JPH0977526A - 光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置及び製造方法

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JPH0977526A
JPH0977526A JP23827395A JP23827395A JPH0977526A JP H0977526 A JPH0977526 A JP H0977526A JP 23827395 A JP23827395 A JP 23827395A JP 23827395 A JP23827395 A JP 23827395A JP H0977526 A JPH0977526 A JP H0977526A
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porous glass
air supply
flame
target
base material
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JP23827395A
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Tetsuo Wada
哲郎 和田
Sadanori Ishida
禎則 石田
Yukio Komura
幸夫 香村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/0144Means for after-treatment or catching of worked reactant gases
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
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    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01406Deposition reactors therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応容器内のガスの流れの制御性を改善し、
火炎位置の制御性を向上させることができる光ファイバ
用多孔質ガラス母材の製造装置を提供する。 【解決手段】 反応容器1内に独立して通風を行う複数
の通風具37a〜37dを設ける。このような反応容器
1内にその上部の開口部2からターゲット5を垂下さ
せ、反応容器1内でターゲット5の下端にバーナ6,7
からの火炎8,9を当てて、これら火炎中で合成したガ
ラス微粒子をターゲットの先端に堆積させて多孔質ガラ
ス母材10を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VAD法による光
ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】VAD法による光ファイバ用多孔質ガラ
ス母材の製造は、反応容器内のバーナの酸・水素火炎中
に原料ガス(例えば、SiCl4 ,GeCl4 )を導入
し、SiO2 ,GeO2 のガラス微粒子を生成し、この
ガラス微粒子をターゲットである種棒の下部に順次堆積
させることにより行っている。
【0003】図24(A)(B)は、従来のこの種の光
ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置の構造を示した
ものである。
【0004】この光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造
装置は、ベルジャと呼ばれる上部が開口され下部が閉塞
されている反応容器1を備え、該反応容器1の上部開口
部2を閉塞する上蓋3の孔4からターゲットとしての種
棒5が昇降自在に垂下されている。最初は反応容器1内
の反応室1aに存在する種棒5の先端にコアバーナ6と
クラッドバーナ7が対向され、コアバーナ6からのコア
部形成用火炎8とクラッドバーナ7からのクラッド部形
成用火炎9中で形成されたガラス微粒子がターゲットと
しての該種棒5の先端に堆積されて多孔質ガラス母材1
0が形成される。この多孔質ガラス母材10が安定に形
成された後は、該多孔質ガラス母材10の先端にコアバ
ーナ6とクラッドバーナ7が対向され、該多孔質ガラス
母材10をターゲットとしてその先端にガラス微粒子が
堆積されて該多孔質ガラス母材10が成長する。コアバ
ーナ6とクラッドバーナ7が存在する位置に対して多孔
質ガラス母材10を間にして反対側の反応容器1の側面
には排気管11が接続されている。排気管11には反応
容器1内の圧力を一定に維持するように制御する圧力制
御部11Aが設けられている。
【0005】この場合、反応容器1の入口筒部1b内に
は、その内周に沿って上部が閉塞され、下部が開口され
た内筒体12が取付けられている。入口筒部1bの周方
向に所定間隔で吸気口13が設けられ、これら吸気口1
3から吸引された空気が入口筒部1aと内筒体12との
間の環状の通風通路14を通って反応容器1内に供給さ
れるようになっている。
【0006】このような光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置では、製造中の多孔質ガラス母材10の表面
温度をみて、ガス条件,バーナ6,7の位置,吸気口1
3の位置・開度を調整して品質の安定化を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合、多孔質ガラス母材10の密度やGeなどのドープ量
など様々な要因が変化するので、該多孔質ガラス母材1
0の長手方向での屈折率分布は安定しないという問題点
がある。
【0008】そこで、多孔質ガラス母材10の表面温度
を測定し、該温度が安定するようにガス条件,吸気位置
・開度,排気圧力などを調節する例もある。
【0009】しかしながら、この場合には、多孔質ガラ
ス母材10の表面全体の温度制御が難しく、該多孔質ガ
ラス母材10の長手方向での屈折率分布の安定性が十分
に得られないという問題点がある。
【0010】また、屈折率分布が多孔質ガラス母材10
の長手方向で変化するのは、火炎8,9の位置、または
