JP2009248838A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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篤 小嶋
Hideaki Okazaki
秀亮 岡崎
Takayoshi Sugawara
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Abstract

【課題】モータ高出力(電流指令値(操舵補助指令値、モータ電流飽和)最大、モータ電流飽和)時のモータのコギングトルク及びトルクリップルを抑制する操舵トルクリップル改善機能を具備した操舵性能の良い電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。
【解決手段】ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基づいてステアリング系をアシストする電動パワーステアリング装置の制御装置において、モータの高出力時に操舵補助指令値を制限する操舵トルクリップル改善機能を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のステアリング系にモータによるアシスト力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にモータ高出力時(電流指令値(操舵補助指令値)最大、モータ電流飽和)の操舵トルクリップル改善機能を具備した電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力でアシストする電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力(アシスト力)を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助トルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図10に示して説明すると、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと、車速センサ12で検出された車速Vと、操舵角速度センサ15で検出された操舵角速度ωとに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
なお、車速VはCAN(Controller Area Network)より得てもよく、操舵角速度ωは角速度推定部で推定された推定値であっても良い。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPU(Micro Processor Unit)やMCU(Micro Controller Unit)も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図11のようになる。
図11に基づいてコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、ステアリング系の安定性を高めるために位相補償部31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算部32に入力される。また、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算部32に入力され、操舵角速度センサ15で検出された操舵角速度ωも操舵補助指令値演算部32に入力される。操舵補助指令値演算部32は、入力された操舵トルクTA、車速V及び操舵角速度ωに基づいてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定する。なお、操舵角速度ωは操舵補助指令値Iの制限演算に利用される。
操舵補助指令値Iは減算部30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償部34に入力され、減算部30Aの偏差(I−i)は比例演算部35に入力され、その比例出力は加算部30Bに入力されると共にフィードバック系の特性を改善するための積分演算部36に入力される。微分補償部34及び積分演算部36の出力も加算部30Bに加算入力され、加算部30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ駆動回路37にはバッテリ14からリレー33を介して電力が供給され、モータ20のモータ電流iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流iは減算部30Aに入力されてフィードバックされる。
モータ駆動回路37の構成例を図12に示して説明すると、モータ駆動回路37は加算部30Bからの電流制御値Eに基づいてFET1乃至FET4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路371、FET1乃至FET4で成るHブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及びFET2は、電流制御値Eに基づいて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によりオン若しくはオフされ、実際にモータ20に流れる電流の大きさが制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a、bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D2も100%に達した以降、PWM信号の符号により決定されるモータ20の回転方向に応じてオン若しくはオフされる。例えばFET3が導通状態にあるときは、電流はFET1、モータ20、FET3、抵抗R1を経て流れ、モータ20に正方向の電流が流れる。また、FET4が導通状態にあるときは、電流はFET2、モータ20、FET4、抵抗R2を経て流れ、モータ20に負方向の電流が流れる。
