JPH0967388A - サイコサポニンの製造方法 - Google Patents

サイコサポニンの製造方法

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JPH0967388A
JPH0967388A JP24666495A JP24666495A JPH0967388A JP H0967388 A JPH0967388 A JP H0967388A JP 24666495 A JP24666495 A JP 24666495A JP 24666495 A JP24666495 A JP 24666495A JP H0967388 A JPH0967388 A JP H0967388A
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JP
Japan
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saikosaponin
producing
adsorbent
plant
bupleurum
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JP24666495A
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English (en)
Inventor
Shinji Inomata
慎二 猪股
Mineyuki Yokoyama
峰幸 横山
Takeshi Kusakari
健 草苅
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サイコサポニンを含有する植物体からサイコサ
ポニンを効率的に提供する手段の提供。 【解決手段】サイコサポニンを含有する植物体の粗抽出
物を吸着剤に接触させてサイコサポニンを吸着剤に吸着
させ、サイコサポニン以外の上記粗抽出物中の成分をこ
の吸着剤から除去した後、そのままこの吸着剤に吸着し
たサイコサポニンを溶出した天然型サイコサポニンを採
取すること;及び上記の吸着剤に吸着したサイコサポニ
ンに鉄(III)イオンを接触させてジエン構造を有する
サイコサポニンに変換し、この変換済サイコサポニンを
溶出したジエン構造を有するサイコサポニンを採取する
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の技術分野は、広範な
薬理作用を有するサイコサポニンの製造方法に属する。
より詳細には、吸着剤にサイコサポニンを一旦吸着させ
ることで収率を飛躍的に向上させ、さらには天然型サイ
コサポニンから人工型サイコサポニンであるジエン構造
を有するサイコサポニンへの変換効率をも向上させた上
記製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】サイコサポニンは、セリ科の多年生植物
であるミシマサイコの根を乾燥させたものであり、古来
より解熱、解毒、鎮痛、強壮、抗炎症の要薬として使用
されてきた重要な漢方原料の一つである柴胡(サイコ)
の主要な薬理成分として知られている。このサイコサポ
ニンは、オレアナン型トリテルペノイドサポニンで、こ
れまでにa,c,d,b1,b2等13種類が単離され
て構造が決定されている。
【0003】これらのサイコサポニンは、それぞれが特
徴的な薬理作用を有することが知られている。例えば、
サイコサポニンa及びサイコサポニンdには血清コレス
テロールの低下作用や抗炎症作用があることが知られて
いる。また、サイコサポニンb1及びサイコサポニンb
2には抗アレルギー作用や慢性肝炎に対する効果を有す
ることが知られている。そしてさらに上記した5種類の
サイコサポニン(a,c,d,b1,b2)はいずれも
皮膚の創傷治療効果、肌荒れ防止効果、肌荒れ改善効果
及び皮膚のたるみやつやの消失等を防止する皮膚の老化
防止効果等を有することも知られている。すなわち、こ
れらのサイコサポニンは、内服薬のみならず、外用薬の
有効成分としても極めて重要な成分である。
【0004】しかしながら、これらのサイコサポニン
は、上記ミシマサイコの天然根中に0.5〜1.5重量
%程度しか含有されておらず、非常に高価な成分であ
り、これがサイコサポニンの汎用化を妨げる大きな要因
の一つとなっている。このサイコサポニンの活用に際し
ての課題を解決するために、バイオテクノロジー的手法
で高価なサイコサポニンを安価で大量に入手する手段が
提供されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バイオ
テクノロジー的手法でサイコサポニンを含む原材料が大
量に提供されても、精製されたサイコサポニンを効率的
に提供する手段が確立されなければ、サイコサポニンを
より広い分野での積極的な利用を図ることは困難であ
る。そこで、本発明が解決すべき課題は、サイコサポニ
ンを含有する植物体からサイコサポニンを効率的に提供
する手段を確立することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために、サイコサポニンの効率的な生産方法
について鋭意検討を行った。その結果、ミシマサイコの
根等のサイコサポニンを含有する植物原料の抽出物を一
旦吸着剤に吸着させて、これに様々な手段を講ずること
で、上記課題を解決し得ることを見出した。
【0007】すなわち、本発明者は以下の発明を本願に
おいて提供するものである。まず、サイコサポニンを含
有する植物体の粗抽出物を吸着剤に接触させてサイコサ
ポニンを吸着剤に吸着させ、サイコサポニン以外の上記
粗抽出物中の成分をこの吸着剤から除去した後、この吸
着剤に吸着したサイコサポニンを溶出させて精製したサ
イコサポニンを採取する天然型サイコサポニンの製造方
法を提供する。
【0008】さらに、サイコサポニンを含有する植物体
の粗抽出物を吸着剤に接触させてサイコサポニンを吸着
剤に吸着させ、サイコサポニン以外の上記粗抽出物中の
