JPH09189994A - 感光記録媒体 - Google Patents

感光記録媒体

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Publication number
JPH09189994A
JPH09189994A JP8001338A JP133896A JPH09189994A JP H09189994 A JPH09189994 A JP H09189994A JP 8001338 A JP8001338 A JP 8001338A JP 133896 A JP133896 A JP 133896A JP H09189994 A JPH09189994 A JP H09189994A
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JP
Japan
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photosensitive
spectral
recording medium
wavelength
microcapsules
Prior art date
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JP8001338A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hattori
康弘 服部
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の使用時における感光感度が適正で、良
好な色調の画像を形成する事が可能な感光記録媒体を提
供する。 【解決手段】 感光記録媒体1は、基材上2に、特定の
感光波長の光に反応して硬化する性質を持つ感光性物質
と、染料、顔料等の画像形成物質とを内部に含んだイエ
ロー発色用感光性マイクロカプセル4、マゼンタ発色用
感光性マイクロカプセル5、及びシアン発色用感光性マ
イクロカプセル6を有する感光層3と、特定の波長の可
視光を透過し、それ以外の光を全て吸収あるいは反射す
る性質をもつ分光吸収剤を有する分光吸収層8を設けて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー複写装置、
カラープリンタ等に用いられるカラーの感光記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、普通紙にカラー画像を転写形成す
るために、感光性マイクロカプセルが塗工された感光記
録媒体が特公平5−39303号公報において開示され
ている。
【0003】この感光記録媒体は、紙あるいは樹脂フィ
ルムなどからなる基材と、基材に塗工された感光層から
なり、さらに感光層は、光に反応して硬化する感光性物
質と、顔料などからなる画像形成物質を内包物とする感
光性マイクロカプセルが塗工されている。
【0004】したがって、この感光記録媒体を画像情報
に応じて露光する事により、感光性マイクロカプセルが
硬化した部分と硬化しなかった部分が生ずる。
【0005】その後、この媒体を普通紙と重ね合わせて
一対の加圧ローラに通すなどの方法によって、マイクロ
カプセルに外力を加えると、硬化しなかったマイクロカ
プセルは破壊されるが、硬化しているマイクロカプセル
は破壊されない。破壊されたマイクロカプセルからは、
画像形成物質を含む内包物が放出される。そして、内包
物が普通紙に転写されることで、普通紙に画像が形成さ
れるのである。
【0006】しかし、この公報によって開示された感光
記録媒体は、感光波長が紫外線領域である感光性マクロ
カプセルを用いているので、画像を記録するためには紫
外線によって書き込みのための露光を行う必要があり、
実用性がきわめて低かった。特に何らかの既存のカラー
画像を、普通紙に複写することは不可能であった。
【0007】そこで、本出願人らは、可視光線によって
直接硬化する可視光感光性材料を研究開発し、その成果
である光硬化性組成物が特開平3−39747号公報
に、その感光性組成物をマイクロカプセル化して用いた
転写記録媒体が特開平3ー77952号公報に、それぞ
れ開示されている。
【0008】さらに、前記可視光感光性材料からなる感
光性物質と、顔料などの画像形成物質とが内包された画
像形成用マイクロカプセルが特開平6−27626号公
報、特開平6−51501号公報、特開平6−5150
2号公報などに開示されている。
【0009】これらのマイクロカプセルとしては、具体
的には波長450nm付近の青色光に最大感度を有する
感光性材料とイエローの顔料が内包されたYマイクロカ
プセルと、波長550nm付近の緑色光に最大感度を有
する感光性材料とマゼンタの顔料が内包されたMマイク
ロカプセルと、波長650nm付近の赤色光に最大感度
を有する感光性材料とシアンの顔料が内包されたCマイ
クロカプセルの3種のマイクロカプセルがある。そし
て、感光記録媒体は、前記3種のマイクロカプセルとバ
インダーが混合された感光層が、基材の表面に塗工され
て構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
