカプセルと称す)6の3種の異なる
カプセルとバインダー樹脂とが混合されてなっている。
【0019】これらの感光性マイクロカプセル4、5、
6を以下に詳しく説明する。
【0020】Yカプセルには波長450nm付近に最大
硬化感度を有する感光性物質と、イエロー色の画像形成
物質が内包されている。Mカプセルには波長550nm
付近の光に最大硬化感度を有する感光性物質と、マゼン
タ色の画像形成物質が内包されている。Cカプセルには
波長650nm付近の光に最大硬化感度を有する感光性
物質と、シアン色の画像形成物質が内包されている。
【0021】ここで、それぞれのカプセルにおいて、画
像形成物質は感光性材料に溶解あるいは分散されてい
る。画像形成物質としては、それ自身が着色されている
染料あるいは顔料が用いられる。染料あるいは顔料は市
販されているものの他、染料便覧、顔料便覧等の書物、
文献に記載されたものの中から、色目が適切なものを選
択すればよい。
【0022】特に好適には、イエローとしてはモノア
ゾ、ジスアゾ、アゾカルシウムレーキ、アゾバリウムレ
ーキ、マゼンタとしてはキナクリドン、カルシウムレー
キ、シアンとしてはフタロシアニンなどがある。
【0023】一方、感光性物質は少なくとも重合性物質
と光重合開始剤からなっている。
【0024】前記重合性物質は、不飽和化合物、例えば
エチレン系不飽和基を有する化合物、エポキシ基を有す
る化合物等が挙げられるが、光重合速度が比較的速いエ
チレン系不飽和基を有する化合物が特に望ましい。エチ
レン系不飽和基を有する化合物としては、アクリル酸及
びその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、
メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メ
タクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステ
ル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエー
テル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリ
ルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体
等が挙げられる。さらに望ましくは、アクリル酸エステ
ル類あるいはメタクリル酸エステル類である。
【0025】アクリル酸エステル類の具体例としては、
ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エ
チルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フ
ルフリルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、
トリシクロデカニルオキシアクリレート、ノニフェニル
オキシエチルアクリレート、ヘキサンジオールアクリレ
ート、1,3ージオキソランアクリレート、ヘキサンジ
オールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメ
チロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ
アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールの
カプロラクトン付加物のヘキサアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パンのプロピレンオキサイド付加物のトリアクリレー
ト、ポリオキシエチレン化ビスフェノールAのジアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアク
リレート等が挙げられる。
【0026】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、フルフリルメタクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、トリシクロデカニルオキシメタクリレ
ート、ノニフェニルオキシエチルメタクリレート、ヘキ
サンジオールメタクリレート、1,3ージオキソランメ
タクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ブ
タンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレ
ート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ビ
スフェノールAジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラク
トン付加物のヘキサメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンの
プロピレンオキサイド付加物のトリメタクリレート、ポ
リオキシエチレン化ビスフェノールAのジメタクリレー
ト、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンメタク
リレート等が挙げられる。又、これらの重合性物質は単
独であってもよいし、あるいは2種以上を混合したもの
でもよい。
【0027】特に好ましくは、分子中に不飽和基である
アクリロイル基を3個以上有する、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン
付加物のヘキサアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド付加物のトリアクリレートのうち少なくと