火炎8,9内のガラス微粒子流の位置が該多孔質ガラス
母材10の製造中に変位することが要因であるという報
告(特願平5−312118号,特願平5−33812
3号,特願平6−20283号)もある。これら火炎
8,9の位置または火炎8,9内のガラス微粒子流の位
置の変動は、多孔質ガラス母材10の成長(体積の増
加)に伴って生じる反応容器1内のガス流れが変化する
ためである。
【0011】従来の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置は、多孔質ガラス母材10の製造中の反応容器1
内のガスの流れの制御に限界があり、火炎8,9の位置
または火炎8,9内のガラス微粒子流の位置の制御が困
難であった。
【0012】例えば、図6は従来の光ファイバ用多孔質
ガラス母材の製造装置でのコア部形成用火炎8の位置変
化の一例を示したもので、長さが500mm の多孔質ガラス
母材10を製造する間に、コア部形成用火炎8が0.6mm
上昇していた。
【0013】本発明の目的は、反応容器内のガスの流れ
の制御性を改善し、火炎位置の制御性を向上させること
ができる光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置を提
供することにある。
【0014】本発明の目的は、火炎の位置が一定位置に
なるように制御しつつ光ファイバ用多孔質ガラス母材を
製造できる光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、反応容器内に
その上部の開口部からターゲットを垂下させ、反応容器
内で該ターゲットの下端にバーナからの火炎を当てて、
該火炎中で合成したガラス微粒子をターゲットの先端に
堆積させて多孔質ガラス母材を製造する光ファイバ用多
孔質ガラス母材の製造装置を改良の対象としている。
【0016】本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母
材の製造装置においては、反応容器内に独立して通風を
行う複数の通風具が設けられていることを特徴とする。
【0017】このように反応容器内に独立して通風を行
う複数の通風具を設けると、反応容器内への各通風に指
向性が得られ、反応容器内のガスの流れの制御性を改善
でき、これにより火炎位置の制御性を向上させることが
できる。
【0018】それ故、バーナの火炎中で合成するガラス
微粒子をターゲットに付着させ、それを成長させて多孔
質ガラス母材を製造する際に、該多孔質ガラス母材の成
長に対応して生じる反応容器内のガスの流れの変動を小
さく制御でき、このため該多孔質ガラス母材の製造中の
火炎の位置の変動,火炎内のガラス微粒子の位置の変動
を小さくできる。これにより、多孔質ガラス母材の製造
中の該母材の表面温度,該母材の重量増加速度,該母材
の成長速度(該母材の長さの増加速度)を安定化でき、
該母材の長手方向の屈折率分布や各設備で製造した母材
同士での屈折率分布の再現性を向上させることができ
る。
【0019】また、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置においては、反応容器内に複数の給
気吹出し具が設けられ、各給気吹出し具には給気風量を
制御する給気風量制御具がそれぞれ接続されていること
を特徴とする。
【0020】このように反応容器内に複数の給気吹出し
具を設け、これら給気吹出し具には給気給気風量制御具
をそれぞれ接続すると、各給気吹出し具からの給気風量
を独立して制御することができる。このため反応容器内
のガスの流れの制御性を良好に改善でき、これにより火
炎位置の制御性を著しく向上させることができる。
【0021】それ故、バーナの火炎中で合成するガラス
微粒子をターゲットに付着させ、それを成長させて多孔
質ガラス母材を製造する際に、該多孔質ガラス母材の成
長に対応して生じる反応容器内のガスの流れの変動を非
常に小さく制御でき、このため該多孔質ガラス母材の製
造中の火炎の位置の変動,火炎内のガラス微粒子の位置
の変動を非常に小さくすることができる。これにより、
多孔質ガラス母材の製造中の該母材の表面温度,該母材
の重量増加速度,該母材の成長速度(該母材の長さの増
加速度)をより一層安定化でき、該母材の長手方向の屈
折率分布や各設備で製造した母材同士での屈折率分布の
再現性を向上する。
【0022】この場合、各給気吹出し具は、その吹出し
口を反応容器の反応室に向けて該反応容器の入口筒部の
内周に添わせて配置することができる。
【0023】このように各給気吹出し具を反応容器の入
口筒部の内周に添わせて配置すると、反応容器の反応室
内に各給気吹出し具の設置スペースを確保する必要な
く、本発明を実施することができる。
【0024】また、各給気吹出し具は、反応容器の反応
室内に配置することもできる。
【0025】このように各給気吹出し具を配置すると、
バーナの火炎の近くでより確実にその位置の制御を行う
ことができる。
【0026】また本発明は、反応容器内にその上部の開
口部からターゲットを垂下させ、該反応容器内でターゲ
ットの下端にバーナからの火炎を当てて、該火炎中で合
成したガラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積させ、
該ターゲットの成長につれてその下端がほぼ一定位置に
あるように該ターゲットを連続的または断続的に引き上
げて多孔質ガラス母材の製造を行う光ファイバ用多孔質
ガラス母材の製造方法を改良の対象としている。
【0027】本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母
材の製造方法においては、反応容器内に独立して通風を
行うように配置した複数の給気吹出し具にそれぞれ給気
風量制御具を経て通風を行い、これら給気吹出し具によ
り反応容器内に通風を行いつつ、火炎の位置を火炎位置
測定装置で測定し、該火炎の位置が一定位置になるよう
に各給気風量制御具で通気風量の制御を行うことを特徴
とする。
【0028】このように火炎の位置を火炎位置測定装置
で測定し、該火炎の位置が一定位置になるように各給気
風量制御具で通気風量の制御を行うと、火炎の位置の制
