JPH0986423A - 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワ−ステアリング装置の制御装置

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JPH0986423A
JPH0986423A JP7269042A JP26904295A JPH0986423A JP H0986423 A JPH0986423 A JP H0986423A JP 7269042 A JP7269042 A JP 7269042A JP 26904295 A JP26904295 A JP 26904295A JP H0986423 A JPH0986423 A JP H0986423A
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秀行 小林
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Hirosuke Itakura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Hブリツジ回路を使用した電動パワ−ステア
リング装置のモ−タ制御回路において、ハンドル戻し時
の雑音の発生、フイ−ドバツク制御の不安定性の改善、
ハンドルの中立位置付近の操舵フイ−リングを改善す
る。 【解決手段】 操舵補助指令値演算器22は、操舵トル
ク及び車速に基づいて所定の演算式によりモ−タ10に
供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iref
を演算する。制御演算器23は操舵補助指令値Iref に
基づいてモ−タ駆動回路のFET1 〜FET4 を駆動す
るPWM信号のデユ−テイ比D1 、D2 を演算し、さら
に角速度センサ43で検出されたモ−タ角速度ωに基づ
いて予め設定されている演算式により不感帯補整値Dc
を演算し、PWM信号のデユ−テイ比D1 に前記演算し
た不感帯補整値Dc を加算して、補整したPWM信号の
デユ−テイ比D1a及びデユ−テイ比D2 をモ−タ制御回
路41に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動パワ−ステ
アリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の電動パワ−ステアリング装置に
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに
発生する操舵トルク、車速などを検出し、その検出信号
に基づいてモ−タの制御目標値である操舵補助指令値を
演算し、電流フイ−ドバツク制御回路において、前記し
た制御目標値である操舵補助指令値とモ−タ電流の検出
値との差を電流制御値として求め、電流制御値によりモ
−タを駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものが
ある。
【0003】このような電動式パワ−ステアリング装置
では、図8に示すように、4個の電界効果型トランジス
タFET1 〜FET4 をブリツジに接続して第1及び第
2の2つのア−ムを備えたHブリツジ回路を構成し、そ
の入力端子間に電源Vを、出力端子間に前記モ−タMを
接続したモ−タ制御回路が使用されている。
【0004】このようなHブリツジ回路の駆動方法とし
ては、いくつかの方法がある。第1の方法は、Hブリツ
ジ回路の対角位置にある2つのFETのうち、一方を電
流制御値に基づいて決定されるデユ−テイ比DのPWM
信号(パルス幅変調信号)で駆動し、他方を電流制御値
の符号に基づいてON/OFF制御する駆動方法であ
る。
【0005】即ち、互いに対向する2つのア−ムを構成
する2個1組のFETのうち、第1のア−ムのFET1
(或いは第2のア−ムのFET2 )を電流制御値に基づ
いて決定されるデユ−テイ比DのPWM信号で駆動して
モ−タ電流の大きさを制御し、電流制御値の符号に基づ
いて第2のア−ムのFET3 をON、第1のア−ムのF
ET4 をOFF(或いは第2のア−ムのFET3 をOF
