JP2001085210A - フェライト系焼結磁石 - Google Patents

フェライト系焼結磁石

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JP2001085210A
JP2001085210A JP13002399A JP13002399A JP2001085210A JP 2001085210 A JP2001085210 A JP 2001085210A JP 13002399 A JP13002399 A JP 13002399A JP 13002399 A JP13002399 A JP 13002399A JP 2001085210 A JP2001085210 A JP 2001085210A
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ferrite
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magnet
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JP13002399A
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Toshiharu Suzuki
俊治 鈴木
Takatsugu Hagino
貴継 萩埜
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Minebea Co Ltd
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Minebea Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のM型フェライトよりも優れた磁気特性を
もつ、フェライト系焼結磁石を提供すること。 【解決手段】AをBa、Sr、Ca或いはPbのうちの
1又は2以上とし、BをFe、Co、Ni、Mn、M
g、Cr、Cu、Znのうちの1または2以上としたと
き、組成式AO・2(BO)・8Fe2O3で表される
W型フェライト相に、AをBa、Sr、Ca或いはPb
のうちの1又は2以上とした組成式AO・6Fe2O3
で表されるM型フェライト相と組成式Fe3O4で表さ
れるマグネタイト相の一種または二種を混在させた複合
材料からなり、該W型フェライト相のモル比が60〜9
7%で、且つその平均結晶粒径が0.3〜4ミクロンで
あり、特定方向の磁気異方性を有することを特徴とする
フェライト系焼結磁石であって、実際には、断面が円筒
状或いは半円弧状に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い磁気特性を有
するW型フェライト相に、M型フェライト相またはマグ
ネタイト相を複合させてなる、従来のM型フェライトよ
り優れた磁気特性をもつ、フェライト系焼結磁石に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーや環境保護の面から
各種電気機器等の小型化が求められ、それに伴なってそ
れらの機器に使用される磁石の小型化および高性能化が
益々求められている。そのような状況下において、従来
から基本組成式SrO・6Fe2O3で表されるマグネ
ットプランバイト型六方晶の結晶構造をもつ、いわゆる
M型フェライト磁石が安価な焼結磁石、ゴム磁石あるい
はプラスチック磁石として様々な分野で多用されてい
る。しかし、このM型フェライト磁石は飽和磁化が小さ
く、現状以上の高性能化、例えば焼結磁石では38kJ
/m3(4.8MGOe)以上、プラスチック磁石では
17.6kJ/m3(2.2MGOe)以上の最大磁気
エネルギー積を得ることが困難である。
【0003】飽和磁化の大きい代表的なフェライト材料
として、例えば主成分がBaO−FeO−Fe2O3の
三元系から成る、4種類の六方晶結晶構造のフェライト
(W型、X型、Y型、Z型)が知られている。その内、
W型フェライトは従来のM型と類似の構造をもち、M型
に対して10%大きい飽和磁化をもっている。
【0004】例えば、”Journal of Applied Physics.
51 (1980) 5913”には、BaO・2(FeO)・8Fe
2O3で表されるW型フェライトが開示されている。し
かし、このW型フェライトの作成方法は複雑な焼成雰囲
気の制御が必要である。また、その最大磁気エネルギー
積は34.4kJ/m3(4.3MGOe)であって従
来のM型フェライトの特性に留まっている。
【0005】また、特開平9−260124号公報に
は、還元剤としてのカーボン添加と非酸化性雰囲気中で
の焼成によって作成された、SrO・2(FeO)・n
Fe2O3組成のW型フェライトが開示されている。そ
のW型フェライトの最大磁気エネルギー積は42.4k
J/m3(5.3MGOe)と優れたものである。しか
し、保磁力は200kA/m(2.5kOe)であり従
来のM型フェライトの一般的値である240〜320k
A/m(3〜4kOe)より低く、また飽和磁化は0.
