JPH0973212A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH0973212A
JPH0973212A JP7229430A JP22943095A JPH0973212A JP H0973212 A JPH0973212 A JP H0973212A JP 7229430 A JP7229430 A JP 7229430A JP 22943095 A JP22943095 A JP 22943095A JP H0973212 A JPH0973212 A JP H0973212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低湿環境で十分な帯電性能を得るとともに、
高湿環境でも画像流れを生じさせないようにする。 【解決手段】 光導電層上に設けられた電荷注入層10
を構成するバインダ11中に分散させる導電性粒子12
の分散量あるいは導電性粒子12自体の抵抗値を3層に
分けて変化させ、厚さ方向の体積抵抗値を、内部側より
も表面側を低くする。これにより、あらゆる環境下での
感光体1の表面の帯電性を向上させ、高品位な画像を長
期にわたり得られるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザビ
ームプリンタなどの画像形成装置に係り、被帯電体に帯
電部材を接触させて帯電を行う帯電部材を備えた画像形
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置にお
ける帯電装置としては、コロナ帯電器が使用されてき
た。近年、これに代わって、接触帯電装置が実用化され
てきている。この接触帯電装置は、低オゾン化、低電力
化を目的としており、中でも接触帯電部材として導電ロ
ーラを用いたローラ帯電方式の接触帯電装置が、帯電の
安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0003】ローラ帯電方式の接触帯電装置では、導電
性の弾性ローラを被帯電体(感光体)に加圧接触させ、
これに電圧を印加することによって感光体への帯電を行
なうようにしている。
【0004】ローラ帯電方式の接触帯電装置において
は、帯電部材から被帯電体への放電によって帯電を行う
ため、ある閾値電圧(帯電開始電圧Vth)以上の電圧を
印加することによって帯電が開始する。例えば厚さ25
μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧接触させ
た場合には、約640V以上の電圧を印加すれば、感光
体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対し
て傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。
【0005】つまり、画像形成するために必要とされる
感光体の表面電位Vdを得るには、帯電ローラにはVd
+Vthという直流電圧を印加する必要がある。このよう
に直流電圧のみを接触帯電部材に印加して感光体の帯電
を行う方法を直流帯電方式と称する。
【0006】しかし、直流帯電方式においては、環境変
動などによって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、
あるいは感光体が削れることによって膜厚が変化して帯
電開始電圧Vthが変動するため、感光体の表面電位を所
望の値に帯電することが困難であった。
【0007】また、帯電の均一化を図るために、特開昭
63−149669号公報が開示されている。この特開
昭63−149669号公報に開示された帯電方式は、
所望の感光体の表面電位Vdに相当する直流電圧に2×
Vth以上のピーク間電圧の交流電圧を重畳した帯電電圧
を接触帯電部材に印加する交流帯電方式である。このよ
うな帯電電圧を印加することによりならし効果が得ら
れ、被帯電体の電位は交流電圧のピーク間電圧の中央の
表面電位Vdに収束し、環境などの外乱には影響される
ことはない。
【0008】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光体へ
の放電現象を用いているため、先に述べたように帯電に
必要とされる電圧は感光体の表面電位以上の値が必要と
され、微量のオゾンは発生する。また、帯電の均一化の
ために交流帯電を行った場合には、オゾン量の発生が増
加し、交流電圧の電界によって帯電部材と感光体とが振
動し、その結果騒音(以下「AC帯電音」と称す)が発
生する。また、放電による感光体の表面の劣化などが顕
著になり、新たな問題となっていた。
【0009】そこで新たな帯電方式として、感光体への
電荷の直接注入による帯電方式が、考案されている。す
なわち、特開平6−3921号公報などに開示されてい
るように直接注入帯電方式の帯電装置は、帯電ローラ、
帯電ブラシ、帯電磁気ブラシなどの接触導電部材に電圧
を印加し、表面に電荷注入層が施された感光体上のフロ
