JPH0985628A - 研磨体 - Google Patents

研磨体

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JPH0985628A
JPH0985628A JP25050795A JP25050795A JPH0985628A JP H0985628 A JPH0985628 A JP H0985628A JP 25050795 A JP25050795 A JP 25050795A JP 25050795 A JP25050795 A JP 25050795A JP H0985628 A JPH0985628 A JP H0985628A
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JP
Japan
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polishing
film
polishing layer
ceramic
polysilazane
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Withdrawn
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JP25050795A
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English (en)
Inventor
Minoru Kanazawa
實 金澤
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な研磨力を維持しつつスクラッチの発生
を抑制する。 【構成】 非磁性支持体2上に、研磨剤31と結合剤32を
主として含む研磨層3を有し、さらに、研磨層3の表面
にポリシラザン塗膜をセラミックス化したセラミックス
の膜4を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スク用基板の表面を研磨するために用いられる研磨テー
プ等の研磨体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、主に研磨剤粒子と結合剤(バ
インダー)からなる研磨層を、支持体上に有してなる研
磨テープ等の研磨体が、各種の研磨を行う際に使用され
ている。
【0003】例えば、ハードディスク(以下、「HD」
と称する)は、通常アルミニウムからなる基板の表面に
磁性層を設けて作製されるものであり、上記基板表面に
は、HD使用時のヘッド吸着を防止するために、研磨
(テクスチャー処理)によって適度に細かい「スジ」を
形成しているが、このテクスチャー処理を研磨テープ等
の研磨体を使用して行っている。
【0004】また、通常の研磨体においては、研磨層に
含まれる研磨剤は何の処理もしないでそのまま使用し、
研磨力の調整は、研磨剤の粒子サイズを変えたり、硬さ
の異なる種類の研磨剤を使用して行っていた。
【0005】ところで、上記研磨体としては、研磨力が
大きく短時間で所定の研磨が終了することと、被研削物
の表面性が所定の状態で、その表面に予期せざる大きな
異常研磨傷(スクラッチ)が生じないことが要求される
が、両者は相反する要求である。すなわち、研磨層に含
まれる研磨剤の粒子サイズは研磨力と傷の発生に関係
し、例えば研磨層に大きな粒子サイズの研磨剤を含有す
れば、研磨力は大きいが、傷は発生しやすくなる。一
方、研磨層に小さな粒子サイズの研磨剤を含有すれば、
傷は発生し難くなるが、研磨力は小さくなり、上記のよ
うな研磨力の調整では両要求を同時に満たすことはでき
なかった。
【0006】上記のような点から、前記テクスチャー処
理を行う研磨体として、例えば特開平7−100769
号に見られるように、研磨層の結合剤を水溶性バインダ
ーで構成して、研磨時にクーラント液(洗浄水)を使用
し、結合剤が溶解することで結合剤を遊離砥粒として研
磨し、スクラッチの発生を低減するようにしているが、
これでは研磨力の低下も伴う問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、これら研磨層に含まれる研磨剤の研磨力を低下させ
ずに、傷の発生を抑制する方法について鋭意検討した結
果、研磨力の大きい研磨剤を使用して、かつ研磨層の表
面を特定の処理をすることにより、スクラッチの発生原
因となる研磨剤のエッジの表面が覆われ、この研磨力が
大きくて、かつスクラッチが発生し難いという相矛盾す
る要求を同時に満たすことができることを見いだしたも
のである。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、研磨力の大きい研磨剤を使用して高い研磨力を
確保しつつスクラッチの発生を抑制して良好な表面性を
確保できるようにした研磨体を提供せんとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の研磨体は、非磁性支持体上に研磨剤と結合剤を主と
して含む研磨層を有し、さらに、この研磨層の表面にセ
ラミックスの膜を設けたことを特徴とするものである。
【0010】また、前記セラミックスの膜は、研磨層表
面にポリシラザンを塗布し、酸化処理により生成した酸
化ケイ素のセラミックス、または、高温焼結により生成
した窒化ケイ素のセラミックスで構成するのが望まし
い。
【0011】上記のような研磨体におけるセラミックス
の膜は、研磨剤に匹敵する程度に硬くて研削力が大き
く、かつその研削力は低下することなく、配合した研磨