も一種が含まれることが望ましい。
【0028】前記光重合開始剤は、光エネルギーを受け
て前記重合性物質の重合反応を開始もしくは促進させる
もので、芳香族カルボニル化合物、アセトフェノン類、
有機過酸化物、ジフェニルハロニウム塩、有機ハロゲン
化物、2、4、6−置換−S−トリアジン類、2,4,
5−トリアリールイミダゾール2量体、アゾ化合物、染
料ボレート錯体、金属アレーン錯体、チタノセン化合物
等が用いられる。
【0029】望ましくは、ベンゾフェノン、ベンジル、
キサントン、チオキサントン、アントラキノン、アセト
フェノン、2,2−ジメチル−2−モルフォリノ−4´
−メチルチオアセトフェノン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、ジフェニルヨードニ
ウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロライド、
四塩化炭素、四臭化炭素、2,4,6−トリストリクロ
ロメチル−S−トリアジン、(η5 −2,4−シクロペ
ンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−
η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(1+) ヘ
キサフルオロホスフェート(1−)等が上げられる。ま
た、これらの光重合開始剤は、単独でも、2種以上を混
合したものでもよい。
【0030】また、光重合開始剤は、重合性物質に対し
て0.1〜20重量%、より望ましくは1〜10重量%
の比率で用いられる。通常1%以下では光重合反応が生
じ難く、また10%以上の過剰にしても感度が向上する
ことはない。
【0031】また、前記感光性物質の感光感度、特に波
長に対する感光特性を改善するために、増感色素を併せ
て用いてもよい。増感色素としては、キサンテン系染
料、クマリン系染料、メロシアニン系染料、チアジン系
染料、アジン系染料、メチン系染料、オキサジン系染
料、フェニルメタン系染料、シアニン系染料、アゾ系染
料、アントラキノン系染料、ピラゾリン系染料、スチル
ベン系染料、キノリン系染料等が使用できる。
【0032】このようなマイクロカプセルは、すでに当
業界において公知の技術となっている方法で作製するこ
とが可能である。例えば、米国特許第2800457
号、同第2800458号明細書等に示されるような水
溶液からの相分離法、特公昭38−1974号、同昭4
2−446号、同昭42−771号公報等に示されるよ
うな界面重合法、特公昭36−9168号、特開昭51
−9079号公報等に示されるモノマーの重合によるi
n−situ法、英国特許第952807号、同第96
5074号明細書に示される融解分散冷却法等がある
が、これに限定されるものではない。
【0033】マイクロカプセルの壁材部の形成材料とし
ては、前記カプセル製造方法にて壁材部が作製可能であ
れば、無機物質でも有機物質でもよいが、光を十分に透
過させるような材質が好ましい。
【0034】具体例としては、ゼラチン、アラビアゴ
ム、デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリユリア、ポリウレタン、ポリスチレン、ニ
トロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂等、及びこれらの共重合物等が挙げられ
る。
【0035】水中にのみ壁部材の原料を供給するin−
situ法によるため製造方法が比較的簡単であるメラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂あるいは尿素−ホルムアル
デヒド樹脂が特に望ましい。
【0036】このようにマイクロカプセルを作製する場
合には、内包物となるべき組成物を水性媒体に分散ある
いは乳化する必要がある。この際、水性媒体中には非イ
オン性あるいはアニオン性の水溶性ポリマーが含まれて
いることが望ましい。
【0037】非イオン性の水溶性ポリマーとしては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド、ポリメチルビニルエーテル、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどがあ
る。アニオン性の水溶性ポリマーとしては、ポリスチレ
ンスルフィン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、スチレン
スルホン酸の共重合体、ポリビニル硫酸エステル塩、ポ
リビニルスルホン酸塩、無水マレイン酸・スチレン共重
合体、無水マレイン酸・イソブチレン共重合体などが挙
げられる。
【0038】マイクロカプセルの粒子径(直径)は、小
さいほど画像の分解能があがって望ましいが、製造が困
難で高コストになる。また、大きいほど画像の分解能が
低くなる。したがって、粒子径は0.001〜0.03
mm、望ましくは0.005〜0.02mmである。ま
た、粒子径のばらつきが少ないほど、好ましい画像が得
られることは言うまでもない。
【0039】本発明の感光記録媒体1の基材2に用いら
れる材料としては、紙、上質紙、コート紙などの紙類、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセチ
ルセルロース、セルロースエステル、ポリビニルアセタ
ール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリイミド等のフィルムおよび樹脂
類、および紙類と樹脂類からなる合成紙などがある。こ
れらの中でも、ポリエチレンテレフタレートなどのフィ
ルムが、平面平滑性、強度などに優れ、かつ厚さが0.
