JPH0968779A - 写真フイルム巻取り方法及び装置 - Google Patents

写真フイルム巻取り方法及び装置

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JPH0968779A
JPH0968779A JP7337413A JP33741395A JPH0968779A JP H0968779 A JPH0968779 A JP H0968779A JP 7337413 A JP7337413 A JP 7337413A JP 33741395 A JP33741395 A JP 33741395A JP H0968779 A JPH0968779 A JP H0968779A
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智明 鈴木
Takeshi Kaneoka
健 金岡
Takayuki Kanbara
隆之 神原
Susumu Sato
佐藤  進
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルムサイズに関係なく写真フイルム片を
連続してスプールに巻き付ける。 【解決手段】 第1ステーションST1では、スタッカ
35からスプール36がスプールホルダー33にセット
される。第2ステーションST2では、加工済みの写真
フイルム片10が先端から挿入されてスプール36に係
止される。その後、モータ45でスプール36を高速で
回転させて写真フイルム片10を高速で巻き取る。この
高速巻取り中に第1センサ46でフイルム後端を検出し
たときにモータ40の駆動を高速から低速に切り換え
る。この低速巻取り中に第2センサ47でフイルム後端
を検出したときにモータ40の駆動を停止する。これに
より、フイルムサイズに関係なく、パトローネの外に残
すフイルムリーダの巻き残し長さが一定となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フイルムリーダを
パトローネから残してスプールに写真フイルムを巻き付
ける写真フイルム巻取り方法、及び装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】パトローネ入り35mm写真フイルム
は、カメラへの装填時に写真フイルムをカメラ内部の巻
取り軸に係合させるために、フイルムリーダ部をパトロ
ーネの外部に僅かに突出して提供されている。このた
め、写真フイルムの製造工場では、スプールに写真フイ
ルムを全部巻き付けずに、センサでフイルム端部を検出
しておき、フイルム端部をスプールから僅かに残した状
態でスプールの回転を停止するようにしている。この巻
き取りを高速で巻き取ると巻き取り効率が向上するのに
対し、停止タイミングにバラツキが生じてフイルム端部
を残す長さが不揃いとなる恐れがある。
【0003】また、写真フイルムのフイルムサイズに
は、フイルム感度や撮影規定枚数等で多数の種類があ
り、このうち撮影規定枚数毎で切断長が異なる。これら
長さの種類によってスプールに巻き取る長さが異なる。
そこで、特開平3−182451号公報記載の装置で
は、スプールを高速回転で巻取り、その後低速で回転さ
せることでフイルム端部の残り長さが不揃いとされるの
を防止するようにしており、また、スプールの回転を高
速から低速に切り換えるタイミングを写真フイルムの種
類毎で変更するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した公
報記載の装置では、予め写真フイルムの種類毎にスプー
ルの回転を高速から低速に切り換えるタイミングパター
ンが入力されている。このため、タイミングパターンの
変更や新たな種類の写真フイルムの生産時には、一時的
に装置の運転を停止してタイミングパターンの変更や新
たなパターンの入力を行う作業が必要となり、生産効率
のロスとなる欠点があった。
【0005】本発明は、フイルムサイズの変更等が生じ
ても、装置の運転を停止することなく写真フイルムをス
プールに巻き取ることができる写真フイルム巻取り方
法、及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、写真フイルムの長さにか
かわらず、撮影規定枚数が最も少ない写真フイルムの長
さを基準にして高速巻取りを行う分の長さを一定とし、
かつ写真フイルムの低速巻取り中にスプールから一定距
離離して配置したセンサによって写真フイルムの後端の
通過が検知された時点でスプールの回転を停止させるよ
うにしたものである。
【0007】本発明の写真フイルム巻取り方法では、撮
影規定枚数に応じて長さが異なる写真フイルムをランダ
ムに巻き取る。巻取り方法は、スプールに写真フイルム
の先端を係止してからスプールを高速回転させて所定長
さ分だけ写真フイルムの高速巻取りを行った後、スプー
ルの回転を低速に切り換えて写真フイルムの低速巻取り
を行い、写真フイルムの後端までの巻き残し長さが一定
になった時点でスプールの低速回転を停止させる。高速
巻取りでは、フイルムサイズに関係なく、撮影規定枚数
が最も少ない写真フイルムを巻き取る長さを基準にして
巻き取る。この巻取り後にスプールの回転を低速に切り
換え、センサで写真フイルムの後端の通過を検知した時
点でスプールの低速回転を停止する。これにより、スプ
ールに巻かれていない部分の長さを一定にすることがで
きる。
【0008】高速巻取りから低速巻取りに切り換えるタ
イミングとしては、撮影規定枚数が最も少ない写真フイ
ルムを高速巻取りする長さを基準にする。この長さを検
出する方法としては、スプールを高速で回転させる時間
で行うようにしてもよいし、また、パーフォセンサを配
置してパーフォレーションのカウント量や、エンコーダ
等を写真フイルムに摺接配置して得られるパルス数で行
うようにしてもよい。
【0009】請求項2記載の発明では、高速巻取りを行
う期間中に、スプールから一定距離離して配置された第
1センサによって写真フイルムの後端の通過が検知され
たときにスプールを低速回転に切り換えて低速巻取りを
開始させ、この低速巻取り中にスプールから前記一定距
離よりも短い距離離して配置した第2センサによって写
真フイルムの後端の通過が検知されたときにスプールの
低速回転を停止するようにしたものである。これによれ
ば、スプールから一定距離隔てて配置された第1センサ
によって写真フイルムの後端の通過が検知された際に、
高速巻取りから低速巻取りに切り換えるようにしている
から、低速巻取りを行う分の長さがフイルムサイズにか
かわらず常に一定にでき、請求項1に記載した発明と比
較して短時間で巻取りが行える。
【0010】また、請求項3記載のように、高速巻取り
と低速巻取りとを別々の作業ステーションで行うように
して、各々の作業ステーションで並行して巻取り作業が
行うようにしている。これによれば、各々の作業ステー
