JPH1190837A - 研磨テープ - Google Patents

研磨テープ

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JPH1190837A
JPH1190837A JP25846597A JP25846597A JPH1190837A JP H1190837 A JPH1190837 A JP H1190837A JP 25846597 A JP25846597 A JP 25846597A JP 25846597 A JP25846597 A JP 25846597A JP H1190837 A JPH1190837 A JP H1190837A
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polishing
layer
polishing layer
polishing tape
binder
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JP25846597A
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Minoru Kanazawa
實 金澤
Katsumi Ryomo
克己 両毛
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨層の強度が高く金属製シャフトについて
もその表面凹凸の除去が傷の発生を伴うことなく良好に
行えるようにする。 【解決手段】 支持体2の片方の面に研磨材粒子3とバ
インダー4を含む研磨層5を設け、反対側の面に無機粉
末7とバインダー8を含むバック層6を設けてなり、触
針チップがダイヤモンド製で針径が0.01mmφの表面
性測定器を用い、0〜300gの連続荷重をかけて研磨
層表面を前記触針チップで引っ掻いた際に、支持体に達
する傷が発生したときの荷重で示される研磨層5の引っ
掻き強度が250g以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
等に使用されているクランクシャフト、カムシャフトに
代表されるような金属製シャフト等における棒状軸部の
表面研磨などに使用される研磨テープに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上記のような金属製シャフトにおいて
は、その製造の際の熱処理過程でクレーター状の表面凹
凸が発生し、その棒状軸部ではこの凹凸形状を除去して
平坦面とするために表面研磨を施す場合がある。
【0003】そして、上記研磨は、例えば、前記金属製
シャフトの棒状軸部に研磨テープを巻き付け、この研磨
テープのバック面からテープ押さえ(パッド)を介して
例えば15〜25Kgf/cm2の圧力で押し付け、前記棒状
軸部を研磨テープを押し付けた状態で回転させて行われ
るが、この場合にバック面からの押し付けが弱いと研磨
が不十分となると共に、上記棒状軸部の回転に伴って研
磨テープが引きずられて移動すると良好な研磨が行えな
いことになる。
【0004】また、前記研磨テープの研磨力が高いと研
磨処理効率が向上する反面、研磨された面の表面性が低
下し、この表面性を良好にすると研磨力が不足して処理
時間が長くなる傾向にあり、さらに、使用する研磨テー
プの耐久性も要求される。
【0005】これら研磨テープの先行技術としては、特
開平8−267363号、特開平6−238569号、
特開平6−39736号、特公平4−40156号など
が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記のよう
な先行技術の研磨テープにおいては、バック層を有して
いないことにより、研磨テープ全体としての耐久性、強
度が不足して前述のような態様の金属製シャフトの研磨
には適していなかったり、研磨層の強度が不足して剥離
を生起する問題を有している。
【0007】つまり、前記のような研磨テープを使用し
て研磨を行っている際に、研磨層の強度が不足して膜剥
がれが発生すると、研磨力が低下し、前述のクレーター
状の表面凹凸が十分除去できず、粗面状態として残って
しまう。また、剥がれた研磨層が研磨部分に挟まってト
リガーとなり、シャフト表面にスクラッチ状の傷を付
け、必要とする表面性が得られないという問題が生じ
る。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、研磨層の強度が大きく金属製シャフトについて
もその表面凹凸の除去が傷の発生を伴うことなく良好に
行えるようにした研磨テープを提供せんとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の研磨テープは、支持体の片方の面に研磨材粒子とバ
インダーを含む研磨層を設け、前記支持体の反対側の面
に無機粉末とバインダーを含むバック層を設けてなり、
触針チップがダイヤモンド製で針径が0.01mmφの表
面性測定器を用い、0〜300gの連続荷重をかけて前
記研磨層表面を前記触針チップで引っ掻いた際に、前記
支持体に達する傷が発生したときの前記荷重で示される
研磨層の引っ掻き強度が250g以上であることを特徴
とするものである。
【0010】また、前記研磨層の引っ掻き強度は、30
0g以上であることが望ましい。
【0011】なお、前記引っ掻き強度の向上は、例え
ば、研磨層における研磨材粒子とバインダーと有機溶剤
等からなる研磨層塗布液の分散を、ガラスビーズやスチ
ールビーズ等の補助材料を混合した状態で30分間〜2
時間分散することで、バインダー樹脂中における研磨材
粒子の分散性を良化し、研磨材粒子間の接着を強化する
ことによって実現できる。
【0012】また、前記研磨テープとしては、前記研磨
