JPH0990542A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0990542A
JPH0990542A JP25034695A JP25034695A JPH0990542A JP H0990542 A JPH0990542 A JP H0990542A JP 25034695 A JP25034695 A JP 25034695A JP 25034695 A JP25034695 A JP 25034695A JP H0990542 A JPH0990542 A JP H0990542A
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silver halide
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alkyl group
emulsion
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JP25034695A
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Masaaki Taguchi
雅昭 田口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 乳剤塗布液の停滞性が安定で、かつ銀色調が
純黒色調であるハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【解決手段】 下記一般式〔I〕または一般式〔II〕で
表される色素で分光増感され、かつ下記一般式〔III〕
または一般式〔IV〕で表される化合物を含有しているこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは乳剤塗布液の停滞性が安定で、かつ
銀画像の色調が純黒色であるレーザーイメージャーシス
テム用の医療用ハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野ではハロゲン化銀写真感
光材料をレーザービームを用いて走査露光し、画像記録
することが盛んに行われている。このレーザーイメージ
ャーシステムでは、緊急に情報診断が得られるように短
時間で記録し、かつ迅速に現像処理することが望まれて
いる。
【0003】このレーザーシステムの光源としては種々
のものが知られているが、半導体レーザーがコンパクト
で、かつ安価であり変調も容易で、かつ比較的寿命が長
いことから今後、レーザー光源の主流になると考えられ
ている。
【0004】半導体レーザーの発光波長は700〜15
00nmにあるため、近赤外領域に感光波長域を有し、
かつ出力の小さいレーザー光に対しても高感度記録が可
能な感光材料が必要となる。
【0005】ハロゲン化銀粒子を近赤外域まで分光増感
することに関しては、ジ又はトリカルボシアニン色素類
を用いることが知られており、例えば本発明と同一の出
願人による特開平5−224335号では、特定のジカ
ルボシアニンと特定のトリアゾール化合物を用いること
により保存性と耐圧性の改良を開示している。
【0006】しかし近赤外領域に色増感したハロゲン化
銀乳剤は、塗布液状態で長時間停滞すると感度の減少が
起こり易く、安定した感度の感光材料を長時間に亙って
製造することができず、生産上にて問題であった。
【0007】一方、乳剤粒子の現像銀の色調は、ハロゲ
ン化銀粒子のサイズや厚さに依存し、微粒子乳剤や粒子
厚みの薄い平板状粒子を用いた場合、黄色味を帯びた色
調となり、画像観察者に不快な印象を与えることにな
る。本発明においては高感度記録が可能で、かつ迅速処
理性を持たせるためには微粒子乳剤や平板状粒子が好ま
しいが、色調上からは適当でない。特にX線用感光材料
の場合には、適確な画像診断を行う上からも銀画像は純
黒色調であることが好ましい。
【0008】従来、現像銀の色調を整えるには、ある種
のメルカプト化合物を色調剤として用いることが知られ
ている。しかしながら該化合物を本発明のような高感度
を目的とする乳剤に適用した場合、著しい減感作用を引
き起こし実用化は不可能であり、停滞性と併せて新たな
技術の開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1の
目的は、乳剤塗布液の停滞性が安定で長時間に亙って製
造することができ、生産上にて有利なレーザーイメージ
ャーシステム用の医療用ハロゲン化銀写真感光材料を提
供することである。本発明の第2の目的は銀色調が純黒
色調で画像観察上および診断上からも良好なレーザーイ
メージャーシステム用の医療用ハロゲン化銀写真感光材
料を提供することである。その他の目的は以下の本発明
にて明らかとなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、上記の目的が以下により達成され、前述の問題点が
解決することを見い出した。
【0011】(1)支持体上に少なくとも1層の感光性
ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
において、該ハロゲン化銀乳剤層が下記一般式〔I〕ま
たは一般式〔II〕で表される化合物により700nm以
上、1500nm以下に分光増感され、かつ下記一般式
〔III〕または一般式〔IV〕で表される化合物を含有し
ていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】
【化4】
【0013】式中、Z1、Z3は置換基を有してもよいベ
ンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール及びナフトオキサ
ゾール環を形成するに必要な非金属原子群を表す。Z2
は置換基を有してもよい5〜6員の炭素原子環を表し、
1、R2はそれぞれ置換または無置換のアルキル基を表
す。X1 -は対イオンを表し、nは1または2を表す。
【0014】
【化5】