成分をこの吸着剤から除去した後、この吸着剤に吸着し
たサイコサポニンに鉄(III)イオンを接触させてジエ
ン構造を有するサイコサポニンに変換し、この変換済サ
イコサポニンを溶出させて精製したこのサイコサポニン
を採取するジエン構造を有するサイコサポニンの製造方
法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。 A.本発明のサイコサポニンの製造方法等(以下、本発
明方法という)は、サイコサポニンを含有する植物体の
粗抽出物を原材料とする。サイコサポニンは、上述した
経緯を有するオレアナン型トリテルペノイドサポニンで
ある。
【0010】ここに、主要なサイコサポニンの構造式を
示す。
【化1】 これらの化学式に示すように、サイコサポニンには、上
段のサイコサポニン(サイコサポニンa,サイコサポニ
ンc及びサイコサポニンd)のように二重結合が13位
だけのものに代表される天然物中にそのまま存在するも
のと、下段のサイコサポニン(サイコサポニンb1,サ
イコサポニンh及びサイコサポニンb2)のように、1
3位のみならず、14a位にも二重結合があるものとが
ある。
【0011】本発明においては、二重結合が13位及び
14a位にある型のサイコサポニンをジエン構造を有す
るサイコサポニンと呼び、このジエン構造を有するサイ
コサポニン以外のサイコサポニンを天然型サイコサポニ
ンと呼ぶ。天然型サイコサポニンは文字通り天然物中に
そのまま存在するものであるが、ジエン構造を有するサ
イコサポニンは、天然物中には存在せず、上記天然型サ
イコサポニンを人為的に変換して得られるものである。
なお、天然型のサイコサポニンaを変換して得られるジ
エン構造を有するサイコサポニンは、サイコサポニンb
1であり、同じくサイコサポニンcに対してはサイコサ
ポニンhが対応し、サイコサポニンdに対してはサイコ
サポニンb2が対応する。
【0012】本発明方法における原材料の粗抽出物を提
供する植物体は、サイコサポニンを含有し得る限りにお
いて特に限定されるものではない。例えば、ブプレウル
ム属(Bupleurum )に属する植物、例えばミシマサイコ
(ブプレウルム・ファルカタム(Bupleurum falcatu
m L.),北柴胡(ブプレウルム・チャイニーズ(Bu
pleurum chinese DC.),ブプレウルム・コマロ
ビアナム(Bupleurum komarovianum Lincz.),狭葉
柴胡(ブプレウルム・スコルツォネラフォリウム(Bupl
eurum scorzocracfollum Willd.)等を本発明方法に
おける原材料の粗抽出物を提供する植物体として挙げる
ことができる。
【0013】また、上記植物体において選択されるべき
部位も、サイコサポニンを含有し得る部位である限り特
に限定されない。例えば、上記ミシマサイコの場合に
は、サイコサポニンが含有されていることが知られてい
る根部を選択することが好ましい。
【0014】さらに、これらの植物体として、天然の植
物体を選択することが可能であることは勿論であるが、
人工的に培養した植物体、例えばサイコサポニンの生成
効率を向上させるために上記植物体の特定部位を培養し
て誘導したカルスやこのカルスをさらに分化させて特定
部位の器官培養を行った植物体を用いることができる。
【0015】また、遺伝子工学的手法、例えばサイコサ
ポニンを大量に生成させることを目的として作出した遺
伝子導入株や細胞融合株を用いることも可能である。な
お、サイコサポニンを生成する植物として好ましく用い
られるミシマサイコについて、上記植物培養に供するプ
ロトプラストは、ニコチン酸,塩酸ピリドキシン,D−
パントテン酸カルシウム,p−アミノ安息香酸,塩化コ
リン,アスコルビン酸,ビタミンA,ビタミンD3 ,ビ
タミンB12,ピルビン酸ナトリウム,クエン酸,リンゴ
酸ナトリウム,フマル酸又はカザミノ酸のうち少なくと
も1種類のビタミン又は有機酸を含む培養培地中で培養
することが好ましい(特開平2−245180号公報参
照)。
【0016】また、ミシマサイコの根の器官培養に際し
ては、この器官培養を継続してももはや実質的に側根の
数が増加しない状態になるまで、この器官培養培地の糖
類成分(シュークロース,グルコース又はフラクトース
等)の濃度を培地全体に対して2重量%未満に制限して
培養することが、この器官培養におけるサイコサポニン
の生産効率を向上させ得るという点で好ましい(特開平
5−23069号公報参照)。さらに、培養培地中に、
クマリン,m−ハイドロキシ安息香酸,o−ハイドロキ
シフェニル酢酸,p−ハイドロキシフェニル酢酸,o−
クマリン酸,クロロゲン酸,フロログルシノール又はウ
ンベリフェノン等のフェノール誘導体を添加すること
も、この器官培養におけるサイコサポニンの生産効率を
向上させ得るという点において好ましい(特開平5−1
84379号公報参照)。
【0017】そして、ミシマサイコに代表されるセリ科
植物への、例えばサイコサポニン合成遺伝子等のサイコ
サポニンの生成を向上させ得る遺伝子の導入に際して
は、かかる遺伝子暗号を含むDNAを遺伝子導入対象で
あるセリ科植物のプロトプラストと共存させ、電気パル
スを与えるか又は細胞融合剤を添加させることが効率的
に所望する遺伝子導入を実現し得るという点において好
ましい(特開平6−90771号公報参照)。
【0018】このようにして提供されるサイコサポニン
を含有する植物体の粗抽出物の調製は、この抽出物を得
るための通常公知の方法、例えばアルコール抽出等を用
いて行うことが可能である。なお、ここでいう粗抽出物
には植物体の破砕物由来である場合は勿論、器官培養等
の植物組織培養を行った培地由来である場合をも包含す
る。
【0019】B.次に、調製したサイコサポニンを含有
する植物体の粗抽出物を吸着剤に接触させてサイコサポ
ニンを吸着剤に吸着させる。本発明方法において用い得
る吸着剤は、粗抽出物中のサイコサポニンをこの吸着剤
に吸着させることのみでは変質させずに、ある程度特異
的にサイコサポニンを吸着させることができる限りにお
