JPH0988061A

JPH0988061A - 杭の支持力強化工法及びその装置

Info

Publication number: JPH0988061A
Application number: JP24970695A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Onomi; 博明尾身
Original assignee: Mitsubishi Construction Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Construction Co Ltd
Priority date: 1995-09-27
Filing date: 1995-09-27
Publication date: 1997-03-31

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、杭の支持力強化工法及びその装置
に関する。【構成】杭の支持力強化工法は、地盤をカッター装置
で掘削して杭構築地盤に達した段階で地盤強化手段を利
用して、杭孔Ｈの先端に支持力強化板１０或いは押圧底
地盤等の地盤強化層及び／又は押圧孔壁地盤或いは摩擦
力強化板１０１等の地盤強化層を設けて先端支持力及び
／又は周辺摩擦力の強化を図り、この先端支持力の生成
後に、杭を構築することを特徴とする。【効果】従来の場所打ち杭に比較し、施工によるバラ
ツキのない、信頼性のある、支持力の大きな場所打ち杭
の造成がである。また強度的に優れた先端地盤、周辺地
盤を備えた強固な場所打ち杭を構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、杭の支持力強化工法及
びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知の如く、場所打ち杭の支持力は、先
端支持力と周辺摩擦力の和である。そして、従来の場所
打ち杭工法では、通常地盤を掘削後に杭を構築すること
を要旨とする工法である。したがって、例えば、この地
盤を掘削することによる地盤の応力が開放され、地盤の
緩みが発生する。また掘削方法又は地盤状況等によって
も、先端地盤及び／又は周辺地盤が個別又は同時に緩む
傾向があり、現地盤そのままの地盤強度では十分な先端
支持力、周辺摩擦力が期待できない。その改良の一環と
して、次のような技術文献がある。（１）特開平７−２
０７６５７号の地盤改良機であり、その要旨は、掘削軸
に設けた練り付け装置により、掘削された円柱状の掘削
孔の内壁表面を押圧し、当該内壁表面に密実層を形成す
るとともに、てん充材の孔外への散逸防止を図るもので
あり、その構成は、掘削軸に掘削翼と攪拌翼とが設けら
れている。当該掘削軸は駆動装置に連結されており、左
右に回動可能となっている。前記攪拌より上方の掘削軸
に、アーム部材とプレートとからなる練り付け装置が設
けられているとともに、当該プレートは当該掘削翼によ
って掘削される掘削孔の内壁に全面が当接する湾曲板か
らなっており、当該掘削軸と連動して回転する構成とな
っている。（２）特開平７−１８９２４１号の地盤改良
機及び地盤改良工法であり、その要旨は、掘削翼の下面
で、その下方に位置する土壌を順次転圧して締め固めな
がら掘削軸を引抜き作業を繰り返して、削孔内の土壌を
高密度に締め固めて固化材の量を多くすることなく強度
的に優れた固化柱を構築することにあり、その構成は、
回転装置の上部に掘削軸に対して上下に振動を与える振
動発生装置を連結した地盤改良機を使用し、掘削軸で削
孔を所定深さまで形成した後、掘削軸が削孔内にある状
態で、振動発生装置を作動させて掘削軸に上下方向の振
動を与えながら且つ当該掘削軸を回転装置で反掘削方向
に回転させながら、掘削軸を順次上方に引抜くようにし
た構成である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した技術文献の発
明は、杭（柱）の強度性の向上及びてん充材の散逸防止
等には役立つ特徴を有する。しかし、先端支持力又は先
端支持力と周辺摩擦力の和を意図する杭支持力強化の構
成を採用していない課題があり、ここに改良の余地があ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記に鑑み、本発明は、
先端地盤、周辺地盤を強制的に押すことにより、従来の
地盤強度以上に改善する工法を発明した。その要旨は、
地盤をカッター装置で掘削して杭構築地盤に達した段階
で地盤強化手段を利用して、杭孔の先端に地盤強化層を
設けて先端支持力及び周辺摩擦力の強化を図り、この先
端支持力の生成後に、杭を構築することを特徴とする構
成である。

【０００５】前記支持力強化工法に使用される装置は、
作業機械に設けられるロッドと、このロッドの先端に設
けられたシリンダー、リンク機構等の伸縮装置と、この
伸縮装置で拡縮する押圧板と、この押圧板と前記伸縮装
置を連動するスティーと、で構成されている。

