JPH0974479A - 固体撮像素子のオフセット補正回路 - Google Patents

固体撮像素子のオフセット補正回路

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JPH0974479A
JPH0974479A JP7229099A JP22909995A JPH0974479A JP H0974479 A JPH0974479 A JP H0974479A JP 7229099 A JP7229099 A JP 7229099A JP 22909995 A JP22909995 A JP 22909995A JP H0974479 A JPH0974479 A JP H0974479A
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JP
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correction
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pixel
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JP7229099A
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Inventor
Katsumi Inoue
上 克 視 井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数を削減することによって、大幅にコス
トダウンすることができる固体撮像素子のオフセット補
正回路の提供。 【解決手段】ダミー画素のデータを主走査方向に所定数
累積加算して、1ライン当たりのダミー画素の累積加算
データを算出し、次いで、この1ライン当たりのダミー
画素の累積加算データを副走査方向に所定数累積加算し
て、所定画素および所定ラインからなる所定数のダミー
画素の累積加算データを算出し、この累積加算データの
平均値を信号画素のデータの基準電圧レベルの補正値と
して用いる。また、ダミー画素の累積加算データを保持
するメモリとしてDPRAMを、信号画素のデータを保
持するメモリとしてFIFOメモリを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばCCDなど
の固体撮像素子をラインセンサとして用い、1ラインづ
つ順次画像データを読み取る画像読取装置において、画
像データの基準電圧レベルからのズレを補正する固体撮
像素子のオフセット補正回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、原稿台に載置された透過原稿
や反射原稿などの画像データを読み取る画像読取装置
は、印刷製版装置や複写装置などの各種の画像形成装置
における画像データの入力装置として用いられている。
【0003】画像読取装置においては、蛍光灯などの一
次元方向(主走査方向)に延在する読取光源を用い、原
稿台あるいは読取光源を一次元方向とほぼ直交する方向
(副走査方向)に一定速度で搬送することによって、読
取光源で原稿の表面を照射し、原稿の裏面から射出する
透過光、または原稿の表面からの反射光を投影レンズを
通してプリズムによって色分解した後、ラインセンサに
よって光電変換し、1ライン毎に順次、透過原稿のカラ
ー画像データを得ている。
【0004】このようにして得られた原稿の画像データ
は、上述する印刷製版装置や複写装置などの画像形成装
置においては、画像処理装置によって様々な処理がなさ
れた後、画像記録装置において、主走査方向に偏向され
る光ビームによって、主走査方向とほぼ直交する副走査
方向に一定速度で搬送される記録材料を2次元的に走査
露光し、画像記録を行うことによって再生画像を得てい
る。
【0005】ところで、上述する画像読取装置におい
て、ラインセンサに照射された光は、1ライン中の信号
画素毎に受光量に比例した電圧レベルを有するデータに
変換され、センサのシフトレジスタによって順次転送さ
れ、増幅されて出力される。ところが、信号画素のデー
タを順次転送する時の漏洩電流などによって、基準電圧
レベルが1ライン毎に変動して、再生画像に色ムラやス
ジ模様が発生してしまい、再生画像の画質が著しく低下
するという問題点があった。
【0006】このような問題点を解決する手段の一つと
して、ラインセンサによって読み取られた画像データの
基準電圧レベルを補正するオフセット補正回路がある。
図10に示されるように、ラインセンサとなる固体撮像
素子の受光部は、例えば受光素子を持つ5000個の信
号画素と、この信号画素の前に、例えば受光素子を持た
ない32個のダミー画素と、信号画素の後ろに、例えば
受光素子を持たない128個のダミー画素とを有してい
る。
【0007】受光素子を持つ信号画素からは受光量に応
じた電圧レベルを有するデータが出力される。一方、受
光素子を持たないダミー画素には、信号画素が転送され
る時の漏洩電流などに応じて、即ち、基準電圧レベルの
変動に応じて電荷がチャージされ、チャージされた電荷
に応じた電圧レベルを有するデータが出力される。オフ
セット補正回路においては、所定数のダミー画素のデー
タの平均値が、信号画素のデータの基準電圧レベルの補
正値として用いられる。
【0008】図11は、従来の固体撮像素子のオフセッ
ト補正回路の一例となるブロック図である。このオフセ
ット補正回路130は、図3に示されるように、主走査
方向に8偶数画素および副走査方向に8ラインからなる
合計64個のダミー画素のデータの平均値と、主走査方
向に8奇数画素および副走査方向に8ラインからなる合
計64個のダミー画素のデータの平均値とによって、そ
れぞれ中心ラインの信号画素の偶数画素および奇数画素
のデータの基準電圧レベルを補正するものであって、デ
ータ更新部132と、補正データ作成部134と、ライ
ン遅延部136と、確率補正部138と、補正演算部1
40とを有する。
【0009】ここで、データ更新部132は、新規に入
力される次のラインの入力データ、即ち、図3におい
て、次のライン8のダミー画素のデータを加算し、最古
のライン0のダミー画素のデータを減算するものであっ
て、次のラインのダミー画素のデータを保持するレジス
タ142と、このデータを反転するインバータ144
と、インバータ144の出力を保持するSRAM(スタ
ティックRAM)146と、SRAM146のアドレス
を制御するアドレス発生器148と、SRAM146の
出力を保持するレジスタ150と、レジスタ142の出
力からレジスタ150の出力を減算する減算器(加算
器)152とから構成される。
【0010】また、補正データ作成部134は、所定数
のダミー画素のデータを累積加算して、信号画素のデー
タの基準電圧レベルを補正する補正値となる累積加算デ
ータを算出するものであって、加算器154と、B
(青)色、G(緑)色、R(赤)色のダミー画素の偶数
画素および奇数画素毎に加算器の出力を保持する3ステ