5TでありM型フェライトより大きいものの未だ不十分
である。したがって、従来のM型フェライト単体あるい
はW型フェライト単体からなる磁石では、今後さらに求
められる磁石の小型化、高性能化に十分に対応すること
が困難である。
【0006】また、従来技術においては、W型フェライ
トを用いて、円筒状や円弧状のモーター用磁石や円盤状
のスピーカ用磁石を実際に製作した例がなく、さらにW
型フェライト相と他の磁性相との複合磁性体の磁気的な
特性についても未だその知見は何ら得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如き事
情に鑑みなされたもので、従来のM型フェライトあるい
はW型フェライト単独よりも優れた磁気特性をもつ、フ
ェライト系焼結磁石を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の如き本発明の目的
を達成するために、本願の請求項1に係る発明では、A
をBa、Sr、Ca或いはPbのうちの1又は2以上と
し、BをFe、Co、Ni、Mn、Mg、Cr、Cu、
Znのうちの1または2以上としたとき、組成式AO・
2(BO)・8Fe2O3で表されるW型フェライト相
に、AをBa、Sr、Ca或いはPbのうちの1又は2
以上とした組成式AO・6Fe2O3で表されるM型フ
ェライト相と組成式Fe3O4で表されるマグネタイト
相の一種または二種を混在させた複合材料からなり、該
W型フェライト相のモル比が60〜97%で、且つその
平均結晶粒径が0.3〜4ミクロンであり、特定方向の
磁気異方性を有することを特徴とするフェライト系焼結
磁石が提供される。本願の請求項2に係る発明では、請
求項1に係る発明に加えて、上記フェライト複合型焼結
磁石が円筒形状を有し、かつ該円筒面に対して複数極ま
たは放射状の磁気異方性をもつことを特徴とするフェラ
イト系焼結磁石が提供される。 本願の請求項3に係る
発明では、請求項1に係る発明に加えて、上記フェライ
ト複合型焼結磁石が円弧形状を有し、かつ該円弧面の上
下方向に磁気異方性をもつことを特徴とするフェライト
系焼結磁石が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の、フェライト系磁石材料
およびその製造方法について 図1〜図4を参照しなが
ら以下に説明する。まず、W型フェライト結晶を得るた
めには、組成式AO・n(BO)・mFe2O3におい
て、Aを1または2以上の2価アルカリ土類金属イオ
ン、好ましくはBa、Sr、CaあるいはPbとし、ま
たBを1または2以上の2価金属イオン、好ましくはF
e、Co、Ni、Mn、Mg、Cr、Cu、Znとする
必要がある。すなわち、これらのイオン以外ではW型フ
ェライト結晶を得ることは困難である。
【0010】一般にフェライト磁石の磁気特性はその磁
石を構成する各相がもつ飽和磁化と保磁力の値に依存し
て変化する。したがって、W型フェライト相とM型フェ
ライト相若しくはマグネタイト相を混在させることによ
り磁気特性を調整することができる。例えばSr系のW
型フェライト、M型フェライトおよびマグネタイトの飽
和磁化と保磁力は、以下のように見積もることができ
る。 飽和磁化(T) 保磁力(kA/m) Sr系W型フェライト: 0.52 160〜280 Sr系M型フェライト: 0.47 240〜320 マグネタイト : 0.60 100以下
【0011】したがって、例えばW型フェライト相と保
磁力の大きいM型フェライト相を複合させることによ
り、より大きな保磁力を得ることができる。また、W型
フェライト相と飽和磁化の大きいマグネタイト相を複合
させることにより、より大きな飽和磁化を得ることがで
きる。このように、W型フェライト相に混在するM型フ
ェライト相あるいはマグネタイト相の構成比率を変える
ことによって磁気特性を調整することができる。
【0012】表1に、W型フェライト相(WF)とM型