【０００６】

【作用】次に、本発明の作用の一例を説明する。

【０００７】先ず、基本の孔底及び／又は孔壁の地盤強
化手段を説明すると、先ず、場所打ち杭工法（ケーシン
グを使用しない工法）で所定の支持地盤まで掘削する。
例えば、カッター装置を利用して地盤を掘削し、当所の
地盤に達した段階で、当該カッター装置を引き抜く。勿
論、通常の孔崩壊防止方法を採用する。つづいて、先端
・周辺地盤強化装置を孔底にセットし、セットされた支
持力強化板を底部押圧板により孔底に押圧し、望ましく
は孔底地盤内に陥没させる。その後、円筒を数個に分割
した所定の面積の側部押圧板を油圧ジャッキにより、周
辺の孔壁（杭壁）に押しつけ、周辺地盤を強化する。こ
のような操作及び手順により先端支持力及び周辺摩擦力
強化が図られた段階で、周辺・先端の各油圧ジャッキを
それぞれ締めて回収し、その後、通常の場所打ち杭工法
と同様に鉄筋かご建て込み、コンクリート打設して場所
打ち杭を造成する。尚、先端支持力強化のみを行う場合
も有り得る。また拡底抗の場合は、拡底形状の押圧板
（拡底用側部押圧板）を使用する。その状態で、例え
ば、側部押圧板の孔壁に対する周辺摩擦力を反力とし
て、孔壁を円形等の底部の押圧板を油圧ジャッキで鉛直
に押し、周辺地盤を強化する。

【０００８】尚、前記カッター装置と先端・周辺地盤強
化装置を併設する装置も有り得る。また、周辺摩擦力が
不足する場合は、側部押圧板に突起物を設ける場合もあ
る。さらにまた底部・側部押圧板の外側にコンクリート
板等を取り付け、そのまま残置する場合もある。その他
側部・底部押圧板の形状を波形、凹凸、山形、スリット
形等の変形例とする場合、伸縮性突起物を設ける場合、
アクチューエーター押圧板を設ける場合、等の各例が採
用できる。

【０００９】また、孔底及び／又は孔壁の地盤強化手段
は、各例がある。例えば、図示しないが、孔底・側部押
圧板の押圧作業による押圧強化の場合では、底部押圧板
による孔底地盤（一部又は全部、同じ）の強化或いは固
化、又は側部押圧板による孔壁地盤（一部又は全部、同
じ）の強化或いは固化、また図５の如く、孔底及び孔壁
の双方にコンクリート板（支持力強化板、周辺摩擦力強
化板）を設ける例の如く、各種状況に対応して種々選択
使用又は同時使用する等各種状況に対応して種々選択使
用される。

【００１０】

【実施例】先ず、本発明の先端・周辺地盤強化装置につ
き説明する。当該先端・周辺地盤強化装置１は、次の構
成部品で構成されている。即ち、作業機械（図示せず）
に垂設されたロッド２と、このロッド２の先部に拡縮自
在に設けられた底部押圧板３及び側部押圧板４、４と、
この底部押圧板３及び側部押圧板４、４を操作するシリ
ンダー、リンク機構等の伸縮装置５、６、６と、前記側
部押圧板４、４とロッド２とを連繋するスティー７、７
とで構成されている。したがって、削孔された杭孔Ｈの
孔底Ｈ１に設けられた支持力強化板１０（コンクリート
板）は、伸縮装置５の動作により孔底Ｈ１に押圧され、
いわゆる先端支持力強化のベースとなる。また孔壁Ｈ２
は、当該孔壁Ｈ２に添接されている側部押圧板４の押圧
動作により、押し固められ地盤強化層Ｈ２’が形成され
るが、具体的には伸縮装置６、６の作用でスティー７、
７を揺動させ、このスティー７、７の揺動を利用して前
記側部押圧板４、４を孔壁Ｈ２に押しつける。この孔壁
Ｈ２の地盤強化層Ｈ２’は周辺摩擦力強化のベースとな
る。尚、底部・側部押圧板３、４の戻りは伸縮装置５、
６により行う。但し、側部押圧板４、４は伸縮装置６、
６とスティー７、７の戻りにより行う。また押圧板と
は、前記底部押圧板３と側部押圧板４、４とを併設する
場合、底部押圧板３と側部押圧板４、４とを単独又は組
合せて設ける場合等が有り得る。

