JP2014110501A - 画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 対象の画像の入力色値(RGB値)を対応する出力色値(CMYK値)に色変換し仮出力色値(仮CMYK値)として取得する色変換処理部110と、仮出力色値を、当該仮出力色値をなす色成分ごとに、その小数値を、その値に応じて定まる確率にもとづいて切り上げ又は切り下げを行った整数値に変調する色値変調部111と、変調後の色値にもとづいて対象の画像の出力を行う出力部12と、を備える構成とする。
【選択図】図2
Description
しかし、このような画像処理によれば、原理的には階調表現が可能であっても、安定性向上、所望の階調曲線を得るため等の理由により階調数が制限される場合には、画像中に視覚的に不連続を生じ、いわゆる擬似輪郭(偽輪郭)となって、画質を著しく低下させることがある。
そこで、このような擬似輪郭の問題を解決するため、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
このような技術によれば、例えば、入出力特性において連続性の欠ける部分にノイズを加えたり(特許文献1参照)、誤差拡散法の基準値を変更する(特許文献5参照)等、主に階調性を向上させる補正等を行うことによって、擬似輪郭の発生を防止するようにしている。
すなわち、従来は、擬似輪郭の発生要因である階調に関する問題に着目してその問題を解決する技術はあったが、同一の色値が連続することにより発生する擬似輪郭の問題を直接的に解決する技術は存在しなかった。
また、擬似輪郭を防ぐための補正や加工を必要以上に行うと却って画質の低下を招くおそれがあるが、このようなトレードオフの問題をともに解決することができる技術は存在しなかった。
本実施形態の画像処理装置1は、図1に示すように、対象の画像を入力する入力部10、入力した対象画像に対し必要な画像処理を行う制御部11、及び、制御部11による画像処理が施された画像にもとづいて印刷等の出力を行う出力部12を備え、例えば、プリンターやMFP(Multifunction Peripheral)の画像形成装置が該当する。
制御部11における画像処理としては、対象画像の入力色値を出力色値に色変換する処理や、前述の面積階調法等を用いてドット画像を生成する処理が挙げられる。
より具体的には、パーソナルコンピュータ等から入力した印刷データを解釈し、オブジェクトに付されたRGB値(入力色値)を対応するCMYK値(出力色値)に色変換し、ラスタライズ処理やスクリーン処理を経てドット画像を生成する。
そして、生成されたドット画像に対し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各トナーを適用することによって印刷処理が行われる。
このようにすると、出力色値が微細にかつ不規則に変調されるため、面積階調法等を用いた画像処理の弊害として生ずる擬似輪郭のうち、特に、同一色が連続することによる擬似輪郭の発生を効果的に防ぐことができる。
以下、このような特徴的な作用効果を奏する画像処理装置1について、第一及び第二の実施形態を挙げて説明する。
図2は、本発明の第一実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の制御部11aは、対象の画像の入力色値を対応する出力色値に色変換し仮出力色値として取得する色変換処理部(色変換処理手段)110と、仮出力色値の整数値を、仮出力色値をなす色成分ごとにその小数値をランダムに切り上げ又は切り下げを行い、その際、小数値に応じて定まる確率にもとづいて切り上げ又は切り下げを行うことによって、仮出力色値に対する変調を行う色値変調部(色値変調手段)111と、を機能ブロックとして備える。
具体的には、RGB値とCMYK値との対応付けに相当する格子点により3次元直交格子状に現したLUT(Look Up Table)を予め備え、対象の画素のRGB値を、このLUTを参照することで、対応するCMYK値に色変換する。格子点間の座標に位置するRGB値については、既知の内挿補間演算によって対応するCMYK値を求める。
なお、各格子点及び格子点間に係るCMYK値は、少数値定義とし、小数値の端数処理や整数定義は行わないものとする。
また、色変換後の出力色値(CMYK値)であって、未だ変調が施されていないものを仮出力色値(仮CMYK値)と呼称する。
整数部/小数部分離手段1110は、仮出力色値を整数部と小数部とに分離し、整数部は最終CMYK値設定手段1111に出力し、小数部は小数部比較手段1113に出力する。
乱数発生手段1112は、0〜1の範囲内に含まれる数値(小数値)をランダムに、かつ、その範囲内においてほぼ偏りのない乱数として発生させる。乱数は、例えば、変調の対象である画素ごとで、さらに、C,M,Y,Kごとに順次発生させたものを取得して小数部比較手段1113に出力する。
最終CMYK値設定手段1111は、小数部比較手段1113から入力した命令に応じ、仮出力色値を変調する。具体的には、「切り上げる旨」の命令に対しては、仮出力色値の小数値を切り上げた値、すなわち、仮出力色値の整数値に1を加算した値とし、他方、「切り下げる旨」の命令に対しては、仮出力色値の小数値を切り下げた値、すなわち、仮出力色値の整数値をそのままとする。
C,M,Y,Kのそれぞれについて、このような切り上げ又は切り下げの処理を行うため、実質、16通りの変調候補の中からいずれかが選択されて変調が行われる。