層の厚みが35〜70μm、前記支持体の厚みが100
〜150μm、前記バック層の厚みが35〜70μmで
あり、且つ、研磨層中における研磨材粒子とバインダー
との重量比は、100/13〜100/24とするのが
好ましい。さらに、前記研磨層中の研磨材粒子は平均粒
子サイズが25〜35μmのものを用いるのが望まし
い。
【0013】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、支持体の
片面に、研磨材粒子とバインダーを含む研磨層を、反対
面に無機粉末とバインダーを含むバック層を設け、研磨
層の表面性測定器による引っ掻き強度が250g好まし
くは300g以上としたことにより、この研磨層の膜強
度が高く、金属製シャフトを研磨した場合、研磨処理過
程での研磨層の欠落は発生せず、研磨力も向上するもの
であり、その結果シャフト表面のクレーター状の表面凹
凸の研磨除去が良好に行えると同時に、剥離研磨層によ
る金属製シャフト表面のスクラッチ状の傷の発生を減少
して、良好な表面性を得ることができる。
【0014】なお、前記支持体の研磨層と反対側の面に
は、研磨層と同等の厚みのバック層を設けることで、バ
ック層の表面粗さの確保による研磨中の研磨テープの引
きずりによる移動防止が行えると共にカールバランスが
得られる。つまり、研磨テープをバック面から金属製シ
ャフト等の棒状軸部に押し付けて研磨を行うについて、
棒状軸部の回転に伴って研磨テープが引きずられて移動
しないためには、バック面にある程度の表面粗さが必要
で、このためにバック層には無機粉末を含有しており、
この無機粉末による適度の表面粗さを得るようにしてい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の研磨テープの実
施の形態を示し、本発明をさらに詳細に説明する。図1
は本例の研磨テープの断面構造を示す概略図である。
【0016】本例の研磨テープ1は、支持体2の片面に
研磨層5が形成され、この支持体1の他方の面にはバッ
ク層6が積層されている。
【0017】研磨層5は、平均粒子サイズが25〜35
μmの研磨材3がバインダー4に分散され、研磨材10
0重量部に対してバインダーが13〜24重量部配合さ
れている。また、バック層6は、バック面の表面粗さを
得るための例えば平均粒径が8μmと粒子サイズが大き
い炭酸カルシウム粒子と、バック面を着色して研磨面と
区別するための例えば平均粒径が1μmと粒子サイズの
小さい酸化鉄粒子とによる無機粉末7がバインダー8に
分散されている。なお、上記バック層6には、着色用の
無機粉末(顔料)を含有させる代わりに、バック層表面
に研磨層と識別するための印刷等を施すようにしてもよ
い。
【0018】前記支持体2は、厚みが100〜150μ
mの例えばポリエチレンテレフタレート(PET)によ
る高分子支持体で設けられ、研磨層5の厚みが35〜7
0μmであり、バック層6の厚みが35〜70μmであ
り、全体の厚みは170〜290μmと研磨テープ1と
しては大きく設けられている。また、上記支持体2の表
面にはエンボス加工による凹凸(図示せず)が施されて
いる。
【0019】そして、上記のような研磨テープ1におけ
る研磨層5の引っ掻き強度は、触針チップがダイヤモン
ド製で針径が0.01mmφの表面性測定器を用い、0〜
300gの連続荷重をかけて研磨層5表面を上記触針チ
ップで引っ掻いた際に、支持体2に達する傷が発生した
ときの前記荷重で示される引っ掻き強度が250g以
上、好ましくは300g以上である。
【0020】本発明研磨テープ1により、例えば図3に
示すようなエンジンのクランクシャフト10の研磨を行
う部位は、そのピン部10aおよびジャーナル部10b
の周面であり、これらのピン部10aまたはジャーナル
部10bの長さに相当する幅の研磨テープ1を用意す
る。
【0021】研磨法は図2に示すように、研磨テープ1
がロール状に巻かれた送り出しロール15から、センサ
ー16を介して研磨テープ1が送り出され、回転駆動さ
れているクランクシャフト10に対してそのピン部10
aまたはジャーナル部10bに研磨テープ1を巻回し、
2本の揺動アーム17,17に設けられたテープ押さえ
18,18によって研磨テープ1を両側からピン部10
aまたはジャーナル部10bに約15〜25Kgf/cm2
圧力で押さえ付け、研磨後の研磨テープ1は歯車19、
送りローラ20等によって走行され巻き取られる。
【0022】本発明の研磨テープで使用し得る支持体と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル等のビニル系樹脂類、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホ
ン、ポリベンゾオキサゾール等のプラスチックのほかに
アルミニウム等の金属、紙、布等も使用できる。
【0023】また、支持体の表面には研磨層塗布液また
はバック層塗布液の塗布に先立って、コロナ放電処理、
プラズマ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸
着処理、アルカリ処理を行ってもよい。支持体の厚み
は、100〜150μmが望ましく、長手もしくは幅方
向のいずれかのヤング率が400Kg/mm2以上であ
ることが望ましい。
【0024】また、本発明の研磨層に使用可能な研磨材
としては、アルミナ、酸化クロム、α−アルミナ、炭化
珪素、ダイヤモンド、γ−アルミナ、熔融アルミナ、コ
ランダム、人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー(主
成分:コランダムと磁鉄鉱)、ガーネット等の主として
モース硬度の高い材料を単独または組合わせで使用する
ことができる。その平均粒子径は、25〜35μmが好