F、第1のア−ムのFET4 をON)に制御してモ−タ
Mの回転方向を制御する。
【0006】FET3 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タM、FET3 を経て流れ、モ−タMに
正方向の電流が流れる。また第2のア−ムのFET4 が
導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タM、F
ET4 を経て流れ、モ−タMに負方向の電流が流れる。
【0007】第2の駆動方法は、Hブリツジ回路の上下
両方のFETを同じデユ−テイ比DのPWM信号で駆動
する方法である。
【0008】また、第3の駆動方法は、本出願人により
提案された駆動方法であつて、デユ−テイ比Dの大きい
領域では前記第1の駆動方法により駆動し、デユ−テイ
比Dの小さい領域では、Hブリツジ回路の対角位置にあ
る2つのFETのうち一方(例えばFET1 )を電流制
御値に基づいて決定されるデユ−テイ比D1 のPWM信
号で駆動し、他方(例えばFET3 )を前記デユ−テイ
比D1 の関数であるデユ−テイ比D2 のPWM信号で駆
動する方法である(特願平7−167867号参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したHブリツジ回
路の駆動方法では、いずれもPWM信号のデユ−テイ比
Dに対するモ−タ電流の関係において、デユ−テイ比D
がある値以下ではモ−タ電流が流れない不感帯がある。
即ち、前記第1の駆動方法ではデユ−テイ比Dとモ−タ
電流の関係は図9の(a)に示すようになり、第2の駆
動方法では図9の(b)に示すようになり、また、第3
の駆動方法では図9の(c)に示すようになり、それぞ
れ不感帯(f)がある。
【0010】しかし、電動パワ−ステアリング装置で
は、操舵トルクなどの検出信号に基づいて演算されたモ
−タ電流の制御目標値である操舵補助指令値に追従する
ようにモ−タ電流をフイ−ドバツク制御する構成が採用
されており、モ−タ電流が比較的大きい領域では上記し
た不感帯(f)があつても操舵補助指令値に応じたモ−
タ電流を流すことができ、格別の支障は生じない。
【0011】しかしながら、操向ハンドルが中立位置
(直進走行位置)に近い位置にあるときに操向ハンドル
が僅かに操作され、操舵補助指令値に僅かな変化が生じ
て操舵補助指令値に対応したデユ−テイ比Dが演算され
たとき、演算されたデユ−テイ比Dがモ−タ電流が流れ
ない不感帯(f)にあるときは、操舵補助指令値の変化
に対してモ−タ電流が追従せず、この結果、操舵補助力
の遅れとなつて操舵フイ−リングを悪くする結果とな
る。図10はこの状態における操舵補助指令値とモ−タ
電流の関係を示すもので、操舵補助指令値Iに対し、モ
−タ電流iが遅れていることが分かる。
【0012】Hブリツジ回路の駆動方法では、モ−タが
回転していない場合は図11で線(a)に示すように、
デユ−テイ比Dがある値以下ではモ−タ電流iが流れな
い不感帯(f)があることは先に説明した通りである。
【0013】一方、操向ハンドルを切つた後、セルフア
ライニングトルクにより操向ハンドルが直進走行位置に
戻るとき(以下ハンドル戻り時という)は、操舵トルク
が殆ど発生していない状態にあるから、モ−タの制御目
標値である操舵補助指令値Iはほぼ零となるが、モ−タ
はセルフアライニングトルクにより回転して逆起電力が
発生するため、デユ−テイ比Dとモ−タ電流iとの関係
を示す線は、図11において線(b)で示すように逆起
電力に相当するだけ上方に移動変化し、デユ−テイ比D
の値が零の付近でモ−タ電流iとデユ−テイ比Dとの関
係に不連続部分(g)が生じる。
【0014】このとき、フイ−ドバツク制御回路は電流
制御値を演算しようとするが、操舵補助指令値に対応す
るデユ−テイ比Dがないため、図11において線(c)
で示すように、モ−タ電流iの不連続部分にほぼ対応し
た振幅の振動電流が電流制御値Eとして出力される。こ
のような振動電流の発生は、雑音の発生源となるほかフ
イ−ドバツク制御の安定性を阻害する原因ともなる。
