JP2002165075A - 画像読取装置及び合焦制御方法 - Google Patents

画像読取装置及び合焦制御方法

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JP2002165075A
JP2002165075A JP2001250560A JP2001250560A JP2002165075A JP 2002165075 A JP2002165075 A JP 2002165075A JP 2001250560 A JP2001250560 A JP 2001250560A JP 2001250560 A JP2001250560 A JP 2001250560A JP 2002165075 A JP2002165075 A JP 2002165075A
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Toshiyuki Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像読み取りを高速化する。 【解決手段】 プレスキャン処理によって読取条件の設
定等を行った後、レンズユニットの温度を測定する。R
AMから読み出された設定温度と測定温度とを比較す
る。温度差が4℃未満である場合は、RAMから読み出
した設定合焦位置情報を温度差により補正して合焦位置
を算出し、焦点位置合わせを行う。温度差が4℃以上で
ある場合は、フォーカスサーチ処理によって合焦位置を
検出し、焦点位置合わせを行う。さらに、測定温度及び
合焦位置を設定温度情報及び設定合焦位置情報としてR
AMに書き込み、データを更新する。レンズユニットの
温度変化が一定範囲内である場合は、フォーカスサーチ
処理が不要となる。合焦位置合わせに要する時間が短縮
され、読取処理を高速に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズユニットの
温度変化を考慮しながら写真フイルム等の読取対象原稿
の記録面に焦点合わせを行う合焦制御方法と、この合焦
制御方法を用いて焦点合わせを行い、読取対象原稿に記
録された画像を光学的に読み取る画像読取装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】画像が記録された写真フイルムに対して
読取光を照射し、レンズ装置を用いて光学像をCCDイ
メージセンサに結像して画像を光学的に読み取り、光電
変換によって得られた画像データに対して各種の画像処
理を施した後にディスプレイに処理後の画像を表示した
り、画像のハードコピーを行う写真処理システムが広く
知られている。この写真処理システムは、フイルム画像
を面露光により直接印画紙に記録する従来のシステムと
比較して、画像処理により記録画像の画質を自在に調節
することができるという特長がある。
【0003】このような写真フイルムに記録された画像
を読み取る写真処理システムでは、高精細でかつ色再現
が優れていることが要求されるとともに、多様なフイル
ムサイズに対応したり、トリミング等の用途にも対応す
ることが要求される。このため、レンズ装置には、蛍石
や光屈折率低分散ガラス等の特殊光学材料が用いられて
いる。しかし、このような特殊光学材料は、一般的に温
度変化による屈折率変動が大きいため、合焦位置が変動
し易いという問題がある。
【0004】上記の問題に対処するため、特開平9−5
1408号公報には、読取範囲の設定や読取条件の決定
を行うためのプレスキャン処理と、高解像度で画像の読
み取りを行うファインスキャン処理との間に、合焦位置
検出のためのフォーカスサーチ処理を行う画像読取装置
が開示されている。また、特開平9−152540号公
報には、レンズ装置の温度をモニターする温度センサ
と、基準温度における合焦位置までの基準移動量データ
と、温度変動量に応じた移動補正量データとを記憶する
手段を備え、これらのデータから予測合焦位置を算出
し、レンズ装置を前記予測合焦位置まで移動した後でフ
ォーカスサーチ処理を行う画像入力用レンズ装置が開示
されている。上記公報に開示された発明によれば、レン
ズ装置の温度が変動した場合でも、フォーカスサーチ処
理を効果的に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このフォーカスサーチ
処理は、レンズ装置を予測合焦位置まで移動した後でレ
ンズ装置をサーチエリア内で少しずつ移動しながら合焦
位置の検出を行うことから、処理に一定の時間を要す
る。このため、画像の読取処理を高速化して処理能力を
向上する上で大きな障害となっていた。
【0006】本発明は上記問題点を考慮してなされたも
のであり、短時間で合焦位置を検出することができる合
焦制御方法及びこの合焦制御方法を用いて画像読取を行
うようにした画像読取装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の画像読取装置は、読取対象原稿に記
録された画像を光電的に読み取るイメージセンサと、読
取対象原稿に照射された読取光をイメージセンサに結像
するための撮影レンズと、撮影レンズの温度を測定する
温度センサと、イメージセンサと撮影レンズとを支持す
る支持部材を光軸方向に移動しながら、撮影レンズによ
る画像の結像面が前記イメージセンサと一致する合焦位
置を探索するフォーカスサーチ機能を有する合焦制御手
段と、フォーカスサーチで得られた合焦位置を設定合焦
位置データとし、そのときの撮影レンズの測定温度を設
定温度データとして記憶するとともに、設定温度と撮影
レンズの測定温度との温度差に応じた温度補正データを
記憶した記憶手段とを備え、設定温度と撮影レンズの測
定温度との温度差が所定値未満であるときに、設定合焦
位置データと温度補正データとから合焦位置を算出し、
この合焦位置に基づき定められた停止位置に支持部材を
移動することを特徴としている。これにより、フォーカ
スサーチを行う時間が短縮されるから、読取処理が高速
化する。
【0008】また、基準温度と撮影レンズの測定温度と
の温度差が所定値以上である場合にフォーカスサーチを
行って支持部材を合焦位置へと移動するとともに、前記