【0015】式中、Z4は5〜6員の含窒素複素環を形
成するに必要な非金属原子群を表し、R4、R5はそれぞ
れ置換または無置換のアルキル基を表す。R6は水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基またはベン
ジル基を表し、Yは水素原子、置換または無置換のアル
キル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。X1 -
対イオンを表し、p、m、nは1または2を表す。
【0016】
【化6】
【0017】式中、Xは炭素数1〜6の有機残基を表
し、Rはカルボン酸またはその塩、カルボン酸エステル
基またはカルボン酸アミド基を表す。mは2または3、
nは0または1を表す。
【0018】(2)上記感光性ハロゲン化銀乳剤層のハ
ロゲン化銀粒子が、平均沃化銀含有率が1モル%以上、
4モル%以下で、かつ内部高沃度のコアシェル型ハロゲ
ン化銀粒子であることを特徴とする(1)項記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0019】以下、本発明を詳述する。
【0020】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、感光性ハロゲン化銀乳剤層は上記一般式〔I〕また
は一般式〔II〕で表される色素により700nm以上、
1500nm以下に分光増感されている。
【0021】次に本発明に係る一般式〔I〕及び一般式
〔II〕の化合物について説明する。
【0022】
【化7】
【0023】式中、Z1及びZ3は置換基を有してもよい
ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾ
ール及びナフトオキサゾール環を形成するに必要な非金
属原子群を表す。Z2は置換基を有してもよい5員ない
し6員の炭素原子環を表し、R1、R2はそれぞれアルキ
ル基または置換アルキル基を表す。X1 -は対イオンを表
しnは1または2を表す。式中Z1とZ3が表すベンゾチ
アゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキサゾール
環、ナフトオキサゾール環には、それぞれ置換基を有し
てもよく、例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子
(例えばクロール原子、ブロム原子)などが置換されて
いてもよい。R1及びR2は炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4の置換アルキル基で例えばメチル、エチ
ル、ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−アセ
トキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチ
ル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、
2−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブ
チル、ビニルメチル、ベンジル、フェネチル、p−スル
ホフェネチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル基等が挙げられる。
【0024】本発明の上記一般式〔I〕で表されるうち
のZ2が5員の炭素原子環の場合の好ましい化合物は、
詳しくは下記一般式〔I−a〕で表すことができる。
【0025】
【化8】
【0026】R13、R14はそれぞれ水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子(例えばクロール原子、ブロム原子など)を表
し、R15、R16はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル
基、置換基を有してもよいフェニル基(例えばフェニル
基、m−トリル基、p−トリル基、m−クロロフェニル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基を置換した例えばp−
メトキシフェニル基など)、炭素数1〜4のアルコキシ
カルボニルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチ
ル基など)を挙げることができる。
【0027】R17は炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカ
ルボニル基またはフェニル基を表す。Z1、Z3、R1
2及びX1 - 、nは一般式〔I〕に同義である。
【0028】本発明の上記一般式〔I〕で表されるうち
のZ2が6員の炭素原子環の場合の好ましい化合物は、
詳しくは下記一般式〔I−b〕で表すことができる。
【0029】
【化9】
【0030】式中、R18、R19はそれぞれ水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基またはフェニルを表す。Z1
3、R1、R2及びX1 - 、nは一般式〔I〕に同義であ
る。
【0031】以下、本発明に係る一般式〔I〕の化合物
の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】次に本発明に係る一般式〔II〕の化合物に
ついて詳しく説明する。
【0037】
【化14】
【0038】式中、R4及びR5はアルキル基または置換
アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜8のアルキル
基である。アルキル基に置換する基としては、例えばカ
ルボキシル基、スルホン基、シアノ基、ハロゲン原子
(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、ヒドロ
キシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数