【0015】振動電流の発生の防止対策としては、PW
M信号のデユ−テイ比Dに対するモ−タ電流の不感帯の
幅を大きくすると、即ち、図11でモ−タが回転してい
ない場合のデユ−テイ比Dとモ−タ電流iとの関係を示
す線(a)を右に動かすと、ハンドル戻し時(モ−タが
回転している)のデユ−テイ比Dとモ−タ電流iとの関
係を示す線(b)も右に移動し、不連続部分(g)を小
さくすることができて振動電流の発生を抑制するのに有
効なことがわかる。但し、この場合、不感帯(f)の幅
は拡がつてしまう。
【0016】したがつて、操向ハンドルの中立位置付近
の操舵フイ−リングの改善には、前記不感帯の幅を小さ
くし、またハンドル戻り時の振動電流の発生、雑音の発
生の抑制には不感帯の幅を大きくしたほうが良いという
相反する要求が求められることになる。この発明は上記
課題を解決することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、少なくともステアリングシヤフトに発生
する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助指令値と
検出されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に基づ
いてステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タの出
力を制御するフイ−ドバツク制御手段を備えた電動パワ
−ステアリング装置の制御装置において、半導体素子を
Hブリツジに接続して構成したブリツジ回路の入力端子
間に電源を、出力端子間に前記モ−タを接続したモ−タ
駆動回路と、前記電流制御値に基づいて前記半導体素子
を駆動するPWM信号のデユ−テイ比を決定する演算手
段と、モ−タ角速度検出手段と、前記デユ−テイ比をモ
−タ角速度を含む情報に基づいて決定される補整値によ
り補整するデユ−テイ比補整手段とを備え、前記モ−タ
駆動回路を構成する半導体素子をモ−タ角速度を含む情
報に基づいて補整されたデユ−テイ比のPWM信号によ
り駆動することを特徴とする。
【0018】そして、前記デユ−テイ比は、モ−タ角速
度の関数で決定される補整値により補整するとよく、ま
た、検出された操舵トルク値とモ−タ角速度値から検出
されたハンドル戻りの状態の有無に対応して予め設定さ
れている補整値により補整するようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】電流制御値に基づいて前記半導体
素子を駆動するPWM信号のデユ−テイ比を演算し、演
算されたデユ−テイ比をモ−タ角速度に基づいて決定さ
れる補整値により補整する。そして補整されたデユ−テ
イ比のPWM信号によりモ−タ駆動回路を構成する半導
体素子を駆動する。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
まず、図1乃至図3により、この発明を実施するに適し
た電動パワ−ステアリング装置の概略を説明する。図1
は電動パワ−ステアリング装置の構成の概略を説明する
図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア4、ユニバ−サ
ルジョイント5a、5b、ピニオンラツク機構7を経て
操向車輪のタイロツド8に結合されている。軸2には操
向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が
設けられており、また、操舵力を補助するモ−タ10が
クラツチ9、減速ギア4を介して軸2に結合している。
【0021】パワ−ステアリング装置を制御する電子制
御回路13は、バツテリ14からイグニツシヨンキ−1
1により操作されるリレ−を経て電力が供給される。電
子制御回路13は、トルクセンサ3で検出された操舵ト
ルクと車速センサ12で検出された車速に基づいて操舵
補助指令値の演算を行い、演算された操舵補助指令値に
基づいてモ−タ10に供給する電流を制御する。
【0022】クラツチ9は電子制御回路13により制御
される。クラツチ9は通常の動作状態では結合してお
り、電子制御回路13によりパワ−ステアリング装置の