フェライト相(MF)およびマグネタイト(MA)相と
の複合磁石における、各相のモル比と磁気特性の関係を
示す。使用した試料は、SrCO3とFe2O3を1:
9.5のモル比で配合した原料粉末を窒素ガス中125
0℃で2時間仮焼し、CaCO3とSiO2をそれぞれ
0.7質量%と0.3質量%添加して、アトライタによ
り平均粒径が約0.3μmになる様粉砕した。この粉末
を800kA/mの磁界中で成形し、窒素ガスを流しな
がら酸素濃度を0.01〜2%の範囲で変化させ、12
25℃で各1時間焼結して、径20mm/高さ15mm
の円板状試料を製作した。モル比の算出は、予めW型フ
ェライトとマグネタイトそれぞれの粉末試料を所定比率
で混合し、それらのX線回折強度から比較算定して求
め、磁気特性は磁束計によって測定した。
【0013】表1から明らかなように、W型フェライト
相に少量のマグネタイト相を複合させることにより残留
磁束密度(Br)が向上するが、過剰な場合には保磁力
(HcJ)の著しい低下に伴って残留磁束密度も低下す
る。また、W型フェライト相にM型フェライト相を複合
化させることにより保磁力(HcJ)が向上する。これ
らの結果より、本発明者はM型フェライトを超える優れ
た磁気特性(およそ38kJ/m3)を得るための、本
願フェライト系焼結磁石の好ましいモル比を60〜97
%とした。
【0014】高い磁気特性を有する焼結磁石を得るに
は、高い飽和磁化と共に高い保磁力(HcJ)を有する
ことが必要である。フェライト磁石は単磁区粒子型の保
磁力発生機構をもつため、焼結体の結晶粒径を単磁区粒
子径に相当する1μm前後に調整して製作される。図1
(a)(b)に、Sr系W型フェライト焼結磁石の平均
結晶粒径と、磁気特性の関係を示す。なお試料は、表1
で用いた成形品を、酸素濃度を0.03〜0.5%、1
175〜1250℃の範囲で各1時間焼結して製作し
た。図1(b)から、保磁力(Hcj)は結晶粒径の減
少に従って増加し、4μm以下の場合に実用的に最小限
必要とされる160kA/mが、さらに2μm以下では
実用的に充分とされる200kA/mの値が得られた。
しかし、0.3μm未満では保磁力はそれ以上の向上は
見られず、結晶粒の配向の乱れなどによって最大磁気エ
ネルギー積が低下する。従って、38kJ/m3以上の
優れた磁気特性を得るには結晶粒径を0.3〜4μmと
することが望ましい。
【0015】ここで、本発明におけるフェライト系焼結
磁石の代表的な製法を以下に説明する。まず、SrCO
3とFe2O3原料粉末を、仮焼後に主相がSrO・2
(FeO)・8Fe2O3(W型フェライト)、副相が
SrO・6Fe2O3(M型フェライト)とFe3O4
(マグネタイト)となるように、所定のモル比で混合す
る。この場合には、SrCO3とFe2O3粉末のモル
比はおよそ1:8.5〜1:10.5である。
【0016】次に、上記混合粉末材料を1100〜13
50℃で仮焼する。W型フェライトは、既に知られてい
るようにM型フェライトと異なり大気中では容易に生成
されないので、その生成のためには酸素濃度を低く抑え
る必要がある。したがって、窒素ガスやアルゴンガスな
どの非酸化性雰囲気中か真空中、若しくは水素やアンモ
ニアガスなどの還元性雰囲気中で仮焼を行う必要があ
る。また、生成相の種類と、温度または酸素濃度の関係
については、温度が高く酸素濃度が低いとマグネタイト
が多く生成し、一方温度が低く酸素濃度が高いとM型フ
ェライトとヘマタイト(Fe2O3)が多く生成し、W
型フェライト相はその中間領域で生成することが知られ
ている。
【0017】次に、仮焼物にCaCO3とSiO2、或
いはさらにAl2O3やCr2O3等の粉末を、保磁力
の向上や結晶粒径の調整のために添加し、アトライタや
ボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或
いは乾式粉砕して1μm以下、好ましくは0.3〜0.