8以下)、アルコキシ基(好ましくは炭素数7以下)、
アリールオキシ基、アシルオキシ基(好ましくは炭素数
3以下)、アシル基(好ましくは炭素数8以下)、カル
バモイル基、スルファモイル基、アリール基などを挙げ
ることができる。R6としては水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、フェニル基またはベンジル基で、好まし
くは炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基などが
挙げられる。Yは水素原子、置換または無置換の炭素数
1〜8のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子
(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)を表す。
【0039】Z4で表される5〜6員含窒素複素環とし
ては、例えばチアゾール環、セレナゾール環、オキサゾ
ール環、3,3−ジアルキルインドレニン環、イミダゾ
ール環などを挙げることができる。これらのうちで好ま
しくはチアゾール環、オキサゾール環で更に好ましくは
ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキ
サゾール環、ナフトオキサゾール環などが挙げられる。
【0040】X1 -は対イオンを表し、m、n及びpは1
または2を表す。
【0041】以下、本発明に係る一般式〔II〕の化合物
の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】本発明の上記の分光増感色素は一般式
〔I〕と〔II〕のいずれかを単一または組み合わせて使
用してもよく、単一の場合には一般式〔I〕から選ばれ
る色素が特に好ましく用いられ、上記の分光増感色素の
添加量はハロゲン化銀1モル当たり1〜100mgでよ
く、2〜40mgがさらに好ましい。上記の分光増感色
素の添加時期は任意でよいが、好ましくは脱塩工程終了
時から化学熟成(化学増感)開始時までの工程であれば
よく、特に化学熟成(化学増感)開始前60分から化学
熟成(化学増感)開始までの工程に添加するのが、より
好ましい。
【0045】なお色素の添加は従来通りの溶媒による溶
液添加法でもよく、また固体分散法でもよい。
【0046】次に本発明の一般式〔III〕および〔IV〕
の化合物について述べる。
【0047】
【化17】
【0048】式中、Xは炭素数1〜6の有機残基を表
し、Rはカルボン酸またはその塩、カルボン酸エステル
基またはカルボン酸アミド基を表す。mは2または3、
nは0または1を表す。Xの好ましい例としては例えば
メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレ
ン等が挙げられ、又、Rのカルボン酸塩の例としてはア
ルカリ金属塩(例えばナトリウム)、カリウム等、アル
カリ土類金属塩(例えばカルシウム、バリウム等)、ア
ンモニウム塩、アミン塩(例えばメチルアミン、エチル
アミン、エタノールアミン等)を挙げることができる。
カルボン酸エステルの好ましい例としては炭素数1〜1
2のアルキル基もしくはフェニル基を有するカルボン酸
エステルであり、カルボン酸アミドとしては、例えばカ
ルボン酸アミド、炭素数12までアルキル基またはフェ
ニル基で置換したアミドを挙げることができる。以下、
本発明の一般式〔III〕および〔IV〕の化合物の具体的
な例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】上記一般式〔III〕および〔IV〕の化合物
は公知の方法により合成することができ、例えばJ.
A.C.S,76巻,1828頁〜1832頁(195
4年)に記載の方法で合成することができる。
【0053】上記一般式〔III〕および〔IV〕の化合物
はハロゲン化銀乳剤層またはその隣接層、保護層、中間
層、下塗り層などの親水性コロイド層に添加することが
できる。添加量はハロゲン化銀1モル当たり1mg〜2
gでよく、好ましくは5mg〜0.5gである。添加時
期は化学熟成(化学増感)終了時から塗布液調製完了前
まで工程に添加するのが好ましい。なお前記色素と同様
に従来通りの溶媒による溶液添加法でもよく、また固体
分散法でもよい。なおハロゲン化銀乳剤層以外の親水性
コロイド層には上記の量に準じて添加してよい。
【0054】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の感光
性ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子が平均沃化銀
含有率が1モル%以上、4モル%以下で、より好ましく
は平均沃化銀含有率が1.5モル%以上、3.0モル%
以下で、かつ内部高沃度のコアシェル型ハロゲン化銀粒
子である。内部高沃度のコアシェル型乳剤としては沃度
含有率の差がコアとシェルで10モル%以上有するもの
が好ましく、20モル%以上、40モル%以下がより好
ましい。本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられ
る乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリサーチ・
ディスクロージャー(RD)No.17643(197
8年12月),22〜23頁の“Emulsion P
reparationand Types”に記載の方
法、或は同(RD)No.18716(1979年11
月),648頁に記載の方法で調製することができる。
【0055】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The
Theory of the Photographi
cprocess”第4版、Macmillan社刊
(1977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.