御を再現性よく確実に行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施の形態の第1例)図1(A)(B)は、本発明に
係る光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置の実施の
形態の第1例を示したものである。なお、図24に示す
従来例と対応する部分には、同一符号を付けて示してい
る。
【0030】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、反応容器1内の反応室1aに給気を
行う複数の、本例では第1〜第4の通風具37a,37
b,37c,37dが、該反応容器1内の入口筒部1b
の内周に添わせて設けられている。
【0031】これら通風具37a〜37dは、上部が入
口筒部1bに接続されて閉塞され,下部が開口された内
筒体12と、該入口筒部1bと内筒体12との間の空間
を90°間隔で仕切って独立した4つの通風通路14a,
14b,14c,14dを形成する仕切る仕切り板17
と、これら通風通路14a〜14dに対応して入口筒部
1bに設けられた吸気口13a,13b,13c,13
dとを備えて構成されている。各通風通路14a〜14
dの末端には、反応容器1内の反応室1aに給気を行う
通風口38a,38b,38c,38d(なお、通風口
38a,38c,38dは図示せず)が設けられてい
る。
【0032】この場合、コアバーナ6とクラッドバーナ
7は、図1(B)において吸気口13bと吸気口13c
との中間の仕切り板17に整列してその下の反応室1a
に上下整列して設けられている。
【0033】多孔質ガラス母材10の下端を間にした反
応容器1の両側には、ターゲットである多孔質ガラス母
材10の下端の位置を検出するために、母材先端位置検
出用投光器22と、母材先端位置検出用受光器23とが
設けられている。この母材先端位置検出用受光器23か
らの信号が母材引上げ機制御器24に入力されて、図示
しない母材引上げ機を制御し、ターゲットである多孔質
ガラス母材10の引上げ制御を行うようになっている。
【0034】その他の構成は、図24(A)(B)と同
様になっている。
【0035】このような光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置においては、母材引上げ機で種棒5を回転さ
せつつ、最初はこの種棒5の先端にコアバーナ6とクラ
ッドバーナ7を対向させ、コアバーナ6からのコア部形
成用火炎8とクラッドバーナ7からのクラッド部形成用
火炎9中で形成されたガラス微粒子をターゲットとして
の該種棒5の先端に堆積させて多孔質ガラス母材10を
形成する。この多孔質ガラス母材10が安定して形成さ
れた後は、該多孔質ガラス母材10の先端にコアバーナ
6とクラッドバーナ7を対向させ、該多孔質ガラス母材
10を回転しつつターゲットとしての該多孔質ガラス母
材10の先端にガラス微粒子を堆積させて該多孔質ガラ
ス母材8を成長させる。
【0036】このような多孔質ガラス母材10の成長に
より、母材先端位置検出用投光器22からの光線を該多
孔質ガラス母材10の先端(下端)で遮光し、該光線が
母材先端位置検出用受光器23に到達しなくなると、該
母材先端位置検出用受光器23から母材引上げ機制御器
24に母材引上げ信号がでて図示しない母材引上げ機に
より多孔質ガラス母材10の引上げが行われる。この引
上げ操作により多孔質ガラス母材10が引上げられ、母
材先端位置検出用投光器22からの光線が母材先端位置
検出用受光器23で受光されるようになると、多孔質ガ
ラス母材10の引上げが停止される。このような多孔質
ガラス母材10の引上げ,停止操作が該多孔質ガラス母
材10の成長につれて繰り返し行われる。即ち、ターゲ
ットである多孔質ガラス母材10の下端が一定位置を保
持するように多孔質ガラス母材10の引上げ制御が行わ
れる。
【0037】このようにして多孔質ガラス母材10の製
造を行うに際し、吸気口13a,13b,13c,13
dから吸い込んだ空気を各通風具37a〜37dを経て
通風口38a〜38dから吹出させて反応室1aに給気
を行う。
【0038】このように複数の通風具37a〜37dに
より反応容器1内に独立して通風を行うようにすると、
反応容器1内への各通風に指向性が得られ、反応容器1
内のガスの流れの制御性を改善でき、これにより火炎位
置の制御性を向上させることができる。
【0039】それ故、バーナ6,7の火炎8,9中で合
成するガラス微粒子をターゲットである種棒5または多
孔質ガラス母材10の先端に付着させ、それを成長させ
て所要長さの多孔質ガラス母材10を製造する際に、該
多孔質ガラス母材10の成長に対応して生じる反応容器
1内のガスの流れの変動を小さく制御でき、このため該
多孔質ガラス母材10の製造中の火炎8,9の位置の変
動や、火炎8,9内のガラス微粒子の位置の変動を小さ
くできる。これにより、多孔質ガラス母材10の製造中
の該母材10の表面温度,該母材10の重量増加速度,
該母材10の成長速度(該母材の長さの増加速度)を安
定化でき、該母材10の径方向断面の屈折率分布の長手
方向にわたる安定性や各設備で製造した母材10同士で
の屈折率分布の再現性が向上する。
【0040】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置における反応容器1内のガスの流れの変化を調べ
るため、図2に示すように、反応容器1内に風速計プロ
ーブ25を設置し、この風速計プローブ25の出力を風
速計26に与え、該風速計26の出力をパーソナルコン
ピュータまたはレコーダ27に与えて、風速の値の変化
を調べた。
【0041】なお、風速計プローブ25の設置位置は、
バーナ8,9の上、バーナ8,9の下、多孔質ガラス母
材10の脇、多孔質ガラス母材10の下側、多孔質ガラ
ス母材10の上側、排気管11の上側、排気管11の下
側、排気管11の入口前など、反応容器1内であればい
ずれの位置でもよい。また、該風速計プローブ25を複
数本設置して、最もガスの流れの特性をよく表す位置で
の測定値を利用することが好ましい。
【0042】多孔質ガラス母材10の下100mm の位置で
測定した場合、図24に示す従来例の装置では風速が図
3のように変化し、風速の変動幅(peak-peak )は0.25
m/sであった。これに対し、本例の装置では、図4のよ