剤の粒子サイズ等に対応した表面状態に応じた研磨力が
得られる一方、表面に突出する研磨剤の先鋭エッジをセ
ラミックスの膜で覆って丸みを帯びた形状となり、被研
磨物への食い込み量が低減してスクラッチの発生が低減
する。
【0012】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、研磨層の
表面にセラミックスの膜を設けたことにより、研磨力を
高める目的でモース硬度の大きい、粒子サイズの大きい
研磨剤を研磨剤に配合しても、表面にスクラッチを発生
させるもととなる研磨剤のエッジの表面を上記セラミッ
クスの膜によって覆い、このエッジ部によるスクラッチ
の発生を抑制することができ、研磨力が大きくて、かつ
所望の研磨表面性に研磨することができるものである。
【0013】従って、本発明の研磨体は、例えば、HD
基板のテクスチャー処理のみならず、各種磁気ヘッドの
研磨に、また、各種表面のポリッシング処理、クリーニ
ング等にも使用可能であって、スクラッチを付けること
のない良好な研磨を実現するものとなる。
【0014】特に、ポリシラザン塗膜のセラミックス化
によるセラミックスの膜を形成した場合には、その成
膜、セラミックス化処理が容易で優れた生産性および耐
食性を達成し、緻密で高い機械強度を有する膜が得られ
る。さらに低温で酸化処理してなる場合には、ガラス、
金属はもとよりポリエチレンテレフタレート等のプラス
チックフィルムや高分子塗膜などの熱を加えることによ
って変形や分解が生じる恐れのある支持体についてもセ
ラミックスの膜が形成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の研磨体の実施の
形態を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】本例の研磨体1(研磨テープ)は、図1に
概略的に示すように、非磁性支持体2上に研磨層3が形
成され、さらに、この研磨層3の表面にセラミックスの
膜4が設けられている。上記研磨層3は、粒子状の研磨
剤31が結合剤32に分散されてなる。また、セラミッ
クスの膜4は、ポリシラザン塗膜を有酸素雰囲気での低
温焼結または紫外線照射等の酸化処理によってセラミッ
クス化した酸化ケイ素皮膜で構成するか、同様のポリシ
ラザン皮膜を不活性ガス中で高温焼結によってセラミッ
クス化した窒化ケイ素皮膜で構成する。
【0017】前記セラミックスの膜を形成する素材とし
てのポリシラザンは、 (−SiH2 −NH−)n の主鎖構造を有する含珪素ポリマーであり、実際の構造
例としては下記に示すものが挙げられる。このようなポ
リシラザンは、例えば、特公昭63−16325号公報
に記載された方法で合成することができる。
【0018】
【化1】
【0019】このポリシラザンは、市販品(東燃株式会
社製)として、低温焼結して酸化ケイ素となる80℃焼
結タイプ、120℃焼結タイプ、250℃焼結タイプ、
400℃焼結タイプ等がある。
【0020】特に、ポリシラザン塗膜の酸化処理におい
て、加熱のみによって酸化ケイ素に転化する場合にはそ
の転化温度は400℃以上、易分解タイプのものでは2
50℃以上であり、プラスチックフィルムなどの熱の影
響を受けやすいものについては、紫外線等の光照射、ま
たは、活性酸素もしくはオゾンを接触させることによっ
て酸化反応を行い、酸化ケイ素への転化温度が低く、室
温に近い低温でも良好なセラミックス膜が得られる。こ
れに伴い、支持体の素材としては、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレンナフタレートのように比較的低
温で変形するような素材のほか、金属、ガラス等の種々
の素材に作成可能である。
【0021】作成するセラミックス膜の厚みは3nm以
上が好ましく、厚い膜を作成する場合には、20nm程
度のシリカ保護膜を複数回積層する方法で作成するのが
好ましい。このポリシラザン塗膜を作成する方法として
は、前記原料を有機溶剤に溶解した溶液をワイヤーバー
法、グラビア法、スプレー法、ディップコート法、スピ
ンコート法等の手法によって研磨層上に塗布した後、乾
燥すればよい。このときの塗布液濃度、溶液の塗布量を
調整することでポリシラザンの膜厚を調整することがで
きる。
【0022】ポリシラザンを溶解する溶剤はキシレン、
トルエン、ベンゼン、THFなどが使用できるが、エタ
ノール等のアルコール類はポリシラザンと反応してしま
うため、使用できない。
【0023】本例でポリシラザンに加熱で酸化を行う方
法としては、研磨層上にポリシラザンを塗布した後、水
および酸素の存在する雰囲気中で150℃以上、好まし
くは200℃以上に保持する方法があげられる。
【0024】また、紫外線などの光を照射させて酸化を
行う場合には、例えば紫外線ランプにポリシラザン塗膜
を暴露する方法があげられる。光源としては紫外線が好
ましく、特に185nm等の200nm以下の波長成分
を有する低圧水銀ランプやエキシマーランプなどが酸化
処理時間が短縮できるため好ましい。
【0025】また、活性酸素またはオゾンと接触させる
方法では、ポリシラザン塗膜をオゾンと接触させる方
法、減圧下で酸素プラズマと接触させる方法、大気中で
火炎処理する方法などがあげられる。接触させるオゾン
は放電法、紫外線照射法、放射線照射法を応用した一般
的な発生装置によって作成できる。酸化処理にオゾンを
使用する場合のオゾンの濃度は特に限定されないが、酸
化処理を効率的に行うためには1〜100g/m3 (5
00〜50000ppm )、好ましくは5〜50g/m3
(2500〜25000ppm )である。またオゾンとの