Duffin著“Photographic Emul
sion Chemistry”、Focal Pre
ss社刊(1966年)、P.Glafkides著
“Chimie et Physique Photo
graphique”Paul Montel社刊(1
967年)或はV.L.Zelikman他著“Mak
ing And Coting Photograph
ic Emulsion” Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することが
できる。
【0056】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0057】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子
内部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここで言う
単分散とは、常法により平均粒子直径を測定したとき、
粒子数又は重量で少なくとも95%の粒子が平均粒子径
の±40%以内、好ましくは±30%以内にあるハロゲ
ン化銀粒子である。
【0058】ハロゲン化銀の粒径分布は、狭い分布を有
した単分散乳剤或は広い分布を有した多分散乳剤のいず
れであってもよい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外
部が異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよく、
例えば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆
して明確な2層構造を有したコア/シェル型単分散乳剤
であってもよい。
【0059】上記の単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(19
63)、特開昭48−36890号、同52−1636
4号、同55−142329号、同58−49938
号、英国特許1,413,748号、米国特許3,57
4,628号、同3,655,394号などに詳しく記
載されている。
【0060】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、上記の単分散乳剤を得るための方法とし
て、例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオ
ン及びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いて
もよい。上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知で、例
えばJ.Phot.Sci,24.198.(197
6)、米国特許2,592,250号、同3,505,
068号、同4,210,450号、同4,444,8
77号或は特開昭60−143331号などに記載の方
法を参考にすることができる。
【0061】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、アスペクト比(粒子径/粒子厚みの比)
が3以上の平板状粒子であってもよい。このような平板
状粒子の利点としては、分光増感効率の向上や画像の粒
状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして例えば英国
特許2,112,157号、米国特許4,414,31
0号、同4,434,226号などで開示されており、
乳剤はこれら公報に記載の方法により調製することがで
きる。
【0062】これらの乳剤は物理熟成或は粒子調製の段
階で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0063】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよ
く、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35−16
086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデ
ヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644
号記載の高分子凝集剤である例示G−3、G−8などを
用いる脱塩法を挙げることができる。
【0064】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えば、前述の(RD)
No.17643、(RD)No.18716及び(R
D)No.308119(1989年12月)に記載さ
れている各種の化合物を用いることができる。これら3
つの(RD)リサーチ・ディスクロージャーに記載され
ている化合物種類と記載箇所を下記に掲載した。
【0065】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 本発明の感光材料の写真処理は例えば、前記のRD−1
7643のXX〜XXI、29〜30頁或は同308119
のXX〜XXI、1011〜1012頁に記載されているよ
うな、処理液による処理がなされてよい。この処理は銀
画像を形成する白黒写真処理である場合の処理温度は通
常18℃から50℃の範囲で処理される。
【0066】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラ
ゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えばN−メチル−P−ア
ミノフェノール)などを単独もしくは組合せて用いるこ
とができる。なお、現像液には公知の例えば保恒剤、ア
ルカリ剤、pH緩衡剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促
進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解
助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0067】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のア
ルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0069】実施例1 (種粒子の調製)40℃、pAg=9.0、pH=2.
0にコントロールしつつ、ダブルジェット法で平均粒径
0.09μの沃化銀2.0モル%を含む沃臭化銀の単分
散立方晶乳剤粒子を得た。得られた乳剤を40℃にて花
王アトラス社製のデモールN(ナフタレンスルホン酸ナ
トリウム塩のアルデヒド縮合物)と硫酸マグネシウム水
溶液を用いて沈澱させ、デカンテーションを行い不要の
無機塩類を除去した。
【0070】(種乳剤からの粒子成長)この種乳剤のう
ち、成長に使用される全ハロゲン化銀の2.7%に当た
る量を種晶として以下のように成長させた。即ち40℃
に保たれたゼラチンを含み、アンモニア濃度が0.16
規定の溶液にこの種晶を溶解させ、さらに氷酢酸により
pHを8.5に調整した。この液を母液として3.2規
定のアンモニア性銀イオン水溶液及びハライド水溶液を
ダブルジェット法で添加し撹拌混合を行った。
【0071】この際、下記表1に示したような条件で沃
化銀含有率の高いコア部分を形成させ、次にpAgを
8.0にしてpHを8.5に保ち、臭化銀のシェルを形
成し乳剤E−1とした。同様にして表1に示したE−2
〜E−5の単分散乳剤を調製した。なお表1の条件以外
はE−1と同様に行った。
【0072】
【表1】
【0073】なお得られた5種類の乳剤はS/r=0.