うに風速の変動が小さくなり、変動幅は0.10m/s であ
り、従来の50%以下まで小さくなった。なお、風速の測
定法は、本法に限らず、LDV(レーザドップラー干渉
計),PIV(パーティクル・イメージ・ベロシメトリ
ー)法などによる方法でもよい。
【0043】なお、図3では5時間付近で風速の低下が
止まっているが、これは5時間付近で多孔質ガラス母材
10が内筒体12内に入り始め、上蓋3の孔4から下降
する風量を抑制するためである。
【0044】また、本例では、多孔質ガラス母材10の
成長による反応容器1内のガス流れの変化を火炎の位置
で評価した。
【0045】本例では、図5に示す画像処理測定装置か
らなる火炎位置測定装置を用いて、コア部形成用火炎8
の位置の定量化を行った。この画像処理測定装置は、コ
ア部形成用火炎8とクラッド部形成用火炎9とを撮影す
るCCDカメラ28と、このCCDカメラ28の画像信
号を処理する画像処理部29と、該画像処理部29で処
理した画像を表示するモニタ30と、該画像処理部29
で処理した画像データを蓄積加工するコンピュータ31
と、該コンピュータ31で加工したデータの記録を行う
記録部32とで構成されている。
【0046】この画像処理測定装置では、CCDカメラ
28でコア部形成用火炎8とクラッド部形成用火炎9と
を撮影し、画像処理部29で画像処理し、その処理画像
をモニタ30で表示する。本例では、撮影した画像を2
値化し、抽出したコア部形成用火炎処理画像8Aとクラ
ッド部形成用火炎処理画像9Aとに測定ウインドウ33
A,33Bをかけ、その中点36A,36Bの座標を多
孔質ガラス母材10の製造中常にモニタできるようにし
ている。
【0047】この画像処理測定装置で測定したところ、
従来例の多孔質ガラス母材の製造装置では、反応容器1
内のガスの流れの変化のために前述した図6に示すよう
にコア部形成用火炎8の位置が変化し、変動幅は0.2mm
であった。これに対し、本例の多孔質ガラス母材の製造
装置では、図7のようにコア部形成用火炎8の位置の変
動が0.1mm となり、従来の50%まで小さくなった。な
お、火炎内の粒子流の位置を測定しても同様のことがい
える。
【0048】以上の結果から分かるように、本例によれ
ば、多孔質ガラス母材10の成長に伴う反応容器1内の
ガスの流れの変化は小さくなっている。
【0049】(実施の形態の第2例)図8(A)(B)
は、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造
装置の実施の形態の第2例を示したものである。なお、
図1(A)(B)に示す実施の形態の第1例と対応する
部分には、同一符号を付けて示している。
【0050】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、反応容器1内の反応室1aに空気や
不活性ガス等の給気を行う複数の、本例では第1〜第4
の給気吹出し具15a,15b,15c,15dが、該
反応容器1内の入口筒部1bの内周に添わせて設けられ
ている。
【0051】これら給気吹出し具15a〜15dは、上
部が入口筒部1bに接続されて閉塞され,下部が開口さ
れた内筒体12と、該入口筒部1bと内筒体12との間
の空間を90°間隔で仕切って独立した4つの給気通路1
6a,16b,16c,16dを形成する仕切る仕切り
板17と、これら給気通路16a〜16dに対応して入
口筒部1bに設けられた給気口18a,18b,18
c,18dとを備えて構成されている。各給気通路16
a〜16dの末端には、反応容器1内の反応室1aに給
気を行う給気吹出し口19a,19b,19c,19d
(なお、給気吹出し口19a,19c,19dは図示せ
ず)が設けられている。
【0052】各給気吹出し具15a〜15dの各給気口
18a〜18dには給気配管20a,20b,20c,
20dがそれぞれ接続され、これら給気配管20a〜2
0dには給気風量を制御するバタフライバルブよりなる
第1〜第4の給気風量制御具21a,21b,21c,
21dがそれぞれ接続されている。
【0053】この場合、コアバーナ6とクラッドバーナ
7は、図8(B)において給気口18bと給気口18c
との中間の仕切り板17に整列してその下の反応室1a
に上下整列して設けられている。
【0054】その他の構成は、図1(A)(B)に示す
第1例と同様になっている。
【0055】本例では、反応室1a内における風速変化
の傾きを小さくするために必要なバタフライバルブより
なる第1〜第4の給気風量制御具21a〜21dの開度
調節パターンを調べた。この場合、バタフライバルブよ
りなる第1〜第4の給気風量制御具21a〜21dの開
度は、図9に破線で示すように閉状態を0°とし、それ
から時計回りにバタフライ弁体を回転したときの角度を
開度とした。また、本例では、多孔質ガラス母材10の
製造中に、図10に示すように、第1,第4の給気風量
制御具21a,21dの開度を5時間かけて30°から60
°に徐々に開き、5時間後から60°に固定した。一方、
第2,第3の給気風量制御具21b,21cの開度は最
初から60°に固定した。
【0056】このようにして第1〜第4の給気風量制御
具21a〜21dで空気や不活性ガス等のガスの給気風
量を制御して給気吹出し口19a,19b,19c,1
9dから反応室1a内に給気を行ったところ、図11の
ように1時間当たり0.01m/sの風速の低下に抑えること
ができた。これに対し、図24に示す従来例の構造の場
合には、図3に示すように1時間当たり0.04m/s の風速
の低下があった。
【0057】なお、図11では5時間付近で風速の低下
が止まっているが、これは前述したように5時間付近で
多孔質ガラス母材10が内筒体12内に入り始め、上蓋
3の孔4から下降する風量を抑制するためである。
【0058】そして、火炎位置の変化については、本例
では図12のようになり、0.1mm の上昇で、図6に示し
た従来の変化量の約17%に火炎位置の変化を抑制でき
た。
【0059】なお、バルブよりなる第1〜第4の給気風
量制御具21a〜21dの開度パターンは図10に限定
されるものではないが、排気管11の上方の給気風量制
御具21a,21dからの給気風量を制御するのが、反
応室1a内のガスの流れの制御に効果があった。