いて特に限定されるものではない。
【0020】なお、ここで「ある程度特異的に」という
のは、溶出条件を調節することによってサイコサポニン
を特異的に単離できる程度を意味するものである。この
条件を満たす限りサイコサポニン以外の成分をも吸着し
得る吸着剤であっても許容され得る。ただし、可能な限
り特異的にサイコサポニンを吸着し得る吸着剤であるこ
とが好ましいのは勿論である。
【0021】前述したサイコサポニンの構造を考慮する
と、サイコサポニンはイオン的な性格が薄く、かつ比較
的極性の低い物質である。そして、このようなサイコサ
ポニンを吸着するのに好ましい吸着剤としては、イオン
結合力で物質を吸着するための官能基を持つイオン交換
樹脂ではなく、ファンデルワールス力によりサイコサポ
ニンを吸着し得る疎水性を有する素材及び構造の吸着剤
を選択することが自然であり、かつ好ましい。
【0022】さらに、これらの吸着剤の中でも、吸着剤
表面の孔の数が少ない少孔性吸着剤よりも、この数が多
い多孔性吸着剤を選択することが、サイコサポニンの吸
着可能面積を広くすることができるという点において好
ましい。一方、サイコサポニンへの吸着力が強すぎると
溶出が困難となることから、適度なサイコサポニンへの
吸着力を示す吸着剤を選択することが肝要である。具体
的には、本発明において用い得る吸着剤としては、例え
ば、天然吸着剤であれば、活性炭等を挙げることができ
る。
【0023】ただし、活性炭のサイコサポニンの吸着力
は非常に高いのであるが、反面サイコサポニンを溶出す
ることが困難になるという欠点がある。合成吸着剤であ
れば、例えばスチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着
剤やアクリル系の合成吸着剤を挙げることができる。ま
た、シリカゲルと疎水基を組み合わせた素材の合成吸着
剤、ポリアミドゲル、修飾デキストランゲル等を挙げる
こともできる。
【0024】ここで、スチレン−ジビニルベンゼン系の
合成吸着剤の具体例としては、例えば三菱化学株式会社
製の芳香族系ダイヤイオンHPシリーズ(HP10,H
P20,HP21,HP30,HP40,HP50)や
オルガノ製のアンバーライトXADシリーズ(XAD−
2,XAD−4,XAD−7,XAD−8,XAD−2
000)を、さらに孔数が非常に多いことが特徴の三菱
化学株式会社製の芳香族系ダイヤイオンSP800シリ
ーズ(SP800,SP825,SP850,SP87
5)や疎水基を別途導入した同社製芳香族系修飾型ダイ
ヤイオンSP200シリーズ(SP205,SP20
6,SP207)等を挙げることができる。
【0025】具体的にこれらの中で、ダイヤイオンHP
シリーズ、特に同HP20が、疎水性の強度が適当であ
って、効率的にサイコサポニンを吸着することが可能で
あり、かつ溶出が容易である点で、さらに比較的安価で
多量のサイコサポニンの製造等に適するという点におい
て好ましい。なお、これらのスチレン−ジビニルベンゼ
ン系の合成吸着剤は、一般に非極性であり、溶剤の選択
により所望するサイコサポニンの溶出効率が大きく左右
される。
【0026】アクリル系の合成吸着剤としては、例えば
三菱化学株式会社製のダイヤイオンHPMGシリーズを
挙げることができる。
【0027】シリカゲルと疎水基を組み合わせた素材の
合成吸着剤としては、例えばミニカラムフェニル(フェ
ニル基導入:J.T.Baker社製)やオクタデシル
基を疎水基として導入したODSカラム等を挙げること
ができる。この種の吸着剤も、本発明に適用するに好ま
しい吸着剤ではあるが、現状では一般に高価な傾向があ
るので、サイコサポニンの大量生産を図るには困難な面
があることは否定できない。
【0028】修飾デキストランゲルとしては、例えばセ
ファデックス(Sephadex)LH−20(ファルマシア社
製)を挙げることができる。
【0029】調製した粗抽出物と上記吸着剤の接触方法
は、特に限定されず、カラム式処理もバッチ式処理も共
に用いることが可能である。また、用いる吸着剤と上記
で調製した粗抽出物との量比も本発明方法において、非
常に大きな影響を与える。すなわち、吸着剤に対して接
触させる粗抽出物の量が過剰であれば、粗抽出物中のサ
イコサポニンが吸着剤に吸着されきれず、試料が無駄に
なることになる。また、吸着剤の量が過剰であれば、溶
出時間が必要以上に長くなり、所望するサイコサポニン
の製造効率上好ましくない。
【0030】具体的な用いる吸着剤と上記で調製した粗
抽出物との量比の好適な範囲は、用いる吸着剤のサイコ
サポニンの吸着効率と粗抽出物中のサイコサポニンの含
有比率に応じて変わり得るものであり、一概に律するこ
とはできないが、例えば、前述のスチレン−ジビニルベ
ンゼン系の合成吸着剤(三菱化学株式会社製ダイヤイオ
ンSP800やSP200のような特別な処理なし)を
吸着剤として用いる場合には、この吸着剤とサイコサポ
ニンが容量対重量で50:1〜500:1程度であるこ
とが好ましい。
【0031】C.次に、サイコサポニン以外の上記粗抽
出物中の成分をサイコサポニンを吸着させた吸着剤から
の除去を行う。かかる除去方法は、特に限定されず通常
公知の吸着剤の洗浄方法を用いることで行うことができ
る。なお、この洗浄過程に用いる洗浄液も、吸着したサ
イコサポニンを溶出し得るものでなく、かつこのサイコ
サポニンの構造を変質させ得るものでない限りは特に限
定されない。この洗浄液は、用いた吸着剤の種類に応じ
て適宜選択することができる。
【0032】D.天然型サイコサポニンからジエン構造
を有するサイコサポニンへの変換を行う場合には、上記
の工程を経て吸着剤上に吸着した天然型サイコサポニン
に鉄(III)イオンを接触させて天然型からジエン構造
を有するに変換する。ここで、鉄(III)イオンを吸着
剤上に吸着した天然型サイコサポニンに接触させる手段
としては、鉄(III)塩溶液等の鉄(III)イオンの溶液
を直接この天然型サイコサポニンに接触させる方法を挙
げることができる。この鉄(III)塩としては、例えば