また、モータ電流検出回路38は、抵抗R1の両端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検出すると共に、抵抗R2の両端における電圧降下に基づいて負方向の大きさを検出する。モータ電流検出回路38で検出されたモータ電流iは、減算部30Aに入力されてフィードバックされる。
なお、図12はモータ20が2相モータの場合のHブリッジ構成であるが、モータ20が3相の場合には6個のFETで成る3相ブリッジ構成となる。
上述のような電動パワーステアリング装置の制御装置では、高級感を得るために騒音の発生が少なくかつ滑らかな操舵感が得られることが必要であり、モータのコギングトルクとトルクリップル(機械的作動トルク変動)の低減が要請されている。
かかる要請に答えるものとして、例えば特許第3298006号公報(特許文献1)に示される電動パワーステアリング装置の制御装置があり、特許文献1に記載の制御装置では、電動パワーステアリング装置のブラシ付き直流モータ又はブラシレスモータのトルクリップルの要因を解析し、各要因に応じた手段を講じることによってトルクリップルを低減するようにしている。また、矩形波駆動ブラシレスモータのトルク変化とトルク変動を抑えながら、抑え切れない高周波成分をトルク伝達系のダンピング効果で吸収している。トルク脈動のような低周波成分をトルク制御系が制御できる水準まで許容し、ヒステリシスが少ないトルクセンサを用いてトルクリップルを検出し、その影響を制御系で抑えるようにしている。
特許第3298006号公報 特開2005−119417号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の制御装置では操舵補助指令値に出力制限を設けていないので、図13に示すようにモータの高出力時又は最大出力時にモータ電流iの波形が飽和してしまい、最大電流値imax以上のモータ電流iが出力されない問題がある。また、図14は操舵角θに対する操舵トルクTの関係を示しており、図13に示すようにモータ電流iが飽和していると、図14のA部に示すようにモータ電流が飽和しているためにトルクリップルを抑制することができない問題がある。
そして、モータ最大出力時に操舵補助指令値の制限値と最大電流の制限値とが等しい場合、モータのコギングトルク及びトルクリップルを抑制することが不可能なため、トルクリップルが悪化してしまう問題点がある。
また、モータ高出力時の電流指令値(操舵補助指令値)を制限する技術として、特開2005−119417号公報(特許文献2)に開示されているものがある。特許文献2の装置は、電流指令値をモータ角速度に反比例させて減少させると共に、モータ駆動電源電圧の変動感応で制限する構成となっており、急操舵時に発生する異常音の原因となる操舵トルクリップルの改善を図っている。しかしながら、特許文献2の装置は、急操舵時のモータ電流飽和を電流リミッタにより制限する構成となっており、低操舵速度時の電動パワーステアリングのアシスト出力不足(電流指令値(操舵補助指令値)最大、モータ電流飽和)時に操舵トルクリップルは改善できないという問題がある。
本発明は上述のような事情からなされたものであり、本発明の目的は、低操舵速度時のアシスト出力不足(電流指令値(操舵補助指令値)最大、モータ電流飽和)時のモータのコギングトルク及びトルクリップルを抑制する操舵トルクリップル改善機能を具備した操舵性能の良い電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、操舵トルクに基づいて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基づいてステアリング系をアシストする前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記モータの高出力時に前記操舵補助指令値を制限する操舵トルクリップル改善機能を設けることにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記高出力時が、前記操舵補助指令値の最大及び前記モータの電流値の飽和であることにより、或いは操舵角速度により前記操舵補助指令値の制限を可変することにより、或いは車速により前記操舵補助指令値の制限を可変することにより、或いはシステム補償値により前記操舵補助指令値の制限を可変することにより、或いは前記モータの高出力時が必要となる停車若しくは低速時にのみ前記制限を機能させることにより、或いは前記モータの高出力時に前記モータの電流波形を飽和させずに前記モータ電流を制御することにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、低操舵速度時のアシスト出力不足(電流指令値(操舵補助指令値)最大、モータ電流飽和)時に、操舵補助指令値にシステム最大電流値(モータ最大定格電流)より小さい制限をかけるようにしているため、操舵補助指令値がステアリング系の最大電流となる場合にも、モータのコギングトルクやトルクリップルを抑制することができる。電流指令値ではなく操舵補助指令値を制限するため、他の補償系(操舵トルクリップル改善)制御を有効に機能させることができる。
