JPH0968007A - Ｖ型エンジンのカム軸駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、コストや重量の増加を招
くことなく各チェーンの強度バランスを確保し得て、新
たに開発工数を必要とせずに簡単に実施し得るようにす
ることにある。 【構成】 このため、この発明は、Ｖ型エンジンのクラ
ンク軸と中間軸と一側吸・排気カム軸のいずれか一方と
をタイミングチェーンにより連絡し、一側吸・排気カム
軸を一側カムチェーンにより連絡し、中間軸と他側吸・
排気カム軸を他側カムチェーンにより連絡し、タイミン
グチェーンを中間軸側からクランク軸を経て一側吸気カ
ム軸及び一側排気カム軸のいずれか一方側に向かう方向
に回転させることにより各側カムチェーンを介して各側
吸気カム軸及び各側排気カム軸を駆動するＶ型エンジン
のカム軸駆動装置において、タイミングチェーンの引張
強さＳ１と一側カムチェーンの引張強さＳ２と他側カム
チェーンの引張強さＳ３とがＳ１＜Ｓ２＜Ｓ３となるよ
うに夫々異ならせて設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はＶ型エンジンのカ
ム軸駆動装置に係り、特に、コストや重量の増加を招く
ことなく各チェーンの強度バランスを確保し得て、新た
に開発工数を必要とせずに簡単に実施し得るＶ型エンジ
ンのカム軸駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両に搭載されるエンジンには、シリン
ダを直列に配設した直列型エンジンやシリンダを対向し
て配設した対向型エンジン、シリンダをＶ字形状に配設
したＶ型エンジン等がある。これらのエンジンには、吸
気弁及び排気弁を開閉駆動するカム軸駆動装置を設けて
いる。

【０００３】Ｖ型エンジンのカム軸駆動装置としては、
図３〜図５に示すものがある。図において、１０２はＶ
型エンジンである。Ｖ型エンジン１０２は、シリンダブ
ロック１０４にロアケース１０６によりクランク軸１０
８を軸支し、一側シリンダヘッド１１０Ｌに一側吸気カ
ム軸１１２Ｌ及び一側排気カム軸１１４Ｌを軸支し、他
側シリンダヘッド１１０Ｒに他側吸気カム軸１１２Ｒ及
び他側排気カム軸１１４Ｒを軸支するとともに中間軸１
１６を設けている。

【０００４】このＶ型エンジン１０２は、クランク軸１
０８の軸線方向の一端側にカム軸駆動装置１１８を設け
ている。カム軸駆動装置１１８は、クランク軸１０８に
クランクスプロケット１２０を取付けている。

【０００５】前記一側吸気カム軸１１２Ｌ及び一側排気
カム軸１１４Ｌには、夫々一側吸気カムスプロケット１
２２Ｌ及び一側排気カムスプロケット１２４Ｌを取付け
るとともに、一側吸気カムスプロケット１２２Ｌの外方
に一側中間用スプロケット１２６を取付けている。

【０００６】前記他側吸気カム軸１１２Ｒ及び他側排気
カム軸１１４Ｒには、夫々他側吸気カムスプロケット１
２２Ｒ及び他側排気スプロケット１２４Ｒを取付けると
ともに、一体的に設けられた他側中間用スプロケット１
２８及び他側カム軸用スプロケット１３０を中間軸１１
６に軸支している。

【０００７】また、シリンダブロック１０４には、一側
バンク１３２Ｌ及び他側バンク１３２Ｒ間に位置させて
アイドラ軸１３４を設け、このアイドラ軸１３４にアイ
ドラスプロケット１３６を軸支している。

【０００８】前記クランクスプロケット１２０と一側中
間用スプロケット１２６と他側中間用スプロケット１２
８とアイドラスプロケット１３６とには、タイミングチ
ェーン１３８を巻掛けて設けている。前記一側吸気カム
スプロケット１２２Ｌ及び一側排気カムスプロケット１
２４Ｌには、一側カムチェーン１４０Ｌを巻掛けて設け
ている。前記他側吸気カムスプロケット１２２Ｒ及び他
側排気スプロケット１２４Ｒと他側カム軸用スプロケッ
ト１３０とには、他側カムチェーン１４０Ｒを巻掛けて
設けている。

