JPH0979302A - 油圧緩衝器及び油圧緩衝器のガス封入方法 - Google Patents

油圧緩衝器及び油圧緩衝器のガス封入方法

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JPH0979302A
JPH0979302A JP23289395A JP23289395A JPH0979302A JP H0979302 A JPH0979302 A JP H0979302A JP 23289395 A JP23289395 A JP 23289395A JP 23289395 A JP23289395 A JP 23289395A JP H0979302 A JPH0979302 A JP H0979302A
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dust
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jig
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Hiroyuki Ikemoto
浩之 池本
Hideo Tanaka
秀雄 田中
Kazumichi Okada
一路 岡田
Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Shinya Nishigaya
伸也 西ヶ谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス封入に際してシール手段のシール面が損
傷を受けるのを防止する。 【解決手段】 オイルシールリップ32のダストリップ
部34には、アングル状のプレート44が埋設されてい
る。このプレート44の他端部44Bを第2治具50で
押し下げることにより、梃の原理によってスプリング4
2を拡径させながらガスを封入させることができる。こ
れにより、第2治具50とダストリップ部34のシール
面34A及びメインリップ部36のシール面36Aとを
接触させることなくガスを封入することができる。従っ
て、第2治具50によってオイルシールリップ32のシ
ール面34A、36Aが損傷を受けるのを防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧緩衝器及び油
圧緩衝器用ガス封入治具並びに油圧緩衝器のガス封入方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧緩衝器、例えば自動車に適用される
ショックアブソーバにおいて、ガス封入に際してオイル
シール用のオイルシールリップが損傷を受けるのを回避
するための構成が、実開昭58−169234号公報に
開示されている。以下、この公報に開示された構成につ
いて簡単に説明する。
【0003】図22に示されるように、ショックアブソ
ーバ150はアウタシェル152を備えており、このア
ウタシェル152の上端部には円筒状のシールケース1
54が嵌着されている。シールケース154の軸心部に
は、弾性材料からなりダストリップ部156及びメイン
リップ部158を備えたオイルシールリップ160が配
設されている。さらに、インナシェル162の上端部に
はガイドメタル164が嵌着されており、オイルシール
リップ160の下側に当接状態で配置されている。ガイ
ドメタル164には、アウタシェル152とインナシェ
ル162との間に形成されたガス室166に連通する連
通孔168が形成されている。
【0004】一方、ガス注入具170は、ピストンロッ
ド172に装着され内部にガス注入用空室174を備え
た基部176と、この基部176の軸心部から軸線方向
へ延出された円筒状の挿入部178と、を備えている。
図23に示される如く、挿入部178には、周方向に適
宜間隔で切欠き部180が形成されていると共に周方向
溝182が形成されている。さらに、挿入部178に
は、周方向溝182とガス注入用空室174とを連通す
る軸方向溝184が形成されている。
【0005】上述したショックアブソーバ150のガス
室166にガスを注入するに際しては、ガス注入具17
0の挿入部178をオイルシールリップ160のダスト
リップ部156及びメインリップ部158とピストンロ
ッド172との間に挿入した後、基部176の周壁に形
成されたガス注入口186からガスを注入する。注入さ
れたガスは、ガス注入用空室174から軸方向溝184
及び周方向溝182更に連通孔168を通ってガス室1
66に供給される。
【0006】ここで、図23に示される如く、上述した
ガス注入具170の挿入部178の先端部はテーパ形状
にされており、更にその先端及び切欠き部180のコー
ナー部等は円弧面を成している。これにより、ガス注入
具170を挿入した際に、挿入部178によってオイル
シールリップ160が損傷を受けるのを回避するように
なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報に開示された構成による場合、挿入部178の先
端部をテーパ形状にする等の工夫がなされているもの
の、ガス注入具170を挿入するに際して挿入部178
がオイルシールリップ160のダストリップ部156及
びメインリップ部158のシール面に接触する構成であ
るため、ダストリップ部156及びメインリップ部15
8のシール面が損傷を受けるおそれがある。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、ガス封入に際
してシール手段のシール面が損傷を受けるのを防止する
ことができる油圧緩衝器及び油圧緩衝器用治具並びに油
圧緩衝器のガス封入方法を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、筒体内に軸方向移動可能に配置されたピストンロッ
ドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心側へ受け筒