塩化鉄(FeCl3 )等を挙げることができる。
【0033】なお、吸着剤として非極性の素材の吸着剤
を用いる場合には、鉄(III)イオンの水溶液を接触媒
体として用いても、この水溶液と吸着剤との馴染みが悪
く、効率的な変換を期待することができない。そこで、
この場合には、例えば水よりも極性の低いメタノール水
等を鉄(III)イオンのキャリアとして用いて鉄(III)
イオンと天然型サイコサポニンとの接触を図ることが好
ましい。
【0034】また、鉄(III)イオンの溶液の濃度は、
概ね40重量%程度が好ましく、また、この鉄(III)
イオンと吸着剤との接触時間は10分〜200分程度が
好ましく、30分〜60分程度が特に好ましい。この、
変換工程によって、上述したように、サイコサポニンa
がサイコサポニンb1に変換され、サイコサポニンcが
サイコサポニンhに変換し、サイコサポニンdがサイコ
サポニンb2に変換する。
【0035】E.最後に、吸着剤に吸着した、天然型サ
イコサポニン又は上記の変換工程において変換したジエ
ン構造を有するサイコサポニンを吸着剤から溶出させ
る。この溶出条件は、吸着した上記サイコサポニンを変
質させずに効率的に溶出可能な限りにおいて特に限定さ
れず、用いた吸着剤の種類に応じて適宜選択することが
できる。
【0036】例えば、非極性の素材の吸着剤を用いた場
合には、水よりも溶出力の強い溶出液、例えばエタノー
ル,2−プロパノール,アセトン,メタノール等の非極
性溶媒を主体にした溶出液を選択することが好ましい。
このように、上記溶出工程により、天然型サイコサポニ
ン又は上記の変換工程において変換したジエン構造を有
するサイコサポニンの粗精製物を得ることができる。か
かる粗精製物から所望する種類のサイコサポニンを製造
するには、通常公知の方法を採ることができる。
【0037】例えば、高速液体クロマトグラフィー(H
PLC),遠心液液分配クロマトグラフィー(CPC)
等によって、所望する種類のサイコサポニンを精製単離
することが可能である。なお、各々のサイコサポニンの
検出は、UV210nmで行うことができる。また、各々
のサイコサポニンに分別せず、上記粗精製物を天然型サ
イコサポニン又はジエン構造を有するサイコサポニンと
して精製する場合においては、例えば再結晶法等のより
簡便な方法による精製で足る。具体的な手順について
は、後述の実施例2において記載する。
【0038】
【実施例】以下、実施例等を用いて本発明をより具体的
に説明する。しかしながら、これらの実施例等が本発明
の技術的範囲を限定するものではないことは勿論であ
る。なお、本明細書に開示した実施例において、アルコ
ール等の溶媒は、市販の特級試薬の原液を100%とし
て扱っている。すなわち、本明細書に開示した実施例に
おいて、例えば100%エタノールとは、市販の特級エ
タノールの原液を意味するものであり、70%メタノー
ルとは、市販の特級メタノールを70%に希釈したメタ
ノール水のことを意味する。
【0039】〔参考例〕 ミシマサイコの根の器官培養 ブプレウルム・ファルカタム(Bupleurum falcatum
)L.の種子を70%エタノール中に30秒、次いで
2%次亜塩素酸ナトリウム中に30分間浸漬して滅菌を
行い、滅菌水で洗浄した後、0.2%ジェランガムで固
化したリンスマイヤー・スクーグ培地(LS培地:KN
3 1900(mg/l 以下同様),Na4NO3 1650,M
gSO4 ・7H2 O 370 ,CaCl2 ・2H2 O 44
0 ,KH2 PO4 170,MnSO4 ・4H2 O 22.3,
KI 0.83, H3 BO3 6.2, ZnSO4 ・7H2
8.6, CuSO4 ・5H2 O 0.025, Na2 Mo4
2H2 O 0.25, CoCl2 ・6H2 O 0.025, Fe
SO4 ・7H2 2 27.86, Na2 EDTA 37.26,
ミオ-イノシトール 100, チアミン-HCl 0.4, ショ
糖 30000, pH5.8)で発芽させて無菌的に生育させ
た。この無菌的に生育させた植物体の根部を切取り、こ
れをインドール酪酸を0.1mg/ml含む上記と同様の組
成のLS固形培地上で培養したところ、カルスの増殖が
確認され、このカルスに不定根の分化が認められた。そ
こで、この不定根部分を切取り、インドール酪酸を8pp
m 添加しGamborgの培地(B5培地:KNO3 3
000(mg/l 以下同様),(Na4)2SO4 134, MgS
4 ・7H2 O 500,CaCl2 ・2H2 O 150, N
aH2 PO4・H2 O 150, MnSO4 ・H2O 10,
KI 0.75, H3 BO3 3, ZnSO4 ・7H2 O 2,
CuSO4 0.025, Na2 Mo4 ・2H2 O 0.25, C
oCl2 ・6H2 O 0.025, セクエストレン330F'e
28, ミオ-イノシトール 100, チアミン-HCl 1
0,ニコチン酸 1, ピリドキシン-HCl,ショ糖 1000
0,pH5.5)を調製し、この調製培地を400mlを
1l 容の三角フラスコ中に入れて、オートクレーブ滅菌
を行った後、上記培養根を2g この調製培地に接種し、
26℃位暗所下で培養を行った。2週間目に50%ショ
糖溶液を48ml補充した。そして、培養開始から6週間
後に培養根を回収した。
【0040】〔実施例1〕天然型サイコサポニンの製造 (1)上記参考例において器官培養を行った培養根を凍
結乾燥し、この凍結乾燥した培養根40g をミルで粉砕
した。この粉砕試料に30倍量(v/w)の0.5%K
OH含有の75%のメタノールを加えて24時間室温で
抽出を行い、ナイロンメッシュ(80μm)で抽出物を濾過
して、サイコサポニンを含有する植物体の粗抽出物とし
て上記培養根の抽出液を調製した。
【0041】(2)本発明方法を実施する前提として、
上記参考例において器官培養を行った培養根中のサイコ
サポニンの定量を行った。すなわち、上記(1)冒頭に
記載した培養根の凍結乾燥粉砕物0.1g に対して0.