【０００９】これにより、カム軸駆動装置１１８は、ク
ランク軸１０８と中間軸１１６と一側吸気カム軸１１２
Ｌ及び一側排気カム軸１１４Ｌのいずれか一方である一
側吸気カム軸１１２Ｌとをタイミングチェーン１３８に
より連絡して設け、一側吸気カム軸１１２Ｌ及び一側排
気カム軸１１４Ｌを一側カムチェーン１４０Ｌにより連
絡して設けるとともに中間軸１１６と他側吸気カム軸１
１２Ｒ及び他側排気カム軸１１４Ｒとを他側カムチェー
ン１４０Ｒにより連絡して設けている。

【００１０】カム軸駆動装置１１８は、エンジン１０２
のクランク軸１０８によって、例えばタイミングチェー
ン１３８を中間軸１１６側からクランク軸１０８を経て
一側吸気カム軸１１２Ｌ側に向かう方向（矢印Ａ方向）
に回転させることにより、一側カムチェーン１４０Ｌと
他側カムチェーン１４０Ｒとを介して一側吸気カム軸１
１２Ｌ及び一側排気カム軸１１４Ｌと他側吸気カム軸１
１２Ｒ及び他側排気カム軸１１４Ｒとを駆動する。

【００１１】このようなＶ型エンジンのカム軸駆動装置
としては、特開平５−２１４９０４号公報に開示される
ものがある。この公報に開示されるものは、Ｖ型エンジ
ンのシリンダブロックにアイドル軸を設け、Ｖ型エンジ
ンの第２シリンダヘッドに中間軸を設け、第２シリンダ
ヘッドに軸支される２本の第２カム軸に巻掛けられた第
２カム軸チェーンに一定の張力を与える第２テンショナ
を設け、三角形の各頂点に配設位置された第２テンショ
ナ取付用ボルトと中間軸とアイドル軸とに支持部材を取
付けて、中間軸及びアイドル軸の支持剛性を高めたもの
である。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記Ｖ型エ
ンジン１０２のカム軸駆動装置１１８は、クランク軸１
０８と中間軸１１６と一側吸気カム軸１１２Ｌとをタイ
ミングチェーン１３８により連絡して設け、一側吸気カ
ム軸１１２Ｌ及び一側排気カム軸１１４Ｌを一側カムチ
ェーン１４０Ｌにより連絡して設けるとともに中間軸１
１６と他側吸気カム軸１１２Ｒ及び他側排気カム軸１１
４Ｒとを他側カムチェーン１４０Ｒにより連絡して設け
ている。

【００１３】前記タイミングチェーン１３８と一側カム
チェーン１４０Ｌと他側カムチェーン１４０Ｒとは、そ
のサイズを、例えばタイミングチェーン１３８のピッチ
（ピン間の長さ）Ｐ１と一側カムチェーン１４０Ｌのピ
ッチＰ２とを同等（例えば、７ｍｍ）に設定し、他側カ
ムチェーン１４０ＲのピッチＰ３をＰ１・Ｐ２よりも大
（例えば、９．５２５ｍｍ）に設定している。

【００１４】つまり、一側カムチェーン１４０Ｌ及び他
側カムチェーン１４０Ｒは、タイミングチェーン１３８
よりも短いため、寿命上の点からタイミングチェーン１
３８と同等のサイズか、もしくは大きくする必要があ
る。さらに、一側カムチェーン１４０Ｌ及び他側カムチ
ェーン１４０Ｒには、一側吸気カム軸１１２Ｌ及び一側
排気カム軸１１４Ｌ間のトルク変動及び他側吸気カム軸
１１２Ｒ及び他側排気カム軸１１４Ｒのトルク変動が加
わるため、強度上においてもタイミングチェーン１３８
よりもサイズを大きくする必要がある。

【００１５】特に、他側カムチェーン１４０Ｒは、他側
吸気カム軸１１２Ｒ及び他側排気カム軸１１４Ｒを連絡
するだけでなく中間軸１１６にも連絡されており、矢印
Ａ方向に回転されるタイミングチェーン１３８の引張側
にあり、アイドラ軸１３４のアイドラスプロケット１３
６側から引張力も受けるため、強度上からサイズを大き
くする必要がある。