接触時間は数秒から数分で酸化処理が可能である。
【0026】上記光照射や活性酸素と接触させる場合に
は、温度が室温近傍でも酸化が可能なため、プラスチッ
クフィルム等の耐熱性の低い支持体にも使用することが
できる。しかし処理速度を改善するためには支持体加熱
を行うことが好ましく、その加熱温度は支持体等に変形
などの影響を与えない範囲で設定する。たとえば支持体
にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレ
ートを用い、この支持体裏面を加熱ローラに密着させな
がら、研磨層表面に設けたポリシラザン塗膜を酸化処理
する場合においては、100℃前後に加熱すると支持体
に影響を与えず、処理速度を速めることができる。
【0027】前記支持体および研磨層は、従来公知の材
料、方法によって形成可能であり、非磁性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等ポリオレ
フイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイ
アセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等の
ビニル系樹脂類、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ
アミド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリベ
ンゾオキサゾール等のプラスチックのほかにアルミニウ
ム、銅等の金属、ガラス等のセラミックス等も使用でき
る。これらの支持体は塗布に先立って、コロナ放電処
理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金
属蒸着処理、アルカリ処理を行ってもよい。
【0028】研磨テープ等の場合、これら支持体の中心
線平均表面粗さRaは0.001〜1.5μm(カット
オフ値0.25mm)が好ましい。支持体の厚みは、
2.5〜500μmが望ましく、3〜75μmがさらに
望ましい。また支持体の長手もしくは幅方向のいずれか
のヤング率が400Kg/mm2 以上であることが望ま
しい。
【0029】また、上記研磨層に使用可能な研磨剤とし
ては、アルミナ、酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪
素、ダイヤモンド、γ−アルミナ、熔融アルミナ、コラ
ンダム、人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー(主成
分:コランダムと磁鉄鉱)、ガーネット等の主としてモ
ース硬度の高い材料を単独または組合わせで使用するこ
とができる。
【0030】そして上記研磨層には上記研磨剤以外に粒
子サイズの小さい粉末を含有してもよく、この粉末とし
てはカーボンブラックが使用でき、例えば、ゴム用ファ
ーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレ
ンブラック等を用いることができる。その比表面積は5
〜500m2 /g、DBP吸油量は10〜400ml/
100g、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、
タップ密度は0.1〜1g/cm2 であるのが好まし
い。このカーボンブラックの具体的な例としては、キャ
ボット社製:BLACKPEARLS 2000,13
00,1000,900,800,700、三菱化成工
業社製:650B,950B,3250B,850,9
00,960,980,1000,2300,240
0,2600等があげられる。また、カーボンブラック
を分散剤等で表面処理したり、樹脂でグラファイト化し
たものを用いることもできる。
【0031】また前記結合剤(バインダー)としては、
従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、
電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型
樹脂やこれらの混合物を使用することができる。
【0032】そして上記の熱可塑性樹脂としては、軟化
温度が150℃以下、平均分子量が10000〜300
000、重合度が約50〜2000程度のものでより好
ましくは200〜700程度であり、例えば塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル
酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニルビニ
ルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチ
レン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル
共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタン
エラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセル
ロース−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニ
リデンアクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロ
ニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレ
ート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセ
テート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピルセ
ルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、アセチルセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ酸樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂お
よびこれらの混合物等が使用される。
【0033】また、熱硬化性樹脂あるいは反応型樹脂と
しては、塗布液の状態では200000以下の分子量で
あり、塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、
付加等の反応により分子量は無限大となるものが好適に
用いられる。また、これらの樹脂の中で、樹脂が熱分解
するまでの間に軟化または溶融しないものが特に好まし
い。具体的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル
系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド
樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエ
ステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メ
タクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマー
の混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネー
トとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グ
リコール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリ
イソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン
樹脂およびこれらの混合物等である。
【0034】これらの熱可塑、熱硬化性樹脂、反応型樹
脂は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン酸(C
OOM)、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸
(SO3 M)、燐酸(PO(OM)(OM))、ホスホ
ン酸、硫酸(OSO3 M)、およびこれらのエステル基
等の酸性基(MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸類、
アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、スルフ
ォベタイン、ホスホベタイン、アルキルベタイン型等の
両性類基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等
また、水酸基、アルコキシル基、チオール基、アルキル
チオ基、ハロゲン基(F,Cl,Br,I)、シリル
基、シロキサン基、エポキシ基、イソシアナト基、シア
ノ基、ニトリル基、オキソ基、アクリル基、フォスフィ
ン基を通常1種以上6種以内含み、各々の官能基は樹脂
1gあたり1×10-6〜1×10-2eq含むことが好ま
しい。
【0035】本発明の研磨体においては、これらのバイ
ンダーが単独で、あるいはそれらが組み合わされたもの
が使われ、他に必要あれば添加剤として分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤、溶剤等
が加えられる。
【0036】本発明の研磨層に硬化剤として用いるポリ
イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、
4・4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1・5−ジイソシアネート、o−トル
イジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等のイソシアネート類、また当該イ
ソシアネート類とポリアルコールとの生成物、またイソ
シアネート類の縮合によって生成した2〜10量体のポ
リイソシアネート、またポリイソシアネートとポリウレ
タンとの生成物で末端官能基がイソシアネートであるも
の等を使用することができる。これらポリイソシアネー
ト類の平均分子量は100〜20000のものが好適で
ある。
【0037】これらポリイソシアネートの市販されてい
る商品名としては、コロネートL、コロネートHL、コ
ロネート2030、コロネート2031、ミリオネート
MR、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン株製)、
タケネートD−102、タケネートD−110N、タケ
ネートD−200、タケネートD−202、タケネート
300S、タケネート500(武田薬品株製)、スミジ
ュールT−80、スミジュール44S、スミジュールP
F、スミジュールL、スミジュールN、デスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジ
ュールHL、デスモジュールT65、デスモジュール1
5、デスモジュールR、デスモジュールRF、デスモジ