5%KOHを含む90%メタノール3mlを添加して48
時間振とう抽出し、遠心分離(10000rpm )後、上
清をHPLC(LC100W/F,横河電気株式会社
製)で定量した。このHPLC分析においては、カプセ
ルパックC18(4Φ×250mm)カラム(株式会社資
生堂製)を用い、アセトニトリル水(アセトニトリル:
水=4:6)を流速1ml/分で流し、UV210nmでの
サイコサポニンの検出を行った。
【0042】その結果、0.1g の上記凍結乾燥粉砕物
中には、サイコサポニンaが1.0mg,サイコサポニン
dが1.2mg,サイコサポニンcが0.3mg含有されて
いることが判明した。
【0043】(3)次に、吸着剤として、ダイヤイオン
HP−20(三菱化学株式会社製)のオープンカラム又
はバッチを用いて天然型サイコサポニンの製造を行っ
た。すなわち、ダイヤイオンHP−20を100ml容の
オープンカラムに充填し、これに上記(1)で調製した
抽出液1.2l に水2.4l を添加したものをSV6
(1時間に吸着剤の6倍の体積量)の速度でアプライし
てサイコサポニンのカラムにおける吸着を行った。さら
に、抽出液(上記と同様に、抽出液1.2l に水2.4
l を添加した溶液)にHP−20を300ml添加して攪
拌し、バッチにおける吸着を行った。次に、抽出液を接
触させてサイコサポニンを吸着させた吸着剤を、25%
メタノールで洗浄して、未吸着物を除去した。
【0044】次に、洗浄済吸着剤にサイコサポニンの溶
出液を接触させて、所望する天然型サイコサポニンの溶
出を行った。溶出液としては、カラムにおいては、10
0%メタノール,100%エタノールを用い、バッチに
おいては、100%メタノール,100%エタノール,
100%2−プロパノール,70%アセトンを用いた。
各々の方法で得られた溶出液(サイコサポニン粗精製
物)を減圧乾固したものについてHPLCでサイコサポ
ニンを定量したところ、カラム法による場合において
は、サイコサポニンa,サイコサポニンd,サイコサポ
ニンcがそれぞれ380mg,470mg,100mg分取さ
れた。
【0045】また、バッチ法による場合においては、サ
イコサポニンa,サイコサポニンd,サイコサポニンc
がそれぞれ320mg,400mg,84mg分取された。な
お、溶出液として、100%メタノールを用いた場合と
100%エタノールを用いた場合とでは回収率(サイコ
サポニン粗精製物中のサイコサポニン量/サイコサポニ
ン含有植物の粗抽出物中のサイコサポニン量)の差は見
られなかった。この実施例1において、本発明方法によ
れば効率的にサイコサポニンを含有する植物体から効率
的に精製されたサイコサポニンを得ることが可能である
ことが明らかになった。
【0046】〔実施例2〕ジエン構造を有するサイコサ
ポニンの製造 (1)実施例1と同じく洗浄工程まで行ったカラムに吸
着させたサイコサポニンを天然型からジエン構造を有す
るサイコサポニンへの変換を行った。なお、この実施例
においては、天然型サイコサポニンからジエン構造を有
するサイコサポニンへの変換効率をより明らかにするた
めに、実施例1で用いたミシマサイコの根の抽出液の他
に、サイコサポニンaの標準品を単独で10mg、並びに
サイコサポニンa及びサイコサポニンd(共にナカライ
テスク社製)の標準品をそれぞれ10mgずつ、実施例1
と同様の工程を経て吸着剤に吸着後(吸着剤とサイコサ
ポニンの量比は、抽出液の場合と同一に設定した)、洗
浄を行って、これらについても天然型からジエン構造を
有するサイコサポニンへの変換を行った。
【0047】すなわち、これらの洗浄サイコサポニン吸
着済吸着剤にこの吸着剤の2倍容量の40%のFeCl
3 水溶液を、SV3で添加して、室温下40分間放置し
て接触させた。また、蒸留水並びに20%,40%及び
50%のメタノール水溶液をもとに調製した40%のF
eCl3 溶液(以下、メタノール水溶液にFeCl3
溶解させた溶液を、FeCl3 メタノール溶液という)
についても、同様に室温下40分間のサイコサポニン吸
着済吸着剤との接触を行った。なお、FeCl3 メタノ
ール溶液中のメタノール含量を50%まで上げた場合
は、目的とするサイコサポニンがFeCl3 と共に一部
脱着溶出することが観察された。
【0048】次に、これらの40%のFeCl3 溶液で
天然型サイコサポニンからジエン構造を有するサイコサ
ポニンへの変換を行った吸着剤において、25%メタノ
ール水溶液で吸着剤上に残ったFeCl3 を洗い流した
後に、様々な溶出液と接触させることにより、所望する
ジエン構造を有するサイコサポニンの溶出を行った。
【0049】その結果、40%FeCl3 溶液を調製す
るための溶媒が水のときの回収率(サイコサポニンb1
/サイコサポニンa×100)は、せいぜい65%程度
であり、必ずしも優れたものではなかった(図1)。こ
れは、ダイヤイオンHP−20は樹脂表面の極性が低い
ために、FeCl3 水溶液との馴染みが悪く、このこと
が、例えばFeCl3 と樹脂上の天然型サイコサポニン
とが十分に接触せず、未変換の天然型サイコサポニンが
残存し易くなる等により、天然型サイコサポニンからジ
エン構造を有するサイコサポニンへの変換効率に悪影響
を与えるものと推測される。
【0050】これに対して、40%FeCl3 溶液調製
用溶媒としてメタノール水を用いると回収率(同上)が
向上し、40%メタノール水を溶液調製用溶媒として用
いた群では、80%以上まで回収率(同上)が向上した
(図1)。なお、100%エタノール又は100%メタ
ノールを溶出液として用いた群が、サイコサポニンの回
収率が良好であることも判明した。このようにして、H
P−20より溶出したサイコサポニンb1及びサイコサ
ポニンb2画分を、エバポレーターを用いて減圧乾固し
た。
【0051】なお、吸着剤としてODSを用いた場合
は、上と同じ工程を経て40%FeCl3 水溶液を用い
