JPH0973627A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0973627A
JPH0973627A JP24660495A JP24660495A JPH0973627A JP H0973627 A JPH0973627 A JP H0973627A JP 24660495 A JP24660495 A JP 24660495A JP 24660495 A JP24660495 A JP 24660495A JP H0973627 A JPH0973627 A JP H0973627A
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magnetic
lubricant
cleaning
calendering
metal roll
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JP24660495A
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Tomofumi Kaneko
朋史 金子
Norimichi Tokuda
典道 徳田
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Original Assignee
TDK Corp
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers

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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダ加工時の金属ロール表面の磁性層
形成成分の付着を防止すること、もし磁性層形成成分
の付着が発生しても、クリーニング材の摩耗や、脱落等
による二次的付着を極力抑えた状態で、金属ロール表面
のクリーニングができる磁気記録媒体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 非磁性支持体の一方の面上に、磁性層形
成のための磁性粉末と結合剤を含む磁性塗料を塗布、乾
燥した後に、カレンダー加工を行う磁気記録媒体の製造
方法において、前記製造方法は、製造開始前、カレンダ
ー加工に用いる金属ロールの前処理工程を含み、前記前
処理工程は、予め、カレンダー加工に用いる金属ロール
の表面を溶剤でクリーニングした後に、金属ロールの表
面を潤滑剤含有溶液により潤滑剤処理するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像、音声、デー
タ等を記録再生するために用いられる磁気記録媒体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、非磁性支持体の上に磁性粉末
を含有する磁性層を備える磁気記録媒体の製造方法にお
いては、塗設した磁性層の表面平滑性を向上させるため
に、いわゆるカレンダー加工が行われる。このカレンダ
ー加工は、例えば縦一列に配置された複数の鏡面化され
た金属ロールと、同じく鏡面化された樹脂または金属ロ
ールからなるカレンダーロールとにより行われ、磁性層
が塗設された支持体は、カレンダーロール間を加熱・圧
接された状態で順次通過していき、直接、金属ロールに
接する磁性層表面の平滑度は極めて高いものになる。
【0003】しかしながら、金属ロールは、常に磁性層
と加熱・圧接された状態にあるため、金属ロール表面に
は、磁性層表面の構成成分、例えばバインダー成分等が
付着物として転写される。このような付着物は、磁性層
表面に凹部を形成する原因となり、磁性層の表面平滑性
に悪影響を及ぼし、ドロップアウト発生の原因ともなっ
ていた。
【0004】このような問題を解決するために、従来か
ら、種々の提案がなされている(特開平1−31273
1号公報、同2−28458号公報、同4−22811
1号公報等)。例えば、特開平1−312731号公報
には、カレンダー処理後に磁性層を有しないウェブをカ
レンダー処理することにより、金属ロール表面の汚れを
生産性を落とすことなく除去しようとする旨の提案がな
されている。
【0005】また、特開平2−28458号公報には、
金属ロールの接触幅方向にクリーニング部材を相対的に
移動させて、金属ロール表面をクリーニングする方法で
あって、クリーニング部材として、不織布や溶剤や洗浄
液を含浸させた不織布等が開示されている。
【0006】また、特開平4−228111号公報に
は、金属ロールの表面を払拭するクリーニングテープ
と、弾性体よりなる弾性ベルトとを備えてなるカレンダ
ーロールクリーニング装置において、クリーニングテー
プ(研磨材層を備える)をカレンダーロールの背面側よ
り弾性ベルトによって押圧せしめてカレンダーロールに
圧接させる旨の提案がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−312731号公報の提案による、単にウェブ
をカレンダー処理する方法では、金属ロールに強固に付
着(焼きついた)した付着物は十分に除去しきれないと
いう不都合がある。また、このものは、金属ロール表面
への付着を未然に防ぐするためのものでもない。
【0008】また、特開平2−28458号公報および
特開平4−228111号公報提案のものでは、金属ロ
ール表面との高温および高速接触によるクリーニング材
やクリーニングテープの摩耗を十分に防止することが十
分に考慮されておらず、クリーニング材等の摩耗による
二次的付着が発生しうる。すなわち、カレンダー加工中
に、金属ロールのクリーニングを行った場合、クリーニ
ング材として用いられる不織布等とロール表面との摩擦
による微細な繊維の摩耗・脱落が避けられず、摩耗・脱