感光記録媒体を用いて得られる画像においては、本来白
色であるべき部分が汚れていたり、全体の色調が不適切
である場合があった。これは、3種のマイクロカプセル
の感度が一致していないために生じていた。すなわち、
Mマイクロカプセルの感度が悪い場合には、白色部分が
若干マゼンタ色になり、グリーン色であるべき部分が黒
色になることがあった。
【0011】本来、マイクロカプセルの感光感度は、カ
プセルの内包物である感光性物質の感光感度のみによっ
て決定されべきものであり、望ましい感光感度が得られ
るように感光性材料の化学組成が調整されるのである。
【0012】しかしながら、そのような感光性物質を用
いてマイクロカプセルを作製した後に、実質的な感光感
度が低下してしまうという問題があった。この原因は、
マイクロカプセルの壁材から感光性物質が水中に滲みだ
したり、壁材から硬化反応を阻害する酸素が進入する、
などが考えられる。すなわち、感光性材料の組成のみな
らず、マイクロカプセル製造工程でのばらつきによって
感光感度が影響されるのである。
【0013】このような感度の低下の程度は、あらかじ
め予測し難いものであり、かつYMCの3種によって微
妙に異なるため、あらかじめ感度低下を補償するように
化学組成を調整することも困難であった。
【0014】したがって、感光性マイクロカプセルが実
際に画像記録に使用される感光記録媒体においては、特
定の波長の可視光に対する感光感度が不足するという問
題が存在していた。
【0015】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的は実際の使用時におけ
る感光感度が適正であり、したがって良好な色調の画像
を形成する事が可能な感光記録媒体を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の感光記録媒体は、フィルム等の基
材上に、特定の感光波長の光に反応して硬化する性質を
もつ感光性物質と、染料、顔料等の画像形成物質とを内
部に含んだ感光性マイクロカプセルを有する感光層が形
成されたものを対象として、特定の波長の可視光を透過
し、それ以外の光を全て吸収あるいは反射する性質をも
つ分光吸収剤を有する分光吸収層を設けている。従っ
て、画像を形成するための入射光のうち、特定の波長の
可視光を選択的に透過することにより、形成される画像
の色調を調整することができる。
【0017】また、請求項2に記載の感光記録媒体は、
前記感光層が、感光波長の異なる少なくとも2種類以上
の感光性マイクロカプセルを有し、前記分光吸収剤が、
前記2種類以上の感光性マイクロカプセルのうち、最も
感光感度の低い前記感光性マイクロカプセルの画像形成
物質と補色関係にある色の可視光を透過し、それ以外の
光を全て吸収あるいは反射する性質をもっている。従っ
て、画像を形成するための入射光のうち、最も感光感度
の低い感光性マイクロカプセルの画像形成物質と補色関
係にある色の可視光を選択的に透過する。そして、前記
最も感光感度の低い感光性マイクロカプセルが前記選択
的に透過された光により硬化し、前記画像形成物質によ
る発色が抑えられるため、色調が補正された良好な画像
を形成することができる。
【0018】また、請求項3に記載の感光記録媒体は、
前記分光吸収層が、前記感光層上に積層して形成されて
いるので、前記感光層形成後に色調の補正を行うことが
できる。
【0019】また、請求項4に記載の感光記録媒体は、
前記分光吸収層が、前記感光性マイクロカプセルと前記
分光吸収剤とを混合分散して形成した感光層であるの
で、前記分光吸収層と前記感光層を同時に形成すること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施の形態
について図面を参照して説明する。
【0021】本実施の形態の感光記録媒体1は、図1に
示すように、プラスティックフィルム等からなる基材2
上に、感光層3と、分光吸収層8とが順に塗工され積層
形成されている。
【0022】感光層3は、イエロー発色用の感光性マイ
クロカプセル(以下Yカプセルと称す)4と、マゼンタ
発色用の感光性マイクロカプセル(以下Mカプセルと称
す)5と、シアン発色用の感光性マイクロカプセル(以
下Cカプセルと称す)6の3種の異なるカプセルとバイ
ンダー材とが混合されて成っている。
【0023】Yカプセル4には、波長450nm付近に
最大硬化感度を有する感光性物質と、イエロー色の画像
形成物質とが内包されている。Mカプセル5には、波長
550nm付近の光に最大硬化感度を有する感光性物質
と、マゼンタ色の画像形成物質とが内包されている。C
カプセル6には、波長650nm付近の光に最大硬化感
度を有する感光性物質と、シアン色の画像形成物質とが
内包されている。
【0024】前記分光吸収層8は、少なくともバインダ
ー材と可視光域に最大感度を有する分光吸収剤とから成
っている。
【0025】分光吸収剤としては、市販の各種染料の
他、染料便覧など書物、文献に記載されたものの中か
ら、吸収波長が適するものを選択すればよい。
【0026】この感光記録媒体1の作製方法を、図3の
フローチャートを参照して説明する。
【0027】まず、マイクロカプセルの内包物が調整さ
れる(S1C、S1M、S1Y:Sはステップを表す。