体内に収容されたオイルが漏出するのを防止するメイン
リップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒体内にダス
トが混入するのを防止するダストリップ部を含むシール
手段を備えた油圧緩衝器であって、ガス封入治具を用い
て前記筒体内へガスを封入する際に、ガス封入治具から
ダストリップ部の外周端部に外力が加えられることで、
ダストリップ部側のスプリングを拡径させるスプリング
拡径手段を設けた、ことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の本発明は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れ、スプリング圧を軸心側へ受け筒体内に収容されたオ
イルが漏出するのを防止するメインリップ部及びスプリ
ング圧を軸心側へ受け筒体内にダストが混入するのを防
止するダストリップ部を含むシール手段を備えた油圧緩
衝器にガスを封入する際に用いられるガス封入治具であ
って、ガス封入治具を用いて前記筒体内へガスを封入す
る際に、ダストリップ部の外周端部に外力を加えること
で、ダストリップ部側のスプリングを拡径させるスプリ
ング拡径手段を設けた、ことを特徴としている。
【0011】請求項3記載の本発明は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れ、スプリング圧を軸心側へ受け筒体内に収容されたオ
イルが漏出するのを防止するメインリップ部及びスプリ
ング圧を軸心側へ受け筒体内にダストが混入するのを防
止するダストリップ部を含むシール手段を備えた油圧緩
衝器に適用され、筒体内にガスを封入するための油圧緩
衝器のガス封入方法であって、ガス封入治具を用いて前
記筒体内へガスを封入する際に、ガス封入治具からダス
トリップ部の外周端部に外力を加えることで、ダストリ
ップ部側のスプリングを拡径させながらガスを筒体内に
封入する、ことを特徴としている。
【0012】請求項4記載の本発明は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れ、スプリング圧を軸心側へ受け筒体内に収容されたオ
イルが漏出するのを防止するメインリップ部及びスプリ
ング圧を軸心側へ受け筒体内にダストが混入するのを防
止するダストリップ部を含むシール手段を備えた油圧緩
衝器であって、ガス封入治具を用いて前記筒体内へガス
を封入する際に、ガス封入治具によって上方から押圧さ
れることで、ダストリップ部側のスプリングを拡径させ
るてこ部材を設けた、ことを特徴としている。
【0013】請求項5記載の本発明は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れ、スプリング圧を軸心側へ受け筒体内に収容されたオ
イルが漏出するのを防止するメインリップ部及びスプリ
ング圧を軸心側へ受け筒体内にダストが混入するのを防
止するダストリップ部を含むシール手段を備えた油圧緩
衝器に適用され、筒体内にガスを封入するための油圧緩
衝器のガス封入方法であって、前記筒体内へガスを封入
する際に、ダストリップ部に係合してダストリップ部側
のスプリングを拡径させるガス封入治具を用いて、ガス
を筒体内に封入する、ことを特徴としている。
【0014】請求項6記載の本発明は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れ、スプリング圧を軸心側へ受け筒体内に収容されたオ
イルが漏出するのを防止するメインリップ部及びスプリ
ング圧を軸心側へ受け筒体内にダストが混入するのを防
止するダストリップ部を含むシール手段を備えた油圧緩
衝器であって、メインリップ部とダストリップ部とを分
割すると共に、メインリップ部におけるダストリップ部
側の内周面とピストンロッドの外周面との間に空隙を設
けた、ことを特徴としている。
【0015】請求項7記載の本発明は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れ、スプリング圧を軸心側へ受け筒体内に収容されたオ
イルが漏出するのを防止するメインリップ部及びスプリ
ング圧を軸心側へ受け筒体内にダストが混入するのを防
止するダストリップ部を含むシール手段を備えた油圧緩
衝器に適用され、筒体内にガスを封入するための油圧緩
衝器のガス封入方法であって、ピストンロッドに対する
所定位置に、ダストリップ部と分割されたメインリップ
部を先に組付け、次いで、メインリップ部におけるダス
トリップ部側の内周面とピストンロッドの外周面との間
に設けられた空隙から、圧力をかけてガスを筒体内に封
入し、その後、ピストンロッドに対する所定位置に、ダ
ストリップ部を組付ける、ことを特徴としている。
【0016】請求項1記載の本発明によれば、ガスを筒
体内に封入する場合、ガス封入治具からダストリップ部
の外周端部に外力が加えられることで、シール手段に設
けられたスプリング拡径手段によってダストリップ部側
のスプリングが拡径され、この拡径された部分からガス
が筒体内に封入される。このため、ガス封入に際して、
ガス封入治具とシール手段のシール面との非接触状態が
維持される。
【0017】請求項2記載の本発明によれば、ガスを筒
体内に封入する場合、ガス封入治具からダストリップ部
の外周端部に外力が加えられることで、ガス封入治具に
設けられたスプリング拡径手段によってダストリップ部
側のスプリングが拡径され、この拡径された部分からガ
スが筒体内に封入される。このため、ガス封入に際し
て、ガス封入治具とシール手段のシール面との非接触状
態が維持される。
【0018】請求項3記載の本発明によれば、ガスを筒
体内に封入する場合、ガス封入治具からダストリップ部
の外周端部に外力を加えることで、ダストリップ部のス
プリングを拡径させながら、ガスが筒体内に封入され
る。このため、ガス封入治具をシール手段のシール面に
接触させることなく、ガスを筒体内に封入させることが