8μmに微粉砕する。なお添加剤として、上記以外に還
元効果のあるCやSiの粉末を同時に用いることによっ
て、焼成におけるW型フェライトの生成範囲を調整する
こともできる。
【0018】次に、得られた微粉末を成形する。この場
合、従来のM型フェライトにおけると同様な手法を用い
ることができ、例えばスラリーを湿式成形する、或いは
乾燥した粉末(造粒してあっても差し支えない)を乾式
成形する。異方性の付与については、電磁コイルや磁石
によって発生する磁界を成形物に作用させる、或いは高
濃度のスラリーを圧延や押し出しによって粉末粒子を特
定の方向に整列させることによって、実施することがで
きる。
【0019】最後に、成形体を高温で非酸化性、若しく
は還元性雰囲気中で焼結する。基本的には、仮焼と同様
の温度と酸素濃度下でW型フェライトと、M型フェライ
ト若しくはマグネタイトの複合相を得ることができる。
図2に、各種酸素濃度下で製作したSr系複合フェライ
ト焼結磁石の、X線回折パターンを示す。試料は、Sr
CO3とFe2O3を1:9.5のモル比で配合した原
料粉末を窒素ガス中1250℃で2時間仮焼し、仮焼物
にCaCO3とSiO2をそれぞれ0.7質量%と0.
3質量%添加して、アトライタにより平均粒径が約0.
3μmになるように粉砕した。この粉末を800kA/
mの磁界中で成形し、(a)200ppm、(b)0.
2%、(c)2.0%の各酸素濃度のもとで、1200
℃で1時間焼成してX線回折用の粉末試料を得た。図2
から明らかなように、酸素濃度の高低に従って生成相の
種類が変化し、高濃度(2.0%)でM型フェライト相
とヘマタイト相、中濃度(0.2%)でW型フェライト
相、低濃度(200ppm)でW型フェライト相とマグ
ネタイト相の生成が見られる。従って、例えば焼結工程
の酸素濃度を変更することによりW型フェライト相とそ
の他の相の種類と構成比(モル比)を調整することがで
きる。本例では、試料(b)の中酸素濃度(0.2%)
において最も単相に近いW型フェライトが得られてい
る。
【0020】
【実施例】<実施例1>SrCO3とFe2O3を1:
10のモル比で混合した原料粉末を、酸素濃度100p
pmの窒素雰囲気中、1250℃で2時間仮焼し、仮焼
物にCaCO3とSiO2をそれぞれ0.7質量%と
0.3質量%添加して、アトライタにより平均粒径が約
0.3μmに粉砕した。この仮焼粉末を800kA/m
の磁界中で成形し、酸素濃度100ppm〜2%のもと
で、1200℃で1時間焼成して、径25mm高さ15
mmの軸方向異方性磁石を得た。試料の磁気特性は磁束
計により、各フェライト相の構成比はX線回折強度から
求めた。図3に、得られたSrフェライト系磁石におけ
るW型フェライト相とM型フェライト相のモル比と磁気
特性との関係を示す。図3から明らかなように、W型フ
ェライト相にM型フェライト相が混在することによって
保磁力の向上が認められ、W型フェライト相のモル比が
60%以上であるとき、最大磁気エネルギー積(BHm
ax)が38kJ/m3以上の優れた磁気特性が得られ
た。
【0021】<実施例2>実施例1で得た平均粒径が
0.3μmの粉末に、0.5質量%のPVA(ポリビニ
ルアルコール)と0.3質量%のグリセリンを添加して
スラリーとし、スプレードライヤーによって約0.3m
mの造粒粉を製作した。この造粒粉を円筒形状金型内に
供給した後、金型上下に設置した電磁コイルに対向磁界
を発生させ、放射状方向に400kA/mの磁界を作用
させ、50MPaの圧力で成形した。続いて、酸素濃度
200ppmの窒素雰囲気中、1200℃で1時間焼成
して、外径16mm、内径13mm、高さ8mmの放射
状異方性磁石を製作した。また、0.3μm粒径のSr
O・5.9Fe2O3組成のM型フェライト粉末に上記
と同じ添加剤を入れてスラリーとなし、造粒粉を得た後
に同様の成形を行って大気中1225℃で1時間焼成し
て比較用の試料を製作した。これら2つの磁石試料を外
周12極着磁して、表面磁束密度をガウスメーターによ
って測定した結果、本発明によるW型フェライト系磁石
は238mT、一方比較用のM型フェライト磁石は21
4mTとなり、約10%の表面磁束密度の向上が認めら
れた。
【0022】<実施例3>実施例2で用いたW型および
M型フェライト造粒粉を、内周部に24極の磁界発生用