【００１６】同様に、一側カムチェーン１４０Ｌは、一
側吸気カム軸１１２Ｌ及び一側排気カム軸１１４Ｌのト
ルク変動を受けるので、タイミングチェーン１３８と同
等のピッチ（Ｐ１＝Ｐ２＝７ｍｍ）のサイズでは強度上
において不利となる不都合がある。

【００１７】そこで、このような不都合に対しては、例
えば、一側カムチェーン１４０Ｌを他側カムチェーン１
４０Ｒと同サイズ（Ｐ２＝Ｐ３）にすることにより、強
度を増加することができるものである。

【００１８】しかし、一側カムチェーン１４０Ｌを他側
カムチェーン１４０Ｒと同サイズとした場合は、一側カ
ムチェーン１４０Ｌが過剰品質となり、コストや重量が
大幅に増加する不都合があるとともに、他のタイミング
チェーン１３８や他側カムチェーン１４０Ｒとの強度上
においてアンバランスとなる不都合がある。

【００１９】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、Ｖ型エンジンのシリンダ
ブロックにクランク軸を軸支して設け、前記Ｖ型エンジ
ンの一側シリンダヘッドに夫々一側吸気カム軸及び一側
排気カム軸を軸支して設け、前記Ｖ型エンジンの他側シ
リンダヘッドに夫々他側吸気カム軸及び他側排気カム軸
を軸支して設けるとともに中間軸を設け、前記クランク
軸と前記中間軸と前記一側吸気カム軸及び一側排気カム
軸のいずれか一方とをタイミングチェーンにより連絡し
て設け、前記一側吸気カム軸及び一側排気カム軸を一側
カムチェーンにより連絡して設けるとともに前記中間軸
と前記他側吸気カム軸及び他側排気カム軸とを他側カム
チェーンにより連絡して設け、前記タイミングチェーン
を前記中間軸側から前記クランク軸を経て前記一側吸気
カム軸及び一側排気カム軸のいずれか一方側に向かう方
向に回転させることにより前記一側カムチェーンを介し
て一側吸気カム軸及び一側排気カム軸を駆動するととも
に前記他側カムチェーンを介して他側吸気カム軸及び他
側排気カム軸を駆動するＶ型エンジンのカム軸駆動装置
において、前記タイミングチェーンの引張強さＳ１と前
記一側カムチェーンの引張強さＳ２と前記他側カムチェ
ーンの引張強さＳ３とがＳ１＜Ｓ２＜Ｓ３となるように
夫々異ならせて設けたことを特徴とする。

【００２０】

【発明の実施の形態】この発明のカム軸駆動装置は、タ
イミングチェーンの引張強さＳ１と一側カムチェーンの
引張強さＳ２と他側カムチェーンの引張強さＳ３とがＳ
１＜Ｓ２＜Ｓ３となるように夫々異ならせて設けたこと
により、タイミングチェーンよりも短い一側カムチェー
ン及び他側カムチェーンの強度を高め、また、一側カム
チェーンよりも大きな引張力を受ける他側カムチェーン
の強度を高めており、タイミングチェーンを中間軸側か
らクランク軸を経て一側吸気カム軸及び一側排気カム軸
のいずれか一方側に向かう方向に回転させる場合に、タ
イミングチェーン、一側カムチェーン及び他側カムチェ
ーンに夫々要求される強度を得ることができる。

【００２１】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図１〜図２は、この発明の実施例を示すものであ
る。図１において、２はＶ型エンジンである。Ｖ型エン
ジン２は、略Ｖ字形状のシリンダブロック４の下方にロ
アケース６を取付けてクランク軸８を軸支し、ロアケー
ス６にオイルパン１０を取付けている。

【００２２】また、Ｖ型エンジン２は、シリンダブロッ
ク４の上方に夫々一側シリンダヘッド１２Ｌ及び他側シ
リンダヘッド１２Ｒを載置している。前記一側シリンダ
ヘッド１２Ｌには、夫々一側吸気カム軸１４Ｌ及び他側
排気カム軸１６Ｌを軸支している。前記他側シリンダヘ
ッド１２Ｒには、他側吸気カム軸１４Ｒ及び他側排気カ
ム軸１６Ｒを軸支するとともに後述の中間軸４０を設け
ている。Ｖ型エンジン２は、一側シリンダヘッド１２Ｌ
及び他側シリンダヘッド１２Ｒに夫々一側ヘッドカバー
１８Ｌヘッドカバー１８Ｒを取付けて、Ｖ字形状に一側
バンク２０Ｌ及び他側バンク２０Ｒを配列している。