以下同様。)。内包物は、感光性物質と画像形成物質と
から成る。さらに、感光性物質は、少なくとも重合性物
質と光重合開始剤とから成っている。
【0028】前記重合性物質は、不飽和化合物、例えば
エチレン系不飽和基を有する化合物、エポキシ基を有す
る化合物等が挙げられるが、光重合速度が比較的速いエ
チレン系不飽和基を有する化合物が特に望ましい。エチ
レン系不飽和基を有する化合物としては、アクリル酸及
びその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、
メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メ
タクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステ
ル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエー
テル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリ
ルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体
等が挙げられる。さらに望ましくは、アクリル酸エステ
ル類あるいはメタクリル酸エステル類である。
【0029】アクリル酸エステル類の具体例としては、
ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エ
チルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フ
ルフリルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、
トリシクロデカニルオキシアクリレート、ノニフェニル
オキシエチルアクリレート、ヘキサンジオールアクリレ
ート、1,3ージオキソランアクリレート、ヘキサンジ
オールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメ
チロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ
アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールの
カプロラクトン付加物のヘキサアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パンのプロピレンオキサイド付加物のトリアクリレー
ト、ポリオキシエチレン化ビスフェノールAのジアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアク
リレート等が挙げられる。
【0030】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、フルフリルメタクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、トリシクロデカニルオキシメタクリレ
ート、ノニフェニルオキシエチルメタクリレート、ヘキ
サンジオールメタクリレート、1,3ージオキソランメ
タクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ブ
タンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレ
ート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ビ
スフェノールAジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラク
トン付加物のヘキサメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンの
プロピレンオキサイド付加物のトリメタクリレート、ポ
リオキシエチレン化ビスフェノールAのジメタクリレー
ト、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンメタク
リレート等が挙げられる。又、これらの重合性物質は単
独であってもよいし、あるいは2種以上を混合したもの
でもよい。
【0031】特に好ましくは、分子中に不飽和基である
アクリロイル基を3個以上有する、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン
付加物のヘキサアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド付加物のトリアクリレートのうち少なくと
も一種が含まれることが望ましい。
【0032】前記光重合開始剤は、光エネルギーを受け
て前記重合性物質の重合反応を開始もしくは促進させる
もので、芳香族カルボニル化合物、アセトフェノン類、
有機過酸化物、ジフェニルハロニウム塩、有機ハロゲン
化物、2、4、6−置換−S−トリアジン類、2,4,
5−トリアリールイミダゾール2量体、アゾ化合物、染
料ボレート錯体、金属アレーン錯体、チタノセン化合物
等が用いられる。
【0033】望ましくは、ベンゾフェノン、ベンジル、