フォーカスサーチで得られた合焦位置及び測定温度を、
それぞれ設定合焦位置データ及び設定温度データとして
記憶手段に書き込み、これらを更新することが好まし
い。
【0009】画像の読取倍率に応じて撮影レンズを光軸
方向に移動自在とし、個々の読取倍率ごとに温度補正デ
ータを定めて記憶手段に記憶しても良い。また、読取条
件設定のために低解像度での画像読取を行うプレスキャ
ン処理と、高解像度での画像読取を行うファインスキャ
ン処理との間に焦点位置合わせを行うことが好ましい。
また、装置の起動時又は前記読取対象原稿を支持又は搬
送させるキャリアを装置にセットした際にフォーカスサ
ーチを行うようにしても良い。
【0010】また、フォーカスサーチによって得られた
合焦位置及び測定温度を、探索合焦位置データ及び探索
温度データとして順次記憶する共役長テーブルを備え、
撮影レンズの測定温度が探索温度データに基づき定めら
れた所定の温度範囲内にあるときは、当該探索温度デー
タに対応する探索合焦位置データを用いて、支持部材の
合焦位置を決定するようにしても良い。これにより、温
度測定を行うだけで合焦位置が決定されるから、読取処
理をさらに短縮化できる。
【0011】また、撮影レンズの特性に応じて温度補正
データを変更自在としても良い。さらに、所定時間前に
得られた撮影レンズの測定温度を基にして、支持部材の
合焦位置を決定しても良い。
【0012】本発明の温度制御方法は、撮影レンズの測
定温度と設定温度との温度差が所定値未満であるとき
に、温度差に応じて定められる支持部材の温度補正デー
タと設定合焦位置データとから合焦位置を算出し、この
合焦位置に支持部材を移動し焦点位置合わせを行い、撮
影レンズの測定温度と設定温度との温度差が所定値以上
であるときに、支持部材を光軸方向に移動しながら合焦
位置の探索を行って焦点位置合わせを行い、このときの
合焦結果及び前記撮影レンズの測定温度を、それぞれ設
定合焦位置データ及び設定温度データとして更新するこ
とを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像読取装置を
備えたデジタルプリントシステムの概略図である。デジ
タルプリントシステム10は、ラインCCDスキャナ1
1と画像処理部12とを有する画像読取装置13と、レ
ーザープリンタ14とプロセサ15とを有する出力機1
6とから構成される。
【0014】ラインCCDスキャナ11は、ネガフイル
ムやリバーサルフイルム等の写真フイルム17(図2参
照)に記録された画像を光電的に読み取る装置であり、
読み取られた画像は画像データに変換されて画像処理部
12へ出力される。図2に示すように、ラインCCDス
キャナ11は、写真フイルム17を支持搬送するフイル
ムキャリア20と、フイルムキャリア20の下方に配さ
れる光源部21と、フイルムキャリア20に交換可能に
セットされ、フイルムキャリア20を挟んで光源部21
の反対側に配設される読取部23とで構成される。
【0015】光源部21には、ハロゲンランプやメタル
ハライドランプ等からなるランプ24が備えられ、IR
カットフィルタ25、光量調整絞り板26、バランスフ
ィルタ27、光拡散ボックス30、拡散板31が光軸L
に沿って順に配置されている。ランプ24の周囲にはリ
フレクタ32が設けられ、ランプ24から発せられた読
取光を写真フイルム17へ向けて反射する。なお、ラン
プ24の代わりにLED等の発光素子を用いることもで
きる。
【0016】光量調整絞り板26は、光軸Lを挟んで配
された一対の板材からなり、この一対の板材が図中矢線
方向に接離可能となっている。これにより、ランプ24
からの光量を調整することができる。バランスフィルタ
27には、ネガフイルム用フィルタ27aとリバーサル
フイルム用フィルタ27bとが設けられ、色温度調整の
ためにいずれか一方が選択的に光軸Lに挿入される。ま
た、バランスフィルタ27を通過した読取光は、光拡散
ボックス30によって写真フイルム17の幅方向を長手
方向とするスリット光となり、拡散板31によって拡散
される。これにより、写真フイルム17の幅方向に均一
なスリット光が写真フイルム17の記録面に照射され
る。
【0017】フイルムキャリア20は、写真フイルム1
7を支持するキャリアベース33と、写真フイルム17
の光軸方向へのばたつきを抑制するフイルムマスク34
と、搬送ローラ対35,36とからなる。フイルムキャ
リア20は、135タイプやIX240タイプ等の各種
タイプ毎に用意されており、読み取りに用いられる写真
フイルム17の種類に適合したものがセットされる。フ
イルムキャリア20にセットされた写真フイルム17
は、搬送ローラ対35,36によって、記録面が光軸L
と垂直な方向(A方向、B方向)に搬送される。A方向
送り時では画像を高速かつ低解像度で読み取るプレスキ
ャン(予備読み取り)が行われ、B方向送り時では画像
を低速かつ高解像度で読み取るファインスキャン(本読
み取り)が行われる。
【0018】プレスキャンで得られた画像はディスプレ
イ等に表示され、この画像を基にして、ファインスキャ
ンにより得られる画像データに対する各種画像処理の処
理条件が決定される。また、プレスキャンにより得られ
た画像を基に、光量調整絞り板26の絞り量や、CCD
ラインセンサ40の電荷蓄積時間等の読取条件が決定さ
れる。これにより、フイルム画像の濃度が極端に低い場
合でもCCDラインセンサ40での蓄積電荷の飽和を防
止することができる。
【0019】フイルムマスク34の光軸Lに対応する部
分には、写真フイルム17の幅方向に細長く延びた開口
34aが形成されている。光源部21から写真フイルム
17に照射された読取光は、この開口34aを通過して
読取部23に照射される。
【0020】読取部23は、レンズ鏡筒37と、このレ
ンズ鏡筒37の奥に配置されるCCDラインセンサ40
と、これらを固定する支持板41とから構成される。C
CDラインセンサ40は、写真フイルム17の搬送方向
(副走査方向)に並べられたR、G、BのCCDセル列
から構成されている。CCDセル列は、各CCDセルを
写真フイルム17の幅方向(主走査方向)に多数並べて
構成される。写真フイルム17を通過した読取光は、ラ