故障と判断された時、及び電源がOFFとなつている時
に切離される。
【0023】図2は、電子制御回路13のブロツク図で
ある。この実施例では電子制御回路13は主としてCP
Uから構成されるが、ここではそのCPU内部において
プログラムで実行される機能を示してある。例えば、安
定化補償器21は独立したハ−ドウエアとしての安定化
補償器21を示すものではなく、CPUで実行される安
定化補償機能を示す。
【0024】以下、電子制御回路13の機能と動作を説
明する。トルクセンサ3から入力された操舵トルク信号
は、安定化補償器21で操舵系の安定を高めるために安
定化補償され、操舵補助指令値演算器22に入力され
る。また、車速センサ12で検出された車速も操舵補助
指令値演算器22に入力される。
【0025】操舵補助指令値演算器22は、入力され安
定化補償された操舵トルク信号及び車速信号に基づいて
所定の演算式によりモ−タ10に供給する電流の制御目
標値である操舵補助指令値Iref を演算する。
【0026】制御演算器23は、操舵補助指令値Iref
に基づいてFET1 〜FET4 を駆動するPWM信号の
デユ−テイ比D1 及びデユ−テイ比D2 を演算決定し、
及びモ−タ回転方向を指示する回転方向信号を出力す
る。なお、FET1 〜FET4をデユ−テイ比D1 及び
デユ−テイ比D2 で駆動する点については、後で詳細に
説明する。
【0027】また、制御演算器23は、角速度センサ4
3で検出されたモ−タ角速度ωに基づいて予め設定され
ている演算式により不感帯補整値Dc を演算し、PWM
信号のデユ−テイ比D1 に前記演算した不感帯補整値D
c を加算して、補整したPWM信号のデユ−テイ比D1a
及びデユ−テイ比D2 をモ−タ制御回路41に出力する
ものである。不感帯補整値Dc については、後で詳細に
説明する。
【0028】なお、制御演算器23にはモ−タ電流の検
出値iがフイ−ドバツクされ、操舵補助指令値Iref に
追従するように制御する公知のフイ−ドバツク制御手段
が組み込まれている。
【0029】図3にモ−タ制御回路41の構成の一例を
示す。モ−タ制御回路41はゲ−ト駆動回路46、FE
T1 〜FET4 からなるHブリツジ回路、昇圧電源47
等から構成される。
【0030】FET(FET2 )は前記したデユ−テイ
比D1aのPWM信号に基づいてゲ−トがON/OFFさ
れ、実際にモ−タに流れる電流iの大きさが制御され、
FET3 (FET4 )は、デユ−テイ比D2 のPWM信
号で駆動され、また、FETとFET2 、FET3 とF
ET4 のいずれを駆動するかは、PWM信号の符号によ
り決定されるモ−タの回転方向に応じて決定される。
【0031】FET3 が導通状態にあるときは、電流は
FET1 、モ−タ10、FET3 、抵抗R1 を経て流
れ、モ−タ10に正方向の電流が流れる。また、FET
4 が導通状態にあるときは、電流はFET2 、モ−タ1
0、FET4 、抵抗R2 を経て流れ、モ−タ10に負方
向の電流が流れる。
【0032】モ−タ電流検出回路42は、抵抗R1 の両
端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検
出し、また、抵抗R2 の両端における電圧降下に基づい
て負方向電流の大きさを検出する。検出されたモ−タ電
流値i(dct) は制御演算器23にフイ−ドバツクされ
る。
【0033】ここで、FET1 〜FET4 をデユ−テイ
比D1 及びデユ−テイ比D2 で駆動する点について説明
する。先に説明したように、ハンドル戻り時にはモ−タ
電流iとデユ−テイ比Dとの関係は、図11において線
(b)のようになり、デユ−テイ比Dの値が零の付近で
モ−タ電流iが不連続となる。
【0034】この対策として、デユ−テイ比Dの値が所
定値γより小さい領域では、FET1 (又はFET2 )
をデユ−テイ比D1 で駆動し、FET3 (又はFET4
)をデユ−テイ比D1 よりも大きい(即ち、時間的に
長い)デユ−テイ比D2 で駆動する。そしてデユ−テイ
比D1 の値が所定値より大きい領域では、FET1 (又
はFET2 )をデユ−テイ比D1 で駆動し、FET3