ポールを設置した円筒形状金型内に供給し、800kA
/mのパルス磁界を間欠的に加えながら50MPaの圧
力で成形した。続いて、W型フェライト系成形品は、酸
素濃度200ppmの窒素雰囲気中で1200℃で1時
間、一方M型フェライト成形品は、大気中1225℃で
1時間それぞれ焼成して、外形33mm、内径28m
m、高さ12mmの2つの極異方性磁石を製作した。こ
れら2つの磁石試料を内周24極着磁して、表面磁束密
度をガウスメーターによって測定した結果、本発明によ
るW型フェライト系磁石は247mT、一方比較用のM
型フェライト磁石は220mTとなり、約12%の表面
磁束密度の向上が認められた。
【0023】<実施例4>BaCO3とFe2O3を
1:10.5のモル比で混合した原料粉末を、酸素濃度
400ppmの窒素雰囲気中、1225℃で2時間仮焼
し、仮焼物にCaCO3とSiO2をそれぞれ0.5質
量%と0.3質量%添加して、湿式アトライタにより平
均粒径が約0.6μmになる様に粉砕した。得られたス
ラリーをポンプで金型内に供給し、400kA/mの磁
界中、80MPaの圧力で成形した後、酸素濃度400
ppm、1175℃で1時間焼成して、厚さ3mm、外
周幅28mm、長さ30mmの円弧状(瓦状)異方性磁
石を製作した。また、同じく平均粒径が0.3μmにな
るように粉砕したBaO・6Fe2O3組成のM型フェ
ライト粉末に上記と同じ添加剤を入れてスラリーとな
し、同様の成形を行って大気中1175℃で1時間焼成
して比較用の試料を製作した。厚さ方向に着磁した磁石
の表面磁束密度は、本発明によるW型フェライト系磁石
が218mT、一方比較用のM型フェライト磁石が19
6mTとなり、約11%の表面磁束密度の向上が認めら
れた。
【0024】以上、本発明を上述の実施の形態により説
明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形や応用が
可能であり、これらの変形や応用を本発明の範囲から排
除するものではない。
【0025】
【発明の効果】本願の請求項1乃至3に記載の発明によ
る、W型フェライト相にM型フェライト相若しくはマグ
ネタイト相を複合したフェライト系焼結磁石は、従来の
M型フェライト磁石では得られなかった高い磁気特性を
有するため、広く高性能で且つ安価なフェライト系焼結
磁石の提供を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【表1】表1は、本発明のW型フェライト相(WF)と
M型フェライト相(MF)およびマグネタイト相(M
A)との複合焼結磁石における各相のモル比と磁気特性
の関係を示す特性表である。
【図1】図1は、本発明のSr系W型フェライト焼結磁
石の平均結晶粒径と磁気特性の関係を示す特性図であ
る。
【図2】図2は、本発明の各種酸素濃度下で製作したS
r系複合フェライト焼結磁石のX線回折パターンを示す
特性図である。
【図3】図3は、本発明のSrフェライト系磁石におけ
るW型フェライト相とM型フェライト相のモル比と磁気
特性との関係図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月28日(2000.11.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】図4に、W型フェライト相(WF)とM型
フェライト相(MF)およびマグネタイト(MA)相と
の複合磁石における、各相のモル比と磁気特性の関係を
示す。使用した試料は、SrCOとFeを1:
9.5のモル比で配合した原料粉末を窒素ガス中125
0℃で2時間仮焼し、CaCOとSiOをそれぞれ
0.7質量%と0.3質量%添加して、アトライタによ
り平均粒径が約0.3μmになる様粉砕した。この粉末
を800kA/mの磁界中で成形し、窒素ガスを流しな
がら酸素濃度を0.01〜2%の範囲で変化させ、12
25℃で各1時間焼結して、径20mm/高さ15mm
の円板状試料を製作した。モル比の算出は、予めW型フ
ェライトとマグネタイトそれぞれの粉末試料を所定比率
で混合し、それらのX線回折強度から比較算定して求
め、磁気特性は磁束計によって測定した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】図4から明らかなように、W型フェライト