イン状に並べられたCCDセル列に照射され、各色毎の
画像データに変換されて画像処理部12に送られる。
【0021】レンズ鏡筒37は、支持板41に固定され
た固定筒42と、固定筒42の内部に回動自在に配され
る回転筒43と、複数枚のレンズを備え、光軸方向に移
動自在に配されたレンズユニット44と、レンズ鏡筒3
7の内部に取り付けられる温度センサ45とから構成さ
れる。レンズユニット44は、フイルム画像をCCDラ
インセンサ40に結像するための結像光学系として用い
られる。また、レンズユニット44にはカムピン46が
立設され、このカムピン46は、固定筒42に形成され
た直線状のカム溝42aと、回転筒43に形成された螺
旋状のカム溝43aとに係合する。回転筒43が回転す
ると、カム溝42a,43aとカムピン46との係合に
より、レンズユニット44が光軸Lと平行な方向に移動
する。
【0022】固定筒42の外部にはギア48が形成さ
れ、このギア48は図示しないピンを介して回転筒43
と係合しており、ギア48とともに回転筒43が回転す
る。また、ギア48は、ギア47aを介してレンズモー
タ47に接続されている。このレンズモータ47にはパ
ルスモータが用いられ、制御部53(図3参照)からの
駆動パルスを受けて駆動する。レンズモータ47が駆動
すると、これに接続されたギア48及び回転筒43が回
転する。そして、レンズユニット44が光軸Lに沿って
移動することで、フイルム画像の変倍動作が行われる。
回転筒43の回転位置とレンズユニット44の位置とは
一対一に対応しており、回転筒43の回転量(レンズモ
ータ47に与えるパルス数)に応じてフイルム画像の読
取倍率を任意の値に定めることができる。
【0023】レンズ鏡筒37の内部には、暗電流補正等
に用いられる公知のレンズシャッタや、光量調整用の絞
り板等が設けられている。なお、レンズユニット44を
光軸Lに沿って移動する機構は本実施形態のものに限定
されず、公知の機構を適用することができる。また、レ
ンズユニット44の代わりに公知のズームレンズを用い
ても良い。
【0024】光軸Lに沿って延びたガイドロッド50が
回転自在に設けられ、支持板41に形成されたネジ穴と
螺合している。また、ガイドロッド50には、ギア51
を介して共役長モータ52が接続されている。この共役
長モータ52にはパルスモータが用いられ、制御部53
(図3参照)からの駆動パルスを受けて駆動する。支持
板41は図示しないガイド機構によって回動不能にされ
ており、且つ、ガイドロッド50の軸方向に移動自在と
されている。共役長モータ52からの駆動力を受けてガ
イドロッド50が回転すると、支持板41が光軸Lと平
行な方向に移動し、写真フイルム17とCCDラインセ
ンサ40との距離(共役長)が変化する。これにより、
レンズユニット44の焦点合わせが行われる。
【0025】温度センサ45は、例えばサーミスタが用
いられ、レンズユニット44の温度を測定している。温
度センサ45において検出された温度データは制御部5
3(図3参照)に送られて、レンズユニット44の焦点
合わせを行う際に用いられる。なお、本実施形態では、
温度センサ45をレンズ鏡筒37の内部に設けている
が、レンズ鏡筒37の外部に取り付けても良い。
【0026】図3は、画像読取装置13の電気的構成を
示したものである。画像読取装置13には、CCDライ
ンセンサ40や各種モータ、各種位置センサ等を駆動制
御する制御部53が備えられている。この制御部53
は、マイクロプロセサ54と、このマイクロプロセサ5
4に接続されたROM55、RAM56、ランプドライ
バ57、モータドライバ60とから構成される。ランプ
ドライバ57は、マイクロプロセサ54からの指令に応
じてランプ24を点灯又は消灯する。
【0027】モータドライバ60には、レンズモータ4
7、共役長モータ52、絞り駆動モータ61、バランス
フィルタ駆動モータ62等が接続されている。レンズモ
ータ47には、レンズユニット44の位置を検出するレ
ンズ位置センサ63が接続されている。マイクロプロセ
サ54は、レンズ位置センサ63からの位置データに基
づいてレンズモータ47に駆動パルスを与える。また、
共役長モータ52には、支持板41の位置(共役長)を
検出する読取部位置センサ64が接続されており、支持
板41の初期位置からの移動量を表す信号がマイクロプ
ロセサ54に送られる。
【0028】絞り駆動モータ61は、絞り位置センサ6
5の信号に基づき回転駆動され、光量調整絞り板26の
光軸Lへの挿入位置を調節する。バランスフィルタ駆動
モータ62は、バランスフィルタ位置センサ66からの
位置データに基づき回転駆動され、バランスフィルタ2
7を切り換える。これにより、ネガフイルム用フィルタ
本体27aとリバーサルフイルム用フィルタ本体27b
のいずれか一方が光軸L上に挿入される。
【0029】マイクロプロセサ54は、プレスキャン処
理又はファインスキャン処理を行う際に、写真フイルム
17に照射される光量を各成分色光毎に調節する。ま
た、マイクロプロセサ54は、フイルム画像のサイズや
トリミングを行うか否か等に応じて読取画像の範囲を決
定するとともに、この読取範囲内の画像データが得られ
るようにレンズモータ47を駆動制御する。また、マイ
クロプロセサ54は、共役長モータ52を駆動して支持
板41を合焦位置へ移動するフォーカスサーチ処理を行
い、CCDラインセンサ40の受光面とレンズユニット
44によるフイルム画像の結像位置とを一致させる。
【0030】ROM55及びRAM56は、バス67を
介してマイクロプロセサ54と接続され、相互にデータ
の受け渡しを行う。ROM55には、レンズユニット4
4の基準温度データと、支持板41の初期位置(ホーム
ポジション(HP))から基準温度時における合焦位置
(基準合焦位置)までの基準移動量データ(共役長モー
タ52に与える基準パルス数)と、基準温度からの温度
変化に対する、基準合焦位置から合焦位置までの温度補
正量データ(共役長モータ52に与える補正パルス数)
とが、個々の読取倍率及びフイルムキャリアについて書
き込まれている。この補正パルス数は、例えば、図4に
示すように、レンズユニット44の温度が基準温度より
低くなる程大きくなるように(すなわち、レンズユニッ