【0060】(実施の形態の第3例)図13(A)
(B)は、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置の実施の形態の第3例を示したものである。
なお、図8(A)(B)に示す第2例と対応する部分に
は、同一符号を付けて示している。
【0061】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、反応容器1の入口筒部1b内に配置
された第1〜第4の給気吹出し具15a,15b,15
c,15dの給気通路16a〜16dが独立した給気吹
出し管34a,34b,34c,34dで形成されてい
る。これら給気吹出し管34a〜34dの断面形状は、
円形でも多角形でもいずれでよい。その他の構成は、第
2例と同様になっている。
【0062】このような構造でも、第2例と同様の効果
を得ることができる。
【0063】(実施の形態の第4例)図14(A)
(B)は、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置の実施の形態の第4例を示したものである。
なお、図13(A)(B)に示す第3例と対応する部分
には、同一符号を付けて示している。
【0064】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、給気風量を制御する第1〜第4の給
気風量制御具21a,21b,21c,21dがマスフ
ローコントローラ(以下、MFCと称する。)で形成さ
れ、また給気吹出し管34a,34b,34c,34d
の下部が図14(A)に示すようにθ°外向きに屈曲さ
れて反応室1a内に配置されている。その他の構成は、
第3例と同様になっている。
【0065】本例では、MFCよりなる第1〜第4の給
気風量制御具21a,21b,21c,21dを、多孔
質ガラス母材10の製造中に、図15に示すように、第
1,第4の給気風量制御具21a,21dの給気風量を
5時間かけて200 l/min から400 l/min に徐々に増加さ
せ、5時間後から400 l/min に固定した。一方、第2,
第3の給気風量制御具21b,21cの給気風量は最初
から200 l/min に固定した。
【0066】このようにして第1〜第4の給気風量制御
具21a〜21dで空気や不活性ガス等のガスの給気風
量を制御して給気吹出し口19a,19b,19c,1
9dから反応室1a内に給気を行ったところ、図8に示
す第2例と同様の効果がえられた。即ち、反応室1a内
の風速の変化は、図11のように1時間当たり0.01m/s
の風速に抑えることができた。また、火炎位置の変化に
ついては、図12のように0.1mm の上昇で、火炎位置の
変化を抑制できた。
【0067】(実施の形態の第5例)図16(A)
(B)は、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置の実施の形態の第5例を示したものである。
なお、図14(A)(B)に示す第4例と対応する部分
には、同一符号を付けて示している。
【0068】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、円弧状をした第1〜第4の給気吹出
し具15a,15b,15c,15dが反応室1a内の
上部に配置された例を示したものである。これら第1〜
第4の給気吹出し具15a〜15dの下面には、給気吹
出し口19a,19b,19c,19dがそれぞれ複数
個ずつ設けられている。本例では、これら第1〜第4の
給気吹出し具15a〜15dは、排気管11の上に第1
の給気吹出し具15aが存在し、クラッドバーナ7の上
に第3の給気吹出し具15cが存在する配置となってい
る。その他の構成は、図14に示した第4例と同様にな
っている。
【0069】本例では、多孔質ガラス母材10の製造中
に、図17に示すように、第1の給気風量制御具21a
の給気風量を5時間かけて300 l/min から600 l/min に
徐々に増加させ、5時間後から600 l/min に固定した。
一方、第2,第3,第4の給気風量制御具21b,21
c,21dの給気風量は最初から200 l/min に固定し
た。
【0070】このようにして第1〜第4の給気吹出し具
15a〜15dの給気風量を制御したところ、図8に示
す第2例と同様の効果が得られた。即ち、反応室1a内
の風速の変化は、図11のように1時間当たり0.01m/s
の風速に抑えることができた。また、火炎位置の変化に
ついては、図12のように0.1mm の上昇で、火炎位置の
変化を抑制できた。従って、この例も、反応室1a内の
ガス流の制御に効果があった。
【0071】なお、第1〜第4の給気吹出し具15a〜
15dとしては、MFCに限らず、バルブとPIDコン
トローラあるいはパソコンといった組み合わせの制御機
器を利用してもよい。
【0072】また、給気吹出し具は、4個としたが、複
数であればよい。また、これら給気吹出し具に設けられ
る給気吹出し口は1個または複数個でよく、また該給気
吹出し口の形状は円,楕円,多角形いずれでもよい。ま
た、これら給気吹出し具はターゲットに対して対称に設
置しなくてもよい。
【0073】なお、本例の第1〜第4の給気吹出し具1
5a〜15dの給気吹出し口19a〜19dには、図1
8(A)に示すようにノズル35a,35b,35c,
35dを直角に設けたり、図18(B)に示すようにノ
ズル35a,35b,35c,35dをθ°傾斜させて
設けたりすることができる。
【0074】(実施の形態の第6例)図19(A)
(B)は、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置の実施の形態の第6例を示したものである。
なお、図16(A)(B)に示す第5例と対応する部分
には、同一符号を付けて示している。
【0075】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、円弧状をした第1〜第4の給気吹出
し具15a,15b,15c,15dが反応室1a内の
下部に配置された例を示したものである。これら第1〜
第4の給気吹出し具15a〜15dの上面には、給気吹
出し口19a,19b,19c,19dがそれぞれ複数
個ずつ設けられている。本例では、これら第1〜第4の