ションでの作業時間(タクトタイム)を短く設定するこ
とが可能となる。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2記載の巻
取り方法を用いた装置である。スプール巻取り手段は、
スプールを高速に回転させる。巻取り速度切換え手段
は、スプールから一定距離離して配置された第1センサ
によって写真フイルムの後端の通過を検知した時に、ス
プール巻取り手段のスプール回転を高速から低速に切り
換える。そして、第2センサによって写真フイルムの後
端の通過を検知した時に、スプール巻取り手段のスプー
ル低速回転を停止させる。これによれば、高速巻取りと
低速巻取りとを同じ作業ステーションで行うようにして
いるから、例えば別々の作業ステーションに分けて行う
ものと比較してスプール巻取り手段を別々に備える必要
がない。
【0012】請求項5記載の装置の発明では、スプール
係止及び高速巻取りと、低速巻取りとを別々の作業ステ
ーションで行うようにし、これらの作業ステーションの
他に、スプール供給用の作業ステーションや写真フイル
ム巻取り済みのスプール取り出しステーションを含めて
各作業ステーションでスプールを順次にタクト搬送する
スプール搬送手段を備えたのもである。これによれば、
ているから、スプール巻取り作業一連の自動化が行え
る。請求項6記載の発明では、スプール係止、高速巻取
り、及び低速巻取りとをそれぞれ別々の工程で行うよう
にした。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、写真フイルムパトローネ
の製造システムを示すものである。連続写真フイルム1
0は、写真フイルムロール11から引き出されて、間欠
式穿孔機12に送られる。この穿孔機12は、複数のパ
ンチとダイとを備え、制御部13の制御に従って、パン
チが間欠移動して連続写真フイルム10の両側に、パー
フォレーションを一定ピッチで形成する。パーフォレー
ションが形成された連続写真フイルム10は、ローラ1
4、測長ローラ15を経てトリマー16に送られる。
【0014】測長ローラ15としては、パーフォレーシ
ョンに噛合するスプロケットが用いられる。この測長ロ
ーラ15は、モータ17によって回転され、連続写真フ
イルム10をトリマー16に向けて搬送する。この測長
ローラ15には、ロータリエンコーダー18が連結され
ており、一定角度回転するごとにパルスを発生する。こ
のパルスは、制御部13でカウントされ、そのカウント
値から連続写真フイルム10の搬送量を測定する。
【0015】ローラ14と測長ローラ15との間には、
サイドプリンター19が配置されている。このサイドプ
リンター19は、連続写真フイルム10の両側に、フイ
ルムサイズに応じて、DXバーコード、コマ番号数字、
コマ番号バーコード、商品名等を潜像としてプリントす
る。これらは、撮影後の現像処理で顕像になる。現在市
販中のフイルムサイズには、「36枚撮り」、「24枚
撮り」、「12枚撮り」等の少なくとも3種類があり、
各種類は予め決められた長さの写真フイルム片とされて
いる。そして、「36枚撮り」は、写真フイルム片の長
さが最も長い。
【0016】トリマー16は、可動刃と固定刃とからな
り、フイルムサイズに応じた長さに連続写真フイルム1
0を切断して、所定の長さの写真フイルム片にする。
【0017】トリマー16でのフイルム切断時には、切
り離された写真フイルム片の後端(フイルムリーダ)の
加工と、次に作成される写真フイルム片の先端(フイル
ムトレーラ)を加工する。また、この先端加工と同時
に、スプール係止用の孔を形成する。ここでいう、写真
フイルム片の後端(フイルムリーダ)は、写真フイルム
パトローネに完成されたときに、外部に露呈される側で
あり、また、写真フイルム片の先端(フイルムトレー
ラ)は、写真フイルムパトローネに完成されたときに、
スプールに係止される側である。そして、トリマー16
で加工された写真フイルム片の先端は、第1フィードロ
ーラ対21によって、第2フィードローラ対22に向け
て搬送される。
【0018】設定器23は、フイルムサイズを制御部1
3に入力する。制御部13は、このフイルムサイズに基
づいてサイドプリントすべき情報を特定する。そして、
制御部13は、ロータリエンコーダー18からの信号を
参照して、サイドプリンター19を作動させ、所定の位
置にコマ番号、DXコード等をサイドプリントする。
【0019】更に、制御部13は、ドライバー24を介
してモータ17を駆動させる。このモータ17は、適当
な減速機を介して測長ローラ15と第1フィードローラ
対21とをそれぞれ回転させる。また、制御部13は、
指定されたフイルムサイズに応じた長さだけ連続写真フ
イルム10を搬送したときに、モータ17を停止させ
る。このモータ17の停止後に、制御部13は、トリマ
ー16を作動させる。
【0020】第1フィードローラ対21と第2フィード
ローラ対22との間には、上側ガイド板25と、下側可
動ガイド板26とが配置されている。この下側可動ガイ
ド板26は、2枚のフラップからなり、フイルムの送り
方向に延びた軸を中心にして、紙面と垂直な方向に揺動
する。2枚のフラップは、フイルムループ室27の入口
ドアとして機能し、このフイルムループ室27の内部に
連続写真フイルム10がループ状に収納される。
【0021】
【実施例】本発明の写真フイルム巻取り装置は、スプー
ルターレット30、スタッカ35、スプール巻取り手
段、巻取り速度切換え手段、巻取り停止手段、ニップロ
ーラ駆動機構、スプール排出機49、パトローネ組立機
50、及び切換え機52等で構成されており、これらは
サブ制御部13aで統括的に制御される。このサブ制御
部13aは、制御部13からフイルムサイズの情報が入
力されるとともに、制御部13との間で制御信号等の通
信を行って制御部13とで搬送される写真フイルムとの
同期を図っている。
【0022】スプールターレット30は、軸31に回転
自在に取り付けられており、モータ32によって90度
ずつ間欠回転する。このスプールターレット30には、
4個のスプールホルダー33が設けられており、各スプ
ールホルダー33に近接してニップローラ対34がそれ
ぞれ設けられている。各ニップローラ対34は、スプー
ル巻取り中に、写真フイルム片に所定のテンションを与
える。
【0023】第1ステーションST1では、スタッカ3
5から供給されたスプール36がスプールホルダー33
にセットされる。スタッカ35の下部には、アクチュエ
ータ37で開閉されるシャッタ38が設けられている。
このシャッタ38の開閉により1個のスプール36がス
タッカ35から取り出される。
【0024】スプール36は、巻軸と一対のフランジと
を一体に形成した形態とされている。この巻軸には、写
真フイルム片の先端が挿入されるスリットと、このスリ
ット内に形成した爪とが設けられている。この爪に写真