落繊維による加工面の変形や、脱落繊維によるドロップ
アウトの発生が製品の品質や製品歩留の低下の原因とな
る。また、これらのものは、金属ロール表面への付着を
未然に防ぐためのものでもない。
【0009】本発明は、このような実状のもとに創案さ
れたものであり、その目的は、カレンダー加工による上
記の問題点を解消し、製品品質に優れ、製品歩留の良好
な磁気記録媒体を提供することにある。より詳しくは、
カレンダー加工時の金属ロール表面の磁性層形成成分
の付着を防止すること、もし磁性層形成成分の付着が
発生しても、クリーニング材の摩耗や、脱落等による二
次的付着を極力抑えた状態で、金属ロール表面のクリー
ニングができる磁気記録媒体の製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、非磁性支持体の一方の面上に、磁
性層形成のための磁性粉末と結合剤を含む磁性塗料を塗
布、乾燥した後に、カレンダー加工を行う磁気記録媒体
の製造方法において、前記製造方法は、製造開始前、カ
レンダー加工に用いる金属ロールの前処理工程を含み、
前記前処理工程は、予め、カレンダー加工に用いる金属
ロールの表面を溶剤でクリーニングした後に、金属ロー
ルの表面を潤滑剤含有溶液により潤滑剤処理するように
構成される。
【0011】また、前記課題を解決するために、本発明
は、非磁性支持体の一方の面上に、磁性層形成のための
磁性粉末と結合剤を含む磁性塗料を塗布、乾燥した後
に、カレンダー加工を行う磁気記録媒体の製造方法にお
いて、前記カレンダー加工は、金属ロール表面のクリー
ニング操作を含み、該クリーニング操作は、潤滑剤を含
浸させたクリーニング材料により、加工に用いる金属ロ
ール表面を間欠あるいは連続的にクリーニングしてなる
ように構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体の製
造方法の一例を、図1に示される概略製造工程図を参照
しつつ説明する。
【0013】図1において、非磁性支持体3が巻かれて
いる繰出ロール11を備える繰出装置10が最上流側に
位置している。そして、この繰出ロール10から下流側
に向かって、主装置として、磁性塗料21の塗布装置2
0、乾燥装置30、カレンダー加工装置40、および巻
取装置90が順次、配置されている。
【0014】まず、本願の最初の発明の要部は、製造開
始前、カレンダー加工に用いる金属ロールの前処理工程
に関するものであって、当該前処理工程は、予め、カレ
ンダー加工に用いる金属ロールの表面を溶剤でクリーニ
ングした後に、金属ロールの表面を潤滑剤含有溶液によ
り潤滑剤処理するというものである。
【0015】カレンダー加工を行うカレンダー加工装置
40は、図1に示されるように、複数のカレンダーロー
ル41、42を一列に配列した状態で備えており、磁性
層が形成された支持体が、各カレンダーロールの間を加
圧・加熱されながら通過していく。カレンダーロール4
1は、磁性層表面と接する側に配置されたロールであ
り、カレンダーロール42は、支持体の裏面(磁性層が
形成されていない側)と接する側に配置されたロールで
ある。本発明において、磁性層表面と接する側のカレン
ダーロール41は金属ロール(金属ロール41)であ
り、支持体の裏面と接する側のカレンダーロール42は
樹脂ロールあるいは金属ロールいずれでもよい。樹脂ロ
ールとしては、エポキシ、ポリエステル、ナイロン、ポ
リイミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチ
ックロール(カーボン、金属その他の無機化合物を練り
込んであるものでもよい)が用いられる。
【0016】これらのカレンダーロール41、42は、
通常、3ないし7段程度の組み合わせで用いられる(図
1においては5段のロールが開示されている)。その処
理温度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは8
0℃以上とされ、また、ロール間ではさみ込まれる線圧
力は、好ましくは200kg/cm以上、さらに好まし
くは300kg/cm以上とされる。
【0017】このようなカレンダー加工は、そもそも磁
気記録媒体の磁性層の表面平滑性を高めて電磁変換特性
を良好にするために行われる。従って、製造開始時おい
て、金属ロール41そのものは、きれいにクリーニング
されているのが当然である(カレンダーロール42も同
じ)。しかしながら、通常の溶剤による洗浄のみで行っ
た金属ロール41を用いた場合は、どうしても、加工の
初期段階において、磁性層の構成成分が付着物として金
属ロール41に転写しやすい。磁性層の構成成分は、一
旦金属ロールに転写されると、いわゆる汚れの核の働き
をし、その後は、金属ロール表面全体に汚れが急速に広
がる。そこで、本発明では、溶剤による洗浄に加えて、
金属ロールの表面を潤滑剤含有溶液により潤滑剤処理し
ているのである。
【0018】潤滑剤処理の方法には、特に制限はなく、
金属ロール41表面に潤滑剤の膜が形成されるような方
法であればいかなる方法でもよい。好適な具体的潤滑剤
処理の方法を例示すると、例えば、溶剤中に1〜10w
t%程度の潤滑剤を含有させて潤滑剤含有溶液を作製
し、このものを、不織布、海綿、セルローススポンジ、
フォームラバー、合成樹脂、スポンジ等の潤滑剤含有溶
液を含浸させることができる物を用いて金属ロール41
表面に塗布し、形成された塗膜を乾燥させればよい。塗
布手段としては、人手による塗布や機械による自動塗
布、いずれであってもよい。
【0019】用いる潤滑剤としては、カレンダー加工時
における加工温度以下の融点を備える潤滑剤が好まし
い。さらに、磁気記録媒体の磁性層に潤滑剤が含有され
ている場合には、その潤滑剤と同じ潤滑剤を選定して用
いるのが好適である。より具体的には、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、エルカ酸、エ