できる。
【0019】請求項4記載の本発明によれば、ガスを筒
体内に封入する場合、ガス封入治具によっててこ部材が
上方から押圧される。これにより、ダストリップ部側の
スプリングが拡径され、この拡径された部分からガスが
筒体内に封入される。このため、ガス封入に際して、ガ
ス封入治具とシール手段のシール面との非接触状態が維
持される。
【0020】請求項5記載の本発明によれば、ガス封入
治具を挿入すると当該治具がダストリップ部に係合され
る。係合後、当該治具によってダストリップ部側のスプ
リングが拡径されて、ガスが筒体内に封入される。この
ため、ガス封入治具をシール手段のシール面に接触させ
ることなく、ガスを筒体内に封入させることができる。
【0021】請求項6記載の本発明によれば、ガスを筒
体内に封入する場合、メインリップ部におけるダストリ
ップ部側の内周面とピストンロッドの外周面との間に設
けられた空隙に圧力がかけられ、これによりガスが筒体
内に封入される。このため、ガス封入に際して、ガス封
入治具とシール手段のシール面との非接触状態が維持さ
れる。
【0022】請求項7記載の本発明によれば、まずピス
トンロッドの所定位置に、ダストリップ部と分割された
メインリップ部が組付けられる。次いで、メインリップ
部におけるダストリップ部側の内周面とピストンロッド
の外周面との間に設けられた空隙から、圧力をかけてガ
スが筒体内に封入される。その後、ピストンロッドに対
する所定位置に、残るダストリップ部が組付けられる。
このため、ガス封入治具をシール手段のシール面に接触
させることなく、ガスを筒体内に封入させることができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕以下、図1及び図2を用いて、第1
の実施形態について説明する。なお、この実施形態は、
請求項1、請求項3、及び請求項4に記載の本発明の一
実施形態に相当する。
【0024】図1に示されるように、ショックアブソー
バ10は、外側に配置され円筒状に形成されたアウタシ
ェル12と、このアウタシェル12の内側に配置され円
筒状に形成されたインナシェル14と、このインナシェ
ル14の軸心部に軸方向に沿って移動可能に配置された
ピストンロッド16と、を含んで構成されている。
【0025】アウタシェル12の下端部には、図示しな
いロアキャップが嵌着されている。また、インナシェル
14の下端部には、ベースバルブの支持部を構成する図
示しないベースケースが嵌着されている。さらに、ピス
トンロッド16の先端部にはピストンがナットで固定さ
れており、ピストンの上端部及び下端部にはリーフバル
ブがそれぞれ取り付けられている。
【0026】上述したピストンによってインナシェル1
4内の室が上室18と下室とに隔成されており、又アウ
タシェル12とインナシェル14との間の室がリザーバ
室20とされている。上室18及び下室内にはオイルが
封入されており、又リザーバ室20内にはオイル及びガ
スが封入されている。
【0027】上述したインナシェル14の上端部には、
ロッドガイド22が嵌着されている。ロッドガイド22
は、外径がアウタシェル12の内径に等しい基部22A
及びこの基部22Aの軸心部から突出され外径がインナ
シェル14の内径に等しい突出部22Bから成る。突出
部22Bはインナシェル14の上端部に嵌合されてお
り、その軸心部には円筒状のカラー24が嵌合されてピ
ストンロッド16の外周面との間に介在されている。ま
た、基部22Aはアウタシェル12の上端部内周面に当
接状態で配置されており、オイルシール25が介在され
た状態でアウタシェル12の上端部がかしめられること
で固定されている。さらに、基部22Aには、基部22
Aの軸心側の空間部とリザーバ室20の上部空間とを連
通する連通路30が形成されている。
【0028】上述したオイルシール25は、金属製の金
環28と、この金環28の外周部に加硫接着され弾性体
より成るシールリング26と、金環28の内周部に加硫
接着され弾性体より成るオイルシールリップ32と、に
よって構成されている。
【0029】オイルシールリップ32は、金環28の孔
周縁部(内周部)とピストンロッド16の外周面との間
に配設されている。オイルシールリップ32は、金環2
8の上面側に位置されダストのアウタシェル12及びイ
ンナシェル14内への混入を防止するダストリップ部3
4と、金環28の下面側に位置されオイルの漏出を防止
するメインリップ部36と、両者を接続して金環28の
孔周縁部に嵌合される保持部38と、を備えている。
【0030】保持部38の上端部には半径方向へ突出す
る薄肉の上面ゴム部38Aが形成されており、金環28
の孔周縁部の上面に密着されている。また、保持部38
の下端部には半径方向へ突出する比較的厚肉の下面ゴム
部38Bが形成されており、金環28の孔周縁部の下面
に密着されている。メインリップ部36の外周部には、
リング状のスプリング40が取り付けられている。この
ため、メインリップ部36のシール面36Aは、所定の
シール圧でピストンロッド16の外周面に圧接されてい
る。同様に、ダストリップ部34の外周部には、リング
状のスプリング42が取り付けらている。このため、ダ
ストリップ部34のシール面34Aは、所定のシール圧
でピストンロッド16の外周面に圧接されている。
【0031】上述したダストリップ部34には、アング
ル状のプレート44が加硫成形により埋設されている。
プレート44の一端部44Aは、ダストリップ部34内
におけるスプリング42の内側近傍に配置されている。
また、プレート44の他端部44Bは、ダストリップ部
34の下部から径方向外側へ斜めに突出配置されてい
る。なお、本実施形態では上記のプレート44を90度
間隔で4箇所に埋設しているが(図2参照)、少なくと
も一箇所以上に埋設すればよい。
【0032】一方、ショックアブソーバ10内にガスを
封入する際に用いられるガス封入治具46は、第1治具
48と第2治具50とから成る。第1治具48は有底円