キサントン、チオキサントン、アントラキノン、アセト
フェノン、2,2−ジメチル−2−モルフォリノ−4´
−メチルチオアセトフェノン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、ジフェニルヨードニ
ウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロライド、
四塩化炭素、四臭化炭素、2,4,6−トリストリクロ
ロメチル−S−トリアジン、(η5 −2,4−シクロペ
ンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−
η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(1+) ヘ
キサフルオロホスフェート(1−)等が上げられる。ま
た、これらの光重合開始剤は、単独でも、2種以上を混
合したものでもよい。また、光重合開始剤は、重合性物
質に対して0.1〜20重量%、より望ましくは1〜1
0重量%の比率で用いられる。通常1%以下では光重合
反応が生じ難く、また10%以上の過剰にしても感度が
向上することはない。
【0034】また、前記感光性物質の感光感度、特に波
長に対する感光特性を改善するために、増感色素を併せ
て用いてもよい。増感色素としては、キサンテン系染
料、クマリン系染料、メロシアニン系染料、チアジン系
染料、アジン系染料、メチン系染料、オキサジン系染
料、フェニルメタン系染料、シアニン系染料、アゾ系染
料、アントラキノン系染料、ピラゾリン系染料、スチル
ベン系染料、キノリン系染料等が使用できる。
【0035】また、画像形成物質は感光性材料に溶解あ
るいは分散されている。画像形成物質としては、それ自
身が着色されている染料あるいは顔料が用いられる。染
料あるいは顔料は市販されているものの他、染料便覧、
顔料便覧等の書物、文献に記載されたものの中から、色
目が適切なものを選択すればよい。
【0036】特に好適には、イエローとしてはモノア
ゾ、ジスアゾ、アゾカルシウムレーキ、アゾバリウムレ
ーキ、マゼンタとしてはキナクリドン、カルシウムレー
キ、シアンとしてはフタロシアニンなどがある。
【0037】このようにして、マイクロカプセルの内包
物が作製された後に、内包物が壁材によって囲まれてな
る粒子であるマイクロカプセルが作製される(S2C、
S2M、S2Y)。
【0038】このようなマイクロカプセルは、すでに当
業界において公知の技術となっている方法で作製するこ
とが可能である。例えば、米国特許第2800457
号、同第2800458号各明細書等に示されるような
水溶液からの相分離法、特公昭38−1974号、同昭
42−446号、同昭42−771号各公報等に示され
るような界面重合法、特公昭36−9168号、特開昭
51−9079号各公報等に示されるモノマーの重合に
よるin−situ法、英国特許第952807号、同
第965074号各明細書に示される融解分散冷却法等
があるが、これに限定されるものではない。
【0039】マイクロカプセルの壁材部の形成材料とし
ては、前記カプセル製造方法にて壁材部が作製可能であ
れば、無機物質でも有機物質でもよいが、光を十分に透
過させるような材質が好ましい。
【0040】具体例としては、ゼラチン、アラビアゴ
ム、デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリユリア、ポリウレタン、ポリスチレン、ニ
トロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂等、及びこれらの共重合物等が挙げられ
る。
【0041】水中にのみ壁部材の原料を供給するin−
situ法によるため製造方法が比較的簡単であるメラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂あるいは尿素−ホルムアル
デヒド樹脂が特に望ましい。
【0042】このようにマイクロカプセルを作製する場
合には、内包物となるべき組成物を水性媒体に分散ある
いは乳化する必要がある。この際、水性媒体中には非イ
オン性あるいはアニオン性の水溶性ポリマーが含まれて
いることが望ましい。
【0043】非イオン性の水溶性ポリマーとしては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド、ポリメチルビニルエーテル、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどがあ
る。アニオン性の水溶性ポリマーとしては、ポリスチレ
ンスルフィン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、スチレン
スルホン酸の共重合体、ポリビニル硫酸エステル塩、ポ
リビニルスルホン酸塩、無水マレイン酸・スチレン共重
合体、無水マレイン酸・イソブチレン共重合体などが挙
げられる。
【0044】マイクロカプセルの粒子径(直径)は、小
さいほど画像の分解能があがって望ましいが、製造が困
難で高コストになる。また、大きいほど画像の分解能が
低くなる。したがって、粒子径は0.001〜0.03
mm、望ましくは0.005〜0.02mmである。ま