給気吹出し具15a〜15dは、排気管11の下に第1
の給気吹出し具15aが存在し、コアバーナ6の下に第
3の給気吹出し具15cが存在する配置となっている。
なお、本例では、バーナ6,7の存在により第3の給気
吹出し具15cが2分割された構造になっている。その
他の構成は、図16に示した第5例と同様になってい
る。
【0076】このような構造でも、図16に示した第5
例と同様の効果を得ることができる。
【0077】なお、この構造の場合も、第1〜第4の給
気吹出し具15a〜15dの給気吹出し口19a〜19
dには、図18(A)に示すようにノズル35a,35
b,35c,35dを直角に設けたり、図18(B)に
示すようにノズル35a,35b,35c,35dをθ
°傾斜させて設けたりすることができる。
【0078】なお、この場合、給気吹出し口19a,1
9b,19c,19dには、例えば図20に示すように
角度θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 を付けることもできる。
【0079】(実施の形態の第7例)図21(A)
(B)は、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造装置の実施の形態の第7例を示したものである。
なお、図16(A)(B)に示す第5例と対応する部分
には、同一符号を付けて示している。
【0080】本例の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
造装置においては、円弧状をした第1〜第4の給気吹出
し具15a,15b,15c,15dが反応室1a内の
上部に内側壁に配置されている。これら第1〜第4の給
気吹出し具15a〜15dの内周には、給気吹出し口1
9a,19b,19c,19dがそれぞれ複数個ずつ設
けられている。本例では、これら第1〜第4の給気吹出
し具15a〜15dは、排気管11の上部両側に第1,
第4の給気吹出し具15a,15dが存在し、バーナ
6,7の上部両側に第2,第3の給気吹出し具15b,
15cが存在する配置となっている。これら給気吹出し
具15a〜15dには給気配管20a,20b,20
c,20dがそれぞれ接続され、これら給気配管20a
〜20dには給気風量を制御するMFCよりなる第1〜
第4の給気風量制御具21a,21b,21c,21d
がそれぞれ接続されている。
【0081】また、本例の光ファイバ用多孔質ガラス母
材の製造装置においては、円弧状をした第1´,第2
´,第3´,第4´の給気吹出し具15a´,15b
´,15c´,15d´が反応室1a内の下部に内側壁
に配置されている。これら第1〜第4の給気吹出し具1
5a´〜15d´の内周には、給気吹出し口19a´,
19b´,19c´,19d´がそれぞれ複数個ずつ設
けられている。本例では、これら第1´〜第4´の給気
吹出し具15a´〜15d´は、排気管11の下部両側
に第1´,第4´の給気吹出し具15a´,15d´が
存在し、バーナ6,7の両側に第2´,第3´の給気吹
出し具15b´,15c´が存在する配置となってい
る。これら給気吹出し具15a´〜15d´には給気配
管20a´,20b´,20c´,20d´がそれぞれ
接続され、これら給気配管20a´〜20d´には給気
風量を制御するMFCよりなる第1´〜第4´の給気風
量制御具21a´,21b´,21c´,21d´がそ
れぞれ接続されている。
【0082】この場合の第1〜第4の給気風量制御具2
1a〜21d、第1´〜第4´の給気風量制御具21a
´〜21d´は、例えばそれぞれ図15に示すように制
御することができる。
【0083】このような第7例の光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置によれば、図16に示す第5例や図
19に示す第6例と同等以上の効果を得ることができ
る。
【0084】これら上部の第1〜第4の給気吹出し具1
5a〜15dと、下部の第1´〜第4´の給気吹出し具
15a´〜15d´とは、両方を同時に使用する場合
と、いずれか一方側を使用する場合との2通りの使用が
可能である。
【0085】次に、上記の如き給気吹出し具15a〜1
5dを用いて多孔質ガラス母材10の製造を行う光ファ
イバ用多孔質ガラス母材の製造方法について説明する。
【0086】反応容器1内に独立して通風を行うように
配置したこれら給気吹出し具15a〜15dにそれぞれ
給気風量制御具21a〜21dを経て通風を行い、これ
ら給気吹出し具15a〜15dにより反応容器1内に通
風を行いつつ、火炎8,9の位置を図5に示す画像処理
測定装置からなる火炎位置測定装置で測定し、火炎8,
9の位置が一定位置になるように各給気風量制御具21
a〜21dで通気風量の制御を行う。
【0087】例えば、図16(A)(B)に示す構成の
装置で多孔質ガラス母材10の製造を行う場合、図5に
示す火炎位置測定装置で測定したコア部形成用火炎8の
位置の変化量から、排気側の第1の給気風量制御具21
aの給気量を演算し、フィードバック制御をかける。こ
の場合には、コア部形成用火炎8の位置の変化を、図2
2に示すように目標位置に対して±0.05mmの範囲で変動
を抑えることができた。
【0088】バーナ6,7側の第3の給気吹出し具15
cの給気量制御を行う第3の給気風量制御具21cや、
排気管11とバーナ6,7を結ぶ線に対し直交する方向
の第2,第4の給気吹出し具15b,15dの給気量制
御を行う第2,第4の給気風量制御具21b,21dを
を利用しても制御は可能である。この場合には、コア部
形成用火炎8の位置の変化を、図23に示すように目標
位置に対して±0.10mmの範囲で変動を抑えることができ
た。
【0089】これらの実験により、コア部形成用火炎8
の位置の制御は、排気管11側からの給気量により制御
するのが最もよかった。
【0090】これに対し、従来の装置では、火炎の位置
は図6に示すように0.60mmの範囲で変化していた。
【0091】また、この方法は、図1,図8,図13,
図14,図19,図20,図21に示す構成の装置で行
っても同様の効果があった。
【0092】
【発明の効果】本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス
母材の製造装置においては、反応容器内に独立して通風
を行う複数の通風具を設けているので、これらにより反
応容器内への各通風に指向性が得られ、反応容器内のガ
スの流れの制御性を改善でき、これにより火炎位置の制
御性を向上させることができる。
【0093】それ故、バーナの火炎中で合成するガラス
微粒子をターゲットに付着させ、それを成長させて多孔
質ガラス母材を製造する際に、該多孔質ガラス母材の成
長に対応して生じる反応容器内のガスの流れの変動を小
さく制御でき、このため該多孔質ガラス母材の製造中の
火炎の位置の変動,火炎内のガラス微粒子の位置の変動
を小さくできる。これにより、多孔質ガラス母材の製造
中の該母材の表面温度,該母材の重量増加速度,該母材
の成長速度(該母材の長さの増加速度)を安定化でき、
該母材の径方向断面の屈折率分布の長手方向にわたる安
定性や各設備で製造した母材同士での屈折率分布の再現
性を向上させることができる。
【0094】また、本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置においては、反応容器内に複数の給
気吹出し具を設け、これら給気吹出し具には給気給気風
量制御具をそれぞれ接続しているので、各給気吹出し具
からの吸気風量を独立して制御することができ、このた
め反応容器内のガスの流れの制御性を良好に改善でき、
これにより火炎位置の制御性を著しく向上させることが
できる。
【0095】それ故、バーナの火炎中で合成するガラス
微粒子をターゲットに付着させ、それを成長させて多孔
質ガラス母材を製造する際に、該多孔質ガラス母材の成
長に対応して生じる反応容器内のガスの流れの変動を非
常に小さく制御でき、このため該多孔質ガラス母材の製
造中の火炎の位置の変動,火炎内のガラス微粒子の位置
の変動を非常に小さくすることができる。これにより、
多孔質ガラス母材の製造中の該母材の表面温度,該母材
の重量増加速度,該母材の成長速度(該母材の長さの増
加速度)をより一層安定化でき、該母材の径方向断面の
屈折率分布の長手方向にわたる安定性や各設備で製造し
た母材同士での屈折率分布の再現性を向上する。
【0096】これらの場合、各給気吹出し具を反応容器
の入口筒部の内周に添わせて配置すると、反応容器の反
応室内に各給気吹出し具の設置スペースを確保する必要
なく、本発明を実施することができる。
【0097】また、各給気吹出し具を、反応容器の反応
室内に配置すると、バーナの火炎の近くでより確実にそ
の位置の制御を行うことができる。
【0098】また本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラ
ス母材の製造方法においては、火炎の位置を火炎位置測
定装置で測定し、該火炎の位置が一定位置になるように
各給気風量制御具で通気風量の制御を行うので、火炎の
位置の制御を再現性よく確実に行うことができる。
【0099】また、反応容器内のガス流れを制御する
と、該反応容器内の風速の変動幅や経時変化を小さくす
る制御ができ、これにより火炎位置または粒子流の位置
の変動幅や経時変化を小さくする制御ができ、その結
果、多孔質ガラス母材の製造中の多孔質ガラス母材の表
面温度,多孔質ガラス母材の重量増加速度,成長速度
(多孔質ガラス母材長の増加速度)が安定し、母材の径
方向断面の屈折率分布の長手方向にわたる安定性,また
はGe等の濃度分布の再現性向上に寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材の
製造装置の実施の形態の第1例を示したもので、(A)
は(B)のa−0−b線断面図、(B)は(A)のA−
A線端面図である。
【図2】反応容器内のガスの流れの変化を調べる装置の
構成の一例を示す縦断面図である。
【図3】図24に示す従来の装置で多孔質ガラス母材の
製造を行った場合の反応容器内の風速の経時変化を示す
特性図である。
【図4】図1に示す第1例の装置で多孔質ガラス母材の
製造を行った場合の反応容器内の風速の経時変化を示す
特性図である。
【図5】火炎位置測定装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】図24に示す従来の装置で多孔質ガラス母材の
製造を行った場合のコア部形成用火炎の位置の経時変化
を示す特性図である。
【図7】図1に示す第1例の装置で多孔質ガラス母材の
製造を行った場合のコア部形成用火炎の位置の経時変化
を示す特性図である。
【図8】本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材の
製造装置の実施の形態の第2例を示したもので、(A)
は(B)のc−0−d線断面図、(B)は(A)のB−
B線端面図である。
【図9】第2例の装置で用いているバタフライバルブよ
りなる給気給気風量制御具の回転角度を示す説明図であ
る。
【図10】第2例の装置で用いている各給気給気風量制
御具の開度の経時変化を示す説明図である。
【図11】図10に示すようにして給気給気風量制御具
の開度制御を行って多孔質ガラス母材の製造を行った際
の第2例の装置の反応容器内の風速の経時変化を示す特
性図である。
【図12】図10に示すようにして給気給気風量制御具
の開度制御を行って多孔質ガラス母材の製造を行った際
の第2例の装置でのコア部形成用火炎の位置の経時変化
を示す特性図である。
【図13】(A)は本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置の実施の形態の第3例を示した縦断
面図、(B)は(A)のC−C線端面図である。
【図14】(A)は本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置の実施の形態の第4例を示した縦断
面図、(B)は(A)のD−D線端面図である。
【図15】第4例の装置で用いている各給気給気風量制
御具の給気量の経時変化を示す説明図である。
【図16】(A)は本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置の実施の形態の第5例を示した縦断
面図、(B)は(A)のE−E線断面図である。
【図17】第5例の装置で用いている各給気給気風量制
御具の給気量の経時変化を示す説明図である。