ュールSL、デスモジュールZ4273(住友バイエル
社製)等があり、これらを単独、もしくは硬化反応性の
差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合わせによっ
て使用することができる。
【0038】また、硬化反応を促進する目的で、水酸基
(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子量が100
0〜10000のポリウレタン、水等)、アミノ基(モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン
等)を有する化合物や、金属酸化物の触媒や鉄アセチル
アセトネート等の触媒を併用することもできる。これら
の水酸基やアミノ基を有する化合物は、多官能であるこ
とが望ましい。これらポリイソシアネートはバインダー
樹脂とポリイソシアネートの総量100重量部あたり2
〜70重量部で使用することが好ましく、より好ましく
は5〜50重量部である。
【0039】研磨層成分の分散、混練の方法には特に制
限はなく、各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶
媒等)、分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80
℃)などは適宜設定することができる。そして研磨層塗
料の調製には通常の混練機を用いることができる。
【0040】支持体上へ研磨層用塗布液を塗布する方法
としては、塗布液の粘度を1〜20000センチストー
クス(25℃)に調整した上で、エアードクターコータ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズ
コーター、含浸コーター、リバースロールコーター、ト
ランスファーロールコーター、グラビアコーター、キス
コーター、キヤストコーター、スプレイコーター、ロッ
ドコーター、正回転ロールコーター、カーテンコータ
ー、押出コーター、バーコーター、リップコーター等が
利用でき、さらにその他の方法も使用可能であり、これ
らの具体的説明は朝倉書店発行の『コーティング工学』
(昭和46.3.20.発行)253頁〜277頁等に
詳細に記載されている。これら塗布液の塗布の順番は任
意に選択でき、また所望の液の塗布の前に下塗り層ある
いは支持体との密着力向上のためにコロナ放電処理等を
行なってもよい。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その研磨特性を評価する。
【0042】<実施例1>この実施例は、厚さ25μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)による支持体
上に、ポリエステルポリウレタン樹脂からなる下塗層を
0.1μm厚に塗布し、その上にサンドグラインダーで
ガラスビーズ分散媒で下記の組成を2時間分散し調整し
た研磨層用塗布液を、乾燥後の厚さが8μmとなるよう
にバーコート塗布で塗布し、乾燥することにより研磨層
を作成した。
【0043】その後、上記研磨層上にポリシラザン(東
燃株式会社製)のm−キシレン溶液を、ディップコート
法で塗布し、100℃で乾燥して、ポリシラザン塗膜を
形成した。
【0044】次に前記支持体の裏面を20℃に冷却した
ローラに密着させ、窒素雰囲気化で低圧水銀ランプより
発生させた紫外線(185nm+254nm)を表面の
ポリシラザン塗膜に約1分間照射し、ポリシラザン塗膜
の分解、酸化、重合を行い、酸化ケイ素に転化させてセ
ラミックスの膜を表面に形成し、研磨テープのサンプル
を作成した。
【0045】本例においては、上記研磨層における結合
剤としてポリウレタン単独で使用し、硬化剤を配合しな
いことで柔軟性を付与し、ポリシラザンとしては80℃
焼結タイプのものを使用している。そして、ポリシラザ
ンの膜厚と研磨剤との組み合わせで、各種実施例品を得
ている。
【0046】すなわち、研磨剤にα−アルミナ(平均粒
子サイズ1.5μm)を使用して、ポリシラザン膜厚が
10nmのものが実施例1−1、20nmのものが実施
例1−2、40nmのものが実施例1−3、100nm
のものが実施例1−4であり、研磨剤を酸化クロム(平
均粒子サイズ2.4μm)としてポリシラザン膜厚が4
0nmのものが実施例1−5、研磨剤を炭化珪素(平均
粒子サイズ1.9μm)としてポリシラザン膜厚が40
nmのものが実施例1−6である。
【0047】また、前記実施例1−1と同様の研磨層す
なわち研磨剤がα−アルミナ(平均粒子サイズ1.5μ
m)で、ポリシラザン膜を形成していない比較例1の研
磨テープを同様に作成した。
【0048】c 上記のように作成した本発明の実施例
1−1ないし1−6による研磨テープと、比較例1によ
る研磨テープとを使用し、研磨テストを行った結果を表
1に示す。
【0049】 〔塗布液組成〕 研磨剤粒子: 100部 バインダー樹脂(ポリウレタン、スルホン酸ナトリウム 1×10-3当量/g樹脂含有、Mw70000 ): 8部 潤滑剤(オレイン酸/オレイン酸オレイル): 0.1部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1): 200部 希釈剤(トルエン/MIBK): 150部 添加剤(カーボンブラック): 2部
【0050】
【表1】
【0051】上記研磨テスト(後述の表2〜4について
も同様)は、前記各研磨テープによって被研磨物として
Ni−Pメッキされたアルミニウム基板(ハードディス
ク基板)を下記条件で研磨(テクスチャー処理)し、こ
の基板の内周部、中央部、外周部のそれぞれ円周上の4