フイルム片の先端に設けた孔が形成される。写真フイル
ム片は、一対のフランジの間にある巻軸の外周に巻かれ
る。
【0025】第2ステーションST2では、スプール駆
動軸が移動してスプール36にカップリングする。この
スプール駆動軸は、減速機を介してモータ40に連結さ
れている。これらのモータ45、減速機、スプール駆動
軸等によってスプール巻取り手段が構成される。また、
第2ステーションST2では、ニップローラ対34にニ
ップローラ駆動機構が連結される。このニップローラ駆
動機構は、連結機構、クラッチ、減速機、及びモータ4
1とで構成されている。
【0026】第2フィードローラ対22は、減速機を介
してモータ43により回転され、写真フイルムをスプー
ルターレット30の第2ステーションST2に向けて搬
送する。このとき搬送する写真フイルムは、トリマー1
6の位置及びフイルムサイズによって、写真フイルムの
スプール挿入前、又はスプール巻取り中のいずれでも切
断が行われる可能性があるため、連続写真フイルム1
0、又は写真フイルム片とのいずれかの形態となる。そ
こで、第2フィードローラ対22を通過した後には、切
断前であっても写真フイルム片10と称す。
【0027】第2フィードローラ対22と第2ステーシ
ョンST2との間には、フイルム搬送路の上下に、フイ
ルムガイドプレート42が配置されている。これらのフ
イルムガイドプレート42のフイルム搬送方向の両側に
は、赤外線光源44,45からの赤外線を受光するよう
に、第1センサー46、第2センサー47がそれぞれ配
置されている。これらの第1センサー46、第2センサ
ー47は、写真フイルム片10が存在するときに出力信
号を低レベル「L」で、また存在していないときに出力
信号をハイレベル「H」でモータ制御器48に送る。モ
ータ制御器48は、各センサー46,47の出力信号が
「L」から「H」に反転した時に、写真フイルム片10
の後端が各センサー46,47の位置を通過したものと
判定する。これらの第1センサー46、第2センサー4
7、及びモータ制御器48が本発明の巻取り速度切換え
手段、及び巻取り停止手段を構成する。
【0028】モータ制御器48は、第1センサー46か
ら得られる出力信号から、写真フイルム片10の後端が
通過したことを検知すると、モータ40の駆動を高速回
転から低速回転に切り換える。この低速回転中に、第2
センサー47が写真フイルム片10の後端を検知したと
きに、モータ40の低速回転の駆動を停止する。この状
態では、写真フイルム片10の後端がスプール36に巻
かれておらず、ニップローラ対34にニップされてい
る。この巻かれていない部分は、パトローネからフイル
ムリーダとして突出される。この突出量を考慮して第2
ステーションST2にあるスプール36からの第2セン
サー47の位置が決められる。
【0029】第3ステーションST3では、写真フイル
ム片10を巻き付けたスプール36が、スプール排出機
49によって取り出されて、パトローネ組立機50に送
られる。パトローネ組立機50には、パトローネホッパ
ー51、切換え機52、キャップホッパー53等が接続
されている。パトローネホッパー51は、フイルムサイ
ズに応じて複数設けられている。各パトローネホッパー
51には、薄い金属板を丸めた円筒状の表面にフイルム
サイズに応じたDXコードやメーカー名等を印刷した胴
部54が収納されている。
【0030】制御部13は、設定部23で指定されたフ
イルムサイズに応じて切換え機52を作動させ、所望す
るホッパー51を選択する。この選択されたホッパー5
1から胴部54が、1個ずつシュート55を通ってパト
ローネ組立機50に送られる。また、パトローネ組立機
50には、キャップホッパー53から2個ずつキャップ
57が送られてくる。
【0031】パトローネ組立機50は、写真フイルム片
10を巻き付けたスプールを胴部54の横から挿入し、
次に、胴部54の両側に2個のキャップ57を嵌めるこ
とで写真フイルムパトローネ60が完成する。
【0032】次に、写真フイルムパトローネ60の製造
システムの作動について説明する。まず、フイルムサイ
ズを設定器23から入力する。このフイルムサイズの情
報は、サブ制御部13aに送られる。制御部13からの
情報でサブ制御部13aは、このフイルムサイズに応じ
て切換え機52を作動させ、いずれかのホッパー51を
選択する。また、制御部13は、フイルムサイズに応じ
てサイドプリントすべき情報や、連続写真フイルム10
を切断する長さを決定する。
【0033】制御部13にシステムスタートを指示する
と、連続写真フイルム10の加工が開始される。写真フ
イルムロール11から引き出された連続写真フイルム1
0には、穿孔機12によってパーフォレーションが両側
に一定ピッチで形成される。サイドプリンター19は、
連続写真フイルム10の両側に、フイルムサイズに応じ
たコマ番号やDXコード等をプリントする。
【0034】測長ローラ15は、モータ17によって回
転され、その外周に形成した歯がパーフォレーションに
噛合して連続写真フイルム10を搬送する。制御部13
は、ロータリエンコーダー18からのパルスをカウント
して、フイルムサイズに応じた搬送量に達したときに、
モータ17の駆動を一時停止する。このモータ17の停
止後にトリマー16を作動させて、写真フイルム片10
への切り離しと、先端と後端との加工とを行う。トリマ
ー16の作動後に、第1フィードローラ対21の一方の
ローラがシフトして、第1フィードローラ対22により
写真フイルム片10のニップを解除する。
【0035】制御部13からの信号でサブ制御部13a
は、アクチュエーター37を作動させてシャッタ38を
開閉し、スタッカ35から1個のスプール36を取り出
して、第1ステーションST1に位置しているスプール
ホルダー33に装填する。この装填後に、サブ制御部1
3aは、ドライバー61を介してモータ32を駆動させ
る。このモータ36の駆動によって、スプールターレッ
ト30が90度回転する。これにより、スプール36が
セットされたスプールホルダー33は、第2ステーショ
ンST2にセットされ、写真フイルム巻取りの準備が完
了する。また、第1ステーションST1には、空のスプ
ールホルダー33がセットされ、前述したようにシャッ
タ42の開閉によって1個のスプール36が装填され
る。
【0036】制御部13は、トリマー16の作動後に、
モータ17を停止状態にしておく。そして、サブ制御部
13aからの巻取り準備完了信号を受け取ると、第1フ
ィードローラ対21をニップ状態にしてから、モータ1
7を回転させる。これにより測長ローラ15及び第1フ
ィードローラ対21とが等速度で回転して連続写真フイ
ルム10が搬送される。
【0037】連続写真フイルム10は、上側ガイド板2
5と下側可動ガイド板26の間を通って第2フィードロ
ーラ対22に向けて搬送される。この下側ガイド板26
は、連続写真フイルム10の先端が第2フィードローラ