【図18】(A)(B)は第5例で用いている給気吹出
し具の給気吹出し口にノズルを設ける場合の2例を示す
拡大断面図である。
【図19】(A)は本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置の実施の形態の第6例を示した縦断
面図、(B)は(A)のF−F線断面図である。
【図20】第6例の装置の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図21】(A)は本発明に係る光ファイバ用多孔質ガ
ラス母材の製造装置の実施の形態の第7例を示した縦断
面図、(B)は(A)のG−G線断面図である。
【図22】第5例の装置で多孔質ガラス母材の製造を行
う際に排気側の第1の給気風量制御具で給気風量の制御
を行いつつ本発明に係る光ファイバ用多孔質ガラス母材
の製造方法を適用したときのコア部形成用火炎の位置の
経時変化を示す特性図である。
【図23】第5例の装置で多孔質ガラス母材の製造を行
う際に排気側の第2の給気風量制御具または第3,第4
の給気風量制御具で給気風量の制御を行いつつ本発明に
係る光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造方法を適用し
たときのコア部形成用火炎の位置の経時変化を示す特性
図である。
【図24】(A)は従来の光ファイバ用多孔質ガラス母
材の製造装置を示した縦断面図、(B)は(A)のH−
H線端面図である。
【符号の説明】
1 反応容器 1a 反応室 1b 入口筒部 2 上部開口部 3 上蓋 4 孔 5 種棒 6 コアバーナ 7 クラッドバーナ 8 コア部形成用火炎 8A コア部形成用火炎処理画像 9 クラッド部形成用火炎 9A クラッド部形成用火炎処理画像 10 多孔質ガラス母材 11 排気管 11A 圧力制御部 12 内筒体 13,13a〜13d 吸気口 14,14a〜14d 通風通路 15a〜15d,15a´〜15d´ 第1〜第4の給
気吹出し具 16a〜16d 給気通路 17 仕切り板 18a〜18d 給気口 19a〜19d,19a´〜19d´ 給気吹出し口 20a〜20d,20a´〜20d´ 給気配管 21a〜21d,21a´〜21d´ 給気風量制御具 22 母材先端位置検出用投光器 23 母材先端位置検出用受光器 24 母材引上げ機制御器 25 風速計プローブ 26 風速計 27 パーソナルコンピュータまたはレコーダ 28 CCDカメラ 29 画像処理部 30 モニタ 31 コンピュータ 32 記録部 33A,33B 測定ウインドウ 34a〜34d 給気吹出し管 35a〜35d ノズル 36A,36B 中点 37a〜37d 通風具 38a〜38d 通風口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内にその上部の開口部からター
    ゲットを垂下させ、前記反応容器内で該ターゲットの下
    端にバーナからの火炎を当てて、該火炎中で合成したガ
    ラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積させて多孔質ガ
    ラス母材を製造する光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
    造装置において、 前記反応容器内に独立して通風を行う複数の通風具が設
    けられていることを特徴とする光ファイバ用多孔質ガラ
    ス母材の製造装置。
  2. 【請求項2】 反応容器内にその上部の開口部からター
    ゲットを垂下させ、前記反応容器内で該ターゲットの下
    端にバーナからの火炎を当てて、該火炎中で合成したガ
    ラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積させて多孔質ガ
    ラス母材を製造する光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
    造装置において、 前記反応容器内に独立して通風を行う複数の給気吹出し
    具が設けられ、前記各給気吹出し具には給気風量を制御
    する給気風量制御具がそれぞれ接続されていることを特
    徴とする光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記各給気吹出し具は、その吹出し口を
    前記反応容器の反応室に向けて該反応容器の入口筒部の
    内周に添わせて配置されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製
    造装置。
  4. 【請求項4】 前記各給気吹出し具は、前記反応容器の
    反応室内に配置されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造装
    置。
  5. 【請求項5】 反応容器内にその上部の開口部からター
    ゲットを垂下させ、前記反応容器内で該ターゲットの下
    端にバーナからの火炎を当てて、該火炎中で合成したガ
    ラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積させ、該ターゲ
    ットの成長につれてその下端がほぼ一定位置にあるよう
    に該ターゲットを連続的または断続的に引き上げて多孔
    質ガラス母材の製造を行う光ファイバ用多孔質ガラス母
    材の製造方法において、 前記反応容器内に独立して通風を行うように配置した複
    数の給気吹出し具にそれぞれ給気風量制御具を経て通風
    を行い、これら給気吹出し具により前記反応容器内に通
    風を行いつつ、前記火炎の位置を火炎位置測定装置で測
    定し、前記火炎の位置が一定位置になるように前記各給
    気風量制御具で通気風量の制御を行うことを特徴とする
    光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1318332C (zh) * 2002-10-21 2007-05-30 富通集团有限公司 一种光纤预制件的制造方法及其装置

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