筒形状を成しており、底部がアウタシェル12の上端外
周部にパッキン52を介して装着されている。また、第
2治具50は円筒状の挿入部54を備えている。挿入部
54の先端部内側には、段部56が形成されている。こ
の段部56の段差寸法は、プレート44の他端部44B
の肉厚寸法に略一致している。
【0033】次に、本実施形態の作用並びに効果を説明
する。ガス封入前の状態では、図1の中心線の左側の図
に示される如く、第2治具50の挿入部54の先端部は
プレート44から離間された位置に保持される。この状
態から、ガスをリザーバ室20の上部に封入する場合、
図1の中心線の右側の図に示される如く、第2治具50
の挿入部54が下方へ移動される。これにより、挿入部
54の段部56がプレート44の他端部44Bに係合す
る。その後、更に挿入部54の先端部をオイルシールリ
ップ32の上面ゴム部38Aに当接するまで下方へ移動
させると、梃の原理によってスプリング42が径方向外
側へ押し広げられて拡径される。このため、ダストリッ
プ部34のシール面34Aがピストンロッド16の外周
面から離間して、両者の間に隙間58が形成される。次
に、第1治具48内の圧力を所定の圧力となるまで上昇
させると、ガス圧によってメインリップ部36がスプリ
ング40の付勢力に抗して押し広げられる。この結果、
ガスは、矢印で示される如くロッドガイド22の連通路
30を通ってリザーバ室20の上部に封入される。
【0034】このように本実施形態では、オイルシール
リップ32のダストリップ部34にアングル状のプレー
ト44を埋設し、第2治具50でプレート44の他端部
44Bを押し下げることにより梃の原理によってスプリ
ング42を拡径させながらガスを封入させる構成とした
ので、第2治具50とダストリップ部34のシール面3
4A及びメインリップ部36のシール面36Aとを接触
させることなくガスを封入することができる。このた
め、第2治具50によってオイルシールリップ32のシ
ール面34A、36Aが損傷を受けるのを防止すること
ができる。
【0035】なお、上記構成におけるプレート44は、
第2治具50によって押圧された場合にダストリップ部
34を押し広げることができる程度の強度があればよ
く、材質的には金属又は樹脂が適している。
【0036】また、上記構成においては、プレート44
をダストリップ部34内に加硫成形により埋設したが、
これに限らず、種々の構成を採ることが可能である。例
えば、図3及び図4に示される如く、ダストリップ部3
4の上端面に矩形平板状のプレート60を接着させる構
成を採ってもよく、この構成によっても梃の原理により
スプリング42を拡径させることができる。
【0037】さらに、上記構成における板材であるプレ
ート44、60に代えて、比較的硬質でL字形等に屈曲
させた線材をダストリップ部34に埋設させてもよい。
【0038】また、特に、ダストリップ部34と別体の
プレート44、60を用いなくとも、ダストリップ部3
4の上部に一体的に径方向外側へ延出する突起部を設
け、その突起部の肉厚を厚くしておいてもよい(後述の
図7の突起部62の肉厚を厚くしたようなものと考えれ
ばよい)。そのような突起部であっても、第2治具50
により押圧された場合に、スプリング42を梃の原理に
より拡径することができる。
【0039】〔第2の実施形態〕次に、図5〜図7を用
いて、第2の実施形態について説明する。なお、この実
施形態は、請求項1、請求項3、及び請求項5に記載の
本発明の一実施形態に相当する。また、前述した実施形
態と同一な構成部分については同一番号を付してその説
明を省略する。
【0040】図5に示されるように、この実施形態で
は、ダストリップ部34の外周上端部に上方へ突出する
突起部62が一体に形成されている。なお、突起部62
は、90度間隔で四箇所に形成されている(図7参
照)。これに対応して、第2治具64の挿入部66の先
端部には、突起部62に嵌合可能な突起部68が形成さ
れている。また、第2治具64の挿入部66は、周方向
に複数に分割されており、径方向に拡径可能に構成され
ている。
【0041】上記構成によれば、ガス封入前の状態で
は、図5の中心線の左側の図に示される如く、第2治具
64の挿入部66の突起部68はダストリップ部34の
突起部62から離間された位置に保持される。この状態
から、ガスをリザーバ室20の上部に封入する場合、図
5の中心線の右側の図に示される如く、第2治具64の
挿入部66が下方へ移動される。これにより、挿入部6
6の突起部68がダストリップ部34の突起部62に嵌
合される。その後、図6に示される如く、第2治具64
を拡径させると、スプリング42が径方向外側へ押し広
げられて拡径される。このため、ダストリップ部34の
シール面34Aがピストンロッド16の外周面から離間
して、両者の間に隙間58が形成される。なお、その後
のガスの封入の仕方は前述した場合と同様であるので省
略する。
【0042】このように本実施形態では、オイルシール
リップ32のダストリップ部34及び第2治具64の挿
入部66の先端部に互いに嵌合可能な突起部62、68
を設け、さらに両者を嵌合させた状態で第2治具64の
挿入部66を拡径させることで、スプリング42を拡径
させながらガスを封入させる構成にしたので、第2治具
64とダストリップ部34のシール面34A及びメイン
リップ部36のシール面36Aとを接触させることなく
ガスを封入することができる。このため、第2治具64
によってオイルシールリップ32のシール面34A、3
6Aが損傷を受けるのを防止することができる。
【0043】〔第3の実施形態〕次に、図8〜図13を
用いて、第3の実施形態について説明する。なお、この
実施形態は、請求項2、請求項3、及び請求項5に記載
の本発明の一実施形態に相当する。また、前述した実施
形態と同一な構成部分については同一番号を付してその
説明を省略する。
【0044】図8及び図9に示されるように、この実施
形態では、第2治具64の挿入部66の先端部に針状の
突起70が一体に形成されている。突起70は、挿入部
