JPH0987581A - 塗料組成物及びこの組成物を用いた塗装金属板 - Google Patents

塗料組成物及びこの組成物を用いた塗装金属板

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JPH0987581A
JPH0987581A JP24915495A JP24915495A JPH0987581A JP H0987581 A JPH0987581 A JP H0987581A JP 24915495 A JP24915495 A JP 24915495A JP 24915495 A JP24915495 A JP 24915495A JP H0987581 A JPH0987581 A JP H0987581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温での加工性及び高温での耐ブロッキング
性の両者を満足する塗膜を形成できる塗料を得る。 【解決手段】 (A)ガラス転移温度−25〜35℃、
数平均分子量1,000〜35,000及び水酸基価3
〜40mgKOH/g を有するポリエステル樹脂 60〜95
重量部及び(B)メチルエーテル化メラミン樹脂、及び
メチルエーテル化メラミン樹脂とブチルエーテル化メラ
ミン樹脂とのメラミン樹脂混合物のいずれかであるメラ
ミン樹脂硬化剤 5〜40重量部、の合計量100重量
部に対して、(C)セルロースアセテートブチレート
1〜15重量部を含有することを特徴とする塗料組成
物、及びこの塗料組成物の硬化塗膜が形成された塗装金
属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性及び耐ブロ
ッキング性に優れた塗膜を形成できる塗料組成物、特に
器物加工用のプレコート塗装鋼板用として適した塗料組
成物、及びこの塗料組成物を塗装してなる塗装金属板に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
VTR、ラジカセ、電子レンジなどの家電製品などの器
物に加工される塗装鋼板用の上塗塗料としては、ポリエ
ステル樹脂を基体樹脂とし、メラミン樹脂又はイソシア
ネート化合物を硬化剤とした組成物を樹脂成分とする有
機溶剤型塗料が使用されている。なかでも硬化剤として
メラミン樹脂、特にメチルエーテル化メチロールメラミ
ン樹脂との混合物に硬化触媒を配合した塗料が多く用い
られている。
【0003】上記従来の塗料を塗装した塗装鋼板は、器
物に加工する場合、一般に四季を問わずプレス成型など
によって成型加工されるが、冬場の低温においては塗膜
の加工性が劣るため冬場においては加工性は極めて重要
である。例えば寒冷地域での成型加工は0℃で行われる
ことも少なくないため塗膜のガラス転移温度は、50℃
以下でないと十分な加工性が得られないという現状にあ
る。
【0004】一方、加工性を重要視して塗膜のガラス転
移温度を低下させると、塗装鋼板をシート状に堆積した
り、コイル状に巻き取った場合、特に夏場の高温におい
て、その荷重により塗膜にブロッキングを生じやすくな
るという問題がある。
【0005】このため低温での加工性及び高温での耐ブ
ロッキング性の両者を満足する塗膜を形成できる塗料の
開発が急務となっている。
【0006】そこで本発明者らは、低温での加工性及び
高温での耐ブロッキング性の両者を満足する塗膜を形成
できる塗料を得るべく鋭意研究の結果、ポリエステル−
メラミン樹脂系塗料において、特定のポリエステル樹
脂、特定のメラミン樹脂を使用し、このものにセルロー
スアセテートブチレートを配合することによって上記目
的を達成できることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、1.