12の単分散立方晶粒子であった。次いで過剰な塩類を
除去するために前記と同様のデモールNと硫酸マグネシ
ウムを用いて脱塩した。次いでハロゲン化銀1モル当た
りオセインゼラチン9.2gを含むゼラチン水溶液を加
え撹拌分散した。
【0074】得られたE−1のハロゲン化銀乳剤に、銀
1モル当たりの容積が300mlになるよう純水を加え
てから52℃とし、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1
モル当たり0.05g加えて、適当量の塩化金酸とハイ
ポを添加し、さらにトリフェニル−フォスフィンセレナ
イドを4.5mg添加して化学熟成を行った。その後、
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデンを添加して化学熟成を終了した。
【0075】なお表2記載の色素を記載通りに添加して
分光増感した。なお表中、添加時期とあるのは下記の条
件で添加したことを表す。
【0076】(イ):脱塩後のゼラチン水溶液添加前 (ロ):チオシアン酸アンモニウム塩添加10分前 (ハ):4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン添加と同時 (ニ):乳剤塗布液用添加剤の添加直前支持体の調製 裏引き層としてゼラチン400g、ポリメチルメタクリ
レート2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6
g、下記ハレーション防止染料20g及びN,N′−エ
チレンビス−(ビニルスルフォニルアセトアミド)ポリ
エチレンスルホン酸ナトリウムからなる裏引き層用塗布
液を調製し、グリシジルメタクリレート50wt%、メ
チルアクリレート10wt%、ブチルメタクリレート4
0wt%の3種のモノマーからなる共重合体をその濃度
が10wt%になるように希釈して得た共重合体水性分
散液を下引き液として塗設したポリエチレンテレフタレ
ートベースの片側の面にゼラチン、マット剤(ポリメチ
ルメタクリレート:平均粒子サイズ3.5μ)、グリオ
キザール、t−オクチルフェノキシエトキシエタンスル
ホン酸ナトリウム及び
【0077】
【化21】
【0078】からなる保護層液とともに塗布して得られ
た裏引き済みの支持体を用意した。塗布量は裏引き層、
保護層をゼラチン付き量としてそれぞれ2.0g/
2、1.2g/m2とした。
【0079】
【化22】
【0080】乳剤塗布試料の作成 得られたそれぞれの乳剤に対してハロゲン化銀1モル当
たり下記を添加した。 ゼラチン 78g 1−トリメチロールプロパン 10g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 1g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 10mg
【0081】
【化23】
【0082】 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 10mg 表2記載の本発明の一般式〔III〕及び〔IV〕の化合物 表2記載量
【0083】
【化24】
【0084】また保護層液として下記を調製した。添加
量は塗布液1リットル当たりの量で示す。
【0085】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム−iso−アミル−n−デシルスルホサクシネート 1g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.5μのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(平均粒径1.2μのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30g 2−4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジンナトリウム塩水溶液2% 10ml ホリマリン35% 2ml グリオキザール40% 1.5ml
【0086】
【化25】
【0087】前記した裏引き済みベース上に各層をスラ
イドホッパー法にて支持体から順にハロゲン化銀乳剤
層、保護層を塗布速度が60m/minで2層同時に重
層塗布し試料を得た。銀量は2.5g/m2、ゼラチン
量は乳剤層が2.0g/m2、保護層が1.1g/m2
あった。
【0088】なお乳剤層塗布液は調製完了時から1時間
後、3時間後および9時間後に塗布した。得られた塗布
試料を23℃、55%RHの条件下に3日間放置して硬
膜性を安定させた後、780nmで発光する半導体レー
ザーを用いて光量を変化させて露光した。次いでXレイ
用自動現像機SRX−503(コニカ〔株〕製)にて35
℃で45秒処理した。処理液はXレイ用の現像液、定着
液であるSR−DF(コニカ〔株〕製)を用いた。