(又はFET4 )をON/OFFする従来公知の駆動方
法で駆動する。
【0035】このような駆動方法は、本出願人が先に出
願した特願平7−167867号に詳細に開示されてお
り、本願発明の要旨ではないからここでは詳細な説明は
省くが、ハンドル戻り時においても、デユ−テイ比Dの
値が所定値より小さい領域で、デユ−テイ比Dに対する
モ−タ電流iの不連続範囲(g)を小さくするようにデ
ユ−テイ比D2 をデユ−テイ比D1 の関数で決定する。
【0036】図4は、上記した駆動方法、即ち、デユ−
テイ比Dが所定値γより小さい領域ではFET1 〜FE
T4 をデユ−テイ比D1 及びデユ−テイ比D2 で駆動
し、デユ−テイ比Dが所定値γより大きい領域では、F
ET1 (又はFET2 )をデユ−テイ比D1 で駆動し、
FET3 (又はFET4 )をON/OFFする従来公知
の駆動方法で駆動した場合のデユ−テイ比D1 とモ−タ
電流iとの関係を示したものである。
【0037】図4において、線(b)はハンドル戻り時
の場合を示しており、デユ−テイ比Dに対するモ−タ電
流iの不連続範囲(g)は、鎖線で示された上記した公
知の駆動方法による場合の不連続範囲(gr )よりも、
不連続範囲を小さくすることができる。しかし、なお線
(a)で示す通常の駆動状態(ハンドル戻り時でない場
合)においては、不感帯(f)が残る。
【0038】そこで、この発明ではデユ−テイ比D1 を
補整して不感帯を排除しようとするもので、図5はデユ
−テイ比D1 を補整して不感帯を排除した場合のデユ−
テイ比D1 とモ−タ電流iとの関係を示した一例であ
る。
【0039】この発明の不感帯補整値について説明す
る。不感帯補整値Dc の決定には2つの方法が提案され
る。
【0040】その第1の方法は、不感帯補整値Dc をモ
−タ角速度ωの関数として以下の式(1)で決定する方
法である。
【0041】 Dc =a・ω+Db ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) 但し、a:定数、 ω:モ−タ角速度、Db :基準補整
値 また第2の方法は、ハンドル戻りの状態が検出されたか
否かにより予め設定された2つの不感帯補整値Dn 、D
r のいずれかを選択決定する方法である。即ち、通常の
操舵状態では通常の操舵に対応した不感帯補整値Dn を
選択し、ハンドル戻りの状態ではハンドル戻り状態に対
応した不感帯補整値Dr を選択するものである。
【0042】 Dc =Dn (通常の操舵状態のとき)・・・・・・・・・(2) Dc =Dr (ハンドル戻り状態のとき)・・・・・・・・(3) なお、ハンドル戻りの状態か否かは、モ−タ角速度ωと
操舵トルクとから判定することができる。即ち、モ−タ
角速度ωの絶対値が所定値よりも小さいとき、及びモ−
タ角速度ωの絶対値が所定値よりも大きく、且つ操舵ト
ルクの絶対値が所定値よりも大きいときは通常の操舵状
態と判定することができる。また、モ−タ角速度ωの絶
対値が所定値よりも大きく、且つ操舵トルクの絶対値が
所定値よりも小さいときは、モ−タが回転していながら
操舵されていない状態であるから、ハンドル戻りの状態
と判定することができる。
【0043】以下、電子制御回路13で実行される前記
不感帯補整値Dc をモ−タ角速度ωの関数として決定す
る処理を含むモ−タ制御について、図6のフロ−チヤ−
トにより説明する。
【0044】図6のフロ−チヤ−トにおいて、まずトル
クセンサ3により検出された操舵トルク値を読取り(ス
テツプP1)、操舵補助指令値Iref を演算する(ステ
ツプP2)。モ−タ電流検出回路42で検出されたモ−
タ電流値iを読取り(ステツプP3)、先に演算した操
舵補助指令値Iref と検出されたモ−タ電流値iに基づ
いてモ−タ電流制御値を演算、PWM信号のデユ−テイ
比D1 及びデユ−テイ比D2 を演算する(ステツプP
4、P5)。
【0045】角速度センサ43で検出されたモ−タ角速
度ωを読取り(ステツプP6)、前記式(1)により不
感帯補整値Dc を演算し(ステツプP7)、先に求めた
デユ−テイ比D1 に不感帯補整値Dc を加算して補整し