本発明では、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基づいてステアリング系をアシストするモータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、モータ(ブラシ付き直流モータ又はブラシレスモータ)のアシスト出力不足(電流指令値(操舵補助指令値)最大、モータ電流飽和)時に、モータの最大電流制限値、車速、操舵角速度、更には各種補償値に基づいて操舵補助指令値の出力レベルを最大電流制限値に対してリップル補償できるまで下げると共に、そのレベルをできるだけ最大電流値に近づけるようにしている。この場合、リップル補償より出力を優先して操舵補助指令値の制限を行わない使用条件も考えられるので、本発明では車速及び操舵角速度感応とし可変制御している。そして、出力最大時の電流はステアリング系の最大電流値より小さい値であるため、操舵補助指令値がステアリング系の最大電流値の近くになった場合にも、モータのコギングトルクやトルクリップルを抑制することができる。これにより、モータ高出力時の操舵トルクリップル改善機能を実現することができる。
また、本発明では操舵角速度や車速により操舵補助指令値の制限を可変すると共に、収れん性制御補償値等のシステム系補償値を用いて操舵補助指令値の制限を最適化するようになっている。更に本発明では、モータのアシスト出力不足(電流指令値(操舵補助指令値)最大、モータ電流飽和)時にモータの電流波形が飽和しないようにして、モータ電流を制御する。
このような制御を行うことにより、騒音が低くかつ滑らかな操舵感の得られる高性能な電動パワーステアリング装置が得られる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すブロック構成図であり、電動パワーステアリング装置のアシストのためのモータ(図示せず)は、コントロールユニットから出力される電流指令値Irefによりモータ駆動部(図示せず)を介して駆動される。コントロールユニットは、操舵トルクT及び車速Vに基づいて操舵補助指令値Istを演算する操舵補助指令値演算部70を有し、演算された操舵補助指令値Istは操舵補助指令値制限部71に入力され、操舵角速度(操舵速度)ω、車速V及び最大電流制限部76からの最大電流制限値Imaxに基づいて操舵補助指令値Istを制限した操舵補助指令制限値Istaを出力する。操舵補助指令制限値Istaは位相補償部74で位相補償され、補償された位相補償値Istapが加算部78Dに入力される。
また、操舵トルクTはSAT(セルフアライニングトルク)フィードバック補償部77及び微分部75に入力され、SATフィードバック補償部77からのSAT補償値及び微分部75からの微分補償値は加算部78Aで加算される。更に、収れん制御部72及び慣性補償部73が設けられており、収れん制御部72からの収れん制御補償値は加算部78Bで加算部78Aの加算結果と加算され、慣性補償部73からの慣性補償値は加算部78Cで加算部78Bの加算結果と加算され、その加算結果(システム系補償値)CRが加算部78Dに入力される。即ち、SATフィードバック補償部77からのSAT補償値、微分部75からの微分補償値、収れん制御部72からの収れん制御補償値、慣性補償部73からの慣性補償値は全て加算され、その加算結果であるシステム系補償値CRが位相補償部74からの位相補償された位相補償値Istapと加算部78Dで加算され、最大電流制限部76に入力され、最大値を制限された電流指令値Irefが出力される。最大電流制限部76は予め最大電流制限値Imaxを定めており、この既知の最大電流制限値Imaxは操舵補助指令値制限部71に入力される。
SATフィードバック補償部77、微分部75、収れん制御部72及び慣性補償部73は特開2003−40131に開示されているものと同一であり、SATフィードバック補償部77はSAT推定値若しくは検出値をフィードバックフィルタを用いて信号処理し、ハンドルに適切な路面情報を反力として与える。また、微分部75はステアリングの中立点付近の制御の応答性を高め、滑らかでスムーズな操舵を実現するものであり、収れん制御部72は、車両のヨーの収れん性を改善するために、ハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっており、慣性補償部73はモータの機械的な慣性を補償するものである。このような各補償値は合算され、その加算結果がシステム系補償値CRとなる。
なお、操舵補助指令値演算部70は図2に示す特性に従って、即ち車速Vをパラメータとして操舵トルクTに対する操舵補助指令値Istを演算し、操舵補助指令値制限部71は図3又は図4に示す特性に従って、即ち車速V又は操舵角速度ωをパラメータとし、最大電流制限値Imaxを考慮して操舵補助指令値Istに対するゲイン制限をした操舵補助指令制限値Istaを出力する。図2において車速Vは、V1(高速)>V2(中速)>V3(低速)なる関係となっており、操舵補助指令値Istは最大電流制限値Imaxを超えて存在している。また、図3は車速感応で操舵補助指令値Istを制限する特性例を示しており、車速Vが所定値Vr(≒0km/h)以上となる車速V4の据え切り時のみに補償を行い、リップル補償を優先するために操舵補助指令値Istを制限し、据え切り以外の車速時、つまり車速Vが所定値Vr未満の場合には電流制限を行わないようにしている。図4は操舵角速度感応で操舵補助指令値Istを制限する特性例を示しており、操舵角速度ωが速い操舵時(操舵角速度ωが所定値ωr(例えば60deg/s)以上の操舵角速度ω1)は、トルクリップル等の補償系を機能させる必要性が低く、出力不足にならないために電流制限する必要はなく、操舵角速度ωがゆっくりした操舵時(操舵角速度ωが所定値ωr未満の操舵角速度ω2)には補償系を機能させる必要性が高く、出力よりリップル補償を優先するようにしている。
このような構成において、その動作の一例を図5のフローチャートを参照して説明する。