カ所合計12カ所に直径5mmの円マークを設定し、この
中を無作為に下記条件でタリステップを用い研磨面の中
心線平均表面粗さRaを測定するとともに、この円内を
微分干渉顕微鏡を用いて800倍で撮影し、スクラッチ
の発生本数を測定した。
【0052】(1)上記テクスチャ処理の条件は、 HD基板回転スピード;100rpm テープ送りスピード;8mm/sec 揺動;クロスハッチの交差角が30度 処理時間;20秒間 洗浄液;ジョンソン社製クーラント液 である。
【0053】(2)HD基板表面粗さ(中心線平均粗さ
Ra)の測定方法は、 装置;TAYLOR−HOBSON社製タリステップ 計測長;0.25mm 計測速度;0.025mm/秒 カットオフ;25Hz 高さ倍率;20万倍 である。
【0054】表1の研削力およびスクラッチの特性評
価、総合評価の評価基準(後述の表2〜4においても同
様)は、 (a)研削力 [HDのRa] [評価結果] ◎ … 0.0085μm以上 … 研削力優良レベル ○ … 0.005 〜0.0085μm … 研削力良レベル △ … 0.0035〜0.005 μm … 研削力やや不足だが可 × … 0.0035μm未満 … 研削力不足で不可 (b)スクラッチ [大きなスクラッチ本数] [評価結果] ◎ … 0〜1本 … スクラッチ優良 ○ … 2〜3本 … スクラッチ良 △ … 4〜11本 … スクラッチやや多いが可 × … 11本以上 … スクラッチ多く不可 (c)総合評価(研削力とスクラッチとを考慮して評価) ◎ … 総合評価優良 ○ … 総合評価良 △ … 総合評価可 × … 総合評価不可 である。
【0055】<実施例2>本実施例は、前記実施例1に
対して、そのポリシラザンを250℃焼結タイプのもの
に変更したものであり、それ以外は同様に構成されてい
る。そして同様にポリシラザン膜厚と研磨剤を変更し
て、実施例2−1から実施例2−6の研磨テープ試料を
形成してなり、同様の研磨テストを行って同様の評価結
果を表2に示す。なお、前記比較例1の結果を併記して
いる。
【0056】
【表2】
【0057】<実施例3>本実施例は、前記実施例1に
対して、研磨層の結合剤としてのポリウレタン樹脂に加
えて、硬化剤を添加して研磨層を硬質構造にしたもので
あり、それ以外は同様で、ポリシラザンは80℃焼結タ
イプである。上記硬化剤としては、ポリイソシアネート
(トリメチロールプロパン(1モル)のTDI(3モ
ル)付加物)を、前記研磨塗布液組成に、2部配合して
なる。
【0058】そして、他の実施例と同様に、ポリシラザ
ン膜厚と研磨剤を変更して、実施例3−1から実施例3
−6の研磨テープ試料を形成してなり、同様の研磨テス
トを行って同様の評価結果を表3に示す。なお、表3に
併記した比較例2は、この実施例3の研磨層上にポリシ
ラザン膜を形成していない構造のものである。
【0059】
【表3】
【0060】<実施例4>本実施例は、前記実施例3に
対して、そのポリシラザンを250℃焼結タイプのもの
に変更したものであり、それ以外は同様に構成されてい
る。そして同様にポリシラザン膜厚と研磨剤を変更し
て、実施例4−1から実施例4−6の研磨テープ試料を
形成してなり、同様の研磨テストを行って同様の評価結
果を表4に示す。なお、前記比較例2の結果を併記して
いる。
【0061】
【表4】
【0062】表1〜表4の結果から、本発明の実施例に
よるものでは良好な研削力を確保しつつ、スクラッチの
発生が抑制できている。比較例1および2では、研削力
は良好であるが、スクラッチの発生本数が多く不良品と
なっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨体の構造を示す概略図
【符号の説明】
1 研磨テープ(研磨体) 2 支持体 3 研磨層 4 セラミックスの膜 31 研磨剤 32 結合剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に研磨剤と結合剤を主と
    して含む研磨層を有する研磨体において、前記研磨層の
    表面にセラミックスの膜を設けたことを特徴とする研磨
    体。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスの膜は、研磨層表面に
    ポリシラザンを塗布し、酸化処理により生成した酸化ケ
    イ素のセラミックスまたは高温焼結により生成した窒化
    ケイ素のセラミックスであることを特徴とする請求項1
    に記載の研磨体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7364789B2 (en) 2001-01-10 2008-04-29 3M Innovative Properties Company Wiping film
JP2010012531A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Showa Denko Kk 研磨テープ、研磨テープの製造方法および磁気ディスクのバーニッシュ加工方法
KR20180040096A (ko) * 2016-10-11 2018-04-19 한국전자통신연구원 광소결을 이용하여 폴리실라잔 막을 소결시키는 방법 및 그 방법에 의해 생성된 실리콘 막
CN114761229A (zh) * 2019-12-05 2022-07-15 株式会社小糸制作所 树脂成型品、车窗用树脂成型品以及树脂成型品的制造方法

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