てもジエン構造を有するサイコサポニンの回収率(同
上)は約90%であり良好であった(図示せず)が、現
時点では一般的にODSに代表されるシリカゲルと疎水
性基を組み合わせた吸着剤は高価であり、汎用性に問題
があることは否めない。
【0052】また、アンバーライトXAD−2(オルガ
ノ社製)を吸着剤として同様の工程を行ったが、サイコ
サポニンを十分に吸着することが出来なかった。さら
に、活性炭を吸着剤として同様の工程を行ったが、この
場合は、サイコサポニンは十分吸着されたが、吸着力が
強すぎて溶出を十分に行うことが出来なかった。
【0053】(2)さらに、吸着剤であるダイヤイオン
HP−20を、上記(1)と同様のサイコサポニンの標
準品及び抽出液に対して、1.5倍に容量を増量変更し
て充填したオープンカラムで変換条件を検討した。図2
は、40%FeCl3 溶液調製用溶媒としてのメタノー
ル水におけるメタノール濃度を30%と45%に設定し
てジエン構造を有するサイコサポニンへの変換効率を検
討した結果を示したグラフ(溶出液としては100%メ
タノールを使用)である。この図から40%FeCl3
溶液調製用溶媒として45%メタノール水を選択した群
が、サイコサポニンの標準品及び抽出液の両者に関し
て、ジエン構造を有するサイコサポニンの優れた回収率
を示すことが判明した(回収率は、サイコサポニンb
1:サイコサポニンb1/サイコサポニンa×100,
サイコサポニンb2:サイコサポニンb2/サイコサポ
ニンd×100で計算)。
【0054】(3)そして最後に、上記の工程(2)に
より得られた減圧乾固物をその倍量程度の100%メタ
ノールで溶解後、これにイソプロピルエーテルを、添加
した100%メタノールの10〜50倍量添加すること
により、ジエン構造を有するサイコサポニン(サイコサ
ポニンb1及びサイコサポニンb2)の再結晶を行っ
た。かかるサイコサポニンの結晶を濾過及び乾燥して所
望するジエン構造を有するサイコサポニンの精製品を得
た。
【0055】上記実施例2に示したFeCl3 による変
換法は、従来から天然型サイコサポニンからジエン構造
を有するサイコサポニンへの変換手段として知られてい
る、酸と天然型サイコサポニンとを接触させる方法に比
べて、所望するジエン構造を有するサイコサポニン以外
の副産物も生じにくく、さらに抽出物中のサイコサポニ
ンを吸着剤に一旦吸着させることにより、未吸着成分
(不純物)を予め反応系から容易に除去することができ
る。また、所望するジエン構造を有するサイコサポニン
を、抽出液に比べると3〜4倍濃縮して回収することが
可能であり、溶出液を容易に濃縮し易いエタノール又は
メタノール等の溶媒とすることが可能である等の利点を
有する。なお、ここに示した実施例について、経済性も
考慮した最適な本発明方法の一実施態様を図3のフロー
シートに示した。
【0056】
【発明の効果】本発明により、サイコサポニンを含有す
る植物体からサイコサポニンを効率的に提供する手段が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】FeCl3 溶液としてFeCl3 水溶液又は各
種濃度のメタノール溶液を用いた群におけるサイコサポ
ニンの回収率を示した図面である。
【図2】FeCl3 溶液調製用溶媒としてのメタノール
水におけるメタノール濃度を30%と45%に設定して
ジエン構造を有するサイコサポニンへの変換効率を検討
した結果を示した図面である。
【図3】本発明方法の一実施態様を示すフローシート図
面である。

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイコサポニンを含有する植物体の粗抽出
    物を吸着剤に接触させてサイコサポニンを吸着剤に吸着
    させ、サイコサポニン以外の上記粗抽出物中の成分をこ
    の吸着剤から除去した後、この吸着剤に吸着したサイコ
    サポニンを溶出させて採取する天然型サイコサポニンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】サイコサポニンを含有する植物体の粗抽出
    物を吸着剤に接触させてサイコサポニンを吸着剤に吸着
    させ、サイコサポニン以外の上記粗抽出物中の成分をこ
    の吸着剤から除去した後、この吸着剤に吸着したサイコ
    サポニンに鉄(III)イオンを接触させてジエン構造を
    有するサイコサポニンに変換し、この変換済サイコサポ
    ニンを溶出させて採取するジエン構造を有するサイコサ
    ポニンの製造方法。
  3. 【請求項3】鉄(III)イオンが鉄(III)塩由来のイオ
    ンである請求項2記載のサイコサポニンの製造方法。
  4. 【請求項4】鉄(III)塩がFeCl3 である請求項3
    記載のサイコサポニンの製造方法。
  5. 【請求項5】鉄(III)イオンを水又はメタノール水を
    キャリアとして用いて、吸着剤に吸着したサイコサポニ
    ンに接触させる請求項2乃至請求項4記載のサイコサポ
    ニンの製造方法。
  6. 【請求項6】メタノール水が40%メタノール水である
    請求項5記載のサイコサポニンの製造方法。
  7. 【請求項7】鉄(III)イオンとサイコサポニンとの接
    触時間が、10分乃至200分である請求項2乃至請求
    項6のいずれかの請求項記載のサイコサポニンの製造方
    法。
  8. 【請求項8】鉄(III)イオンとサイコサポニンとの接
    触時間が、30分乃至60分である請求項2乃至請求項
    6のいずれかの請求項記載のサイコサポニンの製造方
    法。
  9. 【請求項9】鉄(III)イオンとサイコサポニンとの接
    触を、SV3で40分行う請求項2乃至請求項8のいず
    れかの請求項記載のサイコサポニンの製造方法。
