JP2004203113A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Katsutoshi Nishizaki
勝利 西崎
Toshiaki Oya
敏明 應矢
Masahiko Sakamaki
正彦 酒巻
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Abstract

【課題】各種補償によりステアリングホイールの操作性が悪化することのない電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】目標電流設定部12は、操舵トルクTの微分値に基づき慣性補償トルク値Tiを出力する慣性補償部1212および操舵角速度ωに基づきダンピング制御トルク値Tdを出力するダンパ制御部1213を含んでおりこれらの出力値が加算された補償トルク値Tcを出力する補償部121と、この補償トルク値Tcと操舵トルクTとを加算し補正された操舵トルクT’として出力する加算器123と、この補正された操舵トルクT’に基づき目標電流値Itを出力するアシスト電流設定部122とを含む。このように補償部121の後段にアシスト電流設定部122が接続されるため、アシストテーブルの不感帯内では電流目標値Itは0となり、不要な操舵補助力が発生しない。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによって車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置では、操舵のための操作手段であるハンドルに加えられる操舵トルクを検出して当該操舵トルクを示すトルク検出信号を出力するトルクセンサが設けられており、そのトルクセンサからのトルク検出信号に基づき電動モータに流すべき電流の目標値が設定される。なお、この目標値の設定には、予め定められたトルク値と電流値との対応関係を示すテーブル(「アシストテーブル」と呼ばれる)が用いられる。そして、比例積分制御器によりこの目標値と電動モータに実際に流れる電流の検出値との偏差に基づき、電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成される。電動モータの駆動手段は、その指令値に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路と、そのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路とから成り、そのデューティ比に応じた電圧すなわち指令値に応じた電圧を電動モータに印加する。この電圧印加によって電動モータに流れる電流は電流検出回路によって検出され、上記目標値とこの検出値との差が上記指令値を生成するための偏差として使用される。このように、電動パワーステアリング装置では、比例積分制御器により、トルクセンサからのトルク検出信号が示す操舵トルクに基づき設定される目標値の電流が電動モータに流れるようにフィードバック制御が行われる。
【0003】
この比例積分制御器の比例ゲインおよび積分ゲイン(以下「PIゲイン」という)の値は、システム全体の応答性を上げるために高い方が望ましいが、PIゲインの値を高くしすぎると機械系の固有振動周波数近傍、具体的には10〜25Hz近傍でシステムが不安定になりやすくなる。そのため、従来では、PIゲインの値はあまり高く設定することなくシステム全体の応答性を犠牲にしてシステムを安定系とし、さらに電動モータの慣性モーメントの影響を抑制するための慣性補償、ステアリングホイールの収斂性を向上させるためのダンピング制御、およびステアリングホイールの戻り時の操作性を向上させるための戻し制御などのダイナミクス補償を含む各種補償が行われる。さらに実用周波数帯域における位相特性を改善するために位相補償器が設けられる。具体的には、トルクセンサからのトルク検出信号が位相補償器に与えられ、位相補償器によりトルク検出信号の位相が進められることにより実用周波数帯域におけるシステム全体の応答性が向上する。なお、この構成によりゲイン特性が高くなる周波数帯域では、さらに新たなローパスフィルタが追加される。
【0004】
ここで、位相補償を除く上記各種補償はそれぞれが独立して行われ、かつ当該補償は、上記アシストテーブルに基づき電動モータに流すべき電流の基本的な目標値が設定された後に、この基本的な目標値に対して所定の演算に基づき得られる補償値を加算することにより行われる。この補償が行われた目標値と実際に流れる電流の検出値との偏差は上記比例積分制御器に与えられる。このような構成は、例えば特開2002−211427号公報や特開平8−290778号公報などに開示されている。なお、特開平8−290778号公報には、比例積分微分(PID)制御器により、上記指令値が設定される構成が開示されているが、基本的な目標値が設定された後に補償が行われる点では他の上記従来例と同様である。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−211427号公報
【特許文献2】
特開平8−290778号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記電動パワーステアリング装置では、アシストテーブルに基づく目標値の設定に対して独立して(位相補償を除く)上記の各種補償が行われることにより、ステアリングホイールの操作性が悪化することがある。
【0007】
すなわち、操舵トルクがアシストテーブルの不感帯領域内にあるため目標値が0となるべき場合(すなわち電動モータに電流が流れるべきではない場合)であっても、上記各種補償(において加算されるべき補償値)により目標値が0とはならず、頻繁に不要な操舵補助力が発生する。そのためステアリングホイールの操作がふらつき、操舵操作性が悪化する。
