JPH0969424A - フェライト磁石材料及びその製造方法 - Google Patents
フェライト磁石材料及びその製造方法Info
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- JPH0969424A JPH0969424A JP7248688A JP24868895A JPH0969424A JP H0969424 A JPH0969424 A JP H0969424A JP 7248688 A JP7248688 A JP 7248688A JP 24868895 A JP24868895 A JP 24868895A JP H0969424 A JPH0969424 A JP H0969424A
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- Japan
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- solution
- nitrate
- magnet
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- Hard Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造工数が少なく、Bs、Br、及びエネル
ギー積等の磁気特性が優れたフェライト磁石材料及びそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 鉄とバリウム、又は鉄とストロンチウム
の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の沸点以上
の温度中に噴霧して加熱する。
ギー積等の磁気特性が優れたフェライト磁石材料及びそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 鉄とバリウム、又は鉄とストロンチウム
の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の沸点以上
の温度中に噴霧して加熱する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電ランプ、電話
機、各種スピーカー、モータ等に数多く使用されている
フェライト磁石材料及びその製造方法に関するものであ
る。
機、各種スピーカー、モータ等に数多く使用されている
フェライト磁石材料及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】各種モータ、スピーカー等の電気機器に
用いられる磁石材料としては、フェライト磁石、希土類
磁石、アルニコ磁石等があげられる。その中で、フェラ
イト磁石は、他の磁石、例えば、Nd−Fe−B等の希
土類磁石と比べ、特性は低いものの、安価であるが故
に、様々な分野で利用され、かつ、磁気特性が優れてい
る希土類磁石以上に大量に使用されている。
用いられる磁石材料としては、フェライト磁石、希土類
磁石、アルニコ磁石等があげられる。その中で、フェラ
イト磁石は、他の磁石、例えば、Nd−Fe−B等の希
土類磁石と比べ、特性は低いものの、安価であるが故
に、様々な分野で利用され、かつ、磁気特性が優れてい
る希土類磁石以上に大量に使用されている。
【0003】従来のフェライト磁石は、炭酸ストロンチ
ウムと酸化鉄、又は炭酸バリウムと酸化鉄の粉末をボー
ルミル等で混合し、混合した粉末を焼結して作られる。
ウムと酸化鉄、又は炭酸バリウムと酸化鉄の粉末をボー
ルミル等で混合し、混合した粉末を焼結して作られる。
【0004】又、フェライトボンド磁石に関しては、焼
結したフェライト磁石を粉砕して粉末とし、その粉末と
樹脂等を混合して固めたものである。
結したフェライト磁石を粉砕して粉末とし、その粉末と
樹脂等を混合して固めたものである。
【0005】従来の製造方法で作製されたフェライト磁
石では、磁石の組織中にFe3O4等のソフト相が混在し
ていると、その磁石は保磁力が低下するために、磁気特
性(エネルギー積、保磁力)が低下する。
石では、磁石の組織中にFe3O4等のソフト相が混在し
ていると、その磁石は保磁力が低下するために、磁気特
性(エネルギー積、保磁力)が低下する。
【0006】そのため、製造時に、組成制御や組織制御
を行い、できる限りソフト相の混在しないハード相の単
一相を製造することが好ましい。
を行い、できる限りソフト相の混在しないハード相の単
一相を製造することが好ましい。
【0007】更に、フェライトボンド磁石を製造する時
は、一度、フェライト焼結磁石を製造し、その焼結体を
粉砕して粉末にしてからボンド磁石とするため、製造工
数が焼結磁石と比べ多い。
は、一度、フェライト焼結磁石を製造し、その焼結体を
粉砕して粉末にしてからボンド磁石とするため、製造工
数が焼結磁石と比べ多い。
【0008】又、フェライトボンド磁石は、焼結磁石に
比べ、形状の自由度があるという利点があるが、粉末と
樹脂を混合するため、磁石に対する粉末の体積占有率が
下がり、そのため、磁束密度が低下する。
比べ、形状の自由度があるという利点があるが、粉末と
樹脂を混合するため、磁石に対する粉末の体積占有率が
下がり、そのため、磁束密度が低下する。
【0009】それ故、焼結磁石のエネルギー積が約37
kJ/m3であるのに比べ、ボンド磁石は、そのエネル
ギー積が約16kJ/m3と低いという欠点を有する。