ート出力のレジスタ156a,156b,156c,1
56d,156e,156fと、これらのレジスタ15
6a,156b,156c,156d,156e,15
6fの入力および出力タイミングを制御する制御部15
8とから構成される。なお、加算器154は、データ更
新部132の減算器152の出力と、レジスタ156
a,156b,156c,156d,156e,156
fの出力の1つとを加算する。
【0011】また、ライン遅延部136は、入力デー
タ、即ち、信号画素のデータを所定ライン数に相当する
時間(以下、所定ライン時間という)遅延させるもので
あって、信号画素のデータを所定ライン時間保持するS
RAM160と、このSRAM160のアドレスを制御
するアドレス発生器162とから構成される。
【0012】また、確率補正部138は、補正値の少数
点以下の数値を切り上げるか、切り捨てるかを決定する
確率補正値を出力するものであって、補正値の小数点以
下の数値と乱数値とを加算する加算器によって構成され
る。さらに、補正制御部140は、信号画素のデータの
基準電圧レベルを補正するものであって、信号画素のデ
ータから、補正値および確率補正値を減算する減算器
(加算器)で構成される。
【0013】図4のタイミングチャートに示されるよう
に、入力データは、水平同期信号に同期して、例えばB
色、G色、R色のデータの順にオフセット補正回路13
0に入力される。また、例えばB色のデータは、32個
のダミー画素のデータ、5000個の信号画素のデー
タ、128個のダミー画素のデータの順に入力され、こ
れらの画素のデータは、偶数画素0、奇数画素0、偶数
画素1、奇数画素1、…のデータの順に順次入力され
る。例えば32個のダミー画素は、偶数画素0〜15と
奇数画素0〜15とが交互に入力される。
【0014】このオフセット補正回路130において、
入力データの中の32個のダミー画素のデータの中の前
半の16画素のデータ、即ち、偶数画素0〜7および奇
数画素0〜7のデータは、データ更新部132のレジス
タ142に順次保持されるとともに、インバータ144
により反転されて、アドレス発生器148によって制御
されるSRAM146の所定アドレスに順次保持され
る。
【0015】一方、SRAM146からは、所定アドレ
スから最古のラインのダミー画素のデータ、即ち、8ラ
イン前のダミー画素の偶数画素0〜7および奇数画素0
〜7のデータが順次読み出され、レジスタ142と同じ
タイミングでレジスタ150に保持される。そして、こ
れらのデータはともに減算器152に入力され、減算器
152によって、次のラインのダミー画素のデータか
ら、最古のラインのダミー画素のデータが減算される。
【0016】例えば、図3において、ライン8の入力デ
ータが入力された場合、この入力データのダミー画素の
データはレジスタ142に順次保持されるとともに、反
転されてSRAMに順次保持される。また、SRAM1
46からはライン0のダミー画素のデータが順次読み出
されてレジスタ150に順次保持される。そして、ライ
ン8のダミー画素のデータからライン0のダミー画素の
データを減算することによって、これらのダミー画素の
データの差分が算出される。
【0017】なお、データ更新部132の減算器は、レ
ジスタ142の出力(正数)と、SRAM146に保持
される前にインバータ144によって既に反転されてい
るレジスタ150の出力(負数)とを、減算器152の
ビット0のキャリー信号に1を与えることによって加算
する加算器である。このようにして、図3に示される8
偶数画素および8ライン、8奇数画素および8ラインか
らなる、それぞれ64個のダミー画素からなる領域のデ
ータが更新される。
【0018】次に、データ更新部132の出力は補正デ
ータ作成部134の加算器154に入力される。補正デ
ータ作成部134においては、B色、G色、R色のデー
タ毎に、8偶数画素および8ライン、8奇数画素および
8ラインのダミー画素のデータが累積加算され、その累
積加算データはそれぞれのレジスタ156a,156
b,156c,156d,156e,156fに保持さ
れる。
【0019】例えば、データ更新部132によって、B
色のダミー画素の偶数画素のデータの差分が算出される
と、制御部158によってB色の偶数画素のレジスタ1
56aだけがアクティブ状態にされる。B色の偶数画素
のレジスタ156aからは、8偶数画素および8ライン
からなる64個のダミー画素の累積加算データが出力さ
れて加算器154に入力される。そして、加算器154
によって、B色のダミー画素の偶数画素のデータの差分
と、B色の累積加算データとが加算された後、再びB色
の偶数画素のレジスタ156aに保持される。
【0020】このようにして、例えば1ライン毎にB色
の偶数画素0〜7のデータと奇数画素0〜7のデータと
を交互に順次累積加算し、さらにG色およびR色のデー
タについても同様にして累積加算することによって、B
色、G色、R色の偶数画素および奇数画素のデータ毎
に、8偶数画素および8ラインからなる64個のダミー
画素のデータの累積加算データと、8奇数画素および8
ラインからなる64個のダミー画素の累積加算データと
を算出することができる。
【0021】一方、入力データの中の5000個の信号
画素のデータ、即ち、偶数画素0〜2499および奇数
画素0〜2499のデータは、ライン遅延部136にお
いて、アドレス発生器162によって制御されるSRA
M160の所定アドレスに順次保持される。そして、S
RAM160からは、4ライン前の信号画素のデータ、
即ち、中心ラインの信号画素のデータが順次読み出さ
れ、補正演算部140に順次入力される。
【0022】例えば、データ更新部132において、ラ
イン7のダミー画素のデータが入力され、補正データ作
成部134において、ライン0〜7までのダミー画素の
累積加算データが算出された後、ライン遅延部136の
SRAM160には、ライン7の信号画素のデータが順
次保持されるとともに、SRAM160からは中心ライ
ン、即ち、ライン3の信号画素のデータが順次読み出さ
れる。
【0023】そして、補正データ作成部134のレジス
タ156a,156b,156c,156d,156
e,156fから累積加算データが順次読み出され、L
SB(Least Significant Bit )側に6ビットシフトさ
れて1/64に割り算され、補正値として補正演算部1
40に入力される。また、この補正値の小数点以下の数
値、即ち、累積加算データの下位6ビットの中の少なく
とも一部は、確率補正部138に入力される。
【0024】確率補正部138においては、補正値の小
数点以下の数値と乱数値とが入力され、これらを加算す
ることによって、確率補正値となるキャリー信号が出力
される。即ち、キャリー信号がアクティブ状態であれ
ば、補正値の小数点以下の数値は切り上げられ、逆に、
非アクティブ状態であれば切り捨てられる。最後に、補
正演算部140においては、中心ラインのB色、G色、
R色の信号画素の偶数画素および奇数画素のデータ、補