ライジン酸等の脂肪酸;ブチルミリステート、ブチルパ
ルミテート、ブチルステアレート、ネオペンチルグリコ
ールジオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、
オレイルオレエート、イソセチルステアレート、イソト
リデシルステアレート、オクチルステアレート、イソオ
クチルステアレート、アミルステアレート、ブトキシエ
チルステアレート、ネオペンチルグリコールジオレエー
ト等の脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アマイ
ド、各種シリコーン、変性シリコーンオイル、ひまし
油、スクワラン等が挙げられる。これらは単独の使用で
あってもよいし、2種以上の混合物として使用してもよ
い。
【0020】また、通常、このような潤滑剤の溶媒とな
る溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類;イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメ
チルホルムアミド、ヘキサン、塩素置換炭化水素類等が
挙げられる。また、潤滑剤処理前に行われる溶剤洗浄に
用いられる溶剤もこれらの中から適宜選定して用いら
れ、さらには白濁・分離をしない範囲で水を混合して用
いてもよい。溶剤洗浄による方法としては、公知の種々
の方法が採択でき特に限定されるものではない。
【0021】このようにして、予め、カレンダー加工に
用いる金属ロール41の表面を溶剤でクリーニングした
後に、金属ロール41の表面を潤滑剤含有溶液により潤
滑剤処理することが完了すると、図1に示される工程に
基づいて本格的な磁気記録媒体の製造が開始される。以
下、簡単に説明する。
【0022】塗布装置20は、繰出ロール11から繰り
出された非磁性支持体3の一方の面上に、磁性塗料21
を塗設する手段を備えている。これにより、磁性層を形
成のための塗膜が形成される。具体的な塗布手段として
は、公知の種々の塗布方法が用いられ、例えば、押出し
ノズル塗布方法、リバースロール塗布方法、グラビアロ
ールコート塗布方法、ナイフコーター塗布方法、ドクタ
ーブレード塗布方法、キスコート塗布方法、カラーコー
ト塗布方法、スライドビード塗布方法等が挙げられる。
塗膜厚さは、乾燥後の厚さで0.1 〜3.0μm程度
とされる。
【0023】一般に、非磁性支持体3の表面は、磁性塗
料21の塗布前に、クリーニングおよび表面調整等の目
的で、水や溶剤等を使用する湿式クリーニング、不織布
や極微細繊維織物等をワイパーとして使用する乾式クリ
ーニング、圧搾空気やバキューム、イオン化空気等を使
用する非接触式クリーニング等の公知の種々の手段によ
って処理がなされることが多い。さらに、非磁性支持体
3の表面は、磁性塗料21と非磁性支持体3との密着性
や塗布面を向上させる目的で、コロナ放電、紫外線照
射、電子線照射等の公知の種々の非接触による表面処理
を施されることも多い。
【0024】さらに、水系下塗り剤、エマルジョン系下
塗り剤、溶剤系下塗り剤等の下塗りが、前記の表面処理
とあわせてまたは単独で、密着性の向上等を目的として
行なわれることもある。技術的には樹脂だけの下塗り層
(下地層)に変えて、非強磁性の無機顔料や有機顔料を
バインダ中に分散させた塗料を下塗り層(下地層)とし
て塗布しても良い。このものもまた、前記の表面処理と
併用してもかまわない。
【0025】一般に磁性層は単独で塗布形成されるが、
より高度な機能をもたせるために2層以上の複数層を設
けることも可能で、その場合には、いわゆるウェトオン
ドライ法やウェットオンウェット法等の公知の方法を用
いて行えばよい。
【0026】このような磁性層を塗布する塗布工程の後
には、通常、非磁性支持体3の上に設層された磁性塗料
のウエット膜面のスムージングや塗膜規制等に関する種
々の処理が行われても良い。スムージング手段として
は、樹脂、金属、セラミックス類のフィルムやバー等を
接触させたり、永久磁石、電磁石等による磁界や超音波
による振動等の非接触法等の公知の方法が使用できる。
これらは、要求特性によって単独であるいは併用するこ
とができる。
【0027】また、図示はしていないが、磁性層を塗設
した後、磁場を印加して塗膜中の磁性粒子を配向させる
ことが必要である。その配向方向は、媒体の走行方向に
対して、長手方向であっても、垂直方向であっても、斜
め方向であってもよい。所定方向へ向けるためフェライ
ト磁石や希土類磁石等の永久磁石、電磁石、ソレノイド
等の磁界発生手段が用いられる。これらの磁界発生手段
は複数併用してもよく、さらには乾燥後の配向性が最も
高くなるように、配向前に予め適度の予備乾燥工程を設
けたり、配向と同時に乾燥を行うようにしてもよい。
【0028】通常、このような磁性層塗膜の磁場配向処
理後に乾燥装置30が設置される。
【0029】乾燥装置30は、非磁性支持体3の一方の
面上に、塗設された磁性塗料21の塗膜(磁性層)を乾
燥させるために設置される。乾燥装置30は、通常、装
置内部に設けられた熱風、遠赤外線、電気ヒーター、真
空装置等の公知の乾燥手段を備えている。
【0030】乾燥装置30における乾燥温度は、50〜
200℃程度までの範囲であり、その内部の乾燥ゾーン
の中で、適宜、種々の温度分布パターンを持たせること
ができる。具体的温度条件は、非磁性支持体3の耐熱性
や磁性塗料中の溶剤種、溶剤濃度等を考慮しつつ、後述
するように最終的に塗膜を硬化させる際の媒体に残存す
る残留溶剤量をにらんで、適宜設定される。乾燥装置
(炉)内のガス雰囲気は、一般の空気または不活性ガス
等を用いればよい。
【0031】次なる工程におけるカレンダー加工装置4
0は、前述したように磁性塗料21の塗膜(磁性層)の