た、粒子径のばらつきが少ないほど、好ましい画像が得
られることは言うまでもない。
【0045】このようにして作製された感光性マイクロ
カプセルを、水中に分散させて液体状物質(カプセルス
ラリー)を作製する。イエロー、マゼンタ、シアンの各
マイクロカプセルに対応して3種類のカプセルスラリー
が作製される(S3C、S3M、S3Y)。
【0046】次に、このカプセルスラリー、正確にはカ
プセルスラリーに含まれるカプセルの感度を試験評価す
る(S4C、S4M、S4Y)。具体的には、前記3種
のカプセルスラリーから少量をサンプルとして取り出
し、バインダー材を加えて良く攪拌する。このバインダ
ーが加えられたカプセルスラリーをハンドバーコータな
どを用いて、PETフィルムに塗工してする。十分に乾
燥させた後、感光感度を測定評価する。
【0047】この感度の測定結果にしたがって、分光吸
収層に用いるべき分光吸収剤が選定される(S5)。こ
のような分光吸収剤は、市販の各種染料の他、染料便覧
など書物、文献に記載されたもの、例えば、アゾ染料、
ジスアゾ染料、トリスアゾ染料、スチルベン染料、チア
ゾール染料、ジオキサジン染料、フタロシアニン染料、
アントラキノン染料、キサンテン染料などの中から、吸
収波長が適するものを選択すればよい。
【0048】具体的には、イエローのカプセル4の感度
が劣っている場合には、その最大硬化感度がある450
nm付近の光、すなわち青色光を選択的に透過するよう
に、分光吸収剤が選択される。
【0049】異なる例として、マゼンタのカプセル5の
感度が劣っている場合には、その最大硬化感度がある5
50nm付近の光、すなわち緑色光を選択的に透過する
ように、分光吸収剤が選択される。さらに異なる例とし
て、シアンのカプセル6の感度が劣っている場合には、
その最大硬化感度がある650nm付近の光、すなわち
赤色光を選択的に透過するように、分光吸収剤が選択さ
れる。
【0050】次に、前記3種のカプセルスラリーを混合
し、これにバインダー材をさらに加えて、感光層の塗工
液を作製する。図示しない塗工装置によって、基材2に
対して感光層の塗工液が塗工される(S6)。
【0051】基材2に用いられる材料としては、紙、上
質紙、コート紙などの紙類、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アセチルセルロース、セルロース
エステル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミ
ド等のフィルムおよび樹脂類、および紙類と樹脂類から
なる合成紙などがある。これらの中でも、ポリエチレン
テレフタレートなどのフィルムが、平面平滑性、強度な
どに優れ、かつ厚さが0.05mm以下と薄く、ロール
状態でも体積が比較的小さくなるので、望ましい。さら
に、これらのフィルムの少なくとも片面に、アルミ蒸着
などで反射層を形成したものは、感光記録媒体の感光感
度を向上させる効果があり、特に望ましい。
【0052】このようにして塗工された感光層3が乾燥
した後、さらに感光層3の表面に分光吸収層8が形成さ
れる。具体的には、前記選択された分光吸収剤をバイン
ダーなどに溶解あるいは分散させて分光吸収層8の塗工
液が作製される。そして図示しない塗工装置を用いて、
前記感光層3の表面に対して、前記分光吸収層8の塗工
液が塗工される(S7)。以上の工程によって、感光記
録媒体1が作製される。
【0053】次に、図2を用いて本発明の第二の実施の
形態の感光記録媒体11について説明する。
【0054】感光記録媒体11は、基材2上に分光吸収
層13が塗工形成されている。
【0055】分光吸収層13は、第一の実施の形態にお
ける感光層2と分光吸収層3の両方の機能を兼ね備えた
ものである。分光吸収層13は、具体的には、Yカプセ
ル4、Mカプセル5、Cカプセル6と、分光吸収剤と、
バインダー材とからなっている。
【0056】この感光記録媒体11は、図3における感
光層の塗工工程と、分光吸収層の塗工工程の2工程を実
施しないかわりに、バインダー材とカプセルスラリーと
分光吸収剤とを混合分散させて得られる分光吸収層13
の塗工液を作製し、基材2に塗工することにより得られ
る。
【0057】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例である感光記
録媒体の作製実験の結果、及び作製された感光記録媒体
を使用した画像形成実験の結果について説明する。
【0058】はじめに、感光記録媒体の作製実験につい
て説明する。
【0059】まず、以下の手順により、Cカプセル内包
物の作製を行った。
【0060】重合性物質であるペンタエリスリトールト
リアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レートを重量比が1:4になるように、攪拌機によって
混合してアクリル原料を得た。このアクリル原料に対し
て、フタロシアニン系シアン顔料を加え攪拌機によって
混合した後、3本ロールミルによる練り混みを10パス
おこない、重合性物質に顔料が分散されたミルベースを
作製した。
【0061】次に、このミルベースに、前記アクリル原
料を加えて、分散機によって均一混合し、シアン顔料分