【００１１】尚、図４は他の例を示しており、ロッド２
の下方に拡底用側部押圧板４１、４１が設けられてい
る。この拡底用側部押圧板４１、４１は前記ロッド１に
設けたスライド形態の拡縮スティー７１により拡縮され
る構成となっている。この一例では、拡底用側部押圧板
４１、４１は、その枢着側４１ａ、４１ａがロッド２の
下方に設けたベース１１に枢着されており、対の伸縮装
置６１、６１により拡縮スティー７１を下方に移動する
ことによりほぼハ字形に拡開される状況（図４参照）、
逆に伸縮装置６１、６１により拡縮スティー７１を上方
に移動することによりほぼ倒ニ字形に収縮される状況
（図示せず）等により拡縮される構成である。勿論、こ
の拡縮構成は一例である。

【００１２】また図６は、杭孔Ｈの孔壁Ｈ２の一部に摩
擦力強化板１０１、１０１（コンクリート板）を設けた
一例を示す。尚、前述の如く、孔壁Ｈ２の一部又は全部
に単に地盤強化層（図示せず）を設ける場合も有り得
る。さらに支持力強化板１０、摩擦力強化板１０１、１
０１と地盤強化層Ｈ２’等との併用、又は選択的採用な
どが有り得る。

【００１３】

【発明の効果】本発明は以上の如く、先端地盤及び／又
は周辺地盤に支持力強化板等を設ける構成、又は地盤強
化層を形成する構成、或いは前記支持力強化板等と地盤
強化層を併用する構成、等を内容とする工法であるの
で、従来の場所打ち杭に比較し、施工によるバラツキの
ない、信頼性のある、支持力の大きな場所打ち杭の造成
が可能である。

【００１４】また先端地盤及び／又は周辺地盤に支持力
強化板等を設ける構成、又は地盤強化層を形成する構
成、或いは前記支持力強化板等と地盤強化層を併用する
構成、等を内容とする装置であるので、強度的に優れた
先端地盤、周辺地盤を備えた強固な場所打ち杭を構築で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カッター装置により杭用の杭孔を形成した一例
を示す模式図である。

【図２】先端・周辺地盤強化装置の孔底への設置状況の
一例を説明する模式図である。

【図３】孔底に設置された先端・周辺地盤強化装置の底
部押圧板の作動状況の一例を説明する模式図である。

【図４】孔底に設置された先端・周辺地盤強化装置の側
部押圧板の作動状況終了後の一例を説明する模式図であ
る。

【図５】孔底に設置された先端・周辺地盤強化装置の拡
底用側部押圧板の作動状況の一例を示す模式図である。

【図６】孔底に設置された支持力強化板及び摩擦力強化
板の設置状況の一例を示す模式図である。

【符号の説明】

１先端・周辺地盤強化装置２ロッド３底部押圧板４側部押圧板４１拡底用側部押圧板４１ａ枢着側５伸縮装置６伸縮装置６１伸縮装置７スティー７１拡縮スティー１０支持力強化板１０１摩擦力強化板１１ベースＨ杭孔Ｈ１孔底Ｈ２孔壁Ｈ２’ 地盤強化層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】地盤をカッター装置で掘削して杭構築地
盤に達した段階で地盤強化手段を利用して、杭孔の先端
に地盤強化層を設けて先端支持力の強化を図り、この先
端支持力の生成後に、杭を構築することを特徴とした杭
の支持力強化工法。
【請求項２】上記地盤強化手段は、孔底に設置される
支持力強化板である請求項１記載の杭の支持力強化工
法。
【請求項３】上記地盤強化手段は、孔底を押圧して生
成される押圧孔底地盤である請求項１記載の杭の支持力
強化工法。
【請求項４】地盤をカッター装置で掘削して杭構築地
盤に達した段階で地盤強化手段を利用して、杭孔の先端
及び孔壁に地盤強化層を設けて先端支持力の強化を図
り、この先端支持力の生成後に、杭を構築することを特
徴とした杭の支持力強化工法。
【請求項５】上記地盤強化手段は、孔底及び孔壁に設
置される支持力強化板である請求項４記載の杭の支持力
強化工法。
【請求項６】上記地盤強化手段は、孔底及び孔壁を押
圧して生成される押圧孔底地盤及び押圧孔壁盤である請
求項４記載の杭の支持力強化工法。
【請求項７】作業機械に設けられるロッドと、このロ
ッドの先端に設けられたシリンダー、リンク機構等の伸
縮装置と、この伸縮装置で拡縮する押圧板と、この押圧
板と前記伸縮装置を連動するスティーと、で構成されて
いる杭の支持力強化工法に使用する装置。