正値、確率補正値が順次入力され、信号画素のデータか
ら、補正値および確率補正値を減算することによって、
出力データが順次出力される。
【0025】このようにして、オフセット補正回路13
0によれば、信号画素のデータから、所定数のダミー画
素のデータの累積加算データの平均値を減算することに
よって、信号画素のデータの基準電圧レベルを補正する
ことができるため、再生画像の色ムラやスジ模様を防止
することができ、再生画像の画質の低下を防止すること
ができる。
【0026】しかしながら、従来のオフセット補正回路
130においては、次のラインの入力データを加算し、
最古のラインの入力データを減算してダミー画素の累積
加算データを算出していたため、ライン毎にダミー画素
のデータを保持するSRAM146や、アドレス発生器
148、インバータ144、減算器152などを設ける
必要があった。また、B色、G色、R色の偶数画素およ
び奇数画素のデータ毎に、その累積加算データを保持す
るレジスタ156a,156b,156c,156d,
156e,156fを個別に設けたり、また、ライン遅
延部136をSRAM160で構成していたため、アド
レス発生器162が必要となるなど、オフセット補正回
路130の部品点数が非常に多くなり、そのコストも増
大するという問題点があった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術に基づく問題点をかえりみて、部品点数を削減
することによって、大幅にコストダウンすることができ
る固体撮像素子のオフセット補正回路を提供することに
ある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、所定数のダミー画素のデータを累積加算
し、その平均値を補正値として用いることによって、信
号画素のデータの基準電圧レベルを補正する固体撮像素
子のオフセット補正回路であって、前記ダミー画素のデ
ータを保持するデータ更新部と、このデータ更新部から
出力されるダミー画素のデータを所定数累積加算して前
記補正値を算出する補正データ作成部と、この補正デー
タ作成部により前記補正値が算出されるまでの間、前記
信号画素のデータを所定ライン時間遅延させるライン遅
延部と、前記補正値の小数点以下の数値と乱数値とか
ら、前記補正値を確率補正する確率補正値を出力する確
率補正部と、前記補正データ作成部から出力される補正
値と前記確率補正部から出力される確率補正値とから、
ライン遅延部により所定ライン時間遅延された信号画素
のデータの基準電圧レベルを補正する補正演算部とを備
え、前記補正データ作成部は、前記データ更新部あるい
は第1のレジスタの出力と第2のレジスタの出力とを加
算する加算器と、この加算器の出力を保持するメモリ
と、このメモリの出力を保持する前記第1のレジスタ
と、この第1のレジスタの出力を保持する前記第2のレ
ジスタとを有し、前記加算器の出力を前記メモリの第1
のアドレスに保持し、このメモリの第1のアドレスの出
力を前記第1のレジスタに保持し、前記加算器により前
記データ更新部の出力と前記第1のレジスタの出力とを
加算することを繰り返し行うことによって、前記ダミー
画素のデータを主走査方向に所定数累積加算して第1の
累積加算データを算出し、前記加算器の出力を前記メモ
リの第2のアドレスに保持し、このメモリの第1のアド
レスの出力を前記第1のレジスタに保持し、この第1の
レジスタの出力を前記第2のレジスタに保持するととも
に、前記メモリの第2のアドレスの出力を前記第1のレ
ジスタに保持し、前記加算器により前記第1および第2
のレジスタの出力を加算することを繰り返し行うことに
よって、前記第1の累積加算データを副走査方向に所定
数累積加算して第2の累積加算データを算出し、この第
2の累積加算データの平均値を前記補正値として用いる
ことを特徴とする固体撮像素子のオフセット補正回路を
提供する。
【0029】ここで、前記補正データ作成部のメモリは
DPRAMであり、前記ライン遅延部はFIFOメモリ
であるのが好ましい。
【0030】また、前記第1および第2の累積加算デー
タは、B(青)色、G(緑)色およびR(赤)色のダミ
ー画素の偶数画素および奇数画素毎に算出されるのが好
ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面に示す好適実
施例に基づいて、本発明の固体撮像素子のオフセット補
正回路を詳細に説明する。まず、本発明の固体撮像素子
のオフセット補正回路を適用する画像読取装置について
説明する。
【0032】図1は、本発明の固体撮像素子のオフセッ
ト補正回路を適用する画像読取装置の一実施例の概念図
である。この画像読取装置10は、カラーリバーサルフ
ィルムやカラーネガフィルム等の透過原稿T(以下、原
稿Tとする)の画像を読み取る装置であって、基本的
に、光源部12、原稿Tの走査搬送部14、読取光学系
16、信号処理部90から構成される。
【0033】ここで、光源部12は、一方向(図中紙面
に垂直方向)に延在する長尺な読取光源20、光源20
からの光を所定方向に反射するリフレクタ22、スリッ
ト板24、スリット板24の移動手段26を有する。光
源20およびリフレクタ22は、通常のスリット走査の
読取装置に用いられるものであり、原稿移動型の本発明
にかかる読取装置10においては、光軸L上の所定位置
に固定されている。
【0034】スリット板24は、光源20からの光を規
制してフレアを防止するための、光源と同方向に延在す
るスリットが形成された板であり、図示例においては、
縮小〜低倍率拡大の読み取りに対応する幅の広いスリッ
ト28aと、高倍率拡大の読み取りに対応する幅の狭い
スリット28bとが形成されている。両スリットは、画
像読み取りの倍率に応じて、移動装置26によって切り
換えられて光軸Lに作用する。
【0035】移動装置26は、スリット板24をスリッ
トの幅方向すなわち原稿Tの走査方向(図中矢印aで示
されるスリットの長手方向と直交方向)に移動してスリ
ット28aおよびスリット28bを切り換えると共に、
読取条件が変わった際における両スリットの走査方向の
位置調整を行うものである。
【0036】次いで、走査搬送部14は、矢印aで示さ
れる走査方向に原稿Tを移動(走査搬送)するものであ
って、光学定盤30上に固定される支柱32上に固定さ
れるハウジング34、およびハウジング34内に収納さ
れる走査部材36、ステージ38、走査手段40を有す
る。
【0037】ハウジング34は、上方が開放する筐体
で、下面には原稿Tの透過光が通過するための開口42
が形成される。図示例の走査搬送部14は、ねじ伝動に
よって原稿Tの移動を行うものであって、走査手段40
は、基本的に、副走査用モータ44とドライブシャフト
(ボールねじ)46とから構成される。副走査用モータ
44は、ハウジング34の内壁面に固定されている。一
方、ドライブシャフト46は、走査方向に延在して、一
端が副走査用モータの回転軸に係合され、他端がハウジ
ング34の壁面に回転自在に軸支されている。
【0038】走査部材36は、上方が開口する筐体で、