ト44の移動量が大きくなるように)定められている。
さらに、ROM55には、各読取倍率に応じたレンズユ
ニット44の移動量データ(レンズモータ47に与える
パルス数)が書き込まれている。
【0031】これらのデータは、画像読取装置の工場出
荷時又はメンテナンス時に、種々の温度条件において合
焦位置の検出を行うことによって得られる。この検出方
法としては、例えば、特開2000−89374号公報
に記載されているフォーカスキャリブレーション処理を
適用することができる。
【0032】RAM56には、後述のフォーカスサーチ
処理を行った際の、支持部41の初期位置から合焦位置
までの移動量データ(AFサーチ合焦パルスデータ)
と、その際の温度データ(AFサーチ温度データ)とが
書き込まれている。このAFサーチ合焦パルスデータ及
びAFサーチ温度データは、設定合焦位置データ及び設
定温度データとして、後述するフォーカスサーチ処理を
行う度にRAM56に書き込まれ、その都度更新され
る。
【0033】CCDラインセンサ40は、タイミングジ
ェネレータ70を介して制御部53に接続されている。
タイミングジェネレータ70は、CCDラインセンサ4
0やA/D変換器72R、72G、72B等を動作させ
るための各種のタイミング信号(クロック信号)を発生
する。CCDラインセンサ40から出力された画像信号
は、増幅器71R、71G、71Bで増幅された後にA
/D変換器72R、72G、72Bでデジタルデータに
変換され、フイルム画像の各色毎の濃度に対応する画像
データとして相関二重サンプリング回路(CDS)73
R、73G、73Bに送られる。
【0034】CDS73R、73G、73Bでは、フィ
ードスルー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及
び画素信号のレベルを表す画素データを各々サンプリン
グし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータ
を減算する。この減算により、CDS73R、73G、
73Bからは、各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対
応するR、G、Bの画素データが並列に出力され、イン
ターフェース(I/F)回路74を介してスキャン画像
データとして画像処理部12へと送られる。
【0035】画像処理部12では、CCDラインセンサ
40から送られる画像データに対して、暗補正や明補正
等の画像処理を行う。また、画像処理部12では、プレ
スキャンにより得られた画像をディスプレイ75に表示
するとともに、プリント対象の画像コマの特定や、この
画像コマのファインスキャン時の読取条件を設定する。
そして、ファインスキャンにより得られた画像データに
対して、例えば階調変換、色変換、画像の超低周波輝度
成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制
しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス
処理等の画像処理を施した後に、このプリント対象画像
コマの記録用画像データをレーザープリンタ14に送
る。
【0036】レーザープリンタ14(図1参照)には、
R、G、Bのレーザ光源と、記録用画像データに基づき
レーザ光の強度を変調させる変調回路とが備えられてい
る。レーザープリンタ14では、変調回路によって強度
変調されたレーザ光を印画紙に照射し、走査露光によっ
て印画紙に潜像を形成する。また、プロセサ15は、走
査露光済みの印画紙に対し、発色現像、漂白定着、水
洗、乾燥の各処理を施す。これにより印画紙上にポジ画
像が形成される。
【0037】次に、本実施形態におけるフォーカスサー
チ処理の手順について、図5〜図8を参照しながら説明
する。図5に示すように、写真フイルム17の下面側に
はガラス等の透光性を有する支持部材76が設けられ、
その中心が光軸Lと一致するようにキャリアベース33
に取り付けられている。この支持部材76は、その長手
方向が写真フイルム17の副走査方向と平行となってお
り、光軸Lに対して対称な両端側の位置に、写真フイル
ム17の搬送方向に沿った複数の直線が描かれたチャー
ト76a,76bが設けられている。なお、チャート7
6a,76bが設けられている部分、あるいはチャート
76a,76bと写真フイルム17のパーフォレーショ
ン部分のみに透光性を有する部材を設けても良い。この
場合には、写真フイルム17の画像エリアを通過した読
取光を通過させるための開口を支持部材76に形成する
必要がある。
【0038】図6に示すように、チャート76a,76
bからの光は、レンズユニット44を通過してCCDラ
インセンサ40の両端部40a,40bに照射される。
この両端部40a,40bに照射される光量に基づいて
チャート76a,76bに対する合焦位置を決定する。
【0039】測定温度が基準温度と異なると、レンズユ
ニット44による合焦位置が変動するので、測定温度と
基準温度との差に応じて基準合焦位置を補正する必要が
ある。マイクロプロセサ54は、まず、ファインスキャ
ン処理時の読取倍率と同じ読取倍率における基準移動量
データをROM55から取得する。それとともに、RO
M55から基準温度データを読み出す。
【0040】次のステップでは、温度センサ45によっ
てレンズユニット44の温度データを取得し、基準温度
との温度差を算出する。そして、算出した温度差及び読
取倍率を図4に示す温度補正テーブルに代入して、補正
移動量を算出する。そして、基準移動量と補正移動量と
を加算することにより予測合焦位置までの移動量(共役
長モータ52への駆動パルス数)を算出し、この予測合
焦位置を基準とした一定範囲の検査領域(サーチエリ
ア)を設定する(図7参照)。
【0041】サーチエリアの設定後、マイクロプロセサ
54は、共役長モータ52を駆動して支持板41を上記
サーチエリアにおけるサーチ開始位置に移動する。そし
て、支持板41を少しずつサーチ終了位置へとスライド
移動する。このスライド移動中に一定時間間隔でチャー
ト76a,76bの画像を取り込む。本実施形態では、