kJ/m3であるのに比べ、ボンド磁石は、そのエネル
ギー積が約16kJ/m3と低いという欠点を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の解決し
ようとする課題は、製造工数が少なく、Bs、Br、及
びエネルギー積等の磁気特性が優れたフェライト磁石材
料及びその製造方法を提供することである。
ようとする課題は、製造工数が少なく、Bs、Br、及
びエネルギー積等の磁気特性が優れたフェライト磁石材
料及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の問題
点を考慮し、特に、フェライトボンド磁石の特性向上を
目的として調査を行った。
点を考慮し、特に、フェライトボンド磁石の特性向上を
目的として調査を行った。
【0012】本発明は、鉄とバリウム、又は鉄とストロ
ンチウムの硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の
沸点以上の温度中に噴霧して加熱することを特徴として
いる。
ンチウムの硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の
沸点以上の温度中に噴霧して加熱することを特徴として
いる。
【0013】この製造方法によれば、均一で微細な粉末
が得られることを我々は以前に特願平5−第33850
9号で報告している。
が得られることを我々は以前に特願平5−第33850
9号で報告している。
【0014】又、通常の磁石は、図1のようなI−H曲
線を描く。
線を描く。
【0015】しかし、組織中が微細な結晶の場合、ハー
ド相の他にソフト相が混在しても、図2のように、減磁
しても、磁化は描かれた減磁曲線上をそのまま戻り、磁
化は減少しない特性が発現することが、最近、報告され
ている。
ド相の他にソフト相が混在しても、図2のように、減磁
しても、磁化は描かれた減磁曲線上をそのまま戻り、磁
化は減少しない特性が発現することが、最近、報告され
ている。
【0016】このような磁石は、スプリングマグネット
と呼ばれ、組織中に磁化の高いソフト相が存在するた
め、全体の磁化が高く、リコイル透磁率が大きいという
特徴を有する。
と呼ばれ、組織中に磁化の高いソフト相が存在するた
め、全体の磁化が高く、リコイル透磁率が大きいという
特徴を有する。
【0017】以上の観点から、前記製造方法を用い、2
相構造の微細結晶組織のフェライト磁石の作製を試み、
良好な結果を得た。
相構造の微細結晶組織のフェライト磁石の作製を試み、
良好な結果を得た。
【0018】又、材料が粉末として得られるので、その
粉末を樹脂と混合して、ボンド磁石とできるために、作
業工数が大幅に削減できる。
粉末を樹脂と混合して、ボンド磁石とできるために、作
業工数が大幅に削減できる。
【0019】即ち、本発明は、バリウム、ストロンチウ
ム、及び鉄の酸化物からなり、XFe12O19,XFe18
O27(XはBa,Srのうち少なくとも1種以上)の化
学式で示される1種以上の相とスピネル構造を有する鉄
酸化物相が混在することを特徴とするフェライト磁石材
料である。
ム、及び鉄の酸化物からなり、XFe12O19,XFe18
O27(XはBa,Srのうち少なくとも1種以上)の化
学式で示される1種以上の相とスピネル構造を有する鉄
酸化物相が混在することを特徴とするフェライト磁石材
料である。
【0020】又、本発明は、上記フェライト磁石材料に
おいて、バリウム、ストロンチウム、鉄との酸化物から
なり、リコイル透磁率μrecが1.5より大きいこと
を特徴とするフェライト磁石材料である。
おいて、バリウム、ストロンチウム、鉄との酸化物から
なり、リコイル透磁率μrecが1.5より大きいこと
を特徴とするフェライト磁石材料である。
【0021】又、本発明は、鉄とバリウム、又はストロ
ンチウムの硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の
沸点以上の温度中に噴霧して加熱することにより粉末を
得ることを特徴とする上記フェライト磁石材料の製造方
法である。
ンチウムの硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の
沸点以上の温度中に噴霧して加熱することにより粉末を
得ることを特徴とする上記フェライト磁石材料の製造方
法である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のフェライト磁石材料及び
その製造方法の実施例について説明する。
その製造方法の実施例について説明する。
【0023】(実施例1)純水中に硝酸バリウム7gと
硝酸鉄93gを溶かし、その後、その溶液にアミノ酸を
加えて溶かした。得られた溶液を400℃まで加熱した
大気中に噴霧機で噴霧して、溶液を反応させた。
硝酸鉄93gを溶かし、その後、その溶液にアミノ酸を
加えて溶かした。得られた溶液を400℃まで加熱した
大気中に噴霧機で噴霧して、溶液を反応させた。
【0024】得られた粉末をX−ray回折装置を用い
て生成物質を特定したところ、BaFe12O19とFe3
O4の2相が生成していた。
て生成物質を特定したところ、BaFe12O19とFe3
O4の2相が生成していた。
【0025】又、VSMを用いて磁化特性を測定した結
果、粉末に保磁力以上の磁界をかけても、元の残留磁束
密度の83%に磁束密度が戻り、リコイル透磁率は1.