ート電極に電荷を注入して接触注入帯電を行うものであ
る。具体的には、電荷注入層として、感光体の表面にア
クリル樹脂に導電フィラーであるアンチモンドープで導
電化したSnO2 粒子を分散させたものを塗工して用い
る。
【0010】直接注入帯電方式では、放電現象を利用し
ないために、オゾンの発生もなく、帯電に必要な電圧
は、所定の感光体の表面電位分のみの直流電圧で済み、
さらに交流電圧を印加しないので、帯電音の発生もな
く、ローラ帯電方式と比較して低電圧、低オゾン化が図
れるのすぐれた帯電方式である。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来の画像形成装置において、電荷を感光体に直接注入す
る直接注入帯電では、電荷注入層が均一な抵抗膜によっ
て形成されており、帯電部材と感光体とが接触した部分
でのみ、電荷の注入が行われる。そのため、低湿環境に
おいては感光体の電荷注入層の抵抗が高くなり、帯電ニ
ップ内で十分に電荷注入が行われず、帯電不良が発生し
易くなる。また、高湿環境においては電荷注入層の抵抗
が低くなり、画像形成時に電荷が表面方向に保持され
ず、画像流れが生じ易くなるという問題があった。
【0012】そこで本発明は、上記のような問題点を解
決するためになされたもので、低湿環境で十分な帯電性
能を得るとともに、高湿環境でも画像流れを生じさせな
いようにした画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る帯電装置は、光導電層上に電荷注入
層を有する被帯電体と、該被帯電体に接触して帯電する
帯電部材とを有するものであって、前記電荷注入層は厚
さ方向で体積抵抗値が異なり、表面側が内部側よりも抵
抗値が低いことを特徴とする。
【0014】具体的には、前記電荷注入層は、バインダ
中に分散させた導電性粒子を、表面側を多く、内部側を
少なくした構成である。
【0015】または、前記電荷注入層は、バインダ中の
導電性粒子の分散量を厚さ方向に異ならせ、前記バイン
ダを複数層に分けて配置した構成である。
【0016】あるいは、前記電荷注入層は、バインダ中
に分散させた導電性粒子の抵抗値を表面側を低く、内部
側を高くした構成である。
【0017】または、前記電荷注入層は、前記バインダ
中の導電性粒子の抵抗値を厚さ方向に異ならせ、前記バ
インダを複数層に分けて配置した構成である。
【0018】[作用]以上の構成に基づき、光導電層上
に設けられた電荷注入層は、厚さ方向で体積抵抗値を異
ならせ、表面側の抵抗値を内部側の抵抗値よりも低くす
る。すなわち、例えば、電荷注入層を構成するバインダ
中に分散させる導電性粒子の分散量あるいは導電性粒子
自体の抵抗値を変化させ、厚さ方向の体積抵抗値を、内
部側よりも表面側を低くする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。 〈第1の実施の形態〉図1は、本発明に係る画像形成装
置の一例を示す概略構成図、また図2は感光体の電荷注
入層を示す断面図である。
【0020】まず、本実施の形態に用いられる電子写真
プロセス利用のレーザビームプリンタである画像形成装
置を説明する。図1において、被帯電体としての回転ド
ラム型の電子写真感光体(以下単に「感光体」という)
1は、矢印R1方向に100mm/sec のプロセススピー
ド(周速度)で回転駆動される。感光体1には、接触帯
電部材としての磁気ブラシ帯電器2が接触している。こ
の磁気ブラシ帯電器2は、例えば表面に電荷注入層が施
された感光体1上のフロート電極に電荷を注入して接触
注入帯電を行うものである。感光体1の被帯電面は、レ
ーザビームによって走査露光される。この走査露光は、
レーザダイオード・ポリゴンミラーなどの不図示のレー
ザビームスキャナから出力される画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対して強度変調されたもので、この
走査露光によって感光体1はその周面に目的の画像情報
に対応した静電潜像が形成される。感光体1に形成され
た静電潜像は、磁性一成分絶縁トナーを用いた反転現像
装置3によりトナー画像として現像される。反転現像装
置3は、マグネットローラ3bに対して直径16mmの非
磁性現像スリーブ3aを回転可能に設けたもので、非磁
性現像スリーブ3aの表面と感光体1の表面との距離を
300μmに固定した状態で、非磁性現像スリーブ3a
を感光体1と等速で回転させる。また、非磁性現像スリ
ーブ3aには、−500Vの直流電圧に、周波数180
0Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形波の交流電圧を
重畳した現像バイアス電圧を印加する現像バイアス電源
S2が接続されており、非磁性現像スリーブ3aに非磁
性一成分絶縁トナーがコートされている。非磁性現像ス
リーブ3aと感光体1との間でジャンピング現像を行わ
せる。
【0021】一方、不図示の給紙部から供給される記録