その走査方向の壁面にドライブシャフト46が螺合して
いる。また、走査部材36の下面には、光源20からの
光が通過するための開口48が形成されている。走査部
材36の上面には、ステージ38が配置されている。ス
テージ38は原稿Tを保持するカセット50を所定位置
に載置・固定するもので、カセット50の固定位置に対
応して形成される原稿Tの透過光が通過するための開口
52と、後述するスリット位置および絞り調整の際の光
源20からの光が通過するための調整用開口54を有す
る板状体である。なお、カセット50は、原稿Tを挟持
するガラス板と枠体等からなるものであり、図示例の読
取装置10においては、例えば、図中右方向の所定位置
からオペレータによって装置内に挿入され、公知の手段
によって搬送されてローディングされ、ステージ38上
の開口52に対応する所定位置に保持される。
【0039】前述のように、ステージ38は搬送部材3
6上に配置され、搬送部材36は走査方向の壁面がドラ
イブシャフト46に螺合している。従って、副走査用モ
ータ44によってドライブシャフト46が回転されれ
ば、ステージ38はその回転方向に応じて矢印aで示さ
れる走査方向に移動され、原稿Tが走査搬送される。こ
こで、光源20、スリット28aおよび28bは、共に
矢印a方向と直交する方向に長手方向を有しているの
で、結果的に、原稿Tは2次元的に全面をスリット走査
される。
【0040】次いで、読取光学系16は、レンズユニッ
ト56および58、分光プリズム60、ラインセンサで
あるCCDセンサ62(62R,62Gおよび62B)
と、両レンズユニット56および58、分光プリズム6
0およびCCDセンサ62を光軸方向に移動する移動手
段とから構成される。
【0041】図示例の画像読取装置10は、縮小〜低倍
率拡大の読み取りに対応するレンズユニット56と、高
倍率拡大の読み取りに対応するレンズユニット58との
2つの結像レンズを有し、光は、このレンズユニットに
よってCCDセンサ62に結像する。両レンズユニット
は、軸64を中心に回転自在にされるターレット66に
保持されており、ターレット66を回転することにより
切り替えられ、倍率に応じたレンズユニットが光軸Lに
作用する。なお、図面を簡略化するためにターレット6
6の回転手段は特に図示しないが、公知の方法によれば
よい。また、ターレット66には、レンズユニットを通
過した光を通過するための開口66aおよび66bが形
成される。
【0042】レンズユニット56には絞り68が、レン
ズユニット58には絞り70がそれぞれ組み込まれてい
る。両絞りは、CCDセンサ62がオーバーフローして
読取精度が低下することを防止するために、CCDセン
サ62に入射する最高光量を規定して、原稿Tの透過光
の光量を低減すると共に、倍率の変更によって、後述す
るようにレンズユニットおよびCCDセンサ62が光軸
L方向に移動した際に、CCDセンサ62に到達する光
量(原稿のない状態での光量)を一定にするために光量
調整を行うものであり、図示例においては、共にアイリ
ス絞りが用いられている。絞り68および70は、共に
パルスモータ72で回転されるギヤ74に噛合してお
り、ギヤ74の回転により開口(絞り量)を調整され
る。
【0043】分光プリズム60は、原稿Tの透過光を赤
(R)、緑(G)および青(B)の3原色に分光するも
のであって、分光された光の射出口には、R光を測光す
るCCDセンサ62R、G光を測光するCCDセンサ6
2G、およびB光を測光するCCDセンサ62Bが、そ
れぞれ固定され、原稿Tの透過光の各色の光量が測定さ
れる。
【0044】図示例の画像読取装置10においては、レ
ンズユニット56および58を保持するターレット60
は軸64によってブラケット76に保持されており、こ
のブラケット76には支柱32に向かって支持腕78が
固定されている。なお、ブラケット76には、光が通過
するための開口76aが形成され、この開口76aに
は、暗時補正を行うためのNDフィルタが配置自在(暗
時補正時以外は作用しない)にされる。他方、前述の支
柱32には、支持部材32aおよび32bが固定されて
おり、この支持部材32aおよび32bは、光軸Lに平
行で支持腕78に螺合するドライブシャフト80の両端
部を回転自在に支持している。また、ドライブシャフト
80の下端には、モータ82の回転軸が係合している。
従って、モータ82が回転することにより、ねじ伝動に
よってブラケット76が光軸L方向に移動し、レンズユ
ニット56あるいはレンズユニット58の光軸L方向の
位置を調整することができる。
【0045】一方、分光プリズム60は、保持部材84
に保持されている。この保持部材84は、光軸Lに平行
で、回転自在にブラケット76に支持されるドライブシ
ャフト86に螺合している。また、ドライブシャフト8
6の下端には、モータ88の回転軸が係合している。従
って、モータ88が回転することにより、ねじ伝動によ
って保持部材84が昇降し、分光プリズム60すなわち
各CCDセンサ62の光軸L方向の位置を調整すること
ができる。
【0046】すなわち、図示例の画像読取装置10にお
いては、モータ82の回転によりレンズユニット56お
よび58、分光プリズム60を光軸L方向に移動して倍
率を調整し、さらに、モータ88の回転により分光プリ
ズム60を光軸L方向に移動して、焦点合わせを行う。
また、スリット28aおよび28b、ならびにレンズユ
ニット56および58は、倍率に応じて切り替えられる
のは、前述のとおりである。
【0047】CCDセンサ62によるR光、G光および
B光の測定結果は、信号処理部90に転送される。信号
処理部90は、CCDセンサ62からの出力信号を処理
して画像情報とするものであり、A/D変換器、オフセ
ット補正器、暗時補正器、Log変換器、シェーディン
グ補正器、キャリブレーション変換回路、トリミング回
路、平均化回路、END(Equivalent Neutral Density)
変換器、さらには、これらによって処理された画像情報
を2次元的に記憶できるメモリ等を有して構成される画
像情報処理器である。
【0048】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回
路を適用する画像読取装置10は、基本的に以上のよう
に構成される。次に、この画像読取装置10の動作につ
いて簡単に説明する。
【0049】画像読取装置10において、光源20から
射出される光は、スリット28aを通過した後、走査手
段40によって走査方向(矢印a方向)に走査搬送され
る原稿Tに入射する。前述のように、スリット28aの
長手方向と走査方向とは直交しているので、原稿Tは、
2次元的に全面を走査される。原稿Tを透過した原稿画
像を担持する読取光は、レンズユニット56を通過して
所定の位置に結像するように調光され、かつ絞り68に
よって光量を調整され、分光プリズム60に入射し、R
光、G光およびB光に分光され、それぞれに対応するC
CDセンサ62R,62Gおよび62Bに入射して測光
される。この測光結果は、信号処理部90に転送され、