58となり、スプリングマグネット特有の特性を示すこ
とがわかった。
果、粉末に保磁力以上の磁界をかけても、元の残留磁束
密度の83%に磁束密度が戻り、リコイル透磁率は1.
58となり、スプリングマグネット特有の特性を示すこ
とがわかった。
【0026】(実施例2)純水中に硝酸ストロンチウム
4gと硝酸鉄96gを溶かし、その後、その溶液にアミ
ノ酸を加えて溶かした。得られた溶液を400℃まで加
熱した大気中に噴霧機で噴霧して、溶液を反応させた。
4gと硝酸鉄96gを溶かし、その後、その溶液にアミ
ノ酸を加えて溶かした。得られた溶液を400℃まで加
熱した大気中に噴霧機で噴霧して、溶液を反応させた。
【0027】得られた粉末をX−ray回折装置を用い
て生成物質を特定したところ、SrFe18O27とFe3
O4の2相が生成していた。
て生成物質を特定したところ、SrFe18O27とFe3
O4の2相が生成していた。
【0028】又、VSMを用いて磁化特性を測定した結
果、粉末に保磁力以上の磁界をかけても、元の残留磁束
密度の87%に磁束密度が戻り、リコイル透磁率は1.
62となり、スプリングマグネット特有の特性を示すこ
とがわかった。
果、粉末に保磁力以上の磁界をかけても、元の残留磁束
密度の87%に磁束密度が戻り、リコイル透磁率は1.
62となり、スプリングマグネット特有の特性を示すこ
とがわかった。
【0029】更に、得られた粉末を用い、エポキシ樹脂
と混合固化し、ボンド磁石を作製した。
と混合固化し、ボンド磁石を作製した。
【0030】そのボンド磁石のエネルギー積が約19k
J/m3になり、従来の製造方法で作製したボンド磁石
のエネルギー積の約17kJ/m3よりも優れた磁気特
性を示した。
J/m3になり、従来の製造方法で作製したボンド磁石
のエネルギー積の約17kJ/m3よりも優れた磁気特
性を示した。
【0031】
【発明の効果】以上の結果、本発明によって、従来より
磁気特性が優れ、しかも、製造工数の少ないフェライト
磁石材料及びその製造方法を提供することができる。
磁気特性が優れ、しかも、製造工数の少ないフェライト
磁石材料及びその製造方法を提供することができる。
【図1】通常の磁石のI−H曲線を簡略的に示した図。
【図2】スプリングマグネットのI−H曲線を簡略的に
示した図。
示した図。
Claims (3)
- 【請求項1】 バリウム、ストロンチウム、及び鉄の酸
化物からなり、XFe12O19,XFe18O27(XはB
a,Srのうち少なくとも1種以上)の化学式で示され
る1種以上の相とスピネル構造を有する鉄酸化物相が混
在することを特徴とするフェライト磁石材料。 - 【請求項2】 請求項1記載のフェライト磁石材料にお
いて、バリウム、ストロンチウム、鉄との酸化物からな
り、リコイル透磁率μrecが1.5より大きいことを
特徴とするフェライト磁石材料。 - 【請求項3】 鉄とバリウム、又はストロンチウムの硝
酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、溶媒の沸点以上の温
度中に噴霧して加熱することにより粉末を得ることを特
徴とする請求項1又は2記載のフェライト磁石材料の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7248688A JPH0969424A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | フェライト磁石材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7248688A JPH0969424A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | フェライト磁石材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0969424A true JPH0969424A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=17181863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7248688A Pending JPH0969424A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | フェライト磁石材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0969424A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100725546B1 (ko) * | 2006-02-22 | 2007-06-08 | 요업기술원 | 자기 코어용 자성재료 및 그 제조방법 |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP7248688A patent/JPH0969424A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100725546B1 (ko) * | 2006-02-22 | 2007-06-08 | 요업기술원 | 자기 코어용 자성재료 및 그 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040601 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041019 |