たデユ−テイ比D1aを演算する(ステツプP8)。
【0046】モ−タ制御回路41に補整したデユ−テイ
比D1a、デユ−テイ比D2 及びPWM信号の符号で決定
される回転方向信号を出力してモ−タを駆動する(ステ
ツプP9)。
【0047】以上、この発明の実施例を説明したが、電
子制御回路13で実行されるモ−タ制御については、こ
れと異なる制御も可能である。以下、電子制御回路13
で実行されるモ−タ制御の第2の実施例を説明する。
【0048】第2実施例は前記不感帯補整値Dc をハン
ドル戻りの状態が検出されたか否かにより、予め設定さ
れた2つの不感帯補整値Dn 、Dr のいずれかを選択決
定する処理を含むものである。
【0049】図7はモ−タ制御の第2実施例のフロ−チ
ヤ−トを示したものである。まず、トルクセンサ3によ
り検出された操舵トルク値を読取り(ステツプP1
1)、操舵補助指令値Iref を演算する(ステツプP1
2)。モ−タ電流検出回路42で検出されたモ−タ電流
値iを読取り(ステツプP13)、先に演算した操舵補
助指令値Iref と検出されたモ−タ電流値iに基づいて
モ−タ電流制御値を演算、PWM信号のデユ−テイ比D
1 及びデユ−テイ比D2 を演算する(ステツプP14、
P15)。
【0050】角速度センサ43で検出されたモ−タ角速
度ωを読取り(ステツプP16)、モ−タ角速度ωの絶
対値が所定値よりも大きいか否かを判定する(ステツプ
P17)。
【0051】モ−タ角速度ωの絶対値が所定値よりも小
さい場合は、通常の操舵状態と判定することができるか
ら、不感帯補整値Dc として通常の操舵に対応した不感
帯補整値Dn を選択し(ステツプP18)、先に求めた
デユ−テイ比D1 に不感帯補整値Dc (=Dn )を加算
して補整したデユ−テイ比D1aを演算する(ステツプP
19)。
【0052】モ−タ制御回路41に補整したデユ−テイ
比D1a、デユ−テイ比D2 及びPWM信号の符号で決定
される回転方向信号を出力してモ−タを駆動する(ステ
ツプP20)。
【0053】ステツプP17の判定でモ−タ角速度ωの
絶対値が所定値よりも大きい場合は、操舵トルクの絶対
値が所定値よりも小さいか否かを判定し(ステツプP2
1)、操舵トルクの絶対値が所定値よりも大きい場合は
通常の操舵状態と判定することができるからステツプP
18以降の処理に移る。また、ステツプP21の判定で
操舵トルクの絶対値が所定値よりも小さい場合はハンド
ル戻りの状態と判定することができるから、不感帯補整
値Dc としてハンドル戻りの状態に対応した不感帯補整
値Dr を選択し(ステツプP22)、先に求めたデユ−
テイ比D1 に不感帯補整値Dc (=Dr )を加算して補
整したデユ−テイ比D1aを演算する(ステツプP1
9)。
【0054】以上説明したこの発明の実施例では、モ−
タ角速度の検出に、角速度センサを使用している。しか
し、モ−タ角速度の検出には、このほか、モ−タの電気
的特性、即ちモ−タのインダクタンス、モ−タの端子間
抵抗、モ−タの逆起電力定数が決まれば、モ−タ端子間
電圧とモ−タ電流からモ−タ角速度を推定演算すること
もできる。この場合、モ−タ端子間電圧はバツテリ電圧
(電源電圧)とモ−タを駆動するデユ−テイ比から求め
ることもできる。上記実施例にモ−タ角速度を推定演算
により求める方法を適用できることは言うまでもない。
【0055】モ−タ角速度を推定演算する場合は、新た
な部材などを必要としないので、製造コストを高めるこ
とがない効果的な方法とされている。
【0056】また、上記実施例では、この発明の特徴部
分であるデユ−テイ比を不感帯補整値で補整する構成
を、FET1 〜FET4 をデユ−テイ比D1 及びデユ−
テイ比D2 で駆動する駆動回路に適用した例で説明した
が、従来公知の駆動方法、即ち図8に示す回路におい
て、FET1 (又はFET2 )をデユ−テイ比D1 で駆
動し、FET3 (又はFET4 )をON/OFF駆動す
る駆動方法にも適用できることはいうまでもなく、この
場合はデユ−テイ比Dを不感帯補整値で補整すればよ
い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の電動パ