対22を通過するに充分な時間が経過したときに揺動し
て、フイルムループ室27を開口状態にする。
【0038】連続写真フイルム10の先端が第2フィー
ドローラ対22に到達すると、サブ制御部13aは、第
2フィードローラ対22の一方のローラを移動させて連
続写真フイルム10の先端をニップさせ、その後ドライ
バー63を介してモータ43を駆動させ、第2フィード
ローラ対22を回転させる。この第2フィードローラ対
22で搬送された連続写真フイルム10は、ガイドプレ
ート42との間を通って第2ステーションST2に位置
するニップローラ対34に送られる。サブ制御部13a
は、連結機構を連結させた後に、ドライバー64及びモ
ータ41を駆動してこのニップローラ対34で連続写真
フイルム10の先端をニップさせた後に、一定量だけ回
転させてスプール36のスリットに連続写真フイルム1
0の先端を挿入する。これにより、連続写真フイルム1
0の先端にある孔がスリット内の爪に係止される。
【0039】連続写真フイルム10の先端がスリットに
係止されると、サブ制御部13aは、ニップローラ対3
4をフリーの状態にしてモータ41の駆動伝達を解除す
るとともに、連続写真フイルム10をニップしてスプー
ル巻取り中に適当なテンションを与えるよう連結機構を
制御する。また、一方のローラを少し移動させて第2フ
ィードローラ対22をニップ解除状態にする。連続写真
フイルム10は、第1フィードローラ対21で継続して
搬送されているから、フイルムループ室27の内部にフ
イルムループが形成される。
【0040】フイルムループ室27の内部に一定のフイ
ルムループが形成されると、ループ検出器27aからの
信号がサブ制御部13aに送られる。この信号を受けた
サブ制御部13aは、スプール駆動軸を第2ステーショ
ンST2にセットしたスプール36に連結させた後に、
モータ制御器48にモータ40を高速回転させるよう指
示する。モータ制御器48は、ドライバー62を介して
モータ40を高速回転させる。このモータ40に連結さ
れたスプール駆動軸は、スプール36をフイルム巻取り
方向に高速で回転させ、巻軸の外周に連続写真フイルム
10を巻き付ける。この間、スプール36の巻取り速度
に比べて、第1フィードローラ対21の搬送速度がかな
り早いので、フイルムループ室27の内部のフイルムル
ープが更に増える。
【0041】スプール巻取り中も測長ローラ15が連続
写真フイルム10を搬送している。そして、フイルムサ
イズに応じた長だけ搬送したときに、制御部13がモー
タ17の駆動を一旦停止する。次に、制御部13は、前
述したように、トリマー14を作動させて、巻取り中の
連続写真フイルム10をフイルムサイズに応じた長さに
切断し、写真フイルム片10に切り離す。
【0042】トリマー16の作動後に、第1フィードロ
ーラ対21はニップ解除状態で停止している。スプール
高速巻取りの進行で、フイルムループ室27の内部のル
ープ量が減少し、その後写真フイルム片10の後端が第
1フィードローラ対21、第2フィードローラ対22を
順次通過する。
【0043】写真フイルム片10の後端が第1センサー
46で検出されると、モータ制御器48は、モータ40
の駆動を高速から低速に切り換える。これにより、スプ
ール36が低速で写真フイルム片10を巻き取る。この
低速巻取り中に、写真フイルム片10の後端が第2セン
サー47で検出されると、モータ制御器48はモータ4
0の駆動を停止する。このとき、写真フイルム片10の
後端がニップローラ対34にニップされた状態となる。
このスプール36に巻かれていない写真フイルム片10
の部分の長さは、フイルムサイズに関係なく、一定とな
る。
【0044】モータ制御器48は、モータ40の停止後
に、巻取りが終了したことを表す信号をサブ制御部13
aに送る。その後サブ制御部13aは、モータ32を駆
動してスプールターレット30を90度回転させる。こ
れにより、第1ステーションST1でスプール36が装
填されたスプールホルダー33が第2ステーションST
2にセットされ、また、第2ステーションST2で写真
フイルム片10を巻き付けたスプール36が第3ステー
ションST3にセットされる。第3ステーションST3
では、スプール排出機49が写真フイルム片10を巻き
付けたスプール36を取り出してパトローネ組立機50
に送る。
【0045】サブ制御部13aは、スプールターレット
30を回転させると、制御部13に巻取り準備完了信号
を送る。制御部13は、この巻取り準備完了信号を受け
ると、まず、下側可動板26を動かしてフイルムループ
室27を閉じる。次に第1フィードローラ対21をニッ
プ状態にしてから、モータ17を再び回転させて、前述
したように、連続写真フイルム10をスプールターレッ
ト30に向けて送り出す。
【0046】パトローネ組立機50では、切換え機52
で選択された胴部54が供給されている。この胴部54
の内部に、写真フイルム片10を巻き付けたスプール3
6が挿入される。そして、ホッパー53から供給された
2個のキャップ57が、スプール36を回転自在に支持
した状態で胴部54の両端に嵌まる。このパトローネ組
立機50は、サブ制御部13aで制御され、写真フイル
ムパトローネ60に組み立てる。この写真フイルムパト
ローネ60は、写真フイルム片10の後端、すなわちフ
イルムリーダがパトローネからフイルムサイズに関係な
く、一定の長さで突出している。
【0047】以下、同様にして制御部13とサブ制御部
13aとは、同期をとりながら作動し、写真フイルムの
加工、スプール36への巻取り、パトローネの組み立て
を行う。
【0048】フイルムサイズを変更する場合には、設定
部23から新しいフイルムサイズを入力する。このフイ
ルムサイズ変更によって、切換え機52がパトローネホ
ッパー51の切換えを行う。また、サイドプリント情報
が変更される。さらに、フイルムサイズに応じてトリマ
ー16で切断する写真フイルムの長さが変更される。一
方、フイルムサイズが変更されても、モータ40による
スプールの巻取りのシーケンスは変更されることはな
い。すなわち、第1センサー46がフイルム後端を検出
するまで、モータ49が高速回転で駆動し、第2センサ
ー46でフイルム後端を検出すると、モータ40の駆動
が低速回転に切り換えられる。そして、第2センサー4
7がフイルム後端を検出すると、モータ40の駆動が停
止してスプール巻取りが終了する。
【0049】上記実施例では、スプール供給とスプール
排出とを別々のステーションで分けて行っているが、本
発明ではこれに限らず、図2に示すように、同じ作業ス
テーションで行うようにしてもよい。
【0050】図2に示した実施例では、回転対称の位置
に2個のスプールホルダー33を設けたスープルターレ
ット70が用いられる。第1ステーションST1では、
スタッカ35から供給されたスプール36がスプールホ
ルダー33にセットされる。第2ステーションST2に