【００２３】このＶ型エンジン２は、クランク軸８の軸
線方向の一端側にカム軸駆動装置２２を設けている。カ
ム軸駆動装置２２は、クランク軸８の軸線方向の一端側
にクランクスプロケット２４を取付けている。

【００２４】前記一側吸気カム軸１４Ｌ及び一側排気カ
ム軸１６Ｌには、クランク軸８の軸線方向の一端側に夫
々一側吸気カムスプロケット３４Ｌ及び一側排気カムス
プロケット３６Ｌを取付けている。前記一側吸気カム軸
１４Ｌには、一側吸気カムスプロケット３４Ｌのさらに
クランク軸８の軸線方向の一端側に、一側中間用スプロ
ケット３８を取付けている。

【００２５】前記他側吸気カム軸１４Ｒ及び他側排気カ
ム軸１６Ｒには、クランク軸８の軸線方向の一端側に夫
々他側吸気カムスプロケット３４Ｒ及び他側排気カムス
プロケット３６Ｒを取付けている。

【００２６】前記他側シリンダヘッド１２Ｒには、クラ
ンク軸８と他側吸気カム軸１４Ｒ及び他側排気カム軸１
６Ｒとの間に位置させて、クランク軸８の軸線方向の一
端側に中間軸４０を設けている。中間軸４０には、一体
的に設けられた他側中間用スプロケット４２及び他側カ
ム軸用スプロケット４４を軸支して設けている。

【００２７】前記シリンダブロック４には、一側バンク
２０Ｌ及び他側バンク２０Ｒ間に位置させて、クランク
軸８の軸線方向の一端側にアイドラ軸４６を配設し、ア
イドラスプロケット４８を軸支して設けている。

【００２８】前記クランクスプロケット２４と一側中間
用スプロケット３８と他側中間用スプロケット４２とア
イドラスプロケット４８とには、タイミングチェーン５
０を巻掛けて設けている。前記一側吸気カムスプロケッ
ト３４Ｌ及び一側排気カムスプロケット３６Ｌには、一
側カムチェーン５２Ｌを巻掛けて設けている。前記他側
吸気カムスプロケット３４Ｒ及び他側排気カムスプロケ
ット３６Ｒと他側カム軸用スプロケット４４とには、他
側カムチェーン５２Ｒを巻掛けて設けている。

【００２９】これにより、カム軸駆動装置２２は、クラ
ンク軸８と中間軸４０と一側吸気カム軸１４Ｌ及び一側
排気カム軸１６Ｌのいずれか一方である一側吸気カム軸
１４Ｌとをタイミングチェーン５０により連絡して設
け、一側吸気カム軸１４Ｌ及び一側排気カム軸１６Ｌを
一側カムチェーン５２Ｌにより連絡して設けるとともに
中間軸４０と他側吸気カム軸１４Ｒ及び他側排気カム軸
１６Ｒとを他側カムチェーン５２Ｒにより連絡して設け
ている。

【００３０】カム軸駆動装置２２は、エンジン２のクラ
ンク軸８の回転によって、例えば、タイミングチェーン
５０を中間軸４０側からクランク軸８を経て一側吸気カ
ム軸１４Ｌ側に向かう方向（矢印Ａ方向）に回転させる
ことにより、一側カムチェーン５２Ｌを介して一側吸気
カム軸１４Ｌ及び一側排気カム軸１６Ｌを駆動するとと
もに他側カムチェーン５２Ｒを介して他側吸気カム軸１
４Ｒ及び他側排気カム軸１６Ｒを駆動し、図示しない一
側吸気弁及び一側排気弁と他側吸気弁及び他側排気弁と
を開閉駆動する。

【００３１】なお、符号５４はタイミングチェーンテン
ショナ、符号５６はアジャスタ、符号５８Ｌ・５８Ｒは
各側カムチェーンガイド、符号６０Ｌ・６０Ｒは各側カ
ムチェーンテンショナである。