材としての転写紙Pは、感光体1に所定の押圧力で接触
されている接触転写手段としての転写ローラ4の圧接ニ
ップ部(転写部)Tに所定のタイミングで導入される。
転写ローラ4には転写バイアス印加電源S3から所定の
転写バイアス電圧が印加される。本実施の形態では、転
写ローラ4の抵抗値として5×108 Ωのものを用い、
転写バイアス印加電源S3の電圧として+2000Vの
直流電圧を印加して転写を行う。
【0022】転写紙Pは、転写部Tに導入されることに
より、挟持搬送され、その表面側に感光体1の表面に担
持されているトナー画像が静電気力と押圧力とによって
順次に転写される。
【0023】トナー画像が転写された転写紙Pは、感光
体1の表面から分離された後、熱定着方式などの定着装
置5へ導入されてトナー画像が定着され、画像形成物
(プリント)として装置外へ排出される。
【0024】また、転写紙Pに対してトナー画像転写後
の感光体1は、表面に残留トナーなどの付着汚染物が残
留しており、この付着汚染物をクリーニング装置6によ
り除去して清掃し、繰り返して画像形成に供される。
【0025】本実施の形態の画像形成装置は、感光体
1、磁気ブラシ帯電器2、反転現像装置3およびクリー
ニング装置6の4つのプロセス機器をカートリッジ筐体
20に内蔵させたもので、4つのプロセス機器が内蔵さ
れたカートリッジ筐体20を画像形成装置本体に対して
一括して着脱交換自在に装着したカートリッジ方式のも
のであるが、これに限定されるものではない。
【0026】次に、本実施の形態に用いた感光体1につ
いて説明する。
【0027】感光体1は、負帯電のOPC感光体であ
り、直径φ30mmのアルミニウム製のドラム基体上に5
つの機能層を下から順に第1層から第5層まで設けたも
のである。
【0028】第1層は、厚さ約20μmの導電層である
下引き層で、アルミニウム製のドラム基体の欠陥などを
均すため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を
防止するために設けられている。
【0029】第2層は、厚さ約1μmの中抵抗層である
正電荷注入防止層で、アルミニウム製のドラム基体から
注入された正電荷が感光体1の表面に帯電された負電荷
を打ち消すことを防止する役割を果たすものであり、ア
ミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106
Ωcm程度に抵抗調整されている。
【0030】第3層は、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散
させた厚さ約0.3μmの電荷発生層であり、レーザ露
光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0031】第4層は、感光体1の表面に帯電された負
電荷を移動させず、電荷発生層で発生した正電荷のみを
感光体1の表面に輸送させる電荷輸送層(以下「CT
層」という)であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾ
ンを分散させたP型半導体である。
【0032】第5層は、電荷注入層であり、光硬化性の
アクリル樹脂に超微粒子を分散させたものである。具体
的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した粒径
約0.03μmのSnO2 粒子を樹脂に対して分散させ
ている。帯電ブラシ(磁気ブラシ)との摩擦力を小さく
するために、バインダ中にテフロン粒子を分散させてい
る。
【0033】本実施の形態では、図2に示すように電荷
注入層10は、バインダ12中の導電性粒子としての酸
化スズ(SnO2 )11の分散量が異なる3種類の層で
形成した。すなわち、CT層上にSnO2 11を50wt
%,70wt%,90wt%の割合で分散させた調合液をビ
ームコーティング法により順に、1.5μmずつ成膜し
て表面側の抵抗値が内部側の抵抗値より低い電荷注入層
10を形成した。
【0034】ここで、分散量は、分散量[wt%]={導
電フィラー重量/(導電フィラー重量+樹脂バインダ重
量)}×100である。
【0035】各々の層の体積抵抗値は、以下の通りであ
る。
【0036】
【表1】 上記の体積抵抗値は、金属の電極を200μmの間隔で
配置し、その間に電荷注入層10の調合液を流入させて
成膜させ、電極間に100Vの電圧を印加して測定した
値である。
【0037】電荷注入層10の最表面における抵抗値
は、接触帯電部材2からの電荷を注入し易くするため
に、1×1013Ω・cm以下であることが好ましく、より
好ましくは1×1011Ω・cm以下である。また、電荷注
入層10の下部での抵抗値は、画像形成による残留電位
を抑えるため、1×1015Ω・cm以下であることが望ま
しい。
【0038】分散量50%の層についてさらに詳しく説
明する。調合液は、光硬化型のアクリル系モノマー60
部、酸化スズ超微粒子60部、ポリテトラフルオロエチ
レン微粒子50部、光開始剤として2−メチルオキサン