先ず操舵トルクTを入力し(ステップS1)、SATフィードバック補償部77でSAT補償値を算出すると共に(ステップS2)、微分部75で微分補償値を算出する(ステップS3)。次に、車速Vを入力し(ステップS4)、操舵角速度ωを入力し(ステップS5)、更に最大電流制限部76から最大電流制限値Imaxを入力し(ステップS6)、操舵補助指令値演算部70は操舵トルクT及び車速Vに基づいて操舵補助指令値Istを演算し、この演算された操舵補助指令値Istを操舵補助指令値制限部71に入力する(ステップS7)。
操舵補助指令値制限部71は車速V、操舵角速度ω及び最大電流制限値Imaxに基づいて操舵補助指令制限値Istaを求める。ここにおいて、図6は本発明による最大電流制限値Imaxとモータ電流iの関係を示しており、本発明ではモータ電流iは最大電流制限値Imaxよりも小さく、モータ電流iが飽和することのないような操舵補助指令制限値Istaを求める。そして、予め想定可能な電流振幅値である最大補償値Cmaxのピークを出来るだけ最大電流制限値Imaxに近づけるようにするため、リップル補償を行う場合には、下記(1)式を満たす最大値を操舵補助指令制限値Istaとする。

Ista+Cmax/2 < Imax ・・・(1)

そのため、操舵補助指令値制限部71は既知の“最大補償値Cmax×1/2”なる低減量を入力し(ステップS10)、車速Vが所定値Vr以上であるか否かを判定し(ステップS11)、車速Vが所定値Vr以上であれば更に操舵角速度ωが所定値ωr以上であるか否かを判定し(ステップS12)、操舵角速度ωが所定値ωr以上であれば出力優先のために制限をしない。つまり、操舵補助指令値演算部70で演算された操舵補助指令値Istを、操舵補助指令値制限部71の出力である操舵補助指令制限値Istaとする(ステップS13)。
一方、上記ステップS11で車速Vが所定値Vr未満の場合は据え切りと判定し、上記ステップS12で操舵角速度ωが所定値ωr未満の場合はゆっくり操舵と判定し、いずれの場合もリップル補償を優先して出力を制限する(ステップS14)。つまり、車速Vが所定値Vr未満の場合は、図3の車速V4のように操舵補助指令値Istを制限した操舵補助指令制限値Istaを出力し、操舵角速度ωが所定値ωr未満の場合は図4の操舵角速度ω2のように操舵補助指令値Istを制限した操舵補助指令制限値Istaを出力する。操舵補助指令制限値Istaは、システムの最大電流制限値(モータの最大電流値Imax)より補償系最大出力(システム系補償値CRの最大値)又は経験値分を減算した固定値(例えば最大電流制限値Imaxの5%)に制限する。なお、経験値は、メカ/モータトルクリップルの改善に必要な補償系電流値の最大値を実車試験等で求めることができる。
上述のようにして操舵補助指令制限値Istaが求められると、収れん制御部72は収れん制御補償値を算出し(ステップS20)、慣性補償部73は慣性補償値を算出し(ステップS21)、位相補償部74は操舵補助指令値制限部71からの操舵補助指令制限値Istaを位相補償する(ステップS22)。その後、加算部78A〜78Cでは各補償値の加算を行い(ステップS23)、加算部78Dにおいて補償値の加算結果であるシステム系補償値CRと位相補償値Istapとの加算を行い(ステップS24)、その加算結果を最大電流制限部76に入力して最終的な電流指令値Irefを算出する(ステップS25)。電流指令値IrefがPI制御部、モータ駆動部を経てモータを駆動することによりアシストを行う(ステップS26)。
なお、上述における情報の入力順序、補償値の算出等の順番は適宜変更可能である。
上述のように電流指令値を車速V、舵角速度ω及び最大電流制限値Imaxで制限した後、位相補償して各補償値の加算結果と加算して電流指令値を生成しているので、モータ電流iが図6に示すように最大電流制限値Imaxよりも小さくなり、モータ電流iが飽和することがないため、図7に示すように操舵トルクTのリップルの乱れがない。
図8は本発明の第2実施例を示しており、総合補償値としてのシステム系補償値CRを操舵補助指令値制限部71Aに入力し、システム系補償値CRに対応した制限を行うようになっている。システム最大電流値からシステム系補償値CRを減算することで、操舵補助指令制限値Istaを算出する。この第2実施例によれば図6の矢印Bのように、電流iを最大電流制限値Imaxに一層近づけることができる。
図9のフローチャートを参照して、その動作例を説明する。
先ず操舵トルクTを入力し(ステップS30)、SATフィードバック補償部77でSAT補償値を算出すると共に(ステップS31)、微分部75で微分補償値を算出し(ステップS32)、更に車速Vを入力し(ステップS33)、操舵角速度ωを入力し(ステップS34)、収れん制御部72が収れん制御補償値を算出して入力し(ステップS35)、慣性補償部73が慣性補償値を算出して入力し(ステップS36)、最大電流制限部76から最大電流制限値Imaxを入力し(ステップS37)、これら入力されたSAT補償値、微分補償値、収れん制御補償値及び慣性補償値を加算部78A,78B及び78Cで加算することによりシステム系補償値CRを算出する(ステップS40)。また、操舵補助指令値演算部70は操舵トルクT及び車速Vに基づいて操舵補助指令値Istを演算し、この演算された操舵補助指令値Istを操舵補助指令値制限部71Aに入力する(ステップS41)。
操舵補助指令値制限部71Aは車速V、操舵角速度ω、最大電流制限値Imax及びシステム系補償値CRに基づいて操舵補助指令制限値Istaを求めるが、本例では図6のモータ電流iの時々変動する電流振幅値が実際のシステム系補償値CRに対応しており、システム系補償値CRのピークを出来るだけ最大電流制限値Imaxに近づけるようにするため、リップル補償を行う場合には、下記(2)式を満たす最大値を操舵補助指令制限値Istaとする。