66の周方向に所定の間隔で複数個形成されている。な
お、オイルシールリップ72は、ダストリップ部34、
メインリップ部36、及び保持部38を備えた従来通り
のオイルシールリップ(第1の実施形態におけるオイル
シールリップ32からプレート44を除外したもの)が
用いられている。
【0045】上記構成によれば、ガス封入前の状態で
は、図8の中心線の左側の図に示される如く、第2治具
64の挿入部66の突起70はダストリップ部34の外
周上端部から離間された位置に保持される。この状態か
ら、ガスをリザーバ室20の上部に封入する場合、図8
の中心線の右側の図に示される如く、第2治具64の挿
入部66が下方へ移動される。これにより、挿入部66
の針状の突起部70がダストリップ部34の外周上端部
に食い込む。その後、図9に示される如く、第2治具6
4を拡径させると、スプリング42が径方向外側へ押し
広げられて拡径される。このため、ダストリップ部34
のシール面34Aがピストンロッド16の外周面から離
間して、両者の間に隙間58が形成される。なお、その
後のガスの封入の仕方は前述した場合と同様であるので
省略する。
【0046】このように本実施形態では、オイルシール
リップ72については従来のものを用いると共に、第2
治具64の挿入部66の先端部に針状の突起70を形成
し、突起70をダストリップ部34の外周上端部に食い
込ませてから第2治具64を拡径させることで、スプリ
ング42を拡径させながらガスを封入させる構成にした
ので、第2治具64とダストリップ部34のシール面3
4A及びメインリップ部36のシール面36Aとを接触
させることなくガスを封入することができる。このた
め、第2治具64によってオイルシールリップ72のシ
ール面34A、36Aが損傷を受けるのを防止すること
ができる。
【0047】なお、上記構成においては、第2治具64
の挿入部66の先端部に針状の突起70を形成したが、
ダストリップ部34の外周上端部を押圧して拡径させる
だけの密着力があればよく、例えば球状の突起を用いて
もよい。
【0048】また、上記構成においては、突起70を挿
入部66の周方向に所定の間隔で複数個形成したが、図
10に示される如く、挿入部66の先端部に多数個の突
起70を形成してもよい。
【0049】さらに、上記構成においては、オイルシー
ルリップ72については従来のものを用いたが、これに
限らず、ダストリップ部34の外周上端部に複数の周方
向溝74(図11参照)又は複数の周方向突起76(図
12参照)を形成してもよい。この場合、ダストリップ
部34の外周上端部の端面が粗面になるため、第2治具
64の挿入部66の先端部との密着力が強化される。
【0050】さらに、図13に示される如く、ダストリ
ップ部34の外周上端部の肉厚をピストンロッド16の
軸線方向に増して厚肉部78を設けるようにしてもよ
い。この場合、第2治具64の突起70が本来的には不
要な厚肉部78に食い込むことになり、ダストリップ部
34への損傷の影響を軽減することができる。
【0051】〔第4の実施形態〕次に、図14〜図16
を用いて、第4の実施形態について説明する。なお、こ
の実施形態は、請求項6及び請求項7に記載の本発明の
一実施形態に相当する。また、前述した実施形態と同一
な構成部分については同一番号を付してその説明を省略
する。
【0052】図14に示されるように、この実施形態で
は、相互に分割されたメインリップ部80とダストリッ
プ部82とによってオイルシールリップ84が構成され
ている。これに対応して、シール材もメインリップ部8
0側の金環86とダストリップ部82側の金環88とに
分割されている。
【0053】より具体的には、ロッドガイド22の上端
面には平板リング状の金環86が載置されており、この
状態でメインシール押え治具90で金環86を押さえ込
んでアウタシェル12の上端部をかしめることにより金
環86がロッドガイド22の上端面に固定されている。
なお、アウタシェル12の上端部のかしめは、周方向の
四箇所にて行われる(図15参照)。この金環86の内
周縁部は薄肉化されており、この薄肉部にメインリップ
部80の上端部に形成された環状の溝が予め嵌合されて
いる。
【0054】上述した金環86の上端面には平板状の金
環88が載置されており、この状態でダストシール押え
治具92で金環88を押え込んでアウタシェル12の上
端部をかしめることにより金環88が金環86の上端面
に固定されている(図16参照)。なお、金環88の周
縁部には、金環86を固定するためのかしめ部94との
干渉を避けるための切欠き部96(図15参照)が形成
されている。この金環88の内周縁部は薄肉化されてお
り、この薄肉部にダストリップ部82の下端部に形成さ
れた環状の溝が予め嵌合されている。
【0055】上記構成による本実施形態のガス封入手順
は、以下の通りである。まず、図14の中心線の左側の
図に示される如く、孔周縁部にメインリップ部80が予
め組付けられた金環86がロッドガイド22の上端面に
載置される。次いで、メインシール押え治具90で金環
86を押さえ込み、この状態でアウタシェル12の上端
部の所定部位をかしめる。これにより、ピストンロッド
16の軸方向の所定位置に、メインリップ部80が先に
組付けられる。なお、アウタシェル12の上端部のかし
め作業の終了後は、メインシール押え治具90は不要に
なる。
【0056】次に、ガス封入治具98がアウタシェル1
2の外周上端部にセットされ、ガス封入治具98の内圧
が上昇される。これにより、メインリップ部80の軸心
部の上端側に形成された空隙99のガス圧が上昇し、メ
インリップ部80がスプリング40の付勢力に抗して押
し広げられる。この結果、ガスは、矢印で示される如く
ロッドガイド22の連通路30を通ってリザーバ室20
の上部に封入される。
【0057】次に、図14の中心線の右側の図に示され
る如く、孔周縁部にダストリップ部82が予め組付けら
れた金環88が金環86の上端面に載置される。このと