セットされると、スプール36に写真フイルム片10の
係止及び巻取りが行われる。そして、再び第2ステーシ
ョンST2にセットされると、写真フイルム片10を巻
き付けたスプール36が、スプール排出機49によって
取り出されて、代わりに、新たなスプール36がスタッ
カから装填される。
【0051】図3に示した実施例では、サイクルタイム
の短縮化を図るために、スプール係止とフイルム巻取り
とを別々の工程に分けて行うようにしている。スプール
ターレット72は、モータ32によって60度ずつ間欠
回転する。このスプールターレット72には、60度ご
とに6個のスプールホルダー33が設けられている。
【0052】第1ステーションST1では、スタッカ3
5から供給されたスプール36がスプールホルダー33
にセットされる。第2ステーションST2にセットされ
たスプール36には、連続写真フイルム10が挿入さ
れ、後端が係止される。この実施例では、図1で説明し
たフイルムループ室27等が省略されており、第1フィ
ードローラ対21の下流に、上ガイド板76と下可動ガ
イド板77とに所定間隔離して回転自在に支持されてい
る一対のフィードローラ対72、73が設けられてい
る。これらのフィードローラ対72、73の回転により
上ガイド板76と下可動ガイド板77との間を通って連
続写真フイルム10が搬送される。
【0053】フィードローラ対72、73は、減速機を
介してモータ74でそれぞれ回転される。モータ74
は、ドライバー75を介してサブ制御部13aで制御さ
れる。下可動ガイド板77は、2つのガイド板からな
り、フイルム搬送方向に延びた軸を中心に紙面方向に開
閉される。この開閉は、ガイド板開閉機構78の駆動に
よりフイルム搬送路を形成する閉じ位置と写真フイルム
片10にループを形成させる開き位置との間で行われ
る。サブ制御部13aは、トリマー16の切断完了後
に、ガイド板開閉機構78を制御して下可動ガイド板7
7を開き位置に移動させ、スプールターレット72をタ
クト回転させた後に下可動ガイド板77を閉じ位置に復
帰させる。
【0054】第3ステーションST3では、スプール巻
取り手段、巻取り速度切換え手段、巻取り停止手段によ
って写真フイルム片10をスプール36に巻き取る。ス
プール巻取り手段は、モータ45、減速機、スプール駆
動軸等によって構成されており、スプール駆動軸が移動
してスプール36にカップリングする。このスプール駆
動軸は、減速機を介してモータ40に連結されている。
【0055】また、第3ステーションST3には、スプ
ールターレット72の放射方向に沿って延ばして設けら
れた一対のプレート80,81が配置されている。これ
らのプレート80,81は、写真フイルム片10を巻き
込む時のフイルムガイドであり、内部がトンネル形状と
されている。これらのプレート80,81のうち第2ス
テーションST2側のプレート(以下「上側のプレー
ト」と称す。)80は、図6及び図7に示すように、2
枚のプレートからなり、スプールターレット72の放射
状方向に沿って延ばした軸を中心に紙面方向に開閉され
る。この開閉は、プレート開閉機構82の駆動によりフ
イルム通路を形成する閉じ位置と第2ステーションST
2から脱落する写真フイルム片10を下側のプレート8
1で受け止めさせる開き位置との間で行われる。サブ制
御部13aは、下側可動ガイド板77を開き位置に移動
させたと同時に、又は移動後に上側のプレート80を開
き位置に移動させ、また、スプールターレット72をタ
クト回転させた後に上側のプレート80を閉じ位置に復
帰させる。この上側のプレート80には、赤外線を投光
する赤外線光源83が固定されている。
【0056】下側のプレート81は、スプールターレッ
ト72の放射方向に沿って写真フイルム片10の後端が
残る部分を境に、スプールターレット72側である内側
可動板81b,81cと外側になる外側固定板81aと
で構成されている。可動板81b,81cの開閉は、プ
レート開閉機構86の駆動によりフイルム通路を形成す
る閉じ位置と、残された写真フイルム片10の後端を第
3ステーションST3から第4ステーションST4に向
けて逃がすときの開き位置との間で行われる。サブ制御
部13aは、ドライバー62からのモータ40を停止さ
せる信号を受けた時に内側可動板81b,81cを開き
位置に移動させ、また、スプールターレット72をタク
ト回転させた後から一定時間経過後に閉じ位置に復帰さ
せる。
【0057】固定板81aには、前記赤外線光源83か
らの赤外線を受光するセンサー84が固定されている。
センサー84は、一対のフイルム受けプレート80,8
1との間に写真フイルム片10が存在するときに出力信
号を低レベル「L」で、また存在していないときに出力
信号をハイレベル「H」でモータ制御器85に送る。モ
ータ制御器85は、センサー84の出力信号が「L」か
ら「H」に反転した時に、写真フイルム片10の後端が
センサー84の位置を通過したものと判定する。
【0058】サブ制御部13は、スプールターレット7
2をタクト回転させ、フイルム後端を係止したスプール
36を第3ステーションST3にセットした後に、モー
タ制御部85にモータ40の駆動開始信号を送る。モー
タ制御器85は、この信号を受けてドライバー62を介
してモータ40を高速回転で駆動させる。モータ制御部
85は、内部に設けたカウンタ85aでモータ40を高
速回転で駆動した時点からの時間を計測しており、この
計測時間が予めデータとして記憶された設定時間に達し
た時に、モータ40の回転を高速から低速に切り換え
る。この設定時間は、フイルムサイズに関係なく、フイ
ルムサイズの中で撮影規定枚数が最も少ない写真フイル
ム片10の長さを巻く時間を基準にして決められてい
る。そして、低速回転中にモータ制御部85は、センサ
ー84から写真フイルム片10の後端を検知した信号を
受けたときに、モータ40の低速回転の駆動を停止す
る。これにより、写真フイルム片10の後端が全部巻か
れずに、パトローネからフイルムリーダとして突出する
分を残した状態となる。この残し分を考慮して、第3ス
テーションST3にあるスプール36からのセンサー8
4の位置が決められる。これらのセンサー84、カウン
タ85a、及びモータ制御器85等が巻取り速度切換え
手段、及び巻取り停止手段を構成する。
【0059】次に図3で説明した実施例の作用を説明す
る。制御部13は、サブ制御部13aからの巻取り準備
完了信号を受け取ると、第1フィードローラ対21をニ
ップ状態にしてから、モータ17を回転させる。これに
より測長ローラ15及び第1フィードローラ対21とが
等速度で回転して連続写真フイルム10がフィードロー
ラ72,73に向けて搬送される。
【0060】連続写真フイルム10の先端がフィードロ
ーラ対72に到達すると、図4に示すように、サブ制御
部13aが移動機構86を制御して、上側のローラ72
a,72bをニップ位置に移動させて連続写真フイルム