表面平滑性を向上させ電磁変換特性を良好にするために
設置される。本発明においては、前述のごとく製造開始
前、カレンダー加工に用いるカレンダーロールの前処理
が行われているために、製造初期段階に発生しやすい磁
性層の構成成分がロールに付着物として転写することが
ない。なお、カレンダー加工装置40には、前述の金属
ロール41、カレンダーロール42に加えて、カレンダ
ーを円滑に行うための複数の補助ロール45が設けられ
ている。
【0032】巻取装置90は、このような一連の塗膜塗
布、乾燥、カレンダー加工が終了し、磁気記録媒体とし
ての一応の体裁が整ったもの(以下『磁気記録媒体原反
フィルム』と称す)を、一旦、巻取りロール91に巻取
るために設置される。
【0033】なお、カレンダー加工前(乾燥後)に巻取
りを行い、繰出装置、カレンダー装置、巻取装置を有す
る一連の装置を用いてカレンダー加工を行うことも可能
である。
【0034】このように巻き取られた『磁気記録媒体原
反フィルム』は、後述する加熱による熱硬化の場合に
は、ロール形状のままで、すぐに、もしくは所定時間放
置された後に、もしくは一度巻き戻して巻取った後に、
次工程の塗膜を硬化させる工程によって硬化処理され、
また、後述する電子線(または紫外線)硬化の場合に
は、巻取りロール91に巻取る前に、塗膜を硬化させる
工程によって硬化処理される。
【0035】加熱による熱硬化処理は、例えば、40〜
80℃の温度で24〜48時間程度行えばよい。
【0036】電子線の照射による硬化処理の条件として
は、加速電圧100kV〜750kV、好ましくは15
0kV〜300kVの電子線加速器を用い、吸収線量を
20〜200キログレイになるように照射するのが好都
合である。電子線の照射による硬化処理の場合、酸素濃
度が1%以下のN2 、He、CO2 等の不活性ガス雰囲
気中で電子線を照射することが重要である。これは電子
線照射により生じたO3 等がラジカルを捕捉するのを防
ぐためである。
【0037】一方、紫外線の照射による硬化処理を行う
場合には、電子線硬化性樹脂を含有する結合剤(バイン
ダ)のなかに、公知の光重合増感剤を加えて、これに紫
外線を照射すればよい。紫外線の照射は、キセノン放電
管、水素放電管等の紫外線電球を用いればよい。
【0038】次いで、硬化後スリッタ等を用いて所定の
形状にし、さらに二次加工を行い、磁気記録媒体(例え
ば、磁気テープ)が作製される。
【0039】図2には、本願の次なる発明が示される。
図2に示される符号のうち、図1に示される符号と同じ
ものは同義であり、同様な作用をする。図2に示される
発明は、製造工程中における金属ロール41のクリーニ
ング操作に特徴がある。すなわち、このクリーニング操
作は、潤滑剤を含浸させたクリーニング材料により、加
工に用いる金属ロール表面を間欠あるいは連続的にクリ
ーニングしてなることを特徴とするものである。
【0040】使用されるクリーニング材料は、金属ロー
ルの材質や表面および加工時の温度や速度等により異な
るものではあるが、具体的好適例としては、不織布や発
泡タイプのウレタンシート、クリーニングクロス、フォ
ームラバーのごとくスポンジ等の潤滑剤を含浸させるこ
とができるものが挙げられる。
【0041】使用される潤滑剤としては、すでに上述し
た潤滑剤の中から適宜選択して用いればよい。この場合
もやはり、カレンダー加工時における加工温度以下の融
点を備える潤滑剤が好ましい。さらに、磁気記録媒体の
磁性層に潤滑剤が含有されている場合には、その潤滑剤
と同じ潤滑剤を選定して用いるのが好適である。
【0042】クリーニング材料中への潤滑剤の含浸方法
としては、例えば、クリーニングクロスを用いる場合、
クリーニングクロスを所定の長さ巻き取り、このものを
ブチルステアレートのMEK溶液中に浸し、しかる後、
フィルターにて清浄化空気を吹き付けながら、再度クリ
ーニングクロスを巻き取り、MEKを蒸発させることに
より、クリーニングクロス中にブチルステアレートを含
浸させる事ができる。この場合、ブチルステアレート溶
液の濃度を変えることによってクリーニングクロス中に
任意の量のブチルステアレートを含浸させる事が可能と
なる。
【0043】クリーニング材料中の潤滑剤の含有率は、
0.1〜50wt%程度とすることが好ましい。
【0044】具体的クリーニング操作は、人手によって
行うことも可能であるが、好ましくは、例えば図2に示
されるように、個々の金属ロール41に対応してクリー
ニング装置43をそれぞれ設置して、潤滑剤を含浸させ
たクリーニング材料を金属ロール41表面に、間欠ある
いは連続的に接触させクリーニングするようにすればよ
い。クリーニング装置43としては、公知の種々の形式
のものが用いられ、例えば、特開平2−28458号公
報や特開平4−228111号公報に記載の装置が挙げ
られる。この場合においても、潤滑剤を含浸させたクリ
ーニング材料を用いることが必要であることは言うまで
もない。
【0045】このような発明によれば、金属ロール41
表面のクリーニングが行えることはもとより、クリーニ
ング材料が金属ロール41表面と高温、高速摩擦の状態
で接触しても、クリーニング材料の摩耗や、脱落等によ
る二次的付着を極力抑えることができるという効果が発
現する。
【0046】なお、図1に示される製造開始前、カレン
ダー加工に用いる金属ロール41の前処理工程に関する
発明と、図2に示される製造工程中における金属ロール
41のクリーニング操作に関する発明とは、それぞれ単
独あるいは組み合わせて用いることもできる。組み合わ
せ使用の場合、クリーニング材料による潤滑処理は、ク
リーニング材料の全面、あるいはカレンダーロールの磁
性層の面が当たらない部分と接触するクリーニング材料
の両端部のみ潤滑剤を含浸させるようにしてもよい。
【0047】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、カレンダー加工時に、被加工体が片面または両面に