ましく、これより粒子径が小さいと研磨力が低く、大き
いと研磨部分に傷が発生しやすい。
【0025】一方、バック層に使用可能な無機粉末とし
ては、バック面の表面粗さを得るための粒子として、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸
バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛等が
単独または組み合わせで使用することができ、また、バ
ック面の着色のための粒子(顔料)としては、赤茶色の
酸化鉄、黄色のクロム酸鉛、チタンイェロー、緑色の酸
化クロム、青色の群青等が使用できる。
【0026】前述のように研磨テープの研磨面をクラン
クシャフト(被研磨体)にバック面からテープ押さえに
よってある程度大きな圧力で押し付けて研磨する場合
に、バック面からの押し付けが弱いと研磨が不十分とな
り、この際バック面が十分な粗さをもっていないと研磨
テープがクランクシャフトに引きずられて同時に回転し
て研磨できなくなる。上記バック面の表面粗さRaに関し
ては、約3μm〜10μm程度の粗さが研磨テープがク
ランクシャフトに回転中引きずられないために必要であ
る。
【0027】そして上記研磨層およびバック層には上記
研磨材または無機粉末以外に粒子サイズの小さい粉末を
含有してもよく、この粉末としてはカーボンブラックが
使用でき、例えば、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマ
ル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いる
ことができる。その比表面積は5〜500m2 /g、D
BP吸油量は10〜400ml/100g、pHは2〜
10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜
1g/cm2 であるのが好ましい。このカーボンブラッ
クの具体的な例としては、キャボット社製:BLACK
PEARLS 2000,1300,1000,90
0,800,700、三菱化成工業社製:650B,9
50B,3250B,850,900,960,98
0,1000,2300,2400,2600等があげ
られる。また、カーボンブラックを分散剤等で表面処理
したり、樹脂でグラファイト化したものを用いることも
できる。
【0028】本発明の研磨層およびバック層に使用され
るバインダーとしては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化
型樹脂、可視光線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用さ
れる。
【0029】熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量が10000〜300000、重合
度が約50〜2000程度のものでより好ましくは20
0〜700程度である。例えば塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニルビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビ
ニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニ
リデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合
体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、
メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマ
ー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポ
リアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアク
リロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セル
ロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セル
ロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセ
ルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、メ
チルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロ
ビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹
脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂およびこれらの混
合物等が使用される。
【0030】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200000以下の分子量であり、塗
布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付加等の
反応により分子量が無限大となるものが好適である。ま
た、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間
に軟化または溶融しないものが好ましい。具体的には例
えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポ
リカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキ
ッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線
硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロ
ースメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合
体とジイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエス
テルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、尿素
ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量
ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混
合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂およびこれらの
混合物等である。
【0031】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン
酸(COOM)、スルフィン酸(SO2M)、スルフェ
ン酸(SOM)、スルホン酸(SO3M)、燐酸(PO4
3)、ホスホン酸(PO32)、硫酸(OSO3M)、
及びこれらのエステル基等の酸性基(MはH、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、炭化水素基)、アミノ酸類;
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐
酸エステル類、スルフォベタイン、ホスホベタイン、ア
ルキルベタイン型等の両性類基、アミノ基、イミノ基、
イミド基、アミド基等、また、水酸基、アルコキシル
基、チオール基、アルキルチオ基、ハロゲン基(F、C
l、Br、I)、シリル基、シロキサン基、エポキシ
基、イソシアナト基、シアノ基、ニトリル基、オキソ
基、アクリル基、フォスフィン基を通常1種以上6種以
内含み、各々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq
〜1×10-2eq含むことが好ましい。
【0032】これらのバインダーの単独または組み合わ
されたものが使われ、ほかに添加剤が加えられる。添加
剤としては分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、
防黴剤、着色剤、溶剤等が加えられる。
【0033】本発明の研磨層およびバック層に硬化剤と
して用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート、4・4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ナフチレン−1・5−ジイソシアネ
ート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート
類、当該イソシアネート類とポリアルコールとの生成
物、イソシアネート類の縮合によって生成した2〜10
量体のポリイソシアネート、ポリイソシアネートとポリ
ウレタンとの生成物で末端官能基がイソシアネートであ
るもの等を使用することができる。これらポリイソシア
ネート類の平均分子量は100〜20000のものが好
適である。
【0034】これらポリイソシアネートの市販されてい
る商品名としては、コロネートL、コロネートHL、コ
ロネート2030、コロネート2031、ミリオネート
MR、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン社製)、
タケネートD−102、タケネートD−110N、タケ
ネートD−200、タケネートD−202、タケネート
300S、タケネート500(武田薬品社製)、スミジ
ュールT−80、スミジュール44S、スミジュールP
F、スミジュールL、スミジュールN、デスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジ
ュールHL、デスモジュールT65、デスモジュール1
5、デスモジュールR、デスモジュールRF、デスモジ
ュールSL、デスモジュールZ4273(住友バイエル
社製)等があり、これらを単独若しくは硬化反応性の差
を利用して二つ若しくはそれ以上の組み合わせによって
使用することができる。
【0035】また、硬化反応を促進する目的で、水酸基
(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子量が100
0〜10000のポリウレタン、水等)、アミノ基(モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン
等)を有する化合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルア
セトネート等の触媒を併用することもできる。これらの
水酸基やアミノ基を有する化合物は多官能であることが
望ましい。これらポリイソシアネートはバインダー樹脂
とポリイソシアネートの総量100重量部あたり2〜7
0重量部で使用することが好ましく、より好ましくは5
〜50重量部である。
【0036】本発明の分散、混練、塗布の際に使用する
有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチル
シクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプ
ロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテ
ル等のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエ
チルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド、ヘキサン等のものが使用できる。またこれら溶媒
は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。これらの溶剤は研磨液の
合計固形分100重量部に対して50〜20000重量
部で用いられる。好ましい研磨層塗布液の固形分率は5
〜60重量%である。
【0037】また、水溶性のバインダーとしては、代表
的な例として、カルボキシメチルセルロースのナトリウ
ム塩(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HE
C)、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン等の水溶性のバインダーを用いる
ことができる。この水溶性のバインダーの溶剤として
は、水、および、メチルアルコール、エチルアルコール
等の水溶性アルコール、これらの混合液等を使用し、必
要に応じて各種添加剤を配合する。
【0038】前記研磨層成分およびバック層成分の分
散、混練の方法には特に制限はなく、また各成分の添加
順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、分散・混練中の
添加位置、分散温度(0〜80℃)などは適宜設定する
ことができる。そして研磨層塗料およびバック層塗料の
調製には通常の混練機を用いることができる。上記分散
の補助材料として、球相当径で10cmφ〜0.05mmφ
の径のガラスビーズ、スチールビーズ、セラミックビー
ズ、有機ポリマービーズ等を用いる。またこれら補助材
料は球形に限らない。
【0039】研磨層用塗布液およびバック層用塗布液を
塗布する方法としては、塗布液の粘度を1〜20000
センチストークス(25℃)に調整した上で、エアード
クターコーター、ブレードコーター、エアナイフコータ
ー、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロール
コーター、トランスファーロールコーター、グラビアコ
ーター、キスコーター、キヤストコーター、スプレイコ
ーター、ロッドコーター、正回転ロールコーター、カー
テンコーター、押出コーター、バーコーター、リップコ
ーター等が利用でき、さらにその他の方法も使用可能で
あり、これらの具体的説明は朝倉書店発行の『コーティ
ング工学』(昭和46.3.20.発行)253頁〜2
77頁等に詳細に記載されている。これら塗布液の塗布
の順番は任意に選択でき、また所望の液の塗布の前に下
塗り層あるいは支持体との密着力向上のためにコロナ放
電処理等を行ってもよい。
【0040】次に、シートを所定幅にカットして研磨テ
ープを形成し、必要に応じて、表面の清浄、バーニッシ
ュを行う。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その研磨特性として摩耗量、研磨面粗さ等の特性を
評価した。
【0042】<実施例1〜5>この実施例は、厚さ12
5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)による
支持体を用意し、この支持体の裏面側に、バインダー
(塩化ビニール酢酸ビニール共重合体、ポリウレタン、
ポリイソシアネート)、溶剤(メチルエチルケトンとシ
クロヘキサノンとの混合溶剤)、無機粉末(炭酸カルシ
ウム:粒子サイズ8μm、酸化鉄:粒子サイズ1μm)
を分散した後述の処方によるバック層用塗布液を、乾燥
後の厚さが40μmとなるようにブレードコーターで塗
布し、乾燥することによりバック層を設けた。
【0043】さらに、上記バック層の反対側の支持体上
に、バインダー(塩化ビニール酢酸ビニール共重合体、
ポリウレタン、ポリイソシアネート)、溶剤(メチルエ
チルケトンとシクロヘキサノンとの混合溶剤)、研磨材
(酸化アルミニウム、粒子サイズ30μm)をガラスビ
ーズを分散液中に入れて、後述の表1に示すように30
分間〜2時間分散し、分散後、上記ガラスビーズをフィ
ルターを用いて分離除去し、後述の処方による研磨層用
塗布液を得た。この研磨層用塗布液を、乾燥後の厚さが
60μmとなるようにブレードコーターで塗布し、乾燥
することにより研磨層を設けた。
【0044】上記のようにして作製した研磨シートを1
8mm幅にスリットし、分散時間が異なる評価用の研磨テ
ープとした。
【0045】<比較例1>この比較例は、厚さ125μ
mのポリエチレンテレフタレート(PET)による支持
体を用意し、この支持体の裏面側に、バインダー(塩化
ビニール酢酸ビニール共重合体、ポリウレタン、ポリイ
ソシアネート)、溶剤(メチルエチルケトンとシクロヘ
キサノンとの混合溶剤)、無機粉末(炭酸カルシウム:
粒子サイズ8μm、酸化鉄:粒子サイズ1μm)を分散
した後述の処方によるバック層用塗布液を、乾燥後の厚
さが40μmとなるようにブレードコーターで塗布し、
乾燥することによりバック層を設けた。
【0046】さらに、上記バック層の反対側の支持体上
に、バインダー(塩化ビニール酢酸ビニール共重合体、
ポリウレタン、ポリイソシアネート)、溶剤(メチルエ
チルケトンとシクロヘキサノンとの混合溶剤)、研磨材
(酸化アルミニウム、粒子サイズ30μm)をガラスビ
ーズやスチールボールを使用しないで60分間分散した
研磨層用塗布液を、乾燥後の厚さが、60μmとなるよ
うにブレードコーターで塗布し、乾燥することにより研
磨層を設けた。
【0047】上記のようにして作製した研磨シートを1
8mm幅にスリットし、評価用の研磨テープとした。