散物を作製した。
【0062】シアン顔料分散物に、さらに波長増感色素
であるスクアリリウム色素と光重合開始剤である(η5
−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,
2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベン
ゼン]鉄(1+) ヘキサフルオロホスフェート(1
−)を加えて約50℃に加熱して混合し溶解させて、マ
イクロカプセルの内包物となる組成物を得た。前記組成
物の組成を重量部で示すと下記の通りである。
【0063】 アクリル原料(重合性化合物) 100重量部 顔料 1重量部 光重合開始剤 7重量部 波長増感色素 0.5重量部 この組成物の硬化波長特性を測定したところ、650n
m付近の可視光、すなわち赤色光領域に最大硬化感度を
有していた。
【0064】次に、以下の手順により、Cカプセルスラ
リーの作製を行った。
【0065】まず、乳化剤である5%ポリスチレンスル
ホン酸の一部ナトリウム塩水溶液と5%スチレン−無水
マレイン酸共重合体水溶液の1:1混合液を作製した。
この混合液200cc中に、前記組成物を100g加
え、ホモジナイザーで6000回転、5分間攪拌した。
この結果、連続層である水中に、前記組成物が分散して
存在する、いわゆるO/Wエマルションを得た。
【0066】これとは別に、ホルムアルデヒド37%水
溶液に市販のメラミン粉末を加え、水酸化ナトリウム溶
液によってPH9.0に調整し、水温60℃で30分間
加熱してメラミン・ホルムアルデヒドプレポリマーを得
た。先に作製したO/Wエマルションに、前記メラミン
・ホルムアルデヒドプレポリマーを加え、アジホモミキ
サーなどによって100〜300回転で攪拌しつつ水温
が50℃になるように加熱した状態で5時間保持し、そ
の後PH7に調整して常温まで冷却した。この結果、i
n−situ重合法によって、前記組成物を内包物と
し、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂を壁材とするCカ
プセルスラリーが得られた。
【0067】次に、以下の手順により、Mカプセル内包
物の作製を行った。
【0068】前記フタロシアニン系シアン顔料のかわり
に、キナクリドン系マゼンタ顔料を、また波長増感色素
としてスクアリリウム色素のかわりにシアニン染料を用
いた以外同様の方法でマイクロカプセルの内包物となる
組成物を作製した。
【0069】この組成物の硬化波長特性を測定したとこ
ろ、550n付近の可視光、すなわち緑色光領域に最大
硬化感度を有していた。
【0070】次に、前記Cカプセルスラリーと同様の方
法によって、Mカプセルスラリーの作製を行った。
【0071】次に、以下の手順により、Yカプセル内包
物の作製を行った。
【0072】前記フタロシアニン系シアン顔料のかわり
に、アゾバリウムレーキ系イエロー顔料を、また波長増
感色素としてスクアリリウム色素のかわりにクマリン染
料を用いた以外、同様の方法でマイクロカプセルの内包
物となる組成物を作製した。この組成物の硬化波長特性
を測定したところ、450nm付近の可視光、すなわち
青色光領域に最大硬化感度を有していた。
【0073】次に、前記Cカプセルスラリーと同様の方
法によって、Yカプセルスラリーの作製を行った。
【0074】次に、以下の手順により、感度評価用シー
トの作製を行った。
【0075】作製されたCカプセルスラリーとバインダ
ーであるポリビニルアルコールの20%水溶液を、それ
ぞれ等量混合し塗工液を作製した。この塗工液を厚さ
0.038mmのポリエステルフィルムに対して、バー
コータを用いて塗工した。乾燥後、塗工厚さをマイクロ
メータで測定したところ0.010mmであった。この
ようにしてCカプセルの感度評価用シートが作製され
た。
【0076】次に、分光感度計によって感光感度、言い
換えれば硬化するのに必要な光エネルギーを測定したと
ころ、2.2J/m2(ジュール毎平方メートル)であ
った。 同様な方法によってMカプセルの感光感度を評
価したところ、4.1J/m 2であった。さらに、Yカ
プセルの感光感度を評価したところ、2.5J/m2
あった。
【0077】すなわち、CカプセルとYカプセルの感度
はかなり近いが、Mの感度は相対的に劣っていた。
【0078】したがって、Mカプセルの感光感度を補正
するために、波長550nm付近の光に最大吸収特性を
有する分光吸収剤として、C.I.ダイレクトグリーン
28を選択した。
【0079】次に、前記シアン、マゼンタ、イエローの
3種のカプセルスラリーを混合して、さらに塗工のため
のバインダー材であるポリビニルアルコールの20%水
溶液を混合し、感光層の塗工液を作製した。その後、平
野テクシード社製のテストコータを用いて、厚さ0.0
38mmのポリエステルフィルムに対して、前記感光層
の塗工液を塗工した。
【0080】さらに、バインダー材であるポリエステル
樹脂の分散液の中に、前記分光吸収剤を混合させて、分
光吸収層の分散液を作製した。前記テストコータを用い
て、前記基材の表面に感光層が塗工されたシートの、感
光層の上にさらに分光吸収層の塗工液を塗工した。この