磁性層を備えるものや、いわゆるバックコート層を備え
るもの等に差別されることなくすべて適用でき、その効
果も十分である。
【0048】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
用いられる磁性塗料21について説明する。磁性塗料に
は、主成分として磁性粉末、結合剤(バインダ)および
溶剤が含有されている。
【0049】使用される磁性粉末としては、酸化鉄磁性
粉末、強磁性金属粉末、板状六方晶フェライト、二酸化
クロム等が挙げられる。
【0050】酸化鉄磁性粉末としては、γ−Fe2
3 、Fe34 、ベルトライド化合物、Co化合物被着
型あるいはドープ型酸化鉄系磁性粉末等が挙げられる。
ここで、Co化合物とは、コバルトの磁気異方性を保磁
力の向上に活用する化合物を示す。
【0051】強磁性金属粉末としては、Fe、Ni、C
oおよびこれらの合金が例示され、α−Fe、Fe−C
o、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni
等の強磁性金属元素を主成分とするものを用いる場合、
金属(Fe、Co、Ni等)または合金を70wt%以
上含むことが好ましく、さらには75wt%以上含むこ
とが好ましい。また、Feを主成分とし、さらに少なく
ともCoを含有する強磁性金属磁性粉末においては、そ
のFe原子に対するCo原子の量は5〜40wt%、好
ましくは6〜35wt%である。また、Feおよび/ま
たはCoを主成分とする強磁性金属粉末においては、さ
らにYを含む希土類元素を含有するものが好ましい。さ
らにこれら強磁性金属粉末は、粒子表面に酸化被膜ある
いは、一部炭化ないし窒化された強磁性金属粉末、また
は表面に炭素質被膜がなされた強磁性金属粉末であって
もよい。上記強磁性金属粉末については、少量の水酸化
物または酸化物を含んでもよい。
【0052】板状六方晶フェライトは、磁化容易軸が平
板の垂直方向にある六角板状の磁性粉末であり、例え
ば、Ba−フェライト、Sr−フェライト、Pb−フェ
ライト、Ca−フェライト及びこれらのFe原子の価数
を合わせた金属原子置換フェライト、六方晶Co粉末等
が挙げられる。
【0053】また、磁性粉末は針状のCrO2 磁性粉末
であってもよい。
【0054】このような磁性粉末は、通常、結合剤(バ
インダ)100wt%に対し100〜2000wt%程
度含有され、磁性層中の磁性粉末の含有量は、全体の5
0〜95wt%、好ましくは55〜90wt%とし、磁
性粉末の含有量が多すぎると磁性層中の樹脂を始めとす
る添加物の量が相対的に減少するため、磁性層の耐久性
が低下する等の欠点が生じやすくなり、少なすぎると高
い再生出力を得られない。
【0055】これらの磁性粉末は、それぞれ単独で使用
してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0056】磁性塗料に使用される結合剤としては、熱
可塑性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、電子線感応型
変性樹脂等が用いられ、その組み合わせは媒体の特性、
工程条件に合わせて適宜選択使用される。
【0057】熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量5000〜200000、重合度5
0〜2000程度のものであり、熱硬化樹脂、反応型樹
脂または電子線官能型変性樹脂も熱可塑性樹脂同様の平
均分子量、重合度のものであって、塗布、乾燥、カレン
ダー加工後に加熱、および/または電子線照射すること
により、縮合、付加等の反応により分子量は無限大のも
のとなるものである。
【0058】熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニ
ル系共重合体、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、
ニトロセルロース、スチレン−ブタジエン系共重合体、
ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、エポキシ
系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカ
プロラクトン等の多官能性ポリエーテル類、ポリアミド
樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエ
ンエラストマー、塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレン
ゴム、エポキシ変性ゴム等をあげることができる。
【0059】また熱硬化性樹脂としては、縮重合するフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル
系反応樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂
等が挙げられる。
【0060】上記共重合体の中でも、末端およびまたは
側鎖に水酸基を有するものが反応型樹脂として、イソシ
アナートを使用した架橋や電子線架橋変性等が容易に利
用できるため好適であり、さらに末端や側鎖に極性基と
して−COOH、−SO3 M、−OSO3 M、−OPO
3 M、−PO3 M、−PO2 M、−N+3 Cl- 、−
NR2 等をはじめとする酸性極性基、塩基性極性基等を
含有していてもよく、これらの含有は分散性の向上に好
適である。ここで、Mは、H、Li、Na、K、−NR
4 、−NHR3 を示し、Rはアルキル基もしくはHを示
す。
【0061】これらは一種単独で使用しても、二種以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0062】これらのうちで、好ましく用いられるもの