【0008】
また、操舵トルクがアシストテーブルの不感帯領域とアシスト領域との境界近傍の値をとるときに上記補償が行われると、操舵トルクが不連続となるためステアリングホイールの操作において不連続感が生じ、操舵操作性が悪化する。
【0009】
そこで、本発明の目的は、各種補償により操舵操作の操作性が悪化することのない電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記電動モータに供給すべき電流の値を目標値として設定する目標値設定手段と、
前記電流目標値と前記電動モータに流れる電流との電流偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段と
を備え、
前記目標値設定手段は、
前記操舵トルクを補正する補償値を出力する補償手段と、
前記操舵トルクと前記補償値とを加算することにより得られる加算値を出力する加算手段と、
前記加算値に基づき前記電流目標値を設定するアシスト電流設定手段と
を含むことを特徴とする。
【0011】
このような第1の発明によれば、補償手段は、アシスト電流設定手段の前段に設けられる。そのため、補償手段から出力される補償値が0でない場合であっても補正された操舵トルクがアシストテーブルの不感帯内の値をとる限り目標値は0となり、頻繁に不要な操舵補助力が発生することがない。よって、操舵操作の操作性を安定かつ良好に保つことができる。補償手段からの補償値を含む補正された操舵トルク(加算値)がアシスト電流設定手段に与えられる。そのため、補償のために補正された操舵トルクがアシストテーブルの不感帯領域とアシスト領域との境界近傍の値をとるときに上記補償が行われる場合であっても、アシストテーブルに応じた目標値が出力されるので、操舵操作において不連続感が生じず、操舵操作の操作性を良好に保つことができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、
前記補償手段は、前記操舵トルクに基づき位相補償を行う位相補償手段とは異なるものであって、
前記電動モータの慣性補償のための慣性補償値を設定する慣性補償手段と、
前記操作手段の収斂性を向上させるためのダンピング制御値を設定するダンパ制御手段と
の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示した概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の回転角度である操舵角を検出する舵角センサ2と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサ4と、ハンドル操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、舵角センサ2、トルクセンサ3、および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
【0014】
ここで、ステアリングシャフト102において、ハンドル100側の部分と、減速ギヤ7を介して操舵補助トルクの加えられる部分との間にはトーションバーが介装されている。トルクセンサ3は、そのトーションバーのねじれを検出することにより操舵トルクを検出する。このようにして検出された操舵トルクの検出値Tは、操舵トルク検出信号としてトルクセンサ3から出力され、ECU5に入力される。また、舵角センサ2は、ハンドル100の回転角度である舵角の検出値θを示す信号を舵角信号として出力する。さらに、車速センサ4は、車両の走行速度である車速の検出値Vを示す信号を車速信号として出力する。これらの舵角信号および車速信号もECU5に入力される。
【0015】
このような電動パワーステアリング装置を搭載した車両において運転者がハンドル100を操作すると、その操作による操舵トルクがトルクセンサ3によって検出され、その操舵トルクの検出値Tと車速センサ4によって検出された車速の検出値Vとに基づいてECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補助力が減速ギヤ7を介してステアリングシャフト102に加えられることにより、操舵操作による運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクと、モータ6の発生する操舵補助力によるトルクとの和が出力トルクとして、ステアリングシャフト102を介してラックピニオン機構104に与えられる。これによりピニオン軸が回転すると、その回転がラックピニオン機構104によってラック軸の往復運動に変換される。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0016】
<2.制御装置の構成および動作>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の機能的構成を示すブロック図である。このECU5は、モータ制御部として機能するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10と、そのマイコン10から出力される指令値Dに応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路18と、そのPWM信号のデューティ比に応じた電圧をモータ6に印加するモータ駆動回路20と、モータ6に流れる電流を検出する電流検出器19とから構成される。
【0017】
マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12と減算器14とフィードバック制御演算部(以下「FB制御演算部」と略記する)16とからなるモータ制御部として機能する。このモータ制御部において、目標電流設定部12は、舵角センサ2から出力される舵角の検出値θ(以下、単に「舵角θ」という)と、トルクセンサ3から出力される操舵トルクの検出値T(以下、単に「操舵トルクT」という)と、車速センサ4から出力される車速の検出値V(以下、単に「車速V」という)とに基づき、モータ6に流すべき電流の目標値Itを決定する。この目標電流設定部12の詳細な構成および動作については後述する。減算器14は、この目標電流設定部12から出力される電流目標値Itと電流検出器19から出力されるモータ電流の検出値Isとの偏差It−Isを算出する。FB制御演算部16は、この偏差It−Isに基づく比例積分制御演算によって、PWM信号生成回路18に与えるべきフィードバック制御のための上記指令値Dを生成する。
【0018】
PWM信号生成回路18は、この指令値Dに応じたデューティ比のパルス信号、すなわち指令値Dに応じてパルス幅の変化するPWM信号を生成する。モータ駆動回路20は、典型的にはバッテリ8の電源ラインと接地ラインとの間に接続される4個の電力用の電界効果型トランジスタからなるブリッジ回路であって、PWM信号のパルス幅(デューティ比)に応じた電圧をモータ6に印加する。モータ6は、その電圧印加によって流れる電流に応じた大きさおよび方向のトルクを発生する。このように、電流目標値Itを受け取る減算器14、FB制御演算部16、PWM信号生成回路18、モータ駆動回路20、およびモータ電流の検出値Isを減算器14へ出力する電流検出器19は、モータ6に対するフィードバック制御を行う制御手段を構成する。
【0019】
<3.目標電流設定部の詳細な構成および動作>
図3は、本発明の一実施形態における目標電流設定部12の構成を示すブロック図である。この目標電流設定部12は、各種補償のために算出される補償トルク値Tcを出力する補償部121と、補償トルク値Tcと操舵トルクTとを加算することにより上記補償のための補正された操舵トルクT’を出力する加算器123と、補正された上記操舵トルクT’を受け取り上記電流目標値Itを出力するアシスト電流設定部122とを含む。また、補償部121は、操舵トルクTを受け取りその微分値dT/dtを出力する微分器1211aと、この微分値dT/dtを受け取りモータ6の慣性モーメントの影響を抑制するための慣性補償トルク値Tiを出力する慣性補償部1212と、舵角θを受け取りその微分値である操舵角速度ωを出力する微分器1211bと、この操舵角速度ωを受け取りステアリングホイール100の収斂性を向上させるためのダンピング制御トルク値Tdを出力するダンパ制御部1213と、慣性補償トルク値Tiとダンピング制御トルク値Tdとを加算することにより上記補償トルク値Tcを出力する加算器1214とを含む。
【0020】
ここで、上記操舵トルクTは、所定のパラメータを有する位相進み等のフィルタからなる図示されない位相補償器を通すことにより位相補償が行われてもよい。ただし、位相補償は、前述のようにシステム全体の位相特性を改善するために設けられるものであって目標電流設定部12と独立して補償を行うものではないため、上記補償部121には、この位相補償器は含まれないものとする。以下、目標電流設定部12の各構成要素の動作について詳細に説明する。
【0021】
慣性補償部1212は、微分器1211aから出力される操舵トルクTの微分値(dT/dt)に基づき慣性補償トルク値Tiを算出する。具体的には、適切な慣性補償を行うための慣性補償トルク値Tiと操舵トルクTの微分値(dT/dt)との関係を示すテーブルまたは慣性補償トルク値Tiを算出するための所定のゲインKjが慣性補償部1212に予め保持されており、慣性補償部1212は、このテーブルまたはゲインKjに基づき慣性補償トルク値Tiを設定する。また、ダンパ制御部1213は、微分器1211bから出力される操舵角速度ωに基づきダンピング制御トルク値Tdを出力する。このダンパ制御部1213も、慣性補償部1212と同様に、適切なダンパ制御を行うためのダンピング制御トルク値Tdと操舵角速度ωとの関係を示すテーブルまたはダンピング制御トルク値Tdを算出するための所定のゲインKcがダンパ制御部1213に予め保持されており、ダンパ制御部1213は、このテーブルまたはゲインKcに基づきダンピング制御トルク値Tdを設定する。なお、これらのテーブルは、後述するアシストテーブルと同様に、車速Vをパラメータとして上記関係を示すテーブルであってもよい。以上のように設定される慣性補償トルク値Tiおよびダンピング制御トルク値Tdは、加算器1214により加算されて上記補償トルク値Tcとして出力され、さらにこの補償トルク値Tcと操舵トルクTとが加算器123により加算されて補正された操舵トルクT’としてアシスト電流設定部122に与えられる。
【0022】
アシスト電流設定部122は、補正された操舵トルクT’と車速Vとに基づき電流目標値を算出する。具体的には、適切な操舵補助力を発生させるためにモータ6に供給すべき電流目標値Itと補正された操舵トルクT’との関係を車速Vをパラメータとして示すアシストテーブルがアシスト電流設定部122に予め保持されており、アシスト電流設定部122は、このアシストテーブルを参照して電流目標値Itを設定する。図4は、このアシストテーブルの一例を示す図である。図4に示されるように、このアシストテーブルは、車速Vが小さいほど、また補正された操舵トルクT’が大きいほど電流目標値Itを大きくするように設定される。そうすれば、ハンドルが重いときほど操舵補助力が大きくなり、操舵操作が容易になる。また、このアシストテーブルは、補正された操舵トルクT’が0近傍の所定の範囲内にある場合には電流目標値Itが0となる不感帯を有しており、この不感帯以外の領域は電流目標値Itが0とならないためアシスト領域と呼ばれる。このように、補正された操舵トルクT’が不感帯内の値をとる場合には、補償トルク値Tcが0でない場合であっても電流目標値Itが0となる。