サーチエリア内の6箇所の位置で画像を取り込んでいる
が、この数は適宜変更しても良い。
【0042】マイクロプロセサ54は、CCDラインセ
ンサ40により読み取られたチャート画像のコントラス
ト値を算出してRAM56に書き込む。なお、本実施形
態における画像コントラスト値は、読み取られたチャー
ト画像における所定の空間周波数のMTF値の積分値の
移動平均を表す。以下、支持板41がサーチ終了位置に
達するまで、同様のサーチ処理を継続して行う。
【0043】支持板41がサーチ終了位置に到達する
と、マイクロプロセサ54は支持板41を停止させてサ
ーチ動作を終了する。そして、上記6箇所のサーチエリ
ア内のうち、最も画像コントラスト値が高くなる支持板
41の位置を、チャート合焦位置として決定する。読取
対象である写真フイルム17は2つのチャート76a、
76bの間に位置することから、チャート76a,76
bのチャート合焦位置をそれぞれKA、KBとすると、 合焦位置=(KA+KB)/2 なる演算によって合焦位置を算出し、合焦位置データ
(合焦位置までのパルス数データ)を得る。さらに、R
OM55には、チャート76a,76bの上端と写真フ
イルム17の記録面との光軸方向における位置ずれを考
慮したオフセットデータが書き込まれており、マイクロ
プロセサ54は合焦位置データにこのオフセットデータ
を加えることで、支持板41の停止位置までの駆動パル
ス数を算出する。そして、マイクロプロセサ54は、共
役長モータ52に駆動パルスを与えて支持板41を停止
位置まで移動することにより、フォーカスサーチ処理を
終了する。
【0044】次に、図9に示すフローチャートを用い
て、画像読取処理の手順について説明する。画像読取装
置13を起動すると、所定のスキャナ補正等とともに上
記のフォーカスサーチ処理が行われる。このフォーカス
サーチ処理によって得られた合焦位置データ及び温度デ
ータを、それぞれ設定合焦位置データ及び設定温度デー
タとしてRAM56に書き込む。
【0045】フイルムキャリア20に写真フイルム17
をセットして、画像読取処理を開始する。まず、写真フ
イルム17を高速で移動しながら画像を低解像度で読み
取るプレスキャン処理が行われる。すなわち、マイクロ
プロセサ54は、ランプドライバ57を介してランプ2
4を点灯し、絞り駆動モータ61を駆動して光量調整絞
り板26をプレスキャン時の定位置に移動し、バランス
フィルタ駆動モータ62を駆動して所定の位置にバラン
スフィルタ27を回転する。また、レンズモータ47及
び共役長モータ52を駆動して、光学倍率が設定倍率と
なるようにレンズユニット44及び支持部材41を移動
する。そして、写真フイルム17をファインスキャン処
理時の例えば5倍の速度で移動しながら、CCDライン
センサ40を駆動して画像読み取りを行う。従って、プ
レスキャン処理は比較的粗い解像度で高速に行われ、短
時間で読み取り処理が終了する。
【0046】プレスキャン処理によって読み取られたフ
イルム画像は、画像処理部12に送られ種々の画像処理
が行われた後、シミュレーション画像としてディスプレ
イ75に表示される。ディスプレイ75に表示されたシ
ミュレーション画像を確認しながら、オペレータが読取
対象となるフイルムコマの設定を行うことで、写真フイ
ルム17のスキャン開始位置が算出される。また、必要
に応じて、画像のコントラストや色調等の各種条件を補
正することで、画像処理部12における画像処理条件が
決定される。
【0047】次に、マイクロプロセサ54は、温度セン
サ45からレンズユニット44の温度データを取得し、
RAM56より設定温度データを読み出して比較する。
RAM56に設定温度データが書き込まれていない場合
には、ROM55から基準温度データを読み出す。レン
ズユニット44の温度がほとんど変動していない場合に
は、レンズユニット44を構成する個々のレンズの屈折
率の変動量が非常に小さく、フォーカスサーチ処理を行
わなくとも十分精度良く焦点位置合わせを行うことがで
きる。このため、本実施形態では、温度差が4℃未満で
ある場合には、上述のフォーカスサーチ処理を行わず、
前回のフォーカスサーチ処理時に定められた設定合焦位
置データをRAM56から読み出すとともに、測定温度
と設定温度との温度差に応じた補正パルス数データをR
OM55から読み出す。これらを加算することにより、
合焦位置を算出する。そして、マイクロプロセサ54
は、得られた合焦位置データに基づき、共役長モータ5
2を駆動して支持板41を移動する。したがって、フォ
ーカスサーチ処理が不要になり、この分だけプレスキャ
ンからファインスキャンまでの画像読取時間を短縮する
ことができる。
【0048】一方、温度差が4℃以上である場合には、
レンズユニット44を構成する各レンズの屈折率の変動
量が大きく、合焦位置のずれが大きくなる。しかも、機
差による影響が大きくなり、誤差が無視できなくなる。
このため、マイクロプロセサ54は上述のフォーカスサ
ーチ処理を行い、得られた合焦位置データに基づき共役
長モータ52を駆動して支持板41を移動し、焦点位置
合わせを行う。また、このフォーカスサーチ処理によっ
て得られた合焦位置データ及び温度データを、設定合焦
位置データ及び設定温度データとしてRAM56に書き
込み、これらを更新する。
【0049】焦点位置合わせの終了後、ファインスキャ
ンが開始される。ファインスキャン処理では、まず、フ
イルムキャリア20に写真フイルム17の逆搬送を指示
することにより、写真フイルム17を図2の矢線Bの方
向に移動する。ROM55に記憶されたコマ位置データ
に基づき、読取対象となるフイルムコマの記録領域端が
読取開始位置に到達すると、マイクロプロセサ54は、
CCDラインセンサ40を駆動してフイルム画像を読み
取り、このCCDラインセンサ40から出力された信号
に対して順次A/D変換等の処理を行う。信号処理によ
って得られた画像データが画像処理部12へ送られる。
【0050】上記構成による作用について説明する。デ
ジタルプリントシステム10の電源が投入されると、レ
ーザープリンタ14やプロセサ15とともに画像読取装
置13が始動し、所定の始動処理が行われる。始動処理
では、スキャナ補正等が行われた後にフォーカスサーチ