(A)ガラス転移温度−25〜35℃、数平均分子量
1,000〜35,000及び水酸基価3〜40mgKOH/
g を有するポリエステル樹脂 60〜95重量部及び
(B)メチルエーテル化メラミン樹脂、及びメチルエー
テル化メラミン樹脂とブチルエーテル化メラミン樹脂と
のメラミン樹脂混合物のいずれかであるメラミン樹脂硬
化剤 5〜40重量部、の合計量100重量部に対し
て、(C)セルロースアセテートブチレート 1〜15
重量部を含有することを特徴とする塗料組成物を提供す
るものである。
【0008】また、本発明は、2.金属板上に、プライ
マー塗膜を介して、又は介さずに、上記項1記載の塗料
組成物の硬化塗膜が形成されてなることを特徴とする塗
装金属板を提供するものである。
【0009】本発明組成物において、(A)成分である
ポリエステル樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹
脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性
ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキ
シ変性ポリエステル樹脂などのいずれであってもよい。
【0010】上記ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の
加工性、塗膜硬度、耐溶剤性、耐汚染性、及び樹脂の取
扱い易さなどの観点から、数平均分子量1,000〜3
5,000、ガラス転移温度−25〜35℃、水酸基価
3〜40mgKOH/g を有することが必要であり、数平均分
子量4,000〜33,000、ガラス転移温度−20
〜25℃、水酸基価3〜35mgKOH/g を有することがさ
らに好ましい。本発明において、ガラス転移温度(T
g)は、示差熱分析(DSC)によるものであり、また
数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)に
よって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したも
のである。
【0011】ポリエステル樹脂(A)において、数平均
分子量が1,000未満では塗膜の加工性が低下し、一
方、35,000を超えると、樹脂が高粘度となって取
扱い難くなるとともに塗装時の塗装作業性が低下する。
またガラス転移温度が−25℃未満では得られる塗膜の
硬度が低くなってしまい、一方、35℃を超えると塗膜
の加工性が低下する。また水酸基価が3mgKOH/g 未満で
は塗膜の耐溶剤性(硬化性)が低下し、一方、40mgKO
H/g を超えると塗膜の加工性が低下する。
【0012】上記オイルフリーポリエステル樹脂は主に
多塩基酸と多価アルコールとのエステル化物であって、
多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸などから選ばれた1種以上の二塩基酸及びこれら
の酸の低級アルキルエステル化物が主に用いられ、必要
に応じて安息香酸、クロトン酸、p−tert−ブチル安息
香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの
3価以上の多塩基酸などが用いられ、多価アルコールと
してはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキ
サンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価ア
ルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール
を併用することもできる。両成分のエステル化又はエス
テル交換反応は公知の方法で行える。酸成分としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、及びこれらの酸の低級ア
ルキルエステル化物が特に好ましい。
【0013】アルキド樹脂は上記オイルフリーポリエス
テル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪
酸を公知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸
としては例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油
脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒ
マシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などが挙げられる。アルキ
ド樹脂の油長は30%以下が好ましい。
【0014】ウレタン変性ポリエステル樹脂は、上記オ
イルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポ
リエステルの製造の際の、酸成分及びアルコール成分を
反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステ
ル樹脂を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反
応せしめたものである。またウレタン変性アルキド樹脂
は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際
の各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂
を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反応せし