この場合、整数部は{125,133,234,58}となり、小数部は{0.5,0.2,0.8,0.1}となる。また、この例において、C,M,Y,Kに対応した乱数として0.11、0.82、0.45、0.61が得られたものとする。
C(シアン)の仮出力色値の小数値(0.5)は、乱数の値(0.11)を超過しているため、小数値は切り下げられ、C=125となる。
M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)についても同様の処理を行うと、M=134、Y=234、K=59となる。
この結果、対象の仮CMYK値{125.5,133.2,234.8,58.1}は、{125,134,234,59}に変調される。
なお、上述のようにチャンネルごとに乱数を求めるのではなく、対象の画素については各チャンネルが同じ乱数を基準として切り上げ又は切り下げの判断を行うようにすることもできる。
一例として、仮出力色値{C,M,Y,K}={125.5,133.2,234.8,58.1}の画素が100個連続している領域に変調を行った場合について説明する。
この場合、連続するその画素数に相当する100個の乱数が取得される。
そして、各乱数は、0〜1の範囲内に含まれる小数値をその範囲内においてほぼ偏りなく発生させたものである。
このため、上記例において、Kの仮出力色値は、その小数値が0.1であるため、乱数が0.1を超過する確率((1−0.1)/1=90%)で切り下げが行われて変調が行われる。
例えば、上記例において、仮に小数値を四捨五入して変調したとすると、100個の連続画素におけるK値は、一律に切り下げられる結果、変調後の色値がすべて同値(K=58)となるが、本実施形態によれば、90個が切り下げられ、10個が切り上げられる結果、K=58の色値の画素とK=59の色値の画素とが散在することとなる。
このため、本実施形態の変調処理によれば、特に色値が小数値レベルで同一となる画素が連続する場合においても、擬似輪郭の発生を効果的に防止することができる。
変調付加スイッチ1114は、設定信号を最終CMYK値設定手段1111に出力する。
最終CMYK値設定手段1111は、変調付加スイッチ1114から変調を行わない旨の信号を入力すると、最終CMYK値設定手段1111は、仮CMYK値の整数部の値(整数値)をそのまま出力部12に出力し、出力部12は、その整数値にもとづいて対象の画像の出力を行う。
このため、例えば、擬似輪郭の発生が想定されない等、画質を犠牲にしてまで変調を行うメリットがない場合、同一色値が不連続になることによる圧縮率の低下を望まない場合、その他の理由により変調を望まない場合に便宜である。
また、整数値をそのまま出力することで変調を制限するようにしているため、元の構成や動作を複雑化することなく、簡易に実現することができる。
このため、出力色値が微細にかつ不規則な色値に変更される結果、同一の色値(とりわけ小数値ベースでの同一)が連続することによる擬似輪郭の発生をより効果的に防止できるようになる。
また、この結果、出力色値の最小分解能に相当する値にもとづいて色値の変調を行うこととなるため、擬似輪郭の発生を防ぐ一方で画質が低下するといったトレードオフの問題をともに解決することができる。
すなわち、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、画質を保持しながらも擬似輪郭の発生を効果的に防ぐことができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る画像処理装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の画像処理装置1は、制御部11bが、色変換処理部110及び色値変調部111を備える点において前述の第一実施形態と同様である。ところが、本実施形態の制御部11bは、変調チャンネル選択手段(色選択手段)1115をさらに備える点において異なる。
このため、以下、主に変調チャンネル選択手段1115に関する事項について説明し、他の構成部の詳細な説明は省略する。
具体的には、図4に示すように、(i)Kチャンネルのみ変調する場合(第一モード)、(ii)CMYチャンネルのみ変調する場合(第二モード)、(iii)CMYK全チャンネル変調する場合(第三モード)、といったように、選択チャンネルに応じたモードを設け、ユーザーが一定の操作によっていずれかのモードを選択できるようにしておく。
モードの選択によって変調チャンネルが選択されると、選択されたチャンネルの識別情報を含む切換え制御信号が最終CMYK値設定手段1111へ出力され、最終CMYK値設定手段1111は、その識別情報から変調対象のチャンネルを特定してそのチャンネルの仮出力色値のみ変調を行い、出力部12に対しては、選択されたチャンネルについては変調後の色値を、選択されたチャンネル以外のチャンネルに対しては、仮出力色値の整数値をそのまま出力する。
また、識別情報を含む制御信号を整数部/小数部分離手段1110に出力し、選択したチャンネルのみ整数部と小数部の分離を介して変調を行い、選択されたチャンネル以外のチャンネルに対しては係る分離を行わず、元の仮出力色値を出力するようにすることもできる。
このようにすると、選択された色の仮出力色値のみ変調が行われ、変調が行われた色値、及び、変調が行われていない仮出力色値にもとづいて対象の画像の出力が行われることとなる。