処理が行われ、このときの合焦位置及びレンズユニット
44の測定温度が、それぞれ設定合焦位置データ及び設
定温度データとしてRAM56に書き込まれる。
【0051】次に、オペレータの操作によって読取指令
が出されると、マイクロプロセサ54は、上述のプレス
キャンを行ってファインスキャン時の読取条件等を決定
する。そして、温度センサ45からの温度データと、R
AM56に書き込まれた設定温度データとを読み出して
比較する。両者の温度差が4℃未満であるときには、フ
ォーカスサーチ処理を行わずに、RAM56に書き込ま
れた設定合焦位置データと、ROM55に書き込まれた
温度補正データとから合焦位置を算出し、これにオフセ
ット量を加えて支持板41の停止位置を算出する。マイ
クロプロセサ54は、支持板41をこの停止位置へと移
動して焦点位置合わせを終了し、ファインスキャンを行
う。
【0052】温度変動に対するレンズユニット44の特
性、及び読取部23を構成する構造物の線膨張の影響
は、温度補正データとしてROM55に書き込まれてい
る。従って、フォーカスサーチ処理を行わずに、高精度
の焦点位置合わせを行うことが可能となる。その結果と
して、画像読取時間を短縮することができ、読取処理の
高速化を図ることができる。
【0053】一方、温度差が4℃以上であるときには、
上述のフォーカスサーチ処理を行って合焦位置を決定
し、支持板41を停止位置へと移動する。そして、新た
に得られた合焦位置データと温度データとが、それぞ
れ、設定合焦位置データと設定温度データとしてRAM
56に書き込まれ、これらが更新される。引き続いて画
像読み取りを行う場合には、レンズユニット44の温度
がほとんど変動しないと考えられる。このため、フォー
カスサーチ処理を再度行う必要がなくなり、読取処理が
高速化する。
【0054】ファインスキャン処理によって読み取られ
た画像は、ディスプレイ75に表示される。そして、オ
ペレータの指示によってプリント指令が出されると、表
示画像に対応する画像データがレーザプリンタ14に送
られ、レーザ光による走査露光によって印画紙に潜像が
形成される。露光済みの印画紙は、プロセサ15に送ら
れ、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施され
る。これにより、印画紙上に画像が形成され、プリント
写真として外部に取り出される。
【0055】なお、フォーカスサーチ処理で得られた合
焦位置データをRAM56に記憶しておき、その後の画
像読取処理の際にこの合焦位置データを用いて焦点位置
合わせを行うこともできる。以下、この第2実施例につ
いて説明する。
【0056】プレスキャン処理を行ってファインスキャ
ン処理時の読取条件等を決定した後、温度センサ45を
用いてレンズユニット44の温度を測定する。次に、R
AM56内に設けられた共役長テーブルを参照する。こ
の共役長テーブルには、フォーカスサーチ処理で得られ
た合焦位置及び測定温度が、それぞれ探索合焦位置デー
タ及び探索温度データとして記憶されている。マイクロ
プロセサ54は、測定温度と一致する探索温度データが
共役長テーブルに記憶されているか否かを検出し、一致
するデータがある場合には、対応する探索合焦位置デー
タを読み出して、これを基に停止位置を決定し、支持板
41を移動する。
【0057】一致する探索温度データがない場合には、
RAM56に書き込まれた設定温度データと測定温度と
を比較する。温度差が4℃未満であるときには、フォー
カスサーチ処理を行わずに、RAM56に書き込まれた
設定合焦位置データと、ROM55に書き込まれた温度
補正量データとから合焦位置を算出し、これにオフセッ
ト量を加えて支持板41の停止位置を算出する。一方、
温度差が4℃以上であるときには、図8に示したフォー
カスサーチ処理を行って合焦位置を算出し、支持板41
を停止位置へ移動する。そして、フォーカスサーチ処理
で得られた合焦位置データ及びその際の測定温度データ
を、探索合焦位置データ及び探索温度データとして、R
AM56内の共役長テーブルに順次記憶する。さらに、
上述した第1実施例と同様に、設定合焦位置データ及び
基準温度データを更新する。
【0058】上述した焦点位置合わせ処理を行った後、
写真フイルム17内の画像を高解像度で読み取るファイ
ンスキャン処理を行い、画像データを画像処理部12に
送って画像読取処理を終了する。この第2実施例によれ
ば、一致するデータがある場合には温度検出を行うだけ
で合焦位置合わせを行うことができるから、画像読取処
理をさらに短縮化できる。
【0059】なお、上記実施例では、測定温度が共役長
テーブル内の探索温度データと一致したときにのみ、探
索合焦位置データを共役長テーブルより読み出している
が、探索温度データを中心とした一定の温度範囲を定め
ておき、測定温度がこの温度範囲内である場合に対応す
る探索合焦位置データを読み出すようにしても良い。さ
らに、共役長テーブル内の探索合焦位置データと探索温
度データとを基にしてデータ補間を行うことで、合焦位
置を算出するようにしても良い。
【0060】上記実施形態では、温度補正量データはR
OM55に書き込まれているが、これをRAM56に書
き込み、レンズユニット44を交換する毎に温度補正量
データを書き換えるようにしても良い。個々のレンズユ
ニットの光学特性に最も適した温度補正量データを用い
ることにより、より高精度な焦点位置合わせを行うこと
ができる。
【0061】また、温度センサ45によって測定される
温度は、レンズユニット44の実際の温度ではなく、そ
の近傍の温度である。レンズユニット44とその近傍の
空気の熱伝導率とが異なることから、温度センサ45に
よって測定された温度と、レンズユニット44の実際の
温度とが異なる場合も考えられる。そこで、レンズユニ
ット44が周囲の温度変化に追随するまでの時間を考慮
して、5秒程度のタイムラグを設け、5秒前に温度セン
サ45によって検出された温度データを基にして、レン
ズユニット44の焦点位置合わせを行うようにしても良
い。このタイムラグは、レンズユニット44を構成する
各レンズ素子の特性と、周囲温度の変動量とを考慮し
て、適宜定めることができる。
【0062】上記実施形態では、画像読取装置13の起