き、金環88の切欠き部96に先にかしめられらかしめ
部94が対応するように、金環88の位置決めがなされ
る。次いで、ダストシール押え治具92で金環88を押
さえ込み、この状態でアウタシェル12の上端部の所定
部位をかしめる。これにより、ピストンロッド16の軸
方向の所定位置に、ダストリップ部82が組付けられ
る。
【0058】このように本実施形態では、メインリップ
部80とダストリップ部82とに分割されたオイルシー
ルリップ84を用い、先に組付けられたメインリップ部
80の軸心部の上端側に形成された空隙99から圧力を
かけてガスを封入し、後にダストリップ部82を組付け
る構成としたので、ガス封入治具とダストリップ部82
のシール面82A及びメインリップ部80のシール面8
0Aとを接触させることなくガスを封入することができ
る。このため、ガス封入治具によってオイルシールリッ
プ84のシール面80A、82Aが損傷を受けるのを防
止することができる。
【0059】また、組付後の状態では、メインリップ部
80の上端部80Bとダストリップ部82の下端部82
Bとが密着されるので、金環86と金環88との隙間か
ら侵入したダスト(異物)がアウタシェル12内に混入
するのを防止することができる。
【0060】〔第5の実施形態〕次に、図17〜図20
を用いて、第5の実施形態について説明する。なお、こ
の実施形態は、請求項6及び請求項7に記載の本発明の
一実施形態に相当する。また、前述した実施形態と同一
な構成部分については同一番号を付してその説明を省略
する。
【0061】図17及び図18に示されるように、この
実施形態でも、相互に分割されたメインリップ部80と
ダストリップ部100とによってオイルシールリップ1
02が構成されている。また、金環104は、周部の断
面形状がL字形とされた部材が用いられている。これに
応じて、ダストリップ部100には、金環104の屈曲
部を覆う被覆部100Cが形成されている。さらに、ダ
ストリップ部100には、被覆部100Cとリップ部1
00Dとの間にダスト(異物)がたまるのを防止するた
めの切欠き部106が形成されている。
【0062】また、アウタシェル12の上端部には、有
底円筒形状のバンパストッパ108が圧入されている。
バンパストッパ108は、その底面108Aがアウタシ
ェル12のかしめられていない上端部に当接することに
より軸方向の位置決めがなされている。バンパストッパ
108が圧入された状態では、ダストリップ部100の
被覆部100Cが底面108Aによって圧接されてい
る。なお、バンパストッパ108はアウタシェル12の
上端部全周にて密着しているのではなく、アウタシェル
12の上端部との間にダスト抜き用の隙間(図示省略)
が数カ所形成されている。
【0063】上記構成による本実施形態のガス封入手順
は、以下の通りである。まず、図17の中心線の左側の
図に示される如く、孔周縁部にメインリップ部80が予
め組付けられた金環86がロッドガイド22の上端面に
載置される。次いで、メインシール押え治具90で金環
86を押さえ込み、この状態でアウタシェル12の上端
部の所定部位をかしめる。これにより、ピストンロッド
16の軸方向の所定位置に、メインリップ部80が先に
組付けられる。なお、アウタシェル12の上端部のかし
め作業の終了後は、メインシール押え治具90は不要に
なる。
【0064】次に、ガス封入治具98がアウタシェル1
2の外周上端部にセットされ、ガス封入治具98の内圧
が上昇される。これにより、メインリップ部80の軸心
部の上端側に形成された空隙99のガス圧が上昇し、メ
インリップ部80がスプリング40の付勢力に抗して押
し広げられる。この結果、ガスは、矢印で示される如く
ロッドガイド22の連通路30を通ってリザーバ室20
の上部に封入される。
【0065】次に、図17の中心線の右側の図に示され
る如く、孔周縁部にダストリップ部100が予め組付け
られた金環104が金環86の上端面に載置される。こ
のとき、金環104の切欠き部106に先にかしめられ
たかしめ部94が対応するように、金環104の位置決
めがなされる。次いで、バンパストッパ108がアウタ
シェル12の上端部に圧入される。これにより、ダスト
リップ部100がメインリップ部80側へ圧接されると
共に、ピストンロッド16の軸方向の所定位置にダスト
リップ部100が組付けられる。
【0066】このように本実施形態では、メインシール
部80とダストリップ部100とに分割されたオイルシ
ールリップ102を用い、先に組付けられたメインリッ
プ部80の軸心部の上端側に形成された空隙99から圧
力をかけてガスを封入し、後にダストリップ部100を
組付ける構成としたので、ガス封入治具とダストリップ
部100のシール面100A及びメインリップ部80の
シール面80Aとを接触させることなくガスを封入する
ことができる。このため、ガス封入治具によってオイル
シールリップ102のシール面80A、100Aが損傷
を受けるのを防止することができる。
【0067】また、組付後の状態では、メインリップ部
80の上端部80Bとダストリップ部100の下端部1
00Bとが密着されるので、金環86と金環104との
隙間から侵入したダスト(異物)がアウタシェル12内
に混入するのを防止することができる。
【0068】なお、上記構成においては、アウタシェル
12の上端部の所定部位をパンチかしめすることにより
メインリップ部80を固定したが、図19及び図20に
示される如く、アウタシェル12の上端部を全周ロール
かしめした場合には、ロールかしめ部110の先端部1
10Aとダストリップ部112の外周部112Aとを密
着させることにより、ダストが金環86の上端面にたま
るのを防止することができると共に防錆性能を向上させ
ることができる。
【0069】〔第6の実施形態〕次に、図21を用い
て、第6の実施形態について説明する。なお、この実施
形態は、請求項6及び請求項7に記載の本発明の一実施
形態に相当する。また、前述した実施形態と同一な構成
部分については同一番号を付してその説明を省略する。