05mm以下と薄く、ロール状態でも体積が比較的小さ
くなるので、望ましい。さらに、これらのフィルムの少
なくとも片面に、アルミ蒸着などで反射層を形成したも
のは、感光記録媒体の感光感度を向上させる効果があ
り、特に望ましい。
【0040】上記基材にマイクロカプセルを塗工して感
光層を形成するためには、マイクロカプセルの分散液
に、親水性のバインダーが混合して用いられる。親水性
のバインダーとしては、ゼラチン、セルロース、デンプ
ン、アラビアゴム等の天然物質、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリスチレンスルホン酸等の合成高分子物質が用い
られる。
【0041】以下、実施例を説明する。
【0042】1.シアンカプセル(Ca)の作製 重合性物質であるペンタエリスリトールトリアクリレー
トとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを重量
比が1:4になるように、攪拌機によって混合してアク
リル原料を得た。このアクリル原料に対して、フタロシ
アニン系シアン顔料を加え攪拌機によって混合した後、
3本ロールミルによる練り混みを10パスおこない、重
合性物質に顔料が分散されたミルベースを作製した。
【0043】つぎに、このミルベースに、前記アクリル
原料を加えて、分散機によって均一混合し、シアン顔料
分散物を作製した。
【0044】シアン顔料分散物に、さらに波長増感色素
であるスクアリリウム色素と光重合開始剤である(η5
−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,
2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベン
ゼン]鉄(1+) ヘキサフルオロホスフェート(1
−)を加えて約50℃に加熱して混合し溶解させて、マ
イクロカプセルの内包物となる組成物を得た。上記組成
物の組成を重量部で示すと下記の通りである。
【0045】 アクリル原料(重合性化合物) 100重量部 顔料 1重量部 光重合開始剤 7重量部 波長増感色素 0.5重量部 この組成物の硬化波長特性を測定したところ、650n
m付近の可視光、すなわち赤色光領域に最大硬化感度を
有していた。
【0046】次に、乳化剤である5%ポリスチレンスル
ホン酸の一部ナトリウム塩水溶液と5%スチレン−無水
マレイン酸共重合体水溶液の1:1混合液を作製した。
この混合液200cc中に、前記組成物を100g加
え、ホモジナイザーで6000回転、5分間攪拌した。
この結果、連続層である水中に、前記組成物が分散して
存在する、いわゆるO/Wエマルションを得た。
【0047】これとは別に、ホルムアルデヒド37%水
溶液に市販のメラミン粉末を加え、水酸化ナトリウム溶
液によってPH9.0に調整し、水温60℃で30分間
加熱してメラミン・ホルムアルデヒドプレポリマーを得
た。
【0048】先に作製したO/Wエマルションに、前記
メラミン・ホルムアルデヒドプレポリマーを加え、アジ
ホモミキサーなどによって100〜300回転で攪拌し
つつ水温が50℃になるように加熱した状態で5時間保
持し、その後PH7に調整して常温まで冷却した。この
結果、in−situ重合法によって、前記組成物を内
包物とし、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂を壁材とす
るシアンカプセルCaが得られた。
【0049】2.シアンカプセル(Cb、Cc、Cd、
Ce、Cf)の作製 前記シアンカプセルCaにおけるシアン顔料を、それぞ
れ2、3、4、6、8重量部とした以外、上記Caカプ
セルと同様の方法によってシアンカプセルCb、Cc、
Cd、Ce、Cfを作製した。
【0050】3.マゼンタカプセル(Ma)の作製 前記フタロシアニン系シアン顔料のかわりに、キナクリ
ドン系マゼンタ顔料を、また波長増感色素としてスクア
リリウム色素のかわりにシアニン染料を用いた以外同様
の方法でマイクロカプセルの内包物となる組成物を作製
した。
【0051】この組成物の硬化波長特性を測定したとこ
ろ、550nm付近の可視光、すなわち緑色光領域に最
大硬化感度を有していた。以下シアンカプセルCaと同
様の方法によってマゼンタカプセル(Ma)を作製し
た。
【0052】4.マゼンタカプセル(Mb、Mc、M
d、Me、Mf)の作製 前記マゼンタ顔料をそれぞれ2、3、4、6、8重量部
とした以外、上記Maカプセルと同様の方法でマゼンタ
カプセル(Mb、Mc、Md、Me、Mf)を作製し
た。
【0053】5.イエローカプセル(Ya)の作製 前記フタロシアニン系シアン顔料のかわりに、アゾバリ
ウムレーキ系イエロー顔料を、また波長増感色素として
スクアリリウム色素のかわりにクマリン染料を用いた以
外、同様の方法でマイクロカプセルの内包物となる組成
物を作製した。この組成物の硬化波長特性を測定したと
ころ、450nm付近の可視光、すなわち青色光領域に
最大硬化感度を有していた。以下上記Caカプセルと同
様の方法によってイエローカプセル(Ya)を作製し
た。
【0054】6.イエローカプセル(Yb、Yc、Y
d、Ye、Yf)の作製 前記イエロー顔料をそれぞれ2、3、4、6、8重量部
とした以外、上記Yaカプセルと同様の方法でイエロー
カプセル(Yb、Yc、Yd、Ye、Yf)を作製し
た。