動時にフォーカスサーチ処理を行っているが、この他
に、フイルムキャリア20を交換したときや、写真フイ
ルム17を新たにセットするときにフォーカスサーチを
行っても良い。また、ROM55に記憶された基準温度
データを基にしてフォーカスサーチ処理を行っている
が、RAM56内の設定温度データを基にしてフォーカ
スサーチを行っても良い。
【0063】上記実施形態では、レンズユニット44の
測定温度と設定温度との差が4℃以上であるときにフォ
ーカスサーチ処理を行っているが、必ずしも4℃に限定
する必要はなく、必要とされる焦点深度とレンズの温度
特性とを考慮して適宜変更しても良い。また、上記実施
形態では、温度差の検出をプレスキャン処理後に行って
いるが、これをプレスキャン処理前に行っても良い。
【0064】上記実施形態では、図4に示す温度差と温
度補正パルス数との関係をROM55に記憶しておき、
温度補正パルス数を求めるようにしたが、この他に、図
4に示す関係を表す数式で記憶しておき、この数式を用
いて算出することで温度補正パルス数を求めても良い。
【0065】また、上記実施形態では、フイルムキャリ
ア20に設けられたチャート76a,76bに対して焦
点位置合わせを行うことによってフォーカスサーチ処理
を行っているが、写真フイルム17に対して焦点位置合
わせを行っても良い。この場合、特開2000−893
74号公報に記載されているように、写真フイルム17
のたわみを考慮して、写真フイルム17の走査方向の中
心と両端の3点において合焦位置合わせを行い、得られ
た3つの焦点位置データを基にして、ファインスキャン
処理時の合焦位置を算出するようにしても良い。
【0066】上記実施形態では、写真フイルムに記録さ
れた画像を読み取る場合について説明したが、画像記録
媒体はフイルムなどの透過原稿に限定されることはな
く、記録紙等の反射原稿であっても良い。この場合に
は、透過光の代わりに反射光を用いて画像読み取りを行
う。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
設定温度データ及び設定合焦位置データをメモリに記憶
しておき、読取処理を行う際にレンズユニットの温度デ
ータと設定温度データとを比較して、温度差が一定範囲
内であるときはフォーカスサーチ処理を省略し、設定合
焦位置データ及び温度補正データより合焦位置を求めて
焦点位置合わせを行い、温度差が一定範囲外であるとき
はフォーカスサーチ処理を行って、その際の温度データ
及び合焦位置データを設定温度データ及び設定合焦位置
データと定めるようにしたから、温度差が一定範囲内の
時にフォーカスサーチ処理を省略することができ、その
分だけ合焦位置合わせに要する時間を短縮することがで
きる。これにより、オートフォーカス処理の精度を下げ
ることなく、読取処理を高速に行うことができ、処理能
力が向上する。
【0068】また、フォーカスサーチによって得られた
合焦位置及び測定温度を、探索合焦位置データ及び探索
温度データとして順次記憶する共役長テーブルを備え、
撮影レンズの測定温度が探索温度データに基づき定めら
れた所定の温度範囲内にあるときは、当該探索温度デー
タに対応する探索合焦位置データを用いて、支持部材の
合焦位置を決定するようにしたから、温度測定を行うだ
けで合焦位置が決定することができ、読取処理をさらに
短縮化できる。
【0069】また、撮影レンズの特性に応じて温度補正
データを変更自在としたから、個々の撮影レンズの特性
バラツキを考慮した、最適な焦点位置合わせを行うこと
ができる。さらに、撮影レンズの実際の温度が周囲温度
に追随するまでの時間を考慮して、所定時間前に得られ
た撮影レンズの測定温度を基にして、支持部材の合焦位
置を決定するようにしたから、更に精密な温度制御を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置を備えたデジタルプリン
トシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】画像読取装置の概略図である。
【図3】画像読取装置の電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図4】温度補正テーブルを示すグラフである。
【図5】写真フイルムとガラス部材との位置関係を示す
説明図である。
【図6】チャート像がCCDラインセンサに結像される
様子を示す説明図である。
【図7】支持板の原点HPに対する基準合焦位置、予測
合焦位置、サーチエリア、合焦位置等を示す模式図であ
る。
【図8】フォーカスサーチ処理のフローチャートであ
る。
【図9】画像読取処理のフローチャートである。
【図10】共役長テーブルを用いて合焦制御を行う手順
を備えた画像読取処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルプリントシステム 11 ラインCCDスキャナ 13 画像読取装置 20 フイルムキャリア 40 CCDラインセンサ 41 支持板 44 レンズユニット 45 温度センサ 52 共役長モータ 55 ROM 56 RAM 76a,76b チャート
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/11 H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読取対象原稿に記録された画像を光電的
    に読み取るイメージセンサと、 前記読取対象原稿に照射された読取光を前記イメージセ
    ンサに結像するための撮影レンズと、 前記撮影レンズの温度を測定する温度センサと、 前記イメージセンサと前記撮影レンズとを支持する支持
    部材を光軸方向に移動しながら、前記撮影レンズによる
    前記画像の結像面が前記イメージセンサと一致する合焦
    位置を探索するフォーカスサーチ機能を有する合焦制御
    手段と、 前記フォーカスサーチで得られた合焦位置を設定合焦位
    置データとし、そのときの前記撮影レンズの測定温度を
    設定温度データとして記憶するとともに、前記設定温度
    と前記撮影レンズの測定温度との温度差に応じた温度補