  10. 【請求項10】サイコサポニンの吸着剤への吸着条件が
    SV6である請求項1又は請求項2記載のサイコサポニ
    ンの製造方法。
  11. 【請求項11】吸着剤に吸着したサイコサポニンを溶出
    させるサイコサポニンの溶出液が、エタノール、2−プ
    ロパノール、アセトン及びメタノールからなる群のアル
    コールのうち1種又は2種以上を含む請求項1乃至請求
    項10記載のサイコサポニンの製造方法。
  12. 【請求項12】吸着剤に吸着したサイコサポニンを溶出
    させるサイコサポニンの溶出液が、100%メタノール
    又は100%エタノールである請求項11記載のサイコ
    サポニンの製造方法。
  13. 【請求項13】サイコサポニンを含有する植物体が、ブ
    プレウルム属(Bupleurum )に属する植物の植物体であ
    る請求項1乃至請求項12のいずれかの請求項記載のサ
    イコサポニンの製造方法。
  14. 【請求項14】ブプレウルム属に属する植物が、ミシマ
    サイコ(ブプレウルム・ファルカタム(Bupleurum f
    alcatum L.))、北柴胡(ブプレウルム・チャイニ
    ーズ(Bupleurum chinese DC.))、ブプレウル
    ム・コマロビアナム(Bupleurum komarovianum Linc
    z.)及び狭葉柴胡(ブプレウルム・スコルツォネラフォ
    リウム(Bupleurum scorzocracfollum Willd.))か
    らなる群から選ばれるブプレウルム属に属する植物であ
    る請求項13記載のサイコサポニンの製造方法。
  15. 【請求項15】サイコサポニンを含有する植物体が、ミ
    シマサイコ(ブプレウルム・ファルカタム(Bupleurum
    falcatum L.))の根部である請求項13記載の
    サイコサポニンの製造方法。
  16. 【請求項16】サイコサポニンを含有する植物体が、天
    然の植物体である請求項1乃至請求項12のいずれかの
    請求項記載のサイコサポニンの製造方法。
  17. 【請求項17】サイコサポニンを含有する植物体が、人
    工的に培養した植物体である請求項1乃至請求項12の
    いずれかの請求項記載のサイコサポニンの製造方法。
  18. 【請求項18】サイコサポニンを含有する植物体が、遺
    伝子工学的手法を用いて得た植物体である請求項1乃至
    請求項12のいずれかの請求項記載のサイコサポニンの
    製造方法。
  19. 【請求項19】人工的に培養した植物体が、植物体の特
    定部位を培養して誘導したカルス又はこのカルスをさら
    に分化させて器官培養を行って得た植物体である請求項
    17記載のサイコサポニンの製造方法。
  20. 【請求項20】遺伝子工学的手法を用いて得た植物体
    が、遺伝子導入株又は細胞融合株である請求項18記載
    のサイコサポニンの製造方法。
  21. 【請求項21】請求項17又は請求項19記載のサイコ
    サポニンの製造方法において、サイコサポニンを含有す
    る植物体がミシマサイコ(ブプレウルム・ファルカタム
    Bupleurum falcatum L.))の植物体であり、
    かつこの植物体のプロトプラストの培養に供する培地
    が、ニコチン酸,塩酸ピリドキシン,D−パントテン酸
    カルシウム,p−アミノ安息香酸,塩化コリン,アスコ
    ルビン酸,ビタミンA,ビタミンD3 ,ビタミンB12
    ピルビン酸ナトリウム,クエン酸,リンゴ酸ナトリウ
    ム,フマル酸又はカザミノ酸のうち少なくとも1種類の
    ビタミン又は有機酸を含むサイコサポニンの製造方法。
  22. 【請求項22】請求項17又は請求項19記載のサイコ
    サポニンの製造方法において、クマリン,m−ハイドロ
    キシ安息香酸,o−ハイドロキシフェニル酢酸,p−ハ
    イドロキシフェニル酢酸,o−クマリン酸,クロロゲン
    酸,フロログルシノール及びウンベリフェノンからなる
    群のフェノール誘導体を1種又は2種以上添加した培養
    培地を用いるサイコサポニンの製造方法。
  23. 【請求項23】請求項18又は請求項20記載のサイコ
    サポニンの製造方法において、サイコサポニンの生成を
    向上させ得る遺伝子の導入に際して、かかる遺伝子暗号
    を含むDNAを遺伝子導入対象である植物体のプロトプ
    ラストと共存させ、電気パルスを与えるか又は細胞融合
    剤を添加させるサイコサポニンの製造方法。
  24. 【請求項24】請求項19記載のサイコサポニンの製造
    方法において、植物体の特定部位がミシマサイコ(ブプ
    レウルム・ファルカタム(Bupleurum falcatum
    L.))の根部であり、かつ器官培養培地のシュークロ
    ース、グルコース若しくはフラクトースの濃度を、器官
    培養を継続してももはや実質的に根部の数が増加しない
    状態になるまで、上記培地全体に対して2重量%未満と
    するサイコサポニンの製造方法。
  25. 【請求項25】サイコサポニンを含有する植物体の粗抽
    出物が、この植物体をアルコール抽出して得られる粗抽
    出物及び/又はこの植物体の組織培養を行った培地由来
    の粗抽出物である請求項1乃至請求項24のいずれかの
    請求項記載のサイコサポニンの製造方法。
  26. 【請求項26】請求項25記載のサイコサポニンの製造
    方法において、サイコサポニンを含有する植物体の粗抽
    出物の抽出用溶媒がメタノールを含むサイコサポニンの
    製造方法。
  27. 【請求項27】吸着剤が、ある程度特異的にサイコサポ