10の先端をニップさせ、その後ドライバー75を介し
てモータ74を駆動させ、フィードローラ対72を回転
させる。このモータ74の駆動は、フィードローラ対7
3にも伝達されている。これらのフィードローラ対7
2,73の回転により連続写真フイルム10の先端は、
上ガイド板76と下可動ガイド板77との間を通って第
2ステーションST2に位置するニップローラ対34に
送られる。
【0061】サブ制御部13aは、連結機構を連結させ
た後に、ドライバー64及びモータ41を駆動してこの
ニップローラ対34で連続写真フイルム10の先端をニ
ップさせた後に、一定量だけ回転させてスプール36の
スリットに連続写真フイルム10の先端を挿入する。こ
れにより、連続写真フイルム10の先端にある孔がスリ
ット内の爪に係止される。
【0062】連続写真フイルム10の先端がスリットに
係止されると、サブ制御部13aはモータ74の駆動を
停止してフィードローラ対72,73の回転を止める。
その後、サブ制御部13aは、ガイド板開閉機構78を
制御して下可動ガイド板77を開き位置に移動させる。
この下可動ガイド板77は、フイルム搬送方向に沿って
2つのガイド板77a,77bに分割された形態とされ
ており、フイルム搬送方向に沿った軸77c,77dを
中心に約90度分だけ左右に開かれる。これにより、下
可動ガイド板77、及びフィードローラ対72,73の
下側のローラが逃げるため、ここで連続写真フイルム1
0のループが形成される。
【0063】スプール係止後も測長ローラ15と第1フ
ィードローラ対21とが連続写真フイルム10を搬送し
ている。そして、フイルムサイズに応じた長だけ搬送し
たときに、制御部13がモータ17の駆動を一旦停止す
る。次に、制御部13は、トリマー14を作動させて、
連続写真フイルム10をフイルムサイズに応じた長さに
切断し、写真フイルム片10に切り離す。
【0064】トリマー16の作動後に、制御部13は、
切断完了信号をサブ制御部13aに送るとともに、第1
フィードローラ対21のニップを解除する。そして、サ
ブ制御部13aは、切断完了信号を受けると、モータ3
2を駆動してスプールターレット72を60度回転さ
せ、フイルム先端を係止したスプール36を第3ステー
ションST3にセットする。このとき、フイルム後端側
がフリーとされているので写真フイルム片10がスプー
ルターレット72の回転方向に沿って脱落する。サブ制
御部13aは、スプールターレット70を回転させた後
に、再び下可動ガイド板77を閉じ位置に戻し、制御部
13に準備完了信号を送る。制御部13は、この信号を
受けることで再び測長ローラ15と第1フィードローラ
対21と回転して連続写真フイルム10を搬送する。
【0065】サブ制御部13aは、スプールターレット
72をタクト回転させる以前に、プレート開閉機構82
を制御して第3ステーションST3の上側のプレート8
0を図6に示すように開き位置に移動させている。この
上側のプレート80は、フイルム巻取り方向に沿って2
つのプレート80a,80bに分割された形態とされて
おり、フイルム搬送方向に沿った軸80c,80dを中
心に約90度分だけ左右に開かれる。これにより、スプ
ールターレット72を回転させた後には、上側のプレー
ト80と赤外線光源83とが逃げているので、下側のプ
レート81で写真フイルム片10が受け止められる。
【0066】サブ制御部13aは、スプールターレット
72を回転させてから所定時間経過後に、プレート開閉
機構82を制御して上側のプレート80を図7に示した
閉じ位置に戻す。これにより、赤外線光源83の光軸が
上下側のプレート80,81の開口80e,81aを通
してセンサー84の光軸上に一致した状態とされる。そ
の後、前述したように、サブ制御部13aは、モータ制
御部85にモータ40の駆動開始信号を送り、モータ4
0を一定時間だけ高速回転で駆動させる。これにより、
上下側のプレート80,81との間を通って写真フイル
ム片10がスプール36に巻き取られる。そして、設定
時間に達した時に、モータ制御部85がモータ40の回
転を高速から低速に切り換える。この低速回転中にモー
タ制御部85は、センサー84から写真フイルム片10
の後端を検知した信号を受けたときに、モータ40の低
速回転の駆動を停止する。
【0067】巻取り作業が完了すると、モータ制御部8
5は、巻取り完了を表す信号をサブ制御部13bに送
る。サブ制御部13bは、この信号を受けてプレート開
閉機構82を制御して上側のプレート板80を開き位置
に移動させるとともに、プレート開閉機構86を制御し
て内側可動板81b,81cを開き位置に移動させた後
に、スプールターレット72を回転させる。これによ
り、巻取り済みのスプール36が次の第4ステーション
ST4にセットされる。このとき、写真フイルム片10
の後端は、内側可動板81b,81cが開いているの
で、プレート81に当たることはない。スプールターレ
ット71の回転を行ってから所定時間経過後には、一対
のプレート80,81から写真フイルム片10の後端が
脱している。この時点でサブ制御部13aは、プレート
開閉機構86を制御して内側可動板81b,81cを閉
じ位置に移動させる。これにより、第2ステーションS
T2から送られる新たな写真フイルム片10の落下を受
けることができる。
【0068】なお、赤外線光源83とセンサー84とを
必ずしもプレート板80,81に固定する必要はない。
固定しない場合には、上側のプレート板80の開閉移動
軌跡と、写真フイルム片10の落下する軌跡との外側
に、赤外線光源83を配置すればよい。
【0069】上記実施例では、高速巻取りを一定時間行
った後に低速巻取りに切り換えているが、本発明ではこ
れに限らず、写真フイルム片10のパーフォレーション
をカウントし、このカウント数が予め定めた設定値に達
することで高速巻取りから低速巻取りに切り換えるよう
にしてもよい。この場合には、写真フイルム片10のパ
ーフォレーションをカウントするカウンタが必要とされ
る。またこのときの設定値は、撮影規定枚数が最も少な
い写真フイルム片10を巻き取る分のパーフォレーショ
ン数を基準にするのはいうまでもない。さらには、エン
コーダを写真フイルムに摺接配置してエンコーダから得
られるパルス数をカウントして所定長さだけ巻き取る方
法でもよい。
【0070】ところで、図3で説明した実施例では、高
速巻取りを行う長さを一定にしているため、撮影規定枚
数が最も多いフイルムサイズの場合、低速巻取りの時間
が長くかかり、巻き込み作業の効率がロスする。そこ
で、このような欠点を解消した実施例を図8に示す。
【0071】図8に示す実施例では、高速巻取りを第3
ステーションST3で、また低速巻取りを第4ステーシ
ョンST4でそれぞれ分けて行うようにした実施例であ
る。第3ステーションST3には、スプール駆動軸、高
速用モータ90、ドライバー91、及び高速モータ制御