トン20部、メタノール400部をサンドミルにて48
時間分散を行ったものである。
【0039】この調合液を用いて、CT層上にビームコ
ーティング法により、膜を成膜し、乾燥後、高圧水銀灯
にて8mW/cm2 の光強度で、20秒間光硬化を行った。
このとき、膜厚は1.5μmであった。
【0040】酸化スズ分散量の異なる他の2層について
も順次、同様の方法で成膜を行い、これらより電荷注入
層10を得た。
【0041】本実施の形態では、電荷注入層10の塗工
方法として、ビームコーティング法を用いたが、そのほ
かにスプレーコーティング、また溶媒を選択することに
より浸漬コーティングを行うこともできる。
【0042】本実施の形態で用いる導電性粒子として
は、先に述べた酸化スズ以外にも、銅(Cu)、アルミ
ニウム(Al)、ニッケル(Ni)などの金属酸化物、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、
アンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどの超微粒
子を用いることができる。これらの金属酸化物は1種類
もしくは2種類以上を混合して用いることもできる。2
種類以上を混合した場合には、固溶体または融着の形に
してもよい。
【0043】ここで、導電性粒子の平均粒径は感度低下
を起こさないために0.3μm以下であることが好まし
く、より好ましくは0.1μm以下である。
【0044】また、本実施の形態で用いたアクリル樹脂
以外にも、電荷注入層の樹脂としては、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、セルロース樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、メラミン樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体などを用いることができる。これらの樹脂
は、単独で用いても2種類以上を組合せて用いてもよ
い。
【0045】導電材料の分散方法としては、サンドミル
の他にボールミル、ロールミル、ホモジナイザー、ペイ
ントシェイカー、超音波などが使用される。
【0046】また、電荷注入層をイオン導電性の樹脂で
構成しても構わない。
【0047】次に、本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯
電器2について説明する。
【0048】磁気ブラシ帯電器2は、回転可能な直径φ
16mmの非磁性の導電スリーブ21と、この導電スリー
ブ21に内包されるマグネットロール22、そして磁気
力により導電スリーブ21の表面に拘束されるキャリヤ
23によって構成されている。
【0049】導電スリーブ21の表面での磁束密度は、
0.1T(テスラ)であった。磁束密度としてはキャリ
ヤ23に対する磁気拘束力を考慮すると、0.03T以
上が好ましい。
【0050】本実施の形態のキャリヤ23は、平均粒径
30μm、最大磁化60Am2 /kg、密度が2.2g/
cm2 の中抵抗のフェライトキャリヤを使用している。導
電スリーブ21の表面から感光体1の表面までの帯電ニ
ップ部におけるギャップは500μmに保持されてい
る。長手方向の帯電幅は200mmで、導電スリーブ21
上のキャリヤ量を12gにした場合、キャリヤ溜りを含
めた全体の帯電ニップ幅は約5mmとなる。この帯電ニッ
プ幅でのキャリヤ抵抗値は、100Vの直流電圧を印加
したとき5×106 Ωであった。
【0051】ここで、磁気ブラシ帯電器2と感光体1と
の周速比は次の式で定義することができる。
【0052】周速比(%)={(磁気ブラシ周速−感光
体周速)/感光体周速}×100 磁気ブラシ2の周速は、感光体1の回転方向と逆方向の
回転の場合は負の値となる。磁気ブラシ2と感光体1と
の接触機会を考慮すると、周速比の絶対値としては10
0%以上が望ましいが、−100%は磁気ブラシが停止
している状態であり、この場合、磁気ブラシ2と感光体
1の表面とが十分に接触しないところは帯電不良とな
り、停止した形状がそのまま画像に現れてしまう。ま
た、順方向の回転は、逆方向と同じ周速比を得ようとす
ると、磁気ブラシの回転数としては高くなってしまい、
キャリヤ23の飛散などに対して不利となる。本実施の
形態においては周速比は−200%である。
【0053】なお、本実施の形態では、帯電器として磁
気ブラシ帯電器2を用いたが、感光体1と接触性のよい
もの、例えばファーブラシ帯電器などを用いてもよい。
【0054】この磁気ブラシ2に帯電バイアス印加電源
S1から−70OVの直流帯電バイアスを印加した時、
感光体1の外周面はほぼ−700Vに一様に帯電され
る。
【0055】電荷注入層10の表面付近は抵抗値が低い
ため、低湿環境のような電荷注入がされにくい環境でも
帯電ニップ部内で注入が十分行われる。注入された電荷
は、対向電荷に引き寄せられ、電荷注入層10とCT層
の界面付近まで移動する。ここでの電荷注入層の抵抗値