A/D変換、オフセット補正、暗時補正、Log変換、
シェーディング補正、キャリブレーション、トリミン
グ、平均化、END変換等の処理が施され、符号Aで示
される記録装置や処理装置に送られる。
【0050】この画像読取装置10は、基本的に以上の
ように動作する。次に、この画像読取装置に適用され、
上述するオフセット補正を行う本発明の固体撮像素子の
オフセット補正回路について説明する。
【0051】図2は、本発明の固体撮像素子のオフセッ
ト補正回路の一実施例のブロック図である。このオフセ
ット補正回路100は、所定数のダミー画素のデータの
平均値を信号画素のデータの基準電圧レベルの補正値と
して用いるものであって、図示例においては、データ更
新部102と、補正データ作成部104と、ライン遅延
部106と、確率補正部108と、補正演算部110と
から構成される。
【0052】ここで、データ更新部102は、入力デー
タ、即ち、ダミー画素のデータを保持するものであっ
て、図示例においては、3ステート出力のレジスタ11
2によって構成される。
【0053】また、補正データ作成部104は、入力デ
ータ、即ち、所定数のダミー画素のデータを累積加算し
て補正値となる累積加算データを算出するものであっ
て、加算器114と、加算器114の出力を保持するD
PRAM(デュアルポートRAM)116と、DPRA
M116の出力を保持するレジスタ118と、レジスタ
118の出力を保持する3ステート出力のレジスタ12
0とから構成される。なお、加算器114の一方の入力
端にはレジスタ112,120の出力が選択入力され、
他方の入力端にはレジスタ118の出力が入力される。
【0054】また、ライン遅延部106は、補正データ
作成部104において、所定数のダミー画素のデータが
累積加算されて、その累積加算データが作成されるまで
の間、入力データ、即ち、信号画素のデータを所定ライ
ン数に相当する時間(以下、所定ライン時間とする)遅
延させるものであって、FIFOメモリ122で構成さ
れる。
【0055】また、確率補正部108は、補正値の小数
点以下の数値と乱数値とから補正値を確率補正する、即
ち、乱数値に応じて、補正値の小数点以下の数値を切り
上げるか、あるいは切り捨てるかを決定する確率補正値
を出力するものであって、補正値の小数点以下の数値と
乱数値とを加算し、確率補正値としてキャリー信号を出
力する加算器によって構成される。
【0056】さらに、補正演算部110は、補正値と確
率補正値とに応じて、ライン遅延部106によって所定
ライン時間遅延された入力データ、即ち、信号画素のデ
ータの基準電圧レベルを補正するものであって、信号画
素のデータから補正値および確率補正値を減算する減算
器(あるいは、これらの負数を加算する加算器)によっ
て構成される。
【0057】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回
路100は、基本的に以上のように構成される。なお、
レジスタ112,120の出力を3ステート出力とする
代わりに、例えばセレクタによってレジスタ112,1
20の出力を選択出力するように構成しても良い。
【0058】次に、このオフセット補正回路100の動
作について、図3に示されるように、主走査方向に8偶
数画素および副走査方向に8ラインからなる合計64個
のダミー画素のデータの平均値と、主走査方向に8奇数
画素および副走査方向に8ラインからなる合計64個の
ダミー画素のデータの平均値とによって、それぞれ中心
ラインの信号画素の偶数画素および奇数画素のデータの
基準電圧レベルを補正する場合を例に挙げて説明する。
【0059】図1に示される画像読取装置10におい
て、それぞれのCCDセンサ62B,62G,62Rに
よって読み取られたB色、G色、R色の1ライン当たり
のデータは、図4のタイミングチャートに示されるよう
に、水平同期信号に同期して、例えばB色、G色、R色
のデータの順番で、入力データとして本発明の固体撮像
素子のオフセット補正回路100に順次入力される。
【0060】また、例えばB色の1ライン当たりのデー
タは、32個のダミー画素のデータ、5000個の信号
画素のデータ、128個のダミー画素のデータの順番で
オフセット補正回路100に入力される。なお、図示し
ていないが、G色およびR色の1ライン当たりのデータ
についても全く同様にオフセット補正回路100に入力
される。
【0061】さらに、例えば32個のダミー画素のデー
タは、16個の偶数画素のデータと、16個の奇数画素
のデータとが交互に、例えば偶数画素0、奇数画素0、
偶数画素1、奇数画素1、…、偶数画素15、奇数画素
15のデータの順番でオフセット補正回路100に入力
される。また、5000個の信号画素のデータは、偶数
画素0〜2499と奇数画素0〜2499とのデータが
交互に、また、128個のダミー画素のデータは、偶数
画素0〜63と奇数画素0〜63とのデータが交互にオ
フセット補正回路100に入力される。
【0062】ここで、補正値の具体的な算出方法を説明
する前に、図5を参照しながらDPRAM116のメモ
リマッピングについて説明する。
【0063】本実施例において、DPRAM116のア
ドレス0〜7(16進数)には、それぞれ図3に示され
るライン0〜7におけるB色のダミー画素の主走査方向
の8偶数画素のデータの累積加算データが保持され、D
PRAM116のアドレス8〜F(16進数)には、同
じく8奇数画素のデータの累積加算データが保持され
る。同様に、アドレス10〜17および18〜1Fには
G色の累積加算データが保持され、アドレス20〜27
および28〜2FにはR色の累積加算データが保持され
る。
【0064】また、アドレス30(16進数)には、B
色のダミー画素の主走査方向の8偶数画素および副走査
方向の8ラインからなる合計64個のダミー画素のデー
タの累積加算データ、即ち、B色の偶数画素の補正値と
なる累積加算データが保持され、同じくアドレス32
(16進数)にはB色の奇数画素の補正値となる累積加
算データが保持される。同様に、アドレス34および3
6にはG色の偶数画素および奇数画素の補正値となる累
積加算データが保持され、38および3A(16進数)
にはR色の偶数画素および奇数画素の補正値となる累積
加算データが保持される。
【0065】DPRAM116は、例えばこのようにメ
モリマッピングされる。次に、このDPRAM116を
用いて、補正値を算出する手順について説明する。
【0066】図6のタイミングチャートに示されるよう
に、例えばB色の入力データの中のダミー画素のデータ
は、偶数画素0、奇数画素0、偶数画素1、奇数画素
1、…のデータの順にレジスタ112に入力され、その
データレートに一致する周波数を有するクロックによっ
てレジスタ112に順次保持される。なお、偶数画素0
〜7および奇数画素0〜7のデータをオフセット補正回
路100に取り込む間、切換え信号によって常にレジス
タ112の出力が有効とされ、レジスタ120の出力は
無効(ハイインピーダンス状態)にされている。