【0070】図21に示されるように、この実施形態は
メインリップ部80とダストリップ部114とに分割さ
れたオイルシールリップ116を用いている点において
前述した第4及び第5の実施形態を踏襲するものである
が、この実施形態では更に金環118を屈曲させて外周
部118Aをバンパストッパ108の底面108Aに溶
接(本実施形態ではスポット溶接しているが、溶接手段
は問わない)している点において前述した第4及び第5
の実施形態とは相違している。このため、この実施形態
では、バンパストッパ108とダストリップ部114及
び金環118とが予めサブアッセンブリ化されている。
従って、前述した第4及び第5の実施形態と同様の効果
が得られる他、組付工程数を削減することができるとい
う効果も得られる。
【0071】なお、上記の金環118の所定部位(数カ
所)には、ダスト抜き用の孔120が形成されている。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係る油圧緩衝器は、ガス封入治具を用いて筒体内へ
ガスを封入する際に、ガス封入治具からダストリップ部
の外周端部に外力が加えられることで、ダストリップ部
側のスプリングを拡径させるスプリング拡径手段を設け
たので、ガス封入治具とシール手段のシール面とを非接
触状態に維持することができ、これによりガス封入に際
してシール手段のシール面が損傷を受けるのを防止する
ことができるという優れた効果を有する。請求項2記載
の本発明に係る油圧緩衝器用ガス封入治具は、ガス封入
治具を用いて筒体内へガスを封入する際に、ダストリッ
プ部の外周端部に外力を加えることで、ダストリップ部
側のスプリングを拡径させるスプリング拡径手段を設け
たので、ガス封入治具とシール手段のシール面とを非接
触状態に維持することができ、これによりガス封入に際
してシール手段のシール面が損傷を受けるのを防止する
ことができるという優れた効果を有する。
【0073】請求項3記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、ガス封入治具を用いて筒体内へガスを
封入する際に、ガス封入治具からダストリップ部の外周
端部に外力を加えることで、ダストリップ部側のスプリ
ングを拡径させながらガスを筒体内に封入するので、ガ
ス封入治具とシール手段のシール面とを非接触状態に維
持することができ、これによりガス封入に際してシール
手段のシール面が損傷を受けるのを防止することができ
るという優れた効果を有する。
【0074】請求項4記載の本発明に係る油圧緩衝器
は、ガス封入治具を用いて筒体内へガスを封入する際
に、ガス封入治具によって上方から押圧されることで、
ダストリップ部側のスプリングを拡径させるてこ部材を
設けたので、ガス封入治具とシール手段のシール面とを
非接触状態に維持することができ、これによりガス封入
に際してシール手段のシール面が損傷を受けるのを防止
することができるという優れた効果を有する。
【0075】請求項5記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、筒体内へガスを封入する際に、ダスト
リップ部に係合してダストリップ部側のスプリングを拡
径させるガス封入治具を用いて、ガスを筒体内に封入す
るので、ガス封入治具とシール手段のシール面とを非接
触状態に維持することができ、これによりガス封入に際
してシール手段のシール面が損傷を受けるのを防止する
ことができるという優れた効果を有する。
【0076】請求項6記載の本発明に係る油圧緩衝器
は、メインリップ部とダストリップ部とを分割すると共
に、メインリップ部におけるダストリップ部側の内周面
とピストンロッドの外周面との間に空隙を設けたので、
ガス封入治具とシール手段のシール面とを非接触状態に
維持することができ、これによりガス封入に際してシー
ル手段のシール面が損傷を受けるのを防止することがで
きるという優れた効果を有する。
【0077】請求項7記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、ピストンロッドに対する所定位置に、
ダストリップ部と分割されたメインリップ部を先に組付
け、次いで、メインリップ部におけるダストリップ部側
の内周面とピストンロッドの外周面との間に設けられた
空隙から、圧力をかけてガスを筒体内に封入し、その
後、ピストンロッドに対する所定位置に、ダストリップ
部を組付けるので、ガス封入治具とシール手段のシール
面とを非接触状態に維持することができ、これによりガ
ス封入に際してシール手段のシール面が損傷を受けるの
を防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るショックアブソーバのオ
イルシール構造を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されるオイルシールリップの平面図で
ある。
【図3】別の構成に係るオイルシール構造を示す縦断面
図である。
【図4】図3に示されるオイルシールリップの平面図で
ある。
【図5】第2の実施形態に係るショックアブソーバのオ
イルシール構造を示す縦断面図である。
【図6】図5に示される状態から第2治具を拡径させた
状態を示す図5に対応する縦断面図である。
【図7】図5に示されるオイルシールリップの突起部を
示す斜視図である。
【図8】第3の実施形態に係るショックアブソーバのオ
イルシール構造を示す縦断面図である。
【図9】図8に示される状態から第2治具を拡径させた
状態を示す図5に対応する縦断面図である。
【図10】図8に示される突起を多数設けた例を示す第
2治具の先端側から見た斜視図である。
【図11】ダストリップ部に周方向溝を設けた例を示す
斜視図である。
【図12】ダストリップ部に周方向突起を設けた例を示
す斜視図である。
【図13】ダストリップ部の外周上端部に厚肉部を設け
た例を示す斜視図である。
【図14】第4の実施形態に係るショックアブソーバの