このため、例えば、色相の変調を回避したい場合にはCMYチャンネルについて変調を行わない第一モードを選択することによって、明度方向にのみ変調を行うことが可能となる。
また、粒状性の変化を望まない場合や大きな明度変化を望まない場合には、Kチャンネルについては変調を行わない第二モードを選択することによって、所望の変調を行うことが可能となる。
したがって、第一実施形態と同様の作用効果を奏しつつ、さらに、ユーザーの利便性に優れた画像処理装置1を提供することができる。
次に、画像処理プログラムについて説明する。
上記実施形態におけるコンピュータ(画像処理装置)の色変換処理機能、色値変調機能等は、ROM等に記憶された画像処理プログラムにより実現される。
画像処理プログラムは、コンピュータの制御手段(CPUなど)に読み込まれることにより、コンピュータの構成各部に指令を送り、前記各機能に対応した各手段(色変換処理手段、色値変調手段、出力手段、乱数発生手段、色選択手段)を実行させる。
これによって、前記各機能は、ソフトウェアである画像処理プログラムとハードウェア資源であるコンピュータの各構成手段とが協働することにより実現される。
外部記憶装置とは、CD−ROM(Compact disc−Read Only Memory)等の記録媒体を内蔵し、画像処理装置1に外部接続されるメモリ増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、例えば、フレキシブルディスク、メモリカード、光磁気ディスク等をいう。
さらに、コンピュータで画像処理プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された画像処理プログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされたプログラムも、CPUにより実行されることによって上述した実施形態の各機能を実現することができる。
このため、上記画像処理プログラムを他のデバイスにインストールすることによって、本実施形態に係る画像処理装置1と同様の作用効果を奏する装置を構成することが可能となる。
例えば、プリンター、MFP以外の画像形成装置においても本発明を適用することができる。
また、前述の実施形態においては、RGBtoCMYK変換手段1100が、入力色値と出力色値とが直接対応付けられた1段のLUTを介して色変換処理を行うようにしているが、このような態様に限定されるものではなく、結果として画像処理装置1の出力色値が得られるのであれば特にLUTの構成や色変換処理の工程等を問わない。
例えば、図5に示すように、RGB値(入力色値)とCMYK値(出力色値)との色変換処理を、XYZ空間やLab空間への色変換を行うLUTを介し、数段階に分けて行うこともできる。
また、前述の実施形態においては、色値変調部111が、仮出力色値の小数値が乱数の値を超過した場合にはその小数値を切り下げ、仮出力色値の小数値が乱数の値以下の場合にはその小数値を切り上げることにより変調を行うようにしているが、これとは反対に、仮出力色値の小数値が乱数の値を超過した場合にはその小数値を切り上げ、仮出力色値の小数値が乱数の値以下の場合にはその小数値を切り上げるように変調することもできる。
10 入力部
11 制御部
110 色変換処理部
1100 RGBtoCMYK変換手段
111 色値変調部
1110 整数部/小数部分離手段
1111 最終CMYK値設定手段
1112 乱数発生手段
1113 小数部比較手段
1114 変調付加スイッチ
1115 変調チャンネル選択手段
12 出力部
Claims (4)
- 対象の画像の入力色値を対応する出力色値に色変換し仮出力色値として取得する色変換処理手段と、
前記仮出力色値を、当該仮出力色値をなす色成分ごとに、その小数値を、その値に応じて定まる確率にもとづいて切り上げ又は切り下げを行った整数値に変調する色値変調手段と、
前記変調後の色値にもとづいて前記画像の出力を行う出力手段と、を備える
ことを特徴とする画像処理装置。 - 設定操作に応じ、前記変調を行うか否かの設定を行う変調付加スイッチと、を備え、
前記出力手段は、
前記変調を行わない設定が行われた場合に、前記仮出力色値の整数値にもとづいて前記画像の出力を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 選択操作に応じて、前記仮出力色値をなす色成分の一部又は全部を選択する色選択手段を備え、
前記色値変調手段は、
前記選択された色成分の仮出力色値に対してのみ前記変調を行い、
前記出力手段は、
前記変調が行われた色値、及び、前記変調が行われていない色成分の前記仮出力色値の整数値にもとづいて前記画像の出力を行う
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
対象の画像の入力色値を対応する出力色値に色変換し仮出力色値として取得する色変換処理手段、
前記仮出力色値を、当該仮出力色値をなす色成分ごとに、その小数値を、その値に応じて定まる確率にもとづいて切り上げ又は切り下げを行った整数値に変調する色値変調手段、及び
前記変調後の色値にもとづいて前記画像の出力を行う出力手段、として機能させる
ことを特徴とする画像処理プログラム。
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