【0048】上記のように作製した本発明の実施例1〜
5および比較例1の研磨テープにおける、研磨層厚さ、
バック層厚さ、分散時間、引っ掻き強度、および、研磨
テストの評価結果、評価結果よりの判定結果を表1に示
す。
【0049】 〔研磨層塗布液処方〕 研磨材(アルミナ) 600部 塩化ビニール共重合体(MR110:日本ゼオン社製, スルホン酸カリウム塩含有) 6部 ポリウレタン(UR8300:東洋紡社製,スルホン酸 ナトリウム基含有) 25部 ポリイソシアネート(コロネートL:日本ポリウレタン社製) 30部 溶剤 300部 〔バック層塗布液処方〕 炭酸カルシウム 440部 酸化鉄 4部 塩化ビニール酢酸ビニール共重合体(MR110:日本ゼオン 社製,スルホン酸カリウム塩含有) 20部 ポリウレタン(UR8300:東洋紡社製,スルホン酸 ナトリウム基含有) 40部 ポリイソシアネート(コロネートL:日本ポリウレタン社製) 50部 溶剤 420部
【0050】
【表1】
【0051】上記表1における評価方法を説明する。
【0052】(1)厚み測定方法 研磨層、バック層、支持体の厚み測定は、ミツトヨ製の
マイクロメーターを用いた。
【0053】(2)引っ掻き強度測定法 装置として表面性測定器Type−HEIDON14
(新東科学株式会社製)を用い、測定条件を、 触針チップ(針):ダイヤモンド製、針径0.01mmφ 荷重:0〜300gまで連続荷重 引っ掻き速度:10cm/60秒 として、上記触針チップの先端を研磨テープの研磨層表
面に接触させ、荷重を0〜300gまで連続的にかけて
研磨層を引っ掻く。研磨テープ表面の引っ掻き傷を光学
顕微鏡で観察し、支持体に達する傷が発生した箇所の荷
重を引っ掻き強度とした。
【0054】(3)鋼球摩耗量測定法 鋼球摩耗測定機を用い、 荷重:200g 走行:1パス×10トラック 鋼球径:6.35mmφ の条件に従い、固定した鋼球で研磨テープ表面を擦り、
擦った後の鋼球表面を顕微鏡で観察し摩耗した体積を計
算して求めた。
【0055】(4)研磨面の粗さ測定 研磨機を用い、測定条件を、 計測長さ:0.25mm 計測速度:0.025mm/秒 カットオフ:25Hz 高さ倍率:20倍 とし、材質がFCD700である4cm×2cmの円筒状金
属(ワークピース)を研磨テープで研磨し、この研磨後
の面の粗さ(中心線平均表面粗さRa)を、TALOR
−HOBSON社製タリステップを用いて測定した。測
定後、測定値の上限20%、下限10%をカットしてR
aデータとして使用した。
【0056】そして、前記表1における評価判定につい
ては、 研磨テープの鋼球摩耗量:0.003mm3以上……規格内(○) 0.003mm3以下……規格外(×) ワークピースの研磨面の粗さ:0.03μm以下……規格内(○) 0.03μm以上……規格外(×) とした。
【0057】また、総合判定は研磨テープの鋼球摩耗量
の結果およびワークピースの研磨面の粗さの結果をもと
に判定した。
【0058】上記表1の結果から、本発明の実施例によ
るものでは、ガラスビーズを入れた研磨層用塗布液の分
散時間が長くなると、研磨層の引っ掻き強度が大きくな
る一方、鋼球摩耗量は低下する傾向にある。また、表面
粗さは分散時間の増大に対して小さくなる傾向にあり、
いずれの特性も良好であった。
【0059】これは、ガラスビーズを入れた分散によ
り、バインダー中における研磨剤粒子の分散性が高くな
り、研磨剤粒子間の接着が強化されて研磨層の引っ掻き
強度が250g以上となり、研磨処理中のでの研磨層の
欠落が発生しないことで、傷を発生させることなく良好
な研磨が行えた。また、分散時間が長くなると、形成し
た研磨層の表面粗さが小さくなる傾向にあり、それによ
り鋼球磨耗量が低下する一方、表面粗さが小さくなる結
果が得られている。
【0060】これに対して、比較例1ではガラスビーズ
を入れない塗布液のみによる分散であることで、分散時
間が長くても分散性は低く、研磨層の引っ掻き強度は小
さい値となっており、研磨層表面の粗面化により鋼球磨
耗量の値は大きいが、研磨面表面粗さが大きく傷の発生
があり総合評価は不良となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨テープの構造を示す概略断面
【図2】研磨テープによるクランクシャフトの研磨状態
を示す機構図
【図3】クランクシャフトの研磨部分を示す正面図
【符号の説明】
1 研磨テープ 2 支持体 3 研磨材 4 バインダー 5 研磨層 6 バック層 7 無機粉末 8 バインダー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片方の面に研磨材粒子とバイン
    ダーを含む研磨層を設け、前記支持体の反対側の面に無
    機粉末とバインダーを含むバック層を設けた研磨テープ
    において、 触針チップがダイヤモンド製で針径が0.01mmφの表
    面性測定器を用い、0〜300gの連続荷重をかけて前
    記研磨層表面を前記触針チップで引っ掻いた際に、前記
    支持体に達する傷が発生したときの前記荷重で示される
    研磨層の引っ掻き強度が250g以上であることを特徴
    とする研磨テープ。
  2. 【請求項2】 前記研磨層の引っ掻き強度が300g以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の研磨テー
    プ。
  3. 【請求項3】 前記研磨層の塗布液分散時に、ガラスビ
    ーズ、スチールビーズ等の補助材料を混入して30分間
    〜2時間分散したことを特徴とする請求項1に記載の研
    磨テープ。
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