    正データを記憶した記憶手段とを備え、 前記合焦制御手段は、前記設定温度と前記撮影レンズの
    測定温度との温度差が所定値未満であるときに、前記設
    定合焦位置データと前記温度補正データとから合焦位置
    を算出し、この合焦位置に基づき定められた停止位置に
    前記支持部材を移動することを特徴とする画像読取装
    置。
  2. 【請求項2】 前記合焦制御手段は、前記基準温度と前
    記撮影レンズの測定温度との温度差が所定値以上である
    場合に前記フォーカスサーチを行って前記支持部材を前
    記合焦位置へと移動するとともに、前記フォーカスサー
    チで得られた合焦位置及び測定温度を、それぞれ前記設
    定合焦位置データ及び前記設定温度データとして前記記
    憶手段に書き込み、これらを更新することを特徴とする
    請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記撮影レンズは、前記画像の読取倍率
    に応じて光軸方向に移動自在とされ、前記温度補正デー
    タは、個々の前記読取倍率ごとに定められて前記記憶手
    段に記憶されていることを特徴とする請求項2記載の画
    像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記合焦制御手段は、読取条件設定のた
    めに低解像度での画像読み取りを行うプレスキャン処理
    と、高解像度での画像の読み取りを行うファインスキャ
    ン処理との間に前記支持部材を前記合焦位置へ移動する
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の画像読取装置
  5. 【請求項5】 前記合焦制御手段は、装置の起動の際又
    は前記読取対象原稿を支持又は搬送するキャリアを装置
    にセットした際に前記フォーカスサーチを行うことを特
    徴とする請求項2〜4のいずれか記載の画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段は、前記フォーカスサーチ
    によって得られた前記合焦位置及び測定温度を、探索合
    焦位置データ及び探索温度データとして順次記憶する共
    役長テーブルを備え、前記合焦制御手段は、前記撮影レ
    ンズの測定温度が前記探索温度データに基づき定められ
    た所定の温度範囲内にあるときは、当該探索温度データ
    に対応する前記探索合焦位置データを用いて、前記支持
    部材の合焦位置を決定することを特徴とする請求項2〜
    5のいずれか記載の画像読取装置。
  7. 【請求項7】 前記温度補正データは、前記撮影レンズ
    の特性に応じて変更自在とされていることを特徴とする
    請求項2〜6のいずれか記載の画像読取装置。
  8. 【請求項8】 前記合焦制御手段は、所定時間前に得ら
    れた前記撮影レンズの測定温度を基にして、前記支持部
    材の合焦位置を決定することを特徴とする請求項2〜7
    のいずれか記載の画像読取装置。
  9. 【請求項9】 読取対象原稿に記録された画像を光電的
    に読み取るイメージセンサと、前記読取対象原稿に照射
    された読取光を前記イメージセンサに結像する撮影レン
    ズとを支持する支持部材を、光軸方向に移動して焦点位
    置合わせを行う合焦制御方法であって、 前記撮影レンズの測定温度と設定温度との温度差が所定
    値未満であるときに、前記温度差に応じて定められる前
    記支持部材の温度補正データと設定合焦位置データとか
    ら合焦位置を算出し、この合焦位置に前記支持部材を移
    動し焦点位置合わせを行い、 前記撮影レンズの測定温度と前記設定温度との温度差が
    所定値以上であるときに、前記支持部材を光軸方向に移
    動しながら合焦位置の探索を行って焦点位置合わせを行
    い、このときの合焦結果及び前記撮影レンズの測定温度
    を、それぞれ設定合焦位置データ及び設定温度データと
    して更新することを特徴とする合焦制御方法。
  10. 【請求項10】 前記合焦位置の探索は、基準温度にお
    ける前記支持部材の合焦位置を表す基準移動量データ
    と、前記基準温度と前記撮影レンズの測定温度との温度
    差に応じた前記支持部材の温度補正データとから、合焦
    予測位置を求めて前記支持部材を前記合焦予測位置へ移
    動した後、合焦予測位置を基準としたサーチエリア内で
    前記支持部材を移動して行うことを特徴とする請求項9
    記載の合焦制御方法。
  11. 【請求項11】 前記撮影レンズは、前記画像の読取倍
    率に応じて光軸方向に移動自在とされ、前記温度補正デ
    ータは、個々の前記読取倍率ごとに定められていること
    を特徴とする請求項9又は10記載の合焦制御方法。
  12. 【請求項12】 前記合焦位置の探索により得られた前
    記合焦位置及び測定温度を、探索合焦位置データ及び探
    索温度データとして順次記憶する共役長テーブルが設け
    られ、前記撮影レンズの測定温度が前記探索温度データ
    に基づき定められた所定の温度範囲内にあるときは、当
    該探索温度データに対応する前記探索合焦位置データを
    用いて、前記支持部材の合焦位置を決定することを特徴
    とする請求項9〜11のいずれか記載の合焦制御方法。
  13. 【請求項13】 前記温度補正データは、前記撮影レン
    ズの特性に応じて変更自在とされていることを特徴とす
    る請求項9〜12のいずれか記載の合焦制御方法。
  14. 【請求項14】 所定時間前に得られた前記撮影レンズ
    の測定温度を基にして、前記支持部材の合焦位置が決定
    されることを特徴とする請求項9〜13のいずれか記載
    の合焦制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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