Ista+CR/2 < Imax ・・・(2)

そのため、操舵補助指令値制限部71Aは演算された“システム系補償値CR×1/2”なる低減量を入力し(ステップS42)、車速Vが所定値Vr以上であるか否かを判定し(ステップS43)、車速Vが所定値Vr以上であれば更に操舵角速度ωが所定値ωr以上であるか否かを判定し(ステップS44)、操舵角速度ωが所定値ωr以上であれば出力優先のために制限をしないで、操舵補助指令値演算部70で演算された操舵補助指令値Istを操舵補助指令値制限部71Aの出力である操舵補助指令制限値Istaとする(ステップS45)。
また、上記ステップS43で車速Vが所定値Vr未満の場合は据え切りと判定し、更に上記ステップS44で操舵角速度ωが所定値ωr未満の場合はゆっくり操舵と判定し、いずれの場合もリップル補償を優先して出力を制限する(ステップS46)。つまり、車速Vが所定値Vr未満の場合は、操舵補助指令値Istを制限した操舵補助指令制限値Istaを出力し、操舵角速度ωが所定値ωr未満の場合も操舵補助指令値Istを制限した操舵補助指令制限値Istaを出力する。このようにして操舵補助指令制限値Istaが求められると、操舵補助指令制限値Istaは位相補償部74で位相補償され(ステップS50)、位相補償値Istapは加算部78Dでシステム系補償値CRと加算され(ステップS51)、その加算結果を最大電流制限部76に入力して最終的な電流指令値Irefを算出し(ステップS52)、電流指令値Irefに基づいてアシストを行う(ステップS53)。
なお、本発明はコラム式及びピニオン式電動パワーステアリング装置のブラシ付き直流モータ又はブラシレスモータに適用できることは勿論、ラックアシスト式電動パワーステアリング装置のブラシ付き直流モータ又はブラシレスモータにも適用可能である。
更に、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形形態を実施することができる。
本発明の第1実施例の構成例を示すブロック図である。 操舵補助指令値演算部の特性例を示す特性図である。 操舵補助指令値制限部の特性例(車速感応制限)を示す特性図である。 操舵補助指令値制限部の特性例(操舵角速度感応制限)を示す特性図である。 本発明の第1実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明におけるモータの電流波形例を示す特性図である。 本発明における操舵角に対する操舵トルク波形例を示す特性図である。 本発明の第2実施例の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2実施例の動作例を示すフローチャートである。 電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 コントロールユニットの一般的な内部構成例を示すブロック図である。 モータ駆動回路の一例を示す結線図である。 操舵補助指令値制限がない従来装置における最大電流波形例を示す特性図である。 操舵補助指令値制限がない従来装置における操舵角に対する操舵トルク波形例を示す特性図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
5 ピニオンラック機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
14 バッテリ
15 操舵角速度センサ
20 モータ
30 コントロールユニット
70 操舵補助指令値演算部
71、71A 操舵補助指令値制限部
72 収れん制御部
73 慣性補償部
74 位相補償部
75 微分部
76 最大電流制限部
77 SATフィードバック補償部

Claims (7)

  1. 操舵トルクに基づいて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基づいてステアリング系をアシストする前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータの高出力時に前記操舵補助指令値を制限する操舵トルクリップル改善機能を具備したことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記高出力時が、前記操舵補助指令値の最大及び前記モータの電流値の飽和である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 操舵角速度により前記操舵補助指令値の制限を可変するようになっている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 車速により前記操舵補助指令値の制限を可変するようになっている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. システム系補償値により前記操舵補助指令値の制限を可変するようになっている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記モータの高出力時が必要となる停車若しくは低速時にのみ前記制限が機能するようになっている請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記モータの高出力時に前記モータの電流波形が飽和せずに前記モータ電流を制御するようになっている請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012076694A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

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