【0067】まず、図6のタイミングチャートのステッ
プ1において、レジスタ112にはダミー画素の偶数画
素0のデータが保持され、レジスタ118はクリアされ
て0が出力される。そして、これらの出力は加算器11
4によって加算される。DPRAM116にはライトア
ドレス0、即ち、ライン0におけるB色のダミー画素の
偶数画素の累積加算データを保持するためのアドレスが
入力され、ライト信号が入力されることによって、この
アドレス0に加算器114の出力、即ち、ダミー画素の
偶数画素0のデータが保持される。同様に、ステップ2
において、レジスタ112の出力となるダミー画素の奇
数画素0のデータと、レジスタ118の出力となる0と
が加算される。DPRAM116にはライトアドレス
8、即ち、ライン0におけるB色のダミー画素の奇数画
素の累積加算データを保持するためのアドレスが入力さ
れ、このアドレス8にダミー画素の奇数画素0のデータ
が保持される。
【0068】次いで、ステップ3において、レジスタ1
12にはダミー画素の偶数画素1のデータが保持され
る。また、DPRAM116にはリードアドレス0が入
力され、リード信号が入力されることによって、ステッ
プ1で保持されたダミー画素の偶数画素0のデータが読
み出されてレジスタ118に保持される。そして、レジ
スタ112の出力となるダミー画素の偶数画素1のデー
タと、レジスタ118の出力となるダミー画素の偶数画
素0のデータとは加算器114によって加算され、再び
DPRAM116のアドレス0に保持される。同様に、
ステップ4において、レジスタ112の出力となるダミ
ー画素の奇数画素1のデータと、レジスタ118の出力
となるダミー画素の奇数画素0のデータとが加算され、
DPRAM116のアドレス8に保持される。
【0069】以後同様に上述する動作を繰り返し行い、
ステップ15において、レジスタ112から出力される
ダミー画素の偶数画素7のデータと、レジスタ118か
ら出力されるダミー画素の偶数画素0〜6までの累積加
算データとを加算することによって、ライン0における
B色のダミー画素の主走査方向の8偶数画素0〜7のデ
ータが累積加算され、その累積加算データがDPRAM
116のアドレス0に保持される。また、同様に、ステ
ップ16において、ライン0におけるB色のダミー画素
の主走査方向の8奇数画素0〜7のデータも同様に累積
加算され、DPRAM116のアドレス8に保持され
る。
【0070】なお、B色のライン0の入力データを例に
挙げて、主走査方向の8偶数画素および8奇数画素の累
積加算データを算出する手順について説明したが、G色
およびR色のデータについても全く同様であり、また、
ライン1〜7についても全く同様に動作することは言う
までもないことである。このようにして、ライン0〜7
におけるB色、G色、R色のダミー画素の主走査方向の
8偶数画素および8奇数画素の累積加算データは算出さ
れる。
【0071】次に、ダミー画素の偶数画素0〜7および
奇数画素0〜7のデータの取り込みが終了すると、図7
のタイミングチャートに示されるように、切換え信号に
よって常にレジスタ120の出力が有効とされ、レジス
タ112の出力は無効(ハイインピーダンス状態)とさ
れる。
【0072】図7のタイミングチャートのステップ1に
示されるように、DPRAM116にリードアドレス0
が入力され、リード信号が入力されることによって、ア
ドレス0に保持されている累積加算データ、即ち、ライ
ン0のB色のダミー画素の主走査方向の8偶数画素の累
積加算データが読み出されてレジスタ118に保持され
る。次いで、同じくDPRAM116にリードアドレス
1が入力され、アドレス1に保持されている累積加算デ
ータ、即ち、ライン1のB色のダミー画素の主走査方向
の8偶数画素の累積加算データが読み出されてレジスタ
118に保持されるとともに、レジスタ118に保持さ
れていたライン0の累積加算データはレジスタ120に
保持される。そして、レジスタ120から出力されるラ
イン0の加算データと、レジスタ118から出力される
ライン1の累積加算データとが加算器114によって加
算される。この加算器114の出力、即ち、ライン0お
よび1を加算した累積加算データは、DPRAM116
にライトアドレス30、即ち、B色の偶数画素の補正値
となる累積加算データを保持するためのアドレスが入力
され、ライト信号が入力されることによって、このアド
レス30に保持される。
【0073】次いで、ステップ2において、同様に、D
PRAM116にリードアドレス2が入力され、アドレ
ス2に保持されている累積加算データ、即ち、ライン2
の累積加算データが読み出されてレジスタ118に保持
される。次いで、DPRAM116にリードアドレス3
0が入力され、アドレス30に保持されている累積加算
データ、即ち、ライン0および1を加算した累積加算デ
ータが読み出されてレジスタ118に保持されるととも
に、レジスタ118に保持されていたライン2の累積加
算データはレジスタ120に保持される。そして、レジ
スタ120から出力されるライン2の累積加算データ
と、レジスタ118から出力されるライン0および1の
累積加算データとが加算され、同様に、再びDPRAM
116のアドレス30に保持される。
【0074】以後同様に上述する動作を繰り返し行い、
ステップ7において、レジスタ120から出力されるラ
イン7の加算データと、レジスタ118から出力される
ライン0〜6までの累積加算データとを加算することに
よって、ライン0〜7におけるB色のダミー画素の偶数
画素の主走査方向の累積加算データが副走査方向に累積
加算され、B色の偶数画素の補正値となる累積加算デー
タとして、DPRAM116のアドレス30に保持され
る。また、図示を省略しているが、同様に、ステップ8
〜14において、ライン0〜7におけるB色のダミー画
素の奇数画素の主走査方向の累積加算データを副走査方
向に累積加算することによって、B色の奇数画素の補正
値となる累積加算データが算出され、DPRAM116
のアドレス32に保持される。
【0075】なお、B色の入力データを例に挙げて、副
走査方向に主走査方向の累積加算データを累積加算して
補正値となる累積加算データを算出する手順について説
明したが、G色およびR色のデータについても全く同様
に動作することは言うまでもないことである。また、ラ
イン0〜7について説明を行ったが、ライン8以降につ
いては、ライン1〜8をライン0〜7と同様に考えるこ
とによって、全く同様に動作させることができることは
当然のことである。このようにして、B色、G色、R色
の偶数画素および奇数画素の補正値となる累積加算デー
タは算出される。
【0076】次に、32個のダミー画素のデータに続い
て信号画素のデータが入力される。例えば、B色の信号
画素のデータは、偶数画素0、奇数画素0、偶数画素
1、奇数画素1、…、偶数画素2499、奇数画素24
99のデータの順にFIFOメモリ122に入力され、
そのデータレートに一致する周波数を有するクロックに
よってFIFOメモリ122に順次保持される。