としては、塩化ビニル系共重合体およびポリウレタン樹
脂の組み合わせである。
【0063】塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル含有
量60〜95wt%、特に、60〜90wt%のものが
好ましく、その平均重合度は100〜500程度である
ことが好ましい。
【0064】このような塩化ビニル系樹脂と併用される
ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性および支持体への接着性
が良い点でとくに有効であり、数平均分子量で500〜
200000程度に重合したもので、そのQ値(重量平
均分子量/数平均分子量)は1.5〜4程度である。
【0065】またこれらのウレタン樹脂は、用いる結合
剤中において、ガラス転移温度Tgが−20℃≦Tg≦
80℃の範囲で異なるものを少なくとも2種類以上、さ
らにその合計量が全結合剤の10〜90wt%であり、
これら複数のポリウレタン樹脂を含有することで、高温
度環境下での走行安定性とカレンダ加工性、電磁変換特
性のバランスが得られる点で好ましい。
【0066】これら塩化ビニル系共重合体と、ポリウレ
タン樹脂とは、その重量混合比が10:90〜90:1
0となるように混合して用いることが好ましい。
【0067】なお、これらの樹脂に加えて、全体の20
wt%以下の範囲で、公知の各種樹脂が含有されていて
もよい。
【0068】バインダー樹脂を硬化する架橋剤として
は、各種ポリイソシアナートを用いることができ、架橋
剤の含有量は樹脂100wt%に対し、1〜50wt%
とすることが好ましく、この架橋剤によりバインダー樹
脂に含有される水酸基等と三次元的に結合して塗膜層の
耐久性が向上できる。
【0069】一般に、このような反応性または熱硬化性
樹脂を硬化するには、前述したような加熱による熱硬化
処理を行えばよい。
【0070】さらに上記共重合体に公知の手法により、
(メタ)アクリロイル基からなる(メタ)アクリル系二
重結合を導入して電子線感応変性を行ったものを使用す
ることも可能である電子線感応変性樹脂を用いる場合、
架橋率を向上させるために従来公知の多官能アクリレー
トを1〜50wt%混合して使用してもよい。
【0071】電子線感応性変性樹脂をバインダーとして
用いた場合の硬化に際しては、前述したような電子線を
使用する方法や紫外線を使用する方法を採用すればよ
い。紫外線を用いる場合には、電子線硬化性樹脂を含有
するバインダーの中に、従来公知の光重合増感剤が加え
られる。
【0072】さらに磁性塗料に含有される溶剤として
は、とくに制限はないが、結合剤(バインダ)の溶解
性、相溶性および乾燥効率等を考慮して適宜選択され、
例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、エステル類、ア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド等の希釈剤ないし溶剤を単一溶剤またはこれらの任意
比率の混合溶剤として用いればよい。
【0073】磁性塗料中には、通常、潤滑剤が含有され
る。用いる潤滑剤としては、公知の種々の潤滑剤の中
で、とくに脂肪酸および/または脂肪酸エステルを用い
るのが好ましく、炭素数12〜24(不飽和結合を含ん
でも、また分枝していてもかまわない)の一塩基性脂肪
酸、炭素数10〜24(不飽和結合を含んでも、また分
枝していてもかまわない)の一塩基性脂肪酸と炭素数2
〜22(不飽和結合を含んでも、また分枝していてもか
まわない)の一価、二価、三価、四価、五価、六価アル
コール、ソルビタン、ソルビトール等の環状もしくは多
糖類還元アルコール等のいずれか一つとからなるモノ脂
肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステ
ル、これらの混合物、または2種類以上を併用してもよ
い。
【0074】これらの具体例として一塩基性脂肪酸につ
いては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベ
ヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等を挙げることがで
き、脂肪酸エステルについては、ブチルミリステート、
ブチルパルミテート、ブチルステアレート、ネオペンチ
ルグリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステア
レート、オレイルオレエート、イソセチルステアレー
ト、イソトリデシルステアレート、オクチルステアレー
ト、イソオクチルステアレート、アミルステアレート、
ブトキシエチルステアレート等が挙げられる。
【0075】脂肪酸および/または脂肪酸エステルの磁
性層中における含有量は、磁性粉末に対してその合計量
として0. 1〜20wt%がよく、1〜15wt%が好
ましく、1〜12wt%がより好ましい。
【0076】さらに、バックコート層がある場合は、潤
滑剤をバックコート層側に多く含有させて、磁性層表面
への転写による表面潤滑性の向上を図ることができる。
【0077】磁性塗料中には、通常、潤滑効果、帯電防
止効果、分散効果、可塑効果等を発現させるための添加
剤が含有される。例えば、シリコーンオイル類、フッ素
オイル、フッ素置換炭化水素基含有のアルコール、パラ
フィン類、ノニオン界面活性剤、カチオン系界面活性
剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等も使用でき
る。
【0078】さらに、磁性塗料中には無機化合物を含有
させてもよい。具体的には、α−アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、δーアルミナ、三酸