は、高湿環境でも横方向への潜像電荷の横流れが発生し
ない程度の抵抗であるため、画像流れは発生しない。
【0056】電荷注入層10に厚さ方向の表面側と内部
側とで体積抵抗値を異ならせる場合、注入された電荷の
CT層の界面への移動を妨害しない構成であればよく、
抵抗差は本実施の形態のようにステップ状や、またスロ
ープ状などでも構わない。また、上記条件を満たせば、
本実施の形態のように3層構成でなくとも、2層や4層
以上の構成であってもよい。
【0057】上述したように、電荷注入層10を構成す
ることで、低湿環境においても十分に注入による帯電が
行なわれ、また高湿環境においても画像流れの起こらな
い感光体1を得ることが可能となった。したがって、あ
らゆる環境で安定して高品位な画像出力が可能となっ
た。
【0058】このように本発明の実施の形態に用いた感
光体1は、電荷注入層10に分散されている導電性粒子
11の分散量を厚さ方向で変化させることで、電荷注入
層10の表面側と内部側とで体積抵抗値に差を形成し、
電荷注入層10の表面付近の方が抵抗値を低くすること
を特徴とする。 〈第2の実施の形態〉次に、第2の実施の形態を説明す
る。
【0059】本実施の形態では、電荷注入層に分散する
導電粒子自体の抵抗値を厚さ方向で異ならせ、電荷注入
層の表面側の抵抗値を内部側の抵抗値より低い導電性粒
子を用いたことを特徴とする。
【0060】電荷注入層は、第1の実施の形態と同様に
光硬化性のアクリル樹脂に、アンチモンをドーピング
し、低抵抗化した粒径、約0.03μmのSnO2 粒子
を分散させたもので、この場合のSnO2 粒子自体の抵
抗値は表面処理量により変化させることができる。
【0061】本実施の形態では表面処理量の異なる3種
類のSnO2 を含む層で電荷注入層を形成した。これら
を、それぞれA層、B層、C層とすると、各々の層の抵
抗値は、以下のようになった。
【0062】
【表2】 CT層上に上記3層をA層から順に1.5μmずつスプ
レーコート法により成膜し、電荷注入層10を形成し
た。
【0063】この感光体1を用いて第1の実施の形態の
画像形成装置により画像出力を行なったところ、あらゆ
る環境において均一な帯電が可能となり、良好な画像を
得られるようになった。
【0064】また、A層、B層、C層におけるSnO2
の分散量は膜の抵抗順序が変らない限り、同一である必
要はない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光導電層上に設けられた電荷注入層は厚さ方向で体積抵
抗値を異ならせ、表面側の抵抗値を内部側の抵抗値より
も低くしたので、注入帯電において、低湿環境下でも十
分な帯電性能を得ることができるとともに、高湿環境下
でも画像流れを生じさせないことができる。
【0066】したがって、あらゆる環境下での感光体表
面の帯電性が向上し、高品位な画像を長期にわたり得る
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構
成図である。
【図2】図1に示す感光体の電荷注入層を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 被帯電体(感光体) 2 帯電部材(磁気ブラシ帯電器) 10 電荷注入層 11 導電性粒子(酸化スズ) 12 バインダ 22 マグネットロール 23 キャリヤ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層上に電荷注入層を有する被帯電
    体と、該被帯電体に接触して該被帯電体を帯電する帯電
    部材とを備えた画像形成装置において、 前記電荷注入層は厚さ方向で体積抵抗値が異なり、表面
    側が内部側よりも抵抗値が低い、 ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記電荷注入層は、バインダ中に分散さ
    せた導電性粒子を、表面側を多く、内部側を少なくし
    た、 ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電荷注入層は、バインダ中の導電性
    粒子の分散量を厚さ方向に異ならせ、前記バインダを複
    数層に分けて形成した、 ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記電荷注入層は、バインダ中に分散さ
    せた導電性粒子の抵抗値を表面側を低く、内部側を高く
    した、 ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記電荷注入層は、バインダ中の導電性
    粒子の抵抗値を厚さ方向に異ならせ、前記バインダを複
    数層に分けて形成した、 ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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