    ニンを吸着することができる吸着剤である請求項1乃至
    請求項26のいずれかの請求項記載のサイコサポニンの
    製造方法。
  28. 【請求項28】吸着剤がファンデルワールス力によりサ
    イコサポニンを吸着させることのできる吸着剤である請
    求項27記載のサイコサポニンの製造方法。
  29. 【請求項29】吸着剤が多孔性吸着剤である請求項27
    又は請求項28記載のサイコサポニンの製造方法。
  30. 【請求項30】吸着剤が活性炭である請求項17又は請
    求項18記載のサイコサポニンの製造方法。
  31. 【請求項31】吸着剤が、スチレン−ジビニルベンゼン
    系の合成吸着剤、アクリル系の合成吸着剤、シリカゲル
    と疎水基を組み合わせた素材の合成吸着剤、ポリアミド
    ゲル及び修飾デキストランゲルからなる群の合成吸着剤
    のいずれかの吸着剤である請求項27乃至請求項29の
    いずれかの請求項記載のサイコサポニンの製造方法。
  32. 【請求項32】スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸
    着剤が、三菱化学株式会社製の芳香族系ダイヤイオンH
    Pシリーズ(HP10,HP20,HP21,HP3
    0,HP40,HP50)、オルガノ製のアンバーライ
    トXADシリーズ(XAD−2,XAD−4,XAD−
    7,XAD−8,XAD−2000)、三菱化学株式会
    社製の芳香族系ダイヤイオンSP800シリーズ(SP
    800,SP825,SP850,SP875)、三菱
    化学株式会社製の芳香族系修飾型ダイヤイオンSP20
    0シリーズ(SP205,SP206,SP207)か
    らなる群のスチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤
    のいずれかの合成吸着剤である請求項31記載のサイコ
    サポニンの製造方法。
  33. 【請求項33】アクリル系の合成吸着剤が、三菱化学株
    式会社製のダイヤイオンHPMGシリーズである請求項
    31記載のサイコサポニンの製造方法。
  34. 【請求項34】シリカゲルと疎水基を組み合わせた素材
    の合成吸着剤が、ミニカラムフェニル(フェニル基導
    入:J.T.Baker社製)又はオクタデシル基を疎
    水基として導入したODSである請求項31記載のサイ
    コサポニンの製造方法。
  35. 【請求項35】修飾デキストランゲルが、ファルマシア
    社製のセファデックスLH−20である請求項31記載
    のサイコサポニンの製造方法。
  36. 【請求項36】請求項27乃至請求項35のいずれかの
    請求項記載のサイコサポニンの製造方法において、サイ
    コサポニンを含有する植物体の粗抽出物の吸着剤への吸
    着方法がカラム式であるサイコサポニンの製造方法。
  37. 【請求項37】請求項27乃至請求項35のいずれかの
    請求項記載のサイコサポニンの製造方法において、サイ
    コサポニンを含有する植物体の粗抽出物の吸着剤への吸
    着方法がバッチ式であるサイコサポニンの製造方法。
  38. 【請求項38】吸着剤が、多孔性処理が行われていない
    スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤である場合
    において、この吸着剤とサイコサポニンを、容量対重量
    比で50対1乃至500対1(サイコサポニン対吸着
    剤)の割合で接触させる請求項31記載のサイコサポニ
    ンの製造方法。
  39. 【請求項39】請求項1乃至請求項38のいずれかの請
    求項記載のサイコサポニンの製造方法において、サイコ
    サポニンを含有する植物体の粗抽出物中のサイコサポニ
    ン以外の成分の吸着剤からの除去手段が、洗浄液による
    洗浄であるサイコサポニンの製造方法。
  40. 【請求項40】洗浄液が、25%メタノールである請求
    項39記載のサイコサポニンの製造方法。
  41. 【請求項41】請求項1乃至請求項40記載のサイコサ
    ポニンの製造方法において、吸着剤から溶出させたサイ
    コサポニンの粗精製液を高速液体クロマトグラフィー
    (HPLC)若しくは遠心液液分配クロマトグラフィー
    (CPC)によって、サイコサポニンを分別して採取す
    るサイコサポニンの製造方法。
  42. 【請求項42】請求項1乃至請求項40記載のサイコサ
    ポニンの製造方法において、吸着剤から溶出させたサイ
    コサポニンの粗精製液を再結晶させて、天然型サイコサ
    ポニン又はジエン構造を有するサイコサポニンを分別し
    て採取するサイコサポニンの製造方法。
  43. 【請求項43】サイコサポニンの粗精製液の減圧乾固物
    をその倍量程度の100%メタノールで溶解後、これに
    イソプロピルエーテルを、添加した100%メタノール
    の10〜50倍量添加して、ジエン構造を有するサイコ
    サポニンの再結晶を行う請求項42記載のサイコサポニ
    ンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20130083793A (ko) * 2012-01-13 2013-07-23 주식회사 엘지생활건강 피부 주름 개선 및 탄력 증진용 조성물
CN105267229A (zh) * 2014-05-28 2016-01-27 广州中医药大学第二附属医院 柴胡皂苷在制备调节多药耐药相关蛋白活性药物中的应用

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