めたものである。ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレ
タン変性アルキド樹脂を製造する際に使用するポリイソ
シアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6
−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。
【0015】エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、
上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造
したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル
基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステ
ル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイ
ソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポ
リエステル樹脂とエポキシ樹脂とを付加、縮合、グラフ
トなどの反応による反応生成物を挙げることができる。
【0016】本発明組成物における(B)成分であるメ
ラミン樹脂硬化剤は、メチルエーテル化メラミン樹脂、
及びメチルエーテル化メラミン樹脂とブチルエーテル化
メラミン樹脂とのメラミン樹脂混合物のいずれかであ
る。
【0017】上記メチルエーテル化メラミン樹脂は、メ
ラミンとホルムアルデヒドとの付加反応生成物(1量体
又は多量体)であるメチロール化メラミン樹脂中のメチ
ロール基の一部又は全部をメタノールでのみエーテル化
したメチル化メラミン樹脂、及びメチロール化メラミン
樹脂中のメチロール基の一部又は全部をメタノールと他
の炭素数2〜4のアルコール、例えばエタノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどと
の混合アルコールによって混合エーテル化したメラミン
樹脂の両者を包含する。
【0018】上記メチルエーテル化メラミン樹脂として
は、メチルエーテル化されたメチロール基の数がトリア
ジン核1個当り平均で3.0個以上、数平均分子量が
1,000以下であるものが、ポリエステル樹脂(A)
との相溶性、得られる塗膜の耐汚染性、加工性などの点
から好ましい。
【0019】上記好ましいメチルエーテル化メラミン樹
脂の市販品としては、例えば、サイメル303、同32
5、同327、同350、同730、同736、同73
8〔いずれも三井サイテック(株)製〕、メラン52
2、同523〔いずれも日立化成(株)製〕、ニカラッ
クMS001、同MX650〔三和ケミカル(株)
製〕、スミマールM−55〔住友化学(株)製〕、レジ
ミン740、同747〔いずれもモンサント社製〕など
のメチル化メラミン樹脂;サイメル232、同266、
同XV−514〔いずれも三井サイテック(株)製〕、
ニカラックMX500、同MX600、同MS95〔い
ずれも三和ケミカル(株)製〕、レジミン753、同7
55〔いずれもモンサント社製〕などのメチルエーテル
とブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂など
を挙げることができる。
【0020】上記メチルエーテル化メラミン樹脂と混合
して使用するブチルエーテル化メラミン樹脂は、メラミ
ンとホルムアルデヒドとの付加反応生成物(1量体又は
多量体)であるメチロール化メラミン樹脂中のメチロー
ル基の一部又は全部をn−ブチルアルコール又はイソブ
チルアルコールでエーテル化したものであり、得られる
塗料の塗料安定性、得られる塗膜の耐汚染性などの点か
ら数平均分子量が800〜8,000の範囲であること
が好ましく、1,000〜3,000の範囲にあること
がさらに好ましい。
【0021】上記好ましいブチルエーテル化メラミン樹
脂の市販品としては、例えば、ユーバン20SE、同2
8SE〔いずれも大日本インキ化学工業(株)製〕、ス
ーパーベッカミンJ−820−60、同L−117−6
0、同L−109−65、同G−821−60、同47
−508−60、同L−118−60〔いずれも三井東
圧(株)製〕などを挙げることができる。
【0022】メチルエーテル化メラミン樹脂にブチルエ
ーテル化メラミン樹脂を併用することにより、ポリエス
テル樹脂との相溶性の劣るブチルエーテル化メラミン樹
脂が塗膜表面に移行し、この硬化膜が耐汚染性に優れた
効果を発揮するとともに、塗膜硬度にも有利である。塗
膜内部の架橋は、主としてメチルエーテル化メラミン樹
脂によって行うことができることから加工性の点でも有
利である。
【0023】本発明組成物において、ポリエステル樹脂
(A)とメラミン樹脂硬化剤(B)との硬化反応を促進
するために、必要に応じて硬化触媒として酸触媒を併用
することができる。この硬化触媒としては、強酸、強酸
の中和物などがあり、代表例としてp−トルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレ
ンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などの
強度の酸であるスルホン酸化合物、これらのスルホン酸
化合物のアミン中和物などを挙げることができる。これ
らのうち、塗料の安定性、反応促進効果、得られる塗膜
の物性などの点から、p−トルエンスルホン酸のアミン