ワ−ステアリング装置の制御装置は、半導体素子をHブ
リツジに接続して構成されたモ−タ駆動回路を駆動する
に際し、電流制御値に基づいて前記半導体素子を駆動す
るPWM信号のデユ−テイ比を演算し、演算されたデユ
−テイ比をモ−タ角速度に基づいて決定される補整値に
より補整し、補整されたデユ−テイ比のPWM信号によ
り半導体素子を駆動するものであるから、この種のモ−
タ駆動回路における欠点であるハンドル戻し時に発生し
やすい雑音の発生や、フイ−ドバツク制御の不安定性を
改善することができるばかりでなく、操向ハンドルの中
立位置付近の操舵フイ−リングを改善することができる
など優れた作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワ−ステアリング装置の構成の概略を
説明する図。
【図2】電動式パワ−ステアリング装置の電子制御回路
のブロツク図。
【図3】モ−タ制御回路の構成を示す回路ブロツク図。
【図4】モ−タ制御回路におけるモ−タ電流とPWM信
号のデユ−テイ比との関係を説明する図。
【図5】デユ−テイ比を補整した場合のモ−タ電流とP
WM信号のデユ−テイ比との関係を説明する図。
【図6】電子制御回路によるモ−タ制御を説明するフロ
−チヤ−ト。
【図7】電子制御回路によるモ−タ制御の第2実施例を
説明するフロ−チヤ−ト。
【図8】FETで構成したHブリツジ回路からなるモ−
タ駆動回路の説明図。
【図9】従来のモ−タ制御回路におけるモ−タ電流とP
WM信号のデユ−テイ比との関係を説明する図。
【図10】操舵補助指令値とモ−タ電流との関係を説明
する図。
【図11】モ−タ電流とデユ−テイ比との関係における
モ−タ電流の不連続部分と不感帯を説明する図。
【符号の説明】
3 トルクセンサ 10 モ−タ 11 イグニツシヨンキ− 12 車速センサ 13 電子制御回路 14 バツテリ 21 安定化補償器 22 操舵補助指令値演算器 23 制御演算器 41 モ−タ制御回路 42 モ−タ電流検出回路 46 ゲ−ト駆動回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともステアリングシヤフトに発生
    する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助指令値と
    検出されたモ−タ電流値から演算した電流制御値に基づ
    いてステアリング機構に操舵補助力を与えるモ−タの出
    力を制御するフイ−ドバツク制御手段を備えた電動パワ
    −ステアリング装置の制御装置において、 半導体素子をHブリツジに接続して構成したブリツジ回
    路の入力端子間に電源を、出力端子間に前記モ−タを接
    続したモ−タ駆動回路と、 前記電流制御値に基づいて前記半導体素子を駆動するP
    WM信号のデユ−テイ比を決定する演算手段と、 モ−タ角速度検出手段と、 前記デユ−テイ比をモ−タ角速度を含む情報に基づいて
    決定される補整値により補整するデユ−テイ比補整手段
    とを備え、 前記モ−タ駆動回路を構成する半導体素子をモ−タ角速
    度を含む情報に基づいて補整されたデユ−テイ比のPW
    M信号により駆動することを特徴とする電動パワ−ステ
    アリング装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記デユ−テイ比補整手段は、デユ−テ
    イ比をモ−タ角速度の関数で決定される補整値により補
    整することを特徴とする請求項1記載の電動パワ−ステ
    アリング装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記デユ−テイ比補整手段は、検出され
    た操舵トルク値とモ−タ角速度から検出されたハンドル
    戻りの状態の有無に対応して予め設定されている補整値
    によりデユ−テイ比を補整することを特徴とする請求項
    1記載の電動パワ−ステアリング装置の制御装置。
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