部92、赤外線光源93、及びセンサー94が配置され
ており、これらでスプール巻取り手段、及び巻取り停止
手段を構成している。なお、赤外光光源93とセンサー
94とは、図6及び図7で説明した開閉自在な上側のプ
レート板と下側のフイルム受け用のプレート板とにそれ
ぞれ取り付けられている。図8では、図面の煩雑化を防
ぐためにこれらのプレート板を省略している。
【0072】センサ94は、第3ステーションST3に
あるスプール36から一定距離離して配置されている。
サブ制御部13aは、スプールターレット72を回転し
た後に、上側のプレート板を閉じ位置に移動させる。そ
の後、高速用モータ制御部92にモータ90を駆動させ
る指令を送る。モータ制御部92は、この指令を受けて
ドライバー91を介してモータ90を高速回転で駆動さ
せる。これにより、スプール36は、高速回転し、高速
で写真フイルム片10を巻き取る。高速巻取り中にモー
タ制御部92は、センサー94からフイルム後端検出の
信号を受けるとモータ90を停止させる。その後、上側
のプレート板を開き位置に移動させた後に、スプールタ
ーレット72を回転させて、第3ステーションST3に
あるスプール36を第4ステーションST4にセットす
る。
【0073】第4ステーションST4には、スプール駆
動軸、低速用モータ95、ドライバー96、及び低速モ
ータ制御部97、赤外線光源98、及びセンサー99が
配置されており、これらでスプール駆動手段、及び巻取
り停止手段を構成している。なお、赤外光光源98とセ
ンサー99とは、図6及び図7で説明した開閉自在な上
側のプレート板と下側のフイルム受け用のプレート板と
にそれぞれ取り付けられている。図8では、図面の煩雑
化を防ぐためにこれらのプレート板を省略している。
【0074】センサ99は、第4ステーションST4に
あるスプール36から一定距離反して配置されている。
この距離は、第3ステーションST3でのセンサ94と
スプール36との間の距離よりも短くされており、パト
ローネからの突出量を考慮して決められる。サブ制御部
13aは、スプールターレット72を回転した後に、上
側のプレート板を閉じ位置に移動させる。その後、低速
用モータ制御部97にモータ95を駆動させる指令を送
る。モータ制御部97は、この指令を受けてドライバー
96を介してモータ95を低速回転で駆動させる。これ
により、スプール36は低速で回転し、写真フイルム片
10の残りの長さ分を低速で巻き取る。この低速巻取り
中にモータ制御部97は、センサー99からフイルム後
端検出の信号を受けるとモータ95を停止させる。その
後、上側のプレート板を開き位置に移動させた後に、ス
プールターレット72を回転させて、第4ステーション
ST4にあるスプール36を第5ステーションST5に
セットする。
【0075】この実施例によれば、巻取り作業をさらに
高速巻取りと低速巻取りとの2つの作業ステーションに
分けて行っているから、各作業ステーションにおける作
業時間を短く設定できる。
【0076】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明では、
撮影規定枚数が最少のフイルムサイズを基準にして写真
フイルムを高速で巻き取るから、製造途中でフイルムサ
イズの変更等が生じても、フイルム巻取り作業を停止す
ることなく行え、生産効率が向上する。
【0077】請求項2記載の発明では、スプールから一
定距離離して配置された第1センサによって写真フイル
ムの後端の通過が検知された際に、高速巻取りから低速
巻取りに切り換えるようにしているから、低速巻取りを
行う分の長さがフイルムサイズに関係なく常に一定にで
き、請求項1に記載した発明と比較して短時間で巻取り
が行える。
【0078】また、請求項3記載では、高速巻取りと低
速巻取りとを別々の作業ステーションで行うようにし
て、各々の作業ステーションで並行して作業が行うよう
にすれば、各々の作業ステーションでの作業時間(タク
トタイム)を短く設定することが可能となり、生産効率
が向上する。
【0079】請求項4記載の発明では、高速巻取り工程
と低速巻取り工程とを同じ作業ステーションで行うよう
にしているから、例えば別々の作業ステーションに分け
て行うものと比較してスプール巻取り手段を別々に備え
る必要がなく、コストダウンを図ることができる。
【0080】請求項5記載の装置の発明では、写真フイ
ルムの先端をスプールに係止するスプール係止工程と、
スプールに写真フイルムを巻き取る工程とを別々の作業
ステーションで行うようにしたから、請求項4記載の発
明と比較して各々の作業ステーションでの作業時間(タ
クトタイム)を短く設定することが可能となり、生産効
率が向上する。また、これらの作業ステーションの他
に、スプール供給用の作業ステーションや写真フイルム
巻取り済みのスプール取り出しステーションを含めて各
作業ステーションでスプールを順次にタクト搬送するス
プール搬送手段を備えているから、スプール巻取り作業
一連の自動化が行え、人件費の削減、及び作業効率の向
上が図れる。
【0081】請求項6記載の発明では、写真フイルムの
先端をスプールに係止するスプール係止工程、スプール
に写真フイルムを高速で巻き取る工程、及び低速で巻き
取る工程とをそれぞれ別々の作業ステーションで行うよ
うにしたから、請求項5記載の発明と比較して各々の作
業ステーションでの作業時間(タクトタイム)をさらに
短く設定することが可能となり、生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真フイルムパトローネ製造システムの概略を
示す説明図であり、フイルム係止、高速巻取り、及び低
速巻取りとをすべて同じ作業ステーションで行う写真フ
イルム巻取り装置を用いている。
【図2】スプールを2工程間で搬送する間にフイルム巻
取りとスプール供給及び排出とを行う写真フイルム巻取
り装置の他の実施例を示す説明図である。
【図3】フイルム係止とフイルム巻取りとを別々の作業
ステーションで行うようにしたフイルム巻取り装置の別
の実施例を示す説明図である。
【図4】下可動ガイド板を閉じ位置にした状態を示す断
面図である。
【図5】下可動ガイド板を開き位置にした状態を示す断
面図である。
【図6】下側のプレートを閉じ位置にした状態を示す断
面図である。
【図7】下側のプレートを開き位置にした状態を示す断
面図である。
【図8】フイルム係止、高速巻取り、及び低速巻取りと
をそれぞれ別々の作業ステーションで行うようにしたフ