【0077】図8のタイミングチャートに示されるよう
に、FIFOメモリ122のライトアドレスのリセット
信号は、8ライン毎に、例えばラインカウント0の時に
入力される。こうして、FIFOメモリ122には、ラ
イン0〜7までの8ライン分の信号画素のデータが保持
される。また、リードアドレスのリセット信号は、8ラ
イン毎に、例えばラインカウント4の時に入力される。
即ち、FIFOメモリ122に保持されている信号画素
のデータは、本実施例においては4ライン時間遅延さ
れ、このFIFOメモリ122からは、4ライン時間前
の中心ラインの信号画素のデータが順次出力される。
【0078】一方、図9のタイミングチャートに示され
るように、DPRAM116からは中心ラインの信号画
素のデータの基準電圧レベルを補正するための補正値と
なる累積加算データが読み出される。図9のタイミング
チャートのステップ1に示されるように、DPRAM1
16にアドレス30を入力することによって、B色の偶
数画素の補正値となる累積加算データが読み出され、レ
ジスタ118に保持されて出力される。レジスタ118
から出力される累積加算データは、8偶数画素および8
ラインからなる64個のダミー画素のデータを累積加算
したものであるため、6ビットLSB側にビットシフト
することによって1/64にされ、補正値として補正演
算部110に入力される。また、シフトされることによ
って切り捨てられる累積加算データの下位6ビットのデ
ータの少なくとも一部は確率補正部108に入力され、
確率補正値が算出されて補正演算部110に入力され
る。一方、FIFOメモリ122からは、上述するよう
に、4ライン時間前の中心ラインの信号画素の偶数画素
0のデータが出力され、レジスタ118から出力される
補正値とともに補正演算部110に入力される。そし
て、補正演算部110において、信号画素の偶数画素の
データから、補正値および確率補正値を減算することに
よって、偶数画素のデータの基準電圧レベルが補正され
る。
【0079】次いで、ステップ2において、DPRAM
116にアドレス32が入力され、B色の奇数画素のデ
ータの補正値となる累積加算データが読み出される。ま
た、FIFOメモリ122からは4ライン前の中心ライ
ンの信号画素の奇数画素0のデータが読み出される。そ
して、補正演算部110によって、同様に、信号画素の
奇数画素のデータの基準電圧レベルが補正される。
【0080】以後同様に上述する動作を繰り返し行うこ
とによって、B色の信号画素の偶数画素0〜2499お
よび奇数画素0〜2499のデータの基準電圧レベルを
補正することができる。また、図9のタイミングチャー
トには図示していないが、同様に、G色およびR色の信
号画素のデータの基準電圧レベルも全く同様に補正する
ことができる。このようにして、B色、G色、R色の信
号画素のデータの基準電圧レベルは補正される。
【0081】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回
路100は、基本的に以上のように動作する。なお、8
偶数画素および8ラインからなる64個のダミー画素の
データの平均値によって、信号画素の偶数画素のデータ
の基準電圧レベルを補正し、同様に、8奇数画素および
8ラインからなる64個のダミー画素のデータの平均値
によって、信号画素の奇数画素のデータの基準電圧レベ
ルを補正する場合を例に挙げて本発明の固体撮像素子の
オフセット補正回路を説明したが、本発明はこの実施例
だけに限定されるものではない。
【0082】例えば、補正値となる累積加算データを算
出する時のダミー画素の画素数は特に限定されない。即
ち、8画素および8ラインからなる64個のダミー画素
には限定されない。また、本実施例においては、信号画
素の前にあるダミー画素を用いて補正値を算出している
が、例えば信号画素の後ろにあるダミー画素を使用した
り、信号画素の前後にある両方のダミー画素を使用する
よう構成しても良い。さらに、B色、G色、R色の偶数
画素および奇数画素の補正値を別々に算出する例を示し
たが、例えば白黒画像の場合には色データの代わりに濃
度データを用いたり、偶数画素および奇数画素を区別す
ることなく補正値となる累積加算データを算出するよう
構成しても良いなど、本発明のオフセット補正回路が適
用されるシステムに応じて、適宜変更可能なことは言う
までもないことである。
【0083】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の固体
撮像素子のオフセット補正回路においては、まず、ダミ
ー画素のデータが、主走査方向に所定数累積加算され
て、1ライン当たりのダミー画素の累積加算データが算
出される。次いで、この1ライン当たりのダミー画素の
累積加算データが、副走査方向に所定数累積加算され
て、所定画素および所定ラインからなる所定数のダミー
画素の累積加算データが算出される。そして、この累積
加算データの平均値が信号画素のデータの基準電圧レベ
ルの補正値として用いられる。ところで、従来のオフセ
ット補正回路においては、次のダミー画素のデータを加
算し、最古のダミー画素のデータを減算していた。ま
た、ダミー画素のデータの累積加算データは、個々のレ
ジスタに保持され、信号画素のデータはSRAMによっ
て所定ライン時間遅延されていた。これに対し、本発明
の固体撮像素子のオフセット補正回路においては、最古
のダミー画素のデータの累積加算データが保持されるD
PRAMのアドレスに、次のダミー画素のデータの累積
加算データを上書きするよう構成し、さらに、ダミー画
素のデータの累積加算データを保持するメモリとしてD
PRAMを、また、信号画素のデータを所定ライン時間
保持するメモリとしてFIFOメモリを用いたことによ
って、従来のオフセット補正回路においては必要であっ
たデータ更新部のインバータ、SRAM、アドレス発生
器、減算器、ライン遅延部のアドレス発生器などの部品
が不要となり、従来のオフセット補正回路の約40%に
部品点数を削減することができ、同様に、部品コストを
従来の約2/3に削減することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回路を
適用する画像読取装置の一実施例の概念図である。
【図2】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回路の
一実施例のブロック図である。
【図3】補正値を算出する際に用いられるラインセンサ
のダミー画素の領域を示す一例の概念図である。
【図4】オフセット補正回路に入力される入力データの
一例のタイミングチャートである。
【図5】DPRAMのメモリマッピングの一実施例の概
念図である。
【図6】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回路の
動作を示す一実施例のタイミングチャートである。
【図7】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回路の
動作を示す一実施例のタイミングチャートである。