中和物及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸のアミン
中和物が好適である。硬化触媒の使用量は(A)成分と
(B)成分との合計100重量部に対して、酸化合物の
量に換算した値として、0.1〜3.0重量部、さらに
は0.3〜2.0重量部の範囲内であることが好まし
い。本発明組成物における(C)成分であるセルロース
アセテートブチレートとしては、例えばイーストマンケ
ミカル社製の、CAB−381−0.1、CAB−38
1−20、CAB−500−1、CAB−500−5、
CAB−531−1、CAB−551−0.01、CA
B−551−0.2、CAB−553−0.4などを挙
げることができるが、溶剤に対する溶解性の点からCA
B−500−1、CAB−500−5、CAB−531
−1、CAB−551−0.01、CAB−551−
0.2、CAB−553−0.4などのブチル化度の大
きいものが好適である。(C)成分は前もって溶剤に溶
解させておき、溶解液として配合することができる。
(C)成分を配合することによって加工性を保持しなが
ら耐ブロッキング性を向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明組成物において、(A)、
(B)及び(C)成分の配合量は、以下のとおりであ
る。
【0025】ポリエステル樹脂(A)とメラミン樹脂硬
化剤(B)との配合比率は、固形分重量比で、(A)/
(B)が、60/40〜95/5の範囲であり、好まし
くは70/30〜85/15の範囲である。(A)成分
と(B)成分との合計100重量部中、(A)成分が6
0重量部未満となると〔(B)成分が40重量部を超え
ると〕、塗膜の加工性が低下し、一方、(A)成分が9
5重量部を超えると〔(B)成分が5重量部未満となる
と〕、得られる塗膜の耐ブロッキング性、耐汚染性、硬
度、耐溶剤性などが低下する。
【0026】セルロースアセテートブチレート(C)の
配合量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量
部に対して、1〜15重量部の範囲であり、好ましくは
2〜8重量部の範囲である。(C)成分の配合量が1重
量部未満では、耐ブロッキング性向上の効果が十分でな
く、一方、15重量部を超えると、塗膜の硬化性が劣り
塗膜の密着性が低下するとともに、塗料の塗装時の不揮
発分が低下し塗装作業性が悪くなる。
【0027】本発明塗料組成物は、上記(A)、
(B)、(C)成分及び必要に応じて硬化触媒からなっ
ていてもよいが、取扱い上、及び塗装性の面などから通
常、有機溶剤が含有せしめられる。上記有機溶剤として
は、上記(A)、(B)及び(C)の各成分を溶解ない
しは分散できるものが使用でき、具体的には例えば、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン
などのケトン系溶剤;トルエン、キシレン、高沸点石油
系炭化水素などの炭化水素系溶剤;エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなど
のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステ
ル系溶剤などが挙げられ、これらは単独で、又は2種以
上混合して使用することができる。
【0028】本発明塗料組成物は、顔料を含有しないク
リヤ塗料として使用することができるが、着色顔料を含
有するエナメル塗料として使用できる。着色顔料として
は塗料分野で使用できる着色顔料例えばシアニンブル
ー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系などの
有機赤顔料などの有機着色顔料;チタン白、チタンエロ
ー、ベンガラ、カーボンブラック、黄鉛、各種焼成顔料
などの無機着色顔料が使用できる。また、本発明組成物
は、必要に応じて、クロム酸ストロンチウム、クロム酸
亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウムなどの防
錆顔料;タルク、クレー、シリカ、マイカ、アルミナな
どの体質顔料;充填剤、添加剤などを含有していてもよ
い。
【0029】防錆顔料の配合は、本発明組成物を金属板
上にプライマー塗膜を介さずに塗装する場合に特に効果
的であり、塗装金属板の耐食性を向上させることができ
る。防錆顔料の配合量は、ポリエステル樹脂(A)とメ
ラミン樹脂硬化剤(B)との合計100重量部に対して
20重量部以下の範囲であることが好ましく、プライマ
ーを介さずに塗装する場合には1〜20重量部の範囲で
あることが好適である。
【0030】本発明塗料組成物を塗装する被塗装物とし
ては冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼
板、合金メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼
板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板などの金属板又
はこれらの金属板にリン酸塩系やクロム酸塩系などの表
面処理を施した金属板が好適であるが、プラスチック
ス、木材、セメントなどにも適用可能であり、また上記
塗料は、これらの被塗物に直接に、又はプライマー塗膜
を介して塗装することができる。プライマーとしては、
エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系及びこれらの
変性プライマーなどが挙げられ、加工性の面からポリエ
ステルプライマーが特に好適である。プライマー塗膜の
膜厚は特に限定されるものではないが、通常1〜15μ