化二クロム、α−酸化鉄、ゲータイト、SiO2 、Zn
O、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、窒化珪素、窒化硼
素、炭化珪素、炭化チタン、炭化モリブデン、炭化ホウ
素、炭化タングステン、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、硫化亜鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン、人造ダイアモンド等が単独または組み合わせて使用
される。
【0079】これらの無機化合物は、磁性粉末に対し
て、重量比率で0.1〜20wt%の範囲で用いられ
る。
【0080】さらに、磁性塗料中には、カーボンブラッ
クを含有させてもよい。カーボンブラックとしてはファ
ーネスカーボンブラック、サーマルカーボンブラック、
アセチレンブラック等を用いることができる。これらの
カーボンブラックの粒子サイズ等は任意に設定すれば良
いが、媒体に要求される電気抵抗と摩擦特性および最短
記録波長における出力のバランス(表面粗さ)から適宜
選択すれば良く、単一系でも混合系でも良く、単独で粒
度分布等を選択することもできる。
【0081】さらに磁性塗料中には、非強磁性有機質粉
末を含有させてもよい。
【0082】このような磁性塗料が塗設される非磁性支
持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエ
ステル類、ポリオレフイン類、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリスルホンセルローストリア
セテート、ポリカーボネート等の公知のフイルムを使用
することができる。
【0083】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0084】(実施例1)下記に示されるような磁性層
形成のための磁性塗料を準備した。
【0085】まず、Hc=1500Oe、BET=52
2 /g、平均長軸長さ0.3μmである鉄合金磁性粉
(強磁性金属粉末)を含む下記の組成物を用い、磁性層
形成のための磁性塗料を調製した。
【0086】 磁性層形成のための磁性塗料組成物 鉄合金磁性粉 …100重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製,MR−110, 重合度300,極性基−SO3 K) … 12重量部 ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製,UR−8700, スルホン酸Na含有) … 8重量部 α−Al23 (住友化学工業(株)製、HIT −60A , 平均粒径0.20μm) … 10重量部 メチルエチルケトン … 45重量部 トルエン … 45重量部 シクロヘキサノン … 10重量部 この組成物を、サンドグラインドミルにて5時間分散し
た後、ブチルステアレート1重量部、ステアリン酸1重
量部、溶剤50重量部を加え、さらに1時間分散を行な
った。このようにして得られた磁性塗料に硬化剤(日本
ポリウレタン工業(株)製,コロネートL)を30重量
部添加混合し、このものをさらにフィルタでろ過して磁
性層形成用の塗料を作成した。
【0087】このような塗料を用い、図1に示される製
造装置を用いて下記の要領で磁気記録媒体サンプルを作
成した。
【0088】まず、製造開始前に、前処理工程を行っ
た。すなわち、金属ロール41表面を、MEK/メタノ
ール(1/1:重量比)に混合した溶剤を用いてクリー
ニングした。その後、MEK/メタノール/オレイルオ
レエート(49.5/49.5/1.0:重量比)を混
合した潤滑剤含有溶液を作成し、このものを不織布に含
浸させた(不織布中の潤滑剤の含有率は約5wt%)。
なお、オレイルオレエートの融点は、−15℃である。
この不織布を用いて金属ロール表面を拭き潤滑剤処理し
て、前処理工程を完了した。その後、図1に示される製
造装置を用いて、磁気記録媒体(磁気テープ)を連続的
に1000m製造した。まず、厚さ9.8μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)からなる非磁性支持体
の上に、上記磁性層形成用の塗料を乾燥厚さ3.0μm
となるように塗設し、5000ガウスの配向磁界を印加
して、その後、塗膜を乾燥させた。次いで、温度90
℃、線圧200kg/cm、5nipの条件でカレンダ
ー加工を行ない、巻取りロールに巻取った。この後、カ
レンダー加工で用いた金属ロール表面のいわゆる焼き付
き状態の確認を行った。
【0089】さらに、このようにカレンダー加工処理を
行った磁気テープを、70℃、24時間の熱硬化処理を
行った後に、3/4インチ幅に切断し、D2フォーマッ
ト用のビデオテープを作製し、ドロップアウトの測定を
行った。
【0090】(実施例2)上記実施例1の潤滑剤処理
(前処理工程中)の際に用いたオレイルオレエート(潤
滑剤)をミリスチン酸(融点:53.9℃)に変更し
た。それ以外は、上記実施例1と同様な処理および操作
を行ない、サンプルを作製し、同様な評価を行った。
【0091】(実施例3)上記実施例1の前処理工程に
おいて、潤滑剤処理を行わずに、溶剤によるクリーニン
グのみとした。そして前処理工程の潤滑剤処理の代わり
に、カレンダー加工を行う金属ロール41上に、ヘキサ
ン/ブチルステアレート(98.0/2.0:重量比)
混合液を不織布に含浸させ乾燥させたもの(クリーニン
グ材料)を、金属ロールの回転方向と逆方向に接触走行
するようにクリーニングロールに取り付けて、不織布の
送り速度が5mm/secの条件下にて、ビデオテープ
(磁気記録媒体)を作製した。それ以外は、上記実施例