イルム巻取り装置のさらに別の実施例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 連続写真フイルム 30 スプールターレット 33 スプールホルダー 34 ニップローラ対 36 スプール 40,90,95 スプール巻取り用のモータ 44,45,83,93,98 赤外線光源 46,47,84,94,99 センサー 48 85,92,97 モータ制御部 54 胴部 57 キャップ 60 写真フイルムパトローネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 進 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影規定枚数に応じて長さが異なる複数
    種類の写真フイルムをスプールに巻き付ける方法であっ
    て、スプールに写真フイルムの先端を係止してからスプ
    ールを高速回転して所定長さ分だけ写真フイルムの高速
    巻取りを行った後、スプールを低速回転に切り換えて写
    真フイルムの低速巻取りを行い、写真フイルムの後端ま
    での巻き残し長さが一定になった時点でスプールの回転
    を停止させる写真フイルム巻取り方法において、 写真フイルムの長さにかかわらず、前記撮影規定枚数が
    最も少ない写真フイルムの長さを基準にして高速巻取り
    が行われる前記所定長さを一定とし、かつ前記写真フイ
    ルムの低速巻取り中にスプールから一定距離離して配置
    したセンサによって写真フイルムの後端の通過が検知さ
    れた時点でスプールの回転を停止させるようにしたこと
    を特徴とする写真フイルム巻取り方法。
  2. 【請求項2】 撮影規定枚数に応じて長さが異なる複数
    種類の写真フイルムをスプールに巻き付ける方法であっ
    て、スプールに写真フイルムの先端を係止してからスプ
    ールを高速回転して所定長さ分だけ写真フイルムの高速
    巻取りを行った後、スプールの回転を低速に切り換えて
    写真フイルムの低速巻取りを行い、写真フイルムの後端
    までの巻き残し長さが一定になった時点でスプールの回
    転を停止させる写真フイルム巻取り方法において、 前記高速巻取りを行う期間中に、スプールから一定距離
    離して配置された第1センサによって写真フイルムの後
    端の通過が検知されたときにスプールを低速回転に切り
    換えて低速巻取りを開始させ、この低速巻取りを行う期
    間中にスプールから前記一定距離よりも短い距離離して
    配置された第2センサによって写真フイルムの後端の通
    過が検知されたときにスプールの低速回転を停止させる
    ことを特徴とする写真フイルム巻取り方法。
  3. 【請求項3】 前記高速巻取りを行う第1工程と、低速
    巻取りを行う第2工程とを別の作業ステーションで行う
    ように分離し、各々の作業ステーションで第1工程と第
    2工程とを順次に並行して行うようにしたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の写真フイルム巻取り方法。
  4. 【請求項4】 撮影規定枚数に応じて長さが異なる複数
    種類の写真フイルムが供給され、これらの写真フイルム
    を巻き残し長さが一定となるようにスプールに巻き取る
    写真フイルム巻取り装置において、 写真フイルムの先端が係止されたスプールをフイルム巻
    取り方向に回転させるスプール巻取り手段と、スプール
    から一定距離離して配置された第1センサによって写真
    フイルムの後端の通過が検知されるまでは前記スプール
    巻取り手段でスプールを高速回転させ、前記第1センサ
    によって写真フイルムの後端の通過が検知されたときに
    スプール巻取り手段での高速回転を低速回転に切り換え
    る巻取り速度切り換え手段と、スプール巻取り手段での
    低速回転が行われている間に、前記第1センサよりもス
    プールに接近した位置に設けられた第2センサによって
    写真フイルムの後端の通過が検知されたときにスプール
    巻取り手段の低速回転を停止させる巻取り停止手段とを
    備えたことを特徴とする写真フイルム巻取り装置。
  5. 【請求項5】 撮影規定枚数に応じて長さが異なる複数
    種類の写真フイルムが供給され、これらの写真フイルム
    を巻き残し長さが一定となるようにスプールに巻き取る
    写真フイルム巻取り装置において、 空のスプールが一個ずつ供給される第1作業ステーショ
    ンと、スプールに写真フイルムの先端を係止する第2作
    業ステーションと、写真フイルムの先端を係止した後の
    スプールを高速で回転させて所定長さ分だけ写真フイル
    ムの高速巻取りを行った後に、スプールの回転を低速に
    切り換えて写真フイルムの低速巻取りを行う第3作業ス
    テーションと、前記低速巻取りが行われた後のスプール
    の取り出しを行う第4作業ステーションとを一定の時間
    ごとに順次に移動するスプール搬送手段と、 前記第3作業ステーションにおける写真フイルムの低速
    巻取り中に、このスプールから一定距離離して配置した
    センサで写真フイルムの後端の通過が検知されたことに
    応答して第3作業ステーションでのスプールの低速回転
    を停止させる低速巻取り停止手段と、 を有することを特徴とする写真フイルム巻取り装置。
  6. 【請求項6】 撮影規定枚数に応じて長さが異なる複数
    種類の写真フイルムが供給され、これらの写真フイルム
    を巻き残し長さが一定となるようにスプールに巻き取る
    写真フイルム巻取り装置において、 空のスプールが一個ずつ供給される第1作業ステーショ
    ンと、スプールに写真フイルムの先端を係止する第2作
    業ステーションと、写真フイルムの先端を係止した後の
    スプールを高速で回転させて写真フイルムの高速巻取り
    を行う第3作業ステーションと、前記高速巻取りが行わ
    れた後のスプールを低速で回転させて写真フイルムの低
    速巻取りを行う第4作業ステーションと、前記低速巻取
    りが行われた後のスプールの取り出しを行う第5作業ス
    テーションとを一定の時間ごとに順次に移動するスプー
    ル搬送手段と、 前記第3作業ステーションにおける写真フイルムの高速
    巻取り中に、このスプールから一定距離離した位置に設
    けられた第1センサで写真フイルムの後端の通過が検知
    されたことに応答して第3作業ステーションでのスプー
    ルの回転を停止させる高速巻取り停止手段と、 前記第4作業ステーションにおける写真フイルムの低速
    巻取り中に、このスプールから前記一定距離よりも短い
    距離離して配置された第2センサで写真フイルムの後端
    の通過が検知されたことに応答して第4作業ステーショ
    ンでのスプールの低速回転を停止させる低速巻取り停止
    手段と、 を有することを特徴とする写真フイルム巻取り装置。
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