m 、好ましくは2〜8μm の範囲である。
【0031】本発明における塗装金属板は、上記金属板
又はこれらの金属板に表面処理を施した金属板を被塗物
とするものであり、被塗物である金属板上に、上記プラ
イマー塗膜を介して、又は介さずに本発明塗料組成物の
硬化塗膜が形成されてなるものである。
【0032】本発明塗料組成物の塗装方法は、カーテン
フロー塗装、ロール塗装、浸漬塗装及びスプレー塗装な
どが可能であり、通常、乾燥した後の塗膜厚が5〜30
ミクロンの範囲内となるよう塗装される。また上記塗料
の硬化は塗料が硬化する、温度−焼付時間の中から適宜
設定できるがコイルコーティングなどによって塗装する
プレコート塗装分野においては、通常、素材到達最高温
度160〜260℃で15〜90秒の範囲、特に200
〜230℃で、30〜70秒の範囲が好適である。
【0033】
【発明の効果】本発明組成物は、ポリエステル−メラミ
ン樹脂系塗料であって、これまで達成できなかった低温
での加工性と高温での耐ブロッキング性の両者をセルロ
ースアセテートブチレートを配合することによって達成
したものであり、この塗料を塗装した塗装鋼板は、冬場
の寒冷地における低温での加工性及び夏場の高温下での
積重ねなどにおける耐ブロッキング性のいずれにおいて
も優れた性能を示す。本発明組成物は、加工性、耐ブロ
ッキング性に優れた塗膜を形成できることから家電製品
などの器物に加工される塗装鋼板用の上塗塗料として特
に好適なものである。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下、「部」及び「%」は、いずれも
重量基準によるものとする。
【0035】実施例1〜8及び比較例1〜6 後記表1に示す組成配合にて、塗料化を行い各上塗塗料
を得た。厚さ0.5m/m のクロメート処理電気亜鉛メッ
キ鋼板上に関西ペイント社製KPカラー8620プライ
マー(プレコート鋼板用ポリエステル系プライマー)を
乾燥膜厚が5μm となるよう塗装し、素材到達温度22
0℃となるよう45秒間焼付け、プライマー塗装鋼板を
得た。このプライマー塗装鋼板上に上記のようにして得
た各上塗塗料をバーコータにて乾燥膜厚が約18μm と
なるよう塗装し、素材到達最高温度が220℃となるよ
う60秒間焼付けて各上塗塗装鋼板を得た。得られた塗
装鋼板について各種試験を行った。
【0036】その試験結果を表2に示す。なお表1にお
けるポリエステル樹脂及びメラミン樹脂の量は、固形分
重量による表示であり、硬化触媒の量は、それぞれのス
ルホン酸化合物の量に換算して重量表示した。なお、実
施例及び比較例の塗料化に際しては、黒顔料であるカー
ボンブラックの分散を行い、また、セルロースアセテー
トブチレートは、メチルエチルケトン/トルエン/キシ
レン/酢酸ブチル=2/1/1/1の混合溶剤に溶解さ
せ固形分20%溶液として使用した。さらにシクロヘキ
サノン/スワゾール1500(コスモ石油(株)製、芳
香族石油系高沸点溶剤)=60/40(重量比)の混合
溶剤を塗料粘度調整などのために使用した。塗装に際し
ては、塗料粘度をフォードカップ #4で約100秒(2
5℃)に調整した。
【0037】実施例9 実施例1において、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板
上にプライマーを塗装せずに、この鋼板に直接に後記表
1に記載の配合の塗料組成物を塗装する以外は実施例1
と同様に行い、鋼板上にプライマー塗膜を介さずに上塗
塗膜を形成した上塗塗装鋼板を得た。得られた塗装鋼板
について各種試験を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1中の(註)は、それぞれ下記のとおり
である。
【0041】(*1)〜(*4)のポリエステル樹脂
は、いずれも東洋紡績(株)製のポリエステル樹脂であ
り、下記表3に示す性状値を有する。
【0042】
【表3】
【0043】(*5)サイメル303:三井サイテック
(株)製、数平均分子量1,000以下の低分子量メチ
ルエーテル化メラミン樹脂、ヘキサキス(メトキシメチ
ル)メラミンの含有量が60重量%以上。
【0044】(*6)スーパーベッカミンJ−820−
60:大日本インキ化学工業(株)製、n−ブチルエー
テル化メラミン樹脂。
【0045】(*7)CAB−551−0.2:イース
トマンケミカル社製、セルロースアセテートブチレー
ト、ブチリル含量52%、アセチル含量2.0%、ヒド
ロキシル含量1.8%。
【0046】(*8)CAB−531−1:イーストマ
ンケミカル社製、セルロースアセテートブチレート、ブ
チリル含量50%、アセチル含量2.8%、ヒドロキシ
ル含量1.7%。
【0047】(*9)PTSA中和物:p−トルエンス
ルホン酸のジn−ブチルアミンによる中和物。酸のアミ
ンによる中和当量は1.0。
【0048】(*10)DDBSA中和物:ドデシルベ
ンゼンスルホン酸のジメチルオキサゾリジンによる中和
物。酸のアミンによる中和当量は1.0。
【0049】表2中における試験は下記試験法に従って
行った。
【0050】試験方法 塗面外観:塗面(30cm×30cm)の外観を肉眼で観察
した。塗面にハジキ、凹み、曇りなどの塗面異常の認め
られないものを良好(○)とした。
【0051】折曲げ加工性:20℃及び0℃の室内にお
いて、塗面を外側にして試験板を180度折曲げて、折
曲げ部分にワレが発生しなくなるT数を表示した。T数
とは、折曲げ部分の内側に何もはさまずに180度折曲
げを行った場合を0T、試験板と同じ厚さの板を1枚は
さんで折曲げた場合を1T、2枚の場合を2T、……8
枚の場合を8Tとした。
【0052】耐衝撃性:JIS K−5400 8.