【００３２】このＶ型エンジン２のカム軸駆動装置２２
は、タイミングチェーン５０の引張強さＳ１と一側カム
チェーン５２Ｌの引張強さＳ２と他側カムチェーン５２
Ｒの引張強さＳ３とが、Ｓ１＜Ｓ２＜Ｓ３となるように
夫々異ならせて設けている。

【００３３】この実施例においては、タイミングチェー
ン５０の引張強さＳ１と一側カムチェーン５２Ｌの引張
強さＳ２と他側カムチェーン５２Ｒの引張強さＳ３とが
Ｓ１＜Ｓ２＜Ｓ３となるように、タイミングチェーンの
ピッチＰ１と一側カムチェーン５２ＬのピッチＰ２と他
側カムチェーン５２ＲのピッチＰ３とを夫々異ならせて
設けている。

【００３４】図２に示す如く、各チェーン５０・５２Ｌ
・５２Ｒは、一般的に、ピン６２によりピンリンクプレ
ート６４とローラリンクプレート６６とを連結し、ピン
６２にローラ６８を外装して形成される。各チェーン５
０・５２Ｌ・５２ＲのピッチＰは、ピン６２間の長さで
ある。ピッチＰは、大にすることにより、各チェーン５
０・５２Ｌ・５２Ｒの引張強さＳが大になる。

【００３５】そこで、タイミングチェーン５０と一側カ
ムチェーン５２Ｌと他側カムチェーン５２Ｒとは、その
サイズを、タイミングチェーン５０のピッチをＰ１（例
えば、Ｐ１＝７ｍｍ）とした場合に、タイミングチェー
ン５０のピッチＰ１よりも一側カムチェーン５２Ｌのピ
ッチＰ２を大（例えば、Ｐ２＝８ｍｍ）に設定し、一側
カムチェーン５２ＬのピッチＰ２よりも他側カムチェー
ン５２ＲのピッチＰ３を大（例えば、Ｐ３＝９．５２５
ｍｍ）に設定する。

【００３６】このように、タイミングチェーン５０のピ
ッチＰ１と一側カムチェーン５２ＬのピッチＰ２と他側
カムチェーン５２ＲのピッチＰ３とは、Ｓ１＜Ｓ２＜Ｓ
３となるように、各ピッチＰ１・ピッチＰ２・ピッチＰ
３を夫々異ならせて設けている。

【００３７】これにより、カム軸駆動装置２２は、タイ
ミングチェーン５０よりも短い一側カムチェーン５２Ｌ
及び他側カムチェーン５２Ｒの強度を高め、また、大き
な引張力を受ける他側カムチェーン５２Ｒの強度を一側
カムチェーン５２Ｌよりも高めており、タイミングチェ
ーン５０を中間軸４０側からクランク軸８を経て一側吸
気カム軸１４Ｌ側に向かう方向に回転させる場合に、タ
イミングチェーン５０や一側カムチェーン５２Ｌ及び他
側カムチェーン５２Ｒに夫々要求される強度を得ること
ができる。

【００３８】このため、このカム軸駆動装置２２は、一
側カムチェーン５２Ｌを他側カムチェーン５２Ｒと同サ
イズにすることによる一側カムチェーン５２Ｌが過剰品
質となる不都合やコスト・重量が大幅に増加する不都合
を回避することができるとともに、他のタイミングチェ
ーン５０や他側カムチェーン５２Ｒとの強度上において
アンバランスとなる不都合を回避することができる。

【００３９】この結果、このカム軸駆動装置２２は、タ
イミングチェーン５０と一側カムチェーン５２Ｌと他側
カムチェーン５２Ｒとの各強度を確保しつつ、コストや
重量の増加を招くことなく各チェーン５０・５２Ｌ・５
２Ｒの強度バランスを確保することができる。また、こ
のカム軸駆動装置２２は、既存のチェーンを利用したも
のであり、新たに開発する必要がなく、新たな開発工数
を必要とせずに簡単に即実施することができるものであ
る。