相に少量のマグネタイト相を複合させることにより残留
磁束密度(Br)が向上するが、過剰な場合には保磁力
(HcJ)の著しい低下に伴って残留磁束密度も低下す
る。また、W型フェライト相にM型フェライト相を複合
化させることにより保磁力(HcJ)が向上する。これ
らの結果より、本発明者はM型フェライトを超える優れ
た磁気特性(およそ38kJ/m)を得るための、本
願フェライト系焼結磁石の好ましいモル比を60〜97
%とした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】高い磁気特性を有する焼結磁石を得るに
は、高い飽和磁化と共に高い保磁力(HcJ)を有する
ことが必要である。フェライト磁石は単磁区粒子型の保
磁力発生機構をもつため、焼結体の結晶粒径を単磁区粒
子径に相当する1μm前後に調整して製作される。図1
(a)(b)に、Sr系W型フェライト焼結磁石の平均
結晶粒径と、磁気特性の関係を示す。なお試料は、図4
で用いた成形品を、酸素濃度を0.03〜0.5%、1
175〜1250℃の範囲で各1時間焼結して製作し
た。図1(b)から、保磁力(Hcj)は結晶粒径の減
少に従って増加し、4μm以下の場合に実用的に最小限
必要とされる160kA/mが、さらに2μm以下では
実用的に充分とされる200kA/mの値が得られた。
しかし、0.3μm未満では保磁力はそれ以上の向上は
見られず、結晶粒の配向の乱れなどによって最大磁気エ
ネルギー積が低下する。従って、38kJ/m以上の
優れた磁気特性を得るには結晶粒径を0.3〜4μmと
することが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のSr系W型フェライト焼結磁
石の平均結晶粒径と磁気特性の関係を示す特性図であ
る。
【図2】図2は、本発明の各種酸素濃度下で製作したS
r系複合フェライト焼結磁石のX線回折パターンを示す
特性図である。
【図3】図3は、本発明のSrフェライト系磁石におけ
るW型フェライト相とM型フェライト相のモル比と磁気
特性との関係図である。
【図4】図4は、本発明のW型フェライト相(WF)と
M型フェライト相(MF)およびマグネタイト相(M
A)との複合焼結磁石における各相のモル比と磁気特性
の関係を示す特性を表す表図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G018 AA01 AA07 AA08 AA09 AA10 AA20 AA21 AA22 AA23 AA24 AA25 AB09 AC03 AC08 AC11 AC14 AC16 5E040 AB02 AB03 AB04 AB09 AC05 BD01 CA01 NN02 NN06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AをBa、Sr、Ca或いはPbのうちの
    1又は2以上とし、BをFe、Co、Ni、Mn、M
    g、Cr、Cu、Znのうちの1または2以上としたと
    き、組成式AO・2(BO)・8Fe2O3で表される
    W型フェライト相に、AをBa、Sr、Ca或いはPb
    のうちの1又は2以上とした組成式AO・6Fe2O3
    表されるM型フェライト相と組成式Fe3O4で表され
    るマグネタイト相の一種または二種を混在させた複合材
    料からなり、該W型フェライト相のモル比が60〜97
    %で、且つその平均結晶粒径が0.3〜4ミクロンであ
    り、特定方向の磁気異方性を有することを特徴とするフ
    ェライト系焼結磁石。
  2. 【請求項2】上記フェライト複合型焼結磁石が円筒形状
    を有し、かつ該円筒面に対して複数極または放射状の磁
    気異方性をもつことを特徴とする請求項1に記載のフェ
    ライト系焼結磁石。
  3. 【請求項3】上記フェライト複合型焼結磁石が円弧形状
    を有し、かつ該円弧面の上下方向に磁気異方性をもつこ
    とを特徴とする請求項1に記載のフェライト系焼結磁
    石。
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