3.2(1990)デュポン式耐衝撃性試験に準じて、
落錘重量500g、撃芯の尖端直径1/2インチ、落錘
高さ50cmの条件にて塗装板の塗面に衝撃を加えた。つ
いで衝撃を加えた部分にセロハン粘着テープを貼着し、
瞬時にテープを剥がしたときの塗膜の剥がれ程度を評価
した。
【0053】○:塗面に剥がれが認められない。
【0054】△:塗面にわずかの剥がれが認められる。
【0055】×:塗面にかなりの剥がれが認められる。
【0056】密着性:試験板の塗膜表面にカッターナイ
フで素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの
平行な直線を1mm間隔で引いて、1×1mmのます目10
0個を作成した。この塗面にセロハン粘着テープを貼着
し、テープを急激に剥がした後の塗面を観察し下記基準
で評価した。
【0057】○:塗膜の剥離が全く認められない。
【0058】△:わずかに剥離したが、ます目は90個
以上残存 ×:多く剥離し、ます目の残存数は90個未満 耐ブロッキング性:2枚の試験板の塗面同士を合わせ
て、温度50℃、加重80kg/cm2の条件で24時間密着
させた後、板を剥がした。その剥がし易さを評価した。
【0059】◎:塗面同士が全くくっつかず板が容易に
とれる。
【0060】○:塗面同士がわずかにくっつくが、板が
容易にとれる。
【0061】△:塗面同士がかなりくっつき、板を剥が
すのに力を要するが、剥がした塗面に異常は認められな
い。
【0062】×:塗面同士が強くくっつき、剥がすと塗
面に異常が認められる。
【0063】耐溶剤性:20℃の室内にてメチルエチル
ケトンを浸み込ませたガーゼにて塗面に約1kg/cm2の荷
重をかけて約5cmの長さの間を往復させた。プライマー
塗膜(ワンコートの場合は鋼板)が見えるまでの往復回
数を記録した。50回の往復でプライマー塗膜(ワンコ
ートの場合は鋼板)が見えないものは50<と表示し
た。
【0064】耐食性:JIS Z−2371塩水噴霧試
験500時間後の平面部における白錆発生の面積率で評
価した。
【0065】 ◎:白錆発生面積率 1%未満 ○: 〃 1%以上10%未満 △: 〃 10%以上30%未満 ×: 〃 30%以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 101/12 PCT C09D 101/12 PCT 161/28 PHK 161/28 PHK //(C09D 167/00 161:28 101:12)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ガラス転移温度−25〜35℃、
    数平均分子量1,000〜35,000及び水酸基価3
    〜40mgKOH/g を有するポリエステル樹脂60〜95重
    量部及び(B)メチルエーテル化メラミン樹脂、及びメ
    チルエーテル化メラミン樹脂とブチルエーテル化メラミ
    ン樹脂とのメラミン樹脂混合物のいずれかであるメラミ
    ン樹脂硬化剤 5〜40重量部、の合計量100重量部
    に対して、(C)セルロースアセテートブチレート 1
    〜15重量部を含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)とメラミン樹脂
    硬化剤(B)との合計量100重量部に対して、さらに
    スルホン酸化合物のアミン中和物である硬化触媒をスル
    ホン酸化合物の量に換算した値として、0.1〜3.0
    重量部含有することを特徴とする請求項1記載の塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂(A)とアミノ樹脂硬
    化剤との合計100重量部に対して、さらに防錆顔料を
    1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1又は
    2記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 金属板上に、プライマー塗膜を介して、
    又は介さずに、請求項1又は3記載の塗料組成物の硬化
    塗膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176609A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Kansai Paint Co Ltd 被覆用樹脂組成物
CN109796841A (zh) * 2017-11-17 2019-05-24 荒川化学工业株式会社 热固化型剥离涂覆剂和剥离膜

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