【００４０】

【発明の効果】このように、この発明のカム軸駆動装置
は、タイミングチェーンを中間軸側からクランク軸を経
て一側吸気カム軸及び一側排気カム軸のいずれか一方側
に向かう方向に回転させる場合に、タイミングチェーン
よりも短い一側カムチェーン及び他側カムチェーンの強
度を高め、また、一側カムチェーンよりも大きな引張力
を受ける他側カムチェーンの強度を高めて、タイミング
チェーン、一側カムチェーン及び他側カムチェーンに夫
々要求される強度を得ることができる。

【００４１】このため、このカム軸駆動装置は、一側カ
ムチェーンを他側カムチェーンと同サイズにすることに
よる一側カムチェーンが過剰品質となる不都合やコスト
・重量が大幅に増加する不都合を回避し得るとともに、
他のタイミングチェーンや他側カムチェーンとの強度上
においてアンバランスとなる不都合を回避し得て、この
結果、コストや重量の増加を招くことなく各チェーンの
強度バランスを確保し得て、新たに開発工数を必要とせ
ずに簡単に実施することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すＶ型エンジンのカム軸
駆動装置の正面図である。

【図２】チェーンの拡大平面図である。

【図３】従来例を示すＶ型エンジンのカム軸駆動装置の
正面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線による断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ線による断面図である。

【符号の説明】

２ エンジン ４ シリンダブロック ８ クランク軸 １２Ｌ 一側シリンダヘッド １２Ｒ 他側シリンダヘッド １４Ｌ 一側吸気カム軸 １４Ｒ 他側吸気カム軸 １６Ｌ 一側排気カム軸 １６Ｒ 他側排気カム軸 ２４ クランクスプロケット ３４Ｌ 一側吸気カムスプロケット ３４Ｒ 他側吸気カムスプロケット ３６Ｌ 一側排気カムスプロケット ３６Ｒ 他側排気カムスプロケット ３８ 一側中間用スプロケット ４０ 中間軸 ４２ 他側中間用スプロケット ４４ 他側カム軸用スプロケット ４６ アイドラ軸 ４８ アイドラスプロケット ５０ タイミングチェーン ５２Ｌ 一側カムチェーン ５２Ｒ 他側カムチェーン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｖ型エンジンのシリンダブロックにクラ
   ンク軸を軸支して設け、前記Ｖ型エンジンの一側シリン
   ダヘッドに夫々一側吸気カム軸及び一側排気カム軸を軸
   支して設け、前記Ｖ型エンジンの他側シリンダヘッドに
   夫々他側吸気カム軸及び他側排気カム軸を軸支して設け
   るとともに中間軸を設け、前記クランク軸と前記中間軸
   と前記一側吸気カム軸及び一側排気カム軸のいずれか一
   方とをタイミングチェーンにより連絡して設け、前記一
   側吸気カム軸及び一側排気カム軸を一側カムチェーンに
   より連絡して設けるとともに前記中間軸と前記他側吸気
   カム軸及び他側排気カム軸とを他側カムチェーンにより
   連絡して設け、前記タイミングチェーンを前記中間軸側
   から前記クランク軸を経て前記一側吸気カム軸及び一側
   排気カム軸のいずれか一方側に向かう方向に回転させる
   ことにより前記一側カムチェーンを介して一側吸気カム
   軸及び一側排気カム軸を駆動するとともに前記他側カム
   チェーンを介して他側吸気カム軸及び他側排気カム軸を
   駆動するＶ型エンジンのカム軸駆動装置において、前記
   タイミングチェーンの引張強さＳ１と前記一側カムチェ
   ーンの引張強さＳ２と前記他側カムチェーンの引張強さ
   Ｓ３とがＳ１＜Ｓ２＜Ｓ３となるように夫々異ならせて
   設けたことを特徴とするＶ型エンジンのカム軸駆動装
   置。
2. 【請求項２】 前記カム軸駆動装置は、前記タイミング
   チェーンの引張強さＳ１と前記一側カムチェーンの引張
   強さＳ２と前記他側カムチェーンの引張強さＳ３とがＳ
   １＜Ｓ２＜Ｓ３となるように前記タイミングチェーンの
   ピッチＰ１と前記一側カムチェーンのピッチＰ２と前記
   他側カムチェーンのピッチＰ３とを夫々異ならせて設け
   たことを特徴とする請求項１に記載のＶ型エンジンのカ
   ム軸駆動装置。