【0023】
<4.効果>
上記一実施形態によれば、補償部121は、アシスト電流設定部122の前段に設けられる。そのため、補償部121から出力される補償トルク値Tcが0でない場合であっても補正された操舵トルクT’が不感帯内の値をとる限り電流目標値Itは0となり、頻繁に不要な操舵補助力が発生することがない。よって、ステアリングホイールの操作性を安定かつ良好に保つことができる。
【0024】
また上記一実施形態によれば、補償部121からの補償トルク値Tcを含む補正された操舵トルクT’がアシスト電流設定部122に与えられる。そのため、補償のために補正された操舵トルクT’がアシストテーブルの不感帯領域とアシスト領域との境界近傍の値をとるときに上記補償が行われる場合であっても、アシストテーブルに応じた目標電流値Itが出力されるので、ステアリングホイールの操作において不連続感が生じず、ステアリングホイールの操作性を良好に保つことができる。
【0025】
<5.変形例>
上記一実施形態では、微分器1211aは、慣性補償部1212に操舵トルクTの微分値(dT/dt)を与える構成である。しかし、微分器1211aは、微分器1211bからの操舵角速度ωを受け取りその微分値である操舵角加速度を慣性補償部1212に与え、慣性補償部1212はこの操舵角加速度に基づき慣性補償トルク値Tiを出力してもよい。また、舵角センサ2に代えてステアリングホイールの操舵角速度ωを検出する操舵角速度センサが設けられ、さらに微分器1211bが省略され、操舵角速度センサからの操舵角速度ωがダンパ制御部1213に入力されてもよい。
【0026】
上記一実施形態では、補償部121には、慣性補償部1212およびダンパ制御部1213が含まれるが、さらにステアリングホイールの戻り時の操作性を向上させるための戻し制御を行う戻し制御部など、電動パワーステアリング装置を含む車両の機械的要素に関連する補償や電気的要素に関連する公知の補償(例えばダイナミクス補償)を行う各種制御部が含まれていてもよい。ただし、補償部121は、制御系全体の位相特性を改善するための位相補償を含まないことについては前述したとおりである。
【0027】
上記一実施形態では、マイコン10が所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12における各種構成要素をソフトウェア的に実現するように構成したが、これらの構成要素の一部または全部は、専用の電子回路等によりハードウェア的に実現されてもよい。また、上記一実施形態では、電動モータ6はブラシ付きの一般的な直流モータであるが、本発明における駆動手段としての電動モータは、上記モータに限定されるものではなく、例えばブラシレスモータであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】上記一実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置であるECUの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】上記一実施形態における目標電流設定部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記一実施形態におけるアシスト電流設定部に予め保持されるアシストテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
2 …舵角センサ
3 …トルクセンサ
4 …車速センサ
5 …電子制御ユニット(ECU)
6 …モータ
10 …マイクロコンピュータ(モータ制御部)
12 …目標電流設定部(目標値設定手段)
14 …減算器
16 …フィードバック制御演算部(FB制御演算部)
18 …PWM信号生成回路
19 …電流検出器
20 …モータ駆動回路
121 …補償部
122 …アシスト電流設定部
123,1214 …加算器
1211a,1211b …微分器
1212 …慣性補償部
1213 …ダンパ制御部
It …電流目標値
Is …電流検出値
Ti …慣性補償トルク値
Td …ダンピング制御トルク値
Tc …補償トルク値
V …車速
T …操舵トルク
T’ …補正された操舵トルク
θ …舵角
ω …操舵角速度

Claims (2)

  1. 車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    前記操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記電動モータに供給すべき電流の値を目標値として設定する目標値設定手段と、
    前記電流目標値と前記電動モータに流れる電流との電流偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段と
    を備え、
    前記目標値設定手段は、
    前記操舵トルクを補正する補償値を出力する補償手段と、
    前記操舵トルクと前記補償値とを加算することにより得られる加算値を出力する加算手段と、
    前記加算値に基づき前記電流目標値を設定するアシスト電流設定手段と
    を含むことを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記補償手段は、前記操舵トルクに基づき位相補償を行う位相補償手段とは異なるものであって、
    前記電動モータの慣性補償のための慣性補償値を設定する慣性補償手段と、
    前記操作手段の収斂性を向上させるためのダンピング制御値を設定するダンパ制御手段と
    の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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