オイルシール構造を示す縦断面図である。
【図15】メインリップ部側の金環が組付けられた状態
までを示す斜視図である。
【図16】ダストリップ部側の金環が組付けられた状態
を示す斜視図である。
【図17】第5の実施形態に係るショックアブソーバの
オイルシール構造を示す縦断面図である。
【図18】図17のダストリップ部を示す斜視図であ
る。
【図19】アウタシェルの上端部を全周ロールかしめし
た例を示す図17に対応する縦断面図である。
【図20】図19の構成において用いられるダストリッ
プ部を示す斜視図である。
【図21】第6の実施形態に係るショックアブソーバの
オイルシール構造を示す縦断面図である。
【図22】従来のショックアブソーバのオイルシール構
造を示す縦断面図である。
【図23】図22に示されるオイルシール構造を拡大し
て示す断面図である。
【符号の説明】
10 ショックアブソーバ(油圧緩衝器) 12 アウタシェル(筒体) 14 インナシェル(筒体) 16 ピストンロッド 25 オイルシール 32 オイルシールリップ(シール手段) 34 ダストリップ部 36 メインリップ部 40 スプリング 42 スプリング 44 プレート(スプリング拡径手段、てこ部材) 46 ガス封入治具 50 第2治具 60 プレート(スプリング拡径手段、てこ部材) 62 突起部(スプリング拡径手段) 64 第2治具 68 突起部(スプリング拡径手段) 70 突起(スプリング拡径手段) 72 オイルシールリップ(シール手段) 80 メインリップ部 82 ダストリップ部 84 オイルシールリップ(シール手段) 98 ガス封入治具 99 空隙 100 ダストリップ部 102 オイルシールリップ(シール手段) 112 ダストリップ部 114 ダストリップ部 116 オイルシールリップ(シール手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 聡 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西ヶ谷 伸也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器であって、 ガス封入治具を用いて前記筒体内へガスを封入する際
    に、ガス封入治具からダストリップ部の外周端部に外力
    が加えられることで、ダストリップ部側のスプリングを
    拡径させるスプリング拡径手段を設けた、 ことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器にガスを封入する際
    に用いられるガス封入治具であって、 ガス封入治具を用いて前記筒体内へガスを封入する際
    に、ダストリップ部の外周端部に外力を加えることで、
    ダストリップ部側のスプリングを拡径させるスプリング
    拡径手段を設けた、 ことを特徴とする油圧緩衝器用ガス封入治具。
  3. 【請求項3】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器に適用され、 筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封入方
    法であって、 ガス封入治具を用いて前記筒体内へガスを封入する際
    に、ガス封入治具からダストリップ部の外周端部に外力
    を加えることで、ダストリップ部側のスプリングを拡径
    させながらガスを筒体内に封入する、 ことを特徴とする油圧緩衝器のガス封入方法。
  4. 【請求項4】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器であって、 ガス封入治具を用いて前記筒体内へガスを封入する際
    に、ガス封入治具によって上方から押圧されることで、
    ダストリップ部側のスプリングを拡径させるてこ部材を
    設けた、 ことを特徴とする油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器に適用され、 筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封入方
    法であって、 前記筒体内へガスを封入する際に、ダストリップ部に係
    合してダストリップ部側のスプリングを拡径させるガス
    封入治具を用いて、ガスを筒体内に封入する、ことを特
    徴とする油圧緩衝器のガス封入方法。
  6. 【請求項6】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器であって、 メインリップ部とダストリップ部とを分割すると共に、 メインリップ部におけるダストリップ部側の内周面とピ
    ストンロッドの外周面との間に空隙を設けた、 ことを特徴とする油圧緩衝器。
  7. 【請求項7】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置され、スプリング圧を軸心
    側へ受け筒体内に収容されたオイルが漏出するのを防止
    するメインリップ部及びスプリング圧を軸心側へ受け筒
    体内にダストが混入するのを防止するダストリップ部を
    含むシール手段を備えた油圧緩衝器に適用され、 筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封入方
    法であって、 ピストンロッドに対する所定位置に、ダストリップ部と
    分割されたメインリップ部を先に組付け、 次いで、メインリップ部におけるダストリップ部側の内
    周面とピストンロッドの外周面との間に設けられた空隙
    から、圧力をかけてガスを筒体内に封入し、 その後、ピストンロッドに対する所定位置に、ダストリ
    ップ部を組付ける、 ことを特徴とする油圧緩衝器のガス封入方法。
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