1と同様な処理および操作を行ない、サンプルを作製
し、同様な評価を行った。なお、ブチルステアレートの
融点は、21.3℃である。
【0092】(実施例4)上記実施例3で用いたブチル
ステアレート(潤滑剤)を、ステアリン酸(融点:6
9.6℃)に変えた。それ以外は、上記実施例3と同様
な処理および操作を行ない、サンプルを作製し、同様な
評価を行った。
【0093】(実施例5)上記実施例1で用いた磁性粉
末を、Co固溶磁性酸化鉄(保磁力:Hc680Oe)
に変え、切断幅を1/2インチとしてVHSフォーマッ
トとした。それ以外は、上記実施例1と同様な処理およ
び操作を行ない、サンプルを作製し、同様な評価を行っ
た。
【0094】(実施例6)上記実施例1で用いた磁性粉
末を、CrO2 (保磁力:Hc600Oe)に変え、切
断幅を1/2インチとしてVHSフォーマットとした。
それ以外は、上記実施例1と同様な処理および操作を行
ない、サンプルを作製し、同様な評価を行った。
【0095】(実施例7)上記実施例1のカレンダー加
工において、上記実施例3で用いたクリーニングロール
を付加した。それ以外は、上記実施例1と同様な処理お
よび操作を行ない、サンプルを作製し、同様な評価を行
った。
【0096】(比較例1)上記実施例1の前処理工程に
おける潤滑剤処理を行わなかった。それ以外は、上記実
施例1と同様な処理および操作を行ない、サンプルを作
製し、同様な評価を行った。
【0097】(比較例2)上記実施例3のブチルステア
レートをベヘン酸(融点:79.9℃)に変え、なおか
つカレンダー加工の加工温度を75℃とした。それ以外
は、上記実施例3と同様な処理および操作を行ない、サ
ンプルを作製し、同様な評価を行った。
【0098】(比較例3)上記実施例5の前処理工程に
おける潤滑剤処理を行わなかった。それ以外は、上記実
施例5と同様な処理および操作を行ない、サンプルを作
製し、同様な評価を行った。
【0099】(比較例4)上記実施例6の前処理工程に
おける潤滑剤処理を行わなかった。それ以外は、上記実
施例6と同様な処理および操作を行ない、サンプルを作
製し、同様な評価を行った。
【0100】上記実施例1〜7、および比較例1〜4に
おける、『金属ロール表面焼き付き』および『ドロップ
アウト』の具体的評価は以下のとおりである。
【0101】金属ロール表面焼き付き カレンダーによる加工工程終了後、MEKに浸した不織
布を用いて金属ロール表面のふき取りを行い、不織布上
に付着した汚れが目視にて確認できるか否かにより判断
した。
【0102】金属粉末テープのドロップアウト SONY社製DVR−10を用い、10μsec−12
dBの条件下でシバソク(株)製のドロップアウトカウ
ンターにてドロップアウトの測定を行った。
【0103】二酸化クロムおよび固溶体酸化鉄テープの
ドロップアウト 日本ビクター社製VTR BR7000Aを用い、15
μsec−30dBの条件下でシバソク(株)製のドロ
ップアウトカウンターにてドロップアウトの測定を行っ
た。
【0104】実験結果を下記表1に示した。
【0105】
【表1】
【0106】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、予め、カレンダ加工に用いる金属ロー
ルの表面を溶剤でクリーニングした後に、金属ロールの
表面を潤滑剤含有溶液により潤滑剤処理する磁気記録媒
体の製造方法においては、金属ロール表面の付着・固化
の発生もなく、安定したカレンダー処理が可能となり、
また、潤滑剤を含浸させたクリーニング材料により、加
工に用いる金属ロール表面を間欠あるいは連続的にクリ
ーニングしてなる磁気記録媒体の製造方法では、使用さ
れるクリーニング材料の繊維脱落もなく、これまで問題
となっていた、脱落繊維によるドロップアウト品質の低
下および生産歩留りの低下が防止されるという効果が発
現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す
概略製造工程図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す
概略製造工程図である。
【符号の説明】
3…非磁性支持体 10…繰出装置 20…塗布装置 30…乾燥装置 40…カレンダー装置 90…巻取装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面上に、磁性層形
    成のための磁性粉末と結合剤を含む磁性塗料を塗布、乾
    燥した後に、カレンダー加工を行う磁気記録媒体の製造
    方法において、 前記製造方法は、製造開始前、カレンダー加工に用いる
    金属ロールの前処理工程を含み、 前記前処理工程は、予め、カレンダー加工に用いる金属
    ロールの表面を溶剤でクリーニングした後に、金属ロー
    ルの表面を潤滑剤含有溶液により潤滑剤処理することを
    特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の一方の面上に、磁性層形
    成のための磁性粉末と結合剤を含む磁性塗料を塗布、乾
    燥した後に、カレンダー加工を行う磁気記録媒体の製造
    方法において、 前記カレンダー加工は、金属ロール表面のクリーニング
    操作を含み、 該クリーニング操作は、潤滑剤を含浸させたクリーニン
    グ材料により、加工に用いる金属ロール表面を間欠ある
    いは連続的にクリーニングしてなることを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記潤滑剤は、カレンダー加工時におけ
    る加工温度以下の融点を有する潤滑剤である請求項1ま
    たは請求項2記載の磁気記録媒体の製造方法。
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