ようにして感光記録媒体1が作製された。
【0081】続いて、作製された感光記録媒体1を使用
した画像形成実験の結果について説明する。
【0082】まず、グラビア印刷されたカラー原稿を、
ハロゲンランプによって露光してその反射光を、感光記
録媒体1の表面で結像させた。照度1000luxで3
0秒露光し、その後、感光記録媒体1と普通紙である受
像紙とを重ね合わせて加圧して、受像紙上に画像を形成
した。
【0083】前記受像紙上に形成された画像の色調は、
前記カラー原稿の色調とほぼ同一であることが確認され
た。
【0084】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1に記載の感光記録媒体は、フィルム等の基材上
に、特定の感光波長の光に反応して硬化する性質をもつ
感光性物質と、染料、顔料等の画像形成物質とを内部に
含んだ感光性マイクロカプセルを有する感光層が形成さ
れたものを対象として、特定の波長の可視光を透過し、
それ以外の光を全て吸収あるいは反射する性質をもつ分
光吸収剤を有する分光吸収層を設けている。従って、画
像を形成するための入射光のうち、特定の波長の可視光
を選択的に透過することにより、形成される画像の色調
を調整することができる。
【0085】また、請求項2に記載の感光記録媒体は、
前記感光層が、感光波長の異なる少なくとも2種類以上
の感光性マイクロカプセルを有し、前記分光吸収剤が、
前記2種類以上の感光性マイクロカプセルのうち、最も
感光感度の低い前記感光性マイクロカプセルの画像形成
物質と補色関係にある色の可視光を透過し、それ以外の
光を全て吸収あるいは反射する性質をもっている。従っ
て、画像を形成するための入射光のうち、最も感光感度
の低い感光性マイクロカプセルの画像形成物質と補色関
係にある色の可視光を選択的に透過するため、色調が補
正された良好な画像を形成することができる。
【0086】また、請求項3に記載の感光記録媒体は、
前記分光吸収層が、前記感光層上に積層して形成されて
いるので、前記感光層形成後に色調の補正を行うことが
できる。
【0087】また、請求項4に記載の感光記録媒体は、
前記分光吸収層が、前記感光性マイクロカプセルと前記
分光吸収剤とを混合分散して形成した感光層であるの
で、前記分光吸収層と前記感光層を同時に形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態である感光記録媒体
を説明する断面図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態である感光記録媒体
を説明する断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態である感光記録媒体
の作製方法の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 感光記録媒体 2 基材 3 感光層 4 イエロー発色用感光性マイクロカプセル 5 マゼンタ発色用感光性マイクロカプセル 6 シアン発色用感光性マイクロカプセル 8 分光吸収層 11 感光記録媒体 13 分光吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/028 B41J 3/00 B 7/11 501 B41M 5/12 112

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム等の基材上に、特定の感光波長
    の光に反応して硬化する性質をもつ感光性物質と、染
    料、顔料等の画像形成物質とを内部に含んだ感光性マイ
    クロカプセルを有する感光層が形成された感光記録媒体
    において、 特定の波長の可視光を透過し、それ以外の光を全て吸収
    あるいは反射する性質をもつ分光吸収剤を有する分光吸
    収層を設けたことを特徴とする感光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記感光層は、感光波長の異なる少なく
    とも2種類以上の感光性マイクロカプセルを有し、 前記分光吸収剤は、前記2種類以上の感光性マイクロカ
    プセルのうち、最も感光感度の低い前記感光性マイクロ
    カプセルの画像形成物質と補色関係にある色の可視光を
    透過し、それ以外の光を全て吸収あるいは反射する性質
    をもつことを特徴とする請求項1に記載の感光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記分光吸収層は、前記感光層上に積層
    して形成されたことを特徴とする請求項1乃至2のいず
    れかに記載の感光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記分光吸収層は、前記感光性マイクロ
    カプセルと前記分光吸収剤とを混合分散して形成した感
    光層であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか
    に記載の感光記録媒体。
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