【図8】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回路の
動作を示す一実施例のタイミングチャートである。
【図9】本発明の固体撮像素子のオフセット補正回路の
動作を示す一実施例のタイミングチャートである。
【図10】ラインセンサの画素の構成を示す一例の概念
図である。
【図11】従来の固体撮像素子のオフセット補正回路の
一例のブロック図である。
【符号の説明】
10 (画像)読取装置 12 光源部 14 走査搬送部 16 読取光学系 20 光源 22 リフレクタ 24 スリット板 26 移動装置 28a,28b スリット 30 光学定盤 32 支柱 34 ハウジング 36 走査部材 38 ステージ 40 搬送手段 42,48,52 開口 44,72,82,88 モータ 46,80,86 ドライブシャフト 50 カセット 54 調整用開口 56,58 レンズユニット 60 分光プリズム 62 CCDセンサ 64 軸 66 ターレット 68,70 絞り 74 ギヤ 76 ブラケット 78 支持腕 84 保持部材 90 信号処理部 T (透過)原稿 L 光源 100,130 オフセット補正回路 102,132 データ更新部 104,134 補正データ作成部 106 136 ライン遅延部 108,138 確率補正部 110,140 補正演算部 112,118,120,142,150 レジスタ 114,154 加算器 116 DPRAM(デュアルポートRAM) 122 FIFOメモリ 144 インバータ 146,160 SRAM(スタティックRAM) 148,162 アドレス発生器 152 減算器 156a,156b,156c,156d,156e,
156f レジスタ 158 制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定数のダミー画素のデータを累積加算
    し、その平均値を補正値として用いることによって、信
    号画素のデータの基準電圧レベルを補正する固体撮像素
    子のオフセット補正回路であって、 前記ダミー画素のデータを保持するデータ更新部と、こ
    のデータ更新部から出力されるダミー画素のデータを所
    定数累積加算して前記補正値を算出する補正データ作成
    部と、この補正データ作成部により前記補正値が算出さ
    れるまでの間、前記信号画素のデータを所定ライン時間
    遅延させるライン遅延部と、前記補正値の小数点以下の
    数値と乱数値とから、前記補正値を確率補正する確率補
    正値を出力する確率補正部と、前記補正データ作成部か
    ら出力される補正値と前記確率補正部から出力される確
    率補正値とから、ライン遅延部により所定ライン時間遅
    延された信号画素のデータの基準電圧レベルを補正する
    補正演算部とを備え、 前記補正データ作成部は、前記データ更新部あるいは第
    1のレジスタの出力と第2のレジスタの出力とを加算す
    る加算器と、この加算器の出力を保持するメモリと、こ
    のメモリの出力を保持する前記第1のレジスタと、この
    第1のレジスタの出力を保持する前記第2のレジスタと
    を有し、 前記加算器の出力を前記メモリの第1のアドレスに保持
    し、このメモリの第1のアドレスの出力を前記第1のレ
    ジスタに保持し、前記加算器により前記データ更新部の
    出力と前記第1のレジスタの出力とを加算することを繰
    り返し行うことによって、前記ダミー画素のデータを主
    走査方向に所定数累積加算して第1の累積加算データを
    算出し、 前記加算器の出力を前記メモリの第2のアドレスに保持
    し、このメモリの第1のアドレスの出力を前記第1のレ
    ジスタに保持し、この第1のレジスタの出力を前記第2
    のレジスタに保持するとともに、前記メモリの第2のア
    ドレスの出力を前記第1のレジスタに保持し、前記加算
    器により前記第1および第2のレジスタの出力を加算す
    ることを繰り返し行うことによって、前記第1の累積加
    算データを副走査方向に所定数累積加算して第2の累積
    加算データを算出し、 この第2の累積加算データの平均値を前記補正値として
    用いることを特徴とする固体撮像素子のオフセット補正
    回路。
  2. 【請求項2】前記補正データ作成部のメモリはDPRA
    Mであり、前記ライン遅延部はFIFOメモリである請
    求項1に記載の固体撮像素子のオフセット補正回路。
  3. 【請求項3】前記第1および第2の累積加算データは、
    B(青)色、G(緑)色およびR(赤)色のダミー画素
    の偶数画素および奇数画素毎に算出される請求項1また
    は2に記載の固体撮像素子のオフセット補正回路。
JP7229099A 1995-09-06 1995-09-06 固体撮像素子のオフセット補正回路 Withdrawn JPH0974479A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7609422B2 (en) 2003-09-18 2009-10-27 Ricoh Company, Ltd. Document reading apparatus that reads a document image with a CCD image sensor
JP2014110500A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Kyocera Document Solutions Inc 画像処理装置及び画像処理プログラム
JP2014110501A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Kyocera Document Solutions Inc 画像処理装置及び画像処理プログラム

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7609422B2 (en) 2003-09-18 2009-10-27 Ricoh Company, Ltd. Document reading apparatus that reads a document image with a CCD image sensor
JP2014110500A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Kyocera Document Solutions Inc 画像処理装置及び画像処理プログラム
JP2014110501A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Kyocera Document Solutions Inc 画像処理装置及び画像処理プログラム

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