【0055】7.カプセル粒子径の測定 上記のように作製されたマイクロカプセルの体積平均粒
径を、堀場製パーティカルサイズアナライザーLA−5
00によって測定した。体積平均粒径を表1に示す。C
f、Mf、Yfでは粒径を制御することが難しく、直径
0.02mm以上の粒子が多数存在していた。
【0056】8.感光記録媒体(S1)の作製 作製されたマイクロカプセルの分散液のCa、Ma、Y
aと、バインダーであるポリビニルアルコールの20%
水溶液の4種の液を、それぞれ等量混合し、コーティン
グ液を作製した。
【0057】このコーティング液を、厚さ0.038m
mのポリエステルフィルムに対して、バーコータを用い
て塗工した。乾燥後、塗工厚さをマイクロメータで測定
したところ0.010mmであった。
【0058】9.感光記録媒体(S2〜S18)の作製 バーコータの番手を替えて塗工厚さを調整した以外はS
1の場合と同様の方法によって、感光記録媒体S2、S
3を作製した。
【0059】また、マイクロカプセル分散液としてCa
の替わりにCb、Cc、Cd、Ce、Cfを、Maの替
わりにMb、Mc、Md、Me、Mfを、Yaの替わり
にYb、Yc、Yd、Ye、Yfを用い、かつ複数種の
バーコータのワイヤーの番手を組み合わせて、顔料の重
量比と、感光層の厚さが異なる種々の感光記録媒体S4
〜S18を作製した(表2参照)。
【0060】さらに、これらの感光記録媒体をカラーテ
ストチャートを原稿として反射露光して、その後受像紙
と重ね合わせて加圧して、受像紙にカラーの画像を形成
した。
【0061】10.評価 作製されたカラー画像を、画像濃度、線のにじみの程
度、かぶりの程度の3項目にわたって評価した。
【0062】画像濃度は、受像紙としてコピー用上質紙
を用い、受像紙に形成された画像のイエロー部分、マゼ
ンタ部分、シアン部分のそれぞれを、反射式マクベス濃
度計によって光学濃度を測定し、その平均値が0.7未
満の場合は「不良」、0.7以上1.0未満では「許
容」、1.0以上では「良好」とした。
【0063】さらに、線のにじみの程度とは画像の分解
能を評価するものであり、カラーテストチャートの線の
太さに対して、形成された画像の線の太さが、1.5倍
以上である場合には「不良」、1.1倍以上1.5倍未
満である場合は「許容」、1.1倍未満である場合では
「良好」とした。
【0064】かぶりの程度は、色再現性を評価するもの
で、カラーチャート画像の白色部分に対応して受像紙に
形成された画像が、どの程度白色に近いか、言い換えれ
ばかぶりがないかを、発明者らによって官能評価した。
完全に白色と判断できるものは「良好」、白色以外の色
の細かい点が認められるものの、おおむね白色であるも
のは「許容」、多色の点が多数有り、白色とは認めにく
いものを「不良」とした。
【0065】また、濃度、にじみ、かぶりのすべてにお
いて「不良」の評価がないものを、総合評価で「合
格」、それ以外のものを「不合格」で示した。この評価
結果を図3に示す。
【0066】内包物の顔料の量が比較的少ないS1、S
2では濃度が「不良」であり、逆に顔料の量が多いS1
6、S17、S18ではかぶりが「不良」である。ま
た、塗工厚が0.030mmと最も厚いものでは、にじ
みの評価が「不良」である。さらに塗工厚が0.003
mmと最も薄いS4の場合には、濃度が「不良」であ
る。
【0067】総合評価で「合格」である感光媒体の特徴
をまとめると、顔料の重量%が0.92以上5.29以
下であり、かつ塗工厚が0.005mm以上0.020
mm以下である。
【0068】したがって少なくとも、マイクロカプセル
が含まれる感光層の塗工厚さが略0.005mm以上か
つ略0.02mm以下であり、かつ前記マイクロカプセ
ルの内包物全体に対する画像形成物質の重量%が略2%
以上かつ略5%以下であるという条件を満たす感光記録
媒体は、良好な画像を形成することが可能であるといえ
る。
【0069】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の感光記録媒体をもちいれば、画像濃度が十分に高
く、線画部分のにじみが少ない、すなわち分解能が高
く、かつかぶりがなく色再現性にも優れた良好な画像を
形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光記録媒体の構成を模式的に示す断
面図である。
【図2】本発明の実施例であるマイクロカプセルの特徴
を説明する表1を示す図である。
【図3】本発明の実施例である感光記録媒体から形成さ
れた画像の評価結果の表2を示す図である。
【符号の説明】
1 感光記録媒体 2 基材 3 感光層 4 イエロー発色用マイクロカプセル 5 マゼンタ発色用マイクロカプセル 6 シアン発色用マイクロカプセル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムなどの基材上に、少なくとも感
    光性物質と画像形成物質が内部に含まれた感光性マイク
    ロカプセルからなる感光層がコーティングされている感
    光記録媒体であって、前記感光層の厚さが略0.005
    mm以上かつ略0.02mm以下であり、かつ前記マイ
    クロカプセルの内包物全体に対する画像形成物質の重量
    %が略2%以上かつ略5%以下であることを特徴とする
    感光記録媒体。
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