【0089】<感度評価>現像後の各試料についてカブ
リ+1.0の濃度を与えるに要する露光量の逆数の常用
対数で求めた試料No.1(乳剤塗布液調製完了から1
時間後に塗布した試料)の感度を100としたときの相
対値で示した。
【0090】
【表2】
【0091】表2から明らかなように本発明による試料
は、塗布液調製完了時から長時間(最高9時間)停滞さ
れても感度の劣化が僅かであり、安定した性能を維持し
ていることが分かる。なお分光増感色素の添加時期とし
ては化学熟成開始時のチオシアン酸アンモニウム塩添加
10分前が最も優れていた。
【0092】実施例2 実施例1と同様に表3に示した試料を作成し、同様に停
滞性能を評価した。また下記の方法により現像銀の色調
も同時に評価した <銀色調評価>現像後の濃度が1.2±0.05になる
ように露光してから感度測定と同様の処理を行い、試料
フィルムを色温度7700ケルビン、照度11600ル
ックスの光源台上におき透過光で下記の基準で評価し
た。
【0093】A:純黒色で全く黄色味を感じない B:部分的に僅かに黄色味がある C:全面に僅かに黄色味が感じられる D:一見して黄色味が感じられる 得られた結果を下記表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】表3から明らかなように本発明による試料
は、現像銀の色調が純黒色調に近く、比較試料に較べて
黄色味がなく優れていた。また塗布液調製後の停滞時間
が長時間であっても感度の劣化が非常に僅かであり安定
していた。
【0096】さらに塗布液調製完了時から長時間(最高
9時間)停滞されても感度の劣化が僅かであり、特にハ
ロゲン化銀乳剤が内部高沃度粒子において優れていた。
【0097】
【発明の効果】実施例で実証したように、本発明によれ
ば塗布液調製完了時から長時間(最高9時間)停滞され
ても感度の劣化が僅かであり、安定した性能を維持した
ハロゲン化銀写真感光材料をえることができる。さらに
現像銀の色調が純黒色調に近く、黄色味のない銀画像を
得ることができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該ハロゲン化銀乳剤層が下記一般式〔I〕または
    一般式〔II〕で表される化合物により700nm以上、
    1500nm以下に分光増感され、かつ下記一般式〔II
    I〕または一般式〔IV〕で表される化合物を含有してい
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、Z1、Z3は置換基を有してもよいベンゾチアゾー
    ル、ベンゾオキサゾール及びナフトオキサゾール環を形
    成するに必要な非金属原子群を表す。Z2は置換基を有
    してもよい5〜6員の炭素原子環を表し、R1、R2はそ
    れぞれ置換または無置換のアルキル基を表す。X1 -は対
    イオンを表し、nは1または2を表す。 【化2】 式中、Z4は5〜6員の含窒素複素環を形成するに必要
    な非金属原子群を表し、R4、R5はそれぞれ置換または
    無置換のアルキル基を表す。R6は水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、フェニル基またはベンジル基を表
    し、X1 -は対イオンを表し、p、m、nは1または2を
    表す。 【化3】 式中、Xは炭素数1〜6の有機残基を表し、Rはカルボ
    ン酸またはその塩、カルボン酸エステル基またはカルボ
    ン酸アミド基を表す。mは2または3、nは0または1
    を表す。
  2. 【請求項2】 上記感光性ハロゲン化銀乳剤層のハロゲ
    ン化銀粒子が、平均沃化銀含有率が1モル%以上、4モ
    ル%以下で、かつ内部高沃度のコアシェル型ハロゲン化
    銀粒子であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化銀写真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7928067B2 (en) 2009-05-14 2011-04-19 Ischemix Llc Compositions and methods for treating ischemia and ischemia-reperfusion injury
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US10744115B2 (en) 2017-04-25 2020-08-18 Ischemix Llc Compositions and methods for treating traumatic brain injury

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